JP7067146B2 - 収音装置、プログラム及び方法 - Google Patents

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Description

この発明は、収音装置、プログラム及び方法に関し、例えば、雑音環境下で用いられる音声通信システム等に適用し得る。
雑音環境下で音声通信システムや音声認識応用システムを利用する場合、必要な目的音声と同時に混入する周囲の雑音は、良好なコミュニケーションを阻害し、音声認識率の低下をもたらす厄介な存在である。従来、このような複数の音源が存在する環境下において、特定の方向の音のみ分離・収音することで不要音の混入を避け必要な目的音を得る技術として、マイクアレイを用いたビームフォーマ(Beam Former;以下「BF」とも呼ぶ;特許文献2参照)がある。BFとは各マイクロホンに到達する信号の時間差を利用して指向性を形成する技術である。しかしBFだけでは収音を目的とするエリア(以下、「目的エリア」と呼ぶ)の周囲に他の音源が存在する場合、目的エリア内に存在する音(以下、「目的エリア音」と呼ぶ)だけを収音することが難しい。そのため、従来、特許文献1等により、複数のマイクアレイを用いて目的エリアを収音するエリア収音方式が提案されている。
図13は、2つのマイクアレイMA1、MA2を用いて、目的エリアの音源からの目的エリア音を収音する処理について示した説明図である。図13(a)は、各マイクアレイMA1、MA2の構成例について示した説明図である。図13(b)、図13(c)は、それぞれ図13(a)に示すマイクアレイMA1、MA2のBF出力について周波数領域で示した図(グラフ形式のイメージ図)である。図13(b)、図13(c)は、それぞれマイクアレイMA1、MA2のBF出力について周波数領域で示した図(グラフ形式のイメージ図)である。図13において各マイクアレイMA1、MA2は、それぞれ2つのマイクロホンMC1、MC2により構成されている。
従来のエリア収音では、図13(a)に示すように、マイクアレイMA1、MA2の指向性を別々の方向から収音したいエリア(目的エリア)で交差させて収音する。図13(a)の状態では、各マイクアレイMA1、MA2の指向性に目的エリア内に存在する音(目的エリア音)だけでなく、目的エリア方向の雑音(非目的エリア音)も含まれている。しかし、図13(b)、図13(c)に示すように、マイクアレイMA1、MA2の指向性を周波数領域で比較すると、目的エリア音成分はどちらの出力にも含まれるが、非目的エリア音成分は各マイクアレイで異なることになる。従来のエリア収音技術では、このような特性を利用し、2つのマイクアレイMA1、MA2のBF出力に、共通に含まれる成分以外を抑圧することで目的エリア音のみ抽出することができる。
特開2014-072708号公報 特開2005-195955号公報
浅野太著,"音響テクノロジーシリーズ16 音のアレイ信号処理-音源の定位・追跡と分離-",日本音響学会編,コロナ社,2011年2月25日発行
ところで、雑音環境下で音声通信といえば、スマートホンなどのモバイル通信機器が代表的である。近年は音声認識アプリの利用が進み、画面を見ながら音声入力するケースが多くなっている。その場合、スマートホンと口元が離れるため、より外部騒音の影響を受けやすくなる。また、緊急車両に備えられるハンドセット(送受話器)はサイレンなどの大騒音が障害となり緊急の情報伝達の妨げとなっている。このような利用環境において、前記エリア収音技術は有効な解決策として期待される。すなわち、スマートホンの前面、あるいはハンドセットの送話口周辺に2つのマイクアレイを設置し、当該2つのマイクアレイのそれぞれの指向性を送話口の前で交差させエリア収音を機能させることにより、周辺雑音を排除し送話者の音声だけを正確に伝達することが可能になる。
しかし、これらの機器の限られたスペースに、エリア収音実現のために多くのマイクアレイを装着することは必ずしも容易ではない。
そのため、効率良く、かつ効果的にエリア収音を行うことができる収音装置、プログラム及び方法が望まれている。
第1の本発明の収音装置は、N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、前記N角形の領域内の目的エリアの目的エリア音を収音する収音手段を有することを特徴とする。
第2の本発明の収音プログラムは、コンピュータを、N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、前記N角形の領域内の目的エリアの目的エリア音を収音する収音手段として機能させることを特徴とする。
第3の本発明は、収音装置が行う収音方法において、収音手段を備え、前記収音手段は、N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、前記N角形の領域内の目的エリアの目的エリア音を収音することを特徴とする。
第4の本発明の収音装置は、N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、目的エリアの目的エリア音を収音する収音手段とを備え、前記収音手段は、2つの前記マイクアレイから入力されたそれぞれの入力信号について前記N角形の内側方向にビームフォーマにより指向性を形成する指向性形成部と、それぞれの前記マイクアレイのビームフォーマ出力をスペクトル減算することで目的エリア方向に存在する非目的エリア音を抽出する非目的エリア音抽出手段と、前記マイクアレイのビームフォーマ出力から前記非目的エリア音をスペクトル減算することにより、目的エリア音を抽出する目的エリア音抽出手段とを有することを特徴とする。
