JP4919955B2 - 収音装置 - Google Patents

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Description

本発明は、収音装置に関し、より特定的には、目的の音源において発生する目的音のみを精度良く収音する収音装置に関するものである。
従来、マイクロホンが有する指向性を用いて、特定の方向から到達する音のみを収音し、それ以外の方向から到達する音を収音しないという技術が幅広く利用されている。また、この技術を用いて、特定の方向ではなく、特定の領域内において発生した音のみを抽出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図17を参照して、特定の領域内において発生した音のみを抽出する技術を実現した従来の収音装置について説明する。図17は、従来の収音装置の信号処理を概念的に示した図である。図17において、収音部91および92は、指向性を有するマイクロホンアレイで構成される。図17に示す音源Sは、所定の位置に存在しており、収音目的である目的音を発する音源である。収音部91は、自身が有する指向性の主軸a910上に音源Sが位置するように配置されている。副軸a911および副軸a912は、主軸a910の方向から到達する音に対する感度を0dBとしたとき、感度が−6dBとなる方向を示す軸である。副軸a911および副軸a912の間の範囲は、収音部91において−6dB以上の感度が得られる範囲であり、収音部91の主ビームの範囲である。収音部91の主ビームの範囲、つまり主ビームの幅は、副軸a911および副軸a912の間の角度幅であり、収音部91の指向性の鋭さによって変動するものである。収音部92は、収音部91と異なる位置に配置され、自身が有する指向性の主軸a920上に音源Sが位置するように配置されている。副軸a921および副軸a922は、主軸a920の方向から到達する音に対する感度を0dBとしたとき、感度が−6dBとなる方向を示す軸である。副軸a921および副軸a922の間の範囲は、収音部92において−6dB以上の感度が得られる範囲であり、収音部92の主ビームの範囲である。収音部92の主ビームの幅は、副軸a921および副軸a922の間の角度幅であり、収音部92の指向性の鋭さによって変動するものである。
横線で示された領域A9は、副軸a911および副軸a912の間に形成される主ビームと、副軸a921および副軸a922の間に形成される主ビームとが重複する重複領域である。この領域A9内には、音源Sが存在している。
図17に示す従来の収音装置では、まず、収音部91において収音された音の収音信号が複数の周波数帯域に分割される。また、収音部92において収音された音の収音信号も複数の周波数帯域に分割される。次に、従来の収音装置では、それぞれ分割された各周波数帯域の収音信号に対して論理演算が行われることにより、領域A9内において発生した音の信号のみが抽出される。領域A9内には音源Sが存在しているので、抽出された信号には、音源Sにおいて発生した音が含まれることとなる。このように、従来の収音装置では、領域A9内において発生した音のみを抽出することで、音源Sにおいて発生した目的音のみを収音している。
特開2001−204092号公報(図2等)
ここで、上述した領域A9内であって音源Sとは異なる位置に、他の音源が存在する場合を考える。他の音源において発生する音は、目的音とは異なる音であり、いわゆる妨害音となる。この場合、領域A9内において発生した音のみを抽出しても、抽出される信号には他の音源による妨害音が含まれてしまう。ここで、一旦抽出した信号に妨害音が含まれてしまうと、妨害音と目的音とを分離することが技術的に困難となる。したがって、音源Sにおいて発生した目的音のみを精度良く収音するための別法として、他の音源が領域A9外に存在するように領域A9の範囲を狭くする方法がある。この方法においては、収音部91および92の主ビームの幅を狭くする必要があり、収音部91および92が有する指向性を鋭くする必要がある。
しかしながら、指向性を鋭くしようとすると、収音部91および92を構成するマイクロホンアレイのサイズが大きくなってしまう。したがって、マイクロホンアレイのサイズが限られている場合等により、指向性をより鋭くすることには限界があった。
また、指向性を鋭くするために、収音部91および92を第2次音圧傾度型の超指向性を有するマイクロホンアレイで構成する場合を考える。この場合、収音部91のポーラパターンは、例えば図18に示すようになる。図18は、収音部91のポーラパターンを示す図である。図18中の実線がポーラパターンであり、音が到達する方向によって変化する感度特性である。また図18では、全方向(360度)に対する感度を示している。また図18では、音源S(図示なし)が所定の周波数(例えば1kHz)の目的音を発した場合のポーラパターンを示している。また図18では、主軸a910の角度を0°とし、主軸a910での感度を0dBとしている。収音部91の主ビームの幅は、上述したように副軸a911および副軸a912の間の角度幅である。図18では、主ビームの幅は90°と広い幅になる。したがって、超指向性のマイクロホンアレイを用いたとしても、指向性を鋭くすることには限界がある。
このように、指向性を鋭くすることには限界があるため、収音部91および92の主ビームが互いに重複する領域A9の範囲を十分に狭くすることは困難であった。その結果、抽出された信号には他の音源による妨害音も含まれることとなり、音源Sによる目的音のみを精度良く収音することが困難であった。
それ故、本発明は、目的の音源において発生した目的音のみを精度良く収音することが可能な収音装置を提供することを目的とする。
本発明は、収音装置に向けられており、上記課題を解決するために、本発明の収音装置は、目的の音源において発生した目的音を含む音を収音して収音信号を出力する少なくとも1つの目的音収音手段と、互いに異なる位置に配置され、それぞれの感度の死角が目的の音源に向かう方向に形成され、当該死角の範囲外の音を収音して収音信号を出力する複数の非目的音収音手段と、各非目的音収音手段から出力された収音信号に対して所定の信号処理を施すことにより、死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する感度抑圧手段と、目的音収音手段から出力された収音信号から感度抑圧手段において生成された感度抑圧信号を除去することにより、死角の重複領域内において発生した音の信号を抽出する抽出手段とを備える。
これにより、範囲が狭い死角の重複領域を用いることとなるので、目的の音源付近に目的音以外の音源が存在する場合であっても、目的音のみを従来よりも精度良く収音することができる。
好ましくは、非目的音収音手段から出力される収音信号は時間領域の信号であり、感度抑圧手段は、各非目的音収音手段から出力された時間領域の収音信号を、周波数領域の収音信号に変換する変換手段と、変換手段において変換された各収音信号に対して、振幅レベルを周波数毎に演算する演算手段と、演算手段において演算された各収音信号の振幅レベルを共通の周波数毎に加算し、加算した信号を感度抑圧信号として出力する加算手段とを有するとよい。なお、上記変換手段は、実施形態において後述する、非目的音収音部と同数の周波数変換部で構成されるものに相当するものである。また、上記演算手段は、実施形態において後述する、非目的音収音部と同数のレベル演算部で構成されるものに相当するものである。
これにより、抽出手段において抽出される信号において、死角の重複領域以外の領域において発生する妨害音の感度を確実に低下させることができる。
また、感度抑圧手段は、演算手段において演算された各収音信号に対して、振幅レベルを周波数毎に調整する調整手段をさらに有し、加算手段は、調整手段において調整された各収音信号の振幅レベルを共通の周波数毎に加算し、加算した信号を感度抑圧信号として出力してもよい。なお、上記調整手段は、実施形態において後述する、非目的音収音部と同数のレベル調整部で構成されるものに相当するものである。
