JP4917693B1 - フレキソ印刷版支持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶剤系のインキの使用下においても、剥離等の不具合の発生が少なく、版寿命の長いフレキソ印刷版支持体を提供する。
【解決手段】フレキソ印刷版1の両端のくわえ部1d,1dに圧着固定された版胴装着用バイス3A,3Bにより、上記フレキソ印刷版1を印刷機の版胴外周に密着させて支持するフレキソ印刷版支持体11において、上記各バイス3A,3Bは、これらバイスを構成する裏側板状部材4bで、上記各くわえ部1dの裏面側に貼り付けられた基材2の端部を挟み込み、表側板状部材4aで、上記くわえ部1dの表面側に配置された樹脂フィルム5等の補強材または上記基材2の表面を挟み込んだ状態で、締結手段により、上記フレキソ印刷版1の端部に圧着固定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、フレキソ印刷版を版胴に取り付けるための支持体に関するものである。
フレキソ印刷は、表面に印刷用の凸部(画像や文字等)が形成された樹脂製やゴム製の柔軟(フレキシブル)なフレキソ印刷版(以下、単に「印刷版」ともいう)を用いて、上記印刷用凸部の頂面に保持したインキを、低印圧で被印刷体に転写する印刷方式である。このフレキソ印刷は、上記印刷版の印刷用凸部が比較的柔らかく、種々の形状の被印刷体表面に追従可能なことから、様々な材質や厚みのある被印刷体等への印刷にも使用されている。
図7は、フレキソ印刷機の一般的な構成を示す概略構成図である。この図のように、フレキソ印刷機(輪転式)は、印刷版1とくわえ元側の版胴装着用バイス3Aおよびくわえ尻側の版胴装着用バイス3Bとからなるフレキソ印刷版支持体10と、このフレキソ印刷版支持体10を巻き付けて装着する版胴21と、上記印刷版1にインキを供給するためのアニロックスロール22と、ドクター(ブレード)23と、インキ補充手段(インキタンク24)等を主体として構成されている。また、印刷される被印刷体P(例えば、ロール紙やダンボール等)を挟んで上記版胴21(印刷版1)に対向する位置には、上記被印刷体Pを版胴21に押し付けるための圧胴26が配置されており、これら版胴21と圧胴26の間の位置で、上記印刷版1の印刷用凸部(画像や文字等)上に保持されたインキが、被印刷体P上に転写されるようになっている。
上記フレキソ印刷機に用いられる印刷版1は、図8(a)に平面図,図8(b)に側面図を示すように、全体として、版胴(21)に巻き付けることのできる略長方形状に形成されており、その刷り方向(この例の場合は長手方向:図示左右方向)の端部には、比較的薄肉の曲げ部1c,1cを介して、版胴(21)への取り付けに用いられるくわえ部1d,1dが設けられている。なお、上記くわえ部1dには、後記の版胴装着用バイス3A,3B(二点鎖線)に設けられた位置決めピン4c(図9参照)を挿通するための貫通孔1eが、くわえ部1dの長手方向に所定の間隔で複数形成されている(後記のバイス固定ピン21d挿通用の貫通穴は図示省略。)。また、図中の符号1aは印刷用凸部、1bは印刷に関与しない平板部(非印刷部)であり、図中の符号2は、上記印刷版1の補強用に、この印刷版1の裏面に一体に貼り付けられたフィルム状基材(この例では2層)である。
図9の要部断面図〔図8(a)のY−Y断面に相当〕に示すように、上記印刷版1の刷り方向の端部には、各くわえ部1dを上下から挟み込む、版胴装着用のバイス3A(くわえ元側)およびバイス3B(くわえ尻側)が配設され、これら各バイス3A,3Bを構成する表側(上側)板状部材4aと裏側(下側)板状部材4bとが、図示しないねじや治具等からなる締結手段を用いて締め付けられ(白抜き矢印)、上記くわえ部1dに圧着・固定されている。そして、印刷版1および基材2と、これらの刷り方向端部に圧着された各バイス3A,3Bにより、この印刷版1を刷り方向(長手方向)の両端で支持・支承する「フレキソ印刷版支持体」10が構成されている(特許文献1〜3を参照)。
このフレキソ印刷版支持体10は、印刷版1の版胴21への装着や交換を容易にするとともに、印刷版1のハンドリング向上や、版胴21上における版の位置決め等を簡単に行うために構成されているもので、図10に示すように、上記バイス3A,3Bの間の印刷版1をフレキソ印刷機の版胴21の外周に巻き付け、これら各バイス3A,3Bを、版胴21外周の凹部21a内に設けられた係合手段(バイス固定ピン21d)等に係合させて固定することにより、上記印刷版1を、版胴21外周に密着した状態で支持することができる。
なお、通常、上記各バイス3A,3Bを版胴21の凹部21a内で載置・固定する基台21b,21cの少なくとも一方は、図10のように、版胴21の回転軸に直交する方向にスライド可能に形成されており、図示しないエアシリンダーやスプリング等の張力調整手段により、基台21b−基台21c間または各バイス固定ピン21d,21d間に、版胴21周方向の張力(印刷版長手方向のテンション)を加えることができるようになっている。また、この時、上記印刷版1の裏面に一体に貼り付けられたフィルム状基材2は、上記印刷版1に加わる、版胴21外周に沿った方向の張力を主として支持する「テンション・メンバー」として機能する。上記フィルム状基材2としては、例えば、多層のポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムが用いられている。
