JP4917131B2 - 実火災訓練装置 - Google Patents

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Description

本発明は、実火災訓練装置に関する。すなわち、火災現場に準じた臨場感を訓練対象者に体感させる、実火災訓練装置に関する。
《技術的背景》
消防関係者,その他の訓練対象者に、火災現場に準じた臨場感を体感させ、もって消火技術向上や防災技術向上に資することを目的とした、体験型の実火災訓練装置が開発,使用されている。
訓練対象者は、この実火災訓練装置により、火災時に準じた煙や熱を体験でき、例えば、煙の挙動とポジショニングの関係を確認したり、火元からの距離と熱の関係を認識したり、その他の動作判断等を行う訓練が可能となる。
《従来技術》
ところで、この種の実火災訓練装置としては、次の従来技術1,2,3,4の方式が開発,使用されていた。
従来技術1の装置は、装置内で木材等を燃焼させて、訓練に供する。そして発生した排煙を、そのまま大気放出する方式よりなり、海外で多用されていた。
従来技術2の装置は、図5に示したように、装置本体部1内の燃焼発煙コーナー2で木材等を燃焼させて、訓練に供する。そして発生した排煙を、ダクト3や排煙ブロワ4にて、水噴霧式スクラバー5に供給して除去してから、大気放出する方式よりなっていた。図中Tは、訓練対象者である。
従来技術3の装置は、図6に示したように、装置本体部6内の燃焼発煙コーナー2で木材等を燃焼させて、訓練に供する。そして発生した排煙を、排煙処理装置7にダクト3や排煙ブロワ4を経由して供給し、もって完全燃焼させてから、大気放出する方式よりなっていた。
従来技術4の装置は、専用建物内に設置され、センサやコンピューターにて制御されたプロパンガスの燃焼により、装置内に熱気を供給すると共に、模擬煙を装置内に供給し、もって訓練に供する方式よりなっていた。
このような従来技術に準じる技術としては、例えば、次の特許文献1,2に示されたものが挙げられる。
特許第3327547号公報 特開2000−298424号公報
ところで、このような従来技術については、次の課題が指摘されていた。
《従来技術1の問題点》
まず、従来技術1の実火災訓練装置については、次のとおり。
この装置については、排煙をそのまま大気放出するので、環境や人体に悪影響を及ぼす危険性が、指摘されていた。
すなわち、排煙には煤じんが含有されている。つまり、炭素の不完全燃焼により発生した未燃分であるススや灰等、浮遊する微粒子状物質が含有されている(そこで、排煙が黒煙と称されることもある)。もって、周辺環境に与える負荷が大きく、近隣住民の呼吸器疾患等の健康被害も懸念されていた。
《従来技術2の問題点》
次に、従来技術2の実火災訓練装置については、次のとおり。
この装置は、図5に示したように、装置本体部1で発生した排煙の煤じんを、付設された水スクラバー5で除去してから大気放出するので、上記従来技術1に比し、環境や人体への悪影響はかなり改善される。
しかしながら、依然として白煙(水蒸気)が大気放出されると共に、臭気も除去されずに大気放出される等、排煙の無煙無害化がまだ十分ではなかった。又、スクラバー排水が発生し、排水量が多い場合は排水処理設備の付設が必要となる等、設備コスト負担が増大するという問題も指摘されていた。
《従来技術3の問題点》
従来技術3の実火災訓練装置については、次のとおり。
この装置は、装置本体部6で発生した排煙の煤じんを、付設した排煙処理装置7で完全燃焼し、もって無煙無害化してから大気放出するので、前記従来技術2,3で指摘されていた問題は解消される。しかしながら、コスト面の問題が指摘されていた。
すなわち図6に示したように、この装置では、排煙処理装置7が装置本体部6と並んで地上設置されており、排煙が、装置本体部6の天井(高所)から、地上(低所)の排煙処理装置7まで、ダクト3にて導かれていた。
もって、排煙の移動距離が長く、途中で排煙が放熱,冷却されてしまうので、次のa,b,cのコスト問題が指摘されていた。
a.冷却した排煙を完全燃焼させるべく、その放熱ロス,熱損失を補うために、排煙処理装置7用の補助燃料使用量が増大し、燃料コストが嵩んでいた。
b.排煙の冷却により、ドラフト効果(natural draft power)が有効利用されなくなる。もって、損われた分を補うために、排煙を誘引(artificial draft)する排煙ブロワ4の大容量化が必要となり、設備コストが嵩んでいた。
c.排煙の冷却化により、含有されていたタール分が凝縮し、もってダクト3や、排煙ブロワ4の翼部やケーシング等にタールが付着するので、メンテナンスコストが嵩んでいた。
《従来技術4の問題点》
従来技術4の実火災訓練装置については、次のとおり。
