JP4919551B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、表示状態が変化可能な可変表示部が設けられ、可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。
【0003】
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0004】
パチンコ遊技機では、特別図柄を表示する可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】
また、可変表示装置において最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定表示態様と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態において、変動パターンを通常状態における変動パターンとは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣が高められている。そして、可変表示装置に可変表示される図柄の表示結果がリーチ状態となる条件を満たさない場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0006】
遊技機における遊技進行はマイクロコンピュータ等による遊技制御手段によって制御される。可変表示部に表示される識別情報、キャラクタ画像および背景画像は、マイクロコンピュータの指示に応じて画像データを生成して可変表示部側に転送するビデオディスプレイプロセッサ(VDP)とによって制御されるが、マイクロコンピュータのプログラム容量は大きい。
【0007】
従って、プログラム容量に制限のある遊技制御手段のマイクロコンピュータで可変表示部に表示される識別情報等を制御することはできず、遊技制御手段のマイクロコンピュータとは別の表示制御用のマイクロコンピュータ等による表示制御手段を搭載した図柄制御基板が設置される。遊技の進行を制御する遊技制御手段は、表示制御手段に対して表示制御のためのコマンドを送信する必要がある。
【0008】
賞球払出の制御を行う払出制御手段が、遊技制御手段が搭載されている主基板とは別の払出制御基板に搭載されている場合、遊技の進行は主基板に搭載された遊技制御手段によって制御されるので、入賞にもとづく賞球個数は、遊技制御手段によって決定され、払出制御基板に送信される。一方、遊技媒体の貸し出しは、遊技の進行とは無関係であるから、一般に、遊技制御手段を介さず払出制御手段によって制御される。
【0009】
以上のように、遊技機には、遊技制御手段の他に種々の制御手段が搭載されている。そして、遊技の進行を制御する遊技制御手段は、遊技状況に応じて動作指示を示す各コマンドを、各制御基板に搭載された各制御手段に送信する。以下、遊技制御手段その他の制御手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電気部品制御基板ということがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、各電気部品制御手段はマイクロコンピュータを含んだ構成とされ、遊技に係わる一連の制御は所定時間毎に行われる割込処理によって実行される。しかし、遊技に係わる制御は多様化および複雑化してきているため、遊技に関する一連の制御を終えるまでの間に多くの時間を要してしまうことが考えられる。このため、次回の割込が発生するまでの間に割込処理にて実行されている一連の制御が終了しないおそれがある。このように、遊技に関する一連の制御が完了しないまま次回の割込処理が開始されてしまうと、実行されなかった制御の内容によっては、遊技者や遊技店に不利益を与えてしまうなどの不都合を招く結果となる。
【0011】
そこで、本発明は、次回の割込が発生するまでの間に遊技に関する一連の制御が完了しないことによってもたらされる不都合を解消することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技機に設けられた電気部品の制御を行うための電気部品制御手段(例えば、CPU56、払出制御用CPU371、表示制御用CPU101、ランプ制御用CPU351、音制御用CPU701)を備え、電気部品制御手段が、所定期間毎に発生する割込信号の発生毎に実行する割込処理(例えば、タイマ割込処理)と、繰り返し連続して実行するメイン処理とを行い、割込処理では、少なくとも1の数値データの更新を行う数値データ更新処理(例えば、ステップS22〜ステップS25)を実行し、メイン処理では、数値データ更新処理によって記憶された値を読み出して複製する数値データ設定処理と、該数値データ設定処理によって複製された複製値にもとづき電気部品の制御(例えば、図35に示すタイムアウトチェック処理にて、タイマ状態保存領域に保存されている汎用タイマの値と事前に算出されている変動終了時間値とが一致している場合に、変動時間タイマがタイムアウトしたものとして実行される制御(具体的には、例えば、確定コマンドを送出し、可変表示装置での特別図柄の可変表示を停止させる制御。))を行う制御処理(例えば、遊技制御処理、払出制御処理、表示制御処理、ランプ制御処理、音制御処理)とを実行することを特徴とする。
遊技機は、制御を行う際に発生する変動データを記憶し、遊技機への電力供給が停止しても記憶内容を所定期間保持可能な変動データ記憶手段と、遊技媒体を検出するための遊技媒体検出手段と、遊技機で用いられる電源電圧の低下にもとづいて検出信号を出力する電源監視手段と、操作に応じて操作信号を出力する初期化操作手段とを備え、電気部品制御手段は、検出信号の入力に応じて、電力供給停止時処理を実行し、電力供給が開始されたときに、変動データ記憶手段に保存されていた記憶内容にもとづいて制御状態を電力供給停止時処理を開始したときの状態に復旧させる復旧制御を実行し、電力供給が開始されたときに、初期化操作手段からの操作信号が入力されていればデータ記憶手段の記憶内容を初期化し、初期化操作手段からの操作信号が入力されているか否かを、遊技媒体検出手段から出力される信号が有効と判定される遊技媒体検出判定期間よりも短い要求検出判定期間で判定するように構成されていてもよい。
【0013】
電気部品制御手段が、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU56)を含むように構成されていてもよい。
【0014】
技媒体を遊技領域に発射することにより遊技が行なわれ、所定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り状態)に制御可能であり、遊技領域に遊技媒体が通過可能な始動領域が設けられ、数値データ、始動領域を遊技媒体が通過した場合に抽出されるデータであって、特定遊技状態とするか否かを判定するために遊技制御手段が用いる特定遊技状態決定用データ(例えば、大当り決定用乱数)を含むように構成されていてもよい。
【0015】
始動領域を遊技媒体が通過した場合に識別情報を可変表示したあとに表示結果を導出可能な可変表示装置(例えば、可変表示装置9)を備え、数値データ、表示結果としての識別情報を決定するために遊技制御手段が用いる識別情報決定用データ(例えば、図柄決定用乱数)を含むように構成されていてもよい。
【0016】
可変表示装置は、識別情報を複数種類の可変表示態様(例えば、可変表示装置に表示される可変表示の状態あるいは内容であり、例えばリーチとするか否か、リーチとする場合のリーチの種類、あるいは大当りとするか否かなどによって複数種類設けられている。)による可変表示を実行可能であり、数値データ、可変表示装置における識別情報の可変表示態様をいずれの可変表示態様で実行するかを決定するために遊技制御手段が用いる可変表示態様決定用データ(変動パターン決定用乱数)を含むように構成されていてもよい。
【0017】
数値データ、電気部品(例えば、可変入賞球装置、球払出装置97)の動作期間の経過を管理するための動作タイマ(例えば、汎用タイマ、プロセスタイマ、変動タイマ、モータ回転時間タイマ)の値を示すデータを含むように構成されていてもよい。
【0018】
遊技を演出する少なくとも1種類の電気部品の制御を行う演出制御手段(例えば、図柄制御基板80、ランプ制御基板35、および音制御基板70のうちの一部または全部の機能を有する演出制御基板に搭載されているCPU)を備え、電気部品に、可変表示装置、音出力手段(例えば、スピーカ27)、および発光体(例えば、ランプ、LED)のうちの少なくとも1つが含まれるように構成されていてもよい。
【0019】
数値データ、遊技機の遊技状態に関連して遊技を演出する、電気部品を用いて実行される演出制御内容(例えば、予告演出の有無、実行する予告演出の種類、可変表示装置に背景図柄やキャラクタを表示させるか否か、表示する背景図柄やキャラクタの種類)を決定するための演出状態決定用データ(例えば、リーチ予告決定用乱数、大当り予告決定用乱数)を含む構成とされていてもよい。
【0020】
数値データ、電気部品としての可変表示装置、音出力手段、および発光体のうちの少なくとも1つによって実行される遊技の演出の実行期間を管理する演出タイマの値を示すデータを含むように構成されていてもよい。
【0021】
電気部品は、景品として遊技者に払い出される景品遊技媒体と、貸出要求に応じて遊技者に貸し出される貸遊技媒体のうち、少なくともいずれか一方の遊技媒体の払い出しを行うことが可能な払出装置(例えば、球払出装置97)を含み、電気部品制御手段が、払出装置の制御を行う払出制御手段(例えば、払出制御用CPU371)を含むように構成されていてもよい。
【0022】
数値データ、払出装置による遊技媒体の払出動作に関連する時間(例えば、所定個数の遊技球を払い出すための払出モータ289のモータ回転時間、ステップS524やステップS544で設定される通過待ち時間、図64にて説明するエラーであるか否かを判定するための時間(具体的には、例えば、賞球経路エラーフラグをセットするか否かを判定するための時間)、励磁パターンデータの出力期間、ソレノイドの励磁期間)を管理する払出動作タイマ(例えば、汎用タイマ、モータ回転時間タイマ、全個数払出動作タイマ、25個払出動作タイマ)の値を示すデータを含む構成とされていてもよい。
【0023】
技者からの遊技媒体の貸出要求を受け付ける記録媒体処理装置(例えば、カードユニット50)を接続可能に構成され、数値データ、記録媒体処理装置との通信時間(例えば、図67に示す期間A〜期間Fそれぞれの時間)を管理する通信管理タイマ(例えば、図67を参照して説明した汎用タイマ)の値を示すデータを含む構成とされていてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば画像式の遊技機やスロット機に適用することもできる。
【0025】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0026】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0027】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての開閉翼片装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。開閉翼片装置15は、左右一対に備えられている開閉翼片を有しており、開閉翼片を開閉することによって開閉動作を行う。開閉翼片装置15が開閉動作を行うことで、始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい遊技者に有利な状態とされる。なお、開閉翼片装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0028】
開閉翼片装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。この例では、大入賞口周りに配されている各部(例えば、開閉板20、ソレノイド21)が、可変入賞球装置を構成する。従って、可変入賞球装置に入賞した遊技球は、V入賞スイッチ22やカウントスイッチ23で検出されることになる。また、可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDによる特別図柄始動記憶表示器(以下、始動記憶表示器という。)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0029】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄として所定の図柄(当り図柄)を表示すると、開閉翼片装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0030】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する始動入賞口14や、大入賞口も、入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
【0031】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。上記のように、本例のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0032】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0033】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0034】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0035】
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0036】
打球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、開閉翼片装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、開閉翼片装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、開閉翼片装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0037】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3および図4を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。図4は、各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図である。
【0038】
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する図柄制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、遊技盤6に設けられている各種装飾LED、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52を点灯制御するランプ制御手段が搭載されたランプ制御基板35、スピーカ27からの音発生を制御する音制御手段が搭載された音制御基板70も設けられている。また、また、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。
【0039】
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)34が設置されている。
【0040】
さらに、各基板(主基板31や払出制御基板37等)に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能なバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチ921が搭載されたスイッチ基板190が設けられている。スイッチ基板190には、クリアスイッチ921と、主基板31等の他の基板と接続されるコネクタ922が設けられている。
【0041】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール39を通り、図4に示されるように、カーブ樋186を経て賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
【0042】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達した後さらに遊技球が払い出されると、遊技球は、余剰球通路46を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー47が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して、球払出装置の動作が停止する。
【0043】
図4に示すように、球払出装置の側方には、カーブ樋186から遊技機下部の排出口192に至る球抜き通路191が形成されている。球抜き通路191の上部には球抜きレバー193が設けられ、球抜きレバー193が遊技店員等によって操作されると、誘導レール39から球抜き通路191への遊技球通路が形成され、貯留タンク38内に貯留されている遊技球は、排出口192から遊技機外に排出される。
【0044】
図5は、球払出装置97の構成例を示す分解斜視図である。この例では、賞球ケース40Aとしての3つのケース140,141,142の内部に球払出装置97が形成されている。ケース140,141の上部には、球切れスイッチ187の下部の球通路と連通する穴170,171が設けられ、遊技球は、穴170,171から球払出装置97に流入する。
【0045】
球払出装置97は駆動源となる払出モータ(例えばステッピングモータ)289を含む。払出モータ289の回転力は、払出モータ289の回転軸に嵌合しているギア290に伝えられ、さらに、ギア290と噛み合うギア291に伝えられる。ギア291の中心軸には、凹部を有するスプロケット292が嵌合している。穴170,171から流入した遊技球は、スプロケット292の凹部によって、スプロケット292の下方の球通路293に1個ずつ落下させられる。
【0046】
球通路293には遊技球の流下路を切り替えるための振分部材311が設けられている。振分部材311はソレノイド310によって駆動され、賞球払出時には、球通路293における一方の流下路を遊技球が流下するように倒れ、球貸し時には球通路293における他方の流下路を遊技球が流下するように倒れる。なお、払出モータ289およびソレノイド310は、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUによって制御される。また、払出制御用CPUは、主基板31に搭載されている遊技制御用のCPUからの指令に応じて払出モータ289およびソレノイド310を制御する。
【0047】
賞球払出時に選択される流下路の下方には球払出装置によって払い出された遊技球を検出する賞球センサ(賞球カウントスイッチ)301Aが設けられ、球貸し時に選択される流下路の下方には球払出装置によって払い出された遊技球を検出する球貸しセンサ(球貸しカウントスイッチ)301Bが設けられている。賞球カウントスイッチ301Aの検出信号と球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号は払出制御基板37の払出制御用CPUに入力される。払出制御用CPUは、それらの検出信号にもとづいて、実際に払い出された遊技球の個数を計数する。
【0048】
なお、ギア291の周辺部には、払出モータ位置センサを形成する突起部が形成されている。突起部は、ギア291の回転すなわち払出モータ289の回転に伴って発光体(図示せず)からの光を、払出モータ位置センサの受光部(図示せず)に対して透過させたり遮蔽したりする。払出制御用CPUは、受光部からの検出信号によって払出モータ289の位置を認識することができる。
【0049】
また、球払出装置は、賞球払出と球貸しとを共に行うように構成されていてもよいが、賞球払出を行う球払出装置と球貸しを行う球払出装置が別個に設けられていてもよい。さらに、例えばスプロケットの回転方向を変えて賞球払出と球貸しとを分けるように構成されていてもよいし、本実施の形態において例示する球払出装置97以外のどのような構造の球払出装置を用いても、本発明を適用することができる。
【0050】
図6は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、開閉翼片装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0051】
なお、図6には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段(通過検出スイッチ)の一例である。また、満タンスイッチ48や球切れスイッチ187は、払出経路の異常を感知する経路異常感知手段の一例である。でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞となり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段となる。
【0052】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0053】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。
【0054】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0055】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0056】
なお、この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
【0057】
図7は、払出制御基板37および球払出装置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図7に示すように、満タンスイッチ48からの検出信号は、中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力される。また、球切れスイッチ187からの検出信号も、中継基板72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力される。
【0058】
主基板31のCPU56は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドを送出する。払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドを受信すると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は球払出処理を停止する。
【0059】
さらに、賞球カウントスイッチ301Aからの検出信号は、中継基板72および中継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に入力されるとともに、中継基板72を介して払出制御基板37の入力ポート372bに入力される。賞球カウントスイッチ301Aは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に払い出された賞球払出球を検出する。
【0060】
入賞があると、払出制御基板37には、主基板31の出力ポート(ポート0,1)570,571から賞球個数を示す払出制御コマンドが入力される。出力ポート(出力ポート1)571は8ビットのデータを出力し、出力ポート570は1ビットのINT信号を出力する。賞球個数を示す払出制御コマンドは、入力バッファ回路373Aを介してI/Oポート372aに入力される。INT信号は、入力バッファ回路373Bを介して払出制御用CPU371の割込端子に入力されている。払出制御用CPU371は、I/Oポート372aを介して払出制御コマンドを入力し、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動して賞球払出を行う。なお、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。
【0061】
また、主基板31において、出力ポート570,571の外側にバッファ回路620,68Aが設けられている。バッファ回路620,68Aとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、払出制御基板37から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路620,68Aの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0062】
払出制御用CPU371は、出力ポート372cを介して、貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板160に出力する。さらに、出力ポート372dを介して、エラー表示用LED374にエラー信号を出力する。
【0063】
さらに、払出制御基板37の入力ポート372bには、中継基板72を介して、球貸しカウントスイッチ301B、および払出モータ289の回転位置を検出するための払出モータ位置センサからの検出信号が入力される。球貸しカウントスイッチ301Bは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に払い出された貸し球を検出する。払出制御基板37からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられ、振分ソレノイド310への駆動信号は、出力ポート372eおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における振分ソレノイド310に伝えられる。また、クリアスイッチ921の出力も、入力ポート372bに入力される。
【0064】
カードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、端数表示スイッチ152、連結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154およびカード挿入口155が設けられている(図1参照)。残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED、球貸しスイッチおよび返却スイッチが接続される。
【0065】
残高表示基板74からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ信号および返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えられる。また、カードユニット50から残高表示基板74には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が払出制御基板37を介して与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372bおよび出力ポート372eを介してやりとりされる。
【0066】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、VL信号を出力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状態により接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
【0067】
そして、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。このとき、振分ソレノイド310は駆動状態とされている。すなわち、球振分部材311を球貸し側に向ける。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でなければ、賞球払出制御を実行する。
【0068】
以上のように、カードユニット50からの信号は全て払出制御基板37に入力される構成になっている。従って、球貸し制御に関して、カードユニット50から主基板31に信号が入力されることはなく、主基板31の基本回路53にカードユニット50の側から不正に信号が入力される余地はない。また、カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。
【0069】
この実施の形態では、電源基板910から払出制御基板37に対して電源断信号も入力される。電源断信号は、払出制御用CPU371のマスク不能割込(NMI)端子に入力される。さらに、払出制御基板37に存在するRAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)の少なくとも一部は、電源基板910において作成されるバックアップ電源によって、バックアップされている。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAMの少なくとも一部の内容は保存される。
【0070】
なお、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
【0071】
図8は、図柄制御基板80内の回路構成を、可変表示装置9の一実現例であるLCD(液晶表示装置)82、普通図柄表示器10、主基板31の出力ポート(ポート0,2)570,572および出力バッファ回路620,62Aとともに示すブロック図である。出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。
【0072】
表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC540,74HC14を使用することができる。なお、表示制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと表示制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
【0073】
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD82に表示される画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD82に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号をLCD82に出力する。
【0074】
なお、図8には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0075】
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、図柄制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートともに不可逆性情報入力手段を構成する。図柄制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。
【0076】
高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。また、主基板31のバッファ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
【0077】
図9は、主基板31およびランプ制御基板35における信号送受信部分を示すブロック図である。この実施の形態では、遊技領域7の外側に設けられている点枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cと遊技盤に設けられている装飾ランプ25の点灯/消灯と、賞球ランプ51および球切れランプ52の点灯/消灯とを示すランプ制御コマンドが主基板31からランプ制御基板35に出力される。また、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示すランプ制御コマンドも主基板31からランプ制御基板35に出力される。
【0078】
図9に示すように、ランプ制御に関するランプ制御コマンドは、基本回路53におけるI/Oポート部57の出力ポート(出力ポート0,3)570,573から出力される。出力ポート(出力ポート3)573は8ビットのデータを出力し、出力ポート570は1ビットのINT信号を出力する。ランプ制御基板35において、主基板31からの制御コマンドは、入力バッファ回路355A,355Bを介してランプ制御用CPU351に入力する。なお、ランプ制御用CPU351がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路355A,355Bとランプ制御用CPU351との間に、I/Oポートが設けられる。
【0079】
ランプ制御基板35において、ランプ制御用CPU351は、各制御コマンドに応じて定義されている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、装飾ランプ25の点灯/消灯パターンに従って、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、装飾ランプ25に対して点灯/消灯信号を出力する。点灯/消灯信号は、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、装飾ランプ25に出力される。なお、点灯/消灯パターンは、ランプ制御用CPU351の内蔵ROMまたは外付けROMに記憶されている。
【0080】
主基板31において、CPU56は、RAM55の記憶内容に未払出の賞球残数があるときに賞球ランプ51の点灯を指示する制御コマンドを出力し、遊技盤裏面の払出球通路の上流に設置されている球切れスイッチ187(図3参照)が遊技球を検出しなくなると球切れランプ52の点灯を指示する制御コマンドを出力する。ランプ制御基板35において、各制御コマンドは、入力バッファ回路355A,355Bを介してランプ制御用CPU351に入力する。ランプ制御用CPU351は、それらの制御コマンドに応じて、賞球ランプ51および球切れランプ52を点灯/消灯する。なお、点灯/消灯パターンは、ランプ制御用CPU351の内蔵ROMまたは外付けROMに記憶されている。
【0081】
さらに、ランプ制御用CPU351は、制御コマンドに応じて始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41に対して点灯/消灯信号を出力する。
【0082】
入力バッファ回路355A,355Bとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC540,74HC14が用いられる。入力バッファ回路355A,355Bは、主基板31からランプ制御基板35へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、ランプ制御基板35側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。たとえ、ランプ制御基板35内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号がメイン基板31側に伝わることはない。なお、入力バッファ回路355A,355Bの入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0083】
また、主基板31において、出力ポート570,573の外側にバッファ回路620,63Aが設けられている。バッファ回路620,63Aとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、ランプ制御基板35から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路620,63Aの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0084】
