JP4918374B2 - 軸受の潤滑構造 - Google Patents

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    • F16C2380/26Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators

Description

この発明は、半固体状潤滑剤によって軸受を潤滑する軸受の潤滑構造に関する。
従来、軸受の潤滑のために軸受の内部にグリースを封入するのに加えて、軸受の近傍にグリース溜りを設けこのグリース溜りにグリースを充填している。鉄道車両の主電動機の軸受は、メンテナンスに非常に手間がかかることから、その保守省力化が望まれている。一般に、主電動機の軸受は、高回転、高温で使用している場合が多いため、グリース(潤滑剤)の劣化が促進され、軸受の摩耗などによって比較的早期に潤滑寿命に至る。このため、初期にはグリース溜りにはある程度のスペースを残してグリースを充填しておき、ある程度時間が経過した段階(例えば60万キロ走行時)でこのスペースにグリースを追加充填する中間給脂と呼ばれる方法が実施されている。
従来の軸受の潤滑構造は、例えば、軸受の両端面にそれぞれ配置される一対のグリース溜りの周方向に沿って、このグリース溜りを複数のグリース封入室と複数のグリース未封入室とに互い違いに区画するなどして、グリース未封入室にグリース注入口から新しいグリースを中間給脂している(特許文献1参照)。このような従来の軸受の潤滑構造では、封入初期には軸受近傍にグリース封入量が少なく、中間給脂後には、新しいグリースは、グリース未封入室のみに充填されるため、やはり軸受近傍の新しいグリースは少ない。また、中間給脂後には、グリース封入室に古いグリースが動かず残るため、軸受内部の劣化グリースとそれに含まれる摩耗紛が、グリース封入室の古いグリース表面にたまり、軸受近傍に滞留する可能性がある。
特開2004-346972号公報
従来の軸受の潤滑構造では、グリースガンによってノズルから軸受に給脂をしているが、給脂量はグラム単位で管理されており、給脂位置から軸受までの距離が長いと給脂量にばらつきが生じる問題点がある。また、従来の軸受の潤滑構造では、中間給脂するときにグリースを追加充填するためのスペースを確保する場合には、軸受の近傍に給脂用スペース又は排脂用スペースをあけておく必要がある。このため、従来の軸受の潤滑構造では、中間給脂の量を多くすればするほど、初期に封入する軸受近傍のグリース量を減らす必要があり、初期のグリースの充填量が少ないと中間給脂前の潤滑状態が悪くなって中間給脂前に潤滑不良に陥ってしまう問題点があった。この場合に、軸受近傍の軸受と接する部分にグリースを充填し、軸受と接する面から遠い部分にグリースの追加充填のためのスペースを設けることが考えられる。しかし、中間給脂時に軸受近傍の古いグリースが障害となって、追加充填された新しいグリースが転動体と接する面(軸受本体との接触面)に届かず効果を発揮できない問題点がある。この場合に、古いグリースを排出するための排出口を設けることが考えられるが、グリースの流動性が低いため細長い管からグリースを排出するのが困難であり、十分な効果を発揮できない問題点がある。
この発明の課題は、潤滑寿命を延伸させて保守の省力化を図ることができる軸受の潤滑構造を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図4〜図32に示すように、半固体状潤滑剤(G)によって軸受(12)を潤滑する軸受の潤滑構造であって、前記半固体状潤滑剤が充填される充填室(14a)内で劣化後の半固体状潤滑剤(GO)と未劣化の半固体状潤滑剤(GN)とを入れ替える入替部(19)を備え、前記入替部は、前記充填室内で移動することによって前記軸受に近い側の前記劣化後の半固体状潤滑剤をこの軸受から離れる方向に移動させる可動板(20)と、前記可動板が前記軸受から離れる方向に移動したときに、この軸受から遠い側の前記未劣化の半固体状潤滑剤をこの軸受に向かって排出する排出部(26)とを備えることを特徴とする軸受の潤滑構造(18)である。
請求項2の発明は、請求項に記載の軸受の潤滑構造において、前記排出部は、前記可動板と前記充填室との間で加圧された前記未劣化の半固体状潤滑剤を排出することを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項3の発明は、請求項又は請求項に記載の軸受の潤滑構造において、前記排出部は、前記未劣化の半固体状潤滑剤が前記軸受に向かって移動するようにこの未劣化の半固体状潤滑剤をガイドするガイド部(28)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項4の発明は、請求項に記載の軸受の潤滑構造において、前記排出部は、前記可動板側及び/又は前記充填室側に形成されており、前記ガイド部は、前記軸受に向かって立ち上がる壁部又は溝部であることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項5の発明は、請求項又は請求項に記載の軸受の潤滑構造において、前記ガイド部は、前記未劣化の半固体状潤滑剤の移動方向と直交する平面で切断したときの断面形状が長円形、円形、多角形、三角形、楕円形又はこれらの組み合わせであることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項6の発明は、請求項から請求項までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、前記ガイド部の内面は、平面状、曲面状、両テーパ状、片テーパ状又はこれらの組み合わせであることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項7の発明は、請求項3から請求項までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図15に示すように、前記排出部は、前記ガイド部に向かって前記未劣化の半固体状潤滑剤を誘導する誘導部(30)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項8の発明は、請求項に記載の軸受の潤滑構造において、前記誘導部は、前記未劣化の半固体状潤滑剤と接触する側の前記可動板の表面と前記ガイド部の内面とが交差する部分に形成された面取りであることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項9の発明は、請求項から請求項までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図4〜図32に示すように、前記排出部は、前記軸受と対向する位置に前記未劣化の半固体状潤滑剤を排出する排出口(29)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項10の発明は、請求項に記載の軸受の潤滑構造において、図12〜図14、図16〜図26及び図29に示すように、前記排出口は、前記軸受の保持器(12b)と内輪(12d)との間の間隙部(S11)及び/又は前記軸受の保持器と外輪(12c)との間の間隙部(S12)に前記未劣化の半固体状潤滑剤を排出することを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項11の発明は、請求項から請求項10までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図3〜図26に示すように、前記排出部は、前記可動板の周方向に間隔をあけて又は前記可動板の周方向に連続して配置されていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項12の発明は、請求項11に記載の軸受の潤滑構造において、図16〜図26に示すように、前記排出部は、前記可動板の内周部及び/又は前記可動板の外周部に配置されていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項13の発明は、請求項から請求項12までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図3〜図15に示すように、前記排出部は、前記可動板の幅方向の中央部に配置されていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項14の発明は、請求項から請求項13までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図27〜図30に示すように、前記排出部は、前記充填室側に形成されており、前記可動板が前記軸受から離れる方向に移動するときにこの可動板を移動自在にガイドすることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項15の発明は、請求項から請求項14までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図3〜図5に示すように、前記入替部は、前記可動板を駆動する駆動部(24)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項16の発明は、請求項15に記載の軸受の潤滑構造において、前記駆動部は、回転駆動することによって前記可動板を駆動する送りねじ機構部(25)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項17の発明は、請求項から請求項16までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図3〜図32に示すように、前記入替部は、前記劣化後の半固体状潤滑剤を前記可動板に保持させる保持部(21)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項18の発明は、請求項17に記載の軸受の潤滑構造において、前記保持部は、前記劣化後の半固体状潤滑剤を挟み込む挟み込み部(21a)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