第5の本発明の収音プログラムは、コンピュータを、N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、目的エリアの目的エリア音を収音する収音手段として機能させ、前記収音手段は、2つの前記マイクアレイから入力されたそれぞれの入力信号について前記N角形の内側方向にビームフォーマにより指向性を形成する指向性形成部と、それぞれの前記マイクアレイのビームフォーマ出力をスペクトル減算することで目的エリア方向に存在する非目的エリア音を抽出する非目的エリア音抽出手段と、前記マイクアレイのビームフォーマ出力から前記非目的エリア音をスペクトル減算することにより、目的エリア音を抽出する目的エリア音抽出手段とを有することを特徴とする。
第6の本発明は、収音装置が行う収音方法において、収音手段を備え、前記収音手段は、N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、目的エリアの目的エリア音を収音し、前記収音手段は、2つの前記マイクアレイから入力されたそれぞれの入力信号について前記N角形の内側方向にビームフォーマにより指向性を形成する指向性形成部と、それぞれの前記マイクアレイのビームフォーマ出力をスペクトル減算することで目的エリア方向に存在する非目的エリア音を抽出する非目的エリア音抽出手段と、前記マイクアレイのビームフォーマ出力から前記非目的エリア音をスペクトル減算することにより、目的エリア音を抽出する目的エリア音抽出手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、効率良く、かつ効果的にエリア収音を行う収音装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る各装置の構成(第1の実施形態に係る収音部(収音装置)の機能的構成を含む)について示したブロック図である。 第1の実施形態に係る収音部(収音装置)を備えた通信装置の外観について示した図(平面図)である。 2つのマイクアレイのBFによる指向性を別々の方向から目的エリアへ向けるマイクアレイ配置の説明図(イメージ図)である。 マイクアレイから近接したエリアを収音する場合のマイクアレイ配置の説明図(イメージ図)である。 3個のマイクロホンを用いたエリア収音処理の概要について示した説明図(イメージ図)である。 3個のマイクロホンにより形成されるマイクアレイの構成例について示した説明図(イメージ図)である。 3個のマイクロホンにより形成されるマイクアレイの各組み合に対応するエリア収音処理について示した説明図(イメージ図)である。 マイクロホン数が2個の場合の減算型BFに係る構成を示すブロック図である。 2個のマイクロホンを用いた減算型BFにより形成される指向特性を示す図である。 第2の実施形態に係る各装置の構成(第1の実施形態に係る収音部(収音装置)の機能的構成を含む)について示したブロック図である。 第2の実施形態に係る多角形(5角形、N=5)のマイクアレイ部の構成について示した図である。 第2の実施形態に係る多角形(5角形、N=5)のマイクアレイ部を用いたエリア収音処理の例について示した説明図(イメージ図)である。 従来の収音装置において、2つのマイクアレイのビームフォーマ(BF)による指向性を別々の方向から目的エリアへ向けた場合の構成例について示した説明図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による収音装置、プログラム及び方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の収音装置、プログラム及び方法を収音部に適用した例について説明する。
まず、第1の実施形態におけるマイクアレイを用いたエリア収音処理の基本的な原理について図3~図7を用いて説明する。
図3に示すように、エリア収音を実現するためには、通常少なくとも2つ以上のマイクアレイが必要となる。
図3では、2つのマイクアレイMA100、MA200の指向性をそれぞれ別の方向に向けて収音エリア(目的エリア)で交差させている。また、図3では、マイクアレイMA100、MA200は、それぞれ2つのマイクロホンch1、ch2により構成されている。さらに、図3では、マイクアレイMA100の指向性を破線で図示し、マイクアレイMA200の指向性を一点鎖線で図示している。そして、図3では、2つのマイクアレイMA100、MA200の指向性が交差する収音エリアにハッチ(斜線)を付している。
一方、ハンドセットやスマートホン等の送話器(話者の音声を捕捉するマイクロホンを備える装置)を備える装置(以下、「送話装置」とも呼ぶ)において、収音を必要とするエリア(使用時における話者の口元の位置)は送話口(マイクロホンが配置されている部分)から直近(例えば、数センチ以内)の狭いエリアに限定される。