図10は、主基板31における音声制御コマンドの信号送信部分および音声制御基板70の構成例を示すブロック図である。この実施の形態では、遊技進行に応じて、遊技領域7の外側に設けられているスピーカ27の音声出力を指示するための音声制御コマンドが、主基板31から音声制御基板70に出力される。
【0085】
図10に示すように、音声制御コマンドは、基本回路53におけるI/Oポート部57の出力ポート(出力ポート0,4)570,574から出力される。出力ポート(出力ポート4)574からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのINT信号が出力される。音声制御基板70において、主基板31からの各信号は、入力バッファ回路705A,705Bを介して音声制御用CPU701に入力する。なお、音声制御用CPU701がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路705A,705Bと音声制御用CPU701との間に、I/Oポートが設けられる。
【0086】
そして、例えばディジタルシグナルプロセッサによる音声合成回路702は、音声制御用CPU701の指示に応じた音声や効果音を発生し音量切替回路703に出力する。音量切替回路703は、音声制御用CPU701の出力レベルを、設定されている音量に応じたレベルにして音量増幅回路704に出力する。音量増幅回路704は、増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
【0087】
入力バッファ回路705A,705Bとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC540,74HC14が用いられる。入力バッファ回路705A,705Bは、主基板31から音声制御基板70へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。よって、音声制御基板70側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。従って、音声制御基板70内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。なお、入力バッファ回路705A,705Bの入力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0088】
また、主基板31において、出力ポート570,574の外側にバッファ回路620,67Aが設けられている。バッファ回路620,67Aとして、例えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,74HC14が用いられる。このような構成によれば、外部から主基板31の内部に入力される信号が阻止されるので、音声制御基板70から主基板31に信号が与えられる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすことができる。なお、バッファ回路620,67Aの出力側にノイズフィルタを設けてもよい。
【0089】
図11は、電源基板910の一構成例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板31、図柄制御基板80、音制御基板70、ランプ制御基板35および払出制御基板37等の電気部品制御基板と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+12VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアップ電源すなわち記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。なお、VSLは、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。
【0090】
トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のコンバータIC922(図11では1つのみを示す。)を有し、VSLにもとづいて+21V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コンバータIC922の入力側には、比較的大容量のコンデンサ923が接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、+30V、+12V、+5V等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。コネクタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板から各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。
【0091】
ただし、電源基板910に各電気部品制御基板に至る各コネクタを設け、電源基板910から、中継基板を介さずにそれぞれの基板に至る各電圧を供給するようにしてもよい。また、図11には1つのコネクタ915が代表して示されているが、コネクタは、各電気部品制御基板対応に設けられている。
【0092】
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が停止したときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バックアップされているRAMすなわち電力供給停止時にも記憶内容保持状態となりうるバックアップ記憶手段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、この実施の形態では、バックアップ用の+5Vは、主基板31および払出制御基板37に供給される。
【0093】
また、電源基板910には、電源監視回路としての電源監視用IC902が搭載されている。電源監視用IC902は、VSL電圧を導入し、VSL電圧を監視することによって遊技機への電力供給停止の発生を検出する。具体的には、VSL電圧が所定値(この例では+22V)以下になったら、電力供給の停止が生ずるとして電源断信号を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。電源監視用IC902からの電源断信号は、主基板31や払出制御基板37等に供給される。
【0094】
電源監視用IC902が電力供給の停止を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。
【0095】
+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電圧を監視して電力供給の停止を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電力供給回復待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
【0096】
また、電源監視用IC902は、電気部品制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているので、電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電源断信号を供給することができる。電源断信号を必要とする電気部品制御基板が幾つあっても電源監視手段は1つ設けられていればよいので、各電気部品制御基板における各電気部品制御手段が後述する復旧制御を行っても、遊技機のコストはさほど上昇しない。
【0097】
なお、図11に示された構成では、電源監視用IC902の検出信号(電源断信号)は、バッファ回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基板(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達されるが、例えば、1つの検出信号を中継基板に伝達し、中継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構成でもよい。また、電源断信号を必要とする基板数に応じたバッファ回路を設けてもよい。さらに、主基板31と払出制御基板37とに出力される電源断信号について、電源断信号を出力することになる電源監視回路の監視電圧を異ならせてもよい。
【0098】
図12は、主基板31におけるCPU56周りの一構成例を示すブロック図である。図12に示すように、電源基板910の電源監視回路(電源監視手段;第1の電源監視手段)からの電源断信号が、CPU56のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。従って、CPU56は、マスク不能割込(NMI)処理によって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
【0099】
図12には、システムリセット回路65も示されている。リセットIC651は、電源投入時に、外付けのコンデンサの容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。すなわち、リセット信号をハイレベルに立ち上げてCPU56を動作可能状態にする。また、リセットIC651は、電源監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(電源監視回路が電源断信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以下になると出力をローレベルにする。従って、CPU56は、電源監視回路からの電源断信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った後、システムリセットされる(すなわち、システムの最初の状態に戻される)。
【0100】
図12に示すように、リセットIC651からのリセット信号は、NAND回路947に入力されるとともに、反転回路(NOT回路)944を介してカウンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタIC941は、クリア端子への入力がローレベルになると、発振器943からのクロック信号をカウントする。そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路945,946を介してNAND回路947に入力される。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップフロップ(FF)942のクロック端子に入力される。フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定され、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力される。OR回路949の他方の入力には、NAND回路947の出力がNOT回路948を介して導入される。そして、OR回路949の出力がCPU56のリセット端子に接続されている。このような構成によれば、電源投入時に、CPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU56は、確実に動作を開始する。
【0101】
そして、例えば、電源監視回路の検出電圧(電源断信号を出力することになる電圧)を+22Vとし、リセット信号をローレベルにするための検出電圧を+9Vとする。そのように構成した場合には、電源監視回路とシステムリセット回路65とが、同一の電源VSLの電圧を監視するので、電圧監視回路が電源断信号を出力するタイミングとシステムリセット回路65がシステムリセット信号を出力するタイミングの差を所望の所定期間に確実に設定することができる。所望の所定期間とは、電源監視回路からの電源断信号に応じて電力供給停止時処理を開始してから電力供給停止時処理が確実に完了するまでの期間である。
【0102】
なお、電源監視回路とシステムリセット回路65とが監視する電源の電圧は異なっていてもよい。また、システムリセット回路65は、第2の電源監視手段に相当する。
【0103】
CPU56等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電力供給が停止しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路65からリセット信号が発せられるので、CPU56は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保存されているので、停電等からの復旧時に停電等の発生時の遊技状態に復旧させることができる。
【0104】
なお、図12に示す構成では、電源投入時にCPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられるが、リセット信号の立ち上がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット解除されるCPUを使用する場合には、符号941〜949で示された回路素子は不要である。その場合、リセットIC651の出力がそのままCPU56のリセット端子に接続される。
【0105】
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。PIOは、PB0〜PB3の4ビットおよびPA0〜PA7の1バイトのポートを有する。PB0〜PB3およびPA0〜PA7のポートは、入力/出力いずれにも設定できる。
【0106】
図13は、この実施の形態における入力ポートのビット割り当てを示す説明図である。図13に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ22の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜4には、それぞれ、賞球カウントスイッチ301A、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187の検出信号、カウントスイッチ短絡信号およびクリアスイッチ921の検出信号が入力される。なお、各スイッチからの検出信号は、スイッチ回路58において論理反転されている。このように、クリアスイッチ921の検出信号すなわち操作手段の操作入力は、遊技球を検出するためのスイッチの検出信号が入力される入力ポート(8ビット構成の入力部)と同一の入力ポートにおけるビット(入力ポート回路)に入力されている。
【0107】
次に遊技機の動作について説明する。図14は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0108】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0109】
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0110】
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0111】
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0112】
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0113】
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
【0114】
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
【0115】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、例えば、遊技店員は、クリアスイッチ921をオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始することによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
【0116】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0117】
この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、図15に示すように、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0118】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
【0119】
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0120】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0121】
このように、バックアップフラグとチェックサム等のチェックデータとを用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認することによって、遊技状態を電力供給停止時の状態に正確に戻すことができる。すなわち、バックアップRAM領域のデータにもとづく状態復旧処理の確実性が向上する。なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0122】
また、バックアップフラグの状態によって「バックアップあり」が確認されなかった場合には、後述する遊技状態復旧処理を行うことなく後述する初期化処理を行うようにしているので、バックアップデータが存在しないのにもかかわらず遊技状態復旧処理が実行されてしまうことを防止することができ、初期化処理によって制御状態を初期状態に戻すことが可能となる。
【0123】
さらに、チェックデータを用いたチェック結果が正常でなかった場合には、後述する遊技状態復旧処理を行うことなく後述する初期化処理を行うようにしているので、電力供給停止時とは異なる内容となってしまっているバックアップデータにもとづいて遊技状態復旧処理が実行されてしまうことを防止することができ、初期化処理によって制御状態を初期状態に戻すことが可能となる。
【0124】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出許可状態指定コマンド(以下、払出可能状態指定コマンドという。)を払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、他のサブ基板(ランプ制御基板35、音制御基板70、図柄制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(図柄制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド(ランプ制御基板35に対して)等がある。
【0125】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0126】
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理では、遊技制御処理(ステップS16)が繰り返し実行される。図16は、メイン処理においてCPU56が繰り返し実行する遊技制御処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU56は、まず、割込禁止状態としたあと(ステップS16a)、スイッチ状態設定処理(ステップS16b)を行う。スイッチ状態設定処理では、後述するスイッチタイマ(図22参照)の記憶内容(入力情報の一例)を、RAM55に設けられているスイッチ状態保存領域にコピーする処理が行われる。また、カウンタ状態設定処理(ステップS16c)にて、各カウンタのカウント値(数値データの一例)をRAMに設けられているカウンタ状態保存領域にコピーする処理を行う。そして、タイマ状態設定処理(ステップS16d)にて、汎用タイマなどの各タイマの値(数値データの一例)をRAM55に設けられているタイマ状態保存領域にコピーする処理を行う。すなわち、各状態設定処理(ステップS16b〜ステップS16d)では、RAM55の所定の領域にそれぞれ記憶されている現在のスイッチタイマの値、各カウンタのカウント値、および各タイマの値を、それぞれ、RAM55に設けられている別の領域(本例では、スイッチ状態保存領域、カウンタ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域)にコピーする処理が実行される。従って、各状態設定処理(ステップS16b〜ステップS16d)が実行された時点でのスイッチタイマ、カウンタ、およびタイマの状態が、それぞれ、スイッチ状態保存領域、カウンタ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域にコピーされる。各状態設定処理(ステップS16b〜ステップS16d)が終了すると、割込許可状態とされる(ステップS16e)。上記のように、本例では、各状態設定処理(ステップS16b〜ステップS16d)が実行されるときには、割込禁止状態とされる。なお、スイッチ状態保存領域、カウンタ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域は、RAM55のバックアップRAM領域に設けられている。
【0127】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS16f)。
【0128】
次に、CPU56は、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS16g,S16h)。なお、更新されるのは、各乱数を生成するためのカウンタであって、カウンタ状態保存領域に保存されている値が更新されるわけではない。また、「数値データ」というときには、各乱数、各乱数を生成するためのカウンタ、あるいはそのカウント値のいずれをも意味する。すなわち、各乱数、各乱数を生成するためのカウンタ、およびそのカウント値は、何れも数値データの一例である。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。例えば、後述するタイマ割込処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。なお、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理は、遊技制御処理では実行されず、後述するタイマ割込処理によって行われる。
【0129】
なお、本例では、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態とはされない。従って、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されるので、タイマ割込処理における処理と競合することがある。本例では、この競合によって表示用乱数のカウント値のランダム性が確保される。なお、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態とするようにして、表示用乱数のカウント値の連続性を確保する構成としてもよい。
【0130】
図17は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用=特別図柄決定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:左右中のはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当り時の図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用=特別図柄判定用)
(4)ランダム4:リーチ時の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
【0131】
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外の乱数(例えば、初期値決定用乱数)も用いられている。また、例えば各乱数に定期的に初期値(例えば各乱数毎にそれぞれ定められている初期値)を設定するなどして、上記(1)〜(4)の乱数が互いに同期しないように構成されていることが望ましい。なお、変動パターン決定用乱数は、リーチ時の変動パターンの決定だけでなく、リーチとならないはずれ時の変動パターンの決定にも用いられる乱数とされていてもよい。
ステップS16gでは、CPU56は、(2)のはずれ図柄決定用乱数および(4)の変動パターン決定用を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが表示用乱数であり、それら以外の乱数が判定用乱数である。
【0132】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS16i)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS16j)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0133】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS16k)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS16l)。
【0134】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS16m)。
【0135】
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS16n)。開閉翼片装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。
【0136】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS16o)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。そして、CPU56は、始動入賞記憶数を確認し、前回確認したときと比べて現在の始動入賞記憶数が変化していた場合に、始動記憶表示器18の該当する保留ランプを点灯/消灯させることを指定するランプ制御コマンドをコマンド送信テーブルに設定する記憶処理を実行する(ステップS16p)。なお、普通図柄始動記憶表示器41の保留ランプの点灯/消灯を指定する場合にも、始動記憶表示器18の保留ランプの点灯/消灯を指定する際に用いられるモジュールと共通のモジュールが使用される。
【0137】
上述したステップS15にて設定されている2ms毎に定期的にかかるタイマ割込が発生すると、図18に示すように、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力してそれらの状態判定を行い、スイッチの検出信号の入力状態を後述するスイッチタイマに記憶する処理を行う(スイッチ入力処理:ステップS21)。
【0138】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0139】
また、遊技機の動作時間を管理するための汎用タイマ(動作タイマ)などの各タイマの値を1加算する(ステップS25)。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS26)、割込許可状態に設定する(ステップS27)。
【0140】
以上の制御によって、この実施の形態では、ステップS21〜ステップS25の処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理でステップS21〜ステップS25の処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、ステップS21〜ステップS25の処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0141】
以上のように、タイマ割込処理で入力状態感知手段の入力状態を示す入力情報を記憶するようにし(ステップS21)、メイン処理で、入力情報を読み出してスイッチ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS16b)、スイッチ状態保存領域の保存情報を用いて遊技に関わる制御(ステップS16f〜ステップS16p)を行う構成としたので、一連の遊技制御処理が終了しないうちに割込処理が開始されて入力情報が更新されたとしても、遊技制御処理に未処理となる部分が残ることを防止することができ、一連の遊技制御処理が完了しないことによってもたらされる不都合が解消される。
【0142】
また、タイマ割込処理でカウンタ(乱数値データ)を更新して記憶するようにし(ステップS22〜ステップS24)、メイン処理で、記憶されているカウンタのカウント値(数値データ)を読み出してカウンタ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS16c)、カウンタ状態保存領域の保存情報を用いて遊技に関わる制御(ステップS16f〜ステップS16p)を行う構成としたので、乱数値データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、乱数値データが特定の値となっている状態が長時間継続してしまうことによる不都合が防止される。
【0143】
さらに、タイマ割込処理で動作タイマ(例えば汎用タイマ)を更新して記憶するようにし(ステップS25)、メイン処理で、記憶されている動作タイマの値(数値データ)を読み出してタイマ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS16d)、タイマ状態保存領域の保存情報を用いて遊技に関わる制御(ステップS16f〜ステップS16p)を行う構成としたので、動作タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、動作タイマが正確に機能するようになるため、遊技機において実行される各種の動作において、動作上のずれが生じてしまうことが防止される。
【0144】
図19は、遊技状態復旧処理(ステップS10)の一例を示すフローチャートである。遊技状態復旧処理において、CPU56は、まず、スタックポインタの復帰処理を行う(ステップS81)。スタックポインタの値は、後で詳述する電力供給停止時処理において、所定のRAMエリア(電源バックアップされている作業領域におけるスタックポインタ退避バッファ)に退避している。よって、ステップS81では、そのRAMエリアの値をスタックポインタに設定することによって復帰させる。なお、復帰されたスタックポインタが指す領域(すなわちスタック領域)には、電力供給が停止したときのレジスタ値やプログラムカウンタ(PC)の値が退避している。
【0145】
次いで、CPU56は、払出停止状態であったか否か確認する(ステップS82)。払出停止状態であったか否かは、電源バックアップされているRAMエリアに保存されている所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど)における払出状態データとしての払出停止フラグによって確認される。払出停止状態であった場合には、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段に対して、払出の停止を指示する払出制御コマンド(払出停止状態指定コマンド)を送信する(ステップS83)。払出停止状態でなかった場合には、払出制御手段に対して払出が可能であることを指示する払出制御コマンド(払出可能状態指定コマンド)を送信する(ステップS84)。
【0146】
次いで、CPU56は、電力供給が停止したときの可変表示装置9における特別図柄の表示状態に応じて、その表示状態を復旧させるための表示制御コマンドを送信する(ステップS85)。
【0147】
その後、CPU56は、バックアップフラグをクリアする(ステップS91)すなわち、前回の電力供給停止時に所定の記憶保護処理が実行されたことを示すフラグをリセットする。よって、制御状態の復旧後に不必要な情報が残存しないようにすることができる。また、スタック領域から各種レジスタの退避値を読み出して、各種レジスタ(IXレジスタ、HLレジスタ、DEレジスタ、BCレジスタ)に設定する(ステップS92)。すなわち、レジスタ復元処理を行う。なお、各レジスタが復元させる毎に、スタックポインタの値が減らされる。すなわち、スタックポインタの値が、スタック領域の1つ前のアドレスを指すように更新される。そして、パリティフラグがオンしていない場合には割込許可状態にする(ステップS93,S94)。最後に、AFレジスタ(アキュミュレータとフラグのレジスタ)をスタック領域から復元する(ステップS95)。
【0148】
そして、RET命令が実行される。RET命令が実行されるときには、CPU56は、スタックポインタが指す領域に格納されているデータをプログラムカウンタに設定することによってプログラムのリターン動作を実現する。ただし、ここでのリターン先は、遊技状態復旧処理をコールした部分ではない。なぜなら、ステップS81においてスタックポインタの復帰処理がなされ、ステップS92でレジスタの復元処理が終了した後では、スタック領域を指すスタックポインタは、NMIによる電力供給停止時処理が開始されたときに実行されていたプログラムのアドレスが退避している領域を指している。すなわち、復帰されたスタックポインタが指すスタック領域に格納されているリターンアドレスは、プログラムにおける前回の電力供給停止時にNMIが発生したアドレスである。従って、ステップS95の次のRET命令によって、電力供給停止時にNMIが発生したアドレスにリターンする。すなわち、スタック領域に退避されていたアドレスデータ(プログラムアドレスデータ)にもとづいて復旧制御が実行されている。
【0149】
以上の処理によって、バックアップRAM領域に保存されていた各種の情報にもとづいて、遊技状態が電源断前の状態に復旧する。本例では、スイッチ状態保存領域、カウンタ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域が、バックアップRAM領域に設けられているので、電力供給が停止した場合であっても、各状態保存領域に保存されているスイッチタイマの値、カウンタ値、およびタイマ値が消失してしまうようなことがなく、これらの情報を用いた遊技制御が行われる状態に復旧される。
【0150】
図20は、電源基板910からの電源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理(電力供給停止時処理)の処理例を示すフローチャートである。マスク不能割込が発生すると、CPU56に内蔵されている割込制御機構は、マスク不能割込発生時に実行されていたプログラムのアドレス(具体的には実行完了後の次のアドレス)を、スタックポインタが指すスタック領域に退避させるとともに、スタックポインタの値を増やす。すなわち、スタックポインタの値がスタック領域の次のアドレスを指すように更新する。
【0151】
電力供給停止時処理において、CPU56は、AFレジスタ(アキュミュレータとフラグのレジスタ)をスタックポインタが指すスタック領域に退避する(ステップS51)。このとき、スタックポインタの値が、スタック領域の次のアドレスを指すように更新される。また、割込フラグをパリティフラグにコピーする(ステップS52)。パリティフラグはバックアップRAM領域に形成されている。割込フラグは、割込許可状態であるのか割込禁止状態であるのかを示すフラグであって、CPU56が内蔵する制御レジスタ中にある。割込フラグのオン状態が割込禁止状態であることを示す。上述したように、パリティフラグは遊技状態復旧処理で参照される。そして、遊技状態復旧処理において、パリティフラグがオン状態であれば、割込許可状態には設定されない。
【0152】