この装置は、専用建物内においてコンピューター制御下でガスを燃焼させるので、専用建物コスト,設備コスト,維持コスト等が、極めて高額化していた。
しかも、熱気は体感可能であるが、濃煙は、模擬煙にて行われるので体感度に乏しく、体感困難であり、フラッシュオーバーも体験不能である等、訓練対象者が火災現場の臨場感を十分に体感できない、という問題が指摘されていた。なおフラッシュオーバーとは、熱分解により発生する可燃性ガスが、輻射熱等により発火する現象を言う。
《本発明について》
本発明の実火災訓練装置は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。特に、上記従来技術3の装置について、これを改良すべく提案されたものである。
そして本発明は、第1に、排煙が無煙無害化されると共に、第2に、しかもこれが、コスト面に優れて実現され、第3に、そして火災現場の臨場感を十分体感でき、第4に、安全性や汎用性にも優れた、実火災訓練装置を提案することを目的とする。
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については、次のとおり。
請求項1の実火災訓練装置は、火災現場に準じた臨場感で濃煙と熱気を体感させる装置であって、本体部と排煙処理装置を有してなる。
該本体部は、内部が訓練対象者の訓練ブースとなる大型ケーシング状をなすと共に、濃煙と熱気を発生させる燃焼発煙コーナーが設けられている。該排煙処理装置は、該本体部の上位に配されると共に、該本体部から濃煙が排煙として導入され、もって完全燃焼により無煙無害化されて大気放出される。
該排煙処理装置は、導入された排煙を含むエアーが内部を流れる構造をなし、基端部側が該本体部の該煙排気口に接続され、先端部側が大気放出口となると共に、バーナーと煙燃焼エリアと排煙ブロワが設けられている。
該バーナーは、導入された排煙を含むエアーを昇温せしめ、該煙燃焼エリアでは、排煙が燃焼時間を確保されつつ完全燃焼され、該排煙ブロワは、該本体部の濃煙つまり排煙を含むエアーを、該煙排気口を介して該排煙処理装置内へと導く。そして該煙燃焼エリアは、排煙の完全燃焼に必要な滞留時間を確保するに足る距離寸法つまり長さ寸法に、排煙を含むエアーの流速を勘案しつつ、設定されていること、を特徴とする。
請求項2については、次のとおり。
請求項2の実火災訓練装置では、請求項1において、該本体部では、内部空間上部の高温域の濃煙ゾーンと、内部空間下部の低温域の可視ゾーンとからなる、2層流が形成される。そして該濃煙ゾーンの濃煙が、煙排気口から該排煙処理装置に導入されること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3の実火災訓練装置では、請求項2において、該本体部は、可搬式の長手コンテナ状をなし、長手方向奥側に該燃焼発煙コーナーが設けられ、長手方向反対側にコンテナ扉が設けられている。そして該燃焼発煙コーナーは、周囲が耐火構造よりなり、可燃対象物の燃焼により濃煙と熱気を発生すること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。
請求項4の実火災訓練装置では、請求項3において、該本体部は、長手方向反対側の下部、例えば該コンテナ扉の下部に、外気吸気口が設けられている。
そして、該外気吸気口からのエアーが、該本体部の内部空間下部を、該可視ゾーンを形成しつつ該燃焼発煙コーナーへと流れる。これと共に、該燃焼発煙コーナーで発生した濃煙を含有し熱気を帯びたエアーが、該本体部の内部空間上部を、該濃煙ゾーンを形成しつつ該煙排気口へと流れること、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。
請求項5の実火災訓練装置では、請求項4において、該本体部は、該煙排気口が、長手方向反対側のコンテナ天井面やコンテナ側面上部に設けられていること、を特徴とする。
請求項6については、次のとおり。
請求項6の実火災訓練装置では、請求項5において、該本体部は、煙調整板が、コンテナ天井面の該煙排気口より長手方向奥側に寄った位置に、設けられている。そして該煙調整板は、高さ調整可能な可動式よりなり、もって該濃煙ゾーンの層厚を変更可能であり、該濃煙ゾーンの濃煙を含有したエアーが、該煙調整板下を越流して該煙排気口へと向かうこと、を特徴とする。
請求項7については、次のとおり。
請求項7の実火災訓練装置では、請求項3において、該本体部は、長手方向奥側のコンテナ床面が上位で、長手方向反対側のコンテナ床面が下位に位置すべく、上下傾斜設置されている。
請求項8については、次のとおり。
請求項8の実火災訓練装置では、請求項1において、該排煙処理装置では、該排煙ブロワとして、高圧エアーの高速噴射により排煙を含むエアーを吸引するエジェクターが、用いられていること、を特徴とする。