特開平8−39779号公報 特開平8−39780号公報 特開2001−171082号公報
ところで、フレキソ印刷は、従来、水系のインキを用いてダンボール等の被印刷体に転写を行う、環境に優しい印刷を特色としていたが、近年、フラットパネルディスプレイや太陽電池パネル等の大形化(大面積化)に伴い、基板や配線等を傷つけることなく、均一な薄膜を再現性良く高速で印刷できるという特徴を生かして、液晶,有機EL,有機TFT等の基板上に設けられる電極層やシール剤,マスキング剤等の印刷(転写形成)に利用され始めている。
しかしながら、前記従来の構成のフレキソ印刷版およびその支持体は、水系での使用を念頭に設計されているため、上記電極層やシール剤,マスキング剤等の印刷に用いられる有機溶剤系のインキ(塗工液)や版洗浄液等を使用する際は、その有機溶剤の影響により、印刷版1と基材2との間、あるいは、多層の基材2の層間で剥離が発生することがある〔図8(b)参照〕。このような剥離が発生した場合、印刷版の寿命が短くなったり、印刷の精度が低下したりするおそれがある。
特に、印刷版1の刷り方向の両端に版胴装着用のバイス3A,3Bを取り付けてフレキソ印刷版支持体10とし、印刷版1を版胴21外周に巻き付けてセットした状態(図9参照)では、上記張力調整手段(図示せず)等により、印刷版1の刷り方向(版胴周方向)に張力をかけて印刷版1を版胴21外周に密着させていることから、上記印刷版1におけるくわえ部1dと平板部1bとの間の「曲げ部1c」や、バイス3A,3Bの位置決めピン4cを挿通するための「貫通孔1e」周辺等に集中的に応力が加わり、これらの部位に上記剥離が生じやすくなるため、その改善が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、有機溶剤系のインキ等の使用下においても、剥離等の不具合の発生が少なく、版寿命の長いフレキソ印刷版支持体の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、フレキソ印刷版と、このフレキソ印刷版の裏面に一体に貼着されたフィルム状の基材と、上記フレキソ印刷版の刷り方向の端部を表裏から挟み込む表側板状部材および裏側板状部材とこれら板状部材の間を締め付ける締結手段とからなるバイスと、このバイスを印刷機の版胴に取り付けるための取付手段とを備えるフレキソ印刷版支持体であって、上記フレキソ印刷版の刷り方向両端部の裏面に、上記裏側板状部材に対応した状態で上記基材の端部が位置決めされ、上記フレキソ印刷版の刷り方向両端部の表面に埋め込まれた状態で、上記表側板状部材に対応するシート状の補強材が、上記フレキソ印刷版の端部に面一状に配置され、これら補強材,印刷版,基材を挟み込んだ状態で、上記バイスがフレキソ印刷版の両端部にそれぞれ固定され、印刷機の版胴に装着されたフレキソ印刷版が受ける応力に、上記補強材と、各バイスとこれらの間に位置する基材とで対抗するようになっているフレキソ印刷版支持体を第1の要旨とする。
また、同じ目的を達成するため、本発明は、フレキソ印刷版と、このフレキソ印刷版の裏面に一体に貼着されたフィルム状の基材と、上記フレキソ印刷版の刷り方向の端部を表裏から挟み込む表側板状部材および裏側板状部材とこれら板状部材の間を締め付ける締結手段とからなるバイスと、このバイスを印刷機の版胴に取り付けるための取付手段とを備えるフレキソ印刷版支持体であって、上記フレキソ印刷版の刷り方向両端部の裏面に、上記裏側板状部材に対応した状態で上記基材の端部が位置決めされ、上記フレキソ印刷版の刷り方向両端部の表面側には、上記表側板状部材に対応する部位に、フレキソ印刷版に埋没した状態で織布状あるいは不織布状の補強材が配置され、これら印刷版,補強材,基材を挟み込んだ状態で、上記バイスがフレキソ印刷版の両端部にそれぞれ固定され、印刷機の版胴に装着されたフレキソ印刷版が受ける応力に、上記補強材と、各バイスとこれらの間に位置する基材とで対抗するようになっているフレキソ印刷版支持体を第2の要旨とする。
本発明者は、前記課題を解決するための研究を重ねるうち、有機溶剤系のインキや版洗浄液等を使用した場合に、フレキソ印刷版の刷り方向の端部近傍のくわえ部や曲げ部等で発生する剥離の原因が、両端の版胴装着用バイスに圧締めされた部位(印刷版の端部)の弾性変形あるいは圧着の緩みに起因する、印刷版の刷り方向(版胴周方向)の伸縮ではないかと推論した。すなわち、フレキソ印刷版は、比較的柔らかい樹脂やゴム等を用いて形成されているため、フレキソ印刷版支持体は、版胴周方向の張力を、その下面(裏側)に貼り付けたフィルム状基材(テンション・メンバー)と、上記両端の版胴装着用バイスに圧締めされた部位(印刷版の端部)のみで支持している。そのため、印刷版全体の硬度を上げれば、上記版胴周方向の伸縮を低減できる可能性がある。
