JP4920486B2 - Egrバルブ装置 - Google Patents
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Description
図1は、例えば特許文献1に開示されたEGRバルブ装置の縦断面図である。図1において、1はバルブボディ、2はモータケース、3はコネクタ端子、11は上下動して排ガス通路を開閉するバルブ、12はバルブ11の上下動に応じた開口量を確保するためのシート、13はガイドブッシュ、14はバルブ11が下端に取り付けられたシャフト、15はガイドシール、16はガイドプレート、17はガイドシールカバー、18はスプリングシート、19はシャフト14をバルブ11の閉動方向へ付勢するスプリング、20はモータである。21は中空部が形成されたロータであり、前記中空部の内面にはネジ部が形成されている。
22はコイル、23はヨーク、24はマグネット、25はスライドボール、26はロータシャフトである。これらスライドボール25およびロータシャフト26によりロータ21の上端側を支持している軸受けが構成されている。
27はロータ21の下端側を支持している軸受け、28はロータ21の上端に一体的に取り付けられているコミュテータ(整流子)である。この場合、モータブラシ30とコミュテータ28の配置位置は、ロータ21の上端、かつスライドボール25およびロータシャフト26により構成されるロータ21の上端側を支持している軸受けの下方位置となる。
29はブラシスプリング、30はモータブラシ、31はロータ21の前記中空部の内面に形成されたネジ部と螺合するネジ部がその周面に形成されたモータシャフト、40はポジションセンサである。
次に、動作について説明する。
このEGRバルブ装置では、スプリング19によりバルブ11の閉動方向へ所定のリターントルクを付与し、モータ20の一方向の通電によりバルブ11の開動方向に可変のモータトルクを付与し、それらのトルクバランスによりバルブ11が開閉制御される。
従来のEGRバルブ装置は以上のように構成されているので、バルブ11の開閉動作に必要なトルク発生源として直流モータを使用することからモータブラシと整流子を設けており、このモータブラシと整流子がロータ21の上端、かつスライドボール25の下方位置に配置されていることと、また、バルブ11の開閉動作に伴いロータ21の軸方向に作用する反力によりロータ21自体がその軸方向へ上下に位置ずれを起こす可能性があることから、前記ロータ21自体の軸方向への位置ずれが生じた場合の前記モータブラシと前記整流子などの通電装置への悪影響を避けることが出来ない課題があった。
また、モータブラシ30と整流子28がロータ21の上端、かつスライドボール25の下方位置に配置されていることから、モータブラシ30などの摩耗により発生する摩耗粉などの異物が直流モータ内部へ侵入してマグネット24と、コイル22などのモータ回転部とのギャップに詰まりモータ不良を起こし易い課題があった。
また、前記モータブラシ30と前記整流子28などの通電装置をロータ21の上端に一体的に取り付けて、さらにロータシャフト26の上端をスライドボール25に回動自在に当接させてコイル22などのモータ回転部をマグネット24と所定のギャップを有した状態に組み上げることから、組み立ての際の作業性がよくない課題があった。
また、組み立ての際の作業性を向上できるEGRバルブ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るEGRバルブ装置は、前記マグネットが取付けられた前記ロータの延長部の外周面に内輪内周面が固着されている前記一方の軸受けの外輪外周面を嵌着し、前記一方の軸受けをシールするとともに前記モータ回転部の前記通電装置側の開口面を塞いで、前記通電装置と前記一方の軸受けとの間に配設されている遮蔽部材を備えるようにしたものである。
この構成によって、通電装置の摩耗部分で発生する摩耗粉などの異物が軸受けおよびモータ回転部へ侵入して回転不良やモータ不良を起こすなどの現象を防止でき、バルブ装置としての信頼性を向上できる効果を奏する。
この発明に係るEGRバルブ装置は、モータ回転部を組み上げた後にそのロータの延長部へ通電装置を組み付けるようにしたものである。
この構成によって、モータ回転部と通電装置の組み立てを別工程で行うことが可能になり、組み立ての際の作業性を向上できる効果を奏する。
