JP6943120B2 - 収音装置、プログラム及び方法 - Google Patents

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Description

この発明は、収音装置、プログラム及び方法に関し、例えば、雑音環境下で用いられる音声通信システムや音声認識システム等に適用する、複数の音源が存在する環境下で特定のエリアの音を強調し、それ以外のエリアの音を抑制するシステムに適用し得る。
雑音環境下で音声通信システムや音声認識応用システムを利用する場合、必要な目的音声と同時に混入する周囲の雑音は、良好なコミュニケーションを阻害し、音声認識率の低下をもたらす厄介な存在である。従来、このような複数の音源が存在する環境下において、特定の方向の音のみ分離・収音することで不要音の混入を避け必要な目的音を得る技術として、マイクロホンアレイを用いたビームフォーマ(Beam Former;以下「BF」とも呼ぶ;特許文献2、3参照)がある。BFとは各マイクロホンに到達する信号の時間差を利用して指向性を形成する技術である。しかしBFだけでは収音を目的とするエリア(以下、「目的エリア」と呼ぶ)の周囲に他の音源が存在する場合、目的エリア内に存在する音(以下、「目的エリア音」と呼ぶ)だけを収音することが難しい。そのため、従来、特許文献1等により、複数のマイクロホンアレイを用いて目的エリアを収音するエリア収音方式が提案されている。
図6は、2つのマイクロホンアレイMA1、MA2を用いて、目的エリアの音源からの目的エリア音を収音する処理について示した説明図である。図6(a)は、各マイクロホンアレイの構成例について示した説明図である。図6(b)、図6(c)は、それぞれ図6(a)に示すマイクロホンアレイMA1、MA2のBF出力について周波数領域で示したグラフ(イメージ図)である。図6(b)、図6(c)は、それぞれマイクロホンアレイMA1、MA2のBF出力について周波数領域で示したグラフ(イメージ図)である。
従来のエリア収音では、図6(a)に示すように、マイクロホンアレイMA1、MA2の指向性を別々の方向から収音したいエリア(目的エリア)で交差させて収音する。図6(a)の状態では、各マイクロホンアレイMA1、MA2の指向性に目的エリア内に存在する音(目的エリア音)だけでなく、目的エリア方向の雑音(非目的エリア音)も含まれている。しかし、図6(b)、図6(c)に示すように、マイクロホンアレイMA1、MA2の指向性を周波数領域で比較すると、目的エリア音成分はどちらの出力にも含まれるが、非目的エリア音成分は各マイクロホンアレイで異なることになる。従来のエリア収音技術では、このような特性を利用し、2つのマイクロホンアレイMA1、MA2のBF出力に、共通に含まれる成分以外を抑圧することで目的エリア音のみ抽出することができる。
従来のエリア収音技術は、エリア外で発生する雑音の抑圧に非常に有効な手法だが、周囲に存在する非目的エリア音や背景雑音のレベルが大きい場合、ミュージカルノイズなどの耳障りな異音が発生する場合がある。エリア収音においてミュージカルノイズを改善する技術としては、特許文献3の記載技術がある。特許文献3では、エリア収音の音質を改善する手法として、エリア収音の出力に、入力信号及び推定雑音を混合し、ミュージカルノイズ等の異音をマスキングする方式(信号混合エリア収音方式)を提案している。以下では、特許文献3の記載技術のように、エリア収音の出力に所定の音(例えば、入力信号や推定雑音等)を混合して、ミュージカルノイズ等の異音をマスキングする手法を「ミキシングエリア収音」と呼ぶものとする。
特開2014−72708号公報 特開2005−195955号公報 特許6187626号公報
浅野太著,"音響テクノロジーシリーズ16 音のアレイ信号処理−音源の定位・追跡と分離−",日本音響学会編,コロナ社,2011年2月25日発行
上述のように、従来のミキシングエリア収音は、エリア収音の音質を大幅に改善する手法であるが、入力信号や推定雑音を混合する方式であるため、雑音抑圧の観点からは、その効果がやや弱まる。そのため、音声通信と音声認識双方の機能を備えるシステムにエリア収音を適用する場合、音声通信には好ましい雑音抑圧レベルが音声認識の前処理としては雑音抑圧効果が十分でなく、認識率が低下するという問題があった。
以上のような問題に鑑みて、出力先に対してより高品質のエリア収音が可能となる収音装置、プログラム及び方法が望まれている。
第1の本発明は、マイクロホンアレイを用いて収音した収音信号を複数の出力先に出力する収音装置において、(1)マイクロホンアレイから入力された入力信号に含まれる背景雑音を推定して推定雑音として取得し、取得した前記推定雑音を用いて、前記入力信号の雑音成分を抑圧して雑音抑圧後信号を取得する雑音抑圧手段と、(2)前記雑音抑圧後信号について、目的エリア方向以外の方向に指向性を形成した第1の非目的エリア音と、目的エリア方向に指向性を形成した目的エリア方向音とを取得する指向性形成手段と、(3)前記目的エリア方向音を用いて目的エリア方向からの第2の非目的エリア音を抽出し、さらに、前記第2の非目的エリア音と前記目的エリア方向音とを用いて、目的エリアを音源とする目的エリア音を取得する目的エリア音抽出部と、(4)それぞれの前記出力先に、少なくとも前記目的エリア音の成分を含む音響信号を前記収音信号として出力するものであって、前記出力先の特性に応じて、前記目的エリア音に、少なくとも前記入力信号の成分及び又は前記推定雑音の成分を含む混合音を混合した混合後目的エリア音を生成して前記収音信号として出力することが可能である出力手段とを有し、(5)前記出力手段は、通話系システムの前記出力先には前記混合音として、前記入力信号の成分及び前記推定雑音の成分を含む音を設定し、音声認識システムの前記出力先には前記混合音を含まない音響信号を前記収音信号として出力することを特徴とする。
