JP4915900B2 - 制御されたメソ細孔を有する多孔質炭素膜とその製造方法 - Google Patents

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Description

この出願の発明は、制御されたメソ細孔を有する多孔質炭素膜とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、耐熱性、耐薬品性、耐侯性に優れ、疎水性表面を有し、新しいナノろ過膜等として有用な多孔質炭素膜とその製造方法に関するものである。
限外ろ過膜(UF膜:5nm<細孔直径<200nm程度)と逆浸透膜(RO膜:1Å<細孔直径<2nm程度)の間の大きさの領域の細孔を有する膜を、一般に、ナノろ過膜(2nm≦細孔直径≦50nm程度)と呼んでいる。ナノろ過膜は、その細孔径の大きさから、塩類と有機化合物の分離や分子量200〜1000の範囲で有機化合物の分画を行うことが可能であり、食品分野などにおいて必要不可欠の分離・精製技術として利用されるようになってきている。さらにナノろ過膜を用い、農薬類やVOC類等を除去する水処理技術や、空気中の超微粒子を分離する空気浄化技術への応用にも期待が高まっている。
これまでのところ、ナノろ過膜の素材としては、ポリアミド膜をはじめとする有機膜や、セラミック膜をはじめとする無機膜が知られている。前者は一般に耐熱性が低く(最高50℃)(非特許文献1参照)、加水分解安定性や耐塩素性に乏しいことから、使用可能な分離条件が限定されている。一方、後者は耐熱性、耐薬品性、耐侯性に優れた素材であるが、親水性の細孔表面を有するため、一般に化学修飾による表面処理無しでは有機物を選択的に膜透過させて除去する膜分離プロセスに用いるのは難しいとされている。
このような観点から、耐熱性、耐薬品性、耐侯性に優れ、さらに有機化合物の選択的分離に有効と考えられる疎水性表面を有するナノろ過膜を製造することができれば、細孔表面と有機化合物との疎水性相互作用を膜分離のドライビングフォースとして利用することによる膜分離プロセスの省エネルギー化が期待される。このような膜を実現するために、ナノろ過膜の素材として、炭素を用いることを考慮することができる。
多孔性の炭素膜としては、直径1nm以下のミクロ細孔を多数有する分子ふるい炭素膜およびその製造方法が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、カーボンゲルと称するメソ細孔の発達した炭素物質が報告されてもいる(例えば、特許文献3、非特許文献2、非特許文献3参照)。
特開平01−221518号公報 特開平10−52629号公報 米国特許第5,508,341号明細書 「多孔質体の性質とその応用技術」,株式会社フジ・テクノシステム,P.576(1999) "Organic aerogels from the polycondensation of resorcinolwithformaldehyde.", Pekala et al., J. Mater. Sci., vol. 24, pp. 3221-3227, 1989 "Porous structure of organic and carbon aerogels synthesized bysol-gel polycondensation of resorcinol with formaldehyde." Tamon et al.,Carbon, vol.35, pp791-796, 1997
しかしながら、嵩高い有機分子の分離には1nmを超える大きさの細孔が有効であると考えられ、さらに液相中で用いる場合には細孔直径が1nm以下の大きさになると透過す
る分子の膜透過抵抗が著しく大きくなることから、上記のような多孔性の炭素膜は、有機物の分離や分画を行うナノ濾過膜としての使用には適さないものであった。