これにより、感度抑圧信号について、死角の重複領域に対しては感度を抑圧しつつ、それ以外の領域における感度分布の形状を任意の形状にすることができる。その結果、抽出手段において死角の重複領域以外の領域内で発生する妨害音を除去する性能を改善することができる。
好ましくは、非目的音収音手段から出力される収音信号は時間領域の信号であり、感度抑圧手段は、各非目的音収音手段から出力された時間領域の収音信号を、周波数領域の収音信号に変換する変換手段と、変換手段において変換された各収音信号に対して、パワーレベルを周波数毎に演算する演算手段と、演算手段において演算された各収音信号のパワーレベルを共通の周波数毎に加算し、加算した信号を感度抑圧信号として出力する加算手段とを有するとよい。なお、上記変換手段は、実施形態において後述する、非目的音収音部と同数の周波数変換部で構成されるものに相当するものである。また、上記演算手段は、実施形態において後述する、非目的音収音部と同数のレベル演算部で構成されるものに相当するものである。
これにより、抽出手段において抽出される信号において、死角の重複領域以外の領域において発生する妨害音の感度を確実に低下させることができる。
好ましくは、目的音収音手段は、複数設けられており、各目的音収音手段は、目的の音源を前方にして互いに異なる位置に配置され、当該目的の音源に向かう方向に指向性をそれぞれ有し、各目的音収音手段が有する指向性の各主軸は、目的の音源から各目的音収音手段側にわずかにずれた位置で交わるとよい。
これにより、抽出手段において抽出される信号において、目的の音源に対して奥行き方向の感度を十分に低下させることができる。
本発明は、収音方法にも向けられており、上記課題を解決するために、本発明の収音方法は、目的の音源において発生した目的音を含む音を第1の収音手段を用いて収音して収音信号を出力する目的音収音ステップと、それぞれの感度の死角が目的の音源に向かう方向に形成されるように、複数の第2の収音手段を互いに異なる位置に配置する配置ステップと、配置ステップにおいて配置された複数の第2の収音手段を用いて死角の範囲外の音を収音して、各収音信号を出力する非目的音収音ステップと、非目的音収音ステップにおいて出力された各収音信号に対して所定の信号処理を施すことにより、死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する感度抑圧ステップと、目的音収音ステップにおいて出力された収音信号から感度抑圧ステップにおいて生成された感度抑圧信号を除去することにより、死角の重複領域内において発生した音の信号を抽出する抽出ステップとを含む。
本発明は、集積回路にも向けられており、上記課題を解決するために、本発明の集積回路は、目的の音源において発生した目的音を含む音を収音する少なくとも1つの目的音収音手段から出力される収音信号を入力する第1の入力端子と、互いに異なる位置に配置され、それぞれの感度の死角が目的の音源に向かう方向に形成され、当該死角の範囲外の音を収音する複数の非目的音収音手段から出力される収音信号を入力する複数の第2の入力端子と、各第2の入力端子から出力された収音信号に対して所定の信号処理を施すことにより、死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する感度抑圧手段と、第1の入力端子から出力された収音信号から感度抑圧手段において生成された感度抑圧信号を除去することにより、死角の重複領域内において発生した音の信号を抽出する抽出手段と、抽出手段において抽出された死角の重複領域内において発生した音の信号を出力する出力端子とを備える。
本発明は、目的の音源において発生した目的音を含む音を収音して収音信号を出力する少なくとも1つの目的音収音手段と、互いに異なる位置に配置され、それぞれの感度の死角が目的の音源に向かう方向に形成され、当該死角の範囲外の音を収音して収音信号を出力する複数の非目的音収音手段とを備える収音装置のコンピュータに実行させるためのプログラムにも向けられており、上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、各非目的音収音手段から出力された収音信号に対して所定の信号処理を施すことにより、死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する感度抑圧ステップと、目的音収音手段から出力された収音信号から感度抑圧ステップにおいて生成された感度抑圧信号を除去することにより、死角の重複領域内において発生した音の信号を抽出する抽出ステップとを、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明は、記録媒体にも向けられており、上記課題を解決するために、本発明の記録媒体は、上記プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、複数の非目的音収音手段において形成される感度の死角を用いて、死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する。ここで、死角の範囲は主ビームの範囲よりも狭い。このため、死角が互いに重複する重複領域は、主ビームが互いに重複する領域よりも狭い領域となる。これにより、目的の音源付近に目的音以外の音源が存在する場合であっても、目的音のみを従来よりも精度良く収音することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る収音装置の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る収音装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る収音装置は、第1の目的音収音部11、第2の目的音収音部12、信号加算部20、第1の非目的音収音部31、第2の非目的音収音部32、感度抑圧処理部40、および目的音抽出部50を備える。
第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12は、例えば図2に示すように配置される。図2は、第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12の配置例を示す図である。図2に示す音源Sは、所定の位置に存在しており、収音目的である目的音を発する音源である。
第1の目的音収音部11は、音源Sにおいて発生した目的音に対して感度を有するマイクロホンアレイで構成される。第1の目的音収音部11は、音源Sにおいて発生した目的音を少なくとも収音し、収音した目的音を電気信号である収音信号M11(n)(nは時間信号のサンプル番号を示す)に変換する。収音信号M11(n)は、時間領域の信号であり、信号加算部20に出力される。
ここで、音源Sにおいて発生した目的音に対して感度を有するマイクロホンアレイとしては、例えば無指向性のマイクロホンアレイなどが挙げられる。無指向性とは、どの方向から到達する音に対しても感度が実質的に等しくなる感度特性のパターンを有する特性を意味する。感度特性とは、音が到達する方向によって変化する感度の特性であり、上述したポーラパターンである。無指向性のマイクロホンアレイとしては、例えば無指向性のマイクロホンを複数用いて構成されたものが挙げられる。なお、無指向性のマイクロホンアレイとしては、マイクロホンを複数用い、音響回路や電気回路によって意図的に指向性を形成しないようにして構成されたものであってもよい。また第1の目的音収音部11は、マイクロホンアレイではなく、1つのマイクロホンで構成されてもよい。
第2の目的音収音部12は、上述した第1の目的音収音部11と同様の構成である。第2の目的音収音部12は、音源Sにおいて発生した目的音を少なくとも収音し、収音した目的音を電気信号である収音信号M12(n)に変換する。収音信号M12(n)は、時間領域の信号であり、信号加算部20に出力される。信号加算部20は、収音信号M11(n)および収音信号M12(n)を加算して、加算した収音信号(M11(n)+M12(n))を目的音抽出部50に出力する。