この発明によると、潤滑寿命を延伸させて保守の省力化を図ることができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える電動機枠体及びシャフトの断面図である。
シャフト1は、図示しないギア、車軸を介して主電動機の動力を車輪に伝えるものである。電動機枠体2は、フレーム3と、ブラケット4,5と、給脂栓6,7と、カラー8〜11と、軸受12,13と、軸受蓋14〜17などによって構成されている。
フレーム3は、電動機の固定子を固定し支持する部材であり、両端部にフランジ部3a,3bが形成されている。ブラケット4は、フレーム3と軸受蓋16とを連結する部材であり、フランジ部3aと接合するフランジ部4aと、グリースGを充填するときにこのグリースGが流入する流路4bとが形成されている。ブラケット5は、フレーム3と軸受蓋17とを連結する部材であり、フランジ部3bと接合するフランジ部5aが形成されている。給脂栓6,7は、流路4b,17dの流入口にねじ込まれてこれらの流入口を開閉自在に塞ぐ部材であり、給脂栓6,7にはこれらの流入口の内側に形成された雌ねじ部と噛み合う雄ねじ部が形成されている。カラー8〜11は、シャフト1の両端部に嵌め込まれた円環状の部材である。軸受12,13は、シャフト1を回転自在に支持する転がり軸受であり、軸受12は玉軸受であり、軸受13はころ軸受である。軸受12,13は、転動体12a,13aと、この転動体12a,13aを等間隔に保持する保持器12b,13bと、この保持器12b,13bの外側で回転する外輪12c,13cと、この保持器12b,13bの内側で回転する内輪12d,13dなどを備えている。軸受12,13は、内部にグリースGが過剰に詰め込まれるとこのグリースGの撹拌熱によって発熱するため、初期状態時には一般に空間容積の1/3程度のグリースGが詰め込まれている。
図2は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の平面図であり、図2(A)は図1のIIA方向から見た平面図であり、図2(B)は図1のIIB方向から見た平面図であり、図2(C)は図1のIIC方向から見た平面図であり、図2(D)は図1のIID方向から見た平面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、図3(A)は平面図であり、図3(B)(C)は図3(A)のIII-IIIB線で切断した状態を示す断面図である。図4は、図3(B)(C)の一部を拡大して示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は入替給脂後の断面図である。図5は、図4のV部分を拡大して示す部分断面図である。図6は、図3(A)のVI-VI線で切断した状態を示す断面図であり、図6(A)は初期状態の断面図であり、図6(B)は入替給脂中の断面図であり、図6(C)は入替給脂後の断面図である。
軸受蓋14,16は、軸受12を固定する部材であり、軸受蓋15,17は軸受13を固定する部材である。軸受蓋14〜17は、アルミニウム又は鉄などからなる鋳造品や機械加工部品であり、軸受蓋14,15は電動機枠体2の外側に、軸受蓋16,17は電動機枠体2の内側に装着されている。軸受蓋14は、軸受蓋16との間で軸受12を挟み込むようにボルトによって軸受蓋16に固定されており、軸受蓋15は軸受13を挟み込むようにボルトによって軸受蓋17に固定されている。軸受蓋14〜17は、潤滑構造18を備えている。軸受蓋14,15は、図2(A)(D)に示すように、いずれもほぼ同一の構造であり、軸受蓋16,17は図2(B)(C)に示すように、いずれもほぼ同一の構造である。以下では、軸受蓋14,16側について説明し、軸受蓋15,17側の部分については軸受蓋14,16側の部分と対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
軸受蓋14は、図3(A)〜(C)に示すように、充填室14aと貫通孔14e,14fとを備えている。充填室14aは、軸受12を潤滑するためのグリースGが充填される部分であり、図3(A)〜(C)に示す環状充填室(第1グリース溜り)14bと、外側充填室(第2グリース溜り)14cと、抑え部14dと、図3(B)(C)及び図4に示す壁部14gと、逃げ部14hとを有する。充填室14aは、図3(B)(C)に示すように、断面形状が四角形に形成されている。
環状充填室14bは、軸受12を潤滑するためのグリースGを充填する部分である。環状充填室14bは、外輪12cと内輪12dとの間の間隙部(軸受開口部)に沿って形成されており、図2(A)及び図3(A)に示すように貫通孔14eを囲むように円環状に形成された凹状の溝である。環状充填室14bは、図4及び図6に示すように、劣化後のグリースGOと未劣化のグリースGNとを入れ替え可能な入替形のグリース充填室を備えている。外側充填室14cは、図3(A)に示すように、環状充填室14bに沿って外側に拡大して形成されており、この環状充填室14bの一部と結合する凹状の溝である。環状充填室14b及び外側充填室14cは、図3(B)(C)に示すように、軸受12の端面側に開口部を有する。図2(A)及び図3(A)に示す抑え部14dは、外輪12cの端面を抑える部分であり、外側充填室14cの外周部に間隔をあけて4つ形成されている。図3に示す貫通孔14eは、図1に示すカラー8を挿入する挿入孔であり、貫通孔14fは軸受蓋14を軸受蓋16に固定するためのボルトを挿入する挿入孔である。図3(B)(C)及び図4に示す壁部14gは、外側充填室14cとの間に形成された部分であり、環状充填室14bと外側充填室14cとを区画するとともに、可動板20を移動自在にガイドする。逃げ部14hは、壁部14gと補強部23とが干渉するのを防止する部分であり、壁部14gの端部を切り欠くように、延長部22と対応して3箇所形成されている。
軸受蓋16は、図2(B)に示す環状充填室16aと、抑え部16bと、貫通孔16cと、図1に示す流路16dと、供給口16eなどを備えている。環状充填室16aは、軸受12を潤滑するためのグリースGを充填する部分である。環状充填室16aは、外輪12cと内輪12dとの間の間隙部に沿って形成されており、貫通孔16cを囲むように円環状に形成された凹部である。図2(B)に示す抑え部16bは、軸受12の外輪12cの端面を抑える部分であり、貫通孔16cは、図1に示すカラー9を挿入する挿入孔である。流路16dは、グリースGを充填するときにこのグリースGが流入する部分であり、図1に示すように一方の端部(上流側)がブラケット4の流路4bと接続し、他方の端部(下流側)が軸受12に向かって開口している。供給口16eは、軸受12を通過して環状充填室14bにグリースGを供給するための開口部である。
図1に示す潤滑構造18は、グリースGによって軸受12,13を潤滑する構造である。潤滑構造18は、環状充填室14b,15b内に封入されたグリースGを軸受12,13に供給してこの軸受12,13を潤滑する。
図4及び図6に示す入替部19は、充填室14a内で劣化後のグリースGOと未劣化のグリースGNとを入れ替える部分である。入替部19は、軸受12に近い側の劣化後のグリース(使用後のグリース)GOをこの軸受12から離し、軸受12から遠い側の未劣化のグリース(未使用のグリース)GNをこの軸受12に近づける。入替部19は、図4及び図6に示す可動板20と、保持部21と、図4に示す延長部22と、補強部23と、駆動部24と、図4及び図6に示す排出部26などを備えている。