また、カーボンゲルについても、この炭素物質を膜状に成型することに成功した例は、これまで全く報告されていなかった。というのは、カーボンゲルは前駆体有機物を炭化焼成して得られるのであるが、この炭化焼成の際に構造が収縮してひび割れや歪みが生じやすいため、カーボンゲルを膜状に成型することが技術的に非常に困難であるからである。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、1nmを超える大きさのメソ細孔が発達し、かつメソ細孔の大きさが制御可能されている多孔質炭素膜と、その製造方法を提供することを課題としている。
発明者らは、カーボンゲルを膜状に形成するための最適な製膜方法を鋭意工夫した結果、支持体上に粒子径を制御したメソサイズの有機ゾルを均一に塗布し不活性雰囲気中で熱分解することにより、上記要求を満足するメソ細孔を多数有する多孔質炭素膜が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、主として炭素で構成され、メソ細孔を有する多孔質膜であって、細孔直径分布において、2〜50nmの範囲にピークを有することを特徴とする多孔質炭素膜を提供する。
第2には、主として炭素で構成され、メソ細孔を有する多孔質膜であって、細孔の細孔直径と細孔容積の関係において、全細孔容積の80%以上が、細孔直径2〜50nmの範囲に属することを特徴とする多孔質炭素膜を提供する。
第3には、主として炭素で構成され、メソ細孔を有する多孔質膜であって、直径2nm以上50nm以下の大きさの細孔の容積が、直径2nm未満の大きさの細孔の容積の3倍以上であることを特徴とする多孔質炭素膜を提供する。
第4には、主として炭素で構成され、メソ細孔を有する多孔質膜であって、直径2nm以上50nm以下の大きさの細孔の容積が、直径50nm超過の大きさの細孔の容積の3倍以上であることを特徴とする多孔質炭素膜を提供する。
第5には、メソ細孔の細孔径分布におけるピーク径が制御されていることを特徴とする上記いずれかの多孔質炭素膜を提供する。
第6には、膜の表面から裏面まで貫通した多数のメソ細孔を有する上記いずれかの多孔質炭素膜を提供する。
第7には、上記第6の多孔質炭素膜であって、微細炭素粒子が3次元的に結合して形成されており、微細炭素粒子の間隙が膜の表面から裏面まで貫通して多数のメソ細孔が構成されていることを特徴とする多孔質炭素膜を提供する。
第8には、主として炭素で構成され、メソ細孔を有する多孔質膜であって、大きさの揃った微細炭素粒子が3次元的に結合されて、間隙にメソ細孔が構成されていることを特徴とする多孔質炭素膜を提供する。
第9には、微細炭素粒子の大きさが制御されている上記第8の多孔質炭素膜を提供する。
第10には、球形もしくは略球形の有機ゾルを前駆体とされていることを特徴とする上記いずれかの多孔質炭素膜を提供する。
第11には、膜の形状が、平板型、キャピラリー型、管状型の何れか、あるいはこれらの組み合わせであることを特徴とする上記いずれかに記載の多孔質炭素膜を提供する。
第12には、フェノール類(P)とアルデヒド類(A)を触媒(C)の存在下において反応溶媒(S)中で縮重合させて粒径1〜100nmの有機ゾルを形成する反応工程(イ)、有機ゾルを支持体の表面に塗布して乾燥させ、均一な厚さの有機ゾル層を形成する塗布工程(ロ)、有機ゾル層を不活性雰囲気中で熱分解して炭化させることにより、微細炭素粒子の凝集体層を形成する炭化工程(ハ)を含むことを特徴とする上記いずれかの多孔質炭素膜の製造方法を提供する。
第13には、反応工程(イ)において、フェノール類(P)と触媒(C)のモル比(P/C)を50〜2000とすることを特徴とする上記第12の多孔質炭素膜の製造方法を提供する。
第14には、反応工程(イ)において、溶媒(S)がアルコール類、ケトン類、水のいずれかであることを特徴とする上記第12または13の多孔質炭素膜の製造方法を提供する。
第15には、炭化工程(ハ)において、熱分解温度を300〜1300℃の範囲内とすることを特徴とする上記第12ないし14のいずれかの多孔質炭素膜の製造方法を提供する。
第16には、熱分解温度を600〜1000℃の範囲内とすることを特徴とする上記第15の多孔質炭素膜の製造方法を提供する。