第2の本発明の収音プログラムは、マイクロホンアレイを用いて収音した収音信号を複数の出力先に出力する収音装置に搭載されたコンピュータを、(1)マイクロホンアレイから入力された入力信号に含まれる背景雑音を推定して推定雑音として取得し、取得した前記推定雑音を用いて、前記入力信号の雑音成分を抑圧して雑音抑圧後信号を取得する雑音抑圧手段と、(2)前記雑音抑圧後信号について、目的エリア方向以外の方向に指向性を形成した第1の非目的エリア音と、目的エリア方向に指向性を形成した目的エリア方向音とを取得する指向性形成手段と、(3)前記目的エリア方向音を用いて目的エリア方向からの第2の非目的エリア音を抽出し、さらに、前記第2の非目的エリア音と前記目的エリア方向音とを用いて、目的エリアを音源とする目的エリア音を取得する目的エリア音抽出部と、(4)それぞれの前記出力先に、少なくとも前記目的エリア音の成分を含む音響信号を前記収音信号として出力するものであって、前記出力先の特性に応じて、前記目的エリア音に、少なくとも前記入力信号の成分及び又は前記推定雑音の成分を含む混合音を混合した混合後目的エリア音を生成して前記収音信号として出力することが可能である出力手段とを有し、(5)前記出力手段は、通話系システムの前記出力先には前記混合音として、前記入力信号の成分及び前記推定雑音の成分を含む音を設定し、音声認識システムの前記出力先には前記混合音を含まない音響信号を前記収音信号として出力することを特徴とする。
第3の本発明は、マイクロホンアレイを用いて収音した収音信号を複数の出力先に出力する収音装置が行う収音方法において、(1)前記収音装置は、雑音抑圧手段、指向性形成手段、目的エリア音抽出部、及び出力手段を有し、(2)前記雑音抑圧手段は、マイクロホンアレイから入力された入力信号に含まれる背景雑音を推定して推定雑音として取得し、取得した前記推定雑音を用いて、前記入力信号の雑音成分を抑圧して雑音抑圧後信号を取得し、(3)前記指向性形成手段は、前記雑音抑圧後信号について、目的エリア方向以外の方向に指向性を形成した第1の非目的エリア音と、目的エリア方向に指向性を形成した目的エリア方向音とを取得し、(4)前記目的エリア音抽出部は、前記目的エリア方向音を用いて目的エリア方向からの第2の非目的エリア音を抽出し、さらに、前記第2の非目的エリア音と前記目的エリア方向音とを用いて、目的エリアを音源とする目的エリア音を取得し、(5)前記出力手段は、それぞれの前記出力先に、少なくとも前記目的エリア音の成分を含む音響信号を前記収音信号として出力するものであって、前記出力先の特性に応じて、前記目的エリア音に、少なくとも前記入力信号の成分及び又は前記推定雑音の成分を含む混合音を混合した混合後目的エリア音を生成して前記収音信号として出力することが可能であり、(6)前記出力手段は、通話系システムの前記出力先には前記混合音として、前記入力信号の成分及び前記推定雑音の成分を含む音を設定し、音声認識システムの前記出力先には前記混合音を含まない音響信号を前記収音信号として出力することを特徴とする。
本発明によれば、出力先に対してより高音質のエリア収音が可能となる収音装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る収音装置の機能的構成について示したブロック図である。 第1の実施形態に係る減算型BF(マイクロホンの数が2個の場合)の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る減算型BF(マイクロホンの数が2個の場合)により形成される指向性フィルタの例について示した説明図である。 第2の実施形態に係る収音装置の機能的構成について示したブロック図である。 第3の実施形態に係る収音装置の機能的構成について示したブロック図である。 2つのマイクロホンアレイを用いて、目的エリアの音源からの目的エリア音を収音する処理について示した説明図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による収音装置、プログラム及び方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、この実施形態の収音装置100の機能的構成について示したブロック図である。
収音装置100は、2個のマイクロホンアレイMA(MA1、MA2)から供給される音響信号を用いて、目的エリアの音源からの目的エリア音を収音する目的エリア音収音処理を行う。