したがって、ハンドセットやスマートホン等の送話装置において、2つのマイクアレイMA100、MA200を用いて、話者の口元のエリア収音を行う場合、図4(a)に示すように2つのマイクアレイMA100、MA200の距離も近接して配置する必要がある。このとき、2つのマイクアレイMA100、MA200の距離を限界まで近づけると、図4(b)に示すように、2つのマイクアレイMA100、MA200の一部のマイクロホン(図4(b)では、内側に配置されたマイクロホンch1)をほぼ重なった位置とすることになる。そのため、図4(b)の状態では、マイクアレイMA100のマイクロホンch1と、マイクアレイMA200のマイクロホンch1については共通化して、図4(c)に示すような3個のマイクロホンch1~ch3の構成に置き換えることが可能となる。
すなわち、送話器の送話口から直近の狭いエリアのエリア収音を行う必要のある送話装置では、図4(c)のように、最小で3つのマイクロホンch1~ch3により構成されるマイクアレイで、話者の口元から発話される音声のエリア収音を実現することができる。
したがって、送話器から直近の狭いエリアのエリア収音を行う必要のある送話装置では、図5に示すような3つのマイクロホンch1~ch3を用いて、エリア収音を実現することができる。図5では、マイクロホンch1とマイクロホンch2との間を結ぶ線分L101と、マイクロホンch2とマイクロホンch3との間を結ぶ線分L102とが角度を有するように(すなわち、∠≠180°となるように)、3つのマイクロホンch1~ch3が配置されている。また、図5では、線分L101の両端のマイクロホンch1、ch2を対とする第1のマイクアレイと、線分L102の両端のマイクロホンch2、ch3を対とする第2のマイクアレイを構成し、各マイクアレイの指向性を内角方向(収音エリア)に向けて交差させている。なお、図5では、第1のマイクアレイの指向性を破線で図示し、第2のマイクアレイの指向性を一点鎖線で図示している。また、図5では、第1のマイクアレイと第2のマイクアレイの指向性が重なる領域にハッチ(斜線)を付している。
そうすると、マイクロホンch1~ch3では、図6に示すように、マイクロホンの組み合わせによって最大3つのマイクアレイ(指向性の方向の異なる3つのマイクアレイ)を設定することができる。図6に示すように、マイクロホンch1~ch3では、マイクロホンch1、ch2を対とするマイクアレイMA301、マイクロホンch2、ch3を対とするマイクアレイMA302、及びマイクロホンch3、ch1を対とするマイクアレイMA303を設定することができる。
そして、マイクロホンch1~ch3では、図7に示すように、3つのマイクアレイMA301、MA302、MA303の組み合わせ(3通りの組み合わせ)に応じたエリア収音が可能となる。
図7(a)では、マイクアレイMA301の指向性を一点鎖線で図示し、マイクアレイMA302の指向性を二点鎖線で図示し、ている。また、図7(b)では、マイクアレイMA302の指向性を一点鎖線で図示し、マイクアレイMA303の指向性を二点鎖線で図示している。さらに、図7(c)では、マイクアレイMA301の指向性を一点鎖線で図示し、マイクアレイMA303の指向性を二点鎖線で図示している。さらにまた、図7(a)では、マイクアレイMA301、MA302の組み合わせに応じた収音エリアA301にハッチ(斜線)を付している。また、図7(b)では、マイクアレイMA302、MA303の組み合わせに応じた収音エリアA302にハッチ(斜線)を付している。さらに、図7(c)では、マイクアレイMA301、MA303の組み合わせに応じた収音エリアA303にハッチ(斜線)を付している。
図7に示すように、マイクロホンch1~ch3では、いずれのマイクアレイ(MA301~MA303)でも、マイクアレイ同士(マイクアレイを構成する2つのマイクの位置を結ぶ線分同士)で角度を有することから、互いの指向性を交差させて、組み合わせ毎に異なるエリア収音(異なる領域のエリア収音)が実現可能である。
後述する第1の実施形態の収音部(収音装置)では、図6、図7に示すように、三角形の各頂点に配置された3つのマイクロホンを用いたエリア収音を行う構成となっている。
(A-1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に関連する各装置の構成について示したブロック図である。
図1では、第1の実施形態に係る収音部110を備える通信装置100と、通信装置200とを図示している。また、図1では、通信装置100、200間は、通信路Pにより通信可能な構成となっている。
通信装置100は、話者U1が発話した音声(音)を捕捉し収音し、収音した音声の音声データを通信路Pを介して通信装置200に送信する装置である。そして、通信装置200は、通信装置100から受信した音声データに基づく音声を聴者U2に表音出力する装置である。
話者U1は、例えば、災害救助等の現場で作業する作業員(例えば、騒音環境下で作業をする作業員)等が該当し、聴者U2としては遠隔地(例えば、災害救助等の現場を指揮する司令センタ)の指令担当者等が該当する。
次に、通信装置100の構成概要について図1、図2を用いて説明する。
通信装置100は、3個のマイクロホンMC1~MC3を備えるマイクアレイ部1と、マイクアレイ部1で捕捉した音響信号に基づいて話者U1の発話した音声を収音する収音部110と、収音部110が収音した音声に基づく音声データを通信(通信路Pを介した通信)により通信装置200に送信する通信部120とを有している。