図4及び図6に示す可動板20は、充填室14a内で移動することによって劣化後のグリースGOを軸受12から離れる方向に移動させる部材である。可動板20は、図4(A)及び図6(A)に示す初期状態では軸受12に近い側と遠い側との二つの領域に環状充填室14bを区画し、図4(B)及び図6(B)(C)に示す入替給脂時には環状充填室14b内で移動する仕切板である。可動板20は、図3に示すように、環状充填室14bの内側外周面と外側内周面との間に嵌め込まれており、これらによって移動自在にガイドされている。可動板20は、図4(A)及び図6(A)に示す初期状態では、劣化後のグリースGOを収容する領域と、未劣化のグリースGNを収容する領域とに環状充填室14bを区画している。可動板20は、例えば、耐熱性及び耐油性を有するポリアミド系樹脂、繊維強化プラスチックなどの合成樹脂製又は金属製の材料によって円環状に形成されている。可動板20は、図4(B)及び図6(B)(C)に示すように、軸受12から離れる方向に移動することによって、軸受12側とは反対側の表面(背面)によって未劣化のグリースGNを加圧して、保持部21の先端面と軸受12の端面との間に未劣化のグリースGNを押し出し入替給脂する。
保持部21は、劣化後のグリースGOを可動板20に保持させる部分である。保持部21は、可動板20と同じ材質であり、モールド又は溶接などによって可動板20と一体に形成されている。保持部21は、図4及び図6に示す挟み込み部21aと、図3(B)(C)に示す通路部21bとを備えている。図4及び図6に示す挟み込み部21aは、劣化後のグリースGOを挟み込む部分であり軸受12側に開口部を有し、可動板20を径方向で切断したときの断面形状が略U字状に形成されている。図3(B)(C)に示す通路部21bは、外側充填室14cから環状充填室14bにグリースG又はグリースGから滲み出た潤滑油が移動可能なように、このグリースG又はこの潤滑油を通過させる部分であり、図3に示すように保持部21が外側充填室14cと接する部分に形成された切欠部である。
図4に示す延長部22は、可動板20の外周部から外側に延びる部分である。延長部22は、保持部21と同じ材質の板状部材であり、モールド又は溶接によって保持部21と一体に形成されている。延長部22の厚さは、外側充填室14c内のグリース量が低下しないように、延長部22の強度を確保可能な範囲内で可能な限り薄くすることが好ましい。延長部22は、例えば、図3(A)に示すように、充填室14aの周方向に間隔をあけて3つ配置されている。延長部22には、送りねじ機構部25の雄ねじ部25aの先端部が貫通する貫通孔22aが形成されている。貫通孔22aは、図5に示すように、内周部が段状に形成されており、貫通孔22aの内周部には軸受12側に大径孔22bが形成されており、軸受12側とは反対側に大径孔22bよりも内径が小さい小径孔22cが形成されている。延長部22は、図4に示すように、壁部14gと可能な限り干渉しないように、保持部21の軸受12寄り(保持部21の略U字状の開口部付近)の外周部に接続されている。
補強部23は、保持部21と延長部22との接続部を補強する部分である。補強部23は、保持部21の外側外周部と延長部22の基部との接続部を補強するリブなどであり、駆動部24が延長部22を駆動するときに延長部22が撓まないように延長部22の基部に剛性を付与している。補強部23は、図4(A)に示すように、壁部14gの端部と対向して形成されており、図4(B)に示すように環状充填室14bの底部に可動板20が移動したときに逃げ部14hと接触する。
駆動部24は、可動板20を駆動する部材である。駆動部24は、図3(B)(C)及び図4に示すように、延長部22を駆動することによってこの延長部22とともに可動板20を駆動する。駆動部24は、例えば、軸受12の中心軸から等距離に配置されており、延長部22と対応して充填室14aの周方向に間隔をあけて3つ配置されている。駆動部24は、例えば、環状充填室14bの背面にラビリンスパッキン(ラビリンスシール)が存在するときに、ラビリンスパッキンと干渉しない位置に存在する延長部22を駆動することによって間接的に可動板20を駆動する。駆動部24は、図4に示すように、送りねじ機構部25を備えている。
送りねじ機構部25は、回転駆動することによって可動板20を駆動する部材である。送りねじ機構部25は、可動板20を駆動するときに外部から手動で回転操作される。送りねじ機構部25は、例えば、環状充填室14bの周方向に間隔をあけて3つ配置されており、雄ねじ部25aと、雌ねじ部25bと、密封部25cと、緩み止め部25d,25eと、連結部25fなどを備えている。雄ねじ部25aは、可動板20と一体となって進退可能なボルトであり、雄ねじ部25aの先端部は延長部22の貫通孔22aに回転自在に連結されている。雌ねじ部25bは、雄ねじ部25aと噛み合う部分であり、この雄ねじ部25aが貫通する軸受蓋14の貫通孔の内周部に形成されている。密封部25cは、雄ねじ部25aと雌ねじ部25bとの間の間隙部を密封する部分であり、充填室14aから雄ねじ部25aが抜け出すのを許容し、この充填室14aにこの雄ねじ部25aが入り込むのを禁止する。密封部25cは、雄ねじ部25aと雌ねじ部25bとの間に塗布される液状パッキンなどのコーキング材であり、環状充填室14bから外部にグリースG又はグリースGから滲み出た潤滑油が漏れ出すのを防止するとともに、外部から環状充填室14bに異物が浸入するのを防止する。緩み止め部25d,25eは、雄ねじ部25aの緩みを防止する部材であり、雄ねじ部25aの後端部に装着される二重ナットなどである。緩み止め部25d,25eは、雄ねじ部25aが入替給脂時以外に不用意に回転するのを阻止する。連結部25fは、雄ねじ部25aと延長部22とを連結する部分であり、雄ねじ部25aの回転量に応じて可動板20が移動するように、延長部22の貫通孔22aに回転自在に連結されている。連結部25fは、図5に示すように、延長部22に掛け止め可能なように雄ねじ部25aの先端部に段状に形成されており、大径孔22bに回転自在に嵌合する大径部25gと、小径孔22cに回転自在に嵌合する小径部25hとを備えている。
図4及び図6に示す排出部26は、可動板20が軸受12から離れる方向に移動したときに、未劣化のグリースGNを軸受12に向かって排出する部分であり、可動板20と充填室14aとの間で加圧された未劣化のグリースGNを排出する。排出部26は、可動板20側に形成されており、この可動板20とともに軸受12から離れる方向に移動する。排出部26は、図4(B)及び図6(B)(C)に示すように、未劣化のグリースGNが流れる流路であり、劣化後のグリースGOと軸受12との間に未劣化のグリースGNを排出する。排出部26は、可動板20と同じ材質であり、モールド又は溶接などによって可動板20と一体に形成されている。排出部26は、図6(B)に示すように、軸受12から離れる方向に可動板20が移動したときに、可動板20の背面と環状充填室14bの底面との間で加圧された未劣化のグリースGNを軸受12に向かって二点鎖線で示すように排出する。排出部26は、図3(A)に示すように、可動板20の周方向に間隔をあけて配置されており、可動板20の幅方向の中央部に配置されている。例えば、図3(A)に示すように、排出部26は可動板20の周方向に等間隔で8個配置されており、軸受蓋14の中心軸から等距離になるように配置されている。排出部26は、図4及び図6に示すように、流入口27と、ガイド部28と、排出口29とを備えている。
流入口27は、未劣化のグリースGNが流入する部分であり、可動板20の幅方向の中央部に断面形状(孔形状)が長円形(長孔)になるように形成されている。流入口27には、図6(B)に示すように軸受12から離れる方向に可動板20が移動したときに、この可動板20と環状充填室14bとの間で加圧された未劣化のグリースGNが流入する。
図7は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。
ガイド部28は、未劣化のグリースGNを軸受12に向かって移動するようにこの未劣化のグリースGNをガイドする部分であり、図7に示すように軸受12に向かって立ち上がる壁部である。ガイド部28は、図4及び図6に示すように、排出口29の位置と軸受12の端面とが略一致するような高さに形成されている。ガイド部28は、図3(A)に示すように、未劣化のグリースGNの移動方向と直交する平面で切断したときの断面形状(孔形状)が可動板20の周方向に長く幅方向に短い長円形(長孔)であり、ガイド部28の断面形状は流入口27から排出口29に向かって同一の大きさで形成されている。ガイド部28は、図4及び図6に示すように、可動板20の軸受12側の表面に対して垂直(ストレート状)に形成されており、可動板20の幅方向及び周方向で切断したときの断面が直線状である。ガイド部28の厚さは、保持部21によって保持されるグリース量が低下しないように、このガイド部28の強度を確保可能な範囲内で可能な限り薄くすることが好ましい。ガイド部28は、図7に示すように、内側側面28a,28bと内側端面28c,28dとを備えている。内側側面28a,28bは、可動板20の幅方向で対向する一対の内面であり、保持部21に沿って僅かに湾曲し互いに平行な曲面状に形成されている。内側端面28c,28dは、可動板20の周方向で対向する一対の内面であり、内側側面28a,28bと連続して同一半径の曲面状に形成されている。