第1の非目的音収音部31は、指向性を有するマイクロホンアレイであって、音源Sが存在する方向に感度の死角を形成するマイクロホンアレイで構成される。第1の非目的音収音部31は、死角の範囲外において発生した音を収音し、収音した音を電気信号である収音信号M31(n)に変換する。収音信号M31(n)は、時間領域の信号であり、感度抑圧処理部40に出力される。
ここで、指向性を有するマイクロホンアレイとは、特定の方向に高い感度を有するマイクロホンアレイである。指向性を有するマイクロホンアレイとしては、マイクロホンを複数用い、音響回路や電気回路によって特定の方向に意図的に高い感度を有するように構成されたものであってもよい。また第1の非目的音収音部31は、マイクロホンアレイではなく、指向性を有する1つのマイクロホンで構成されてもよい。
第2の非目的音収音部32は、上述した第1の非目的音収音部31と同様の構成である。第2の非目的音収音部32は、死角の範囲外において発生した音を収音し、収音した音を電気信号である収音信号M32(n)に変換する。収音信号M32(n)は、時間領域の信号であり、感度抑圧処理部40に出力される。
図3を参照して、第1の非目的音収音部31の感度特性について具体的に説明する。図3は、第1の非目的音収音部31のポーラパターンを示す図である。図3中の実線がポーラパターンであり、音が到達する方向によって変化する感度特性である。また図3では、全方向(360度)に対する感度を示している。また図3では、第1の非目的音収音部31が双指向性型のマイクロホンアレイで構成された場合の感度特性を示している。また図3では、音源S(図示なし)が所定の周波数(例えば1kHz)の目的音を発した場合のポーラパターンを示している。また図3では、感度が最も低くなる軸b310の角度を0°としている。軸b310は、感度が最も低くなる方向を示す軸であり、死角の主軸である。軸b311および軸b312は、死角の副軸であり、感度が最も高い90°の方向および270°の方向に対する感度を0dBとしたとき、感度が所定量(例えば20dB)だけ低くなる方向を示す軸である。副軸b311および副軸a312の間の範囲は、第1の非目的音収音部31において得られる感度が所定量(例えば20dB)だけ低い範囲であり、死角の範囲である。つまり、死角の範囲は、感度が無い範囲ともいえる。ここで、死角の範囲、つまり死角の幅は、副軸b311および副軸b312の間の角度幅で示される。したがって、図3においては、死角の幅が約10°となる。このように、死角の幅は、主ビームの幅に比してかなり狭い幅となる。なお、図3に示した双指向性型の感度特性では、0°の方向と180°の方向に死角が形成される。このように、死角は、感度特性において最も高い感度に対して所定量(例えば20dB)以上感度が低い方向に形成される。なお、死角の幅は、双指向性型以外の感度特性であっても、主ビームの幅に比してかなり狭い幅となる。
図4を参照して、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32で形成される各死角と、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32の配置との関係について具体的に説明する。図4は、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32の配置例を示す図である。図4に示す音源Sは、図2に示した音源Sと同一の音源である。
図4において、第1の非目的音収音部31は、死角の主軸b310上に音源Sが位置するように配置されている。第1の非目的音収音部31において、主軸b310を含む副軸b311および副軸b312の間の角度幅が死角の幅を示す。また、副軸b311および副軸b312に挟まれた範囲であって主軸b310を含む範囲が死角の範囲となる。したがって、第1の非目的音収音部31は、この死角の範囲外において発生した音を収音することとなる。第2の非目的音収音部32は、図4に示すように、第1の非目的音収音部31と異なる位置に配置されている。ここで、軸b320は、第2の非目的音収音部32に形成される死角の主軸を示し、軸b321およびb322は、死角の副軸を示す。第2の非目的音収音部32は、死角の主軸b320上に音源Sが位置するように配置されている。第2の非目的音収音部32において、主軸b320を含む副軸b321および副軸b322の間の角度幅が死角の幅を示す。また、副軸b321および副軸b322に挟まれた範囲であって主軸b320を含む範囲が死角の範囲となる。したがって、第2の非目的音収音部32は、この死角の範囲外において発生した音を収音することとなる。
ここで、横線で示された領域B1は、副軸b311および副軸b312の間に形成される死角と、副軸b321および副軸b322の間に形成される死角とが重複する重複領域である。領域B1は、幅が狭い死角が重複する領域であるので、図17に示した主ビームが重複する領域A9よりも狭い領域となる。
なお、図4では、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32は、死角の主軸上に音源Sが位置するようにそれぞれ配置されていたが、これに限定されない。第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32は、少なくとも死角の範囲内に音源Sが存在するように、配置されればよい。
感度抑圧処理部40は、収音信号M31(n)および収音信号M32(n)に対して所定の信号処理を施すことによって、死角が互いに重複する領域B1内の収音感度がその周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する。つまり、感度抑圧処理部40は、領域B1が感度の死角となるような収音感度を有する感度抑圧信号を生成する。生成された感度抑圧信号は、目的音抽出部50に出力される。
以下、図1を再度参照して、感度抑圧処理部40の信号処理について具体的に説明する。図1において、感度抑圧処理部40は、第1の周波数変換部411、第2の周波数変換部412、第1のレベル演算部421、第2のレベル演算部422、および周波数加算部430とを備える。
第1の周波数変換部411は、第1の非目的音収音部31から出力された収音信号M31(n)を、フーリエ変換やウエーブレット変換などの周波数変換手法を用いて、周波数領域の収音信号M31(ω)に変換する。ここで、ωは周波数を表す。つまり、収音信号M31(ω)は、周波数ωに応じて異なる信号である。収音信号M31(ω)は、第1のレベル演算部421に出力される。
第1のレベル演算部421は、第1の周波数変換部411から出力された収音信号M31(ω)に基づいて、振幅レベル|M31(ω)|を周波数ω毎に演算する。振幅レベル|M31(ω)|は、周波数ωに応じて異なる振幅レベルである。振幅レベル|M31(ω)|は、周波数加算部430に出力される。
第2の周波数変換部412は、第2の非目的音収音部32から出力された収音信号M32(n)を、フーリエ変換やウエーブレット変換などの周波数変換手法を用いて、周波数領域の収音信号M32(ω)に変換する。収音信号M31(ω)は、周波数ωに応じて異なる信号であり、第2のレベル演算部422に出力される。
第2のレベル演算部422は、第2の周波数変換部412から出力された収音信号M32(ω)に基づいて、振幅レベル|M32(ω)|を周波数ω毎に演算する。振幅レベル|M32(ω)|は、周波数ωに応じて異なる振幅レベルである。振幅レベル|M32(ω)|は、周波数加算部430に出力される。
周波数加算部430は、振幅レベル|M31(ω)|と振幅レベル|M32(ω)|とを加算する。周波数加算部430において加算された信号は、|M31(ω)|+|M32(ω)|と表される。周波数加算部430の加算処理は、周波数ω単位で行われる。例えば、ω1の周波数に対して加算された信号は、|M31(ω1)|+|M32(ω1)|となる。ここで、周波数加算部430において加算された信号は、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32から出力される収音信号の振幅レベルを加算した信号である。したがって、周波数加算部430において加算された信号は、死角が互いに重複する領域B1内の収音感度がその周辺よりも抑圧された感度抑圧信号となる。感度抑圧信号は、周波数ωに応じて異なる信号であり、目的音抽出部50に出力される。