また、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタおよびIXレジスタをスタックポインタが指すスタック領域に退避する(ステップS54〜57)。この段階で、スタック領域には、マスク不能割込発生時に実行されていたプログラムのアドレス、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタおよびIXレジスタの各値が順に格納されたことになる。なお、各レジスタが退避される毎に、スタックポインタの値が、スタック領域の次のアドレスを指すように更新される。また、スタックポインタの値を作業領域における所定の領域(スタックポインタ退避バッファ)に退避する(ステップS58)。
【0153】
次に、バックアップあり指定値(この例では「55H」)をバックアップフラグにストアする。バックアップフラグはバックアップRAM領域に形成されている。次いで、パリティデータを作成する(ステップS60〜S67)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS60)、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS61)。また、チェックサム算出回数をセットする(ステップS62)。
【0154】
そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS63)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS64)、ポインタの値を1増やし(ステップS65)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS66)。ステップS63〜S66の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される(ステップS67)。
【0155】
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS68)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS69)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS70)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。従って、電圧低下に伴ってプログラムの暴走が生じても、RAMの記憶内容が破壊されるようなことはない。
【0156】
そして、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定すると、CPU56は、待機状態(ループ状態)に入る。従って、システムリセットされるまで、何もしない状態になる。
【0157】
なお、この実施の形態では、NMIに応じて電力供給停止時処理が実行されたが、電源断信号をCPU56のマスク可能端子に接続し、マスク可能割込処理によって電力供給停止時処理を実行してもよい。また、電源断信号を入力ポートに入力し、入力ポートのチェック結果に応じて電力供給停止時処理を実行してもよい。
【0158】
図21は、遊技機への電力供給停止時の電源電圧低下やNMI信号(=電源断信号:電力供給停止時信号)の様子を示すタイミング図である。遊技機に対する電力供給が停止すると、最も高い直流電源電圧であるVSLの電圧値は徐々に低下する。そして、この例では、+22Vにまで低下すると、電源基板910に搭載されている電源監視用IC902から電源断信号が出力される(ローレベルになる)。
【0159】
電源断信号は、電気部品制御基板(この実施の形態では主基板31および払出制御基板37)に導入され、CPU56および払出制御用CPU371のNMI端子に入力される。CPU56および払出制御用CPU371は、NMI処理によって、所定の電力供給停止時処理を実行する。
【0160】
VSLの電圧値がさらに低下して所定値(この例では+9V)にまで低下すると、主基板31や払出制御基板37に搭載されているシステムリセット回路の出力がローレベルになり、CPU56および払出制御用CPU371がシステムリセット状態になる。なお、CPU56および払出制御用CPU371は、システムリセット状態とされる前に、電力供給停止時処理を完了している。
【0161】
VSLの電圧値がさらに低下してVcc(各種回路を駆動するための+5V)を生成することが可能な電圧を下回ると、各基板において各回路が動作できない状態となる。しかし、少なくとも主基板31や払出制御基板37では、電力供給停止時処理が実行され、CPU56および払出制御用CPU371がシステムリセット状態とされている。
【0162】
以上のように、この実施の形態では、電源監視回路は、遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの電圧を監視して、その電源の電圧が所定値を下回ったら電圧低下信号(電源断検出信号)を発生する。図21に示すように、電源断信号が出力されるタイミングでは、IC駆動電圧は、まだ各種回路素子を十分駆動できる電圧値になっている。従って、IC駆動電圧で動作する主基板31のCPU56が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時間が確保されている。
【0163】
なお、ここでは、電源監視回路は、遊技機で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLの電圧を監視したが、電源断信号を発生するタイミングが、IC駆動電圧で動作する電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時間が確保されるようなタイミングであれば、監視対象電圧は、最も高い電源VSLの電圧でなくてもよい。すなわち、少なくともIC駆動電圧よりも高い電圧を監視すれば、電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処理を行うための動作時間が確保されるようなタイミングで電源断信号を発生することができる。
【0164】
その場合、上述したように、監視対象電圧は、電力供給停止時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる電圧であることが好ましい。すなわち、遊技機の各種スイッチに供給される電圧(スイッチ電圧)が+12Vであることから、+12V電源電圧が落ち始める以前の段階で、電圧低下を検出できることが好ましい。よって、少なくともスイッチ電圧よりも高い電圧を監視することが好ましい。
【0165】
次に、タイマ割込処理におけるスイッチ入力処理(ステップS21)の具体例を説明する。この実施の形態では、各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。所定時間を計測するために、スイッチタイマが用いられる。スイッチタイマは、バックアップRAM領域に形成された1バイトのカウンタであり、検出信号がオン状態を示している場合に2ms毎に+1される。図22に示すように、スイッチタイマは検出信号の数N(クリアスイッチ921の検出信号を除く)だけ設けられている。この実施の形態ではN=13である。また、RAM55において、各スイッチタイマのアドレスは、入力ポートのビット配列順(図13に示された上から下への順)と同じ順序で並んでいる。
【0166】
図23は、タイマ割込処理におけるステップS21のスイッチ入力処理の処理例を示すフローチャートである。タイマ割込処理において実行されるため、本例では2ms毎にスイッチ入力処理が実行される。スイッチ入力処理において、CPU56は、まず、入力ポート0に入力されているデータを入力する(ステップS101)。次いで、処理数として「8」を設定し(ステップS102)、入賞口スイッチ33aのためのスイッチタイマのアドレスをポインタにセットする(ステップS103)。そして、スイッチチェック処理サブルーチンをコールする(ステップS104)。
【0167】
図24は、スイッチチェック処理サブルーチンを示すフローチャートである。スイッチチェック処理サブルーチンにおいて、CPU56は、ポート入力データ、この場合には入力ポート0からの入力データを「比較値」として設定する(ステップS121)。また、クリアデータ(00)をセットする(ステップS122)。そして、ポインタ(スイッチタイマのアドレスが設定されている)が指すスイッチタイマをロードするとともに(ステップS123)、比較値を右(上位ビットから下位ビットへの方向)にシフトする(ステップS124)。比較値には入力ポート0のデータ設定されている。そして、この場合には、入賞口スイッチ33aの検出信号がキャリーフラグに押し出される。
【0168】
キャリーフラグの値が「1」であれば(ステップS125)、すなわち入賞口スイッチ33aの検出信号がオン状態であれば、スイッチタイマの値を1加算する(ステップS127)。加算後の値が0でなければ加算値をスイッチタイマに戻す(ステップS128,S129)。加算後の値が0になった場合には加算値をスイッチタイマに戻さない。すなわち、スイッチタイマの値が既に最大値(255)に達している場合には、それよりも値を増やさない。
【0169】
キャリーフラグの値が「0」であれば、すなわち入賞口スイッチ33aの検出信号がオフ状態であれば、スイッチタイマにクリアデータをセットする(ステップS126)。すなわち、スイッチがオフ状態であれば、スイッチタイマの値が0に戻る。
【0170】
その後、CPU56は、ポインタ(スイッチタイマのアドレス)を1加算するとともに(ステップS130)、処理数を1減算する(ステップS131)。処理数が0になっていなければステップS122に戻る。そして、ステップS122〜S132の処理が繰り返される。
【0171】
ステップS122〜S132の処理は、処理数分すなわち8回繰り返され、その間に、入力ポート0の8ビットに入力されるスイッチの検出信号について、順次、オン状態かオフ状態か否かのチェック処理が行われ、オン状態であれば、対応するスイッチタイマの値が1増やされる。
【0172】
CPU56は、スイッチ処理のステップS105において、入力ポート1に入力されているデータを入力する。次いで、処理数として「4」を設定し(ステップS106)、賞球カウントスイッチ301Aのためのスイッチタイマのアドレスをポインタにセットする(ステップS107)。そして、スイッチチェック処理サブルーチンをコールする(ステップS108)。
【0173】
スイッチチェック処理サブルーチンでは、上述した処理が実行されるので、ステップS122〜S132の処理が、処理数分すなわち4回繰り返され、その間に、入力ポート1の4ビットに入力されるスイッチの検出信号について、順次、オン状態かオフ状態か否かのチェック処理が行われ、オン状態であれば、対応するスイッチタイマの値が1増やされる。
【0174】
なお、この実施の形態では、2ms毎にタイマ割込がかかるので、スイッチ入力処理も2msに1回実行される。従って、対応するスイッチがオン状態であれば、スイッチタイマは2ms毎に+1される。
【0175】
図25〜図27は、遊技制御処理におけるステップS16oの賞球処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、賞球処理では、賞球払出の対象となる入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、カウントスイッチ23および始動口スイッチ14aが確実にオンしたか否か判定されるとともに、オンしたら賞球個数を示す払出制御コマンドが払出制御基板37に送出されるように制御し、また、満タンスイッチ48および球切れスイッチ187が確実にオンしたか否か判定されるとともに、オンしたら所定の払出制御コマンドが払出制御基板37に送出されるように制御する等の処理が行われる。各スイッチがオンしているか否かの判断は、スイッチ状態保存領域の記憶内容にもとづいて行われる。なお、スイッチ状態保存領域には、遊技制御処理において賞球処理の前に実行されているステップS16bのスイッチ状態設定処理にて、スイッチタイマの記憶内容がコピーされている。
【0176】
賞球処理において、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「1」を設定し(ステップS150)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「9」を設定する(ステップS151)。入力判定値テーブル(図29参照)のオフセット「1」は、入力判定値テーブルの2番目のデータ「50」を使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「9」は満タンスイッチ48に対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS152)。
【0177】
入力判定値テーブルとは、各スイッチについて、連続何回のオンが検出されたら確かにスイッチがオンしたと判定するための判定値が設定されているROM領域である。入力判定値テーブルの構成例は図29に示されている。図29に示すように、入力判定値テーブルには、上から順に、すなわちアドレス値が小さい領域から順に、「2」、「50」、「250」、「30」、「250」、「1」の判定値が設定されている。また、スイッチオンチェックルーチンでは、入力判定値テーブルの先頭アドレスとオフセット値とで決まるアドレスに設定されている判定値と、スイッチタイマの先頭アドレスとオフセット値とで決まるスイッチタイマの値(スイッチ状態保存領域に保存されている値である)とが比較され、一致した場合には、例えばスイッチオンフラグがセットされる。
【0178】
スイッチオンチェックルーチンの一例が図29に示されている。スイッチオンチェックルーチンにおいて、スイッチ状態保存領域に保存されている満タンスイッチ48に対応するスイッチタイマの値が、満タンスイッチオン判定値「50」に一致していればスイッチオンフラグがセットされるので(ステップS153)、満タンフラグがセットされる(ステップS154)。なお、図25には明示されていないが、スイッチ状態保存領域に保存されている満タンスイッチ48に対応したスイッチタイマの値が0である場合には、満タンフラグはリセットされる。
【0179】
また、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「2」を設定し(ステップS156)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「0A(H)」を設定する(ステップS157)。入力判定値テーブルのオフセット「2」は、入力判定値テーブルの3番目のデータ「250」を使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「0A(H)」は球切れスイッチ187に対応したスイッチタイマ(スイッチ状態保存領域に保存されているスイッチタイマである)が指定されることを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS158)。
【0180】
スイッチオンチェックルーチンにおいて、スイッチ状態保存領域に保存されている球切れスイッチ187に対応するスイッチタイマの値が、球切れスイッチオン判定値「250」に一致していれば、スイッチオンフラグがセットされるので(ステップS159)、球切れフラグがセットされる(ステップS160)。なお、図25には明示されていないが、球切れスイッチ187に対応したスイッチオフタイマが用意され、スイッチ状態保存領域に保存されているそのスイッチオフタイマの値が30である場合には、球切れフラグはリセットされる。
【0181】
そして、CPU56は、払出停止状態であるか否か確認する(ステップS201)。払出停止状態は、払出制御基板37に対して払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンドである払出停止状態指定コマンドを送出した後の状態であり、具体的には、作業領域における払出停止フラグがセットされている状態である。払出停止状態でなければ、上述した球切れ状態フラグまたは満タンフラグがオンになったか否かを確認する(ステップS202)。
【0182】
いずれかがオン状態に変化したときには、払出停止状態フラグをセットするとともに(ステップS203)、払出停止状態指定コマンドに関するコマンド送信テーブルをセットし(ステップS204)、コマンドセット処理をコールする(ステップS205)。ステップS204では、払出停止状態指定コマンドの払出制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアドレスとして設定される。払出停止状態指定コマンドに関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデータ、払出制御コマンドの1バイト目のデータ、および払出制御コマンドの2バイト目のデータが設定されている。なお、ステップS202において、いずれか一方のフラグが既にオン状態であったときに他方のフラグがオン状態になったときには、ステップS203〜ステップS205の処理は行われない。
【0183】
また、払出停止状態であれば、球切れ状態フラグおよび満タンフラグがともにオフ状態になったか否かを確認する(ステップS206)。ともにオフ状態となったとき(後述する解除条件が成立したとき)には、払出停止フラグをリセットするとともに(ステップS207)、払出可能状態指定コマンドに関するコマンド送信テーブルをセットし(ステップS208)、コマンドセット処理をコールする(ステップS209)。ステップS208では、払出可能状態指定コマンドの払出制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアドレスとして設定される。払出可能状態指定コマンドに関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデータ、払出制御コマンドの1バイト目のデータ、および払出制御コマンドの2バイト目のデータが設定されている。
【0184】
なお、解除条件は、払出停止状態を解除するための条件であり、払出停止状態を維持する必要がなくなったときに成立する条件である。本例では、解除条件は、払出停止状態とされているときに、余剰球受皿4が満タン状態でなく、かつ、球切れ状態でもない状態となったこととされている。
【0185】
さらに、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS221)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「0」を設定する(ステップS222)。入力判定値テーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最初のデータを使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「0」は入賞口スイッチ33aに対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。また、繰り返し数として「4」をセットする(ステップS223)。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS224)。
【0186】
スイッチオンチェックルーチンにおいて、CPU56は、入力判定値テーブル(図29参照)の先頭アドレスを設定する(ステップS281)。そして、そのアドレスにオフセットを加算し(ステップS282)、加算後のアドレスからスイッチオン判定値をロードする(ステップS283)。
【0187】
次いで、CPU56は、スイッチタイマの先頭アドレスを設定し(ステップS284)、そのアドレスにオフセットを加算する(ステップS285)。オフセットを加算すると、加算後のアドレスから、スイッチ状態保存領域に保存されているスイッチタイマの値をロードする(ステップS286)。各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチ状態保存領域に保存されているスイッチタイマの値のうち、スイッチに対応したスイッチタイマの値がロードされる。
【0188】
そして、CPU56は、ロードしたスイッチタイマの値とスイッチオン判定値とを比較する(ステップS287)。それらが一致すれば、スイッチオンフラグをセットする(ステップ128)。
【0189】
この場合には、スイッチオンチェックルーチンにおいて、スイッチ状態保存領域に保存されている入賞口スイッチ33aに対応するスイッチタイマの値が、スイッチオン判定値「2」に一致していればスイッチオンフラグがセットされる(ステップS225)。そして、スイッチチェックオンルーチンは、スイッチタイマのアドレスのオフセットが更新されつつ(ステップS230)、最初に設定された繰り返し数分だけ実行されるので(ステップS228,S229)、結局、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aについて、スイッチ状態保存領域に保存されている対応するスイッチタイマの値が、スイッチオン判定値「2」と比較されることになる。
【0190】
スイッチオンフラグがセットされたら、払い出すべき賞球個数としての「10」をリングバッファに設定する(ステップS226)。そして、総賞球数格納バッファの格納値に10を加算する(ステップS227)。なお、リングバッファにデータを書き込んだときには、書込ポインタをインクリメントし、リングバッファの最後の領域にデータを書き込まれたときには、書込ポインタを、リングバッファの最初の領域を指すように更新する。
【0191】
総賞球数格納バッファは、払出制御手段に対して指示した賞球個数の累積値(ただし、払い出しがなされると減算される)が格納されるバッファであり、バックアップRAMに形成されている。なお、この実施の形態では、リングバッファにデータを書き込んだ時点で総賞球数格納バッファの格納値に対する加算処理が行われるが、払い出すべき賞球個数を指示する払出制御コマンドを出力ポートに出力した時点で総賞球数格納バッファの格納値に対する、出力する払出制御コマンドに対応した賞球数の加算処理を行ってもよい。
【0192】
次に、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS231)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「5」を設定する(ステップS232)。入力判定値テーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最初のデータを使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「5」は始動口スイッチ14aに対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS233)。
【0193】
スイッチオンチェックルーチンにおいて、スイッチ状態保存領域に保存されている始動口スイッチ14aに対応するスイッチタイマの値が、スイッチオン判定値「2」に一致していれば、スイッチオンフラグがセットされる(ステップS234)。スイッチオンフラグがセットされたら、払い出すべき賞球個数としての「6」をリングバッファに設定する(ステップS235)。また、総賞球数格納バッファの格納値に6を加算する(ステップS236)。
【0194】
次いで、CPU56は、入力判定値テーブルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS241)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして「6」を設定する(ステップS242)。入力判定値テーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最初のデータを使用することを意味する。また、各スイッチタイマは、図13に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオフセット「6」はカウントスイッチ23に対応したスイッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS243)。
【0195】
スイッチオンチェックルーチンにおいて、スイッチ状態保存領域に保存されているカウントスイッチ23に対応するスイッチタイマの値が、スイッチオン判定値「2」に一致していれば、スイッチオンフラグがセットされる(ステップS244)。スイッチオンフラグがセットされたら、払い出すべき賞球個数としての「15」をリングバッファに設定する(ステップS245)。また、総賞球数格納バッファの格納値に15を加算する(ステップS246)。
【0196】
そして、リングバッファにデータが存在する場合には(ステップS247)、読出ポインタが指すリングバッファの内容を送信バッファにセットするとともに(ステップS248)、読出ポインタの値を更新(リングバッファの次の領域を指すように更新)し(ステップS249)、賞球個数に関するコマンド送信テーブルをセットし(ステップS250)、コマンドセット処理をコールする(ステップS251)。コマンドセット処理の動作については後で詳しく説明する。
【0197】
ステップS250では、賞球個数に関する払出制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアドレスとして設定される。賞球個数に関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデータ(01(H))、払出制御コマンドの1バイト目のデータ(F0(H))、および払出制御コマンドの2バイト目のデータが設定されている。ただし、2バイト目のデータとして「80(H)」が設定されている。
【0198】
以上のように、遊技制御手段から払出制御基板37に賞球個数を指示する払出制御コマンドを出力しようとするときに、賞球個数に関するコマンド送信テーブルのアドレス設定と送信バッファの設定とが行われる。そして、コマンドセット処理によって、賞球個数に関するコマンド送信テーブルと送信バッファの設定内容とにもとづいて払出制御コマンドが払出制御基板37に送出される。なお、ステップS247において、書込ポインタと読出ポインタとの差によってデータがあるか否か確認することができるが、リングバッファ内の未処理のデータ個数を示すカウンタを設け、カウント値によってデータがあるか否か確認するようにしてもよい。
【0199】
そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない場合、すなわち、まだ賞球残がある場合には、CPU56は、賞球払出中フラグをオンする(ステップS252,S253)。
【0200】
また、CPU56は、賞球払出中フラグがオンしているときには(ステップS254)、球払出装置97から実際に払い出された賞球個数を監視して総賞球数格納バッファの格納値を減算する賞球個数減算処理を行う(ステップS255)。なお、賞球払出中フラグがオンからオフに変化したときには、ランプ制御基板35に対して、賞球ランプ51の点灯を指示するランプ制御コマンドが送出される。
【0201】
なお、払出制御手段は、払出停止状態指定コマンドを受信すると、賞球としての球払出と球貸しとしての球払出とをともに停止させる。また、払出可能状態指定コマンドを受信すると、賞球としての球払出と球貸しとしての球払出とを、ともに可能な状態とする。しかし、遊技制御手段から払出制御手段に対して、賞球としての球払出を停止または再開させる払出制御コマンドと、球貸しとしての球払出を停止または再開させる払出制御コマンドとを、別の制御コマンドとして送信するようにしてもよい。
【0202】
また、この実施の形態では、払出停止中であっても(ステップS201,S206)、ステップS221〜S251の処理が実行される。すなわち、遊技制御手段は、払出停止状態であっても、賞球個数を指示するための払出制御コマンドを送出することができる。すなわち、賞球個数を指示するためのコマンドが、払出停止状態であっても払出制御手段に伝達され、払出停止状態が解除されたときに、早めに賞球払出を開始することができる。また、遊技制御手段において、払出停止状態における入賞にもとづく賞球個数を記憶するための大きな記憶領域は必要とされない。
【0203】
さらに、この実施の形態では、遊技媒体の払出状況とは無関係に、ステップS221〜S251の処理が実行される。すなわち、遊技制御手段は、前回までに指定した賞球個数の払い出しが完了しているか否かに関わらず、新たな賞球個数を指示するための払出制御コマンドを送信することができる。よって、遊技制御手段の払い出しに関する処理負担を軽減させることができるとともに、賞球の払出処理を迅速に行うことができる。
【0204】
図30は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図30に示す特別図柄プロセス処理は、図16のフローチャートにおけるステップS16iの具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。本例では、タイマ状態保存領域に保存されている汎用タイマの値にもとづいて時間を計測(例えば、後述する図34および図35と同様の処理を行うことで行う)し、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定する。
【0205】
特別図柄変動待ち処理(ステップS300):始動入賞口14に打球入賞して始動口スイッチ14aがオンするのを待つ。始動口スイッチ14aがオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り決定用乱数等を抽出する。
【0206】
特別図柄判定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り決定用乱数の値に応じて大当りとするかはずれとするか決定する。
【0207】
停止図柄設定処理(ステップS302):左右中図柄の停止図柄を決定する。
【0208】
リーチ動作設定処理(ステップS303):左右中の停止図柄の組み合わせにもとづいてリーチ動作するか否か決定するとともに、リーチとすることに決定した場合には、変動パターン決定用乱数の値に応じてリーチ時の変動期間を決定する。
【0209】
全図柄変動開始処理(ステップS304):可変表示装置9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、図柄制御基板80に対して、左右中最終停止図柄と変動態様を指令する情報とが送信される。また、本例では、変動時間タイマの設定がなされる。変動時間タイマは、特別図柄の変動の終了時間を設定するためのタイマである。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0210】
全図柄停止待ち処理(ステップS305):所定時間(ステップS304にて設定された変動時間タイマで示された時間。なお、ステップS310にて、変動時間を短縮することが決定されている場合にはその決定が反映された時間となる。)が経過すると、可変表示装置9において表示される全図柄が停止される。そして、大当り遊技状態に移行する場合には、内部状態(プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0211】
大入賞口開放開始処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当りフラグ(大当り中であることを示すフラグ)のセットを行う。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0212】
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータを図柄制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最終的な大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0213】
特定領域有効時間処理(ステップS308):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0214】
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0215】
図31は打球が始動入賞口14に入賞したことを判定する処理を示すフローチャートである。打球が遊技盤6に設けられている始動入賞口14に入賞すると、始動口スイッチ14aがオンする。例えば、特別図柄プロセス処理のステップS300の特別図柄変動待ち処理において、図31に示すように、CPU56は、スイッチ回路58を介して始動口スイッチ14aがオンしたことを判定すると(ステップS41)、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS42)。なお、始動口スイッチ14aがオンしたか否かは、ステップS231〜ステップS233にて説明したように、スイッチ状態保存領域に保存されている始動口スイッチ14aの状態に関する情報と、入力判定値テーブル(図29参照)に設定されている始動口スイッチ14aに対応する判定値とにもとづいて判断される。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS43)、上述したステップS16cのカウンタ状態設定処理にてカウンタ状態保存領域に保存されている大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出する。そして、それらを始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに格納する(ステップS44)。なお、始動入賞記憶数が4に達している場合には、始動入賞記憶数を増やす処理を行わない。すなわち、この実施の形態では、最大4個の始動入賞口14に入賞した打球数が記憶可能である。さらに、本例では、表示図柄の可変表示が開始できる状態(表示図柄の可変表示処理が実行されていない状態)でなければ(ステップS45のN)、ステップS43にて加算されたあとの始動入賞記憶数を保留数記憶エリアに記憶するとともに(ステップS46)、始動記憶表示器18の該当する保留ランプを点灯させるためのランプ制御コマンドの送信設定を行う(ステップS47)。なお、保留数記憶エリアは、例えばRAM55の所定の領域に設けられている。
【0216】
CPU56は、ステップS26の特別図柄プロセス処理において、図32に示すように始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS30)。始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに(ステップS31)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS32)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている各値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。次いで、CPU56は、保留数記憶エリアに保存されている始動入賞記憶数と、ステップS53にて減算された現在の始動入賞記憶数とを比較し、値が異なっている場合(現在の始動入賞記憶数の方が1小さい場合)には始動記憶表示器18の該当する保留ランプを消灯させるためのランプ制御コマンドの送信設定を行うとともに、現在の始動入賞記憶数を保留数記憶エリアに記憶する処理を行う(ステップS33)。このように、表示図柄の可変表示が開始できる状態であれば始動記憶表示器18の保留ランプを点灯する処理を実行せず、保留数記憶エリアの記憶値を用いて始動記憶表示器18の保留ランプを消灯するか否か決定する構成としているので、始動検出がなされたあとすぐにその始動検出にもとづく表示図柄の可変表示がなされる場合には、当該始動検出によって始動記憶表示器18の保留ランプを点灯/消灯する処理が実行されないので、始動記憶表示器18の保留ランプが一瞬だけ点灯することを防止することができる。なお、上述した図31および図32の処理は、1つの共通したモジュール(この場合、ステップS45にて「Y」と判断された場合にステップS30の処理に移行する構成とすればよい。)にて実行されることが望ましい。