請求項9については、次のとおり。
請求項9の実火災訓練装置では、請求項1において、該排煙処理装置は、該煙燃焼エリアについて、排煙の完全燃焼用のエアーを導入するエアー供給ブロワが、付設されていること、を特徴とする。
《作用等について》
本発明の実火災訓練装置は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)まず使用に際し、燃焼発煙コーナーの可燃対象物が着火される。
(2)これと共に、排煙ブロワが駆動される。
(3)そこで、外気吸気口からのエアーが、→本体部内下部を可視ゾーンを形成して流れる。→そして、燃焼発煙コーナーで発生した濃煙を含有し熱気を帯びたエアーが、→本体部内上部を、濃煙ゾーンを形成して流れる。
(4)濃煙ゾーンの濃煙つまり排煙を含むエアーは、→煙排気口から排煙処理装置に導入され、→完全燃焼されて大気放出される。
(5)そして訓練対象者は、本体部内で濃煙と熱気を体感し、扉開放によりフラッシュオーバーも体験できる。
(6)さてそこで、本発明の実火災訓練装置によると、次の第1,第2,第3,第4のようになる。
第1に、排煙は、排煙処理装置にて完全燃焼され無煙無害化されて、大気放出される。
第2に、本体部の上位直上に、排煙処理装置の基端部が設けられており、排煙は、本体部から排煙処理装置に直に最短距離で導かれ、途中で冷却されることなく熱気を保持したまま導かれる。
そこで、a.バーナーの燃料使用量が削減され、b.ドラフト効果により小容量の排煙ブロワが使用でき、c.排煙からのタール凝縮,タール付着が回避される。d.排煙ブロワにエジェクターを用いると、タール付着は確実に回避される。
第3に、本体部内に濃煙ゾーンと可視ゾーンの2層流が形成され、濃煙ゾーンの層厚は、煙調整板にて変更可能である。そこで訓練対象者は、火災現場の濃煙や熱気を、臨場感に溢れつつ体感できる。
第4に、その他、次のようなa,b,c,dのようになる。
a.本体部を奥側上位に傾斜設置すると、放水が床面を奥側から扉側に流下,排水され、床面が常時濡れた状態となる。b.排煙処理装置を斜め方向に突出配置すると、その調整が、加熱された本体部上からではなく可能となる。c.このように突出配置しておくと、排煙処理装置の取外しが容易化する。d.可搬式なので訓練場所に応じて設置可能である。
(7)さてそこで、本発明の実火災訓練装置は、次の効果を発揮する。
《第1の効果》
第1に、排煙が無煙無害化される。
すなわち、本発明の実火災訓練装置では、排煙が完全燃焼され、無煙無害化されて大気放出される。勿論、白煙(水蒸気)や臭気が大気放出されることもない。
前述したこの種従来例(前記従来技術1)のように、排煙中の煤じんによる周辺環境への悪影響や、近隣住民等の健康被害発生の危険は解消される。そこで、市街地近郊での訓練にも使用可能である。
《第2の効果》
第2に、この排煙の無煙無害化はコスト面に優れて実現される。
すなわち、本発明の実火災訓練装置では、前述したこの種従来例(従来技術3)に比し、本体部から排煙処理装置への排煙移動距離が、大幅に短縮され、排煙は、冷却されることなく高温のまま導かれる。
そこでa.バーナーの補助燃料使用量が削減され、燃料コストが低減される。b.ドラフト効果を最大限利用できるので、小容量の排煙ブロワを使用可能となり、設備コストが低減される。c.タール付着が防止されるので、メンテナンスコストが削減される。d.なお、排煙ブロワにエジェクターを採用すると、タール付着の事態は発生せず、一段とメンテナンスコストが削減される。
又、前述したこの種従来例(前記従来技術2,4)のように、スクラバー排水や建物内でのコンピューター制御下でのガス燃焼に伴う、設備コスト,専用建物コスト,維持コスト等の負担も生じない。
《第3の効果》
第3に、火災時の濃煙や熱気を体験でき、火災現場の臨場感を十分体感可能である。
すなわち、本発明の実火災訓練装置では、本体部内に訓練に最適な2層流が形成,維持され、訓練対象者は、実際の火災現場に準じた濃煙や熱気を体感できる。
もって例えば、火災の発生・成長・消火,濃煙の挙動,ポジショニングとの関係,火元からの距離感,熱気との関係,その他の動作判断,フラッシュオーバー等を、リアルに認識,訓練することができる。
前述したこの種従来例(前記従来技術4)、つまりコンピューター制御下でのガス燃焼方式や模擬煙方式に比し、実際の火災現場に近い状況下での訓練が可能となる。
《第4の効果》
第4に、安全性や汎用性にも、次のa,bのように優れている。
a.本発明の実火災訓練装置では、本体部を奥側上位で傾斜配置しておくことにより、訓練時の放水が、奥側から反対側へと流下,排水される。もって、本体部床面が常時濡れており、床面が延焼から保護されると共に、訓練対象者の火傷も防止される等、安全性が向上する。