なお、第1のレベル演算部421および第2のレベル演算部422は、振幅レベルを演算するとしたが、振幅レベルの代わりにパワーレベルを演算してもよい。例えば、第1のレベル演算部421がパワーレベルを演算する場合、演算されたパワーレベルは、|M31(ω)|^2と表される。この場合、感度抑圧信号は、|M31(ω)|^2+|M32(ω)|^2と表される。
このように、感度抑圧処理部40は、振幅情報である振幅レベルまたはパワーレベルを用いて感度抑圧信号を生成している。これにより、位相情報が除外された感度抑圧信号を生成することができる。
なお、感度抑圧処理部40は、各非目的音収音部から出力された時間領域の収音信号を周波数領域の信号に変換せずに、または、周波数領域に変換した信号において振幅レベルまたはパワーレベルまで演算せずに、感度抑圧信号を生成するようにしてもよい。この場合、感度抑圧信号は、M31(n)+M32(n)、またはM31(ω)+M32(ω)と表される。なお、上記時間領域の感度抑圧信号(M31(n)+M32(n))、および上記周波数領域の感度抑圧信号(M31(ω)+M32(ω))には、振幅情報および位相情報が含まれている。
ここで、上記時間領域の感度抑圧信号(M31(n)+M32(n))、および上記周波数領域の感度抑圧信号(M31(ω)+M32(ω))には、上述したように、振幅情報および位相情報が含まれている。また、各非目的音収音手段は指向性を有しているため、感度特性における主ビームにおいて収音される収音信号の位相と、サイドビームにおいて収音される収音信号の位相とが異なる場合がある。この場合、各収音信号が互いに打ち消し合う部分が生じてしまう。特に各収音信号の位相が逆位相の関係になれば、各収音信号が完全に打ち消し合ってしまうこととなる。このように、感度抑圧信号が例えば時間領域で加算した信号のように位相情報を含む信号である場合、位相情報によって各収音信号が互いに干渉し、死角が重複する領域B1以外の意図していない領域においても感度が低下する場合がある。これに対し、感度抑圧信号を振幅情報である振幅レベルまたはパワーレベルを用いて生成した場合、位相情報が除外されているので、上述した干渉は起きない。このため、感度抑圧信号を振幅情報である振幅レベルまたはパワーレベルを用いて生成した場合、上記意図していない領域の感度は低下しない。これにより、振幅レベルまたはパワーレベルを用いた場合、死角が重複する領域B1に対して、より精度良く感度を抑圧した感度抑圧信号を生成することができる。つまり、振幅レベルまたはパワーレベルを用いた場合、目的音を収音しない領域B1を確実に形成することができる。
目的音抽出部50は、信号加算部20の出力信号(M11(n)+M12(n))から、感度抑圧処理部40の感度抑圧信号(|M31(ω)|+|M32(ω)|)または(|M31(ω)|^2+|M32(ω)|^2)を除去する。信号加算部20の出力信号には、目的音とそれ以外の妨害音も含まれている。一方、感度抑圧処理部40の感度抑圧信号には、死角が重複する領域B1以外で発生した妨害音のみが含まれている。したがって、目的音抽出部50は、信号加算部20の出力信号から、感度抑圧処理部40の感度抑圧信号を除去することで、死角が重複する領域B1内で発生した音を抽出することができる。なお、死角が重複する領域B1は、従来の主ビームが重複する領域よりも狭い領域となる。したがって、目的音抽出部50において抽出される音は、音源Sにおいて発生した音により近づいた音となる。つまり、本実施形態によれば、音源Sにおいて発生した音のみを従来よりも精度良く収音することができる。
目的音抽出部50における除去処理は、スペクトルサブトラクションやウイナーフィルタなどの雑音抑圧手法を用いて行われる。以下、例として、スペクトルサブトラクションの雑音抑圧手法を用いた場合の処理と、ウイナーフィルタの雑音抑圧手法を用いた場合の処理について具体的に説明する。
スペクトルサブトラクションの雑音抑圧手法を用いた場合、除去処理は周波数領域で行われる。したがって、目的音抽出部50は、信号加算部20の出力信号(M11(n)+M12(n))から、周波数領域の信号のパワーレベル(|M11(ω)|^2+|M12(ω)|^2)を演算する。感度抑圧処理部40から出力される感度抑圧信号としては、パワーレベルで演算された信号(|M31(ω)|^2+|M32(ω)|^2)を用いる。目的音抽出部50は、信号加算部20の出力信号(|M11(ω)|^2+|M12(ω)|^2)から、感度抑圧信号(|M31(ω)|^2+|M32(ω)|^2)を減算する。これにより、上記除去処理が実現される。
ウイナーフィルタの雑音抑圧手法を用いた場合、除去処理は時間領域で行われる。まず目的音抽出部50は、信号加算部20の出力信号(M11(n)+M12(n))から、周波数領域の信号のパワーレベル(|M11(ω)|^2+|M12(ω)|^2)を演算する。感度抑圧処理部40から出力される感度抑圧信号としては、パワーレベルで演算された信号(|M31(ω)|^2+|M32(ω)|^2)を用いる。目的音抽出部50は、信号加算部20の出力信号(|M11(ω)|^2+|M12(ω)|^2)から感度抑圧信号(|M31(ω)|^2+|M32(ω)|^2)を減算し、減算した結果を正規化する。目的音抽出部50は、この正規化した結果を時間領域に変換し、変換した結果をフィルタとして設定する。これにより、目的音抽出部50には、入力される信号加算部20の時間領域である出力信号に対して、感度抑圧信号のみを抑圧するフィルタが設定される。目的音抽出部50は、設定されたフィルタに基づくフィルタリング処理を行うことで、信号加算部20の出力信号に対して感度抑圧信号のみを取り除くことができる。これにより、上記除去処理が実現される。
次に、図5〜図9を参照して、以上に説明した信号処理の結果について説明する。図5〜図9は、後述する各信号が有する感度分布のシミュレーション結果例を示す図である。なお、図5〜図9において、縦軸および横軸は、距離(cm)を示す座標軸である。また図5〜図9において、音源Sは、座標(0、0)の位置に配置されている。また図5〜図9において、座標上の実線は、音圧感度が等しい座標を結んだものであり、6dB間隔で示されている。
図5は、信号加算部20の出力信号(M11(n)+M12(n))が有する感度分布を示す図である。図5において、座標(0、0)に位置する音源Sを前方として、第1の目的音収音部11と第2の目的音収音部12とが配置されている。ここで、信号加算部20の出力信号は、第1の目的音収音部11と第2の目的音収音部12とで収音された収音信号を加算した信号である。したがって、図5に示す感度分布は、第1の目的音収音部11と第2の目的音収音部12がそれぞれ形成する感度分布を合成したものとなる。ここで、第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12において無指向性のマイクロホンアレイを用いるとした。このため、図5に示す感度分布によれば、第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12から離れるにしたがって、全方向に対して一様に感度が低下していることがわかる。また図5に示す感度分布によれば、音源Sにおいて発生する音に対する感度は0dBとなっている。したがって、第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12は、音源Sにおいて発生した音を少なくとも収音することがわかる。