図4及び図6に示す排出口29は、軸受12と対向する位置に未劣化のグリースGNを排出する部分であり、図4及び図6に示すように軸受12の保持器12bとの間に僅かに間隙部を形成するようにこの保持器12bと対向している。排出口29は、図3(A)及び図7に示すように、長円形に形成されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造の作用を説明する。
図2(A)に示すように、初期状態では外側充填室14c及び環状充填室14bにはグリースGが隙間なく充填されている。また、図3(A)及び図4(A)に示すように、可動板20と軸受12との間にもグリースGが充填され、環状充填室14bと可動板20との間にもグリースGが充填されている。この状態で軸受12が回転すると軸受12の端面付近のグリースGが徐々に劣化して、図4(A)及び図6(A)に示すように軸受12の端面付近のグリースGに摩耗粉などが混入する。図4(B)に示すように、入替給脂時(メンテナンス時)には、軸受12から離れる方向に可動板20が移動するように、緩み止め部25d,25eを緩めて雄ねじ部25aを回転させ、雄ねじ部25aによって延長部22を可動板20とともに移動させる。図6(B)に示すように、軸受12から離れる方向に可動板20が移動を開始すると、劣化後のグリースGOが保持部21に保持された状態で可動板20とともに移動し、可動板20によって未劣化のグリースGNが押圧される。このため、図6(B)の二点鎖線で示すように、未劣化のグリースGNが流入口27からガイド部28内に流入して排出口29から噴き出し、保持部21の先端面と軸受12の端面との間にこの未劣化のグリースGNが徐々に充填される。図6(C)に示すように、環状充填室14bの底部と接触するまで可動板20が移動すると、劣化後のグリースGOと軸受12との間に未劣化のグリースGNが完全に入替給脂されて、この未劣化のグリースGNによって軸受12が新たに潤滑される。軸受蓋15側の環状充填室15bにも同様の方法によって入替給脂される。
この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造は、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、劣化後のグリースGOと未劣化のグリースGNとを充填室14a内で入替部19が入れ替えており、軸受12に近い側の劣化後のグリースGOを入替部19が軸受12から離し、軸受12から遠い側の未劣化のグリースGNを入替部19が軸受12に近づける。このため、例えば、鉄道車両の主電動機の軸受12を非分解の状態で、劣化後のグリースGOと未劣化のグリースGNとを入れ替えることができ、潤滑効果を十分に図り潤滑寿命を延伸させることができる。また、初期状態時には軸受12の近傍に十分な量のグリースGを充填させることができるため、入替給脂前に潤滑不良になるのを防ぐことができる。
(2) この第1実施形態では、充填室14a内で可動板20が移動することによって、劣化後のグリースGOを軸受12から離れる方向にこの可動板20が移動させる。このため、摩耗粉などが混入した劣化後のグリースGOを軸受12の近傍から強制的に遠ざけることができる。
(3) この第1実施形態では、可動板20が軸受12から離れる方向に移動したときに、未劣化のグリースGNをこの軸受12に向かって排出部26が排出する。このため、未劣化のグリースGNを軸受12の近傍に排出して、軸受部を非分解の状態で潤滑効果を十分に図り潤滑寿命を延伸させることができる。
(4) この第1実施形態では、可動板20と充填室14aとの間で加圧された未劣化のグリースGNを排出部26が排出する。このため、可動板20の動作に連動して、未劣化のグリースGNを軸受12の近傍に簡単に移動させることができる。
(5) この第1実施形態では、未劣化のグリースGNが軸受12に向かって移動するようにこの未劣化のグリースGNをガイド部28がガイドする。このため、未劣化のグリースGNを軸受12の近傍に誘導しこの軸受12に向かって噴出させることができる。
(6) この第1実施形態では、排出部26が可動板20側に形成されており、ガイド部28が軸受12に向かって立ち上がる壁部である。このため、未劣化のグリースGNを排出するときにこの未劣化のグリースGNが劣化後のグリースGOと接触するのを壁部によって防ぎ、この劣化後のグリースGOを軸受12側に押し出してしまうのを防ぐことができる。
(7) この第1実施形態では、軸受12と対向する位置に未劣化のグリースGNを排出口29が排出する。このため、未劣化のグリースGNと劣化後のグリースGOとを混合させずに、十分な量の未劣化のグリースGNを軸受12の近傍に充填して、潤滑効果を十分に図り潤滑寿命を延伸させることができる。
(8) この第1実施形態では、可動板20の周方向に間隔をあけて排出部26が配置されている。このため、可動板20によって加圧された未劣化のグリースGNを排出部26によって排出させて、この未劣化のグリースGNによって可動板20の動作が妨げられるのを防ぐことができる。また、未劣化のグリースGNが排出部26を通過するため、この未劣化のグリースGNをある程度の噴出速度によって勢いよく軸受12に向かって移動させることができる。
(9) この第1実施形態では、可動板20の幅方向の中央部に排出部26が配置されている。このため、未劣化のグリースGNを軸受12の中央に排出することができ、この未劣化のグリースGNをこの軸受12の端面にむらなく略均等に供給することができる。
(10) この第1実施形態では、可動板20を駆動部24が駆動する。このため、可動板20を確実に移動させて劣化後のグリースGOと未劣化のグリースGNとを入れ替えることができる。
(11) この第1実施形態では、回転駆動することによって可動板20を駆動する送りねじ機構部25を駆動部24が備えている。このため、安価で簡単な機構によって可動板20を確実に駆動することができる。
(12) この第1実施形態では、劣化後のグリースGOを可動板20に保持部21が保持させる。このため、劣化後のグリースGOを保持した状態で、この劣化後のグリースGOを可動板20とともに軸受12から確実に遠ざけることができる。
(13) この第1実施形態では、劣化後のグリースGOを挟み込む挟み込み部21aを保持部21が備えている。このため、劣化後のグリースGOを可動板20とともに移動させることができ、軸受12の近傍に劣化後のグリースGOが残存して未劣化のグリースGNと混合するのを防ぐことができる。
(第2実施形態)
図8は、この発明の第2実施形態に係る軸受の潤滑構造の駆動部の断面図であり、図8(A)は初期状態の断面図であり、図8(B)は入替給脂後の断面図である。図9は、この発明の第2実施形態に係る軸受の潤滑構造の駆動部を拡大して示す断面図である。
図8及び図9に示す貫通孔22aは、内周部に雌ねじ部が形成されており、雄ねじ部25aの回転量に応じて可動板20が駆動する。送りねじ機構部25は、雄ねじ部25aと、密封部25cと、緩み止め部25d,25eと、貫通孔25iと、軸部25jと、ストッパ部25kなどを備えている。雄ねじ部25aは、可動板20を進退可能に駆動するボルトであり、両端部に所定の長さで形成されている。雄ねじ部25aは、先端部が延長部22の貫通孔22aの雌ねじ部と噛み合っており、この貫通孔22aに回転自在に連結されている。雄ねじ部25aは、入替給脂時以外に不用意に回転しないように、後端部に緩み止め部25d,25eが装着されている。密封部25cは、貫通孔25iと軸部25jとの間の間隙部を密封する部分である。密封部25cは、貫通孔25iと軸部25jとの間に塗布される液状パッキンなどのコーキング材であり、環状充填室14bから外部にグリースG又はグリースGから滲み出た潤滑油が漏れ出すのを防止するとともに、外部から環状充填室14bに異物が浸入するのを防止する。貫通孔25iは、軸部25jが貫通する部分であり、軸受蓋14を貫通して形成されている。軸部25jは、貫通孔25iに回転自在に挿入される部分であり、雄ねじ部25aの中間部に形成されており、この中間部の外周部には雄ねじ部が形成されていない。ストッパ部25kは、雄ねじ部25aが後退する方向に移動するのを阻止する部分であり、軸部25jの外周部から突出してフランジ状に形成されている。この第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、雄ねじ部25aが回転操作されたときに、この雄ねじ部25aが長さ方向に移動して雄ねじ部25aの後端部が軸受蓋14の外側に抜け出すことがない。このため、軸受蓋14の外側に存在する部材と雄ねじ部25aとを干渉させずに、可動板20を簡単に移動させることができる。
(第3実施形態)