【0217】
そして、CPU56は、ステップS31で読み出した値、すなわち抽出されている大当り判定用乱数の値にもとづいて当たり/はずれを決定する(ステップS34)。ここでは、大当り判定用乱数は0〜299の範囲の値をとることにする。図33に示すように、低確率時には例えばその値が「3」である場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。高確率時には例えばその値が「3」,「7」,「79」,「103」,「107」のいずれかである場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。
【0218】
大当りと判定されたときには、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)を抽出しその値に従って大当り図柄を決定する(ステップS35)。この実施の形態では、抽出されたランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左右中の図柄番号が設定されている。また、ステップS31で読み出した値、すなわち抽出されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値にもとづいて図柄の変動パターンを決定する(ステップS56)。
【0219】
はずれと判定された場合には、CPU56は、大当りとしない場合の停止図柄の決定を行う。この実施の形態では、ステップS31で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2−1の値に従って左図柄を決定する(ステップS37)。また、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS38)。そして、ランダム2−3の値に従って右図柄を決定する(ステップS39)。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。
【0220】
さらに、CPU56は、左右図柄が同じになった場合には、すなわちリーチが成立することに決定された場合には、ステップS31で読み出した値、すなわち抽出されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値にもとづいて図柄の変動パターンを決定する(ステップS40)。
【0221】
なお、例えば高確率状態である場合に、はずれ時の変動パターンとして変動時間が短縮されたものを使用するようにしてもよい。このようにすれば、時間あたりの変動回数を多くすることができ、遊技者に対して大当りとなる機会を多く与えることができるようになる。
【0222】
以上のようにして、始動入賞にもとづく図柄変動の表示態様が大当りとするか、リーチ態様とするか、はずれとするか決定され、それぞれの停止図柄の組合せが決定される。
【0223】
なお、図32に示された処理は、図30に示された特別図柄プロセス処理におけるステップS301〜S303の処理をまとめて示した場合の処理に相当する。
【0224】
上述したように、本例では、各乱数の更新はタイマ割込処理で行い(ステップS22〜S23)、メイン処理にて、乱数値をカウンタ状態保存領域にコピーしたあと(ステップS16c)、遊技媒体が始動入賞口に入賞したことが確認(スイッチ状態保存領域の保存情報にもとづいて確認される)されたことを条件に(ステップS41)、カウンタ状態保存領域に格納されている各乱数値を抽出して乱数値格納エリアに格納しておき(ステップS44)、その後、乱数値格納エリアに格納されている各乱数値を用いて大当りとするか否かなどの判定を行う。従って、乱数値データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、乱数値データが特定の値となっている状態が長時間継続してしまうことによる不都合を防止することができる。
【0225】
図34は、変動時間タイマ設定処理の一例を示すフローチャートである。この変動時間タイマ設定処理は、ステップS304の全図柄変動開始処理に含まれる。変動時間タイマ設定処理において、CPU56は、タイマ状態保存領域に保存されている汎用タイマの値を抽出する(ステップS304a)。次いで、抽出した汎用タイマの値(T)に変動時間(N)を加算することで、変動を終了するときの汎用タイマの値(T+N)を算出し(ステップS304b)、算出した値(変動終了時間値:ここではT+N)を例えばRAM55の所定の領域に保存しておく(ステップS304c)。上記のように、変動終了時間値を保存することで、変動時間タイマが設定されたことになる。
【0226】
図35は、タイムアウトチェック処理の一例を示すフローチャートである。このタイムアウトチェック処理は、ステップS305の全図柄停止待ち処理に含まれる。タイムアウトチェック処理において、CPU56は、タイマ状態保存領域に保存されている汎用タイマの値を抽出する(ステップS305a)。次いで、上述したステップS304cにてRAM55に保存された変動終了時間値を読み出し、変動終了時間値と抽出した汎用タイマの値とが一致しているか否かを確認する(ステップS305b)。そして、変動終了時間値と汎用タイマの値とが一致している場合には、CPU56は、変動時間タイマがタイムアウトしたものとして特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンド(確定コマンド)を送出する。すなわち、本例では、汎用タイマは、変動時間を計測する変動時間タイマとしての役割を果たす。
【0227】
上述したように、タイマ割込処理で汎用タイマ(動作タイマ)の更新を行い(ステップS25)、メイン処理において、汎用タイマの値を読み出して保存(セット)したあとに(ステップS16d)、セットされた汎用タイマの値をもちいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定するように構成されている。従って、動作タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、動作タイマが正確に機能するようになる。よって、動作タイマによって実現されている変動時間タイマが正確に機能することとなり、特別図柄の変動時間を正確に制御することができるようになるため、遊技機における動作上のずれが生じてしまうことを防止することができる。
【0228】
次に、遊技制御手段から各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明しておく。遊技制御手段から他の電気部品制御基板(サブ基板)に制御コマンドを出力しようとするときに、コマンド送信テーブルの先頭アドレスの設定が行われる。図36(A)は、コマンド送信テーブルの一構成例を示す説明図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで構成され、1バイト目にはINTデータが設定される。また、2バイト目のコマンドデータ1には、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目のコマンドデータ2には、制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
【0229】
なお、EXTデータそのものがコマンドデータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのデータが設定されるようにしてもよい。例えば、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)が0であれば、コマンドデータ2にEXTデータそのものが設定されていることを示す。そのようなEXTデータはビット7が0であるデータである。この実施の形態では、ワークエリア参照ビットが1であれば、EXTデータとして、送信バッファの内容を使用することを示す。なお、ワークエリア参照ビットが1であれば、他の7ビットが、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのオフセットであることを示すように構成することもできる。
【0230】
図36(B)INTデータの一構成例を示す説明図である。INTデータにおけるビット0は、払出制御基板37に払出制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット0が「1」であるならば、払出制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、例えば賞球処理(メイン処理のステップS32)において、INTデータに「01(H)」を設定する。また、INTデータにおけるビット1は、図柄出制御基板80に表示制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット1が「1」であるならば、表示制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、例えば特別図柄コマンド制御処理(メイン処理のステップS28)において、INTデータに「02(H)」を設定する。
【0231】
INTデータのビット2,3は、それぞれ、ランプ制御コマンド、音制御コマンドを送出すべきか否かを示すビットであり、CPU56は、それらのコマンドを送出すべきタイミングになったら、特別図柄プロセス処理等で、ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。それらのコマンドを送出するときには、INTデータの該当ビットが「1」に設定され、コマンドデータ1およびコマンドデータ2にMODEデータおよびEXTデータが設定される。
【0232】
この実施の形態では、払出制御コマンドについて、図36(C)に示すように、リングバッファおよび送信バッファが用意されている。そして、賞球処理において、賞球払出条件が成立すると、成立した条件に応じた賞球個数が順次リングバッファに設定される。また、賞球個数に関する払出制御コマンド送出する際に、リングバッファから1個のデータが送信バッファに転送される。なお、図36(C)に示す例では、リングバッファには、12個分の払出制御コマンドに相当するデータが格納可能になっている。すなわち、12個のバッファがある。なお、リングバッファにおけるバッファの数は、賞球を発生させる入賞口の数に対応した数であればよい。同時入賞が発生した場合でも、それぞれの入賞にもとづく払出制御コマンドのデータの格納が可能だからである。
【0233】
図37は、主基板31から他の電気部品制御基板に送出される制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。このように、電気部品制御基板へのコマンドとなる制御コマンドは、複数のデータで構成され、先頭ビットによってそれぞれを区別可能な態様になっている。なお、図37に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。また、図37では払出制御基板37に送出される払出制御コマンドを例示するが、他の電気部品制御基板に送出される制御コマンドも同一構成である。
【0234】
図38は、各電気部品制御手段に対する制御コマンドを構成する8ビットの制御信号CD0〜CD7とINT信号との関係を示すタイミング図である。図38に示すように、MODEまたはEXTのデータが出力ポート(出力ポート1〜出力ポート4のうちのいずれか)に出力されてから、Aで示される期間が経過すると、CPU56は、データ出力を示す信号であるINT信号をハイレベル(オンデータ)にする。また、そこからBで示される期間が経過するとINT信号をローレベル(オフデータ)にする。さらに、次に送出すべきデータがある場合には、すなわち、MODEデータ送出後では、Cで示される期間をおいてから2バイト目のデータを出力ポートに送出する。2バイト目のデータに関して、A,Bの期間は、1バイト目の場合と同様である。このように、取込信号はMODEおよびEXTのデータのそれぞれについて出力される。
【0235】
Aの期間は、CPU56が、コマンドの送出準備の期間すなわちバッファに送出コマンドを設定する処理に要する期間であるとともに、制御信号線におけるデータの安定化のための期間である。すなわち、制御信号線において制御信号CD0〜CD7が出力された後、所定期間(Aの期間:オフ出力期間の一部)経過後に、取込信号としてのINT信号が出力される。また、Bの期間(オン出力期間)は、INT信号安定化のための期間である。そして、Cの期間(オフ出力期間の一部)は、電気部品制御手段が確実にデータを取り込めるように設定されている期間である。B,Cの期間では、信号線上のデータは変化しない。すなわち、B,Cの期間が経過するまでデータ出力が維持される。
【0236】
この実施の形態では、払出制御基板37への払出制御コマンド、図柄制御基板80への表示制御コマンド、ランプ制御基板35へのランプ制御コマンドおよび音制御基板70への音制御コマンドは、同一のコマンド送信処理ルーチン(共通モジュール)を用いて送出される。そこで、B,Cの期間すなわち1バイト目に関するINT信号が立ち上がってから2バイト目のデータが送出開始されるまでの期間は、コマンド受信処理に最も時間がかかる電気部品制御手段における受信処理時間よりも長くなるように設定される。
【0237】
なお、各電気部品制御手段は、INT信号が立ち上がったことを検知して、例えば割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0238】
B,Cの期間が、コマンド受信処理に最も時間がかかる電気部品制御手段における受信処理時間よりも長いので、遊技制御手段が、各電気部品制御手段に対するコマンド送出処理を共通モジュールで制御しても、いずれの電気部品制御手段でも遊技制御手段からの制御コマンドを確実に受信することができる。
【0239】
CPU56は、INT信号出力処理を実行した後に所定期間が経過すると次のデータを送出できる状態になるが、その所定期間(B,Cの期間)は、INT信号出力処理の前にデータを送出してからINT信号を出力開始するまでの期間(Aの期間)よりも長い。上述したように、Aの期間はコマンドの信号線における安定化期間であり、B,Cの期間は受信側がデータを取り込むのに要する時間を確保するための期間である。従って、Aの期間をB,Cの期間よりも短くすることによって、受信側の電気部品制御手段が確実にコマンドを受信できる状態になるという効果を得ることができるとともに、1つのコマンドの送出完了に要する期間が短縮される効果もある。
【0240】
図39は、払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。本例では、払出制御を実行するために、複数種類の払出制御コマンドが用いられる。図39に示された例において、MODE=FF(H),EXT=00(H)のコマンドFF00(H)は、払出が可能であることを指示する払出制御コマンド(払出可能状態指定コマンド)である。MODE=FF(H),EXT=01(H)のコマンドFF01(H)は、払出を停止すべき状態であることを指示する払出制御コマンド(払出停止状態指定コマンド)である。また、MODE=F0(H)のコマンドF0XX(H)は、賞球個数を指定する払出制御コマンド(払出個数指定コマンド)である。EXTである「XX」が払出個数を示す。
【0241】
払出制御手段は、主基板31の遊技制御手段からFF01(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸しを停止する状態となり、FF00(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および球貸しができる状態になる。また、賞球個数を指定する払出制御コマンドを受信すると、受信したコマンドで指定された個数に応じた賞球払出制御を行う。
【0242】
なお、払出制御コマンドは、払出制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、この例では、払出制御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じてINT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
【0243】
各電気部品制御基板への制御コマンドを、対応する出力ポート(出力ポート1〜4)に出力する際に、出力ポート0のビット0〜3のうちのいずれかのビットが所定期間「1」(ハイレベル)になるのであるが、INTデータにおけるビット配列と出力ポート0におけるビット配列とは対応している。従って、各電気部品制御基板に制御コマンドを送出する際に、INTデータにもとづいて、容易にINT信号の出力を行うことができる。
【0244】
図40は、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図40に示す例において、コマンド8000(H)〜80XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンドは変動開始指示も兼ねている。
【0245】
コマンド8F00(H)および8F01(H)は、電源投入時に送出される特別図柄電源投入時指定コマンドおよび普通図柄電源投入時指定コマンドである。なお、普通図柄電源投入時指定コマンドは、表示制御手段が普通図柄変動制御を行う場合に用いられ、普通図柄表示器10がランプ制御手段で制御される場合には、図柄制御基板80には送出されない。表示制御手段は、特別図柄電源投入時指定コマンドを受信すると、初期表示を行う制御を開始する。
【0246】
コマンド91XX(H)、92XX(H)および93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンド(確定コマンド)である。
【0247】
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。コマンドB300(H)は、大当り遊技中において、所定のタイミングで所定の回数(例えば各ラウンド間に大当り図柄が表示されるようなタイミングで、ラウンド数−1回)送出されるコマンドであり、大当り図柄の表示を指定する表示制御コマンド(大当り図柄表示コマンド)である。また、コマンドCXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する表示制御コマンドである。そして、コマンドD000(H)〜D400(H)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。
【0248】
図柄制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図40に示された内容に応じて可変表示装置9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する。
【0249】
図41は、遊技の制御を行う主基板31からランプ制御基板35に送出されるランプ制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。ランプ制御コマンドもMODEとEXTの2バイト構成である。図41に示す例において、コマンド80XX(X=4ビットの任意の値)は、可変表示装置9における特別図柄の変動パターンに対応したランプ・LED表示制御パターンを指定するランプ制御コマンドである。また、図示はしないが、コマンドA0XX(H)は、特別図柄の可変表示の停止時のランプ・LED表示制御パターンを指示するランプ制御コマンドであり、コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間のランプ・LED表示制御パターンを指示するランプ制御コマンドである。そして、コマンド9001(H)は、客待ちデモンストレーション時のランプ・LED表示制御パターンを指示するランプ制御コマンドである。
【0250】
なお、コマンド8XXX(H)、9XXX(H),AXXX(H)、BXXX(H)およびCXXX(H)は、遊技進行状況に応じて遊技制御手段から送出されるランプ制御コマンドである。ランプ制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述したランプ制御コマンドを受信すると図41に示された内容に応じてランプ・LEDの表示状態を変更する。なお、コマンド8XXX(H)、9XXX(H),AXXX(H)、BXXX(H)およびCXXX(H)は、表示制御コマンドや音声制御コマンドと例えば共通の制御状態において共通に用いられる。
【0251】
コマンドE1XX(H)は、始動記憶表示器18の点灯個数を示すランプ制御コマンドである。例えば、ランプ制御手段は、始動記憶表示器18における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。また、コマンドE0XX(H)は、普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示すランプ制御コマンドである。例えば、ランプ制御手段は、普通図柄始動記憶表示器41における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。すなわち、それらのコマンドは、保留個数という情報を報知するために設けられている発光体の制御を指示するコマンドである。なお、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数に関するコマンドが点灯個数の増減を示すように構成されていてもよい。
【0252】
コマンドE200(H)およびE201(H)は、賞球ランプ51の表示状態に関するランプ制御コマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、球切れランプ52の表示状態に関するランプ制御コマンドである。ランプ制御手段は、主基板31の遊技制御手段から「E201(H)」のランプ制御コマンドを受信すると賞球ランプ51の表示状態を賞球残がある場合としてあらかじめ定められた表示状態とし、「E200(H)」のランプ制御コマンドを受信すると賞球ランプ51の表示状態を賞球残がない場合としてあらかじめ定められた表示状態とする。また、主基板31の遊技制御手段から「E300(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球あり中の表示状態とし、「E301(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球切れ中の表示状態とする。すなわち、コマンドE200およびE201(H)は、未賞球の遊技球があることを遊技者等に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、補給球が切れていることを遊技者や遊技店員に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドである。
【0253】
図42は、遊技を制御する主基板31から音声制御基板70に送出される音声制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。音声制御コマンドもMODEとEXTの2バイト構成である。図42に示す例において、コマンド80XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、特別図柄の変動期間における音発生パターンを指定する音声制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間における音発生パターンを指定する音声制御コマンドである。その他のコマンドは、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない音声制御コマンドである。音声制御基板70の音声制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した音声制御コマンドを受信すると図42に示された内容に応じて音声出力状態を変更する。
【0254】
図43は、コマンドセット処理(ステップS205,S209,S251)の処理例を示すフローチャートである。コマンドセット処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。コマンドセット処理において、CPU56は、まず、コマンド送信テーブルのアドレス(送信信号指示手段としてのポインタの内容)をスタック等に退避する(ステップS331)。そして、ポインタが指していたコマンド送信テーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップS332)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指すアドレスを+1する(ステップS333)。従って、コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデータ1のアドレスに一致する。
【0255】
そこで、CPU56は、コマンドデータ1を読み出して引数2に設定する(ステップS334)。引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS335)。
【0256】
図44は、コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである。コマンド送信処理ルーチンにおいて、CPU56は、まず、引数1に設定されているデータすなわちINTデータを、比較値として決められているワークエリアに設定する(ステップS351)。次いで、送信回数=4を、処理数として決められているワークエリアに設定する(ステップS352)。そして、払出制御信号を出力するためのポート1のアドレスをIOアドレスにセットする(ステップS353)。この実施の形態では、ポート1のアドレスは、払出制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。また、ポート2〜4のアドレスが、表示制御信号、ランプ制御信号、音声制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。
【0257】
次に、CPU56は、比較値を1ビット右にシフトする(ステップS354)。シフト処理の結果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステップS355)。キャリービットが1になったということは、INTデータにおける最も右側のビットが「1」であったことを意味する。この実施の形態では4回のシフト処理が行われるのであるが、例えば、払出制御コマンドを送出すべきことが指定されているときには、最初のシフト処理でキャリービットが1になる。
【0258】
キャリービットが1になった場合には、引数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスとして設定されているアドレスに出力する(ステップS356)。最初のシフト処理が行われたときにはIOアドレスにポート1のアドレスが設定されているので、そのときに、払出制御コマンドのMODEデータがポート1に出力される。
【0259】
次いで、CPU56は、IOアドレスを1加算するとともに(ステップS357)、処理数を1減算する(ステップS358)。加算前にポート1を示していた場合には、IOアドレスに対する加算処理によって、IOアドレスにはポート2のアドレスが設定される。ポート2は、表示制御コマンドを出力するためのポートである。そして、CPU56は、処理数の値を確認し(ステップS359)、値が0になっていなければ、ステップS354に戻る。ステップS354で再度シフト処理が行われる。
【0260】
2回目のシフト処理ではINTデータにおけるビット1の値が押し出され、ビット1の値に応じてキャリーフラグが「1」または「0」になる。従って、表示制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。同様に、3回目および4回目のシフト処理によって、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。このように、それぞれのシフト処理が行われるときに、IOアドレスには、シフト処理によってチェックされる制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に対応したIOアドレスが設定されている。
【0261】
よって、キャリーフラグが「1」になったときには、対応する出力ポート(ポート1〜ポート4)に制御コマンドが送出される。すなわち、1つの共通モジュールで、各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出処理を行うことができる。
【0262】
また、このように、シフト処理のみによってどの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきかが判定されるので、いずれの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきか判定する処理が簡略化されている。
【0263】
次に、CPU56は、シフト処理開始前のINTデータが格納されている引数1の内容を読み出し(ステップS360)、読み出したデータをポート0に出力する(ステップS361)。この実施の形態では、ポート0のアドレスは、各制御信号についてのINT信号を出力するためのポートであり、ポート0のビット0〜4が、それぞれ、払出制御INT信号、表示制御INT信号、ランプ制御INT信号、音制御INT信号を出力するためのポートである。INTデータでは、ステップS351〜S359の処理で出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に応じたINT信号の出力ビットに対応したビットが「1」になっている。従って、ポート1〜ポート4のいずれかに出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に対応したINT信号がハイレベルになる。
【0264】
次いで、CPU56は、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS363,S364)。この処理は、図38に示されたBの期間を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると、クリアデータ(00)を設定して(ステップS365)、そのデータをポート0に出力する(ステップS366)。よって、INT信号はローレベルになる。そして、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS368,S369)。この処理は、図38に示されたCの期間を設定するための処理である。ただし、実際のCの期間は、ステップS367〜S369で作成される時間に、その後の処理時間(この時点でMODEデータが出力されている場合にはEXTデータを出力するまでに要する制御にかかる時間)が加算された期間となる。このように、Cの期間が設定されることによって、連続してコマンドが送出される場合であっても、一のコマンドの出力完了後、次にコマンドの送出が開始されるまでに所定期間がおかれることになり、コマンドを受信する電気部品制御手段の側で、容易に連続するコマンドの区切りを識別することができ、各コマンドは確実に受信される。
【0265】
従って、ステップS367でウェイトカウンタに設定される値は、Cの期間が、制御コマンド受信対象となる全ての電気部品制御手段が確実にコマンド受信処理を行うのに十分な期間になるような値である。また、ウェイトカウンタに設定される値は、Cの期間が、ステップS357〜S359の処理に要する時間(Aの期間に相当)よりも長くなるような値である。なお、Aの期間をより長くしたい場合には、Aの期間を作成するためのウェイト処理(例えば、ウェイトカウンタに所定値を設定し、ウェイトカウンタの値が0になるまで減算を行う処理)を行う。
【0266】
以上のようにして、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが送出される。そこで、CPU56は、図43に示すステップS336で、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する。従って、3バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。CPU56は、指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロードする(ステップS337)。また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS339)。0でなければ、送信バッファの内容を引数2にロードする(ステップS341)。なお、ワークエリア参照ビットの値が「1」であるときに拡張データを使用するように構成されている場合には、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する。そして、そのアドレスが指すエリアのデータを引数2にロードする。
【0267】
送信バッファには賞球個数を特定可能なデータが設定されているので、引数2にそのデータが設定される。なお、ワークエリア参照ビットの値が「1」であるときに拡張データを使用するように構成されている場合には、コマンド拡張データアドレステーブルには、電気部品制御手段に送出されうるEXTデータが順次設定される。よって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引数2にロードされる。
【0268】
次に、CPU56は、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS342)。従って、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。
【0269】
以上のようにして、2バイト構成の制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)が、対応する電気部品制御手段に送信される。電気部品制御手段ではINT信号の立ち上がりを検出すると制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、いずれの電気部品制御手段についても、取り込み処理が完了する前に遊技制御手段からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、各電気部品制御手段において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、各電気部品制御手段は、INT信号の立ち下がりで制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、INT信号の極性を図33に示された場合と逆にしてもよい。
【0270】
また、この実施の形態では、賞球処理において、賞球払出条件が成立すると賞球個数を特定可能なデータが、同時に複数のデータを格納可能なリングバッファに格納され、賞球個数を指定する払出制御コマンドを送出する際に、読出ポインタが指しているリングバッファの領域のデータが送信バッファに転送される。従って、同時に複数の賞球払出条件の成立があっても、それらの条件成立にもとづく賞球個数を特定可能なデータがリングバッファに保存されるので、各条件成立にもとづくコマンド出力処理は問題なく実行される。
【0271】