b.この実火災訓練装置は、排煙処理装置と共に本体部が可搬式なので、訓練場所に応じ移動設置可能であり、場所を選ばず使用でき、この面からも汎用性に富んでいる。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
本発明に係る実火災訓練装置について、発明を実施するための形態の説明に供し、本体部を断面して示した正面説明図である。 同発明を実施するための形態の説明に供し、訓練状況を示し、本体部内を透視した斜視説明図である。 同発明を実施するための形態の説明に供し、平面図である。 同発明を実施するための形態の説明に供し、左側面図である。 従来例の実火災訓練装置の斜視説明図である。 他の従来例の実火災訓練装置の斜視説明図である。
《本発明について》
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
本発明は、図1〜図4に示したように、火災現場に準じた臨場感で、濃煙Sと熱気Hを体感させる実火災訓練装置8に関し、特徴的な構成よりなる本体部9と排煙処理装置10とを、採用してなる。
以下、本発明の実火災訓練装置1について、「本体部9の概要」,「本体部9の詳細」,「排煙処理装置10の概要」,「排煙処理装置10の詳細」,「作用等」の順に説明する。
《本体部9の概要》
まず、この実火災訓練装置8の本体部9の概要について、図1〜図4を参照して説明する。
本体部9は、内部が訓練対象者Tの収容室,訓練ブースとなる大型ケーシング状をなし、代表的には、可搬式の直線長手状,コンテナ状をなす。そして、長手方向の奥側内部に、燃焼発煙コーナー11が設けられ、長手方向反対側に、コンテナ扉12等の扉が設けられている。
長手方向奥側の燃焼発煙コーナー11は、周囲が耐火構造よりなり、可燃対象物Bの燃焼により濃煙Sと熱気Hを発生させる。これに対し、コンテナ扉12下部等の長手方向反対側の下部には、外気吸気口13が設けられている。
そして、外気吸気口13から吸気されたエアーAが、→本体部9の内部空間下部を、可視ゾーン14を形成しつつ燃焼発煙コーナー11へと流れ、→燃焼発煙コーナー11で発生した濃煙Sを含有し熱気Hを帯びたエアーAが、→本体部9の内部空間上部を、濃煙ゾーン15を形成しつつ煙排気口16へと流れる。→そして、濃煙ゾーン15の濃煙Sは、煙排気口16から排煙処理装置10に導入される。
このように、本体部9の内部空間には、可視ゾーン14と濃煙ゾーン15の2層流が形成される。なお煙排気口16は、長手方向反対側のコンテナ天井面17等の天井面、又はコンテナ側面18等の側面上部に設けられる。
本体部9の概要は、このようになっている。
《本体部9の詳細について》
このような実火災訓練装置8の本体部9について、図1〜図4に示した図示例により、更に詳述する。
本体部9としてはコンテナ、例えば40フィートコンテナが使用される。このコンテナは、全幅2.4m,全高2.6m,全長12.2mよりなり、コンテナ床面19,コンテナ天井面17,両コンテナ側面18,コンテナ扉12,コンテナ奥面20等にて形成され、長目の直方体よりなる。なお、コンテナ扉12の外に、フードやシートで覆われたバッフアー室が設けられることもある。
コンテナ床面19は通常木製よりなり、その他は金属製よりなる。勿論、図示例以外の各種構造,形状,材質のコンテナも使用可能であり、更にコンテナ以外でも、各種大型ケーシング形状のが使用可能である。
断面形状も、矩形によらず、例えば円形のものも可能である。又、コンテナ扉12を、近くのコンテナ側面18に設けると共に、図示のコンテナ扉12のエリアを、面として閉鎖する構成も考えられる。
外気吸気口13は、コンテナ扉12下部に複数個を横に並設するのが代表的であるが、その他各種の形状,配列も考えられ、コンテナ扉12近くの両コンテナ側面18下部に設けることも考えられる。なお、燃焼発煙コーナー11下部に、追加的に付設されることもある。
燃焼発煙コーナー11は、図示例では下部に薪受台Rを備えている。そして、グレーチング格子状やエキスパンドメタル状の金網製の薪受台R上で、可燃対象物Bを燃焼させて、濃煙Sと熱気Hとを発生させる。
可燃対象物Bとしては、濃煙Sを発して燃焼する木材等が使用される。代表的には実際の火災を模して、木質パレット,廃材,合板,間伐材、等々が使用される。可燃対象物Bの着火用には、紙や薪が使用される。
燃焼発煙コーナー11の周囲のコンテナ天井面17,両コンテナ側面18,コンテナ奥面20等には、耐火板構造が内設,添設されている。又、燃焼発煙コーナー11のコンテナ側面18等には、可燃対象物B補充用等に使用されるドアが、追加的に付設されることもある。
そして、本体部9の内部空間には、可視ゾーン14と濃煙ゾーン15にて2層流が形成される。