図6は、時間領域で加算された感度抑圧信号(M31(n)+M32(n))が有する感度分布を示す図である。図6において、座標(0、0)に位置する音源Sを前方として、第1の非目的音収音部31と第2の非目的音収音部32とが配置されている。図6からわかるように、音源Sにおいて発生する音に対する感度は−42dBとなっており、音源S付近の狭い領域において感度が著しく低下していることがわかる。この領域は、図4に示した領域B1に対応する領域である。なお、図6に示す領域Cは、感度抑圧信号を時間領域で求めたことによって生じる位相干渉によって、意図していない感度低下がおこる領域である。また図6に示す感度分布によれば、領域Cは、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32を中心として、放射状に4つ存在していることがわかる。このように、時間領域で加算された感度抑圧信号のような位相情報を含む感度抑圧信号では、死角が重複する領域B1の感度がその周辺よりも抑圧されるものの、領域Cに意図していない感度低下も生じることがわかる。
図7は、図5に示す感度分布を有する信号加算部20の出力信号から、図6に示す感度分布を有する感度抑圧信号を除去することによって抽出される信号が有する感度分布を示す図である。図7において、座標(0、0)に位置する音源Sを前方として、第1の非目的音収音部31と第2の非目的音収音部32とが配置されている。図7からわかるように、音源Sにおいて発生する音に対する感度は0dBとなっており、音源S付近の狭い領域において感度が高くなっていることがわかる。この領域は、図4に示した領域B1に対応する領域である。したがって、図7に示す感度分布により、目的音抽出部50から出力される信号は、死角が重複する領域B1内において発生した音を抽出した信号となる。なお、図7では、領域B1に対応する領域よりも感度は低いが、図6に示した領域Cに対応する領域においても感度が高くなっていることがわかる。
図8は、振幅レベルまたはパワーレベルで加算された感度抑圧信号が有する感度分布を示す図である。図8において、座標(0、0)に位置する音源Sを前方として、第1の非目的音収音部31と第2の非目的音収音部32とが配置されている。図8からわかるように、音源Sにおいて発生する音に対する感度は−42dBとなっており、音源S付近の狭い領域において感度が著しく低下していることがわかる。この領域は、図4に示した領域B1に対応する領域である。なお、図8では、図6に示す領域Cは存在しない。これは、感度抑圧信号に位相情報が含まれないためである。このように、振幅レベルまたはパワーレベルを用いた感度抑圧信号では、死角が重複する領域B1の感度はその周辺よりも抑圧されつつ、その周辺において意図していない感度低下は起こらない。
図9は、図5に示す感度分布を有する信号加算部20の出力信号から、図8に示す感度分布を有する感度抑圧信号を除去することによって抽出される信号が有する感度分布を示す図である。図9において、座標(0、0)に位置する音源Sを前方として、第1の非目的音収音部31と第2の非目的音収音部32とが配置されている。図9からわかるように、音源Sにおいて発生する音に対する感度は0dBとなっており、音源S付近の狭い領域において感度が高くなっていることがわかる。この領域は、図4に示した領域B1に対応する領域である。したがって、図9に示す感度分布により、目的音抽出部50から出力される信号は、死角が重複する領域B1内において発生した音を抽出した信号となる。なお、図9と図7とを比較すると、図9の方が領域B1以外の領域において十分に感度が低下していることがわかる。
以上のように、本実施形態に係る収音装置は、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32において形成された死角が互いに重なる領域B1を利用して、最終的に領域B1内において発生した音を抽出する。ここで、領域B1は、主ビームが互いに重複する領域よりも狭い領域となる。したがって、目的の音源Sにおいて発生する音をより狭い領域で抽出することができる。その結果、目的の音源Sにおいて発生する音をより精度良く収音することができる。
また、本実施形態に係る収音装置において、感度抑圧信号として振幅レベルまたはパワーレベルで加算した信号を用いる場合、位相干渉を防ぐことができる。これにより、領域B1以外の領域において、感度抑圧信号が有する感度分布の形状を、信号加算部20の出力信号が有する感度分布の形状により一致させることができる。その結果、目的音抽出部50で抽出された信号において、領域B1以外の領域において発生する妨害音の感度を確実に低下させることができる。
なお、図1に示した感度抑圧処理部40の構成は、図10に示す構成であってもよい。図10は、感度抑圧処理部40と異なる構成である感度抑圧処理部40aを用いた収音装置の構成を示す図である。図10に示す収音装置は、図1に示した構成に対して、感度抑圧処理部40が感度抑圧処理部40aに代わった構成である。したがって、感度抑圧処理部40a以外の各構成部については、説明を省略する。
感度抑圧処理部40aは、感度抑圧処理部40に対して、第1のレベル調整部441および第2のレベル調整部442をさらに備える。第1のレベル調整部441は、第1のレベル演算部421において演算された振幅レベル|M31(ω)|を周波数ω毎に調整する。第2のレベル調整部442は、第2のレベル演算部422において演算された振幅レベル|M32(ω)|を周波数ω毎に調整する。第1のレベル調整部441および第2のレベル調整部442は、周波数ω毎に異なる調整量で調整してもよいし、同じ調整量で調整してもよい。第1のレベル調整部441で調整された振幅レベルと、第2のレベル調整部442で調整された振幅レベルは、周波数加算部430に出力される。なお、第1のレベル調整部441および第2のレベル調整部442の調整対象は、振幅レベルではなく、パワーレベルであってもよい。
図10に示す構成によれば、第1のレベル調整部441および第2のレベル調整部442において振幅レベルまたはパワーレベルが調整できることとなる。これにより、感度抑圧信号について、死角が互いに重複する領域B1に対して感度を抑圧しつつ、それ以外の領域における感度分布の形状を任意の形状にすることができる。したがって、第1のレベル調整部441および第2のレベル調整部442によって、領域B1以外の領域での感度抑圧信号が有する感度分布の形状を、信号加算部20の出力信号が有する感度分布の形状により一致させることができる。その結果、目的音抽出部50において領域B1以外の領域内で発生する妨害音を除去する性能が改善する。
なお、図1に示した第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12は、無指向性のマイクロホンアレイで構成されるとしたが、これに限定されない。第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12は、指向性を有するマイクロホンアレイで構成されてもよい。指向性を有するマイクロホンアレイとしては、マイクロホンを複数用い、音響回路や電気回路によって特定の方向に意図的に高い感度を有するように構成されたものであってもよい。また、指向性は、単一の指向性および超指向性のいずれの特性であってもよい。図11は、指向性を有するマイクロホンアレイで構成された第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aの配置例を示す図である。図12は、第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aを用いた場合の収音装置の構成例を示す図である。図12に示す構成は、図1に示す構成に対し、第1の目的音収音部11が第1の目的音収音部11aに、第2の目的音収音部12が第2の目的音収音部12aに代わった構成である。したがって、第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12a以外の各構成部については、説明を省略する。