しかしながら、フレキソ印刷版は、ある程度の柔らかさ(硬度)も必要とされるため、印刷用凸部を含む印刷版全体の硬度をむやみに上げることはできない。そこで、本発明者は、上記印刷版の端部を版胴装着用バイスに確実に固定することを着想し、さらに研究を重ねた。その結果、フレキソ印刷版支持体において、印刷版の材料(樹脂やゴム等)より剛性の高い補強材を印刷版の端部(くわえ部)に埋め込む等の手法により、上記版胴装着用バイスにくわえられる部位の剛性を向上させることによって、この版胴装着用バイスによる印刷版端部の圧締めが安定化し、上記印刷版の剥離を低減できることを突き止め、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1の要旨のフレキソ印刷版支持体では、版胴装着用バイスで支持されたフレキソ印刷版の両端部(くわえ部)の裏面に、このバイスの裏側板状部材に対応する基材の端部が位置決めされ、上記両端部の表面に、バイスの表側板状部材に対応するシート状の補強材が埋め込まれた状態で配置されている。そのため、上記フレキソ印刷版の両端部は、これら補強材,印刷版,基材を表裏から挟み込んだ状態で上記バイスにより圧締めされ、この部位の剛性が、従来の構成より向上する。これにより、本発明の第1の要旨のフレキソ印刷版支持体は、有機溶剤系のインキを使用した場合でも、フレキソ印刷版が版胴の外周にしっかりと密着した、印刷精度の高い状態を維持することができる。また、版胴装着用バイスによる印刷版端部の圧締めが安定し、印刷版の刷り方向(版胴周方向)の伸縮が抑制されることから、印刷版と基材との間あるいは基材の層間で発生する剥離が低減される。したがって、本発明の第1の要旨のフレキソ印刷版支持体は、有機溶剤系のインキの使用下においても、剥離等の不具合の発生が少なく、版寿命の長いフレキソ印刷版支持体とすることができる。
また、本発明の第2の要旨のフレキソ印刷版支持体は、上記版胴装着用バイスで支持されたフレキソ印刷版の両端部(くわえ部)の裏面に、上記バイスの裏側板状部材に対応する基材の端部が位置決めされ、上記両端部の表面側には、上記バイスの表側板状部材に対応する部位に、フレキソ印刷版に埋没した状態で織布状あるいは不織布状の補強材が配置されている。そのため、上記フレキソ印刷版の両端部は、これら印刷版,補強材,基材を表裏から挟み込んだ状態で上記バイスにより圧締めされ、上記第1の要旨のフレキソ印刷版支持体と同様、この部位の剛性が、従来の構成より向上し、上記版胴装着用バイスによる圧締めが安定する。これにより、本発明の第2の要旨のフレキソ印刷版支持体は、有機溶剤系のインキを使用した場合でも、フレキソ印刷版が版胴の外周にしっかりと密着し、印刷精度の高い状態を維持することができる。さらに、印刷版の刷り方向(版胴周方向)の伸縮が抑制され、印刷版と基材との間あるいは基材の層間で発生する剥離が低減される。したがって、上記第2の要旨のフレキソ印刷版支持体も、有機溶剤系のインキの使用下においても、剥離等の不具合の発生が少なく、版寿命の長いフレキソ印刷版支持体とすることができる。
本発明の実施形態で使用するフレキソ印刷機の概略構成図である。 本発明の実施形態におけるフレキソ印刷版支持体の平面図である。 (a),(b)は、第1実施形態におけるフレキソ印刷版支持体の断面図である。 (a),(b)は、第2実施形態におけるフレキソ印刷版支持体の断面図である。 (a),(b)は、本発明の参考の実施形態におけるフレキソ印刷版支持体の断面図である。 (a)〜(f)は、本発明のフレキソ印刷版支持体に使用する印刷版の製法を説明する図である。 フレキソ印刷機の一般的な構成を示す概略構成図である。 フレキソ印刷機に用いられる従来の印刷版を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 従来のフレキソ印刷版支持体の断面図である。 フレキソ印刷版支持体のフレキソ印刷機の版胴への取付方法を説明する図である。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態で使用するフレキソ印刷機の概略構成図であり、図2は、本発明の実施形態におけるフレキソ印刷版支持体の平面図である。また、図3(a)は、第1実施形態におけるフレキソ印刷版支持体(11)の断面図であり、図3(b)はその部分拡大図である。また、図4,図5における(a)はそれぞれ、第2実施形態におけるフレキソ印刷版支持体(12)の断面図、および、参考の実施形態におけるフレキソ印刷版支持体(13)の断面図であり、(b)もそれぞれの部分拡大図である。なお、これらの図においては、フレキソ印刷版の厚みを強調して図示している。