すなわち、コンテナ扉12下部に外気吸気口13が設けられているので、→下部から吸気された外気のフレッシュなエアーAは、温度が低いことも加わり、→そのまま所期の通り、本体部9の内部空間下部を、奥側の燃焼発煙コーナー11へ向けて流れ、→もって、視界が確保された低温域の可視ゾーン14を形成する。
→そして、燃焼発煙コーナー11では、このように可視ゾーン14を流れてきたエアーAにて、可燃対象物Bが実際に燃焼され、→もって、濃煙Sと熱気Hが発生する。
→濃煙Sを含有し熱気Hを帯びたエアーAは、温度が高いので、→所期の通り、本体部9の内部空間上部を、コンテナ天井面17に沿って煙排気口16へ向けて流れ、→もって、高温域の濃煙ゾーン15を形成する。
又、本体部9では、図1,図2中に示したように、煙調整板21が、煙排気口16付近のコンテナ天井面17から、下設されている。煙排気口16より長手方向奥側に若干寄った位置に、下設けられている。
この煙調整板21は、高さ調整可能な可動式よりなり、もって濃煙ゾーン15の上下層厚を、必要に応じ変更可能である。濃煙ゾーン15の濃煙Sを含有したエアーAは、煙調整板21下を越流して煙排気口16へと向かう。煙調整板21としては、水平の回転軸を左右方向に向けた揺動位置決め式のフラッパーが代表的に使用され、外部からの角度調整により、その高さ寸法を調整可能となっている。
図1,図2中、22は煙区画板であり、燃焼発煙コーナー11に隣接して、コンテナ天井面17から垂下固定設されている。
ところで本体部9は、長手方向奥側の燃焼発煙コーナー11側のコンテナ床面19が上位で、長手方向反対側のコンテナ扉12側のコンテナ床面19が下位に位置すべく、水平の地面に対し角度αで上下傾斜設置されている。つまり本体部9のコンテナは、奥側が高く反対側が低く傾斜設置されている。
実火災訓練装置8の本体部9は、このようになっている。
《排煙処理装置10の概要》
次に、実火災訓練装置8の排煙処理装置10の概要について、図1,図3,図4を参照して説明する。
排煙処理装置10は、本体部9の上位に設けられると共に、本体部9から濃煙Sが排煙Eとして導入され、もって完全燃焼により無煙無害化されて、大気放出される。
すなわち排煙処理装置10は、導入された排煙Eを含むエアーAが内部を流れる構造をなし、例えば、図示のような筒状又はハニカム構造をなす。そして基端部23側が、本体部9の煙排気口16に接続され、先端部24側が、大気放出口となっており、途中に、バーナー25と煙燃焼エリア26と排煙ブロワ27が、設けられている。
バーナー25は、導入された排煙Eを含むエアーAを、更に昇温せしめる。それから煙燃焼エリア26では、排煙Eが燃焼時間を確保されつつ完全燃焼される。排煙ブロワ27は、本体部9からの濃煙Sつまり排煙Eを含むエアーAを、煙排気口16を介して排煙処理装置10へと導くが、更にこれに基づき、外気のエアーAを、外気吸気口13を介して本体部9内に吸気せしめる。
排煙処理装置10の概要は、このようになっている。
《排煙処理装置10の詳細について》
このような実火災訓練装置8の排煙処理装置10について、図1,図3,図4に示した図示例により、更に詳述する。
排煙処理装置10は、直線円筒状をなし、本体部9の上位に配設されている。図示例では、基端部23が、本体部9の長手方向反対側のコンテナ天井面17直上に配置されると共に、中央部28から先端部24が、本体部9の長手方向奥側のコンテナ天井面17に対し、水平面において斜め方向の空間に向け、突出配置されている。
そして排煙処理装置10は、サポート(図示せず)にて、基端部23や先端部24が、それぞれ枠組保持され、もって水平に位置決めされている。
なお図示例では、中央部28から先端部24が、本体部9から突出配置されているが、これによらず、中央部28や先端部24も基端部23と同様に、本体部9上に位置せしめる配設も可能である。
排煙処理装置10は、基端部23が、本体部9の煙排気口16に接続されており、本体部9の濃煙ゾーン15から濃煙Sつまり排煙Eを含むエアーAが、導入される。
基端部23は、本体部9のコンテナ天井面17直上に配置されており、本体部9の煙排気口16がコンテナ天井面17に設けられている場合は、煙排気口16から排煙処理装置10の基端部23開口面に、直に排煙Eを含むエアーAが導入される。
本体部9の煙排気口16がコンテナ側面18上部に設けられている場合も、これに準じ、ほぼ直に排煙Eを含むエアーAが導入される。
導入された排煙Eは、筒状をなす排煙処理装置10の基端部23,中央部28,先端部24内を、煙道として流れる。排煙処理装置10には、バーナー25と煙燃焼エリア26と排煙ブロワ27が、設けられている。