図2は、この発明の実施の形態1によるEGRバルブ装置の構成を示す構造図、図3は同様にEGRバルブ装置のモータ回転部と通電装置の構成を示す構造図である。図4は同様にEGRバルブ装置の通電装置のブラシおよびブラシ保持プレートの構成を示す構造図、図5は同様にEGRバルブ装置のブラシ保持プレート固定部材の構成を示す構造図、図6は同様にEGRバルブ装置の通電装置における円盤形状の給電部の構成を示す構造図、図7は同様にEGRバルブ装置におけるモータ回転部の通電装置取付け側の構成を示す構造図である。
これらの図において、51はバルブの開度を検出するための図示していないポジションセンサや電源供給端子などを備えたセンサ部、52は前記バルブを開閉するためのトルク発生源となる直流モータが内部に構成されているバルブ駆動部の外套部材、53はステータコアである。54はステータを構成するコイルであり、前記ステータコア53の周方向にほぼ等間隔に配置されている。55はロータであり、内面部にネジ部56が形成された中空部を有し、外周部にはマグネット57が取り付けられている。このマグネット57の外周面と前記ステータコア53の内周面との間には所定のギャップが形成されている。
なお、これらロータ55のマグネット57、ステータコア53、コイル54によりモータ回転部を構成している。
60はバルブ駆動軸(バルブ駆動機構)であり、その外周部にはネジ部が形成され、ロータ55に形成された前記中空部の内面部に形成されたネジ部(バルブ駆動機構)56と螺合しており、前記ロータ55の回動に伴って軸方向に移動可能に構成されている。61は図示していないバルブをその先端で支持しているバルブシャフトと突端面で当接している、バルブ駆動軸60の端部に構成されたバルブシャフト当接部材(バルブ駆動機構)である。62はバルブシャフト当接部材61の端部に固定されたスプリング係合板(バルブ駆動機構)、63はその一端が前記スプリング係合板62に固定され、他端がバルブ駆動部の外套部材52のフランジ部82側に固定されたスプリング(バルブ駆動機構)である。
71は外套部材52にその周囲が覆われているバルブ駆動部、モータ回転部のセンサ部51側、すなわち、モータブラシ73、整流子片74、スリップリング部75などの通電装置側の開口面を塞ぐとともに、前記軸受け58の外輪外周面と嵌着することで軸受け58の軸方向、特にセンサ部51方向への位置ずれを防止する構造で、前記軸受け58を介してロータ55を回動自在に前記バルブ駆動部の内部の所定位置へ位置決めしている遮蔽部材である。なお、この遮蔽部材71は、モータブラシ73、整流子片74、スリップリング部75などの通電装置と軸受け58との間に配設されている。
図7に示す軸受け58よりセンサ部51側に位置するロータ55の端部に形成された環状凹部55aに前記環状凸部72aが嵌着されることで、円盤形状の給電部72は軸受け58より外側のセンサ部51側のロータ55の回転軸x方向に延長された前記ロータ55の延長部55bの端に固定され、ロータ55とともに一体的に回転する構造である。なお、図7(b)は同図(a)におけるD−D’断面を示している。
100はセンサ部51の電源供給端子が内部に構成されている電源供給端子内蔵部である。
このEGRバルブ装置は、ロータ55のマグネット57、ステータコア53、コイル54を備えたモータ回転部と、各モータブラシ73と前記円盤形状の給電部72に構成された整流子片74、スリップリング部75を備えた通電装置とを備え、ロータ側がマグネットでありステータ側がコイルである直流モータを駆動源としてバルブの開閉を行う構成であり、ステータ側のコイル54に供給する電流およびその方向を、円盤形状の給電部72の整流子片74とスリップリング部75によりロータ55の回転位置に応じて切り替える。
電源供給端子内蔵部100に構成されている電源供給端子から入力された直流電源は、ブラシ保持プレート91に保持されたモータブラシ73へ供給される。このモータブラシ73へ供給された直流電源は、ロータ55とともに一体的に回転する円盤形状の給電部72の整流子片74とスリップリング部75間の結線構造により前記ロータ55の位置に応じて整流され、つまり、前記ロータ55の位置に応じて電源を供給するコイル54が決定され、さらにその電流方向が決定され、別のモータブラシ73を介してステータ53の各コイル54へ供給される。この結果、コイル54に発生した磁界とロータ55のマグネット57の磁界との相互作用により、EGRバルブ装置のモータ回転部のロータ55に回転トルクが発生し、ロータ55が回転する。このロータ55が回転すると、ロータ55の中空部の内面部に形成されたネジ部56と螺合しているネジ部を有したバルブ駆動軸60は、前記ロータ55の回転方向に応じ、その軸方向に直線的に移動する。