本発明の各実施形態で用いるフレキソ印刷機(輪転式)は、液晶,有機EL,有機TFT等の製造工程において、平板状の基板(ワークW)上に、電極層やシール剤,マスキング剤等の有機溶剤系のインキ(塗工液)を、印刷(転写形成)するのに用いられるものであり、印刷版(フレキソ印刷版)1の印刷用凸部上に保持された有機溶剤系のインキが、移動ステージ25上に載置した平板状のワークWに転写されるようになっている。その基本的な構成は従来例と同様であり、図1に示すように、印刷版1および版胴装着用バイス3A,3Bからなるフレキソ印刷版支持体11と、フレキソ印刷版支持体11を巻き付けて装着する版胴21と、上記印刷版1にインキを供給するためのアニロックスロール22と、ドクター(ブレード)23と、インキ補充手段(インキタンク24)等から構成されている。
また、上記フレキソ印刷機の版胴21の外周に取り付けられるフレキソ印刷版支持体11(後記の第2実施形態におけるフレキソ印刷版支持体12,参考の実施形態におけるフレキソ印刷版支持体13も同様)は、外観上は従来品(10)と同様であり、図2の平面図に示すように、略長方形状の印刷版1と、その刷り方向(この例の場合は長手方向:図示左右方向)両端部のくわえ部(1d)を上下から挟み込むように配置された版胴装着用バイス3A,3Bとから構成されている。
各実施形態におけるフレキソ印刷版支持体(11,12)は、図3,図4の断面図に示すように、上記各版胴装着用バイス3A,3Bの裏側板状部材4bに対応する印刷版1の刷り方向両端部(くわえ部1d)の裏面側に、フィルム状基材2の端部が配置され、上記各版胴装着用バイス3A,3Bの表側板状部材4aに対応する刷り方向両端部(くわえ部1d)の表面側に、この印刷版1の各くわえ部1dの剛性を向上させるための補強材(図3では樹脂フィルム5,図4ではガラスクロス6)が配設されている。そして、上記くわえ部1dを含む印刷版1の両端部に、上記補強材(5,6)とフィルム状基材2とを挟み込んだ状態で、各版胴装着用バイス3A,3Bの表側板状部材4aと裏側板状部材4bとが配置され、これら板状部材4a,4bの間を締結手段で締めつけ、フレキソ印刷機の版胴21に装着可能な、一体のフレキソ印刷版支持体(11,12)が構成されている。これが、本実施形態におけるフレキソ印刷版支持体の特徴である。
上記フレキソ印刷版支持体(11)について、図3に示す第1実施形態を例に、詳細に説明する。使用する印刷版1は、従来例(図7参照)と同様、全体として略長方形状であり、その刷り方向(図示左右方向)の中央部には、印刷用凸部1aと平板部1bとが設けられているとともに、その刷り方向両端部には、比較的薄肉の曲げ部1c,1cを介して、版胴21への取り付けに用いられるくわえ部1d,1dが形成されている。また、上記くわえ部1dには、上記各版胴装着用バイス3A,3Bの表側板状部材4aに対応する表面側(図示上側)に、補強材として樹脂フィルム5が埋め込まれており、上記バイス3A,3Bの位置決めピン4cを挿通するための貫通孔1eが、これら樹脂フィルム5およびくわえ部1dを貫通して形成されている。
上記印刷版(フレキソ印刷版)1を構成する材料としては、樹脂やゴム等、版成形後にも一定の弾性を有する材料が用いられる。なお、本実施形態における印刷版1は、先に述べたように、液晶,有機EL,有機TFT等の製造工程において、基板(ワークW)上に、電極層やシール剤,マスキング剤等の有機溶剤系のインキを、転写形成するのに用いられるものであることから、上記工程の使用インキや版洗浄液等に含まれる有機溶剤の種類に応じて、樹脂の膨潤度等を考慮して決定される。
また、印刷版1は、印刷用凸部1aや位置決め用アライメントマーク等の形状の精度が求められることから、上記印刷版1の作製には、これらを正確な形状・位置に形成することのできる、フォトリソグラフィ法が好適に用いられる。この場合、上記印刷版1を構成する材料として、感光性樹脂組成物が用いられ、なかでも、ウレタン系,ポリエステル系,ポリブタジエン系等のアクリレートを主骨格としたプレポリマー,アクリレートオリゴマー,アクリレートモノマーと、光重合禁止剤,光重合開始剤等の混合物からなる感光性樹脂が用いられる。
なお、印刷版1の外形寸法は、被印刷体となる基板(ワークW)や版胴21のサイズに左右されるが、一般的には、刷り方向(印刷版1の縦方向)が300〜2300mm程度、幅方向(印刷版1の横方向)が500〜2800mm程度である。そして、比較的薄肉の曲げ部1cの刷り方向(縦方向)長さが0〜100mm程度、くわえ部1dの刷り方向(縦方向)長さが15〜40mm程度に設定される。印刷版1の端部に設けられる、締結手段を挿通するための貫通孔1eは、上記くわえ部1dの長手方向に、通常、少なくても5個程度、多いものでは30個以上設けられる(バイス固定ピン21d挿通用の貫通穴は図示省略。)。
また、上記印刷版1の印刷用凸部1aの硬さは、JISゴム硬度ショアAが35〜70度の範囲に設定することが望ましい。上記ショアA硬度が35度未満の場合は、印刷用凸部1aが基板(ワークW)に対して柔らか過ぎて印刷時に変形してしまい、高精細な印刷を維持できない傾向がみられる。また、逆に、フレキソ印刷版のショアA硬度が70度を超えた場合は、上記基板(ワークW)の表面や、その表面に形成された電極や配線等を傷つけてしまう傾向がみられる。