まずバーナー25は、図示例では排煙処理装置10の基端部23に配設されており、補助燃料と空気を、その専用開孔から内部煙道に混合噴射して燃焼させ、もって、導入された排煙Eを含むエアーAを、すぐに800℃以上に昇温させる。
バーナー25で使用される補助燃料としては、灯油がコスト面やハンドリング面に鑑み使用されるが、軽油やガス等も使用可能である。
そして、バーナー25の下流側の煙道に、燃焼帯つまり煙燃焼エリア26が形成されている。煙燃焼エリア26は、流れるエアーAの排煙Eの煤じんを、800℃以上の燃焼温度で完全燃焼せしめる。煙燃焼エリア26は、このような排煙Eの完全燃焼に必要な滞留時間を確保するに足る距離寸法,長さ寸法に、エアーAの流速を勘案しつつ、設定されている。
又、煙燃焼エリア26の煙道には、上流側にエアー供給ブロワ29が外設されており、排煙Eの燃焼処理用の空気を外気から吸気して、その専用開孔から煙燃焼エリア26内に導入する。
更に図示例では、煙燃焼エリア26に、排煙ブロワ27が設けられている。排煙ブロワ27は、直接的機能としては、本体部9の煙排気口16から排煙Eを含むエアーAを、排煙処理装置10内へと導き,誘引,吸引する。
しかしこれに止まらず、外気吸気口13から本体部9内へ、外気エアーAを吸気させる吸引力を作用させるべく機能する。つまり、本体部9から排煙処理装置10に、排煙Eを含むエアーAを吸引することに基づき、外気から本体部9内に、新たにフレッシュなエアーAが吸気せしめられることになる。
ところで図示例では、排煙ブロワ27として、高圧エアーの高速噴射により、排煙Eを含むエアーAを吸引するエジェクター30が、採用されている。すなわち、エジェクター30は、外気を吸気,圧縮して、専用開孔から煙燃焼エリア26の煙道に高圧噴射することにより、排煙ブロワ27としての機能を発揮する。
なお、このような図示例によらず、排煙Eを含むエアーAを、直接吸引するタイプの排煙ブロワ27を、使用することも可能である。この場合の排煙ブロワ27は、煙燃焼エリア26の煙道内に内装されるので、耐熱仕様であることを要する外、バーナー25より上流の煙道に設けた場合はその翼部等へのタール付着の虞もある。
ここで、上述した800℃以上の燃焼温度について述べておく。エアーAに含有された排煙Eの煤じんの完全燃焼に必要な自燃温度は、400℃〜500℃程度である。
これに対し、2秒間以上800℃以上の燃焼温度に設定すると、ダイオキシン類(PCDD,PCDF,コプラナーPCB)つまり猛毒の有機塩素化合物の発生が、阻止される。
すなわち、本体部9の燃焼発煙コーナー11では、実際の火災に模して多くの場合、廃材の木質パレット,合板,間伐材等が、可燃対象物Bとして使用される。そして、このような可燃対象物Bには、塗装剤,接着剤,殺虫剤,その他の塩素系化合物が混入されていることが多く、本体部9から排煙処理装置10に導入される排煙Eを含むエアーA中に、塩素系化合物が混入していることが十分に予想される。
これに対し、2秒間以上800℃以上の燃焼温度に設定しておくと、混入した塩素系化合物からのダイオキシン発生は回避される。煙燃焼エリア26は、勿論2秒間以上の燃焼時間,滞留時間が十分確保される、長さ寸法設定よりなる。
さて、このようにして排煙処理装置10の煙燃焼エリア26で、排煙Eの煤じんが完全燃焼されたエアーAは、排煙処理装置10の先端部24から、大気放出される。
すなわち、先端部24の大気放出口に付設された煙突31を介し、無煙無害化されたエアーAが大気放出される。
実火災訓練装置8の排煙処理装置10は、このようになっている。
《作用等》
本発明の実火災訓練装置8は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)この実火災訓練装置8は、使用に際し、まず本体部9の燃焼発煙コーナー11に、木質パレットその他の可燃対象物Bが配されて、着火される。もって、大量の濃煙Sと熱気Hが発生する(図2を参照)。
(2)これと共に、排煙処理装置10の排煙ブロワ27、例えばエジェクター30が駆動される。もってエアーAが、外気→本体部9内→その燃焼発煙コーナー11→排煙処理装置10内→外気へと、循環される(図1,図2を参照)。
(3)すなわち、外気吸気口13から吸気されたエアーAは、→本体部9内下部を、可視ゾーン14を形成して流れる。
→そして、燃焼発煙コーナー11で発生した、大量の濃煙Sを含有し熱気Hを帯びたエアーAが、→本体部9内上部を、濃煙ゾーン15を形成して流れる(図2を参照)。
(4)それから、濃煙ゾーン15の濃煙Sつまり排煙Eを含むエアーAが、→本体部9の煙排気口16から、煙処理装置10に導入される。
→排煙処理装置10は、バーナー25,エアー供給ブロワ29,煙燃焼エリア26,排煙ブロワ27等を備えており、→内部を流れるエアーA中の排煙Eの煤じんを、煙燃焼エリア26にて完全燃焼して、大気放出する(図1,図3,図4を参照)。
