JP4917621B2 - 磁界測定装置 - Google Patents

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本発明は、磁界測定装置に関し、より詳細には、装置が小型で微小磁界を測定する磁気センサとその他の電気配線とが密集していて、磁気センサが測定装置内部の電気配線が起因で発生する雑音磁界の影響を受けやすい形状の磁界測定装置に関する。
従来から、ホール素子やMR素子などの磁界検知素子を組み合わせて地磁気方位を検出する電子コンパスが知られているが、近年、腕時計や携帯電話などの小型携帯機器への電子コンパスの搭載の要望が高まっている。
特許文献1に記載のものは、方向認識を容易にする携帯用ナビゲーション装置に関するもので、方位センサが検出した装置の方位に応じて、地図情報記憶部の地図描画データや文字データなどを、実際の方位と一致した地図画面として、ディスプレイ上の描画するようにしたものである。
また、特許文献2に記載のものは、直交する2方向の外部磁界に応じた信号を取り出すために、2つの磁気検知部同士を隣接して配置しても、その磁気検知部同士の磁気干渉の影響を排除できるようにした磁気検出素子に関するものである。
さらに、特許文献3に記載のものは、方位情報を検出する地磁気センサと、位置情報を検出するGPS受信機と、これらの地磁気センサにより検出された方位情報とGPS受信機により検出された位置情報に基づいて、所定の方向を表示部に矢印で表示する表示処理部を備えた携帯端末である。
特開平7−280582号公報(特許第3438314号) 特開2003−232635号公報 特開2003−209598公報
磁気センサを地磁気センサとして用いる場合に、センサは地磁気信号だけでなく、周囲の環境静磁界や装置内外部の電気配線に流れる電流によって生ずる雑音磁界をも感知する。携帯機器に磁気センサを搭載して電子コンパスとして使用する場合に、携帯機器の内部の中央演算装置(CPU)や液晶ディスプレイ,スピーカへの電源線や信号線など(以下、電流導体という)と地磁気センサとの距離を十分に離すことができないこともしばしばである。
従来においては、このような場合に、CPUや液晶ディスプレイなどの部品を駆動する電流が電流導体を流れた際に、電磁誘導によって動的に発生した磁気ベクトルと地磁気による磁気ベクトルの合成ベクトルを磁気センサは感知し、それに基づいて方位角を演算するために、方位角センサが正確な地磁気方位を示さないという問題があった。
携帯電話に代表される携帯機器は、小型化の必要性から多層のプリント基板内に電源線や信号線を配置し、表面には実装される部品を高密度に配置する。多層プリント板は、100ミクロン程度の厚みの絶縁層と十数ミクロン程度の厚みの導体層を交互に重ねて形成されており、4層,6層,8層などのものが多く使われる。導体層は、接地面の層や電源線の層,信号線の層などに分離されており、さらに、信号線の層はアナログ信号やディジタル信号,高周波信号等に分かれていたり、各層の間に接地面の層を加えてノイズのシールドを行うなどの工夫がなされている。
携帯電話の場合、中央演算装置(CPU)や液晶ディスプレイ,スピーカにつながる電流導体には、例えば、数十ミリアンペアから数百ミリアンペア程度の電流が流れる場合がある。
図1は、従来から知られている電流により発生する磁界について説明するための図である。電流導体3を流れる電流は、矢印で示すように、電磁誘導効果で磁界を発生するが、この磁界は、電流導体3の近傍に配置された磁気センサ1により検出される。その磁界強度は、電流導体3の直近にて地磁気相当の強度かそれ以上になることがある。
地磁気を測定するなどのために、携帯機器に磁気センサを搭載する場合、理想としては、磁気センサの感磁部と電源線や信号線からの距離を十分にとり、電流導体が発する磁界の影響を感磁部が受けないようにすべきであるが、小型機器に高密度に実装するがために磁気センサの近傍に電流導体を配置せざるを得ないこともしばしばである。