図10は、この発明の第3実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図である。図11は、この発明の第3実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。以下では、図1〜図7に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図10及び図11に示すガイド部28は、流入口27から排出口29に向かって徐々に細くなるようにノズル状に形成されており、断面形状が長円形である。ガイド部28は、可動板20の軸受12側の表面から立ち上がる両テーパ状に形成されている。図11に示す内側側面28a,28bは、保持部21に沿って僅かに湾曲し、排出口29側が狭くなるように傾斜して形成されている。内側端面28c,28dは、内側側面28a,28bと連続して同一半径の曲面状に形成されており、排出口29側が狭くなるように傾斜して形成されている。この第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、排出部26がノズル状に形成されているため、未劣化のグリースGNを軸受12に向かって高圧で噴射することができるとともに、排出部26の先端部が細くなるためこの先端部の未劣化のグリースGNに摩耗粉などが混入するのをより一層低減することができる。
(第4実施形態)
図12は、この発明の第4実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図である。図13は、この発明の第4実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。
図12及び図13に示すガイド部28は、流入口27から排出口29に向かって徐々に細くなるようにノズル状に形成されており断面形状が長円形である。ガイド部28は、可動板20の軸受12側の表面から立ち上がる片テーパ状に形成されている。図11に示す内側側面28a,28bは、保持部21に沿って僅かに湾曲し排出口29側が狭くなるように形成されており、内側側面28aは可動板20に対して垂直であり、内側側面28bは可動板20に対して傾斜している。内側端面28c,28dは、内側側面28a,28bと連続して同一半径の曲面状に形成されており、排出口29側が狭くなるように傾斜して形成されている。排出口29は、図12に示すように、軸受12の内輪12dと保持器12bとの間の間隙部S11に向かって未劣化のグリースGNを排出する。この第4実施形態では、第3実施形態の効果に加えて、未劣化のグリースGNが流入しやすい間隙部S11に向かってこの未劣化のグリースGNを噴射することができるため、より一層潤滑効果を向上させることができる。この第4実施形態では、間隙部S11に未劣化のグリースGNを給脂するため、軸受12が回転するとこの未劣化のグリースGNが遠心力によって内輪12d側から外輪12c側に移動するため、潤滑効果を向上させることができる。
(第5実施形態)
図14は、この発明の第5実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図であり、図14(A)(B)は排出口が円形である場合の斜視図であり、図14(C)(D)は排出口が四角形である場合の斜視図である。
図14(A)(B)に示すガイド部28は、断面形状が円形であり、内周面28eは曲面状に形成されている。図14(C)(D)に示すガイド部28は、断面形状が四角形であり、内側側面28a,28b及び内側端面28c,28dは互に平行な平面状に形成されている。図14(A)(C)に示すガイド部28は、可動板20の表面に対して垂直(ストレート状)に形成されている。図14(B)(D)に示すガイド部28は、排出口29側が狭くなっており、可動板20の軸受12側の表面から立ち上がる両テーパ状に形成されている。この第5実施形態には、第1実施形態〜第3実施形態と同様の効果がある。
(第6実施形態)
図15は、この発明の第6実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図であり、図15(A)〜(C)は誘導部がR面であるときの断面図であり、図15(D)〜(F)は誘導部が斜面であるときの断面図である。
図15に示す排出部26は、ガイド部28に向かって未劣化のグリースGNを誘導する誘導部30を備えている。誘導部30は、未劣化のグリースGNと接触する側の可動板20の表面(背面)とガイド部28の内面とが交差する部分に形成された面取りである、図15(A)〜(C)に示す誘導部30には、R面(丸み)が形成されており、図15(D)〜(F)に示す誘導部30には斜面が形成されている。誘導部30は、軸受12から離れる方向に可動板20が移動して、この可動板20と環状充填室14bとの間で未劣化のグリースGNが加圧されたときに、この未劣化のグリースGNを流入口27からガイド部28に容易に流入させる。この第6実施形態では、第1実施形態〜第4実施形態の効果に加えて、誘導部30によって未劣化のグリースGNをより一層スムーズにガイド部28へ押し出すことができる。
(第7実施形態)
図16は、この発明の第7実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、図16(A)は平面図であり、図16(B)は図16(A)のXVI-XVIB線で切断した状態を示す断面図である。図17は、この発明の第7実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。
図16及び図17に示す排出部26は、可動板20の周方向に間隔をあけてこの可動板20の外周部に配置されている。排出部26は、例えば、図16(A)に示すように、可動板20の外周部の周方向に等間隔で4個配置されており、軸受蓋14の中心軸から等距離に配置されている。ガイド部28は、断面形状が多角形に形成されており、ガイド部28の断面形状は流入口27から排出口29に向かって同一の大きさで形成されている。ガイド部28は、図16(B)に示すように、排出口29の位置と軸受12の端面とが略一致するような高さに形成されている。ガイド部28は、図17に示すように、可動板20の軸受12側の表面に対して垂直(ストレート状)に形成されており、内側側面28f〜28hとを備えている。内側側面28fは、環状充填室14bに沿って僅かに湾曲した曲面状に形成されており、内側側面28g,28hは内側側面28fの両縁部と可動板20の外側外周部とを接続し平面状に形成されている。この第8実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
(第8実施形態)
図18は、この発明の第8実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図である。図19は、この発明の第8実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。
図18及び図19に示すガイド部28は、可動板20の軸受12側の表面に対して傾斜して形成されている。図19に示すように、内側側面28fは環状充填室14bに沿って僅かに湾曲し排出口29側が狭くなるように傾斜した曲面状に形成されており、内側側面28g,28hは排出口29側が狭くなるように傾斜した平面状に形成されている。排出口29は、図18に示すように、軸受12の外輪12cと保持器12bとの間の間隙部S12に向かって未劣化のグリースGNを排出する。この第9実施形態には、第3実施形態と同様の効果がある。
(第9実施形態)
図20は、この発明の第9実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、図20(A)は平面図であり、図20(B)は図20(A)のXX-XXB線で切断した状態を示す断面図である。図21は、この発明の第9実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。
図20及び図21に示す排出部26は、可動板20の周方向に間隔をあけてこの可動板20の内周部に配置されており、図20(B)に示すように軸受12の内輪12dと保持器12bとの間の間隙部S11に向かって未劣化のグリースGNを排出する。排出部26は、例えば、図20(A)に示すように、可動板20の内周部の周方向に等間隔で8個配置されており、軸受蓋14の中心軸から等距離に配置されている。図20及び図21に示すガイド部28は、図16及び図17に示すガイド部28とは異なり、図21に示すように内側側面28fの両縁部と可動板20の内側内周部とを内側側面28g,28hが接続している。この第9実施形態には、第4実施形態と同様の効果がある。
(第10実施形態)
図22は、この発明の第10実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図である。図23は、この発明の第10実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。
図22及び図23に示すガイド部28は、可動板20の軸受12側の表面に対して傾斜して形成されている。図23に示すように、内側側面28fは可動板20に沿って僅かに湾曲し排出口29側が狭くなるように傾斜した曲面状に形成されており、内側側面28g,28hは排出口29側が狭くなるように傾斜した平面状に形成されている。この第10実施形態には、第4実施形態と同様の効果がある。
(第11実施形態)