上記印刷版1の裏面側に位置するフィルム状基材2は、樹脂製のフィルム(あるいはシート)を1層または2層以上積層して形成されたものであり、この例(図3)では、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の2層フィルムが用いられている。フィルム状基材2を形成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP),ポリ塩化ビニル(PVC)等、その他の樹脂を用いることもできる。また、フィルム状基材2単体の全厚としては、0.1〜0.5mm程度の厚さのフィルムが用いられ、印刷版1の端部を含むくわえ部1dの全厚が、1.5〜3.0mm程度になるように調整される。
上記印刷版1の端部に配置される版胴装着用バイス3A,3Bは、金属製の表側(上側)板状部材4aおよび裏側(下側)板状部材4bとからなり、図2のように、前記版胴21の凹部21a内のバイス固定ピン21d(図10参照)を挿通させるための穴4dが、複数設けられている。そして、図3(b)の拡大図のように、裏側板状部材4bの所定位置に配設された位置決めピン4cに、上記印刷版1の貫通孔1eを挿通し、その上に表側板状部材4aを載置して、これらの間を、ねじやクランプ等からなる締結手段で締めつけることにより、上記各バイス3A,3Bは、印刷版1の端部(くわえ部1d)に圧着固定されている。
なお、表側板状部材4aの下側(印刷版1側)の印刷版圧着面と、裏側板状部材4bの上側(印刷版1側)の印刷版圧着面とには、印刷版1の刷り方向のずれを防止するために、各板状部材4a,4bの幅方向に波形や鋸刃状等の凹凸構造、または、リブ状等のスリップ防止構造が形成されている場合もある。
つぎに、刷り方向両端部(くわえ部1d)の表面側に補強材(樹脂フィルム5)が埋め込まれた、第1実施形態のフレキソ印刷版支持体に使用する印刷版1を作製する方法について、前記フォトリソグラフィ法で行う場合を例に説明する。図6(a)〜(f)は、上記フォトリソグラフィ法を用いた印刷版1の製法を説明する図である。なお、この図6(a)〜(f)は、上記図3の印刷版1の上下(天地)を反転させたものに相当する。また、他の図と同様、印刷版1やフィルム状基材2等は、その厚みを強調して図示している。
印刷版1の作製は、まず、図6(a)のように、上記印刷版1の印刷用凸部1a,平板部1b,曲げ部1c,くわえ部1dの形状に対応する凹部30aと、上記貫通孔1eに対応する凸部30bおよび位置決め用アライメントマーク等に対応する凹部等(図示省略)が所定位置に設けられた凹状の成形型(反転型)30を準備し、安定した水平板等(図示省略)の上に載置する。
ついで、上記貫通孔1eに相当する穴が所定位置に予め形成された帯状の補強材(この例では、PET製の樹脂フィルム5:厚さ0.1〜0.3mm,幅15〜35mm程度)を準備し、図6(b)のように、その穴を上記成形型30の貫通孔用凸部30bに嵌め入れて、位置決めする。
つぎに、ポリブタジエン系アクリレートを主骨格としたプレポリマー,アクリレートオリゴマー,アクリレートモノマーと、光重合禁止剤,光重合開始剤等の混合物および溶剤からなる、液状の印刷版形成用感光性樹脂組成物1’を準備し、バーコーターまたはロールコーター等を用いて、図6(c)のように、上記成形型30の凹状空間(成形キャビティ)を満たす。
ついで、図6(d)のように、上記印刷版形成用感光性樹脂組成物1’(硬化前)の表面(水平)に、予め用意したフィルム状基材2(2層一体のPET製樹脂フィルム:全厚0.1〜0.5mm)を被せて密着させ、その状態で、図6(e)のように、上記フィルム状基材2を透過させて紫外線L等の硬化用照射線を照射し、感光性樹脂組成物1’の硬化を完了させて、上記フィルム状基材2と一体となった印刷版1を形成する。なお、硬化を完全に完了させるために、別途加熱等を行ってもよい。
つぎに、上記硬化後の印刷版1をフィルム状基材2ごと成形型30から脱型させ、不必要な部分を切断・除去することにより、図6(f)のように、刷り方向両端部のくわえ部1dの表面に、バイス3A,3Bの表側板状部材4aに対応する補強材(樹脂フィルム5)が配置され、くわえ部1dの裏面に、バイス3A,3Bの裏側板状部材4bに対応するフィルム状基材2(の端部)が配置された印刷版1を得ることができる。
なお、上記成形後の印刷版1の各部の厚さは、裏面に貼り付けられたフィルム状基材2の厚さ(0.1〜0.5mm)を含め、印刷用凸部1aおよびくわえ部1dが1.5〜3.0mm程度、平板部1bが1.0〜2.6mm程度、曲げ部1cが1.0〜2.0mm程度になるように形成されている。これらの各部の厚さ(全厚)は、印刷版1の外形寸法や装着する版胴21のサイズ等により決定されるもので、フレキソ印刷機の構成や印刷条件等により適宜変更される。
また、前記刷り方向両端部(くわえ部1d)の表面側に、補強材として図4のようなガラスクロス6が埋め込まれた、第2実施形態の印刷版1を作製する場合は、上記(図6)のような印刷版1の製法において、第1実施形態の樹脂フィルム5を使用せず、凸部30bのない成形型30を用いて、この成形型30の凹状空間に液状の印刷版形成用感光性樹脂組成物1’を満たした状態〔図6(c)参照〕で、感光性樹脂組成物1’の中の所定位置に、上記ガラスクロス6を沈める(埋没させる)ことにより、同様の方法で作製することができる。