マイクロホンアレイMA1、MA2は、目的エリアが存在する空間の任意の場所に配置される。目的エリアに対するマイクロホンアレイMA1、MA2の位置は、例えば、図6(a)に示すように、指向性が目的エリアでのみ重なればどこでも良く、例えば目的エリアを挟んで対向に配置しても良い。この実施形態において、各マイクロホンアレイMAは2つ以上のマイクロホンMから構成され、各マイクロホンMにより音響信号が収音される。図1に示すように、この実施形態では、各マイクロホンアレイMAに、2つのマイクロホンM1、M2が配置されるものとして説明する。すなわち、各マイクロホンアレイMAは、2chマイクロホンアレイを構成している。なお、マイクロホンアレイMAの数は2つに限定するものではなく、目的エリアが複数存在する場合、全てのエリアをカバーできる数のマイクロホンアレイMAを配置する必要がある。
以上のように、各マイクロホンアレイMAは、目的エリアが存在する空間の、目的エリアを指向できる場所に配置される。各マイクロホンアレイMAは、2つのマイクロホンM(M1、M2)により構成されている。各マイクロホンアレイMAでは、2つのマイクロホンM1、M2によって捕捉された音響に基づく音響信号が収音装置100に供給される。
そして、収音装置100は、エリア収音した音響信号を、音声認識部10及びスピーカ11に供給する。音声認識部10およびスピーカ11は、収音装置100と直接接続する(ローカルに配置する)ようにしてもよいし、ネットワークを介して間接的に接続して収音した音響信号を供給するようにしてもよい。
スピーカ11は、例えば、遠隔地でエリア収音した音響信号をオペレータ(ユーザ)に表音出力する装置である。以下では、スピーカ11等、収音した音響信号を人間に聴かせるためのシステム全般を「通話系システム」とも呼ぶものとする。
音声認識部10は、例えば、遠隔地でエリア収音した音響信号に含まれる音声をテキスト化する等の音声認識処理を伴う装置である。以下では、音響信号に含まれる音声を認識してその認識結果に基づく処理(例えば、Speech to Textの処理や、声紋認識処理等)を行うシステム全般を「音声認識系システム」と呼ぶものとする。
したがって、収音装置100は、通話系システム(スピーカ11)と音声認識系システム(音声認識部10)という、特性(用途の特性)の異なる複数の出力先のそれぞれに、同時にエリア収音した音響信号を供給することになる。言い換えると、収音装置100は、出力先の特性に応じた音響信号(目的音強調信号)を収音し、それぞれの音響信号を対応する特性の出力先に出力する。
以上のように、この実施形態では、収音装置100は、通話系システム向けの音響信号と、音声認識システム向けの音響信号を収音(生成)し、通話系システム向けに収音した音響信号をスピーカ11に供給し、音声認識システム向けに収音した音響信号を音声認識部10に供給する。この実施形態では、図1に示すように、通話系システムの出力先はスピーカ11だけであり、音声認識システムの出力先は音声認識部10だけであるが、それぞれの特性に応じた出力先は複数としてもよい。また、この実施形態では、収音装置100は、通話系システムと音声認識システムの2つの特性に応じた音響信号を収音するが、3種類以上の特性に応じた音響信号を生成し、それぞれ対応する出力先に出力するようにしてもよい。
次に、収音装置100の内部構成について図1を用いて説明する。
収音装置100は、信号入力部3、雑音抑圧部4、指向性形成部5、目的エリア音抽出部6、混合レベル算出部7、混合レベル調節部8、及び信号混合部9を有している。
収音装置100は、例えば、プロセッサやメモリ等を備えるコンピュータにプログラム(実施形態に係る収音プログラムを含む)を実行させるようにしてもよいが、その場合であっても、機能的には、図1のように示すことができる。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の収音装置100の動作(実施形態に係る収音方法)を説明する。
信号入力部3は、各マイクロホンアレイMA1、MA2で収音した音響信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し入力する。その後、信号入力部3は、そのデジタル信号を、例えば高速フーリエ変換を用いて時間領域から周波数領域へ変換する。
雑音抑圧部4は、信号入力部3で取得した信号に含まれる背景雑音の成分を推定し、抑圧する。雑音抑圧部4では、例えばスペクトル減算法(Spectral Subtraction;以下、単に「SS」と呼ぶ)やウィーナーフィルタリング法(Wiener filtering)などを用いて雑音抑圧を行うことができる。
指向性形成部5は、マイクロホンアレイMA毎に雑音抑圧部4により背景雑音を抑圧した音響信号に対し、BFにより目的音の方向への指向性を形成する。
ここで、各マイクロホンアレイMA(MA1、MA2)のBFによる指向性形成について図2、図3を用いて説明する。BFとは、各マイクロホンに到達する信号の時間差を利用して指向性を形成する技術である(非特許文献1参照)。BFは加算型と減算型の大きく2つの種類に分けられが、ここでは少ないマイクロホン数で指向性を形成できる減算型BFについて説明する。