この出願の発明の多孔質炭素膜によると、炭素の特徴である耐熱性、耐薬品性、耐侯性に優れ、さらに有機化合物の選択的分離に有効と考えられる疎水性表面を有する、従来膜とは異なる性質の新しいナノろ過膜が提供される。
細孔径を制御することで、従来のナノろ過膜および分子ふるい炭素膜等では不可能であった農薬類やVOC類の除去などの水処理や、空気中の超微粒子を分離する空気浄化が可能となる。
さらに、多孔質炭素膜の細孔表面と有機化合物との疎水性相互作用を膜分離のドライビングフォースとして利用することにより、膜分離プロセスの省エネルギー化が期待される。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明が提供する多孔質炭素膜は、主として炭素で構成され、メソ細孔を有する多孔質膜であるが、このメソ細孔は以下のいずれかのものとして特徴付けることができる。
(1)細孔直径分布において、2〜50nmの範囲にピークを有する
(2)細孔の細孔直径と細孔容積の関係において、全細孔容積の80%以上が、細孔直径2〜50nmの範囲に属する
(3)直径2nm以上50nm以下の大きさの細孔の容積が、直径2nm未満の大きさの細孔の容積の3倍以上である
(4)直径2nm以上50nm以下の大きさの細孔の容積が、直径50nm超過の大きさの細孔の容積の3倍以上である
なお、この出願の発明の多孔質炭素膜は、幅、長さ、厚さ等の寸法や、平面かあるいは曲面かといった面の状態には制限されることなく、広く「膜状体」と認識できる形態のものを含むことができる。また、この出願の発明の多孔質炭素膜に関し、「主として炭素で構成され」るとは、多孔質炭素膜の全体の50%以上、好ましくは70%以上、より限定的には80%以上が炭素からなることを意味しており、これによりこの出願の発明の多孔質炭素膜は、耐熱性、耐薬品性、耐侯性に優れ、さらに疎水性表面をも備えることになる。
さらにこの出願の発明における「多孔質」とは、微粒子群が全体として溶融することなく凝集・焼結することで形成されたアグリゲート構造体として定義することができ、この出願の発明の多孔質炭素膜は、例えば図1に模式的に例示したように、微細炭素粒子が3次元的に結合し、メソ細孔を形成しているものとして理解することができる。
そして、本願発明における「メソ細孔」とは、細孔直径が2nm以上50nm以下の細孔を意味し、細孔直径および細孔容積は、ガス吸着法で測定した値を基に規定している。
以上のような特徴的なメソ細孔を有するこの出願の発明の多孔質炭素膜は、さらに、細孔直径分布曲線におけるピーク位置が2nm以上50nm以下の範囲の所望の値となるように制御されたものとしても実現される。
また、多数のメソ細孔が、膜の表面から裏面まで貫通したものとしても実現される。
以上のようなこの出願の発明の多孔質炭素膜の基本的な構造は、図1にも示したとおり、球形もしくは略球形の主として炭素からなる微細炭素粒子が3次元的に結合して形成されたものとして理解される。微細炭素粒子の間隙は、多孔質炭素膜の表面に連通し開放孔を形成するもの、表面に通じず内部で閉鎖孔を形成するもの、多孔質膜の表面から裏面まで貫通して貫通孔を形成するものなどと様々であるが、間隙に主にメソ細孔を構成している。
そしてこの出願の発明の多孔質炭素膜は、この微細炭素粒子の大きさが制御されたものとして構成することもできる。
以上のように、この出願の発明に係る多孔質炭素膜はメソ細孔が様々に制御されることになるが、このような制御は、球形もしくは略球形の有機ゾルを微細炭素粒子の前駆体として用い、多孔質炭素膜を製造することで、精密かつ容易に制御されるのである。
また、後で詳しく説明するが、この出願の発明の多孔質炭素膜は所望の形態の支持体上に、所望の形状の膜として形成することができるため、膜の形状は、図2に示したように、平板型(1)、波板型などに限定されることなく、たとえば、管状型(2)、キャピラリー型(2)等のような所望の形態のものとして実現することができる。なお、管状型とは、一般に直径が5mm以上の太管、キャピラリー型とは、直径が5mm未満の細管の分類として示される。また複数のキャピラリー型膜や管状型膜を任意に組み合わせてモジュール(3)を形成したり、さらには、例えば中空糸を形成してスパイラル状に束ねたりす