さらに、前記刷り方向両端部(くわえ部1d)の表面側に、補強材として図5のような樹脂フィルム7が配置された、参考の実施形態の印刷版1を作製する場合は、上記(図6)のような印刷版1の製法において、樹脂フィルム5を使用せず、凸部30bやくわえ部に相当する部位のない成形型30を用いて、の凹状空間に液状の印刷版形成用感光性樹脂組成物1’を充填した後、フィルム状基材2を被せて作製した印刷版1〔図6(e)参照〕の刷り方向端部を切除せず、この印刷版1から外方に突出したフィルム状基材2の端部に、上記樹脂フィルム7を熱圧着等により積層することにより、同様の方法で作製することができる。
つぎに、上記のようにして作製された各印刷版1は、図3,4(および図に示すように、各版胴装着用バイス3A,3Bの裏側板状部材4bに設けられた各位置決めピン4cに、印刷版1の位置決め用貫通孔1eをそれぞれ嵌め入れ、この裏側板状部材4bに、印刷版1の刷り方向両端の裏面側(フィルム状基材2の端部がある部位)を対応させる。ついで、上記のような各補強材(樹脂フィルム5,ガラスクロス6および参考例の樹脂フィルム7)が配設された表面側に、各版胴装着用バイス3A,3Bの表側板状部材4aを対応させて載置し、図2のように、表側板状部材4a側のバイス固定ピン21d挿通用貫通穴4dと、裏側板状部材4b側のバイス固定ピン21d挿通用貫通穴4dとを位置合わせした状態で、上記表側板状部材4aと裏側板状部材4bとの間をねじや治具等の締結手段を用いて締めつけることにより、くわえ元側の版胴装着用バイス3Aと、くわえ尻側の版胴装着用バイス3Bとが、各印刷版1の端部に一体に固着された、上記各フレキソ印刷版支持体(11,12および参考例である13)が得られる。
なお、実用上の問題として、各印刷版1が比較的柔らかい配合の樹脂やゴム等を用いているため、従来は、印刷版1のくわえ部1d表面に若干の粘着性(タック)があり、上記各バイス3A,3Bの表側板状部材4aをくわえ部1d上で滑らせることができず、その位置合わせ(貫通穴4dどうしの位置合わせ)が難しいという問題があった。しかしながら、刷り方向両端の表面側の表面に補強材として樹脂フィルム5が位置する第1実施形態や、樹脂フィルム7が位置する参考の実施形態のフレキソ印刷版支持体11(および13では、くわえ部1d上面における表側板状部材4aの滑りが良く、各バイス3A,3Bの取付作業時間を大幅に短縮できることが分かった。
つぎに、上記各フレキソ印刷版支持体11,12(および参考例の13の版胴21への取り付けは、従来例と同様にして行われる。すなわち、上記各フレキソ印刷版支持体11,12(および13を、図10のように、フレキソ印刷機の版胴21の外周に巻き付け、刷り方向両端部の版胴装着用バイス3A,3Bを、版胴21外周の凹部21a内に設けられた基台21b,21c上にそれぞれ載置して、各バイス3A,3Bの係合用の貫通穴4dを基台21b,21cのバイス固定ピン21dに挿通させ係合させた後、版胴21の回転軸に直交する方向に、図示しないエアシリンダーやスプリング等の張力調整手段を用いて、印刷版1に版胴周方向の所定の張力(テンション)を付与することにより、上記各フレキソ印刷版支持体11,12(および13は、版胴21外周に密着した状態で支持・固定される。
このように、上記各実施形態によれば、各補強材(樹脂フィルム5,ガラスクロス6および参考例の樹脂フィルム7)の存在により、版胴装着用バイス3A,3Bに挟み込まれる、各フレキソ印刷版支持体11,12(および13の両端部位(くわえ部1d)の剛性が、従来品に比べて格段に向上する。そのため、上記フレキソ印刷版支持体11,12(および13は、通常の水系インキを用いた場合は勿論、有機溶剤系のインキを使用した場合でも、各フレキソ印刷版11,12(および13が版胴21の外周にしっかりと密着した、印刷精度の高い状態を長期にわたり維持することができる。また、各版胴装着用バイス3A,3Bによる印刷版端部の圧締めが安定し、印刷版の刷り方向(版胴周方向)の伸縮が抑制されることから、有機溶剤系のインキや版洗浄液等を使用した場合に多く見られる、印刷版1と基材2との間あるいは基材2の層間で発生する剥離を低減することができる。したがって、各実施形態におけるフレキソ印刷版11,12(および参考例の13は、特殊な有機溶剤系のインキや版洗浄液等の使用下においても、剥離等の不具合の発生が少なく、その版寿命および転写可能回数を延ばすことが可能である。
なお、上記第1実施形態においては、印刷版1端部の補強材として、くわえ部1dの上面に配置される樹脂フィルム5を例示したが、このように印刷版1端部を補強するシート状の補強材としては、裏面に貼り付けられる基材2と同様のPET製フィルムや、PP製フィルム,PVC製フィルム等を用いることができる。また、柔軟性と印刷版樹脂への良密着性とを備えるシートあるいはフィルム状材料が使用可能で、例えば、アルミ箔やステンレス箔等の金属箔を用いてもよい。