図2は、マイクロホンMの数が2個の場合の減算型BF200に係る構成を示すブロック図である。
図3は、2個のマイクロホンMを用いた減算型BF200により形成される指向性フィルタの例について示した説明図である。
図2に示す減算型BF200では、まず遅延器210により、目的とする方向に存在する音(目的音)が各マイクロホンM(M1、M2)に到来する信号の時間差を算出し、遅延を加えることにより目的音の位相を合わせる。上述の時間差は以下の(1)式により算出することができる。
ここで、dはマイクロホンM1、M2間の距離、cは音速、τは遅延量である。またθは、各マイクロホンM(M1、M2)を結んだ直線に対する垂直方向から目的方向への角度である。
また、ここで、死角がマイクロホンM1とM2の中心に対し、マイクロホンM1の方向に存在する場合、遅延器210は、マイクロホンM1の入力信号x(t)に対し遅延処理を行う。その後、減算型BF200では、以下の(2)式に従い減算器220が処理(減算処理)を行う。
減算型BF200の処理は周波数領域でも同様に行うことができ、その場合(2)式は以下の(3)のように変更される。
Figure 0006943120
ここでθ=±π/2の場合、減算型BF200により形成される指向性は図3(a)に示すように、カージオイド型の単一指向性となる。また、「θ=0,π」の場合、減算型BF200により形成される指向性は、図3(b)のような8の字型の双指向性となる。さらに、SSを用いることで、減算型BF200では、双指向性の死角に強い指向性を形成することもできる。SSによる指向性は、(4)式に従い全周波数、もしくは指定した周波数帯域で形成される。(4)式では、マイクロホンM1の入力信号Xを用いているが、マイクロホンM2の入力信号Xでも同様の効果を得ることができる。ここでβはSSの強度を調節するための係数である。減算型BF200では、減算時に値がマイナスなった場合は、0または元の値を小さくした値に置き換えるフロアリング処理を行う。
上述のような減算型BF200の処理方式では、双指向性の特性によって目的方向以外に存在する音(非目的音)を抽出し、抽出した非目的音の振幅スペクトルを入力信号の振幅スペクトルから減算することで、目的音を強調することができる。
Figure 0006943120
指向性形成部5では、上述のような減算型BF200の処理を用いて、各マイクロホンアレイMA(MA1、MA2)のBFの出力を取得することができる。
ところで、ある特定のエリア内に存在する音(目的エリア音)だけを収音したい場合、減算型BFを用いるだけでは、そのエリアと同一方向の線上に存在する音源(非目的エリア音)も収音してしまう。そこで、収音装置100では、特許文献1で提案されているように、複数のマイクロホンアレイMAを用い、それぞれ別々の方向から目的エリアへ指向性を向け、指向性を目的エリアで交差させることで目的エリア音を収音する処理(エリア収音処理)を実施する。
指向性形成部5は、マイクロホンアレイMA1とマイクロホンアレイMA2の2つのマイクロホンアレイに対し、それぞれBF(減算型BF200)によって指向性を形成し、図6(a)と同様に、各マイクロホンアレイMA1、MA2の指向性を別々の方向から収音したいエリア(目的エリア)で交差させる。
目的エリア音抽出部6は、指向性形成部5で形成したマイクロホンアレイMA1、およびマイクロホンアレイMA2の各BF出力データY(n)、Y(n)を以下の(5)式、もしくは(6)式に従いSSし、目的エリア方向に存在する非目的エリア音N(n)、N(n)を抽出する。ここでα、αは、目的エリアと各マイクロホンアレイMAの距離の違いによって生じる信号レベルの差を補正する補正係数であり、所定の処理によって逐一計算されるべきものである。しかし、ここでは簡単のため、目的エリアと各マイクロホンアレイMAまでの距離は同一(α(n)=α(n)=1)とし(5)式、(6)式を(7)式、(8)式に代えて適用するものとして説明する。
Figure 0006943120
その後、目的エリア音抽出部6は、以下の(9)式、(10)式に従い、マイクロホンアレイMA1、MA2のBF出力から非目的エリア音をSSして目的エリア音を抽出する。ここでγ(n)、γ(n)は、SS時の強度を変更するための係数である。
Figure 0006943120
混合レベル算出部7は、雑音抑圧部4で推定した推定雑音と、指向性形成部5で抽出した目的エリア方向以外の非目的エリア音と、目的エリア音抽出部6で抽出した目的エリア音方向の非目的エリア音のパワーを算出し、それらの合計値の大きさから、目的エリア音に混合する入力信号と背景雑音の総音量レベルを決定する。
ここでは、混合レベル算出部7は、(9)式に従いマイクロホンアレイMA1を主としてエリア収音を行うものとする。この場合、混合レベル算出部7は、マイクロホンアレイMA1の入力信号から推定した推定雑音B(n)と、(3)式に従い抽出した目的エリア方向以外の非目的エリア音M(n)と、(7)式に従い抽出した目的エリア方向の非目的エリア音N(n)との合計がA(n)であるとき、混合レベルをδ(n)とする。ここでδは、目的エリア音Z(n)とA(n)のSN比に比例する変数であり、例えばSN比0dBでA(n)−20dBにする値とする。