通信路Pは、有線・無線に限定されず種々の接続手段や接続構成(ネットワーク構成)を適用することができる。
通信装置100のハードウェア的な構成については限定されないものであるが、この実施形態の例では、図2に示すように、この実施形態の例では、通信装置100は、ハードウェア的にはスマートホン(話者U1が所持するスマートホン)の構成となっているものとする。
この実施形態の例では、図1に示すように、マイクアレイ部1は、3つのマイクロホンMC1~MC3により構成されている(すなわち、図1ではN=3)。
次に、収音部110の詳細構成について図1を用いて説明する。
収音部110は、信号入力部2、周波数変換部3、指向性形成部4、及び目的エリア音抽出部5を有している。
収音部110は、例えば、プロセッサやメモリ等を備えるコンピュータにプログラム(実施形態に係る収音プログラムを含む)を実行させるようにしてもよいが、その場合であっても、機能的には、図1のように示すことができる。
次に、通信装置200の構成概要について図1を用いて説明する。
通信装置200のハードウェア構成についても限定されないものであるが、例えば、種々の電話装置(例えば、スピーカホン等)を適用することができる。
通信装置200は、通信路Pを介して通信装置100から音声データを受信する通信部210と、通信部210が受信した音声データに基づく音声を聴者U2に向けて表音出力するスピーカ6とを有している。
次に、マイクアレイ部1の構成について、図2を用いて説明する。
この実施形態の例では、マイクアレイ部1は、3つのマイクロホンMC1~MC3を有する構成であるものとする。
そして、図2に示すように、この実施形態の例では、通信装置100はスマートホンの構成であるため、通信装置100では、この3つのマイクロホンMC1~MC3は、スマートホンにおいて通常送話口となる部分(スピーカSPが配置されている部分と反対側の端)の周囲に配置されることが望ましい。言い換えると、通信装置100において、3つのマイクロホンMC1~MC3は、通信装置100の使用時に話者U1の口元と対向する部分(話者U1の口元と最も近接する部分)の周囲に配置することが望ましい。図2では、話者U1が通信装置100を手で把持し、耳にスピーカSPを押し付けた場合に、話者U1の口元が位置する部分(図2の方向から見て下側の部分)の周囲(話者U1の口元と最も近接する部分の周囲)に3つのマイクロホンMC1~MC3が配置されている。
図2に示す通信装置100(マイクアレイ部1)では、図6、図7に示マイクアレイと同様に、3個のマイクロホンMC1~MC3の各位置(各マイクロホンの中心位置)が正三角形の頂点となるように配置されている。図2では、説明を簡易とするため、マイクロホンMC1~MC3による三角形の各辺が同じ距離(マイクロホンMC1~MC3による三角形が正三角形)としているが、各辺の距離や各角の角度は全て同じでなくてもよい。
なお、図2に示すように、以下では、通信装置100(マイクアレイ部1)において、マイクロホンMC1、MC2を対とするマイクアレイをMA1、マイクロホンMC2、MC3を対とするマイクアレイをMA2、マイクロホンMC3、MC1を対とするマイクアレイをMA3と呼ぶものとする。
(A-2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の動作(実施形態に係る収音方法)を説明する。
通信装置100では、収音部110が、マイクアレイ部1のマイクロホンMC1~MC3から供給される音響信号を用いて、目的エリアの目的エリア音を収音する目的エリア音収音処理を行う。
以下では、通信装置100を構成する収音部110内部の動作を中心に説明する。
信号入力部2は、各マイクロホンMC1~MC3で収音した音響信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、周波数変換部3に供給する。その後、周波数変換部3では、例えば高速フーリエ変換を用いてマイク信号を時間領域から周波数領域へ変換する。指向性形成部4はBFにより指向性を形成する。
ここで、図8、図9を用いてBFによる指向性形成について説明する。
BFとは、マイクアレイにおいて各マイクロホンに到達する信号の時間差を利用して収音の指向性を形成する技術である(非特許文献1参照)。BFは加算型と減算型の大きく2つの種類に分けられるが、ここでは少ないマイクロホン数で指向性を形成できる減算型BFについて説明する。
図8は、マイクロホン数が2個(MC1、MC2)の場合の減算型BF300に係る構成を示すブロック図である。
減算型BF300は、まず遅延器310により目的とする方向に存在する音(以下、「目的音」と呼ぶ)が各マイクロホンMC1、MC2に到来する信号の時間差を算出し、遅延を加えることにより目的音の位相を合わせる。時間差は(1)式により算出される。ここで、dはマイクロホンMC1、MC2間の距離、cは音速、τは遅延量を示している。またθは、マイクロホンMC1、M2の位置を結んだ直線に対する垂直方向から目的方向への角度を示している。
ここで、死角がマイクロホンMC1とマイクロホンMC2の中心に対し、マイクロホンMC1の方向に存在する場合、遅延器310は、マイクロホンMC1の入力信号x(t)に対し遅延処理を行う。その後、減算器320が、(2)式に従い減算処理を行う。減算器320では、この減算処理は周波数領域でも同様に行うことができ、その場合(2)式は(3)式のように変更される。