図24は、この発明の第11実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図であり、図24(A)(B)は排出口が半円形である場合の斜視図であり、図24(C)(D)は排出口が三角形である場合の斜視図である。
図24(A)(B)に示すガイド部28は、断面形状が半円形であり、内周面28eは曲面状に形成されている。図24(C)(D)に示すガイド部28は、断面形状が三角形であり、内側側面28a,28bは平面状に形成されている。図24(A)(C)に示すガイド部28は、可動板20の表面に対して垂直(ストレート状)に形成されている。図24(B)(D)に示すガイド部28は、排出口29側が狭くなるように形成されており、可動板20の軸受12側の表面に対して傾斜して形成されている。この第11実施形態には、第7実施形態及び第8実施形態と同様の効果がある。
(第12実施形態)
図25は、この発明の第12実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の平面図である。
図25に示す可動板20の内側内周部は、環状充填室14bの内側外周部に嵌め込まれており、この環状充填室14bの内側外周部に移動自在にガイドされている。排出部26は、図25に示すように、可動板20の周方向に連続してこの可動板20の外周部に配置されており、図16又は図18に示すガイド部28と同様に、軸受12の外輪12cと保持器12bとの間の間隙部S12に向かって未劣化のグリースGNを排出する。この第12実施形態では、第7実施形態及び第8実施形態の効果に加えて、第1実施形態〜第4実施形態のような排出口29を可動板20に形成する必要がなくなるため入替部19を容易に製造することができる。
(第13実施形態)
図26は、この発明の第13実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図である。
図26に示す可動板20の外側外周部は、環状充填室14bの外側内周部に嵌め込まれており、この環状充填室14bの外側内周部に移動自在にガイドされている。排出部26は、図26に示すように、可動板20の周方向に連続してこの可動板20の内周部に配置されており、図20又は図22に示すように軸受12の内輪12dと保持器12bとの間の間隙部S11に向かって未劣化のグリースGNを排出する。この第13実施形態には、第9実施形態、第10実施形態及び第12実施形態と同様の効果がある。
(第14実施形態)
図27は、この発明の第14実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図であり、図27(A)は初期状態の断面図であり、図27(B)は入替給脂中の断面図であり、図27(C)は入替給脂後の断面図である。図28は、この発明の第14実施形態に係る軸受の潤滑構造の可動板及びガイド部を概略的に示す斜視図である。
図27及び図28に示す可動板20は、排出部26が貫通する貫通孔20aを備えている。排出部26は、環状充填室14b側に形成されており、この可動板20が軸受12から離れる方向に移動するときにこの可動板20を移動自在にガイドする。排出部26は、図28に示すように、軸受12から離れる方向に可動板20が移動したときに、可動板20の背面と環状充填室14bの底面との間で加圧された未劣化のグリースGNを軸受12に向かって二点鎖線で示すように排出する。排出部26は、環状充填室14bの周方向に間隔をあけて配置されており、軸受蓋14の中心軸から等距離になるように環状充填室14bの幅方向の中央部に配置されている。流入口27は、図27に示すように、排出部26の底部にこの排出部26の幅方向に対向してそれぞれ形成されており、図28に示すようにこの排出部26を貫通する四角形状の貫通孔である。ガイド部28は、図27及び図28に示すように、環状充填室14bの底部から軸受12に向かって立ち上がる壁部であり、断面形状が長円形に形成されており、流入口27から排出口29に向かって同一の大きさで形成されている。ガイド部28は、図27に示すように、排出口29の位置と軸受12の端面とが略一致するような高さに形成されている。ガイド部28は、図27及び図28に示すように、環状充填室14bの底面に対して垂直(ストレート状)に形成されており、図7に示すガイド部28と同一形状である。この第14実施形態では、第1実施形態〜第13実施形態のような可動板20に排出部26が形成されている構造とは異なり、環状充填室14bに排出部26が形成されている。このため、軸受12から離れる方向に可動板20が移動しても、排出口29の先端面と軸受12の端面との間の間隔が常に一定であり、未劣化のグリースGNを軸受12に向かって正確に供給することができる。
(第15実施形態)
図29は、この発明の第15実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図であり、図29(A)は初期状態の断面図であり、図29(B)は入替給脂中の断面図であり、図29(C)は入替給脂後の断面図である。図30は、この発明の第15実施形態に係る軸受の潤滑構造の可動板及びガイド部を概略的に示す斜視図である。
図29及び図30に示す可動板20は、排出部26の外周面と環状充填室14bの外側内周部との間に嵌め込まれており、これらによって移動自在にガイドされている。排出部26は、環状充填室14b側に形成されており、未劣化のグリースGNを軸受12に向かって二点鎖線で示すように排出する。排出部26は、図30に示すように、環状充填室14bの周方向に連続して配置されており、軸受蓋14の中心軸から等距離になるように環状充填室14bの幅方向の中央部に配置されている。流入口27は、排出部26の底部にこの排出部26の周方向に間隔をあけて形成されており、この排出部26を貫通する四角形の貫通孔である。ガイド部28は、図29及び図30に示すように、環状充填室14bの底部から軸受12に向かって立ち上がる1枚の壁部であり、図29及び図30に示すように環状充填室14bの底面に対して垂直(ストレート状)に形成されている。この第15実施形態には、第14実施形態と同様の効果がある。
(第16実施形態)
図31は、この発明の第16実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、図31(A)は平面図であり、図31(B)は図31(A)のXXXI-XXXIB線で切断した状態を示す断面図である。
図31に示す排出部26は、環状充填室14b側に形成されており、ガイド部28は軸受12に向かって立ち上がる溝部である。排出部26は、環状充填室14bの外側内周部を切欠くように、環状充填室14bの周方向に間隔をあけて配置されており、図31(B)に示すように軸受12の外輪12cと保持器12bとの間の間隙部S12に向かって未劣化のグリースGNを排出する。排出部26は、例えば、図31(A)に示すように、環状充填室14bの外側内周部に4個配置されており、軸受蓋14の中心軸から等距離に配置されている。排出部26は、図31(B)に示すように、軸受12から離れる方向に可動板20が移動したときに、可動板20の背面と環状充填室14bの底面との間で加圧された未劣化のグリースGNを軸受12に向かって二点鎖線で示すように排出する。この第16実施形態では、第1実施形態〜第13実施形態のような可動板20に排出部26が形成されている構造とは異なり、環状充填室14bに排出部26が形成されている。このため、可動板20に排出部26を形成するための加工が不要になり、環状充填室14bに排出部26を機械加工などによって簡単に短時間で形成することができる。
(第17実施形態)
図32は、この発明の第17実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、図32(A)は平面図であり、図32(B)は図32(A)のXXXII-XXXIIB線で切断した状態を示す断面図である。