この場合、図2に示すように、基板2上に配置された磁気センサ1は、本来感知すべき地磁気信号と電流導体3に流れる電流の発生する磁界との合成ベクトルを感知することになり、正確な地磁気方位を検出できない。
このような現象と類似する現象として、携帯機器内部の磁性体部品により生ずるオフセット磁界が上げられる。携帯電話などにはスピーカやフィルタなどの磁性体部品が搭載されており、磁気センサは地磁気成分とその磁性体部品が生成する磁界との合成ベクトルを感知することになる。この場合は、磁性体部品により生成される磁界成分は定常的に一定しているので、携帯機器を一周させて地磁気ベクトルが描く軌跡を計測し、その軌跡より磁性体部品が生成する固有磁界を計測する手法が知られている。
しかしながら、本発明が問題とする電流導体が発生する磁界成分は、一定の強度ではなく、携帯機器の動作状況によって磁界が発生したり又は発生しなかったり、また、その磁界強度が変化したりするために、上述した方法で固有磁界を計測して差し引くことは困難である。
従来、電源線は対の構成とはなっておらず、電源の正極側から負荷側に流れる電流は、接地層を経て電源側へと戻る構成が一般的である。また、スピーカなどへの信号線の場合は対の構成となっている場合もあるが、その配置は多層基板の同一面に配置され、互いに平行になるようにするか、またはまったく独立の経路でレイアウトされている。
この場合は、図3に示すように、電流導体の往路導体3aに流れる電流により発生する磁界は、復路導体3bの電流とは逆相ではあるが、電流導体の近傍では磁界としては相殺されない。また、図4に示すように、配線と部品の配置によってはかえって往路導体3aの電流と復路導体3bの電流が発生する磁界が、ある軸においては相互に強め合ってしまう場合もありうる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電流導体が生成する磁界を抑圧し、安定して正確な微小磁界信号又は地磁気信号を測定できる携帯型電子方位測定装置として利用可能な磁界測定装置を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、基板上に、全部又は一部の電流信号を通す往路導体及び復路導体を、磁気センサが感知する前記導体の各々が発生する磁界を相殺するように配置し、前記往路導体及び前記復路導体のうち、前記往路導体又は前記復路導体の一方又は両方の導体が複数に分割されていて他方を挟んでいることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記往路導体又は前記復路導体のどちらかの線幅を、他方に比べて広くしてあることを特徴とする。
このような構成を採る本発明の磁界測定装置は、携帯型電子方位測定装置のみならず、装置を構成する電子回路やフラットケーブルが生成する磁界への感受性の高い微小磁界測定装置一般にも適用できる。また、地磁気測定装置にも適用できる。
以上説明したように、本発明によれば、磁気センサのごく近傍で電流が流れるような場合であっても、往路導体の電流が発生する磁界と復路導体の電流が発生する磁界とが互いに相殺し、電流起因による磁界強度は大きく低下をし、雑音磁界の強度が方位角表示に影響を与えない程度まで削減できるという効果を有する。
従来から知られている電流により発生する磁界について説明するための図である。 電流により発生した磁界で方位角の表示に誤差が生ずることの説明図である。 水平方向に導体を配置する場合の説明図である。 水平方向に導体を配置する場合に磁界が重なり合うことの説明図である。 本発明の磁界測定装置の実施例1を説明するための構成図である。 本発明の磁界測定装置の実施例2を説明するための構成図(その1)である。 本発明の磁界測定装置の実施例2を説明するための構成図(その2)である。 本発明の磁界測定装置の実施例3を説明するための構成図である。 電流により発生する磁界が1uTとなる条件のグラフを示す図である。 実施例の説明での電流導体の配置例を示す図(その1)である。 