混合レベル調節部8は、混合レベル算出部7により求めた混合レベルと、推定雑音と非目的エリア音のパワーの比から目的エリア音に混合する入力信号と推定雑音の音量レベル(混合比率)を調節する。ここでは、混合レベル調節部8は、(9)式に従いマイクロホンアレイMA1を主としてエリア収音を行うものとする。このとき、混合する入力信号と推定雑音の比率を決める変数λは、推定雑音B(n)と非目的エリア音(M(n)+N(n))のパワーの比(M(n)+N(n))/B(n)に反比例する。例えば、(M(n)+N(n))/B(n)=0のとき、λ=1とする。また、ここでは、λの取る範囲は0から1までとする。さらに、ここでは、混合レベルδ(n)を満たすための変数μは、以下の(11)式により算出される。ここでX11(n)はマイクロホンアレイMA1を形成するマイクロホンM1から取得した入力信号である。
信号混合部9は、目的エリア音抽出部6で抽出した目的エリア音に、信号入力部3で取得した入力信号と、雑音抑圧部4で推定した雑音とを混合レベル調節部8で算出した比率に基づき混合する。例えば、(9)式に従いマイクロホンアレイMA1を主としてエリア収音を行う場合、最終的な出力W(n)は以下の(12)式に従い混合される。目的エリア音にミキシングするデータは、上記のように入力音と推定雑音を所定の割合で混合してもよいし、入力音のみ、もしくは推定雑音のみを混合してもよい。
Figure 0006943120
収音装置100では、信号混合部9から出力される音響信号(ミキシングによって聴感上の音質を改善された目的エリア強調音)が、人間が聴く音声(音声系システム向けの音響信号)としてスピーカ11に供給される。一方、収音装置100では、信号混合部9から出力される音響信号(妨害音や背景雑音が十分に抑圧された目的エリア音;音声認識システム向けの音響信号)が、音声認識部10に供給される。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第1の実施形態の収音装置100では、人が聴くことを前提とした通話系システム(この実施形態ではスピーカ11)に対しては、エリア収音出力に入力信号と推定雑音を混合することによって、ミュージカルノイズがマスキングされた音響信号が出力されることになる。第1の実施形態の収音装置100で生成される通話系システム向けの音響信号では、目的エリア音の歪が補正されて、強調感は維持されつつも聴き易さが改善された音声となる。言い換えると、第1の実施形態の収音装置100で生成される通話系システム向けの音響信号は、背景雑音のレベルが大きい場合にエリア収音処理によって生じる異音や歪みをミキシングエリア収音機能によって軽減した高音質の目的音となる。
また、第1の実施形態の収音装置100では、音声認識システム(この実施形態では、機械である音声認識部10)に対しては、音声認識の妨げとなる妨害音や雑音が十分に抑圧された音響信号(目的エリアの音声が強調され、騒音下においても高い認識率が確保される音響信号)が出力されることになる。言い換えると、第1の実施形態の収音装置100で生成される音声認識システム向けの音響信号は、音声認識性能を阻害する目的エリア外の雑音、妨害音を十分に抑圧した目的音強調信号となる。
したがって、第1の実施形態の収音装置100では、通話系システムに対してはより音質改善が図られた音響信号を提供しつつ、音声認識システムに対してはより高い音声認識精度を実現可能な音響信号を提供することが同時に実現される。例えば、第1の実施形態の収音装置100を、遠隔地の顧客の音声を収音して、センター(コールセンター)側のオペレータ及び顧客の音声を自動でテキスト化するシステムに出力する場合を想定する。この場合、第1の実施形態の収音装置100は、遠隔地の顧客の音声をマイクロホンアレイMA1、MA2で捕捉し、通話系システム向けの音響信号をセンターのオペレータに出力(スピーカ11を用いて出力)しつつ、音声認識システム向けの音響信号を顧客の音声を自動でテキスト化するシステムに出力(音声認識部10に出力)することになる。なお、音声認識部10に対して、センター側のオペレータの音声を図示しないマイクで捕捉して入力するようにしてもよい。また、遠隔地の顧客に対しては、センター側のオペレータの音声を図示しないマイクで捕捉して、遠隔地の図示しないスピーカから出力するようにしてもよい。これにより、音声認識システム向けの音響信号の供給を受けた音声認識部10では、より高い認識精度で、オペレータと顧客のやり取りを自動でテキスト化して保存するばかりでなく、認識結果に基いて迅速に顧客情報の引き出し、商品情報の自動検索などでサービスの向上が図れる。その間、オペレータは改善された音質で顧客との会話が可能であり、業務の負担が軽減される。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による収音装置、プログラム及び方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図4は、第2の実施形態の収音装置100Aの全体構成について示したブロック図であり、上述の図1と同一部分又は対応部分には同一符号又は対応符号を付している。