さらに、この実施の形態では、1回の賞球処理内で払出停止状態指定コマンドまたは払出可能状態指定コマンドと賞球個数を示すコマンドとの双方を送出することができる。すなわち、おおむね、遊技制御処理の繰り返し単位とされている一連の処理(ステップS16aからステップS16pまでの処理)が実行される期間内に、複数のコマンドを送出することができる。また、この実施の形態では、各制御手段への制御コマンド(表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド、払出制御コマンド)毎に、それぞれ複数のリングバッファが用意されているので、例えば、表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドのリングバッファに制御コマンドを特定可能なデータが設定されている場合には、1回のコマンド制御処理で複数の表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドを送出するように構成することも可能である。すなわち、同時に(遊技制御処理の繰り返し周期(一定周期とは限らない)での意味)、複数の制御コマンドを送出することができる。遊技演出の進行上、それらの制御コマンドの送出タイミングは同時に発生するので、このように構成されているのは便利である。ただし、払出制御コマンドは、遊技演出の進行とは無関係に発生するので、一般には、表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドと同時に送出されることはない。
【0272】
図45は、賞球個数減算処理の一例を示すフローチャートである。賞球個数減算処理において、CPU56は、まず、総賞球数格納バッファの格納値をロードする(ステップS381)。そして、格納値が0であるか否か確認する(ステップS382)。0であれば処理を終了する。
【0273】
0でなければ、上述したステップS16bにてスイッチ状態保存領域に保存されている賞球カウントスイッチ用のスイッチタイマをロードし(ステップS383)、ロード値とオン判定値(この場合は「2」)とを比較する(ステップS384)。一致したら(ステップS385)、賞球カウントスイッチ301Aが確かにオンしたとして、すなわち、確かに1個の遊技球が球払出装置97から払い出されたとして、総賞球数格納バッファの格納値を1減算する(ステップS386)。
【0274】
また、賞球情報カウンタの値を+1する(ステップS387)。そして、賞球情報カウンタの値が10以上であれば(ステップS388)、賞球情報出力カウンタの値を+1するとともに(ステップS389)、賞球情報カウンタの値を−10する(ステップS390)。なお、賞球情報出力カウンタの値は、図16に示された遊技制御処理における情報出力処理(ステップS16m)で参照され、その値が1以上であれば、賞球信号として1パルスが出力される。よって、この実施の形態では、10個の遊技球が賞球として払い出される度に、1つの賞球信号が遊技機外部に出力される。
【0275】
そして、総賞球数格納バッファの格納値が0になったら(ステップS391)、賞球払出中フラグをクリアし(ステップS392)、賞球残数がないことを報知するために、ランプ制御コマンド用のコマンド送信テーブルに賞球ランプ51の消灯を示すコマンドデータを設定した後(ステップS393)、ランプ制御コマンドの送出処理を実行する(ステップS394)。
【0276】
次に、遊技制御手段以外の電気部品制御手段の例として、払出制御手段について説明する。
【0277】
図46は、払出制御用CPU371周りの一構成例を示すブロック図である。図46に示すように、電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)からの電源断信号が、バッファ回路960を介して払出制御用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。従って、払出制御用CPU371は、マスク不能割込処理によって遊技機への電力供給停止の発生を確認することができる。
【0278】
払出制御用CPU371のCLK/TRG2端子には、主基板31からのINT信号が接続されている。CLK/TRG2端子にクロック信号が入力されると、払出制御用CPU371に内蔵されているタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値がダウンカウントされる。そして、レジスタ値が0になると割込が発生する。従って、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2の初期値を「1」に設定しておけば、INT信号の入力に応じて割込が発生することになる。
【0279】
払出制御基板37には、システムリセット回路975も搭載されているが、この実施の形態では、システムリセット回路975におけるリセットIC976は、電源投入時に、外付けのコンデンサに容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。また、リセットIC976は、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(例えば+9V)以下になると出力をローレベルにする。従って、遊技機への電力供給停止時には、リセットIC976からの信号がローレベルになることによって払出制御用CPU371がシステムリセットされる。
【0280】
リセットIC976が電力供給停止を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、払出制御用CPU371が暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、リセットIC976が、払出制御用CPU371が必要とする電圧(この例では+5V)よりも高い電圧を監視するように構成されているので、払出制御用CPU371が必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。なお、システムリセット回路975は、第2の電源監視手段に相当する。
【0281】
+5V電源から電力が供給されていない間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバックアップ端子に接続されることによってバックアップされ、停電等の遊技機に対する電力供給停止が発生しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路975からリセット信号が発せられるので、払出制御用CPU371は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップされているので、停電等からの復旧時には停電発生時の払出制御状態に復旧させることができる。
【0282】
なお、図46に示された構成では、システムリセット回路975は、電源投入時に、コンデンサの容量で決まる期間のローレベルを出力し、その後ハイレベルを出力する。すなわち、リセット解除タイミングは1回だけである。しかし、図12に示された主基板31の場合と同様に、複数回のリセット解除タイミングが発生するような回路構成を用いてもよい。
【0283】
図47は、この実施の形態における入力ポートのビット割り当てを示す説明図である。図47に示すように、入力ポートA(アドレス06H)は、主基板31から送出された払出制御コマンドの8ビットの払出制御信号を取り込むための入力ポートである。また、入力ポートB(アドレス07H)のビット0〜1には、それぞれ、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号が入力される。ビット2〜5には、カードユニット50からのBRDY信号、BRQ信号、VL信号およびクリアスイッチ921の検出信号が入力される。
【0284】
図48は、払出制御手段(払出制御用CPU371およびROM,RAM等の周辺回路)のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用CPU371は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。
【0285】
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0286】
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、スイッチ入力処理およびタイマ更新処理が実行される。
【0287】
また、内蔵CTCのうちの他の一つのチャネル(この実施の形態ではチャネル2)が、遊技制御手段からの払出制御コマンド受信のための割込発生用のチャネルとして用いられ、そのチャネルがカウンタモードで使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをカウンタモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。
【0288】
カウンタモードに設定されたチャネル(チャネル2)に設定される割込ベクタは、後述するコマンド受信割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでコマンド受信割込処理の先頭アドレスが特定される。
【0289】
この実施の形態では、払出制御用CPU371でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
【0290】
CTCのチャネル2(CH2)のカウントアップにもとづく割込は、上述したタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生する割込である。従って、例えばステップS705において、特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタCLK/TRG2に初期値「1」が設定される。さらに、CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりまたは立ち下がりで特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるのであるが、所定の特定レジスタの設定によって、立ち上がり/立ち下がりの選択を行うことができる。この実施の形態では、CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりで、タイマカウンタレジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるような設定が行われる。
【0291】
また、CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、後述する2msタイマ割込として用いられる。具体的には、CPU371の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/256周期で減算される。分周したクロックにもとづいて減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくならない。ステップS705において、CH3のレジスタには、初期値として2msに相当する値が設定される。
【0292】
CTCのCH2のカウントアップにもとづく割込は、CH3のカウントアップにもとづく割込よりも優先順位が高い。従って、同時にカウントアップが生じた場合に、CH2のカウントアップにもとづく割込、すなわち、コマンド受信割込処理の実行契機となる割込の方が優先される。
【0293】
次いで、払出制御用CPU371は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS707)。その確認においてオンを検出した場合には、払出制御用CPU371は、通常の初期化処理を実行する(ステップS711〜ステップS713)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート372では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、払出制御手段においては、ステップS707の判定を行わなくてもよい。
【0294】
なお、払出制御用CPU371も、主基板31のCPU56と同様に、スイッチの検出信号のオン判定を行う場合には、例えば、オン状態が少なくとも2ms(2ms毎に起動される処理の1回目の処理における検出直前に検出信号がオンした場合)継続しないとスイッチオンとは見なさないが、クリアスイッチ921のオン検出の場合には、1回のオン判定でオン/オフが判定される。すなわち、操作手段としてのクリアスイッチ921が所定の操作状態であるか否かを払出制御用CPU371が判定するための初期化要求検出判定期間は、遊技媒体検出手段としての賞球カウントスイッチ等が遊技媒体を検出したことを判定するための遊技媒体検出判定期間とは異なる期間とされている。
【0295】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、払出制御用CPU371は、払出制御用のバックアップRAM領域にバックアップデータが存在しているか否かの確認を行う(ステップS708)。例えば、主基板31のCPU56の処理と同様に、遊技機への電力供給停止時にセットされるバックアップフラグがセット状態になっているか否かによって、バックアップデータが存在しているか否か確認する。バックアップフラグがセット状態になっている場合には、バックアップデータありと判断する。
【0296】
バックアップありを確認したら、払出制御用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の停電等の電力供給の停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給の停止時の状態に戻すことができないので、不足の停電等からの復旧時ではなく電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0297】
チェック結果が正常であれば(ステップS709)、払出制御用CPU371は、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う(ステップS710)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアドレスに復帰する。
【0298】
初期化処理では、払出制御用CPU371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS711)。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU371に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS712)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS713)。
【0299】
初期化処理の実行(ステップS711〜S713)が完了すると、メイン処理では、図48に示すように、払出制御処理が繰り返し実行される。払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、割込禁止状態としたあと(ステップS751)、スイッチ状態設定処理(ステップS752)を行う。スイッチ状態設定処理では、後述するスイッチオンカウンタ(本例では、賞球カウントスイッチオンカウンタ、球貸しカウントスイッチオンカウンタ)の記憶内容(入力情報の一例)を、払出制御基板37に搭載されているRAMに設けられているスイッチ状態保存領域にコピーする処理が行われる。また、タイマ状態設定処理(ステップS753)にて、汎用タイマなどの各タイマの値(数値データの一例)を、払出制御基板37に搭載されているRAMに設けられているタイマ状態保存領域にコピーする処理を行う。すなわち、各状態設定処理(ステップS752、ステップS753)では、払出制御基板37に搭載されているRAMの所定の領域にそれぞれ記憶されている現在のスイッチタイマの値および各タイマの値を、それぞれ、払出制御基板37に搭載されているRAMに設けられている別の領域(本例では、スイッチ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域)にコピーする処理が実行される。従って、各状態設定処理(ステップS752、ステップS753)が実行された時点でのスイッチタイマ、およびタイマの状態が、それぞれ、スイッチ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域にコピーされる。各状態設定処理(ステップS752、ステップS753)が終了すると、割込許可状態とされる(ステップS754)。上記のように、本例では、各状態設定処理(ステップS752、ステップS753)が実行されるときには、割込禁止状態とされる。なお、スイッチ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域は、払出制御基板37に搭載されているRAMのバックアップRAM領域に設けられている。
【0300】
払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、スイッチ状態設定領域の保存情報を確認し、入力ポート372bに入力される賞球カウントスイッチ301Aや球貸しカウントスイッチ301B等のスイッチがオンしていた場合には、該当する遊技球の払出個数を減算する(払出個数減算処理:ステップS755)。
【0301】
次に、払出制御用CPU371は、主基板31から払出停止状態指定コマンドを受信していたら払出停止状態に設定し、払出可能状態指定コマンドを受信していたら払出停止状態の解除を行う(払出停止状態設定処理:ステップS756)。また、受信した払出制御コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する(コマンド解析実行処理:ステップS757)。さらに、プリペイドカードユニット制御処理を行う(ステップS758)。
【0302】
次いで、払出制御用CPU371は、球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップS759)。このとき、払出制御用CPU371は、振分ソレノイド310によって球振分部材311を球貸し側に設定する。
【0303】
さらに、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納された個数の賞球を払い出す賞球制御処理を行う(ステップS760)。このとき、払出制御用CPU371は、振分ソレノイド310によって球振分部材311を賞球側に設定する。そして、出力ポート372cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に対して駆動信号を出力し、所定の回転数分払出モータ289を回転させる払出モータ制御処理を行う(ステップS761)。
【0304】
なお、この実施の形態では、払出モータ289としてステッピングモータが用いられ、それらを制御するために1−2相励磁方式が用いられる。従って、具体的には、払出モータ制御処理において、8種類の励磁パターンデータが繰り返し払出モータ289に出力される。また、この実施の形態では、各励磁パターンデータが4msずつ出力される。なお、励磁パターンデータの出力期間の計測は、後述するモータ回転時間タイマと同様にして行なわれる。また、払出モータ289の代わりにソレノイドを用いて遊技球の払い出しを行う場合には、ソレノイドの励磁期間(例えば、1個の遊技球を払い出すためのオン/オフの期間)の計測を後述するモータ回転時間タイマと同様にして行うようにすればよい。
【0305】
次いで、エラー検出処理が行われ、その結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う(エラー処理:ステップS762)。また、遊技機外部に出力される球貸し個数信号を出力する処理等を行う(出力処理:ステップS763)。
【0306】
この実施の形態では、払出制御用CPU371の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、図49に示すタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、払出制御用CPU371は、レジスタの退避処理(ステップS720)を行った後、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ301Bなどのスイッチ(入力状態感知手段の一例)の検出信号を入力してそれらの状態判定を行い、スイッチの検出信号の入力状態を後述するスイッチオンカウンタに記憶する処理を行う(スイッチ入力処理:ステップS721)。
【0307】
次に、遊技機の動作時間を管理するための汎用タイマ(動作タイマ)などの各タイマの値を1加算する(ステップS722)。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS723)、割込許可状態に設定する(ステップS724)。
【0308】
以上の制御によって、この実施の形態では、ステップS721〜ステップS722の処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理でステップS721〜ステップS722の処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、ステップS721〜ステップS722の処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0309】
以上のように、タイマ割込処理で入力状態感知手段の入力状態を示す入力情報を記憶するようにし(ステップS721)、メイン処理で、入力情報を読み出してスイッチ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS752)、スイッチ状態保存領域の保存情報を用いて払出に関わる制御(ステップS755〜ステップS763)を行う構成としたので、一連の払出制御処理が終了しないうちに割込処理が開始されて入力情報が更新されたとしても、払出制御処理に未処理となる部分が残ることを防止することができ、一連の払出制御処理が完了しないことによってもたらされる不都合が解消される。
【0310】
また、タイマ割込処理で動作タイマ(例えば汎用タイマ)を更新して記憶するようにし(ステップS722)、メイン処理で、記憶されている動作タイマの値(数値データ)を読み出してタイマ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS753)、タイマ状態保存領域の保存情報を用いて払出に関わる制御(ステップS755〜ステップS763)を行う構成としたので、動作タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、動作タイマが正確に機能するようになるため、遊技機において実行される各種の動作において、動作上のずれが生じてしまうことが防止される。
【0311】
図50は、ステップS710の払出状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。払出状態復旧処理において、払出制御用CPU371は、まず、スタックポインタの復帰処理を行う(ステップS731)。スタックポインタの値は、後述する電力供給停止時処理において、所定のRAMエリア(電源バックアップされている)に退避している。よって、ステップS731では、そのRAMエリアの値をスタックポインタに設定することによって復帰させる。なお、復帰されたスタックポインタが指す領域(すなわちスタック領域)には、電力供給が停止したときのレジスタ値やプログラムカウンタ(PC)の値が退避している。
【0312】
次いで、払出制御用CPU371は、バックアップフラグをクリアする(ステップS732)すなわち、前回の電力供給停止時に所定の記憶保護処理が実行されたことを示すフラグをリセットする。また、スタック領域から各種レジスタの退避値を読み出して、各種レジスタに設定する(ステップS733)。すなわち、レジスタ復元処理を行う。そして、パリティフラグがオンしていない場合には割込許可状態にする(ステップS734,S735)。最後に、AFレジスタ(アキュミュレータとフラグのレジスタ)をスタック領域から復元する(ステップS736)。
【0313】
そして、RET命令が実行されるのであるが、ここでのリターン先は、払出状態復旧処理をコールした部分ではない。なぜなら、ステップS731においてスタックポインタの復帰処理がなされ、復帰されたスタックポインタが指すスタック領域に格納されているリターンアドレスは、プログラムにおける前回の電力供給停止時にNMIが発生したアドレスである。従って、ステップS736の次のRET命令によって、電力供給停止時にNMIが発生したアドレスにリターンする。すなわち、スタック領域に退避されていたアドレスにもとづいて復旧制御が実行されている。
【0314】
以上の処理によって、バックアップRAM領域に保存されていた各種の情報にもとづいて、払出状態が電源断前の状態に復旧する。本例では、スイッチ状態保存領域およびタイマ状態保存領域が、バックアップRAM領域に設けられているので、電力供給が停止した場合であっても、各状態保存領域に保存されているスイッチオンカウンタの値、およびタイマ値が消失してしまうようなことがなく、これらの情報を用いた払出制御が行われる状態に復旧される。
【0315】
図51は、電源基板910からの電源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理(NMI処理:電力供給停止時処理)の処理例を示すフローチャートである。
【0316】
電力供給停止時処理において、払出制御用CPU371は、AFレジスタを所定のバックアップRAM領域に退避する(ステップS801)。また、割込フラグをパリティフラグにコピーする(ステップS802)。パリティフラグはバックアップRAM領域に形成されている。割込フラグは、割込許可状態であるのか割込禁止状態であるのかを示すフラグであって、払出制御用CPU371が内蔵する制御レジスタ中にある。割込フラグのオン状態が割込禁止状態であることを示す。上述したように、パリティフラグは遊技状態復旧処理で参照される。そして、払出状態復旧処理において、パリティフラグがオン状態であれば、割込許可状態には設定されない。
【0317】
また、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタおよびスタックポインタをバックアップRAM領域に退避する(ステップS804〜808)。
【0318】
次に、バックアップあり指定値(この例では「55H」)をバックアップフラグにストアする。バックアップフラグはバックアップRAM領域に形成されている。次いで、主基板31のCPU56の処理と同様の処理を行ってパリティデータを作成しバックアップRAM領域に保存する(ステップS810〜S819)。そして、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS820)。以後、内蔵RAMのアクセスができなくなる。RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定すると、払出制御用CPU371は、待機状態(ループ状態)に入る。従って、システムリセットされるまで、何もしない状態になる。
【0319】
図52は、払出制御用CPU371が内蔵するRAMの使用例を示す説明図である。この例では、バックアップRAM領域に、総合個数記憶(例えば2バイト)と貸し球個数記憶とがそれぞれ形成されている。総合個数記憶は、主基板31の側から指示された賞球払出個数の総数を記憶するものである。貸し球個数記憶は、未払出の球貸し個数を記憶するものである。なお、バックアップRAM領域には、上記の遊技球の個数に関する情報を記憶する領域に限られず、例えば、後述する払出停止中フラグ、賞球経路エラーフラグなどのエラー状態を示すフラグ、バックアップフラグなどの各種のフラグを記憶する領域や、受信コマンドバッファなどの各種のバッファなどを記憶する領域なども形成されている。また、この例では、スイッチ状態保存領域およびタイマ状態保存領域もバックアップRAM領域に形成されている。また、払出制御処理において用いられるデータが格納されるRAM領域は全て電源バックアップされるようにしてもよい。
【0320】
そして、払出制御用CPU371は、例えば、賞球制御処理(ステップS760)において、遊技制御手段から賞球個数を示す払出制御コマンドを受信すると、指示された個数分だけ総合個数記憶に内容を増加する。また、球貸し制御処理(ステップS759)において、カードユニット50から球貸し要求の信号を受信する毎に1単位(例えば25個)の個数分だけ貸し球個数記憶に内容を増加する。さらに、払出制御用CPU371は、スイッチ入力処理(ステップS721)において賞球カウントスイッチ301Aが1個の賞球払出を検出したことを、払出個数減算処理(ステップS755)においてスイッチ状態保存領域の記憶情報にもとづいて確認すると、総合個数記憶の値を1減らす。また、スイッチ入力処理(ステップS721)において球貸しカウントスイッチ301Bが1個の貸し球払出を検出したことを、払出個数減算処理(ステップS755)においてスイッチ状態保存領域の記憶情報にもとづいて確認すると、貸し球個数記憶の値を1減らす。
【0321】
従って、未払出の賞球個数と貸し球個数とが、所定期間はその内容を保持可能なバックアップRAM領域に記憶されることになる。よって、停電等の不測の電力供給停止が生じても、所定期間内に電力供給が復旧すれば、バックアップRAM領域の記憶内容にもとづいて賞球処理および球貸し処理を再開することができる。すなわち、遊技機への電力供給が停止しても、電力供給が再開すれば、電力供給停止時の未払出の賞球個数と貸し球個数とにもとづいて払い出しが行われ、遊技者に与えられる不利益を低減することができる。
【0322】
図53は、主基板31から受信した払出制御コマンドを格納するための受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の払出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式の受信バッファが用いられる。従って、受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
【0323】
図54は、割込処理による払出制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの払出制御用のINT信号は払出制御用CPU371のCLK/TRG2端子に入力されている。よって、主基板31からのINT信号が立ち上がると、払出制御用CPU371に割込がかかり、図54に示す払出制御コマンドの受信処理が開始される。なお、払出制御用CPU371は、割込が発生すると、ソフトウェアで割込許可にしない限り、マスク可能割込がさらに生ずることはないような構造のCPUである。
【0324】
なお、ここでは払出制御手段のコマンド受信処理について説明するが、表示制御手段、ランプ制御手段および音制御手段でも、同様のコマンド受信処理が実行されている。また、この実施の形態では、CLK/TRG2端子の入力が立ち上がるとタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が−1されるような初期設定を行ったが、すなわち、INT信号の立ち上がりで割込が発生するような初期設定を行ったが、CLK/TRG2端子の入力が立ち下がるとタイマカウンタレジスタCLK/TRG2の値が−1されるような初期設定を行ってもよい。換言すれば、INT信号の立ち下がりで割込が発生するような初期設定を行ってもよい。
【0325】
すなわち、取込信号としてのパルス状(矩形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で割込が発生するように構成すれば、エッジは立ち上がりエッジであっても立ち下がりエッジであってもよい。いずれにせよ、取込信号としてのパルス状(矩形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で割込が発生するように構成される。このようにすることで、コマンドの取込が指示された段階でいち早くコマンド受信を行うことが可能になる。また、Aの期間(図38)が経過するまでINT信号の出力が待機されるので、INT信号の出力時に、制御信号CD0〜CD7のライン上のコマンドデータの出力状態は安定している。よって、払出制御手段において、払出制御コマンドは良好に受信される。
【0326】
払出制御コマンドの受信処理において、払出制御用CPU371は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS850)。次いで、払出制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポート372a(図7参照)からデータを読み込む(ステップS851)。そして、2バイト構成の払出制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS852)。1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である払出制御コマンドのうちのMODEバイト(1バイト目)のはずである(図37参照)。そこで、払出制御用CPU371は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS853)。
【0327】
払出制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS854)。既に受信したか否かは、受信バッファ(受信コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
【0328】
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS855)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である払出制御コマンドのうちのEXTバイト(2バイト目)のはずである(図37参照)。なお、ステップS854における確認結果が1バイト目を既に受信したである場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。なお、ステップS854で「N」と判断された場合には、ステップS856の処理が行われないので、次に受信したコマンドは、今回受信したコマンドが格納されるはずであったバッファ領域に格納される。
【0329】
ステップS855において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS856)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS857)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS858)。その後、退避されていたレジスタを復帰し(ステップS859)、最後に割込許可に設定する(ステップS860)。
【0330】
コマンド受信割込処理中は割込禁止状態になっている。上述したように、2msタイマ割込処理中は割込許可状態になっているので、2msタイマ割込中にコマンド受信割込が発生した場合には、コマンド受信割込処理が優先して実行される。また、コマンド受信割込処理中に2msタイマ割込が発生しても、その割込処理は待たされる。このように、この実施の形態では、主基板31からのコマンド受信処理の処理優先度が高くなっている。また、コマンド受信処理中には他の割込処理が実行されないので、コマンド受信処理に要する最長時間は決まる。コマンド受信処理中に他の割込処理が実行可能であるように構成したのでは、コマンド受信処理に要する最長の時間を見積もることは困難である。コマンド受信処理に要する最長時間が決まるので、遊技制御手段のコマンド送出処理におけるCの期間(図38参照)をどの程度にすればよいのかを正確に判断することができる。
【0331】
また、払出制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。
【0332】
なお、この実施の形態では、コマンド受信割込処理では、受信したコマンドを受信バッファに格納する制御が行われるが、後述する払出停止状態設定処理(図57参照)やコマンド解析実行処理(図58参照)を、コマンド受信割込処理において実行するように構成してもよい。そのように、受信バッファ内のコマンドについて判定するコマンド判定処理までもコマンド受信割込処理において実行する場合には、コマンドの判定も迅速に実行される。