Figure 0007067146000001
ここでθ=±π/2の場合、形成される指向性は図9(a)に示すように、カージオイド型の単一指向性となり、θ=0,πの場合は、図9(b)のような8の字型の双指向性となる。また、減算器320では、スペクトル減算法(Spectral Subtraction)の処理(以下、単に「SS」とも呼ぶ)を用いることで、双指向性の死角に強い指向性を形成することもできる。SSによる指向性は、(4)式に従い全周波数、もしくは指定した周波数帯域で形成される。(4)式では、マイクロホンMC1の入力信号Xを用いているが、マイクロホンMC2の入力信号Xでも同様の効果を得ることができる。ここで、nはフレーム番号、βはSSの強度を調節するための係数を示している。減算器320では、減算時に値がマイナスなった場合は、0または元の値を小さくした値に置き換えるフロアリング処理を行うようにしてもよい。この方式では、双指向性の特性によって目的方向以外に存在する音(以下、「非目的音」と呼ぶ)を抽出し、抽出した非目的音の振幅スペクトルを入力信号の振幅スペクトルから減算することで、目的音を強調することができる。
Figure 0007067146000002
ところで、ある特定の目的エリア内に存在する目的エリア音だけを収音したい場合、減算型BFを用いるだけでは、そのエリアと同一方向の線上に存在する音源(以下、「非目的エリア音」と呼ぶ)も収音してしまう。
そこで、指向性形成部4では、特許文献1で提案されているエリア収音処理(複数のマイクアレイを用い、それぞれ別々の方向から目的エリアへ指向性を向け、指向性を目的エリアで交差させることで目的エリア音を収音する処理)を行うものとして説明する。具体的には、図1に示す指向性形成部4は、以下のような処理によりエリア収音処理を行うようにしてもよい。
例えば、指向性形成部4は、マイクロホンMC1、MC2により構成されるマイクアレイMA1と、マイクロホンMC1、MC3により構成されるマイクアレイMA3に対し、マイクロホンMC1~MC3の三角形の内側に向かってそれぞれBFによって指向性を形成し、マイクアレイの指向性を別々の方向から収音したいエリア(目的エリア)である送話口前(マイクロホンMC1~MC3により形成される三角形の内側の領域)で交差させる(図7(c)参照)。
目的エリア音抽出部5は、指向性形成部4で形成したマイクアレイMA1、およびマイクアレイMA3の各BF出力データY(n)、Y(n)を(5)、もしくは(6)式に従いSSし、目的エリア方向に存在する非目的エリア音N(n)、N(n)を抽出する。以下では、マイクアレイMA1のBF出力データをY(n)、マイクアレイMA3のBF出力データをY(n)とする。また、以下では、マイクアレイMA1の非目的エリア音出力データをN(n)、マイクアレイMA3の非目的エリア音出力データをN(n)とする。
ここでα、αは、目的エリアと各マイクアレイの距離の違いによって生じる信号レベルの差を補正する補正係数であり、所定の処理によって逐一計算されるべきものであり、その手法は特許文献1にも記載されている。ここでは簡単のため、目的エリアと各マイクアレイMA1、MA3までの距離は同一(α(n)=α(n)=1))とし(5)、(6)式を(7)、(8)式に代える。
Figure 0007067146000003
その後、目的エリア音抽出部5は、(9)、(10)式に従い、各BF出力から非目的エリア音をSSして目的エリア音を抽出した目的エリア強調音Z(n)、Z(n)を生成する。なお、γ(n)、γ(n)はSS時の強度を変更するための係数を示している。なお、目的エリア音抽出部5は、目的エリア強調音Z(n)、Z(n)の両方を出力するようにしてもよいし、いずれか一方だけを出力するようにしてもよい。
Figure 0007067146000004
目的エリア音抽出部5で生成された目的エリア強調音(Z(n)及び又はZ(n))は、通信部120に供給される。通信部120は、供給された目的エリア強調音に基づく音声データを、通信路Pを介して通信装置200に送信する。
通信装置200では、通信部210が音声データを受信し、スピーカ6が受信した音声データに基づく音響信号を表音出力(聴者U2に向けて表音出力)する。
(A-3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第1の実施形態では、3個のマイクロホンMC1~MC3で、2つのマイクアレイを構成することでエリア収音を実現している。また、収音部110が行うエリア収音処理において、処理量の多くを占めるのは周波数分析(離散フーリエ変換等)であり、それらはマイクロホン毎に必要な処理である。すなわち、収音部110が行うエリア収音処理において、処理対象のマイクロホンの数を少なくできるということは、エリア収音処理全体の処理量も少なくできることになる。第1の実施形態では、3個のマイクロホンで2つのマイクアレイを構成しているため、スマートホンやハンドセット等の小スペース機器への実装が効率的に行なえる。
従来のエリア収音処理の構成(例えば、図3に示す構成)では、少なくても4個のマイクロホンを使用(2つのマイクロホンにより構成されるマイクアレイを2つ使用)して1つのエリア収音処理を実現していたが、第1の実施形態では、3個のマイクロホンMC1~MC3を備えるマイクアレイ部1で、1~3個のエリアの収音を実現することができる。また、エリア収音の処理量の多くを占める周波数分析(離散フーリエ変換等)であり、それらはマイクロホン毎に必要な処理であるため、3つのエリア収音を行なっても、マイクロホンの数が増えない第1の実施形態の構成であれば、処理量の増加も少ない。