図32に示す排出部26は、環状充填室14bの内側外周部を切欠くように形成された溝部であり、この環状充填室14bの周方向に間隔をあけて配置されている。排出部26は、図32(B)に示すように、軸受12の内輪12dと保持器12bとの間の間隙部S11に向かって未劣化のグリースGNを二点鎖線で示すように排出する。排出部26は、例えば、図32(A)に示すように、環状充填室14bの内側外周部に4個配置されており、軸受蓋14の中心軸から等距離に配置されている。この第17実施形態には、第16実施形態と同様の効果がある。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、半固体状潤滑剤としてグリースGを例に挙げて説明したがグリースGに限定するものではなく、使用温度で半固体状であるギヤコンパウンド、ペトロラタム(ワセリン)などの他の半固体状潤滑剤についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、鉄道車両の主電動機のシャフト1を支持する軸受12,13を例に挙げて説明したがこれに限定するものではなく、発電所のタービンなどのシャフトを支持する軸受などについてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、軸受12,13が玉軸受又はころ軸受である場合を例に挙げて説明したが、他の形式の転がり軸受についてもこの発明を適用することができる。特に、鉄道車両の主電動機の軸受に限らず、長時間にわたり非解体で使用されグリースGによって潤滑される転がり軸受について、この発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、軸受蓋14,15側に潤滑構造18を適用した場合を例に挙げて説明したが、軸受蓋16,17側についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、軸受蓋14の中心軸から等距離に3つの駆動部24を配置する場合を例に挙げて説明したが、配置位置や配置個数を限定するものではない。例えば、軸受蓋14の中心軸から異なる距離に駆動部24を配置したり、軸受蓋14の中心軸に対して対称位置に複数の駆動部24を配置したりすることもできる。さらに、この実施形態では、駆動部24によって延長部22を介して可動板20を駆動する場合を例に挙げて説明したが、駆動部24によって可動板20を直接駆動することもできる。
(3) この実施形態では、排出部26がガイド部28を備える場合を例に挙げて説明したが、ガイド部28を省略して劣化後のグリースGOを押し退けるように未劣化のグリースGNを流入口27から排出することもできる。また、この実施形態では、排出部26を複数配置した場合を例に挙げて説明したが、排出部26の設置個数、設置間隔及び設置面積などを限定するものではなく、可動板20の動作を妨げず、かつ、未劣化のグリースGNがある程度の勢いを持って移動可能なようにこれらの設置条件を任意に変更することができる。さらに、この実施形態では、可動板20側又は充填室14a側のいずれか一方に排出部26を配置した場合を例に挙げて説明したが、これらの双方に排出部26を配置することもできる。
(4) この実施形態では、ガイド部28の先端面と軸受12の端面とを一致させる場合を例に挙げて説明したが、保持器12bと接触しない範囲内でこのガイド部28の先端面を高くすることもできる。また、この実施形態では、軸受12の内輪12dと保持器12bとの間の間隙部S11、又は外輪12cと保持器12bとの間の間隙部S12のいずれか一方に排出口29を位置づける場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、双方の間隙部S11,S12に合わせて排出口29をそれぞれ配置したり、軸受12の形式や種類に応じて排出口29の位置を任意に変更したりすることもできる。
(5) この実施形態では、排出部26を可動板20の周方向に間隔をあけて、又は可動板20の周方向に連続して配置する場合を例に挙げて説明したがこれに限定するものではない。例えば、可動板20の内周部に間隔をあけて排出部26を配置し、可動板20の外周部に排出部26を連続して配置することもできる。また、この実施形態では、ガイド部28の断面形状が長円形、円形、多角形又は三角形などである場合を例に挙げて説明したが楕円形でもよく、これらを任意に組み合わせた断面形状にすることもできる。さらに、この実施形態では、ガイド部28の内面が平面状、曲面状、両テーパ状又は片テーパ状などである場合を例に挙げて説明したが、これらを任意に組み合わせた形状にガイド部28の内面を形成することもできる。
(4) この第4実施形態では、軸受12の内輪12dと保持器12bとの間の間隙部S11に排出口29を位置づける場合を例に挙げて説明したが、外輪12cと保持器12bとの間の間隙部S12に排出口29を位置づけることもできる。また、この第7実施形態〜第11実施形態では、可動板20の外周部又は内周部のいずれか一方に排出部26を配置した場合を例に挙げて説明したが、可動板20の外周部又は内周部の双方に排出部26を配置することもできる。
(5) この第14実施形態では、排出部26が貫通する貫通孔20aを可動板20に形成する場合を例に挙げて説明したが、可動板20の軸受12側の表面から立ち上がり排出部26にスライド自在にガイドされる壁部をこの可動板20に形成することもできる。この場合には、可動板20をより一層安定させて移動させることができる。また、この発明の第16実施形態及び第17実施形態では、排出部26が充填室14a側に形成された溝部である場合を例に挙げて説明したが、充填室14a内を通過する貫通路などを形成することもできる。
この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える電動機枠体及びシャフトの断面図である。 この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の平面図であり、(A)は図1のIIA方向から見た平面図であり、(B)は図1のIIB方向から見た平面図であり、(C)は図1のIIC方向から見た平面図であり、(D)は図1のIID方向から見た平面図である。 この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のIII-IIIB線で切断した状態を示す断面図である。 図3(B)(C)の一部を拡大して示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は入替給脂後の断面図である。 図4のV部分を拡大して示す部分断面図である。 図3(A)のVI-VI線で切断した状態を示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は入替給脂中の断面図であり、(C)は入替給脂後の断面図である。 この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第2実施形態に係る軸受の潤滑構造の駆動部の断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は入替給脂後の断面図である。 この発明の第2実施形態に係る軸受の潤滑構造の駆動部を拡大して示す断面図である。 この発明の第3実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図である。 この発明の第3実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第4実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図である。 この発明の第4実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第5実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図であり、(A)(B)は排出口が円形である場合の斜視図であり、(C)(D)は排出口が四角形である場合の斜視図である。 この発明の第6実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図であり、(A)〜(C)は誘導部がR面であるときの断面図であり、(D)〜(F)は誘導部が斜面であるときの断面図である。 この発明の第7実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXVI-XVIB線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第7実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第8実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図である。 この発明の第8実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第9実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXX-XXB線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第9実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第10実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図である。 この発明の第10実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第11実施形態に係る軸受の潤滑構造のガイド部を概略的に示す斜視図であり、(A)(B)は排出口が半円形である場合の斜視図であり、(C)(D)は排出口が三角形である場合の斜視図である。 この発明の第12実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の平面図である。 この発明の第13実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図である。 この発明の第14実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は入替給脂中の断面図であり、(C)は入替給脂後の断面図である。 この発明の第14実施形態に係る軸受の潤滑構造の可動板及びガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第15実施形態に係る軸受の潤滑構造の入替部を概略的に示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は入替給脂中の断面図であり、(C)は入替給脂後の断面図である。 この発明の第15実施形態に係る軸受の潤滑構造の可動板及びガイド部を概略的に示す斜視図である。 この発明の第16実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXXXI-XXXIB線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第17実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXXXII-XXXIIB線で切断した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 シャフト