【0333】
図55は、タイマ割込処理におけるステップS721のスイッチ入力処理の一例を示すフローチャートである。スイッチ入力処理は、タイマ割込処理において実効されるため2msに1回実行される。スイッチ入力処理において、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチ301Aがオン状態を示しているか否か確認する(ステップS721a)。オン状態を示していれば、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンカウンタを+1する(ステップS721b)。賞球カウントスイッチオンカウンタは、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。
【0334】
ステップS721aにおいて賞球カウントスイッチ301Aがオン状態でないことが確認されると、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンカウンタをクリアする(ステップS721c)。次いで、球貸しカウントスイッチ301Bがオン状態を示しているか否か確認する(ステップS721d)。オン状態を示していれば、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチオンカウンタを+1する(ステップS721e)。球貸しカウントスイッチオンカウンタは、球貸しカウントスイッチ301Bのオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタである。
【0335】
ステップS721dにおいて球貸しカウントスイッチ301Bがオン状態でないことが確認されると、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッチオンカウンタをクリアする(ステップS721f)。
【0336】
図56は、ステップS755の払出個数減算処理の一例を示すフローチャートである。払出個数減算処理において、払出制御用CPU371は、スイッチ状態保存領域からカウントスイッチオンカウンタ(本例では、賞球カウントスイッチオンカウンタと、球貸しカウントスイッチオンカウンタ)を読み出す。スイッチ状態保存領域には、上述したスイッチ状態設定処理(ステップS752)でカウントスイッチオンカウンタの記憶内容がコピーされている。
【0337】
次いで、払出制御用CPU371は、読み出した賞球カウントスイッチオンカウンタの値をチェックし(ステップS755b)、その値が2になっていれば、1個の賞球の払出が行われたと判断する。1個の賞球の払出が行われたと判断した場合には、払出制御用CPU371は、賞球未払出カウンタ(総合個数記憶に格納されている賞球個数)を−1する(ステップS755c)。
【0338】
また、払出制御用CPU371は、読み出した球貸しカウントスイッチオンカウンタの値をチェックし(ステップS755d)、その値が2になっていれば、1個の貸し球の払出が行われたと判断する。1個の貸し球の払出が行われたと判断した場合には、払出制御用CPU371は、貸し球未払出個数カウンタ(貸し球個数記憶に格納されている貸し球数)を−1する(ステップS755e)。
【0339】
図57は、ステップS756の払出停止状態設定処理の一例を示すフローチャートである。払出停止状態設定処理において、払出制御用CPU371は、受信バッファ中に受信コマンドがあるか否かの確認を行う(ステップS756a)。受信バッファ中に受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが払出停止状態指定コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS756b)。払出停止状態指定コマンドであれば、払出制御用CPU371は、払出停止状態に設定する(ステップS756c)。
【0340】
ステップS756bで受信コマンドが払出停止状態指定コマンドでないことを確認すると、受信した払出制御コマンドが払出可能状態指定コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS756d)。払出可能状態指定コマンドであれば、払出停止状態を解除する(ステップS756e)。
【0341】
なお、払出停止状態に設定するときには、例えば払出モータ289の駆動が停止されるとともに払出停止中であることを示す内部フラグ(払出停止中フラグ)がセットされる。また、払出停止状態を解除するときには、払出モータ289の駆動が再開されるとともに、払出停止中フラグがリセットされる。すなわち、ステップS756cでは、払い出しが禁止された状態であることを示すデータ(セットされた払出停止中フラグ)を所定の記憶領域に記憶する処理が実行されており、ステップS756eでは、払い出しが許可された状態であることを示すデータ(リセットされた払出停止中フラグ)を所定の記憶領域に記憶する処理が実行されている。
【0342】
払出停止中フラグは、例えばバックアップRAM領域に格納されている。払出停止中フラグは、例えばD0〜D7の各ビットから成る1バイト構成とされる。この場合、例えば、D0が「1」であれば払出停止状態が設定されている状態を示し、D1が「1」であれば払出停止状態が解除されている状態を示すようにすればよい。また、D2は、例えば、払出停止状態が解除されたあとの復帰待ち状態であることを示すために用いられる。なお、D3〜D7は、未使用領域とされる。
【0343】
図58は、ステップS757のコマンド解析実行処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析実行処理において、払出制御用CPU371は、受信バッファに受信コマンドがあるか否かの確認を行う(ステップS757a)。受信コマンドがあれば、受信した払出制御コマンドが賞球個数を指定するための払出制御コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS757b)。なお、払出制御用CPU371は、コマンド指示手段としての読出ポインタが指す受信バッファ中のアドレスに格納されている受信コマンドについてステップS757bの判断を行う。また、その判断後、読出ポインタの値は+1される。読出ポインタが指すアドレスが受信コマンドバッファ12(図53参照)のアドレスを越えた場合には、読出ポインタの値は、受信コマンドバッファ1を指すように更新される。
【0344】
受信した払出制御コマンドが賞球個数を指定するための払出制御コマンドであれば、払出制御コマンドで指示された個数を総合個数記憶に加算する(ステップS757c)。すなわち、払出制御用CPU371は、主基板31のCPU56から送られた払出制御コマンドに含まれる賞球個数をバックアップRAM領域(総合個数記憶)に記憶する。
【0345】
なお、払出制御用CPU371は、必要ならば、コマンド受信個数カウンタの減算や受信バッファにおける受信コマンドシフト処理を行う。また、払出停止状態設定処理およびコマンド解析実行処理が、読出ポインタの値と受信バッファにおける最新コマンド格納位置とが一致するまで繰り返すように構成されていてもよい。例えば、読出ポインタの値と受信バッファにおける最新コマンド格納位置との差が「3」であれば未処理の受信済みコマンドが3つあることになるが、一致するまで繰り返し処理が実行されることによって、未処理の受信済みコマンドがなくなる。すなわち、受信バッファに格納されている受信済みコマンドが、一度の処理で、全て読み出されて処理される。
【0346】
図59は、ステップS758のプリペイドカードユニット制御処理の一例を示すフローチャートである。プリペイドカードユニット制御処理において、払出制御用CPU371は、カードユニット制御用マイクロコンピュータより入力されるVL信号を検知したか否かを確認する(ステップS758a)。VL信号を検知していなければ、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出する(ステップS758b)。VL信号非検知タイマの設定がなされていない場合には(ステップS758cのN)、抽出した汎用タイマの値に非接続状態判定時間を加算した値(非接続状態判定値)を算出する(ステップS758d)。非接続状態判定時間は、VL信号の非検知状態が継続している時間であって、非接続状態であると判断される所定の時間である。本例では、非接続状態判定時間は250msとされる。そして、算出した非接続状態判定値を払出制御基板37が備えるRAMの所定の領域に保存する(ステップS758e)。非接続状態判定値が保存されることで、VL信号非検知タイマの設定がなされる。
【0347】
VL信号非検知タイマの設定が既になされている場合には(ステップS758cのY)、払出制御用CPU371は、抽出した汎用タイマの値と、設定されている非接続状態判定値とが一致するか否か確認する(ステップS758f)。一致していれば、VL信号非検知タイマがタイムアウトしたものとして、発射制御基板91への発射制御信号出力を停止し、駆動モータ94を停止させる(ステップS758g)。以上の処理によって、250ms(=2ms×125)継続してVL信号のオフが検出されたら、球発射禁止状態に設定されることになる。本例では、上記のように、汎用タイマは、プリペイドカードユニットが非接続状態であるか否かを判定するためにも用いられ、VL信号の非検知期間を計測するVL信号非検知タイマの役割を果たす。
【0348】
ステップS755aにおいてVL信号を検知していれば、払出制御用CPU371は、VL信号非検知タイマをクリアする(ステップS758h)。具体的には、非接続状態判定値が設定されていれば、その値をクリアする処理を行う。そして、払出制御用CPU371は、発射制御信号出力を停止していれば(ステップS758i)、発射制御基板91への発射制御信号出力を開始して駆動モータ94を動作可能状態にする(ステップS758j)。
【0349】
図60および図61は、ステップS759の球貸し制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、連続的な払出数の最大値を貸し球の一単位(例えば25個)とするが、連続的な払出数の最大値は他の数であってもよい。
【0350】
球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、球貸し停止中であるか否かを確認する(ステップS510)。停止中であれば、処理を終了する。なお、球貸し停止中であるか否かは、図57に示された払出停止状態設定処理において設定される払出停止中フラグがオンしているか否かによって確認される。
【0351】
球貸し停止中でなければ、払出制御用CPU371は、貸し球払出中であるか否かの確認を行い(ステップS511)、貸し球払出中であれば図61に示す球貸し中の処理に移行する。なお、貸し球払出中であるか否かは、後述する球貸し処理中フラグの状態によって判断される。貸し球払出中でなければ、賞球の払出中であるか否か確認する(ステップS512)。賞球の払出中であるか否は、後述する賞球処理中フラグの状態によって判断される。
【0352】
貸し球払出中でも賞球払出中でもなければ、払出制御用CPU371は、カードユニット50から球貸し要求があったか否かを確認する(ステップS513)。球貸し要求があったか否かの確認は、本例は、スイッチ状態保存領域に保存されているBRQ信号の状態を確認することで行われる。具体的には、タイマ割込処理のスイッチ入力処理(ステップS721)において、BRQ信号の状態が確認されて払出制御基板37が備えるRAMの所定の領域に保存される。そして、メイン処理のスイッチ状態設定処理(ステップS752)において、スイッチ入力処理で保存されたBRQ信号の状態を示す情報がスイッチ状態保存領域にコピーされている。ステップS513では、上記のようにしてスイッチ状態保存領域に保存されたBRQ信号の状態を確認し、BRQ信号がオン状態となっていれば、カードユニット50からの球貸し要求があったもの判定する。なお、厳密には、スイッチ状態保存領域に保存されたBRQ信号の状態により、BRQ信号の立ち上がりが検出された場合に、球貸し要求があったものと判定される。
【0353】
球貸し要求があれば、球貸し処理中フラグをオンするとともに(ステップS514)、25(球貸し一単位数:ここでは100円分)をバックアップRAM領域の貸し球個数記憶に設定する(ステップS515)。そして、払出制御用CPU371は、EXS信号をオンする(ステップS516)。また、球払出装置97の下方の球振分部材311を球貸し側に設定するために振分用ソレノイド310を駆動する(ステップS517)。なお、払出モータ289をオンするのは、厳密には、カードユニット50が受付を認識したことを示すためにBRQ信号をオフ状態にしてからである。また、球貸し処理中フラグはバックアップRAM領域に設定される。
【0354】
次いで、払出制御用CPU371は、25個の遊技球を払い出すためのモータ回転時間を計測するための、モータ回転時間タイマの設定を行う(ステップS518)。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値にモータ回転時間を加算した値(回転終了判定値)を算出する。そして、算出した回転終了判定値を払出制御基板37が備えるRAMの所定の領域に保存する。このようにして回転終了判定値が保存されることで、モータ回転時間タイマの設定がなされる。モータ回転時間タイマを設定すると、払出モータ289をオンして(ステップS519)、図61に示す球貸し中の処理に移行する。
【0355】
図61は、払出制御用CPU371による払出制御処理における球貸し中の処理を示すフローチャートである。球貸し処理では、払出モータ289がオンしていなければオンする。なお、この実施の形態では、ステップS721のスイッチ入力処理およびステップS755の払出個数減算処理で、球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号による遊技球の払出がなされたか否かの確認などを行うので、球貸し制御処理では貸し球個数記憶の減算などは行われない。
【0356】
球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、貸し球通過待ち時間中であるか否かの確認を行う(ステップS520)。貸し球通過待ち時間中でなければ、貸し球の払出を行い(ステップS521)、払出モータ289の駆動を終了すべきか(一単位の払出動作が終了したか)否かの確認を行う(ステップS522)。この所定個数の払出に対応した回転が完了したか否かの確認は、モータ回転時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認することで行われる。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値と、設定されている回転終了判定値とが一致するか否か確認する。そして、一致していれば、モータ回転時間タイマがタイムアウトしたものと判定する。なお、モータ回転時間タイマがタイムアウトしたら、回転終了判定値をクリアしておく。上記のように、本例では、汎用タイマは、払出モータ289の駆動を終了すべきか否かを判定するためにも用いられており、払出モータ289の回転時間を計測するモータ回転時間タイマの役割をも果たしている。
【0357】
所定個数の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用CPU371は、払出モータ289の駆動を停止し(ステップS523)、貸し球通過待ち時間の設定を行う(ステップS524)。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値に貸し球通過待ち時間を加算した値(通過待ち終了判定値)を算出する。そして、算出した通過待ち終了判定値を払出制御基板37が備えるRAMの所定の領域に保存する。このようにして通過待ち終了判定値が保存されることで貸し球通過待ち時間タイマの設定がなされ、貸し球通過待ち時間が設定されたことになる。なお、貸し球通過待ち時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから球貸しカウントスイッチ301Bを通過するまでの時間である。
【0358】
ステップS520で貸し球通過待ち時間中(貸し球通過待ち時間タイマが設定されている状態)であれば、払出制御用CPU371は、貸し球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行う(ステップS525)。貸し球通過待ち時間が終了したか否かの確認は、貸し球通過待ち時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認することで行われる。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値と、設定されている通過待ち終了判定値とが一致するか否か確認する。そして、一致していれば、貸し球通過待ち時間タイマがタイムアウトして貸し球通過待ち時間が終了したものと判定する。なお、貸し球通過待ち時間タイマがタイムアウトしたら、通過待ち終了判定値をクリアしておく。上記のように、本例では、汎用タイマは、貸し球通過待ち時間が終了したか否かを判定するためにも用いられており、貸し球通過待ち時間を計測する貸し球通過待ち時間タイマの役割をも果たしている。
【0359】
貸し球通過待ち時間の終了を確認すると、一単位の貸し球は全て払い出された状態であるので、カードユニット50に対して次の球貸し要求の受付が可能になったことを示すためにEXS信号をオフにする(ステップS526)。また、振分ソレノイドをオフするとともに(ステップS527)、球貸し処理中フラグをオフする(ステップS528)。なお、貸し球通過待ち時間が経過するまでに最後の払出球が球貸しカウントスイッチ301Bを通過しなかった場合には、球貸し経路エラーとされる。また、この実施の形態では、賞球も球貸しも同じ払出装置で行われる。
【0360】
なお、球貸し要求の受付を示すEXS信号をオフにした後、所定期間内に再び球貸し要求信号であるBRQ信号がオンしたことを確認した場合には、振分ソレノイドおよび払出モータをオフせずに球貸し処理を続行するようにしてもよい。すなわち、所定単位(この例では100円単位)毎に球貸し処理を行うのではなく、球貸し処理を連続して実行するように構成することもできる。
【0361】
貸し球個数記憶の内容は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。従って、所定期間中に電力供給が復旧すると、払出制御用CPU371は、貸し球個数記憶の内容にもとづいて球貸し処理を継続することができる。
【0362】
図62および図63は、ステップS760の賞球制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、この例では、連続的な払出数の最大値を貸し球の一単位と同数(例えば25個)とするが、連続的な払出数の最大値は他の数であってもよい。
【0363】
賞球制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、賞球停止中であるか否かを確認する(ステップS530)。停止中であれば、処理を終了する。なお、賞球停止中であるか否かは、図57に示された払出停止状態設定処理において設定される払出停止中フラグがオンしているか否かによって確認される。
【0364】
賞球停止中でなければ、払出制御用CPU371は、貸し球払出中であるか否かの確認を行い(ステップS531)、貸し球払出中であれば処理を終了する。なお、貸し球払出中であるか否かは、球貸し処理中フラグの状態によって判断される。貸し球払出中でなければ、既に賞球払出処理が開始されているか否か、すなわち賞球中であるか否か確認する(ステップS532)。賞球中であれば図63に示す賞球中の処理に移行する。なお、賞球中であるか否かは、後述する賞球処理中フラグの状態によって判断される。
【0365】
賞球払出中でなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納されている賞球数(未払出の賞球数)が0でないか否か確認する(ステップS534)。総合個数記憶に格納されている賞球数が0でなければ、賞球制御用CPU371は、賞球処理中フラグをオンし(ステップS535)、総合個数記憶の値が25以上であるか否か確認する(ステップS536)。なお、賞球処理中フラグは、バックアップRAM領域に設定される。
【0366】
総合個数記憶に格納されている賞球個数が25以上であると、払出制御用CPU371は、25個の遊技球を払い出すためのモータ回転時間を計測するための、25個払出動作タイマの設定を行う(ステップS537)。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値に25個の遊技球を払い出すためのモータ回転時間を加算した値(回転終了判定値)を算出する。そして、算出した回転終了判定値を払出制御基板37が備えるRAMの所定の領域に保存する。このようにして回転終了判定値が保存されることで、25個払出動作タイマの設定がなされる。
【0367】
総合個数記憶に格納されている賞球個数が25以上でなければ、払出制御用CPU371は、総合個数記憶に格納されている数に応じた遊技球を払い出すためのモータ回転時間を計測するための、全個数払出動作タイマの設定を行う(ステップS538)。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値に総合個数記憶に格納されている数の遊技球を払い出すためのモータ回転時間を加算した値(回転終了判定値)を算出する。そして、算出した回転終了判定値を払出制御基板37が備えるRAMの所定の領域に保存する。このようにして回転終了判定値が保存されることで、全個数払出動作タイマの設定がなされる。次いで、払出モータ289をオンする(ステップS539)。なお、振分ソレノイドはオフ状態であるから、球払出装置97の下方の球振分部材は賞球側に設定されている。そして、図63に示す賞球制御処理における賞球払出中の処理に移行する。
【0368】
図63は、払出制御用CPU371による払出制御処理における賞球中の処理の一例を示すフローチャートである。賞球制御処理では、払出モータ289がオンしていなければオンする。なお、この実施の形態では、ステップS721のスイッチ入力処理およびステップS755の払出個数減算処理で、賞球カウントスイッチ301Aの検出信号による遊技球の払出がなされたか否かの確認を行うので、賞球制御処理では総合個数記憶の減算などは行われない。
【0369】
賞球中の処理において、払出制御用CPU371は、賞球通過待ち時間中であるか否かの確認を行う(ステップS540)。賞球通過待ち時間中でなければ、賞球払出を行い(ステップS541)、払出モータ289の駆動を終了すべきか(25個または25個未満の所定の個数の払出動作が終了したか)否かの確認を行う(ステップS542)。この所定個数の払出に対応した回転が完了したか否かの確認は、設定されている25個払出動作タイマまたは全個数払出動作タイマがタイムアウトしたか否かを確認することで行われる。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値と、設定されている回転終了判定値とが一致するか否か確認する。そして、一致していれば、設定されている25個払出動作タイマまたは全個数払出動作タイマがタイムアウトしたものと判定する。なお、25個払出動作タイマまたは全個数払出動作タイマがタイムアウトしたら、設定されている回転終了判定値をクリアしておく。上記のように、本例では、汎用タイマは、払出モータ289の駆動を終了すべきか否かを判定するためにも用いられており、25個の遊技球を払い出すための払出モータ289の回転時間を計測する25個払出動作タイマの役割、および25個未満の所定個数の遊技球を払い出すための払出モータ289の回転時間を計測する全個数払出動作タイマの役割をも果たしている。
【0370】
所定個数の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用CPU371は、払出モータ289の駆動を停止し(ステップS543)、賞球通過待ち時間の設定を行う(ステップS544)。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値に賞球通過待ち時間を加算した値(通過待ち終了判定値)を算出する。そして、算出した通過待ち終了判定値を払出制御基板37が備えるRAMの所定の領域に保存する。このようにして通過待ち終了判定値が保存されることで賞球通過待ち時間タイマの設定がなされ、賞球通過待ち時間が設定されたことになる。なお、賞球通過待ち時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから賞球カウントスイッチ301Aを通過するまでの時間である。
【0371】
ステップS540で賞球通過待ち時間中(賞球通過待ち時間タイマが設定されている状態)であれば、払出制御用CPU371は、賞球通過待ち時間が終了したか否かの確認を行う(ステップS545)。賞球通過待ち時間が終了したか否かの確認は、賞球通過待ち時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認することで行われる。具体的には、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値と、設定されている通過待ち終了判定値とが一致するか否か確認する。そして、一致していれば、賞球通過待ち時間タイマがタイムアウトして賞球通過待ち時間が終了したものと判定する。なお、賞球通過待ち時間タイマがタイムアウトしたら、通過待ち終了判定値をクリアしておく。上記のように、本例では、汎用タイマは、賞球通過待ち時間が終了したか否かを判定するためにも用いられており、賞球通過待ち時間を計測する賞球通過待ち時間タイマの役割をも果たしている。
【0372】
賞球通過待ち時間が終了した時点は、ステップS537またはステップS538で設定された賞球が全て払い出された状態である。そこで、払出制御用CPU371は、賞球通過待ち時間が終了していれば、賞球処理中フラグをオフする(ステップS546)。賞球通過待ち時間が経過するまでに最後の払出球が賞球カウントスイッチ301Aを通過しなかった場合には、賞球経路エラーとされる。
【0373】
なお、この実施の形態では、ステップS511、ステップS531の判断によって球貸しが賞球処理よりも優先されることになるが、賞球処理が球貸しに優先するようにしてもよい。
【0374】
総合個数記憶および貸し球個数記憶の内容は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間電源基板910のバックアップ電源によって保存される。従って、所定期間中に電力供給が復旧すると、払出制御用CPU371は、総合個数記憶の内容にもとづいて払出処理を継続することができる。
【0375】
なお、払出制御用CPU371は、主基板31から指示された賞球個数を賞球個数記憶で総数として管理したが、賞球個数毎(例えば15個、10個、6個)に管理してもよい。例えば、タイマ割込処理のスイッチ入力処理(ステップS721)において、賞球個数毎に対応した個数カウンタを設け、払出個数指定コマンドを受信すると、そのコマンドで指定された個数に対応する個数カウンタを+1する。そして、メイン処理のスイッチ状態設定処理(ステップS752)にて個数カウンタの内容をスイッチ状態保存領域にコピーしておき、払出個数減算処理(ステップS755)にてスイッチ状態保存領域に保存されている個数カウンタに対応した賞球払出が行われると、その個数カウンタを−1する。その場合にも、各個数カウンタやスイッチ状態保存領域はバックアップRAM領域に形成される。よって、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間中に電源が復旧すれば、払出制御用CPU371は、各個数カウンタおよびスイッチ状態保存領域の内容にもとづいて賞球払出処理を継続することができる。
【0376】
次に、エラー処理について説明する。図64は、エラーの種類とエラー表示用LED374(図7参照)の表示との関係を示す説明図である。また、図65および図66は、ステップS762のエラー処理の一例を示すフローチャートである。
【0377】
この例では、エラー処理において、払出制御用CPU371は、賞球経路エラーフラグがオンした場合に(ステップS601)、エラー表示用LED374に「0」を表示する(ステップS602)。また、賞球経路エラーフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「0」を消去する(ステップS603)。なお、賞球経路エラーフラグは、賞球制御処理において賞球払出処理の実行中であるのにもかかわらず、所定期間内(本例では、汎用タイマを用いて計時する)に賞球カウントスイッチ301Aがオンしなかったことを、タイマ状態保存領域の保存情報(汎用タイマの値)を用いて確認したときにセットされる。所定期間が経過したか否かの確認は、例えば球貸し制御処理において説明したモータ回転時間が経過したか否かの確認と同様にして行われる(以下同じ)。
【0378】
球貸し経路エラーフラグがオンした場合には(ステップS604)、エラー表示用LED374に「1」を表示する(ステップS605)。また、球貸し経路エラーフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「1」を消去する(ステップS606)。なお、球貸し経路エラーフラグは、球貸し処理において、貸し球の払出処理の実行中であるのにもかかわらず、所定期間内(本例では、汎用タイマを用いて計時する)に球貸しカウントスイッチ301Bがオンしなかったことを、タイマ状態保存領域の保存情報(汎用タイマの値)を用いて確認したときにセットされる。
【0379】
賞球詰まりフラグがオンした場合には(ステップS607)、エラー表示用LED374に「2」を表示する(ステップS608)。また、賞球詰まりフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「2」を消去する(ステップS609)。なお、賞球詰まりフラグは、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態が長期間継続したことを、タイマ状態保存領域の保存情報(汎用タイマの値)を用いて確認した場合にセットされる。
【0380】
貸し球詰まりフラグがオンした場合には(ステップS610)、エラー表示用LED374に「3」を表示する(ステップS611)。また、貸し球詰まりフラグがオフした場合にエラー表示用LED374の表示「3」を消去する(ステップS612)。なお、貸し球詰まりフラグは、球貸しカウントスイッチ301Bのオン状態が長期間継続したことを、タイマ状態保存領域の保存情報(汎用タイマの値)を用いて確認した場合にセットされる。
【0381】
モータセンサ出力異常が検出された場合には(ステップS613)、エラー表示用LED374に「4」を表示する(ステップS614)。また、モータセンサ出力異常が解除された場合にエラー表示用LED374の表示「4」を消去する(ステップS615)。なお、モータセンサ出力異常は、図61に示されたステップS522や図63に示されたステップS542で、モータ位置センサのオンが所定期間以上継続したり、オフが所定期間以上継続したことが、タイマ状態保存領域の保存情報(汎用タイマの値)を用いて確認された場合に検出される。
【0382】
VLオフ検出フラグがセットされた場合には(ステップS621)、エラー表示用LED374に「5」を表示する(ステップS622)。また、VLオフ検出フラグがッリセットされた場合にエラー表示用LED374の表示「5」を消去する(ステップS623)。なお、VLオフ検出フラグは、図59に示されたステップS758gでセットされる。
【0383】
なお、正規でないタイミングでカードユニット50との通信が実行されたときには(ステップS624)、プリペイドカードユニット通信エラーが発生したとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する(ステップS625)。また、そのようなエラーが解消されたときに、エラー表示用LED374の表示「6」を消去する(ステップS626)。
【0384】
また、払出停止状態になったときには(ステップS627)、エラー表示用LED374に「7」を表示する(ステップS628)。払出停止状態が解除されたときには、エラー表示用LED374の表示「7」を消去する(ステップS629)。なお、払出停止状態は、図57におけるステップS756cで払出停止状態に設定された状態である。すなわち、遊技制御手段から払出停止状態指定コマンドによって払出禁止を通知された後の状態である。
【0385】
なお、この実施の形態では、球払出装置97は賞球払出と球貸しの双方を行うので、払出停止状態は、賞球払出も球貸しも停止される状態である。しかし、賞球払出を行う払出装置と球貸しを行う払出装置とが独立して設けられている場合には、エラー表示用LED374で、賞球停止状態と球貸し停止状態とを別に報知するようにしてもよい。
【0386】
図67は、球貸しによる払出動作時の払出制御基板37の払出制御用CPU371とカードユニット50との信号処理の例を示すタイミング図である。図67に示すように、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、PRDY信号をオン状態とする。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、BRDY信号をオン状態とする。この時点から所定の遅延時間(期間A)が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。期間Aは、例えば、30ms〜50msの範囲内の期間とされる。
【0387】
払出制御用CPU371は、BRDY信号がオン状態とされたことを検出したときに、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値に期間Aを加算した判定値を算出して、払出制御基板37が備えるRAMの所定の領域に保存しておく。その後、払出制御処理において、BRQ信号が検出されるまで、タイマ状態保存領域から汎用タイマの値を抽出し、抽出した汎用タイマの値と設定されている判定値とが一致するか否か確認する。一致していれば、期間Aが経過したものと判定し、プリペイドカードユニット通信エラーが発生したと判定する。一致する前にBRQ信号が検出されれば、設定されている判定値をクリアする。本例では、以上のようにして、タイマ割込処理で更新される汎用タイマの値がコピーされているタイマ状態保存領域の記憶情報を用いて期間Aが経過したか否かの判定を行う。期間Aを計測するために汎用タイマを用いて実現されるタイマを、通信管理タイマという。なお、通信管理タイマは、期間B〜期間Fを計測するタイマをも意味する。
【0388】
BRQ信号を検出した時点から所定の遅延時間(期間B)が経過すると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げる。期間Bは、例えば、14ms〜10sの範囲内の期間とされる。期間Bは、上述した期間Aと同様にして計測される。そして、期間Bを経過してもEXS信号がオン状態とされない場合には、プリペイドカードユニット通信エラーが発生したと判定する。
【0389】
EXS信号が立ち上げた時点から所定の遅延時間(期間C)が経過するまで、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりが検出されるか否か監視する。期間Cは、例えば、32ms〜56msの範囲内の期間とされる。期間Cは、上述した期間Aと同様にして計測される。そして、期間Cを経過するまでにBRQ信号の立ち下がりが検出されない場合には、プリペイドカードユニット通信エラーが発生したと判定する。
【0390】
カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。このとき、振分ソレノイド310は駆動状態とされている。すなわち、球振分部材311を球貸し側に向ける。そして、払出が完了したら、払出制御用CPU371は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。このEXS信号の立ち下げが、BRQ信号の立ち下がりを検出したときから所定の遅延時間(期間D)が経過するまでになされなかった場合には、プリペイドカードユニット通信エラーが発生したと判定する。期間Dは、例えば、10ms〜10sの範囲内の期間とされる。期間Dは、上述した期間Aと同様にして計測される。
【0391】
EXS信号を立ち下げた後、所定の遅延時間(期間E)が経過するまでに、BRQ信号が検出された場合には、次の貸し球の払出動作を開始する。期間Eは、例えば、256ms以内の期間とされる。期間Eは、上述した期間Aと同様にして計測される。一方、EXS信号を立ち下げた後、所定の遅延時間(期間F)が経過するまでに、BRDY信号のオフが検出された場合には球貸し処理を終了する。期間Fは、例えば256ms以内の期間であって、本例では期間Eと同一の期間とされる。期間Fは、上述した期間Aと同様にして計測される。期間E(期間F)が経過するまでに、BRQ信号が検出されず、かつ、BRDY信号のオフも検出されなかった場合には、プリペイドカードユニット通信エラーが発生したと判定する。
【0392】
次に、図柄制御基板80における制御処理について説明する。図68は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS770)。その後、この実施の形態では、表示制御用CPU101は、表示制御処理を繰り返し行うループ処理に移行する。表示制御処理では、表示制御用CPU101は、まず、割込禁止状態としたあと(ステップS771)、カウンタ状態設定処理(ステップS772)にて、図柄制御基板80において用いられる各カウンタのカウント値(数値データの一例)を、図柄制御基板80が備えるRAMに設けられているカウンタ状態保存領域にコピーする処理を行う。そして、タイマ状態設定処理(ステップS773)にて、汎用タイマなどの各タイマの値(数値データの一例)をRAMに設けられているタイマ状態保存領域にコピーする処理を行う。すなわち、各状態設定処理(ステップS772〜ステップS773)では、図柄制御基板80が備えるRAMの所定の領域にそれぞれ記憶されている現在の各カウンタのカウント値および各タイマの値を、それぞれ、RAMに設けられている別の領域(本例では、カウンタ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域)にコピーする処理が実行される。従って、各状態設定処理(ステップS772〜ステップS773)が実行された時点でのカウンタおよびタイマの状態が、それぞれ、カウンタ状態保存領域およびタイマ状態保存領域にコピーされる。各状態設定処理(ステップS772〜ステップS773)が終了すると、割込許可状態とされる(ステップS774)。上記のように、本例では、各状態設定処理(ステップS772〜ステップS773)が実行されるときには、割込禁止状態とされる。なお、カウンタ状態保存領域およびタイマ状態保存領域は、RAMのバックアップRAM領域に設けられている。
【0393】
次いで、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS775)。また、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行う(ステップS776)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。
【0394】
なお、この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかるとする。すなわち、タイマ割込処理は、2ms毎に起動される。図69は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理では、表示制御用CPU101は、レジスタの退避処理(ステップS780)を行った後、本例では、リーチ予告決定用の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS781)。また、表示制御用CPU101は、大当り予告決定用の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS782)。
【0395】
また、図柄制御基板80における可変表示演出などの各演出時間を管理するための汎用タイマ(演出タイマ)などの各タイマの値を1加算する(ステップS783)。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS784)、割込許可状態に設定する(ステップS785)。
【0396】
以上の制御によって、この実施の形態では、ステップS781〜ステップS783の処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理でステップS781〜ステップS783の処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、ステップS781〜ステップS783の処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0397】
以上のように、タイマ割込処理でカウンタ(乱数値データ)を更新して記憶するようにし(ステップS781〜ステップS782)、メイン処理で、記憶されているカウンタのカウント値(数値データ)を読み出してカウンタ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS772)、カウンタ状態保存領域の保存情報を用いて表示制御(ステップS775〜ステップS776)を行う構成としたので、乱数値データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、乱数値データが特定の値となっている状態が長時間継続してしまうことによる不都合が防止される。
【0398】
また、タイマ割込処理で演出タイマ(例えば汎用タイマ)を更新して記憶するようにし(ステップS783)、メイン処理で、記憶されている演出タイマの値(数値データ)を読み出してタイマ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS773)、タイマ状態保存領域の保存情報を用いて表示制御(ステップS775〜ステップS776)を行う構成としたので、演出タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、演出タイマが正確に機能するようになるため、図柄制御基板80において実行される各種の演出において、演出動作上のずれが生じてしまうことが防止される。
【0399】
演出タイマは、例えば、コマンド無受信タイマ、リーチ予告をすることが決定されたときからリーチ予告が開始されるまでの期間を計測するリーチ予告開始時間決定用タイマ、大当り予告をすることが決定されたときから大当り予告が開始されるまでの期間を計測する大当り予告開始時間決定用タイマ、特別図柄の変動開始から変動終了までの期間を計測する変動時間タイマなどに用いられる。具体的な用いられ方は、上述したモータ回転時間タイマなどとして汎用タイマを用いる場合と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0400】
図70は、表示制御用CPU101が扱う表示用乱数を示す説明図である。図70に示すように、この実施の形態では、表示用乱数として、リーチ予告用乱数(リーチ予告決定用乱数)および大当り予告用乱数(大当り予告決定用乱数)がある。リーチ予告用乱数はリーチ予告を行うか否か決定するためのものであり、大当り予告用乱数は大当り予告を行うか否か決定するためのものである。この例では、リーチ予告用乱数および大当り予告用乱数は、それぞれ1バイト構成とされ、同一の範囲である0〜255の値を取る。なお、リーチ予告用乱数と大当り予告用乱数とが、互いに異なる範囲の値を取るように構成されていてもよい。また、この実施の形態では、ランプ制御用CPU351が扱う発光体用乱数、および音制御用CPU701が扱う音用乱数は、それぞれ、図70に示す表示用乱数と同一の範囲をとるようにされている。従って、この実施の形態では、表示用乱数と同様に、発光体用乱数としてリーチ予告用乱数および大当り予告用乱数があり、音用乱数としてリーチ予告用乱数および大当り予告用乱数がある。
【0401】
図71は、図68に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS776)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS830〜S835のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0402】
表示制御コマンド受信待ち処理(ステップS830):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグがセットされたか否か確認する。そのようなフラグは、受信コマンドバッファに格納された受信コマンドが、変動パターンコマンドである場合にセットされる。
【0403】
リーチ予告、大当り予告決定処理(ステップS831):リーチ予告および大当り予告を行うか否か決定するとともに、予告を行うことに決定した場合には予告の種類を決定する。
【0404】
全図柄変動開始処理(ステップS832):左右中図柄の変動が開始されるように制御する。
【0405】
図柄変動中処理(ステップS833):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度や背景、キャラクタ)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
【0406】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS834):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(確定コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止して停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0407】
大当り表示処理(ステップS835):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0408】
次にランプ制御基板35に搭載されたランプ制御用CPU351を含む発光体制御手段としてのランプ制御手段の動作を説明する。
【0409】
図72は、ランプ制御用CPU351が実行するメイン処理を示すフローチャートである。ランプ制御用CPU351は、メイン処理において、まず、レジスタ、ワークエリアを含むRAMおよび出力ポート等を初期化する初期化処理を実行する(ステップS441)。その後、この実施の形態では、ランプ制御用CPU351は、ランプ制御処理を繰り返し行うループ処理に移行する。ランプ制御処理では、ランプ制御用CPU351は、まず、割込禁止状態としたあと(ステップS442)、カウンタ状態設定処理(ステップS443)にて、ランプ制御基板35において用いられる各カウンタのカウント値(数値データの一例)を、ランプ制御基板35が備えるRAMに設けられているカウンタ状態保存領域にコピーする処理を行う。そして、タイマ状態設定処理(ステップS444)にて、汎用タイマなどの各タイマの値(数値データの一例)をRAMに設けられているタイマ状態保存領域にコピーする処理を行う。すなわち、各状態設定処理(ステップS443〜ステップS444)では、ランプ制御基板35が備えるRAMの所定の領域にそれぞれ記憶されている現在の各カウンタのカウント値および各タイマの値を、それぞれ、RAMに設けられている別の領域(本例では、カウンタ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域)にコピーする処理が実行される。従って、各状態設定処理(ステップS443〜ステップS444)が実行された時点でのカウンタおよびタイマの状態が、それぞれ、カウンタ状態保存領域およびタイマ状態保存領域にコピーされる。各状態設定処理(ステップS443〜ステップS444)が終了すると、割込許可状態とされる(ステップS445)。上記のように、本例では、各状態設定処理(ステップS443〜ステップS444)が実行されるときには、割込禁止状態とされる。なお、カウンタ状態保存領域およびタイマ状態保存領域は、RAMのバックアップRAM領域に設けられている。
【0410】
次いで、主基板31からランプ制御コマンドを受信したか否かの確認を行う(ステップS446:コマンド認識処理)。また、ランプ制御用CPU351は、カウンタ状態保存領域に保存されているリーチ予告決定用乱数の値にもとづいて、リーチ予告に関する発光体制御を行うか否かを決定するリーチ予告決定処理を行い(ステップS447)、また、カウンタ状態保存領域に保存されている大当り予告決定用乱数の値にもとづいて、大当り予告に関する発光体制御を行うか否かを決定する大当り予告決定処理を行う(ステップS448)。そして、受信したランプ制御コマンドやリーチ予告および大当り予告の決定結果に応じて、使用するランプデータを変更する等の処理であるコマンド実行処理を行う(ステップS449)。なお、主基板31からのランプ制御コマンドは、INT信号の入力に応じて起動される割込処理で取り込まれ、RAMに形成されている入力バッファに格納される。
【0411】
その後、この実施の形態では、ランプ制御用CPU351は、ランププロセス更新処理およびポート出力処理を行う(ステップS450,S451)。
【0412】
この実施の形態では、遊技の進行に応じて点滅制御されるランプ・LEDの点灯パターンは、ROMに格納されているランプデータに応じて制御される。ランプデータは、制御パターンの種類毎に用意されている(図41に示された特別図柄の変動中のランプ・LEDによる演出パターンを指定する制御コマンドおよび遊技進行状況に応じて遊技制御手段から送出されるその他の遊技演出に関する制御コマンド毎に用意され、さらには演出パターンを指定する制御コマンドそれぞれに対応してリーチ予告を行う場合、大当り予告を行う場合、リーチ予告および大当り予告を行う場合それぞれの場合毎に用意されている)。ランプデータには、ランプ・LEDを点灯または消灯することを示すデータ、および点灯または消灯の期間(プロセスタイマ値)を示すデータが設定されている。すなわち、制御用データ領域には、発光体の点灯パターンを示すデータが格納されている。
【0413】
ランププロセス更新処理では、タイマ状態保存領域に保存されている演出タイマの値にもとづいて、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する。具体的には、タイマ状態保存領域に保存されている演出タイマの値に、ランプ・LEDを消灯または点灯させることが設定されているデータに応じたプロセスタイマ値を、そのデータにもとづく演出を開始するときに加算し、プロセス終了判定値を算出してRAMの所定の領域に保存しておく。なお、演出タイマはタイマ割込処理にて更新されていき、メイン処理の繰り返し処理が実行される毎にタイマ状態設定処理にて最新の演出タイマの値がタイマ状態保存領域にコピーされる。そして、タイマ状態保存領域に保存されている演出タイマの値と、算出されているプロセス終了判定値とが一致するか否かを確認して、一致している場合にはプロセスタイマがタイムアウトしたものと判定する。プロセスタイマがタイムアウトしたと判定された場合には、ランプデータにおける次のアドレスに設定されているデータに応じてランプ・LEDを消灯または点灯させることに決定されるとともに、その決定結果に応じたプロセスタイマ値を、タイマ状態保存領域に保存されている演出タイマの値に加算して新たなプロセス終了判定値が算出されて保存される。新たなプロセス終了判定値が設定されたときには点灯/消灯の切替がなされたときであるから、ポート出力処理において、ランプ・LEDを点灯または消灯のためのデータが該当する出力ポートに出力される。
【0414】
なお、この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかるとする。すなわち、タイマ割込処理は、2ms毎に起動される。図73は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理では、ランプ制御用CPU351は、レジスタの退避処理(ステップS461)を行った後、本例では、リーチ予告決定用の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS462)。また、ランプ制御用CPU351は、大当り予告決定用の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS463)。
【0415】
また、ランプ制御基板35におけるランプ・LEDの点灯や消灯などの各演出時間を管理するための汎用タイマ(演出タイマ)などの各タイマの値を1加算する(ステップS464)。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS465)、割込許可状態に設定する(ステップS466)。
【0416】
以上の制御によって、この実施の形態では、ステップS462〜ステップS464の処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理でステップS462〜ステップS464の処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、ステップS462〜ステップS464の処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0417】
以上のように、タイマ割込処理でカウンタ(乱数値データ)を更新して記憶するようにし(ステップS462〜ステップS463)、メイン処理で、記憶されているカウンタのカウント値(数値データ)を読み出してカウンタ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS443)、カウンタ状態保存領域の保存情報を用いて演出制御(ステップS446〜ステップS451)を行う構成としたので、乱数値データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、乱数値データが特定の値となっている状態が長時間継続してしまうことによる不都合が防止される。
【0418】
また、タイマ割込処理で演出タイマ(例えば汎用タイマ)を更新して記憶するようにし(ステップS464)、メイン処理で、記憶されている演出タイマの値(数値データ)を読み出してタイマ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS444)、タイマ状態保存領域の保存情報を用いて演出制御(ステップS446〜ステップS451)を行う構成としたので、演出タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、演出タイマが正確に機能するようになるため、ランプ制御基板35において実行される各種の演出において、演出上のずれが生じてしまうことが防止される。
【0419】
演出タイマは、例えば、プロセスタイマなどに用いられる。具体的な用いられ方はランププロセス更新処理でも説明したように、例えば上述したモータ回転時間タイマなどとして汎用タイマを用いる場合と同一である。
【0420】
ここで、ランプ制御基板35に搭載されたROMのアドレスマップについて説明する。ROM領域には制御用データ領域と制御プログラム領域とがある。制御用データ領域には、レジスタ、RAMおよび出力ポート等の初期化に際して用いられる初期化データテーブルや、始動記憶表示器18などの点灯/消灯制御に際して用いられる記憶表示LED表示テーブルや、後述するランプデータなどが格納されている。また、制御プログラム領域には、メイン処理プログラムや、初期化処理、コマンド認識処理、コマンド実行処理の各プログラムが格納され、また、特定ランプ・LED処理、ランププロセス更新処理、ポート出力処理、コマンド受信割込処理、タイマ割込処理のプログラムが格納されている。
【0421】
図74は、制御用データ領域に格納されているランプデータの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、ランプ・LEDの点灯のパターンを示すデータが制御用データ領域におけるランプデータに格納されている。ランプデータに格納されているランプ・LEDの点灯のパターンには、図74に示すようなランプ・LEDの点灯のパターンが、パターンコマンド(80XX(H))に対応して定められており、さらにはリーチ予告を行う場合のランプ・LEDの点灯のパターンや、大当り予告を行う場合のランプ・LEDの点灯のパターンが、その変動態様に応じてそれぞれ定められている。すなわち、この例では、ランプデータに格納されているリーチ予告を行う場合のランプ・LEDの点灯のパターンや、大当り予告を行う場合のランプ・LEDの点灯のパターンが、図柄制御基板80において実行されるリーチ予告表示や大当り予告表示の変動態様に同期してランプ・LEDの点灯がなされるように設定されている。そして、メイン処理におけるランププロセス更新処理(ステップS450)において、ランプデータを参照してランプ・LEDの点灯/消灯が制御される。
【0422】
次に、音制御基板70に搭載された音制御用CPU701を含む音声制御手段(音制御手段)の動作を説明する。
【0423】
図75は、音制御用CPU701が実行するメイン処理を示すフローチャートである。音制御用CPU701は、メイン処理において、まず、レジスタ、ワークエリアを含むRAMおよび出力ポート等を初期化する初期化処理を実行する(ステップS471)。その後、この実施の形態では、音制御用CPU701は、音制御処理を繰り返し行うループ処理に移行する。音制御処理では、音制御用CPU701は、まず、割込禁止状態としたあと(ステップS472)、カウンタ状態設定処理(ステップS473)にて、音制御基板70において用いられる各カウンタのカウント値(数値データの一例)を、音制御基板70が備えるRAMに設けられているカウンタ状態保存領域にコピーする処理を行う。そして、タイマ状態設定処理(ステップS474)にて、汎用タイマなどの各タイマの値(数値データの一例)をRAMに設けられているタイマ状態保存領域にコピーする処理を行う。すなわち、各状態設定処理(ステップS473〜ステップS474)では、音制御基板70が備えるRAMの所定の領域にそれぞれ記憶されている現在の各カウンタのカウント値および各タイマの値を、それぞれ、RAMに設けられている別の領域(本例では、カウンタ状態保存領域、およびタイマ状態保存領域)にコピーする処理が実行される。従って、各状態設定処理(ステップS473〜ステップS474)が実行された時点でのカウンタおよびタイマの状態が、それぞれ、カウンタ状態保存領域およびタイマ状態保存領域にコピーされる。各状態設定処理(ステップS473〜ステップS474)が終了すると、割込許可状態とされる(ステップS475)。上記のように、本例では、各状態設定処理(ステップS473〜ステップS474)が実行されるときには、割込禁止状態とされる。なお、カウンタ状態保存領域およびタイマ状態保存領域は、RAMのバックアップRAM領域に設けられている。
【0424】
次いで、主基板31から音制御コマンドを受信したか否かの確認を行う(ステップS476:コマンド認識処理)。また、音制御用CPU701は、カウンタ状態保存領域に保存されているリーチ予告決定用乱数の値にもとづいて、リーチ予告に関する発光体制御を行うか否かを決定するリーチ予告決定処理を行い(ステップS477)、また、カウンタ状態保存領域に保存されている大当り予告決定用乱数の値にもとづいて、大当り予告に関する発光体制御を行うか否かを決定する大当り予告決定処理を行う(ステップS478)。そして、受信した音制御コマンドやリーチ予告および大当り予告の決定結果に応じて、使用する音声データを変更する等の処理であるコマンド実行処理を行う(ステップS479)。なお、主基板31からの音制御コマンドは、INT信号の入力に応じて起動される割込処理で取り込まれ、RAMに形成されている入力バッファに格納される。
【0425】
その後、この実施の形態では、音制御用CPU701は、音声プロセス更新処理およびポート出力処理を行う(ステップS480,S481)。
【0426】
この実施の形態では、遊技の進行に応じてスピーカ27から出力される音声パターンは、ROMに格納されている音声データに応じて制御される。音声データは、制御パターンの種類毎に用意されている(図42に示された特別図柄の変動中の音声出力手段による演出パターンを指定する制御コマンドおよび遊技進行状況に応じて遊技制御手段から送出されるその他の遊技演出に関する制御コマンド毎に用意され、さらには変動パターン指定の種類を示す制御コマンドそれぞれに対応してリーチ予告を行う場合、大当り予告を行う場合、リーチ予告および大当り予告を行う場合それぞれの場合毎に用意されている)。
【0427】
また、音声合成回路702は、転送リクエスト信号(SIRQ)、シリアルクロック信号(SICK)、シリアルデータ信号(SI)および転送終了信号(SRDY)によって制御される。音声合成回路702は、SIRQがローレベルになると、SICKに同期してSIを1ビットずつ取り込み、SRDYがローレベルになるとそれまでに受信した各SIからなるデータを1つの音声再生用データと解釈する。
【0428】
各音声データには、音声合成回路702に出力されるシリアルデータ信号に応じたデータ、およびそのデータに応じて発生される音声の継続期間(プロセスタイマ値)を示すデータが設定されている。すなわち、制御用データには、音発生手段(この例ではスピーカ27)からの出力パターンを示すデータが格納されている。
【0429】
音声プロセス更新処理では、プロセスタイマ値に応じた値が初期設定されたタイマの値の減算処理が行われ、そのタイマがタイムアウトすると、音声データにおける次のアドレスに設定されているデータに応じて出力音声に変更することが決定されるとともに、その決定結果に応じたプロセスタイマ値がタイマに設定される。また、プロセスタイマ値がタイマに設定されたときには出力音声の切替がなされたときであるから、ポート出力処理(ステップS470)において、音声合成回路702にデータを出力するための出力ポートを介して、音声合成回路702に、新たな出力音声に対応したデータが出力される。
【0430】
音声プロセス更新処理では、タイマ状態保存領域に保存されている演出タイマの値にもとづいて、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する。具体的には、タイマ状態保存領域に保存されている演出タイマの値に、スピーカ27に音声出力させることが設定されているデータに応じたプロセスタイマ値を、そのデータにもとづく演出を開始するときに加算し、プロセス終了判定値を算出してRAMの所定の領域に保存しておく。なお、演出タイマはタイマ割込処理にて更新されていき、メイン処理の繰り返し処理が実行される毎にタイマ状態設定処理にて最新の演出タイマの値がタイマ状態保存領域にコピーされる。そして、タイマ状態保存領域に保存されている演出タイマの値と、算出されているプロセス終了判定値とが一致するか否かを確認して、一致している場合にはプロセスタイマがタイムアウトしたものと判定する。プロセスタイマがタイムアウトしたと判定された場合には、音声データにおける次のアドレスに設定されているデータに応じて音声出力を行うことに決定されるとともに、その決定結果に応じたプロセスタイマ値を、タイマ状態保存領域に保存されている演出タイマの値に加算して新たなプロセス終了判定値が算出されて保存される。新たなプロセス終了判定値が設定されたときには出力音声の切替がなされたときであるから、ポート出力処理(ステップS481)において、音声合成回路702にデータを出力するための出力ポートを介して、音声合成回路702に、新たな出力音声に対応したデータが出力される。
【0431】
具体的には、音声制御用CPU701は、ポート出力処理において、SIRQをオン(ローレベル)にして、ROM(音声コマンドデータ領域)から読み出したデータ(音声コマンド)をSICKに同期してSIとして出力し、出力が完了したらSRDYをローレベルにする。音声合成回路702は、SIによってデータを受信すると、受信したデータに応じた音声を発生する。
【0432】
なお、この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかるとする。すなわち、タイマ割込処理は、2ms毎に起動される。図76は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理では、音制御用CPU701は、レジスタの退避処理(ステップS491)を行った後、本例では、リーチ予告決定用の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS492)。また、音制御用CPU701は、大当り予告決定用の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS493)。
【0433】
また、音制御基板70における音声出力などの各演出時間を管理するための汎用タイマ(演出タイマ)などの各タイマの値を1加算する(ステップS494)。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS495)、割込許可状態に設定する(ステップS496)。
【0434】
以上の制御によって、この実施の形態では、ステップS492〜ステップS494の処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理でステップS492〜ステップS494の処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、ステップS492〜ステップS494の処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0435】
以上のように、タイマ割込処理でカウンタ(乱数値データ)を更新して記憶するようにし(ステップS492〜ステップS493)、メイン処理で、記憶されているカウンタのカウント値(数値データ)を読み出してカウンタ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS473)、カウンタ状態保存領域の保存情報を用いて演出制御(ステップS476〜ステップS481)を行う構成としたので、乱数値データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、乱数値データが特定の値となっている状態が長時間継続してしまうことによる不都合が防止される。
【0436】
また、タイマ割込処理で演出タイマ(例えば汎用タイマ)を更新して記憶するようにし(ステップS494)、メイン処理で、記憶されている演出タイマの値(数値データ)を読み出してタイマ状態保存領域に保存(セット)したあと(ステップS474)、タイマ状態保存領域の保存情報を用いて演出制御(ステップS476〜ステップS481)を行う構成としたので、演出タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、演出タイマが正確に機能するようになるため、音制御基板70において実行される各種の演出において、演出上のずれが生じてしまうことが防止される。
【0437】
演出タイマは、例えば、プロセスタイマなどに用いられる。具体的な用いられ方は音声プロセス更新処理でも説明したように、例えば上述したモータ回転時間タイマなどとして汎用タイマを用いる場合と同一である。
【0438】
ここで、音制御基板70に搭載されたROMのアドレスマップについて説明する。ROM領域には制御用データ領域と制御プログラム領域とがある。制御用データ領域には、レジスタ、RAMおよび出力ポート等の初期化を行う際に用いられる初期化データテーブルが格納されている。また、制御用データ領域には、音声制御コマンドの上位バイト(MODEデータ)に応じた処理が格納されているプログラムのアドレスと、MODEデータに応じたアドレステーブルとが設定されているコマンド上位バイトテーブルが格納されている。コマンド実行処理(ステップS479)において、受信した音声制御コマンドのMODEデータに従ってコマンド上位バイトテーブルの内容が参照され、対応する処理(プログラム)が実行される。その処理では、アドレステーブルと受信した音声制御コマンドの下位バイト(EXTデータ)とに応じて、制御用データ領域においてコマンド上位バイトテーブルの次に格納されている音声データ選択テーブルにおけるデータが特定される。そして、特定されたデータが指す音声データが選択される。
【0439】
また、制御プログラム領域には、メイン処理プログラムや、初期化処理、コマンド認識処理、コマンド実行処理の各プログラムが格納されている。また、音声アドレス選択処理のプログラムも格納されている。さらに、制御プログラム領域には、音声プロセス更新処理、ポート出力処理、コマンド受信割込処理、タイマ割込処理が格納されている。
【0440】
この実施の形態では、音声合成回路702に与えられるデータすなわち出力音声を示すデータが制御用データ領域における音声コマンドデータに格納されている。そして、メイン処理における音声プロセス更新処理(ステップS480)において、音声データが参照され、さらに音声コマンドデータを参照して出力音声が制御される。図77は、制御用データ領域に格納されている音声データの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、音声出力のパターンを示すデータ(音声コマンドデータ)が制御用データ領域における音声データに格納されている。音声データに格納されている音声出力パターンとして、図77に示すような音声出力のパターンが、パターンコマンド(80XX(H))に対応して定められており、さらにはリーチ予告を行う場合の音声出力のパターンや、大当り予告を行う場合の音声出力のパターンが、その変動態様に応じてそれぞれ定められている。すなわち、この例では、音声データに格納されているリーチ予告を行う場合の音声出力のパターンや、大当り予告を行う場合の音声出力のパターンが、図柄制御基板80において実行されるリーチ予告表示や大当り予告表示の変動態様に同期して音声出力がなされるように設定されている。そして、メイン処理における音声プロセス更新処理(ステップS480)において、音声データを参照して音声出力が制御される。
【0441】
なお、上述した実施の形態では、表示制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板70にて予告演出を行うか否かや、予告演出を行う場合の予告演出の種類を決定する構成としていたが、表示制御基板80にて、可変表示装置9に背景図柄やキャラクタを表示させるか否か、表示させる場合における背景図柄やキャラクタの種類を所定の乱数を用いて決定するようにしてもよい。この場合、その乱数は、リーチ予告決定用乱数や大当り予告決定用乱数と同様に更新され、カウンタ状態保存領域に複写されて判定に用いられるようにすればよい。
【0442】
以上説明したように、割込処理で、外部からの入力信号の入力状態を監視して、当該入力状態の結果を示す入力情報を記憶する入力情報記憶処理(例えば、スイッチ入力処理)を実行し、メイン処理で、入力情報記憶処理によって記憶された入力情報を読み出して複製する入力情報設定処理(例えば、スイッチ状態設定処理)と、入力情報設定処理によって複製された複製情報にもとづき電気部品(例えば、可変入賞球装置、球払出装置97)の制御を行う制御処理(例えば、遊技制御処理、払出制御処理等)とを実行することを特徴とする構成としたので、一連の制御処理が終了しないうちに割込処理が開始されて入力情報が更新されたとしても、一連の制御処理が終了するまでは複製入力情報は更新されることがないため、制御処理に未処理となる部分が残ることを防止することができ、一連の制御処理が完了しないことによってもたらされる不都合が解消されるという効果を有する。