以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を説明する。
一般に雑音抑圧処理において、雑音の抑圧量、音質はトレードオフの関係にある。すなわち、抑圧量を増やせば歪みは増えることになる。エリア収音は、目的エリアで発生する音だけを強調可能な優れた方式であるが、一般の雑音抑圧同様、強調効果を高めれば、それだけ歪みは増す。そこで、第1の実施形態では、音声認識システムに対しては抑圧効果の高いエリア収音処理結果を出力し、通話系のスピーカもしくは通信システムに対しては、高音質のミキシングエリア収音処理結果を出力する構成を示した。
ところで、近年の音声認識エンジンは、周囲雑音への耐性が高まり、ある程度の騒音環境でも認識性能を維持できるものが出現している。そのようなエンジンに対しては、抑圧量だけを最優先にすることは必ずしも得策とは言えない。
そこで、第2の実施形態の収音装置100Aにおいては、通話系システムと音声認識システムに対し、異なるミキシング量(混合レベル)を設定し、それぞれのシステムに対して最適なミキシングエリア収音出力を提供できる構成とする。
次に、第2の実施形態の収音装置100Aの内部構成について、第1の実施形態との差異を説明する。
第2の実施形態の収音装置100Aでは、混合レベル算出部7、混合レベル調節部8、及び信号混合部9が、それぞれ、混合レベル算出部7A、混合レベル調節部8A、及び信号混合部9Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。混合レベル算出部7A、混合レベル調節部8A、及び信号混合部9Aの処理内容の詳細については後述する。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態における収音装置100Aの動作(実施形態に係る収音方法)について第1の実施形態との差異を説明する。
上述の通り、第2の実施形態の収音装置100Aにおいて、第1の実施形態と異なるのは、混合レベル算出部7A、混合レベル調節部8A、及び信号混合部9Aであるため、以下では、これらの要素の処理を中心に説明する。
混合レベル算出部7Aは、第1の実施形態と同様であるが、通話系システム向け(スピーカ11向け)の混合レベル(以下、「L1」と表す)と、音声認識システム向け(音声認識部10向け)の混合レベル(以下、「L2」と表す)の2種類の混合レベルを算出する点で第1の実施形態と異なっている。
混合レベル算出部7Aは、スピーカ11に対しては、第1の実施形態と同様に、推定雑音B(n)と、目的エリア方向以外の非目的エリア音M(n)と、目的エリア方向の非目的エリア音N(n)との合計がA(n)であるとき、混合レベルをδ(n)とする。ここでδは、目的エリア音Z(n)とA(n)のSN比に比例する変数であり、例えばSN比0dBでA(n)−20dBにする値とする。
また、混合レベル算出部7Aは、音声認識部10に対しては、スピーカ11に比べて抑圧量を重視しつつ歪も抑えた音響信号を供給する。例えば、混合レベル算出部7Aは、音声認識部10に対しては、δとして、SN比0dBでA(n)を−25dBにする値を設定するようにしてもよい。
混合レベル調節部8Aは、通話系システムに供給する音響信号に対しては混合レベルL1を用いて、目的エリア音に混合する入力信号と推定雑音の音量レベル(混合比率;以下、「R1」と呼ぶ)を決定する。また、混合レベル調節部8Aは、音声認識システムに供給する音響信号に対しては混合レベルL2を用いて、目的エリア音に混合する入力信号と推定雑音の音量レベル(混合比率;以下、「R2」と呼ぶ)を決定する。
信号混合部9Aは、混合レベル調節部8Aで算出した通話系システム向けの混合比率R1に基づいて混合した混合音と、音声認識システム向けの混合比率R2に基づいて混合した混合音を生成し、それぞれの混合音を対応するシステムに供給する点で第1の実施形態と異なっている。具体的には、信号混合部9Aは、目的エリア音抽出部6Aで抽出した目的エリア音に、信号入力部3で取得した入力信号と、雑音抑圧部4で推定した雑音とを、音声系システム向けの混合比率R1に基づいて混合した混合音をスピーカ11に供給する。また、信号混合部9Aは、目的エリア音抽出部6Aで抽出した目的エリア音に、信号入力部3で取得した入力信号と、雑音抑圧部4で推定した雑音とを、音声認識システム向けの混合比率R2に基づいて混合した混合音を音声認識部10に供給する。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態の収音装置100Aでは、通話系システム向けと音声認識システム向けに異なるミキシング量(混合比率)を設定できるため、それぞれのシステムに適したミキシング量の音響信号(収音結果)を生成して供給することが出来る。言い換えると、第2の実施形態の収音装置100Aでは、耐雑音性が向上した最近の音声認識システムに対しても、雑音抑圧量と音質をシステムに適合した最もよい入力状態で与えることが出来る。
(C)第3の実施形態
以下、本発明による収音装置、プログラム及び方法の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(C−1)第3の実施形態の構成