ロータ55は、ロータ55に取付けられたマグネット57の両端付近で軸受け58,59によりバルブ駆動部の外套部材52へ回動自在に固定されており、さらに各モータブラシ73と前記円盤形状の給電部72に構成された整流子片74、スリップリング部75を備えた通電装置は、前記軸受け58よりもセンサ部51側でロータ55に取り付けられているため、軸受け58,59間の距離が小さくなり、構造上の剛性が増し、バルブの開閉動作に伴いロータ55の軸方向に作用する反力によるロータ55自体の軸方向における位置ずれの発生がなくなる。
また、各モータブラシ73と前記円盤形状の給電部72に構成された整流子片74、スリップリング部75を備えた通電装置は、ロータ55の回転軸x上で前記軸受け58よりもセンサ部51側でロータ55の延長部55bの端に取り付けられていることから、バルブの開閉動作に伴うロータ55の軸方向に作用する反力による前記円盤形状の給電部72への機械的なたわみなどの影響は前記軸受け58,59により解消されて、前記円盤形状の給電部72の整流子片74、スリップリング部75への前記影響を極力小さくすることが可能となる。
次に、このEGRバルブ装置の組み立て手順について説明する。
先ず、外套部材52の内部へステータコア53、コイル54、軸受け59、ロータ55などのバルブ駆動部を組み付け、その後、外套部材52によりその周囲が覆われているバルブ駆動部のセンサ部51側の開口面を遮蔽部材71で塞ぐ。このとき軸受け58の外輪外周面が遮蔽部材71と、また軸受け58の内輪の内周面がロータ55の延長部55bの外周面と嵌着するようにしてバルブ駆動部のセンサ部51側の開口面を遮蔽部材71で塞ぐ。図7はこの状態を示している。
次に、図5に示したブラシ保持プレート固定部材81を外套部材52の端部内面に挿入するように外套部材52へ組み付ける。
この状態から図6に示す円盤形状の給電部72をその環状凸部72aによりロータ55の延長部55bに形成された環状凹部55aに嵌着して固定する。
その後、各モータブラシ73ごとにブラシ保持プレート91を分割し、各モータブラシ間を電気的に分離する。このとき各モータブラシ73は、円盤形状の給電部72の整流子片74またはスリップリング部75と電気的に接触した状態にある。
従って、モータ回転部を外套部材52内へ組み込んだ後に、前記各モータブラシ73と前記円盤形状の給電部72の整流子片74、スリップリング部75により構成される通電装置を前記モータ回転部のロータ55の延長部55bへ組み付けることが出来るため、モータ回転部と通電装置とをそれぞれ別工程として組み立てることができ、組み立ての際の作業性を向上できるEGRバルブ装置が得られる効果がある。
Claims (3)
- ステータコアの周方向に所定数のコイルを配設したステータと、該ステータの前記コイルと対応する外周面に複数のマグネットが装着されたロータとを有したモータ回転部と、
該モータ回転部の前記ロータの回転をもとにバルブを直動的に駆動するバルブ駆動機構と、
供給された直流電源を前記ロータの位置に応じて整流し、前記ステータのコイルへ供給すると共に前記ロータと一体的に回転し、円盤形状の給電部に一体的に構成された整流子片およびスリップリング部と、前記給電部とモータブラシとを有する通電装置と、
前記マグネットが装着された前記ロータを前記ステータに対し回動自在に支持し、前記通電装置と前記ロータとの間に設けられた一方の軸受けと、他方の軸受けとからなる一対の軸受けと、
前記通電装置と前記一方の軸受けとの間を遮蔽すると共に前記一方の軸受けの軸方向のずれを防止する遮蔽部材と、
前記他方の軸受けを軸方向及び径方向から支承する筺体と、
前記筺体内に設けられ前記他方の軸受けと当接する当接部とを備えたことを特徴とするEGRバルブ装置。 - 前記遮蔽部材は、前記マグネットが取付けられた前記ロータの延長部の外周面に内輪内周面が固着されている前記一方の軸受けの外輪外周面を嵌着し、前記一方の軸受けをシールするとともに前記モータ回転部の前記通電装置側の開口面を塞いで、前記通電装置と前記一方の軸受けとの間に配設されていることを特徴とする請求項1記載のEGRバルブ装置。
- 前記通電装置は、組み上げられた前記モータ回転部の前記ロータの延長部位置へ組み付けることを特徴とする請求項1記載のEGRバルブ装置。
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