以上のように、第1の実施形態の収音部110では、より少ないマイクロホン数で複数のエリア収音が実現され、限られた実装スペースにおいても、簡易な構成で効果的な雑音環境対策が可能となる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による収音装置、プログラム及び方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の収音装置、プログラム及び方法を収音部に適用した例について説明する。
(B-1)第2の実施形態の構成
図11は、第2の実施形態に関連する各装置の構成について示したブロック図である。
第2の実施形態では、通信装置100が通信装置100Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
また、第2の実施形態の通信装置100Aでは、マイクアレイ部1及び収音部110が、マイクアレイ部1A及び収音部110Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。さらに、第2の実施形態の収音部110Aでは、信号入力部2、周波数変換部3、指向性形成部4、及び目的エリア音抽出部5が、信号入力部2A、周波数変換部3A、指向性形成部4A、及び目的エリア音抽出部5Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
第1の実施形態のマイクアレイ部1は、図1、図2に示すように、三角形の角頂点にマイクロホンMC1~MC3を配置する構成となっているが、マイクアレイ部1は、三角形(N=3)に限定されずそれより多い数の辺を有する多角形の構成としてもよい。そこで、第2の実施形態のマイクアレイ部1Aは、任意のN個(Nは3以上の整数)のマイクロホンMC(MC1~MCN)を備えるものとする。すなわち、第2の実施形態のマイクアレイ部1Aは、N角形(N個の辺及び角を有する多角形)のそれぞれの頂点の位置に配置されたN個のマイクロホンMC1~MCNにより構成されている。
N個のマイクロホンによるN角形のマイクアレイ部1Aは、最小N=3で構成されるが、Nが増えることで実現できるエリア収音の数が大幅に増加する。
上述の通り、収音部110Aは、N個のマイクロホンMC1~MCNにより捕捉された音響信号に基づくエリア収音処理を行う。そして、収音部110Aは、N角形(N個のマイクロホンの位置により構成されるN角形)において、互いに並行であるものを除く任意の2つの辺もしくは対角線の組み合わせで形成されるマイクアレイを用いてエリア収音処理が可能である。例えば、上述のN角形において隣り合う辺同士の組み合わせだけでN組の組み合わせがあるため、N個(Nか所)のエリア収音が可能となる。また、上述のN角形において、隣接しない2組の辺、及び対角線を含めれば、さらに多くのエリア収音が可能になる。
図12は、マイクロホンの数を5(N=5)とした場合におけるマイクアレイ部1Aの構成例について示した説明図である。なお、上述の通り、マイクアレイ部1Aにおけるマイクロホンの数(N)は3や5に限定されない。
図12に示すマイクアレイ部1Aでは、5角形の角頂点にそれぞれマイクロホンMC1~MC5が配置されている。図12に示すように、第2の実施形態では、マイクロホンMC1とマイクロホンMC2との間の辺をS1、マイクロホンMC2とマイクロホンMC3との間の辺をS2、…、マイクロホンMC5とマイクロホンMC1との間の辺をS5と呼ぶものとする。また、図12に示すように、第2の実施形態では、マイクロホンMC1とマイクロホンMC3との間の対角線をL1、マイクロホンMC2とマイクロホンMC4との間の対角線をL2、…、マイクロホンMC5とマイクロホンMC2との間の対角線をL5と呼ぶものとする。
第2の実施形態では、辺S1の両端のマイクロホンにより構成されるマイクアレイをMA11、辺S2の両端のマイクロホンにより構成されるマイクアレイをMA12、…、辺S5の両端のマイクロホンにより構成されるマイクアレイをMA15と呼ぶものとする。また、第2の実施形態では、対角線L1の両端のマイクロホンにより構成されるマイクアレイをMA21、対角線L2の両端のマイクロホンにより構成されるマイクアレイをMA22、…、対角線L5の両端のマイクロホンにより構成されるマイクアレイをMA25と呼ぶものとする。
マイクアレイを構成するには最小2個のマイクロホンが必要であるが、図12に示すように、5角形のマイクアレイ部1A(マイクロホンMC1~MC5)の辺と対角線で形成されるマイクアレイMA11~MA15、MA21~MA25の数は(=10)個となる。これは、図12に示す五角形の5つの辺S1~S5及び5つの対角線L1~L5の数を合計した数に相当する。