実施例の説明での電流導体の配置例を示す図(その2)である。 実施例の説明での電流導体の配置例を示す図(その3)である。 実施例の説明での電流導体の配置例を示す図(その4)である。 実施例の説明での電流導体の配置例を示す図(その5)である。 実施例の説明での電流導体の配置例を示す図(その6)である。 実施例の説明での電流導体の配置例を示す図(その7)である。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図5は、本発明の磁界測定装置の実施例1を説明するための構成図で、図中符号11は磁気センサ、12は多層基板、13は電流導体、13aは往路導体、13bは復路導体を示している。本実施例1は、多層基板12上に、全部又は一部の電流信号を通す往路導体13a及び復路導体13bを、磁気センサ11が感知する電流導体13の各々が発生する磁界を相殺するように配置したものである。
電源線や信号線を往路導体13aと復路導体13bの対の構成とし、往路導体13aおよび復路導体13bの線を多層基板12の別層に各々が相互に重なりあうように配置すれば、往路導体13aと復路導体13bの電流によって発生する磁界は、相殺されて雑音磁界として発生する成分が減少する。往路導体13aと復路導体13bの配線の直上だけでなく、水平方向に離れた点においても発生する雑音磁界成分は少なくなり、磁気センサ11の配置に対しての制約が少なくなる。
図6は、本発明の磁界測定装置の実施例2を説明するための構成図で、図中符号は図1と同一である。多層基板でない場合や、耐圧の問題から上述した実施例が適用できない場合もある。その場合には、往路導体13aと復路導体13bの電流導体13が多層基板12の同一層に並んで配置することになるが、往路導体13aと復路導体13bのどちらかの電流導体13を2分割し、片方の電流導体13を2分割した他方で挟み込むように配置すれば、往路導体13aと復路導体13bの電流によって発生する磁界は相殺されて雑音磁界として発生する成分が減少する。
往路導体13aと復路導体13bの配線の中央部直上だけでなく、水平方向に離れた点においても発生する雑音磁界成分は少なくなり、磁気センサ11の配置に対しての制約が少なくなる。
電流導体13を分割すれば、流れる電流値が半分になるので、導体幅をそれぞれ半分にすることができる。したがって、電流導体13bを分割した構成のために余分に必要となる基板エリアはたかだか線間の間隙一つ分に過ぎない。また、図7に示すように、中央の電流導体13が2分割されていても、電流方向が同じならば効果は同様である。
図8は、本発明の磁界測定装置の実施例3を説明するための構成図で、図中符号は図1と同一である。この実施例3に示すような挟み込みの構成は、上述した実施例1に示した多層基板の別層に置く場合も有効である。すなわち、往路導体13aと復路導体13bのどちらかの電流導体13を2分割し、片方の電流導体13を、2分割して上下の別層に配置した他方で挟み込むようにすれば、往路導体13aと復路導体13bの電流によって発生する磁界は、相殺されて雑音磁界として発生する成分が減少する。また、中央の復路導体13bが2分割されていても、電流導体が同じならばその効果は同様である。
上述した各実施例は、例えば、地磁気測定装置の電子回路全体に適用してもいいし、地磁気センサの近傍に適用することでもよい。また、磁気センサが検知する雑音磁界が、磁気センサの測定値に有意に影響を与える範囲を定義して、その対象となる電流導体にのみ適用することでもよい。磁気センサの測定値に有意に影響を与える範囲としては、地磁気信号の水平成分強度30マイクロテスラに対して3%のなる1マイクロテスラを基準にすればよい。1マイクロテスラの磁界を生成する電流導体の定義は、例えば、L(m)=0.2×I(A)で定まる式の距離以内にあるか、またはこれ以上の電流が流れるものであるとか、磁気センサの中心から60mm以内で5mA以上10A以下の電流が流れる電流導体とすることで定義できる。