また、上記第2実施形態においては、印刷版1端部の補強材として、くわえ部1dに埋没させたガラスクロス6を例示したが、このように印刷版1の内部でその端部を補強する補強材としては、印刷版材料を透過させることのできる織布状あるいは不織布状の補強材であればよく、例えばステンレスメッシュ等も使用することができる。
さらに、上記参考の実施形態においては、印刷版1端部の基材2の補強材として、この基材2と同様の樹脂フィルム7を積層した例を示したが、この樹脂フィルム7を用いることなく、上記基材2の端部のみをバイスで挟み込んでもよい。また、上記樹脂フィルム7に代えて、基材2への密着性の良いシートあるいはフィルム状材料をこの基材2上に積層してもよく、例えば、上記1実施形態と同様のPET製フィルム,PP製フィルム,PVC製フィルムや、アルミ箔,ステンレス箔等を積層してもよい。なお、上記参考の実施形態においては、上記基材2の上に、印刷版1の端部と同じ厚さの樹脂フィルム7を積層しているため、この印刷版1の端部とくわえ部1dの表面(上面)が面一になっている。これにより、上記参考の実施形態のフレキソ印刷版支持体13は、上記各バイス3A,3Bの表側板状部材4aとくわえ部1dの寸法に差がある場合等でも、先に述べたように表側板状部材4aをくわえ部1d上で容易に滑らせ、これらの位置合わせを簡単に行うことができる。
つぎに、本発明のフレキソ印刷版支持体と従来のフレキソ印刷版支持体とを用いて引っ張り試験を行い、有機溶剤に対する耐性を比較・検証した実験結果について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例は、フラットディスプレイパネル等の製造工程において、本発明のフレキソ印刷版支持体を用いて、フレキソ印刷により、基板上にシール剤やマスキング剤等の有機溶剤系塗工液を所要パターンに転写(印刷)する場合を想定したものであり、このような工程で使用される代表的な有機溶剤(塗工液の溶媒)であるN−メチルピロリドン(以下、NMP)の存在下で、本発明のフレキソ印刷版支持体「実施例1」と従来の構成のフレキソ印刷版支持体「比較例1」の物性を比較した。
(実施例1)
実施例1のフレキソ印刷版支持体に用いる印刷版(フレキソ印刷版)は、前記実施の形態に記載のフォトリソグラフィ法(図6参照)を用いて形成した。なお、印刷版を構成する感光性樹脂組成物としては、ポリブタジエン系アクリレートを主骨格としたプレポリマー,アクリレートオリゴマー,アクリレートモノマーと、光重合禁止剤,光重合開始剤等の混合物および溶剤からなる、液状の印刷版形成用感光性樹脂組成物を使用して、硬化完了時に、印刷用凸部(1a)の硬さが、JISゴム硬度ショアAが55度になるように配合を調整した(後記の比較例1も同様)。
また、印刷版の裏面に貼り付けるフィルム状基材(2)としては、複層のPETフィルム(厚さ:0.48mm)を用い、くわえ部(1d)の上面側に埋め込む補強用の樹脂フィルム(5)には、単層のPETフィルム(厚さ:0.2mm)を用いた。
作製した印刷版(実施例1用)は、横幅が200mm、印刷版の刷り方向に相当する縦方向の長さがそれぞれ、補強されたくわえ部(1d)が30mm、薄肉の曲げ部(1c)が50mm、印刷用凸部(1a)を支持する平板部(1b)が20mmに形成されている。また、各部の厚さ〔裏面の基材(2)および上面の補強用樹脂フィルム(5)を含む〕は、くわえ部(1d)で2.5mm、曲げ部(1c)で1.0mm、平板部(1b)で1.8mm、印刷用凸部(1a)で2.5mmであった。
(比較例1)
上記くわえ部補強用の樹脂フィルム(5)を使用しなかったこと以外、上記実施例1と同様にして、現行従来品である比較例1のフレキソ印刷版支持体を作製した。なお、各部の寸法(幅,長さおよび厚さ)は、上記実施例1のフレキソ印刷版支持体と同じである。
<PETフィルムの剥離の促進試験>
つぎに、上記得られた実施例1用の印刷版および比較例1用の印刷版を用いて、有機溶剤系塗工液を転写する工程で発生する「基材の剥離」を再現する促進試験を行った。まず、各印刷版における、ピン(4c)挿通用の貫通孔(1e)およびバイス固定ピン挿通用の貫通穴がない部分を用いて、印刷版を刷り方向(縦方向)に幅20mmの短冊状にスリットし、この短冊状の印刷版の端部(くわえ部1d)に、試験用のバイス(引っ張り試験機のチャック)を圧締めして、実施例1および比較例1の供試用サンプルAとした。
ついで、試験前処理として、上記各サンプルAを有機溶剤(NMP)に室温下で30分間浸漬した後、液中から引き上げ、引っ張り試験機にセットした。そして、上記サンプルAの刷り方向(長手方向)に、800Nの張力を25分間連続してかけ、除重した後、サンプルAをチャックから取り外して、フレキソ印刷版支持体における剥離(印刷版と基材との間の剥離)の有無とその長さを調べた。なお、上記試験条件は、フレキソ印刷版支持体にとって、通常の輪転式フレキソ印刷機の版胴に装着された状態における周方向の張力(約8N)に比べ、過大でかつ過酷な条件に設定されている。また、上記印刷版と基材との間の剥離は、実機の輪転式フレキソ印刷機においても、印刷版の刷り方向の伸縮に起因して、フレキソ印刷版支持体端部のくわえ部(1d)近傍の薄肉の曲げ部(1c)付近〔図8参照〕で発生しやすいことが分かっている。