エリア収音は、指向性の方向が互いに異なる2個のマイクアレイで実現されることから、5角形(正5角形)のマイクアレイ部1A(マイクロホンMC1~MC5)の場合、上述の10個のマイクアレイMA11~MA15、MA21~MA25(辺S1~S5、対角線L1~L5)で互いに平行となる組み合わせは1つとしてない。したがって、5角形(正5角形)のマイクアレイ部1A(マイクロホンMC1~MC5)の場合、最大で10(=28)通りの組合せでエリア収音が可能である。BFによる指向性形成やエリア収音処理にとって、マイクロホン間の距離が同一ではないことは好ましいことではないが、単純に組合せだけを考えれば、第1の実施形態では、三角形のマイクアレイ部1(3個のマイクロホンMC1~MC3)で、3つのエリア収音を実現したのに対し、第2の実施形態のマイクアレイ部1A(マイクロホンMC1~MC5)では、僅か2個のマイクロホンの増設で実に28通りの組み合わせでエリア収音が実現される。また、第2の実施形態のマイクアレイ部1A(マイクロホンMC1~MC5)では、すべてのマイクロホン間隔が等しい辺だけを使っても10通りの組合せでエリア収音が可能である。
(B-2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の動作(実施形態に係る収音方法)を説明する。
通信装置100Aでは、収音部110Aが、マイクアレイ部1AのマイクロホンMC1~MCNから供給される音響信号を用いて、目的エリアの音源からの目的エリア音を収音する目的エリア音収音処理を行う。
以下では、通信装置100Aを構成する収音部110A内部の動作について第1の実施形態との差異を説明する。
信号入力部2Aは、各マイクロホンMC1~MCi(i=N)で収音した音響信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してマイクロホン信号x~x(i=N)を生成し、周波数変換部3Aに供給する。
周波数変換部3Aは、マイクロホン信号x~x(i=N)を時間領域から周波数領域へ変換してマイクロホン信号X~X(i=N)を生成し、指向性形成部4Aに供給する。
指向性形成部4Aは、所望の指向性を形成するために必要なマイクアレイに係るマイクロホン信号を選択し、各マイクアレイについて収音エリア方向に指向性を向けたBF出力Y~Y得て、目的エリア音抽出部5Aに供給する処理を行う。なお、jはエリア収音に必要なBF出力(マイクアレイ)の数であり、2からN角形のマイクアレイ部1Aで構成可能なマイクアレイの最大数Mの間のいずれかの整数となる。例えば、N=3(三角形)の場合Mは3となり、N=5(五角形)の場合Mは10となる。
目的エリア音抽出部5Aは、指向性形成部4Aで生成されたBF出力Y~Yを用いて所望の目的エリアの目的エリア音を抽出(強調)した目的エリア強調音Z~Zを生成して出力する。なおkは、所望の目的エリア音(収音エリア)の個数である。所望の目的エリア音の個数が1つの場合、目的エリア音抽出部5Aは、1つの目的エリア強調音Zだけを出力することになる。
例えば、図12に示すように、マイクアレイ部1Aにおけるマイクロホンの数を5(N=5)とした場合のエリア収音の例について説明する。
図12は、マイクロホンの数を5(N=5)とした場合におけるマイクアレイ部1Aのエリア収音処理の例について示した説明図である。
図12の例では、辺S1に対応するマイクアレイMA11の指向性(点線で図示した指向性)と、辺S2に対応するマイクアレイMA12の指向性(一点鎖線で図示した指向性)とが重なる領域A401(ハッチ(斜線)を付した領域)でエリア収音することについて示している。図12の例の場合、指向性形成部4Aは、マイクロホン信号X、Xを用いてマイクアレイMA11のBF出力Yを生成し、さらに、マイクロホン信号X、Xを用いてマイクアレイMA12のBF出力Yを生成することになる。
そして、図12の例では、目的エリア音抽出部5Aが、指向性形成部4Aで生成されたBF出力Y、Yを用いて所望の目的エリアの目的エリア音を抽出(強調)した目的エリア強調音Zを生成して出力することになる。
(B-3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態では、N角形(多角形)のマイクアレイ部1Aを用いてエリア収音することにより、より少ない数のマイクロホンで多数のエリア収音を行うことができる。従来、N個のエリア収音を行なうには、最低でも2個のマイクロホンを備えるマイクアレイがN個(合計で2×N個のマイクロホン)必要である。これに対して、この実施形態では、N角形のマイクアレイ部1Aを用いたエリア収音を行うことで、設定できる収音エリアの位置には制約があるものの、N個のマイクロホンで最低N個のエリア収音を実行することができるため、必要なマイクロホンの数を1/2以下に節約することも可能である。
また、第2の実施形態では、N角形のマイクアレイ部1Aにおいて、Nを奇数に設定することで、より効率的に目的エリアを設定することができる。例えば、マイクアレイ部1Aにおいて、N角形に正八角形を適用した場合、平行する辺や対角線が発生するため、正七角形とした方がより少ないマイクロホンの数でより多くの収音エリアを設定することができる。
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(C-1)上記の各実施形態では、収音部110、110Aは通信装置100、100Aの一部を構成するものとして説明したが、独立した装置として構成するようにしてもよい。また、上記の各実施形態では、収音部110、110Aにマイクアレイ部1、1Aは含まない構成として説明したが、収音部110、110Aとマイクアレイ部1、1Aを一体とした装置として構成するようにしてもよい。