また、携帯電話等で大電流が流れる負荷は、スピーカやブザーなどの音声信号発生装置が上げられるが、これらに送られる信号は周波数が20Hzから20kHzの範囲であるので、本発明をさらに20Hzから20kHzの信号の流れる電流導体にのみ適用することでもよい。
また、上述した各実施例は、導体線幅が必ずしも他方と同じでなくてもよいし、さらに本発明の実施例をさらに改良する方法として、導体の線幅を積極的に調整する方法がある。
上述した実施例1では、上層に配置された電流導体と下層に配置された電流導体の導体幅を違わせることで、磁気センサが感知する妨害磁界のうちある特定の直交軸方向の磁界を抑制することができる。
また、上述した実施例2では、2分割して両側に挟み込むように配置する電流導体は、中央の電流導体に比べて流れる電流値が半分であるので、導体幅は中央のものの半分でよい。また、両側の導体の線幅を非対称にすることで、各導体に流れる電流量が可変になるので、電流の抑制効果を制御できる。電流導体の片側方向にのみ磁気センサが配置されている場合は、両側の導体のうちで磁気センサが配置されている側の線幅を太くしてそちらに電流を多く流すことで、キャンセル効果を高めることができる。両側導体と中央導体の間の間隙についても同様に対称構造でなくてもよい。
また、上述した実施例1においては、上層と下層の導体が重なり合わずにその位置関係をずらすことで、かえって抑制効果を高めることもできる。位置関係をずらすことで磁気センサから各導体への距離がより等しくなり、生成される磁界の成分が打ち消しあいやすくなるからである。
電流導体の復路導体が接地層である場合は、上述した実施例1から実施例3で説明した往路導体と復路導体の配置による発生磁界の抑制を行うことができない。この場合に、往路導体に流れる電流が既知の場合は、上述した実施例1から実施例3に示したような電流導体の構造を作り、復路導体に相当する電流導体に往路導体と同じ大きさで逆向きの電流を独立に加えるという手段が可能である。
本発明のさらに具体的な実施例について説明する。
電流導体の往路導体のみが配置され、復路導体は接地層である場合に、電流方向に対して垂直方向に発生する磁界の磁束密度が1uTとなる点の電流導体からの距離と、電流値の関係をビオ・サバールの法則をもとに計算した結果を図9に示す。
線路長200mm、電流導体幅は0.2mm、導体厚は0.02mmとし、磁気センサ感磁面は電流導体中心と同一平面と仮定した。本発明は、磁気センサに依存するものではないが、磁気センサとしては、例えば、ホール素子やMR素子などがあげられる。
1uTの磁束は、地磁気の水平成分磁束密度30uTに対して十分小さな値であり、方位角演算においての誤差εを、角度0度近傍において、例えば、ε=Atan(1/30)で計算すると1.9度となる。電子コンパスとして用いるにあたり、2度程度の誤差は許容されるものとする。
図9によれば、例えば、電流100mAが電流導体に流れる場合は、導体中心から20mm以内の距離の地点で1uT以上の磁界を発生している。したがって、同一電流ではこの図9に示すよりも短い距離に電流導体が配置された場合、同一距離ではこの図9に示すよりも大きな電流が流れる場合は、その発生する磁界の影響を無視できずに抑圧する必要があることになる。携帯電話等の携帯機器では、例えば、スピーカに接続される電流導体では00mA程度が流れる場合があり、その場合は53mmの距離以内で0.1uT以上の磁界を生ずる。
携帯電話などの携帯機器は、その片側に磁気センサを置いたとして、基板の他方までの距離は、長尺方向で100mmあれば足りる。また、電流が流れる導体長は携帯機器の中では数mm程度のものが多い。導体長10mmの線路が、磁気センサから100mm離れて配置された場合に、磁気センサが1uTの磁界を感知する電流は10Aである。