2 電動機枠体
12,13 軸受
12a,13a 転動体
12b,13b 保持器
12c,13c 外輪
12d,13d 内輪
14〜17 軸受蓋
14a,15a 充填室
14b,15b 環状充填室
14c,15c 外側充填室
16e 供給口
18 潤滑構造
19 入替部
20 可動板
21 保持部
21a 挟み込み部
22 延長部
23 補強部
24 駆動部
25 送りねじ機構部
26 排出部
27 流入口
28 ガイド部
29 排出口
30 誘導部
G グリース
11,S12 間隙部
O 劣化後のグリース
N 未劣化のグリース

Claims (18)

  1. 半固体状潤滑剤によって軸受を潤滑する軸受の潤滑構造であって、
    前記半固体状潤滑剤が充填される充填室内で劣化後の半固体状潤滑剤と未劣化の半固体状潤滑剤とを入れ替える入替部を備え、
    前記入替部は、
    前記充填室内で移動することによって前記軸受に近い側の前記劣化後の半固体状潤滑剤をこの軸受から離れる方向に移動させる可動板と、
    前記可動板が前記軸受から離れる方向に移動したときに、この軸受から遠い側の前記未劣化の半固体状潤滑剤をこの軸受に向かって排出する排出部とを備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  2. 請求項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記可動板と前記充填室との間で加圧された前記未劣化の半固体状潤滑剤を排出すること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  3. 請求項又は請求項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記未劣化の半固体状潤滑剤が前記軸受に向かって移動するようにこの未劣化の半固体状潤滑剤をガイドするガイド部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  4. 請求項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記可動板側及び/又は前記充填室側に形成されており、
    前記ガイド部は、前記軸受に向かって立ち上がる壁部又は溝部であること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  5. 請求項又は請求項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記ガイド部は、前記未劣化の半固体状潤滑剤の移動方向と直交する平面で切断したときの断面形状が長円形、円形、多角形、三角形、楕円形又はこれらの組み合わせであること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  6. 請求項から請求項までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記ガイド部の内面は、平面状、曲面状、両テーパ状、片テーパ状又はこれらの組み合わせであること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  7. 請求項3から請求項までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記ガイド部に向かって前記未劣化の半固体状潤滑剤を誘導する誘導部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  8. 請求項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記誘導部は、前記未劣化の半固体状潤滑剤と接触する側の前記可動板の表面と前記ガイド部の内面とが交差する部分に形成された面取りであること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  9. 請求項から請求項までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記軸受と対向する位置に前記未劣化の半固体状潤滑剤を排出する排出口を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  10. 請求項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出口は、前記軸受の保持器と内輪との間の間隙部及び/又は前記軸受の保持器と外輪との間の間隙部に前記未劣化の半固体状潤滑剤を排出すること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  11. 請求項から請求項10までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記可動板の周方向に間隔をあけて又は前記可動板の周方向に連続して配置されていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  12. 請求項11に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記可動板の内周部及び/又は前記可動板の外周部に配置されていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  13. 請求項から請求項12までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記可動板の幅方向の中央部に配置されていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  14. 請求項から請求項13までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記排出部は、前記充填室側に形成されており、前記可動板が前記軸受から離れる方向に移動するときにこの可動板を移動自在にガイドすること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  15. 請求項から請求項14までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記入替部は、前記可動板を駆動する駆動部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  16. 請求項15に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、回転駆動することによって前記可動板を駆動する送りねじ機構部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  17. 請求項から請求項16までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記入替部は、前記劣化後の半固体状潤滑剤を前記可動板に保持させる保持部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  18. 請求項17に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記保持部は、前記劣化後の半固体状潤滑剤を挟み込む挟み込み部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
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