(C-2)上記の各実施形態では、本発明の収音装置(収音部110、110A)をスマートホンやハンドセット等の手持ち型の送話器に適用する例について説明したが、本発明の収音装置は、ヘッドセットやウェアラブルデバイス(例えば、マイクロホン付きのヘッドマウントディスプレイ、マイクロホン付きのネックバンド型ヘッドホン等)に適用し、話者U1による装着時に話者U1の口元が位置する領域を目的エリアとして、その周囲(周辺)にN角形のマイクロホンを設置し、エリア収音処理するようにしてもよい。
100…通信装置、1…マイクアレイ部、MC1~MC3…マイクロホン、110…収音部、2…信号入力部、3…周波数変換部、4…指向性形成部、5…目的エリア音抽出部、120…通信部、200…通信装置、210…通信部、6…スピーカ、U1…話者、U2…聴者。

Claims (8)

  1. N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、前記N角形の領域内の目的エリアの目的エリア音を収音する収音手段
    を有することを特徴とする収音装置。
  2. 前記収音手段は、2つの前記マイクアレイから入力されたそれぞれの入力信号について前記N角形の内側方向にビームフォーマにより指向性を形成する指向性形成部と、
    それぞれの前記マイクアレイのビームフォーマ出力をスペクトル減算することで目的エリア方向に存在する非目的エリア音を抽出する非目的エリア音抽出手段と、
    前記マイクアレイのビームフォーマ出力から前記非目的エリア音をスペクトル減算することにより、目的エリア音を抽出する目的エリア音抽出手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の収音装置。
  3. 前記Nは奇数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の収音装置。
  4. コンピュータを、
    N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、前記N角形の領域内の目的エリアの目的エリア音を収音する収音手段として機能させること
    を特徴とする収音プログラム。
  5. 収音装置が行う収音方法において、
    収音手段を備え、
    前記収音手段は、N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、前記N角形の領域内の目的エリアの目的エリア音を収音する
    ことを特徴とする収音方法。
  6. N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、目的エリアの目的エリア音を収音する収音手段とを備え、
    前記収音手段は、
    2つの前記マイクアレイから入力されたそれぞれの入力信号について前記N角形の内側方向にビームフォーマにより指向性を形成する指向性形成部と、
    それぞれの前記マイクアレイのビームフォーマ出力をスペクトル減算することで目的エリア方向に存在する非目的エリア音を抽出する非目的エリア音抽出手段と、
    前記マイクアレイのビームフォーマ出力から前記非目的エリア音をスペクトル減算することにより、目的エリア音を抽出する目的エリア音抽出手段とを有する
    ことを特徴とする収音装置。
  7. コンピュータを、
    N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、目的エリアの目的エリア音を収音する収音手段として機能させ、
    前記収音手段は、
    2つの前記マイクアレイから入力されたそれぞれの入力信号について前記N角形の内側方向にビームフォーマにより指向性を形成する指向性形成部と、
    それぞれの前記マイクアレイのビームフォーマ出力をスペクトル減算することで目的エリア方向に存在する非目的エリア音を抽出する非目的エリア音抽出手段と、
    前記マイクアレイのビームフォーマ出力から前記非目的エリア音をスペクトル減算することにより、目的エリア音を抽出する目的エリア音抽出手段とを有する
    ことを特徴とする収音プログラム。
  8. 収音装置が行う収音方法において、
    収音手段を備え、
    前記収音手段は、N個(Nは3以上の整数)のマイクロホンがそれぞれN角形の各頂点の位置に配置されているマイクアレイ部を構成する前記N角形の辺及び又は対角線のうち、互いに平行なものを除く任意の2つの組み合わせに対応する2つのマイクアレイのそれぞれから入力された入力信号に基づいて、目的エリアの目的エリア音を収音し、
    前記収音手段は、
    2つの前記マイクアレイから入力されたそれぞれの入力信号について前記N角形の内側方向にビームフォーマにより指向性を形成する指向性形成部と、
    それぞれの前記マイクアレイのビームフォーマ出力をスペクトル減算することで目的エリア方向に存在する非目的エリア音を抽出する非目的エリア音抽出手段と、
    前記マイクアレイのビームフォーマ出力から前記非目的エリア音をスペクトル減算することにより、目的エリア音を抽出する目的エリア音抽出手段とを有する
    ことを特徴とする収音方法。
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