(5)訓練対象者Tは、このような本体部9内で、例えば消防ホースを保持し姿勢を低くしつつ、大量の濃煙Sと熱気Hを体感する。
又、フラッシュオーバーも体験可能である。更に、一旦閉鎖されていたコンテナ扉12を開放することにより、一気に火勢が強くなる様子も体験可能である(図2を参照)。
(6)さてそこで、本発明の実火災訓練装置8によると、以下の第1,第2,第3,第4のようになる。
第1に、この実火災訓練装置8において、本体部9で発生した排煙Eの煤じんは、排煙処理装置10にて完全燃焼され、無煙無害化されて大気放出される。排煙Eに含まれた煤じんにて、環境や人体が悪影響を受ける虞は、なくなる(図1,図3,図4を参照)。
第2に、この実火災訓練装置8では、本体部9の上位に、排煙処理装置10が設けられている。すなわち、本体部9のコンテナ天井面17直上に、排煙処理装置10の基端部23が配置されている(図1,図3,図4を参照)。
そこで、本体部9の濃煙Sは、コンテナ天井面17やコンテナ側面18上部に設けられた煙排気口16から、排煙Eとして排煙処理装置10へ、直で最短の移動距離,接続寸法で導かれる。
従って排煙Eは、途中での放熱ロスが少なく、冷却されることもなく、熱気Hの高温を保持したまま、ダイレクトに本体部9から排煙処理装置10に導かれる。
さてこのように、排煙Eが高温のまま導入されるので、排煙処理装置10では、次のa,b,c,dのようになる。
a.排煙Eが高温なので、その分、排煙Eの燃焼処理に使用されるバーナー25に関し、灯油等の補助燃料使用量が削減される。
b.排煙Eが高温なので、排煙処理装置10におけるドラフト効果が持続,有効利用できる。つまり、高温→軽量化→圧力低下→大気圧との圧力差に基づく、自然通風力(natural draft power)にて、エアーAの流れが自然に形成される。もって、より小容量の排煙ブロワ27(artificial draft power)を、使用しても良いようになる。
c.排煙Eが高温なので、排煙Eからのタール分の凝縮が防止される。もって、排煙処理装置10内各所へのタール付着が、回避される。
d.なお、排煙ブロワ27としてエジェクター30を採用すると、翼部等がないので、タール付着の事態は発生しない。
第3に、この実火災訓練装置8では、本体部9内に2層流が、確実に形成されると共に、事後もそのまま維持される。
すなわち、コンテナ扉12の下部に外気吸気口13が設けられており、もって低い位置からエアーAが吸気されるので、本体部9の内部空間下部に可視ゾーン14が、所期のとおりスムーズに形成される。又、本体部9の内部空間上部に形成される濃煙ゾーン15は、煙調整板21にて、訓練に適切な上下層厚に自在に変更可能、コントロール可能である(図2を参照)。
そこで訓練対象者Tは、実火災時の状況を、このように形成される2層流により、臨場感に溢れつつ体感可能となる。
もしも可視ゾーン14が確保できず、本体部9内に全体的に濃煙Sが充満してしまうようなことがあると、常に姿勢を低くして視界を確保しつつ消火活動を行う訓練対象者Tは、視界確保が困難化し、訓練に支障が生じる。
これに対し、大量に発生する濃煙Sがコントロールされて、2層流が形成されることによって始めて、訓練がスムーズに進行する。訓練対象者Tは、火災現場の濃煙Sや熱気Hを体感することができる。
第4に、その他、この実火災訓練装置8にあっては、下記のa,b,c,dのようになる。
a.まず図示例のコンテナ製の本体部9は、奥側の燃焼発煙コーナー11側が上位で、反対側のコンテナ扉12側が下位となるように、角度αで上下傾斜設置されている(図1,図2を参照)。
そこで、本体部9内での訓練用の放水が、コンテナ床面19上を、燃焼発煙コーナー11側からコンテナ扉12側に向けて、流下,排水されるようになる。もって訓練時において、コンテナ床面19は常時濡れた状態となっており、燃焼発煙コーナー11からコンテナ床面19への延焼が防止されると共に、訓練対象者Tの火傷等も防止される。
b.次に図示例の排煙処理装置10は、その中央部28から先端部24が、本体部9のコンテナ天井面17から斜め方向に向け、外側空間に突出配置されている(図3,図4を参照)。
このように突出配置しておくと、訓練実施中における排煙処理装置10の調整、例えばバーナー25,エアー供給ブロワ29,排煙ブロワ27等の調整が、容易化する。すなわち、このような諸調整が、加熱された本体部9のコンテナ天井面17上からではなく、熱いコンテナ天井面17を避けて実施できるようになる。
c.又、このように排煙処理装置10を突出配置しておくと、本体部9からの排煙処理装置10の取外しが容易化する。
もって、コンテナ製の本体部9を消耗品として交換すると共に、排煙処理装置10のみを再使用に供する分解,再生作業が容易化する。