図5は、第3の実施形態の収音装置100Bの全体構成について示したブロック図であり、上述の図4と同一部分又は対応部分には同一符号又は対応符号を付している。
以下では、第3の実施形態について第2の実施形態との差異を説明する。
雑音抑圧などの処理過程で発生するミュージカルノイズは、人工的な雑音であり、人間にとっては耳障りな音であるが、音声認識に対しての影響はさほど大きくないという特性がある。推定雑音をエリア収音出力に混合することはミュージカルノイズの軽減に効果があるが、音声認識システムにおける音声認識精度の向上には必ずしも有効とは限らない。
そこで、第3の実施形態の収音装置100Bでは、スピーカ11等の通話系システムに対しては、音質改善のため目的エリア音に入力信号と推定雑音の双方を混合し、音声認識部10等の音声認識システムに対しては、目的音声の歪低減に有効な入力信号のみを混合する構成とする。
次に、第3の実施形態の収音装置100Aの内部構成について、第2の実施形態との差異を説明する。
収音装置100Bでは、混合レベル算出部7A、混合レベル調節部8A、及び信号混合部9Aが除外され、代わりに2つの信号混合部91、92が配置されている。第1の信号混合部91は、音声系システム向けの混合音を生成する機能を担っており、第2の信号混合部92は音声認識システム向けの混合音を生成する機能を担っている。
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の収音装置100Bの動作を説明する。以下では、第3の実施形態の収音装置100Bについて、第2の実施形態との差異を中心に説明する。
マイクロホンアレイMA1MA2から、目的エリア音抽出部6までの処理は、第1の実施形態や、第2の実施形態と同様である。
また、第の実施形態では、信号混合部91と信号混合部92の2つの信号混合部を備えており、それぞれの信号混合部での混合レベル(混合比率)は、第1の実施形態や第2の実施形態同様の手順によって好適に算出されるものとする。すなわち、図5では、図示を簡単とするために、それぞれの信号混合部で、混合レベル(混合比率)の算出処理等が行われるものとして説明する。
第3の実施形態の収音装置100Bでは、図5に示す通り、目的エリア音抽出部6に後続して、通話系システム向けの信号混合部91と、音声認識システム用の信号混合部92を備える。
目的エリア音抽出部6で抽出された目的エリア音は、信号混合部91において信号入力部3からの入力信号と、雑音抑圧部4で算出される推定雑音が好適な混合レベルで混合され、通話系システム(スピーカ11)へと送出される。例えば、信号混合部91では、第1の実施形態もしくは第2の実施形態における、音声系システム向けの混合音の生成処理と同様の処理(混合レベル算出部、混合レベル調節部、及び信号混合部と同様の処理)が行われる。そして、信号混合部91で生成された音声系システム向けの混合音は、スピーカ11に供給される。
また、目的エリア音抽出部6で抽出された目的エリア音は、もう一方の信号混合部92において、信号入力部3からの入力信号と好適な混合レベルで混合され、音声認識システムへと送出される。このとき、上述の通り、信号混合部92で生成される混合音には、雑音抑圧部4で算出される推定雑音の成分は混合されない。すなわち、信号混合部92は、目的エリア音抽出部6で抽出された目的エリア音と、信号入力部3からの入力信号とを混合した混合音を音声認識システム向けに生成し、音声認識部10に供給する。
信号混合部92において、目的エリア音と入力信号とを混合する際の混合レベルについては、例えば、第2の実施形態における音声認識システム向けの混合レベルと同様の処理により算出するようにしてもよい。また、信号混合部92は、上記の(11)式、(12)式において、λ=1とすることで、目的エリア音に混合する推定雑音の比率を0とし、入力信号の成分のみが混合されるように混合比率を調整するようにしてもよい。
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて以下のような効果を奏することができる。
第3の実施形態の収音装置100Bでは、人が聴くことを前提とした通話系システムに対しては、エリア収音出力に入力信号と推定雑音を混合することによって、ミュージカルノイズがマスキングされた音響信号(混合音)が出力される。これにより、第3の実施形態の収音装置100Bでは、通話系システム向けの音響信号として、目的エリア音の歪が補正されて、強調感は維持されつつも聴き易さが改善された音声が提供される。また、第3の実施形態の収音装置100Bでは、音声認識システムに対しては、音声歪の低減に有効な入力信号だけが混合された音響信号が生成されるため、出力先の音声認識システムにおける音声認識の精度向上に寄与することができる。
(D)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(D−1)上記の各実施形態の収音装置では、収音に用いる各マイクロホンアレイMAのマイクロホンの数は2つであったが、3つ以上のマイクを用いて収音した音響信号に基づいて目的エリア方向の音を収音するようにしてもよい。上記の各実施形態において、適用するマイクロホンアレイMA毎のマイクロホンの数や目的音方向の音を収音する方式については、既存の種々の方式を適用することができる。