上記PETフィルムの剥離の促進試験の結果は、上記薄肉の曲げ部(1c)付近で発生する「剥離の面積」(両端部の層間剥離の合計面積)で比較した。結果は、実施例1のフレキソ印刷版支持体における剥離面積が0.25cm2、比較例1のフレキソ印刷版支持体における剥離面積が4cm2となり、実使用の数十倍以上という過酷な条件においても、本発明のフレキソ印刷版支持体の層間剥離の量(面積比)は、従来品の1/20以下に抑えることができた。
<ねじ挿通用穴付近のフレキソ印刷版の強度確認試験>
つぎに、印刷版のピン挿通用の貫通孔(1e)近傍における、上記補強材によるくわえ部(1d)の補強効果を確認するために、通常の平形チャックを使用せず、棒状の特殊なチャックにより上記貫通孔(1e)を介してフレキソ印刷版支持体を引っ張る試験を行った。なお、この試験は、実機の輪転式フレキソ印刷機において、版胴装着用バイスの圧締めが緩み、版胴周方向の張力(応力)が、印刷版のくわえ部(1d)の貫通孔(1e)に集中した場合を想定したものである。
まず、上記実施例1用の印刷版および比較例1用の印刷版において、ピン挿通用の貫通孔(1e)を含む部位を意図的に採取し、この貫通孔(10mmφ)が供試用サンプルの幅方向中央に位置するようにスリットして、サンプルAと同様の幅20mmの短冊状サンプルBを作製した。なお、このサンプルの印刷版の裏面に貼り付けるフィルム状基材(2)としては、単層のPETフィルム(厚さ:0.2mm)が用いられている。
試験は、上記サンプルBの両端の孔(直径10mmφ)にそれぞれ、棒状(直径9mmφ)の特殊チャックを挿通し、この特殊チャックを介して引っ張り試験機にセットした後、このサンプルBを、その刷り方向(長手方向)に定速(50mm/min)で引っ張り、破断する(孔が破れる)までの引っ張り強度を測定した。なお、サンプルBへは、上記前処理(NMPへの浸漬)等を行っていない。
結果は、0.24kN(伸び量:8.5mm)で破断した比較例1のフレキソ印刷版支持体に対し、実施例1のフレキソ印刷版支持体の破断強度は0.29kN(伸び量:11.5mm)となり、約20%ほどの破断強度の向上が見られた。
また、前記第2実施形態および参考の実施形態に記載の構成のフレキソ印刷版支持体を用いて、上記と同様の各試験を行った結果、上記実施例1と同様の、フレキソ印刷版のくわえ部(1d)の剛性の向上を確認することができた。
本発明のフレキソ印刷版支持体は、有機溶剤系のインキを使用しても剥離等の不具合の発生が少なく、高い印刷精度を長期にわたり維持できることから、液晶,有機EL,有機TFT等の基板上に設けられる電極層やシール剤,マスキング剤等の印刷(転写形成)に好適に利用することができる。
1 フレキソ印刷版
1d くわえ部
2 基材
3A,3B バイス
4a 表側板状部材
4b 裏側板状部材
5 樹脂フィルム
11 フレキソ印刷版支持体

Claims (2)

  1. フレキソ印刷版と、このフレキソ印刷版の裏面に一体に貼着されたフィルム状の基材と、上記フレキソ印刷版の刷り方向の端部を表裏から挟み込む表側板状部材および裏側板状部材とこれら板状部材の間を締め付ける締結手段とからなるバイスと、このバイスを印刷機の版胴に取り付けるための取付手段とを備えるフレキソ印刷版支持体であって、上記フレキソ印刷版の刷り方向両端部の裏面に、上記裏側板状部材に対応した状態で上記基材の端部が位置決めされ、上記フレキソ印刷版の刷り方向両端部の表面に埋め込まれた状態で、上記表側板状部材に対応するシート状の補強材が、上記フレキソ印刷版の端部に面一状に配置され、これら補強材,印刷版,基材を挟み込んだ状態で、上記バイスがフレキソ印刷版の両端部にそれぞれ固定され、印刷機の版胴に装着されたフレキソ印刷版が受ける応力に、上記補強材と、各バイスとこれらの間に位置する基材とで対抗するようになっていることを特徴とするフレキソ印刷版支持体。
  2. フレキソ印刷版と、このフレキソ印刷版の裏面に一体に貼着されたフィルム状の基材と、上記フレキソ印刷版の刷り方向の端部を表裏から挟み込む表側板状部材および裏側板状部材とこれら板状部材の間を締め付ける締結手段とからなるバイスと、このバイスを印刷機の版胴に取り付けるための取付手段とを備えるフレキソ印刷版支持体であって、上記フレキソ印刷版の刷り方向両端部の裏面に、上記裏側板状部材に対応した状態で上記基材の端部が位置決めされ、上記フレキソ印刷版の刷り方向両端部の表面側には、上記表側板状部材に対応する部位に、フレキソ印刷版に埋没した状態で織布状あるいは不織布状の補強材が配置され、これら印刷版,補強材,基材を挟み込んだ状態で、上記バイスがフレキソ印刷版の両端部にそれぞれ固定され、印刷機の版胴に装着されたフレキソ印刷版が受ける応力に、上記補強材と、各バイスとこれらの間に位置する基材とで対抗するようになっていることを特徴とするフレキソ印刷版支持体。
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