d.更にこの実火災訓練装置8は、排煙処理装置10と共に本体部9が可搬式よりなり、専用家屋等を要しないので、訓練場所,設置場所に応じ、適宜移動設置可能である。
1 装置本体部
2 燃焼発煙コーナー
3 ダクト
4 排煙ブロワ(従来例)
5 水スクラバー
6 装置本体部
7 排煙処理装置(従来例)
8 実火災訓練装置
9 本体部
10 排煙処理装置(本発明)
11 燃焼発煙コーナー
12 コンテナ扉
13 外気吸気口
14 可視ゾーン
15 濃煙ゾーン
16 煙排気口
17 コンテナ天井面
18 コンテナ側面
19 コンテナ床面
20 コンテナ奥面
21 煙調整板
22 煙区画板
23 基端部
24 先端部
25 バーナー
26 煙燃焼エリア
27 排煙ブロワ(本発明)
28 中央部
29 エアー供給ブロワ
30 エジェクター
31 煙突
A エアー
B 可燃対象物
E 排煙
H 熱気
R 薪受台
S 濃煙
T 訓練対象者
α 角度

Claims (9)

  1. 火災現場に準じた臨場感で濃煙と熱気を体感させる、実火災訓練装置であって、本体部と排煙処理装置を有してなり、
    該本体部は、内部が訓練対象者の訓練ブースとなる大型ケーシング状をなすと共に、濃煙と熱気を発生させる燃焼発煙コーナーが設けられており、
    該排煙処理装置は、該本体部の上位に配されると共に、該本体部から濃煙が排煙として導入され、もって完全燃焼により無煙無害化されて大気放出され、
    該排煙処理装置は、導入された排煙を含むエアーが内部を流れる構造をなし、基端部側が該本体部の煙排気口に接続され、先端部側が大気放出口となると共に、バーナーと煙燃焼エリアと排煙ブロワが設けられており、
    該バーナーは、導入された排煙を含むエアーを昇温せしめ、該煙燃焼エリアでは、排煙が燃焼時間を確保されつつ完全燃焼され、該排煙ブロワは、該本体部の濃煙つまり排煙を含むエアーを、該煙排気口を介して該排煙処理装置内へと導き、
    該煙燃焼エリアは、排煙の完全燃焼に必要な滞留時間を確保するに足る距離寸法つまり長さ寸法に、排煙を含むエアーの流速を勘案しつつ、設定されていること、を特徴とする実火災訓練装置。
  2. 請求項1に記載した実火災訓練装置において、該本体部では、内部空間上部の高温域の濃煙ゾーンと、内部空間下部の低温域の可視ゾーンとからなる、2層流が形成されると共に、該濃煙ゾーンの濃煙が、煙排気口から該排煙処理装置に導入されること、を特徴とする実火災訓練装置。
  3. 請求項2に記載した実火災訓練装置において、該本体部は、可搬式の長手コンテナ状をなし、長手方向奥側に該燃焼発煙コーナーが設けられ、長手方向反対側にコンテナ扉が設けられており、
    該燃焼発煙コーナーは、周囲が耐火構造よりなり、可燃対象物の燃焼により濃煙と熱気を発生させること、を特徴とする実火災訓練装置。
  4. 請求項3に記載した実火災訓練装置において、該本体部は、長手方向反対側の下部、例えば該コンテナ扉の下部に、外気吸気口が設けられており、
    該外気吸気口からのエアーが、該本体部の内部空間下部を、該可視ゾーンを形成しつつ該燃焼発煙コーナーへと流れると共に、該燃焼発煙コーナーで発生した濃煙を含有し熱気を帯びたエアーが、該本体部の内部空間上部を、該濃煙ゾーンを形成しつつ該煙排気口へと流れること、を特徴とする実火災訓練装置。
  5. 請求項4に記載した実火災訓練装置において、該本体部は、該煙排気口が、長手方向反対側のコンテナ天井面やコンテナ側面上部に設けられていること、を特徴とする実火災訓練装置。
  6. 請求項5に記載した実火災訓練装置において、該本体部は、煙調整板が、コンテナ天井面の該煙排気口より長手方向奥側に寄った位置に、設けられており、
    該煙調整板は、高さ調整可能な可動式よりなり、もって該濃煙ゾーンの層厚を変更可能であり、該濃煙ゾーンの濃煙を含有したエアーが、該煙調整板下を越流して該煙排気口へと向かうこと、を特徴とする実火災訓練装置。
  7. 請求項3に記載した実火災訓練装置において、該本体部は、長手方向奥側の該燃焼発煙コーナーのコンテナ床面が上位で、長手方向反対側のコンテナ床面が下位に位置すべく、上下傾斜設置されていること、を特徴とする実火災訓練装置。
  8. 請求項1に記載した実火災訓練装置において、該排煙処理装置では、該排煙ブロワとして、高圧エアーの高速噴射により排煙を含むエアーを吸引するエジェクターが、用いられていること、を特徴とする実火災訓練装置。
  9. 請求項1に記載した実火災訓練装置において、該排煙処理装置は、該煙燃焼エリアについて、排煙の完全燃焼用エアーを導入するエアー供給ブロワが、付設されていること、を特徴とする実火災訓練装置。
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