図11において、第1の目的音収音部11aは、自身が有する指向性の主軸a110上に音源Sが位置するように配置されている。副軸a111および副軸a112は、主軸a110の方向から到達する音に対する感度を0dBとしたとき、感度が−6dBとなる方向を示す軸である。副軸a111および副軸a112の間の範囲は、第1の目的音収音部11aにおいて−6dB以上の感度が得られる範囲であり、第1の目的音収音部11aの主ビームの範囲である。この主ビームの範囲、つまり主ビームの幅は、副軸a111および副軸a112の間の角度幅であり、第1の目的音収音部11aの指向性の鋭さによって変動するものである。第2の目的音収音部12aは、自身が有する指向性の主軸a120上に音源Sが位置するように配置されている。副軸a121および副軸a122は、主軸a120の方向から到達する音に対する感度を0dBとしたとき、感度が−6dBとなる方向を示す軸である。副軸a121および副軸a122の間の範囲は、第2の目的音収音部12aにおいて−6dB以上の感度が得られる範囲であり、第2の目的音収音部12aの主ビームの範囲である。この主ビームの範囲、つまり主ビームの幅は、副軸a121および副軸a122の間の角度幅であり、第2の目的音収音部12aの指向性の鋭さによって変動するものである。ここで、横線で示された領域A1は、副軸a111および副軸a112の間に形成される主ビームと、副軸a121および副軸a122の間に形成される主ビームとが重複する重複領域である。
図12において、第1の目的音収音部11aにおいて収音された収音信号M11a(n)は、信号加算部20に出力される。第2の目的音収音部12aにおいて収音された収音信号M12a(n)は、信号加算部20に出力される。信号加算部20は、収音信号M11a(n)と収音信号M12a(n)とを加算し、加算した信号(M11a(n)+M12a(n))を目的音抽出部50に出力する。信号加算部20において加算された信号は、指向性合成が行われた信号であり、図11に示す領域A1内の感度が高くなる感度分布を有する信号である。
このように、指向性を有する第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aを用いることで、信号加算部20の出力信号が有する感度分布が領域A1において高い感度を有する分布となる。これにより、図1に示す構成と比べて、信号加算部20の出力信号が有する感度分布の形状を、感度抑圧信号が有する感度分布の形状により一致させることができる。その結果、目的音抽出部50において、領域B1以外の領域内で発生する妨害音を除去する性能を改善することができる。また、領域A1内の感度を高めることができるので、結果的に、目的音の収音感度を高めることができる。
なお、図1に示した構成では、目的音収音部として第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12を備えていたが、これに限定されない。第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12と同様の機能を有する目的音収音部をさらに設けてもよい。つまり、図1に示す収音装置は、目的音収音部を3つ以上備えていてもよい。複数の目的音収音部から出力された収音信号は、信号加算部20で加算される。加算された信号は、目的音抽出部50に出力される。また、第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12のいずれか一方が省略された構成であってもよい。つまり、本実施形態に係る収音装置は、目的音収音部を少なくとも1つ備えていればよい。この場合、信号加算部20は不要となり、目的音収音部から出力された収音信号は、目的音抽出部50に直接出力されることとなる。
また、図1に示した構成では、非目的音収音部として第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32を備えていたが、これに限定されない。第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32と同様の機能を有する非目的音収音部をさらに設けてもよい。つまり、本実施形態に係る収音装置は、死角が互いに重複する領域B1を形成するために、非目的音収音部を少なくとも2つ備えていればよい。この場合、各非目的音収音部は、目的の音源Sに向かう方向に死角を形成するように配置される。図13は、非目的音収音部を複数備えた収音装置の構成例を示す図である。
図13に示す収音装置は、図1に示す構成に対して、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32が第1の非目的音収音部31、第2の非目的音収音部32、…、第Nの非目的音収音部33となり、感度抑圧処理部40が感度抑圧処理部40bに代わった構成である。Nは、3以上の自然数である。感度抑圧処理部40bは、図13に示すように、第1の周波数変換部411、第2の周波数変換部412、…、第Nの周波数変換部413と、第1のレベル演算部421、第2のレベル演算部422、…、第Nのレベル演算部423と、周波数加算部430とを備える。第Nの非目的音収音部33から出力された収音信号M3N(n)は、第Nの周波数変換部413に出力される。第Nの周波数変換部413において周波数領域の信号に変換された収音信号M3N(ω)は、第Nのレベル演算部423に出力される。第Nのレベル演算部423において周波数毎に演算された振幅レベル|M3N(ω)|は、周波数加算部430に出力される。周波数加算部430は、第1のレベル演算部421、第2のレベル演算部422、…、第Nのレベル演算部423から出力された振幅レベルを共通の周波数毎に加算する。これ以降の処理については、図1を参照して説明した処理と同様であり、説明を省略する。
なお、図3では、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32が有する指向性のパターンとして、双指向性型を示したが、他のパターンであってもよい。他の指向性のパターンとしては、例えばカージオイド型、ハイパーカージオイド型などが挙げられる。このパターンの中で、感度の死角に着目した場合、双指向性型の死角が最も鋭い。このため、図4に示した領域B1をより狭くすることができるので、双指向性型のパターンを用いることが望ましい。また、上記指向性の各パターンを形成する方法としては、減算型(音圧傾度型)の指向性合成を行う方法、加算型(波形合成型)の指向性合成を行う方法などが挙げられる。
なお、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32は、音響回路または電気回路を適宜用いることによって、死角を形成する方向を可変できる構成であってもよい。これにより、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32の配置位置を動かすことなく、異なる位置に存在する音源に対して、死角が重複する領域を形成することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る収音装置について説明する。本実施形態に係る収音装置の構成は、図12に示した構成と同じ構成であり、図11に示した死角の主軸a110および主軸a120の向きを変えた点のみ異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
図14は、指向性を有するマイクロホンアレイで構成された第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aの第2の実施形態における配置例を示す図である。第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aは、図14に示すように、音源Sを前方にしてそれぞれ配置されている。なお、前方とは、図14の紙面に向かって上方をさす。