【0443】
また、上述したように、制御処理(例えば、遊技制御処理)で、複製情報(例えば、スイッチタイマの値)が、所定回数連続して入力信号検出手段(例えば、入力ポートとCPU56によって構成される)による検出があったことを示したものである場合には、正規の入力信号があったものと判定し、所定回数連続して入力信号検出手段による検出があったことを示したものでない場合には、正規の入力信号ではなかったものと判定するように構成されているので、静電/電磁ノイズやチャタリングによる入力状態感知手段の誤動作によって、遊技機が暴走してしまうことを防止することができる。
【0444】
また、上述したように、遊技媒体の通過を検出するための通過検出スイッチ(例えば、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ22)を備え、入力信号検出手段が、通過検出スイッチからの入力信号を検出する構成とされているので、遊技媒体を検出したのにもかかわらず、これにもとづく処理が行われないという不都合を解消することができる。
【0445】
また、上述したように、制御処理に、始動検出スイッチ(例えば、始動口スイッチ14a)による正規の入力信号があったと判定した場合に実行される、表示結果(可変表示装置9に導出表示される可変表示結果としての識別情報)を決定する処理(例えば、ステップS35、ステップS37〜ステップS39)を含むように構成されているので、始動領域を通過した遊技媒体を検出したのにもかかわらず、これにもとづく識別情報の可変表示が行われないという不都合を解消することができる。
【0446】
また、上述したように、制御処理に、入賞検出スイッチ(例えば、カウントスイッチ23)による正規の入力信号があったと判定した場合に実行される、可変入賞装置(例えば、可変入賞球装置)への遊技媒体の入賞個数を計数する入賞個数計数処理(例えば、ステップS245〜ステップS251)を含むように構成されているので、可変入賞装置に遊技媒体が入賞したのにもかかわらず、これに応じた入賞数が計数されないという不都合を解消することができる。
【0447】
また、上述したように、制御処理に、特定領域通過スイッチ(例えば、V入賞スイッチ22)による正規の入力信号があったと判定した場合に実行される、特定遊技状態を継続させるための制御を行う処理(例えば、ステップS308)を含むように構成されているので、遊技媒体が特定領域にて検出されたのにもかかわらず、これにもとづく特定遊技状態の継続がなされないという不都合を解消することができる。
【0448】
また、上述したように、制御処理に、入賞口スイッチ(例えば、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)による正規の入力信号があったと判定した場合に実行される、入賞口への入賞に応じた景品遊技媒体の払い出しを実行させるための処理(例えば、ステップS226〜ステップS227,ステップS247〜ステップS251)を含むように構成されているので、入賞口に入賞したにもかかわらず、これにもとづく景品遊技媒体が払い出されないという不都合を解消することができる。
【0449】
また、上述したように、遊技媒体を払い出す払出経路の異常を感知する経路異常感知手段(例えば、球切れスイッチ187、満タンスイッチ48)を備え、入力信号検出手段が、経路異常感知手段からの入力信号を検出するように構成されているので、払出経路に異常があったのにもかかわらず、これにもとづく適正な処理が行われないという不都合を解消することができる。
【0450】
また、上述したように、制御処理に、払出遊技媒体検出スイッチ(例えば、賞球カウントスイッチ301A。なお、貸遊技媒体の通過を感知するスイッチを設ける場合には、そのスイッチは例えば球貸しカウントスイッチ301Bによって構成される。)による入力があったと判定した場合に実行される、遊技媒体の払出数を計数して当該払出数に応じた払出装置の駆動制御を行う処理(例えば、ステップS538,S539、ステップS542)を含むように構成されているので、払出手段によって払い出された遊技媒体が検出されたのにもかかわらず、払い出された遊技媒体として計数されずに、多くの遊技媒体が払い出されてしまうというという不都合を解消することができる。
【0451】
また、上述したように、遊技者からの遊技媒体の貸出要求を受け付ける記録媒体処理装置(例えば、プリペイドカードユニット50)を接続可能に構成され、入力信号検出手段が、記録媒体処理装置からの少なくとも貸出要求信号(例えば、BRQ信号)の入力を検出可能であって、制御処理が、貸出要求信号からの入力があったと判定した場合に実行される、遊技媒体の貸出を行うための払出装置の駆動制御処理(例えば、ステップS518、ステップS522)を含むように構成されているので、記録媒体(例えば、プリペイドカード)を用いて貸出要求をしたのにもかかわらず、それに応じて遊技媒体が貸し出されないという不都合を解消することができる。
【0452】
また、上述したように、遊技機への電力供給が停止する際に実行する電力供給停止時処理にて、入力情報設定処理によって複製された複製情報を変動データ記憶手段に保存する保存処理を実行し、電力供給が復旧した場合に、変動データ記憶手段に保存されていた記憶内容にもとづいて制御状態を復旧させる状態復旧処理を行うことが可能な構成とされているので、遊技機への電力供給が停止した場合であっても、複製情報が消失してしまうことを防止することができる。
【0453】
また、上述したように、割込処理において、少なくとも1の数値データの更新を行う数値データ更新処理(例えば、ステップS22〜ステップS25)を実行し、メイン処理において、数値データ更新処理によって記憶された値を読み出してセットする数値データ設定処理(例えば、ステップS16c、ステップS16d)を実行するとともに、制御処理(例えば、遊技制御処理、払出制御処理、表示制御処理、ランプ制御処理、音制御処理)において数値データ設定処理によって複製された複製値にもとづき電気部品の制御を行うように構成されているので、一連の制御処理が終了しないうちに割込処理が開始されて数値データが更新されたとしても、一連の制御処理が終了するまでは複製値は変更されないので、制御処理に未処理となる部分が残ることを防止することができ、一連の制御処理が完了しないことによってもたらされる不都合が解消されるという効果を有する。
【0454】
また、上述したように、数値データに、電気部品により実行される遊技内容を電気部品制御手段が決定するために用いられる乱数値データ(例えば、表示用乱数、判定用乱数)を含む構成とされているので、乱数値データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、乱数値データが特定の値となっている状態が長時間継続してしまうことによる不都合を防止することができる。
【0455】
また、上述したように、数値データに、電気部品の動作期間を管理するための動作タイマ(例えば、汎用タイマ、演出タイマ、プロセスタイマ)を含む構成とされているので、動作タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、動作タイマが正確に機能するようになるため、遊技機において実行される各種の動作において、動作上のずれが生じてしまうことを防止することができる。
【0456】
また、上述したように、数値データに、始動領域を遊技媒体が通過した場合に抽出されるデータであって、特定遊技状態とするか否かの判定に用いられる特定遊技状態決定用データ(大当り決定用乱数)を含む構成とされているので、特定遊技状態決定用データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、特定遊技状態決定用データが特定遊技状態となる値である状態が長時間継続してしまうことを防止することができる。
【0457】
また、上述したように、数値データに、表示結果としての識別情報を決定するために用いられる識別情報決定用データ(図柄決定用乱数)を含む構成とされているので、識別情報決定用データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、決定される識別情報が偏ってしまうことを防止することができる。
【0458】
また、上述したように、数値データに、可変表示装置における識別情報の可変表示態様をいずれの可変表示態様で実行するかを決定する可変表示態様決定用データ(変動パターン決定用乱数)を含む構成とされているので、可変表示態様決定用データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、決定される表示態様が偏ってしまうことを防止することができる。
【0459】
また、上述したように、数値データに、遊技機の遊技状態に関連して遊技を演出する、電気部品を用いて実行される演出制御内容を決定するための演出状態決定用データ(例えば、リーチ予告決定用乱数、大当り予告決定用乱数)を含む構成とされているので、演出状態決定用データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、決定される演出状態が偏ってしまうことを防止することができる。
【0460】
また、上述したように、数値データに、電気部品としての可変表示装置、音出力手段、および発光体のうちの少なくとも1つによって実行される遊技の演出の実行期間を管理する演出タイマを含む構成とされているので、演出タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、演出タイマが正確に機能するようになるため、遊技機において実行される各種の演出において、演出状態のずれが生じてしまうことを防止することができる。
【0461】
また、上述したように、数値データに、払出装置による遊技媒体の払出動作に関連する時間を管理する払出動作タイマ(例えば、モータ回転時間タイマ、全個数払出動作タイマ、25個払出動作タイマ)を含む構成とされているので、払出動作タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、払出動作タイマが正確に機能するようになるため、払い出されるべき遊技媒体の数と実際に払い出された遊技媒体の数とで誤差が生じてしまうことを防止することができる。
【0462】
また、上述したように、数値データに、記録媒体処理装置(例えば、プリペイドカードユニット50)との通信時間を管理する通信管理タイマ(例えば、図67にて説明した汎用タイマ)を含むように構成されているので、通信管理タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、通信管理タイマが正確に機能するようになるため、記録媒体処理装置との通信状態に異常が発生することを防止することができる。
【0463】
なお、上述した実施の形態では、汎用タイマを用いて時間の計測を行う構成としていたが、各処理毎に設定されてその処理において用いられる変動タイマによって時間の計測を行う構成としてもよい。ここでは、主基板31において、確定コマンドの送出を決定するために用いられる変動タイマの設定や更新などの処理について、図78〜図80を参照して説明する。図78は、変動タイマを用いる場合の上述したタイマ割込処理におけるS25の処理を示すフローチャートである。図78に示すように、タイマ割込処理において、CPU56は、変動タイマが0でない場合には(ステップS25aのN)、変動タイマの値を減算(−1)する(ステップS25b)。
【0464】
図79は、確定コマンドの送出を決定するための変動タイマを設定するための処理を示すフローチャートである。図79に示す処理は、上述したステップS304の全図柄変動開始処理に含まれる。変動時間タイマ設定処理において、CPU56は、識別情報の変動時間を変動タイマに設定し(ステップS304A)、その変動タイマを例えばRAM55の所定の領域に保存しておく。
【0465】
図80は、確定コマンドの送出を決定するための変動タイマのタイムアウトをチェックするための処理の一例を示すフローチャートである。このタイムアウトチェック処理は、上述したステップS305の全図柄停止待ち処理に含まれる。タイムアウトチェック処理において、CPU56は、タイマ状態保存領域に保存されている変動タイマの値を抽出する(ステップS305A)。次いで、抽出した変動タイマの値が0であるか否か確認する(ステップS305B)。そして、変動タイマの値が0であれば、CPU56は、変動タイマがタイムアウトしているため、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンド(確定コマンド)を送出する(ステップS305c)。すなわち、ここでの変動タイマは、変動時間を計測するタイマとしての役割を果たす。
【0466】
上述したように、変動時間タイマ設定処理にて設定された変動タイマをタイマ割込処理で更新(減算)し(ステップS25b)、メイン処理において、変動タイマの値を読み出して保存(セット)したあと(ステップS16d)、セットされた変動タイマがタイムアウトしたか否かを判定するように構成されている。従って、変動タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、変動タイマが正確に機能するようになる。よって、上記のような変動タイマを用いる構成としても、特別図柄の変動時間を正確に制御することができるようになるため、遊技機における動作上のずれが生じてしまうことを防止することができる。
【0467】
なお、変動タイマを、他の時間を計測するために用いるようにしてもよい。この場合、上記の図78〜図80と同様に処理を行うようにすればよい。また、主基板31以外の基板において、変動タイマを用いる構成としてもよい。
【0468】
なお、上述した実施の形態にて説明した乱数は一例であり、例えば、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否かを決定するための普通図柄当り決定用乱数などの他の乱数が用いられる構成としてもよい。
【0469】
また、上述した実施の形態では、遊技機に設けられている複数種類の電気部品(例えば、開閉翼片装置15、球払出装置97、可変表示装置9、ランプ・LEDなどの発光体、スピーカなどの各種電気部品)を、各電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37、図柄制御基板80、ランプ制御基板35、音制御基板70)で制御する構成としていたが、各電気部品制御基板のうち2以上の基板の機能を有する基板を備える構成とし、上述した実施の形態では2以上の基板によって制御されていた複数種類の電気部品を1つの基板によって制御する構成としてもよい。例えば、全ての基板(主基板31、払出制御基板37、図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板70)の機能を備える主基板を設ける構成としたり、図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基板70のうちの一部または全部の機能を有する演出制御基板を設ける構成とすることが考えられる。また、1つの基板の機能を分割して、上述した実施の形態では1つの基板によって制御されていた複数種類の電気部品を別個の基板で制御する構成としてもよい。
【0470】
さらに、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物(可変入賞装置の一例)の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能となり、所定の遊技価値が付与されている場合に当該電動役物の所定の領域への入賞があると遊技価値が付与されている状態が継続(例えば、大当り状態が継続して、次のラウンドに移行することを意味する。)する第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物(例えば、停止図柄の組み合わせ以外の条件に成立によって開放する役物、開放しない構成とされ入賞しがたい構造とされている役物など、他の構成の役物であってもよい)への入賞があり、その電動役物の内部に設けられている特定領域を遊技媒体が通過したことを条件に所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0471】
なお、上述した実施の形態において、「特定遊技状態」とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特定遊技状態」は、例えば、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0472】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、遊技機を、電気部品制御手段が、所定期間毎に発生する割込信号の発生毎に実行する割込処理と、繰り返し連続して実行するメイン処理とを行い、割込処理では、少なくとも1の数値データの更新を行う数値データ更新処理を実行し、メイン処理では、数値データ更新処理によって記憶された値を読み出して複製する数値データ設定処理と、該数値データ設定処理によって複製された複製値にもとづき電気部品の制御を行う制御処理とを実行することを特徴とする構成としたので、一連の制御処理が終了しないうちに割込処理が開始されて数値データが更新されたとしても、制御処理に未処理となる部分が残ることを防止することができ、一連の制御処理が完了しないことによってもたらされる不都合が解消されるという効果を有する。
【0473】
請求項3記載の発明では、電気部品制御手段は、遊技の進行を制御する遊技制御手段を含む構成とされているので、遊技制御手段が実行する制御処理に未処理となる部分が残ることを防止することができ、一連の制御処理が完了しないことによってもたらされる誤動作などの不都合を解消することができる。
【0474】
請求項4記載の発明では、数値データは、始動領域を遊技媒体が通過した場合に抽出されるデータであって、特定遊技状態とするか否かを判定するために遊技制御手段が用いる特定遊技状態決定用データを含む構成とされているので、特定遊技状態決定用データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、特定遊技状態決定用データが特定遊技状態となる値である状態が長時間継続してしまうことを防止することができる。
【0475】
請求項5記載の発明では、数値データは、表示結果としての識別情報を決定するために遊技制御手段が用いる識別情報決定用データを含む構成とされているので、識別情報決定用データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、決定される識別情報が偏ってしまうことを防止することができる。
【0476】
請求項6記載の発明では、数値データは、可変表示装置における識別情報の可変表示態様をいずれの可変表示態様で実行するかを決定するために遊技制御手段が用いる可変表示態様決定用データを含む構成とされているので、可変表示態様決定用データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、決定される表示態様が偏ってしまうことを防止することができる。
【0477】
請求項7記載の発明では、数値データは、電気部品の動作期間を管理するための動作タイマの値を示すデータを含む構成とされているので、動作タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、動作タイマが正確に機能するようになるため、遊技機において実行される各種の動作において、動作上のずれが生じてしまうことを防止することができる。
【0478】
請求項8記載の発明では、電気部品に、可変表示装置、音出力手段、および発光体のうちの少なくとも1つが含まれる構成とされているので、電気部品の制御を実行する制御処理に未処理となる部分が残ることを防止することができ、一連の制御処理が完了しないことによってもたらされる誤動作などの不都合を解消することができる。
【0479】
請求項9記載の発明では、数値データは、遊技機の遊技状態に関連して遊技を演出する、電気部品を用いて実行される演出制御内容を決定するための演出状態決定用データを含む構成とされているので、演出状態決定用データの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、更新間隔が大きくなってしまうおそれを無くすことができるため、決定される演出状態が偏ってしまうことを防止することができる。
【0480】
請求項10記載の発明では、数値データは、電気部品としての可変表示装置、音出力手段、および発光体のうちの少なくとも1つによって実行される遊技の演出の実行期間を管理する演出タイマの値を示すデータを含む構成とされているので、演出タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、演出タイマが正確に機能するようになるため、遊技機において実行される各種の演出において、演出状態のずれが生じてしまうことを防止することができる。
【0481】
請求項11記載の発明では、電気部品は、景品として遊技者に払い出される景品遊技媒体と、貸出要求に応じて遊技者に貸し出される貸遊技媒体のうち、少なくともいずれか一方の遊技媒体の払い出しを行うことが可能な払出装置を含み、電気部品制御手段が、払出装置の制御を行う払出制御手段を含む構成とされているので、払出制御手段が実行する制御処理に未処理となる部分が残ることを防止することができ、一連の制御処理が完了しないことによってもたらされる誤動作などの不都合を解消することができる。
【0482】
請求項12記載の発明では、数値データは、払出装置による遊技媒体の払出動作に関連する時間を管理する払出動作タイマの値を示すデータを含む構成とされているので、払出動作タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、払出動作タイマが正確に機能するようになるため、払い出されるべき遊技媒体の数と実際に払い出された遊技媒体の数とで誤差が生じてしまうことを防止することができる。
【0483】
請求項13記載の発明では、数値データは、記録媒体処理装置との通信時間を管理する通信管理タイマの値を示すデータを含むように構成されているので、通信管理タイマの更新を所定期間毎に確実に行うことができ、通信管理タイマが正確に機能するようになるため、記録媒体処理装置との通信状態に異常が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】 ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】 遊技機を裏面から見た背面図である。
【図4】 各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図である。
【図5】 球払出装置の構成例を示す分解斜視図である。
【図6】 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図7】 払出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図8】 図柄制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図9】 ランプ制御基板内の回路構成を示すブロック図である。
【図10】 音声制御基板内の回路構成を示すブロック図である。
【図11】 電源基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図12】 電源監視および電源バックアップのためのCPU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図13】 入力ポートのビット割り当ての一例を示す説明図である。
【図14】 主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図15】 バックアップフラグと遊技状態復旧処理を実行するか否かとの関係の一例を示す説明図である。
【図16】 遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図17】 各乱数を示す説明図である。
【図18】 2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図19】 遊技状態復旧処理を示すフローチャートである。
【図20】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処理)を示すフローチャートである。
【図21】 遊技機への電力供給停止時の電源低下やNMI信号の様子を示すタイミング図である。
【図22】 RAMにおけるスイッチタイマの形成例を示す説明図である。
【図23】 スイッチ入力処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】 スイッチチェック処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】 賞球処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】 賞球処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】 賞球処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】 スイッチオンチェック処理を示すフローチャートである。
【図29】 入力判定値テーブルの構成例を示す説明図である。
【図30】 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである
【図31】 打球が始動入賞口に入賞したことを判定する処理を示すフローチャートである。
【図32】 可変表示の停止図柄を決定する処理および変動パターンを決定する処理を示すフローチャートである。
【図33】 大当たり判定の処理を示すフローチャートである。
【図34】 変動時間タイマ設定処理を示すフローチャートである。
【図35】 タイムアウトチェック処理を示すフローチャートである。
【図36】 コマンド送信テーブル等の一構成例を示す説明図である。
【図37】 制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。
【図38】 制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図39】 払出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図40】 表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図41】 ランプ制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図42】 音声制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図43】 コマンドセット処理の処理例を示すフローチャートである。
【図44】 コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図45】 賞球個数減算処理の一例を示すフローチャートである。
【図46】 電源監視および電源バックアップのための払出制御用CPU周りの一構成例を示すブロック図である。
【図47】 入力ポートのビット割り当ての一例を示す説明図である。
【図48】 払出制御基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図49】 2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図50】 払出状態復旧処理を示すフローチャートである。
【図51】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処理)を示すフローチャートである。
【図52】 払出制御手段におけるRAMの一構成例を示す説明図である。
【図53】 受信コマンドバッファの一構成例を示す説明図である。
【図54】 払出制御用CPUのコマンド受信処理の例を示すフローチャートである。
【図55】 スイッチ入力処理の例を示すフローチャートである。
【図56】 払出個数減算処理の例を示すフローチャートである。
【図57】 払出停止状態設定処理の例を示すフローチャートである。
【図58】 コマンド解析実行処理の例を示すフローチャートである。
【図59】 プリペイドカードユニット制御処理の例を示すフローチャートである。
【図60】 球貸し制御処理の例を示すフローチャートである。
【図61】 球貸し制御処理の例を示すフローチャートである。
【図62】 賞球制御処理の例を示すフローチャートである。
【図63】 賞球制御処理の例を示すフローチャートである。
【図64】 エラーの種類とエラー表示用LEDの表示との関係を示す説明図である。
【図65】 エラー処理の一例を示すフローチャートである。
【図66】 エラー処理の一例を示すフローチャートである。
【図67】 球貸しによる払出動作時の払出制御用CPUとカードユニットとの信号処理の例を示すタイミング図である。
【図68】 表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図69】 表示制御用CPUが実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図70】 表示用乱数の例を示す説明図である。
【図71】 表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図72】 ランプ制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図73】 ランプ制御用CPUが実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図74】 ランプ制御基板に搭載されたROMのアドレスマップにおけるランプデータを示す説明図である。
【図75】 音制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図76】 音制御用CPUが実行するタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図77】 音制御基板に搭載されたROMのアドレスマップにおける音声データを示す説明図である。
【図78】 減算処理によるタイマの更新を行う場合のステップS25の処理の例を示すフローチャートである。
【図79】 減算処理によるタイマの更新を行う場合の変動時間タイマ設定処理を示すフローチャートである。
【図80】 減算処理によるタイマの更新を行う場合のタイムアウトチェック処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
31 主基板
35 ランプ制御基板
37 払出制御基板
55 RAM
56 CPU
70 音制御基板
80 図柄制御基板
101 表示制御用CPU
351 ランプ制御用CPU
371 払出制御用CPU
701 音制御用CPU

Claims (13)

  1. 遊技者が所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、
    遊技機に設けられた電気部品の制御を行うための電気部品制御手段を備え、
    前記電気部品制御手段は、所定期間毎に発生する割込信号の発生毎に実行する割込処理と、繰り返し連続して実行するメイン処理とを行い、
    前記割込処理では、少なくとも1の数値データの更新を行う数値データ更新処理を実行し、
    前記メイン処理では、前記数値データ更新処理によって記憶された値を読み出して複製する数値データ設定処理と、該数値データ設定処理によって複製された複製値にもとづき前記電気部品の制御を行う制御処理とを実行する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 制御を行う際に発生する変動データを記憶し、遊技機への電力供給が停止しても記憶内容を所定期間保持可能な変動データ記憶手段と、
    遊技媒体を検出するための遊技媒体検出手段と、
    遊技機で用いられる電源電圧の低下にもとづいて検出信号を出力する電源監視手段と、
    操作に応じて操作信号を出力する初期化操作手段とを備え、
    電気部品制御手段は、
    前記検出信号の入力に応じて、電力供給停止時処理を実行し、
    電力供給が開始されたときに、前記変動データ記憶手段に保存されていた記憶内容にもとづいて制御状態を前記電力供給停止時処理を開始したときの状態に復旧させる復旧制御を実行し、
    電力供給が開始されたときに、前記初期化操作手段からの前記操作信号が入力されていれば前記データ記憶手段の記憶内容を初期化し、
    前記初期化操作手段からの前記操作信号が入力されているか否かを、前記遊技媒体検出手段から出力される信号が有効と判定される遊技媒体検出判定期間よりも短い要求検出判定期間で判定する
    請求項1記載の遊技機。
  3. 電気部品制御手段は、遊技の進行を制御する遊技制御手段を含む
    請求項1または請求項2記載の遊技機。
  4. 遊技媒体を遊技領域に発射することにより遊技が行なわれ、所定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能であり、
    前記遊技領域に遊技媒体が通過可能な始動領域が設けられ、
    数値データは、前記始動領域を遊技媒体が通過した場合に抽出されるデータであって、前記特定遊技状態とするか否かを判定するために遊技制御手段が用いる特定遊技状態決定用データを含む
    請求項3記載の遊技機。
  5. 始動領域を遊技媒体が通過した場合に識別情報を可変表示したあとに表示結果を導出可能な可変表示装置を備え、
    数値データは、前記表示結果としての識別情報を決定するために遊技制御手段が用いる識別情報決定用データを含む
    請求項4記載の遊技機。
  6. 可変表示装置は、識別情報を複数種類の可変表示態様による可変表示を実行可能であり、
    数値データは、可変表示装置における識別情報の可変表示態様をいずれの可変表示態様で実行するかを決定するために遊技制御手段が用いる可変表示態様決定用データを含む
    請求項5記載の遊技機。
  7. 数値データは、電気部品の動作期間を管理するための動作タイマの値を示すデータを含む
    請求項1から請求項6のうちのいずれかに記載の遊技機。
  8. 遊技を演出する少なくとも1種類の電気部品の制御を行う演出制御手段を備え、
    前記電気部品には、可変表示装置、音出力手段、および発光体のうちの少なくとも1つが含まれる
    請求項1から請求項7のうちのいずれかに記載の遊技機。
  9. 数値データは、遊技機の遊技状態に関連して、遊技を演出する電気部品を用いて実行される演出制御内容を決定するための演出状態決定用データを含む
    請求項8記載の遊技機。
  10. 数値データは、電気部品としての可変表示装置、音出力手段、および発光体のうちの少なくとも1つによって実行される遊技の演出の実行期間を管理する演出タイマの値を示すデータを含む
    請求項8または請求項9記載の遊技機。
  11. 電気部品は、景品として遊技者に払い出される景品遊技媒体と、貸出要求に応じて遊技者に貸し出される貸遊技媒体のうち、少なくともいずれか一方の遊技媒体の払い出しを行うことが可能な払出装置を含み、
    電気部品制御手段は、前記払出装置の制御を行う払出制御手段を含む
    請求項1から請求項10のうちのいずれかに記載の遊技機。
  12. 数値データは、払出装置による遊技媒体の払出動作に関連する時間を管理する払出動作タイマの値を示すデータを含む
    請求項11記載の遊技機。
  13. 遊技者からの遊技媒体の貸出要求を受け付ける記録媒体処理装置を接続可能に構成され、
    数値データは、前記記録媒体処理装置との通信時間を管理する通信管理タイマの値を示すデータを含む
    請求項11または請求項12記載の遊技機。
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