一方、導体直近で磁気センサが配置される最小距離として0.5mmを仮定すると、その位置に1uTの磁界を生ずる電流は6.6mA程度である。これにより、本発明を適用すべき範囲として、電流値としては5mAから10Aまで、また、磁気センサから導体までの距離が100mm以内の電流導体が考えられる。携帯機器の場合は、回路上の電流の最大値が1A程度であるので、電流範囲として5mAから1Aまでの範囲に本発明を適用するのが好ましい。さらに、スピーカやブザーなどの負荷に限定すれば、電流範囲として5mAから400mAのものに適用するのが好ましい。
以下、本発明による電流起因で発生する磁界の抑圧効果の計算を示す。
電流導体は0.2mm幅、0.02mm厚、線路長50mmとして、ア)往路導体のみの配置、イ)往路導体と復路導体を基板の同一層に並べて配置、ウ)同一層において復路導体を2分割し、往路導体を水平方向に挟み込むように配置、エ)多層基板の別層の相対する位置に重ねて配置、オ)復路導体を2分割し、多層基板の別層の相対する位置に、往路導体を上下方向に挟み込むように配置の場合に、電流0.1Aによって生ずる磁界の磁束密度を、電流導体からの距離をパラメータとして計算した。
電流導体からの水平距離は、ア),ウ),エ),オ)では往路導体中心を、イ)では往路導体と復路導体の電流導体の間隙の中央を基点とした。往路導体と復路導体の電流導体の間隙は0.1mmとした。磁気センサは高さ0.5mmを持つとした。各ケースの配置を図10から図14に示した。
上述した条件での電流導体からの距離と発生磁界の磁束密度の関係を表1に示す。
Figure 0004917621
ア)の場合、導体直上(0.5mm)において39uTの磁束密度であり、15mm離れても1uT以上の磁束がある。イ)ではア)に比して磁界が抑圧されているが、導体直上では、ア)の半分程度の磁束が残り、導体間中心より2mmの距離でも1uT以上の磁束が残る。これに対して、ウ),エ),オ)では大きな磁界抑圧効果が見られている。導体直上での磁束は、ウ)はア)の1/4であり、導体から2mmはなれた点でも1uT以下となっている。ウ)の構成は、導体近傍ではエよりもの残留磁界が大きいが、導体から遠ざかるにつれて、エ)よりも残留磁界が少なくなる。オ)の構成が、磁界抑圧効果がもっとも大きい。この計算は、発生磁界のベクトルの大きさに注目しているが、磁界ベクトルを直交する各軸の成分に分けて、磁気センサが感知する成分に注目して評価してもよい。
本発明を適用すれば、磁気センサの近傍に電流導体が配置されていても磁気センサが電流起因の雑音により妨害されることなく正確な地磁気を方位を計測できる。携帯機器で比較的大電流が流れるものにスピーカがあるが、スピーカに流れる信号の周波数は最大でも20kHz程度であるので、20kHzまでの周波数の信号が流れる信号線に対してのみ本発明を適用することでも実用十分な効果がある。
従来、信号線に流れる電流が発生する電磁界信号が周囲の装置に対して影響しないように、信号線を多層基板の2枚の接地層間に挟みこんでシールドすることは知られているが、これは、比較的高周波数の信号や雑音に対して用いられるものであり、低周波数の信号には効果がすくない。特に、直流から低周波数の磁界に対してはほとんど効果がない。
また、多層基板の同一層に、往路導体と復路導体を形成することはあったが、この方法では周囲環境へ発信される直流または低周波数の電磁界雑音を低減する効果はあっても、携帯機器の装置基板上など電流線や信号線に磁気センサが密着している場合においては効果が少ない。
一方、本発明によれば、直流から低周波域においても、また電流線や信号線などと磁気センサの距離が近い場合においても磁気センサが感知する磁界の発生を抑圧することができるので、機器設計の自由度が高くなり、方位角の表示精度も向上する。
以上、各実施例で説明したものは本発明の一例であるが、そのほかの形態も本発明に含まれることはいうまでもない。電流導体は2層の基板に往路導体と復路導体を配置する以外にも、往路導体および復路導体を多層に分布させてもよい。往路導体と復路導体の間に接地層や別の層が入る場合は発生磁界抑圧の効果が下がるが、基板設計上の制約上その形態をとらざるを得ない場合もあるので、本発明の技術的範囲の範疇である。