図14において、第1の目的音収音部11aは、自身が有する指向性の主軸a110が音源Sよりも第2の目的音収音部12a側にずれるように配置されている。第2の目的音収音部12aは、自身が有する指向性の主軸a120が音源Sよりも第1の目的音収音部11a側にずれるように配置されている。図14に示す領域A2は、副軸a111および副軸a112の間に形成される主ビームと、副軸a121および副軸a122の間に形成される主ビームとが重複する重複領域である。図14に示す点Yは、第1の目的音収音部11aと第2の目的音収音部12aとの間の中心に位置する点である。図14に示す点Xは、主軸a120と主軸110とが交わる点である。ここで、点Yから点Xまでの距離をD1、点Yから音源までの距離をD2とする。このとき、第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aは、D1<D2の関係を満たすように配置される。
図14に示すように第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aを配置した場合、信号加算部20の出力信号が有する感度分布は、図15に示す感度分布となる。図15は、図14に示す位置に第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aを配置した場合の信号加算部20の出力信号が有する感度分布を示す図である。図15において、縦軸および横軸は、距離(cm)を示す座標軸である。また図15において、音源Sは、座標(0、0)の位置に配置されている。また図15において、座標上の実線は、音圧感度が等しい座標を結んだものであり、6dB間隔で示されている。また図15において、座標(0、0)に位置する音源Sを前方として、第1の目的音収音部11aと第2の目的音収音部12aとが配置されている。
ここで、図15に示す感度分布と図5に示した感度分布を比較すると、図15に示す感度分布は、音源Sの奥行き方向(縦軸の正方向)において感度が低下していることがわかる。これにより、図15に示した感度分布の形状は、音源Sの奥行き方向において、図6および図8の感度分布の形状により一致する。
図16は、図15に示す感度分布を有する信号加算部20の出力信号から、図8に示す感度分布を有する感度抑圧信号を除去することによって抽出される信号が有する感度分布を示す図である。図16において、座標(0、0)に位置する音源Sを前方として、第1の非目的音収音部31と第2の非目的音収音部32とが配置されている。図16からわかるように、音源Sにおいて発生する音に対する感度は0dBとなっており、音源S付近の狭い領域において感度が高くなっていることがわかる。この領域は、図4に示した領域B1に対応する領域である。したがって、図16に示す感度分布により、目的音抽出部50から出力される信号は、領域B1内において発生した音を抽出した信号となる。さらに、音源Sの奥行き方向の感度の上昇も無くなっていることがわかる。
以上のように、本実施形態に係る収音装置では、第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aは、信号加算部20の出力信号が有する感度分布の領域B1以外の形状が、感度抑圧信号が有する感度分布の領域B1以外の形状と一致するように、配置される。図15に示した感度分布の形状は、音源Sの奥行き方向において、図6および図8の感度分布の形状に、より一致した形状となる。これにより、図16に示す目的音抽出部50において抽出される信号が有する感度分布において、音源Sの奥行き方向についても感度を十分に低下させることができる。また、図15に示す感度分布は、音源Sの奥行き方向の感度が低下した形状となる。したがって、図15に示す感度分布自体によっても、目的音抽出部50において抽出される信号において、音源Sの奥行き方向の感度を十分に低下させることができる。
なお、上述した第1および第2の実施形態係る収音装置は、第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12から出力される収音信号と、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32から出力される収音信号とを入力とし、処理した信号を出力とする一般的なコンピュータシステム等の情報処理装置で実現可能である。コンピュータシステムは、例えばマイクロプロセッサ、ROMおよびRAMなどで構成される。上述した信号加算部20、感度抑圧処理部40、および目的音抽出部50等の処理をコンピュータシステムに実行させるプログラムは、所定の情報記録媒体に格納される。コンピュータシステムは、所定の情報記録媒体に格納されたプログラムを読み出して実行することによって、上述した信号加算部20、感度抑圧処理部40、および目的音抽出部50等の機能を実現することができる。なお、プログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。また、上記プログラムを格納する情報記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、および半導体メモリなどである。また、上記プログラムは、他の媒体や通信回線を通じて上記情報処理装置に供給されてもかまわない。また、上記プログラムは、他の媒体や通信回線を通じて、他の情報処理装置に供給されてもかまわない。
なお、上述した第1および第2の実施形態に係る収音装置の各構成部または一部の構成部は、収音装置に脱着可能なICカード、または単体のモジュールで構成されてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、およびRAMなどから構成されるコンピュータシステムである。なお、ICカードおよびモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
なお、上述した第1および第2の実施形態に係る収音装置において、第1の目的音収音部11などの音を収音する構成部以外の各構成部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路や、専用の信号処理回路を用いて1チップ化したものによって実現されてもよい。また上述した第1および第2の実施形態に係る収音装置は、上記各構成部の機能に相当するものをそれぞれチップ化したものによって実現されてもよい。例えば図1に示した構成においては、信号加算部20、感度抑圧処理部40、および目的音抽出部50が集積回路で実現される。このとき、当該集積回路は、第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12の出力を入力する2つの第1の入力端子と、第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32の出力を入力する2つの第2の入力端子と、目的音抽出部50の出力を出力する出力端子とを備える。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また集積回路化の手法は、LSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
本発明に係る収音装置は、目的の音源において発生した目的音のみを精度良く収音することができ、ハンズフリー機能を有する機器、会議システムにおける通話装置、オフマイク機能を有するビデオカメラなどの機器等にも有用である。