100…収音装置、3…信号入力部、4…雑音抑圧部、5…指向性形成部、6…目的エリア音抽出部、7…混合レベル算出部、8…混合レベル調節部、9…信号混合部、
200…減算型BF、210…遅延器、220…減算器。

Claims (4)

  1. マイクロホンアレイを用いて収音した収音信号を複数の出力先に出力する収音装置において、
    マイクロホンアレイから入力された入力信号に含まれる背景雑音を推定して推定雑音として取得し、取得した前記推定雑音を用いて、前記入力信号の雑音成分を抑圧して雑音抑圧後信号を取得する雑音抑圧手段と、
    前記雑音抑圧後信号について、目的エリア方向以外の方向に指向性を形成した第1の非目的エリア音と、目的エリア方向に指向性を形成した目的エリア方向音とを取得する指向性形成手段と、
    前記目的エリア方向音を用いて目的エリア方向からの第2の非目的エリア音を抽出し、さらに、前記第2の非目的エリア音と前記目的エリア方向音とを用いて、目的エリアを音源とする目的エリア音を取得する目的エリア音抽出部と、
    それぞれの前記出力先に、少なくとも前記目的エリア音の成分を含む音響信号を前記収音信号として出力するものであって、前記出力先の特性に応じて、前記目的エリア音に、少なくとも前記入力信号の成分及び又は前記推定雑音の成分を含む混合音を混合した混合後目的エリア音を生成して前記収音信号として出力することが可能である出力手段とを有し、
    前記出力手段は、通話系システムの前記出力先には前記混合音として、前記入力信号の成分及び前記推定雑音の成分を含む音を設定し、音声認識システムの前記出力先には前記混合音を含まない音響信号を前記収音信号として出力する
    ことを特徴とする収音装置。
  2. 前記出力手段は、前記出力先の特性に応じて、前記混合音の音量レベルを調整することを特徴とする請求項1に記載の収音装置。
  3. マイクロホンアレイを用いて収音した収音信号を複数の出力先に出力する収音装置に搭載されたコンピュータを、
    マイクロホンアレイから入力された入力信号に含まれる背景雑音を推定して推定雑音として取得し、取得した前記推定雑音を用いて、前記入力信号の雑音成分を抑圧して雑音抑圧後信号を取得する雑音抑圧手段と、
    前記雑音抑圧後信号について、目的エリア方向以外の方向に指向性を形成した第1の非目的エリア音と、目的エリア方向に指向性を形成した目的エリア方向音とを取得する指向性形成手段と、
    前記目的エリア方向音を用いて目的エリア方向からの第2の非目的エリア音を抽出し、さらに、前記第2の非目的エリア音と前記目的エリア方向音とを用いて、目的エリアを音源とする目的エリア音を取得する目的エリア音抽出部と、
    それぞれの前記出力先に、少なくとも前記目的エリア音の成分を含む音響信号を前記収音信号として出力するものであって、前記出力先の特性に応じて、前記目的エリア音に、少なくとも前記入力信号の成分及び又は前記推定雑音の成分を含む混合音を混合した混合後目的エリア音を生成して前記収音信号として出力することが可能である出力手段として機能させ、
    前記出力手段は、通話系システムの前記出力先には前記混合音として、前記入力信号の成分及び前記推定雑音の成分を含む音を設定し、音声認識システムの前記出力先には前記混合音を含まない音響信号を前記収音信号として出力する
    ことを特徴とする収音プログラム。
  4. マイクロホンアレイを用いて収音した収音信号を複数の出力先に出力する収音装置が行う収音方法において、
    前記収音装置は、雑音抑圧手段、指向性形成手段、目的エリア音抽出部、及び出力手段を有し、
    前記雑音抑圧手段は、マイクロホンアレイから入力された入力信号に含まれる背景雑音を推定して推定雑音として取得し、取得した前記推定雑音を用いて、前記入力信号の雑音成分を抑圧して雑音抑圧後信号を取得し、
    前記指向性形成手段は、前記雑音抑圧後信号について、目的エリア方向以外の方向に指向性を形成した第1の非目的エリア音と、目的エリア方向に指向性を形成した目的エリア方向音とを取得し、
    前記目的エリア音抽出部は、前記目的エリア方向音を用いて目的エリア方向からの第2の非目的エリア音を抽出し、さらに、前記第2の非目的エリア音と前記目的エリア方向音とを用いて、目的エリアを音源とする目的エリア音を取得し、
    前記出力手段は、それぞれの前記出力先に、少なくとも前記目的エリア音の成分を含む音響信号を前記収音信号として出力するものであって、前記出力先の特性に応じて、前記目的エリア音に、少なくとも前記入力信号の成分及び又は前記推定雑音の成分を含む混合音を混合した混合後目的エリア音を生成して前記収音信号として出力することが可能であり、
    前記出力手段は、通話系システムの前記出力先には前記混合音として、前記入力信号の成分及び前記推定雑音の成分を含む音を設定し、音声認識システムの前記出力先には前記混合音を含まない音響信号を前記収音信号として出力する
    ことを特徴とする収音方法。
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