また、電流総和は同じなら、往路導体と復路導体の層数が異なってもよい。例えば、往路導体は1層だが、復路導体はその上下の2層に分けることでもよい。また、往路導体と復路導体の電流導体は、別層の上でちょうど重なるように配置すべきであるが、多少位置がずれてもいいし、導体幅や導体厚は各層で同じでなくともよい。
例えば、磁気センサと、往路導体がそれぞれ基板の表面に実装・配置されており、復路導体が多層基板の内層に配置されている場合は、磁気センサと往路導体との距離よりも復路導体までの距離のほうが長く、したがって、往路導体と復路導体の発生する磁界ベクトルが異なるがために、磁気センサの位置において、わずかな残留磁界が残る。復路導体の位置を、図15に示すように、往路導体に比べてわずかに磁気センサに近づけて、磁気センサと復路導体との距離が磁気センサと往路導体との距離と略等しくなるようにすることで、復路導体との発生する磁界ベクトルが往路導体のそれにより近くなり、残留磁界はより少なくなる。
さらに、回路の途中で往路導体と復路導体の配置する層を入れ替えることも可能である。磁気センサが感知する磁界ベクトルは線路長全体が発生する磁界の積分である。したがって、回路の一部で往路導体が表面層に、かつ復路導体が内層に配置されていた場合に、図16に示すように、途中からその層を入れ替えて、往路導体を内層にかつ復路導体を表面層に配置することにより、往路導体と復路導体の発生する磁界がより対称になり、磁気センサが感知する残留磁界強度が減少する。
以上、電流導体と磁気センサが同一基板に配置されている場合について説明してきたが、もちろん電流導体と磁気センサがそれぞれ別基板に搭載されていてもよい。さらに、電流導体として往路導体しかなく、復路導体は接地層を用いる構成の場合には、往路導体と同じ大きさで逆方向に電流が流れるような独立の導体を付加し、それを上述した実施例のごとく配置することも、本発明の表現形態のひとつである。さらに、電流導体が、フレキシブル基板やフラットケーブルとして形成されている場合も適用できる。
地磁気センサは、複数の磁気センサを2軸または3軸に直交するように組み合わせて、地磁気を検出した各軸出力から方位角を演算するのが一般的であるが、その場合、磁気センサ感磁面の位置は、各軸ごとに異なるのが普通である。その場合は、磁気センサの距離を本発明で示す距離と読み替えてもよいし、各磁気センサと導体との平均距離を本発明での距離としてもよい。もちろん、各軸ごとに本発明に従って磁気センサと電流導体の配置を検討し、最終的に最も残留磁界の影響を受けにくいものを採用するのが自然である。磁気センサはホール素子やMR素子に限らず、MI素子やフラックスゲートなど何でもよい。
装置が小型で微小磁界を測定する磁気センサとその他の電気配線とが密集していて、磁気センサが測定装置内部の電気配線が起因で発生する雑音磁界の影響を受けやすい形状の磁界測定装置に関し、電流導体が生成する磁界を抑圧し、安定して正確な微小磁界信号又は地磁気信号を測定できる携帯型電子方位測定装置として利用可能な磁界測定装置を提供することができる。また、地磁気を元に方位角を検出する方位角センサや電子コンパスの分野で好適に利用できる。
1 磁気センサ
2 プリント基板
3 電流導体
3a 往路導体
3b 復路導体
11 磁気センサ
12 多層基板
13 電流導体
13a 往路導体
13b 復路導体

Claims (2)

  1. 基板上に、全部又は一部の電流信号を通す往路導体及び復路導体を、磁気センサが感知する前記往路導体および前記復路導体の各々が発生する磁界を相殺するように配置し、
    前記往路導体及び前記復路導体のうち、少なくとも一方の導体が複数に分割されており、分割された導体が他方の導体を挟んでいることを特徴とする磁界測定装置。
  2. 前記一方の導体の線幅に比べて、該導体により挟まれる前記他方の導体の線幅を広くしてあることを特徴とする請求項1に記載の磁界測定装置。
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