本発明の第1の実施形態に係る収音装置の構成を示すブロック図 第1の目的音収音部11および第2の目的音収音部12の配置例を示す図 第1の非目的音収音部31のポーラパターンを示す図 第1の非目的音収音部31および第2の非目的音収音部32の配置例を示す図 信号加算部20の出力信号が有する感度分布を示す図 時間領域で加算された感度抑圧信号が有する感度分布を示す図 図5に示す感度分布を有する信号加算部20の出力信号から、図6に示す感度分布を有する感度抑圧信号を除去することによって抽出される信号が有する感度分布を示す図 振幅レベルまたはパワーレベルで加算された感度抑圧信号が有する感度分布を示す図 図5に示す感度分布を有する信号加算部20の出力信号から、図8に示す感度分布を有する感度抑圧信号を除去することによって抽出される信号が有する感度分布を示す図 感度抑圧処理部40と異なる構成である感度抑圧処理部40aを用いた収音装置の構成を示す図 指向性を有するマイクロホンアレイで構成された第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aの配置例を示す図 第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aを用いた場合の収音装置の構成例を示す図 非目的音収音部を複数備えた収音装置の構成例を示す図 指向性を有するマイクロホンアレイで構成された第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aの第2の実施形態における配置例を示す図 図14に示す位置に第1の目的音収音部11aおよび第2の目的音収音部12aを配置した場合の信号加算部20の出力信号が有する感度分布のシミュレーション結果を示す図 図15に示す感度分布を有する信号加算部20の出力信号から、図8に示す感度分布を有する感度抑圧信号を除去することによって抽出される信号が有する感度分布を示す図 従来の収音装置の信号処理を概念的に示した図 収音部91のポーラパターンを示す図
符号の説明
11、11a 第1の目的音収音部
12、12a 第2の目的音収音部
20 信号加算部
31 第1の非目的音収音部
32 第2の非目的音収音部
33 第Nの非目的音収音部
40、40a、40b 感度抑圧処理部
441 第1の周波数変換部
412 第2の周波数変換部
413 第Nの周波数変換部
421 第1のレベル演算部
422 第2のレベル演算部
423 第Nのレベル演算部
430 周波数加算部
441 第1のレベル調整部
442 第2のレベル調整部
50 目的音抽出部

Claims (9)

  1. 目的の音源において発生した目的音を含む音を収音して収音信号を出力する少なくとも1つの目的音収音手段と、
    互いに異なる位置に配置され、それぞれの感度の死角が前記目的の音源に向かう方向に形成され、当該死角の範囲外の音を収音して収音信号を出力する複数の非目的音収音手段と、
    各前記非目的音収音手段から出力された収音信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する感度抑圧手段と、
    前記目的音収音手段から出力された収音信号から前記感度抑圧手段において生成された感度抑圧信号を除去することにより、前記死角の重複領域内において発生した音の信号を抽出する抽出手段とを備える、収音装置。
  2. 前記非目的音収音手段から出力される収音信号は、時間領域の収音信号であり、
    前記感度抑圧手段は、
    各前記非目的音収音手段から出力された時間領域の収音信号を、周波数領域の収音信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段において変換された各収音信号に対して、振幅レベルを周波数毎に演算する演算手段と、
    前記演算手段において演算された各収音信号の振幅レベルを共通の周波数毎に加算し、加算した信号を前記感度抑圧信号として出力する加算手段とを有する、請求項1に記載の収音装置。
  3. 前記感度抑圧手段は、前記演算手段において演算された各収音信号に対して、振幅レベルを周波数毎に調整する調整手段をさらに有し、
    前記加算手段は、前記調整手段において調整された各収音信号の振幅レベルを共通の周波数毎に加算し、加算した信号を前記感度抑圧信号として出力し、
    前記調整手段は、前記加算手段から出力される感度抑圧信号が示す感度分布と、前記目的音収音手段から出力される収音信号が示す感度分布とが、前記死角の重複領域以外の複数の領域で一致するように、前記振幅レベルを周波数毎に調整する、請求項2に記載の収音装置。
  4. 前記非目的音収音手段から出力される収音信号は、時間領域の収音信号であり、
    前記感度抑圧手段は、
    各前記非目的音収音手段から出力された時間領域の収音信号を、周波数領域の収音信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段において変換された各収音信号に対して、パワーレベルを周波数毎に演算する演算手段と、
    前記演算手段において演算された各収音信号のパワーレベルを共通の周波数毎に加算し、加算した信号を前記感度抑圧信号として出力する加算手段とを有する、請求項1に記載の収音装置。
  5. 前記目的音収音手段は、複数設けられており、
    各前記目的音収音手段は、前記目的の音源を前方にして互いに異なる位置に配置され、当該目的の音源に向かう方向に指向性をそれぞれ有し、
    各前記非目的音収音手段は、前記目的の音源を前方にして互いに異なる位置に配置され、
    各前記目的音収音手段が有する指向性の各主軸は、各前記非目的音収音手段が有する死角の各主軸が互いに交わる位置から各前記目的音収音手段側にずれた位置で交わることを特徴とする、請求項1に記載の収音装置。
  6. 目的の音源において発生した目的音を含む音を第1の収音手段を用いて収音して収音信号を出力する目的音収音ステップと、
    それぞれの感度の死角が前記目的の音源に向かう方向に形成されるように、複数の第2の収音手段を互いに異なる位置に配置する配置ステップと、
    前記配置ステップにおいて配置された複数の第2の収音手段を用いて前記死角の範囲外の音を収音して、各収音信号を出力する非目的音収音ステップと、
    前記非目的音収音ステップにおいて出力された各収音信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する感度抑圧ステップと、
    前記目的音収音ステップにおいて出力された収音信号から前記感度抑圧ステップにおいて生成された感度抑圧信号を除去することにより、前記死角の重複領域内において発生した音の信号を抽出する抽出ステップとを含む、収音方法。
  7. 目的の音源において発生した目的音を含む音を収音する少なくとも1つの目的音収音手段から出力される収音信号を入力する第1の入力端子と、
    互いに異なる位置に配置され、それぞれの感度の死角が前記目的の音源に向かう方向に形成され、当該死角の範囲外の音を収音する複数の非目的音収音手段から出力される収音信号を入力する複数の第2の入力端子と、
    各前記第2の入力端子から出力された収音信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する感度抑圧手段と、
    前記第1の入力端子から出力された収音信号から前記感度抑圧手段において生成された感度抑圧信号を除去することにより、前記死角の重複領域内において発生した音の信号を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段において抽出された前記死角の重複領域内において発生した音の信号を出力する出力端子とを備える、集積回路。
  8. 目的の音源において発生した目的音を含む音を収音して収音信号を出力する少なくとも1つの目的音収音手段と、互いに異なる位置に配置され、それぞれの感度の死角が前記目的の音源に向かう方向に形成され、当該死角の範囲外の音を収音して収音信号を出力する複数の非目的音収音手段とを備える収音装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    各前記非目的音収音手段から出力された収音信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記死角が互いに重複する重複領域内の収音感度が当該重複領域の周辺よりも抑圧された感度抑圧信号を生成する感度抑圧ステップと、
    前記目的音収音手段から出力された収音信号から前記感度抑圧ステップにおいて生成された感度抑圧信号を除去することにより、前記死角の重複領域内において発生した音の信号を抽出する抽出ステップとを、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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