ることもできる。
したがって、この出願の発明の多孔質炭素膜は、制御されたメソ細孔を有するため、メソサイズの有機物分子に対する高い選択性を有するナノろ過膜として使用することが可能である。従って、従来の分子篩炭素膜では分離できなかった、農薬類の除去やVOC類の除去など浸透気化分離や水処理膜、あるいは空気中の浮遊ナノ粒子を分離する空気浄化膜として、極めて好適に利用することができる。
以上のこの出願の発明の多孔質炭素膜は、好適には、たとえば以下のこの出願の方法で製造することができる。
すなわち、この出願の発明の多孔質炭素膜の製造方法は、少なくとも、
(イ)フェノール類(P)とアルデヒド類(A)を触媒(C)の存在下において反応溶媒(S)中で縮重合させて粒径1〜100nmの有機ゾルを形成する反応工程、
(ロ)有機ゾルを支持体の表面に塗布して乾燥させ、均一な厚さの有機ゾル層を形成する塗布工程、
(ハ)有機ゾル層を不活性雰囲気中で熱分解して炭化させることにより、微細炭素粒子の凝集体層を形成する炭化工程、
を含むことを特徴としている。
ここで、反応工程(イ)において、多孔質炭素膜の原料として用いるフェノール類(P)としては、いずれの価数のものも用いることが出来る。例えば一価フェノール類であるフェノール,クレゾール,チモール,ナフトール、二価フェノールであるカテコール,レゾルシノール,ヒドロキノン,ジヒドロキシナフタレン、三価フェノールであるピロガロール,フロログルシノールなどが例示される。特に、二価フェノールは均一な溶液を調製しやすいので好ましい。
アルデヒド類(A)としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドをはじめ、各種のアルデヒドを用いることができるが、ホルムアルデヒドが特に好適である。
触媒(C)としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の化合物を用いるのが好ましいが、特に好ましいのはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物である。
反応溶媒(S)としてはアルコール類、ケトン類、水のうち何れかであることが好適であるが、上記フェノール類(P)やアルデヒド類(A)を溶解しやすい水が特に好適である。
これらの材料を混合し、フェノール類(P)とアルデヒド類(A)を縮重合させて有機ゾルを形成するようにするが、この出願の発明の多孔質炭素膜に多数のメソ細孔を形成させるためには、前駆体としての有機ゾルの粒径を1〜100nmの範囲にするのが好ましい。そして、フェノール類(P)と触媒(C)の配合は、形成されるメソ細孔および有機ゾル(微細炭素粒子)の粒径をコントロールする上で重要な因子となる。フェノール類(P)と触媒(C)のモル比(P/C)として、P/Cが50より小さいと該有機ゾルの粒径が小さくなりすぎ、有機ゾルの間隙に形成される細孔はミクロ細孔の割合が増加する一方で、P/Cが1000より大きいと該有機ゾルの粒径が大きくなりすぎて、有機ゾルの間隙に形成される細孔はマクロ孔(孔直径>100nm)の割合が増加する。従って、この出願の発明においては、P/Cを50〜1000にするのが好適な範囲として例示される。さらに、所望の大きさのメソ細孔を発達させるために、P/Cを50〜1000の範
囲で、さらに好適には、100〜600の範囲で制御することができる。このようにP/Cを調節することで、例えば、メソ細孔の細孔径分布のピーク値を2〜50nmの範囲で、また、微細炭素粒子の平均直径を10〜200nmの範囲で制御することができる。
塗布工程(ロ)では、得られた有機ゾルを支持体の表面に塗布して乾燥させ、均一な厚さの有機ゾル層を形成する。多孔質炭素膜の支持体としては、有機ゾルを略均一に塗布できるものであれば、どのような材質・形状のものを用いても差し支えない。所望の多孔質炭素膜が製造できるよう、任意の形状の物を用いることができる。塗布の手法により、多孔質炭素膜に貫通孔を設けたり、逆に設けないようにしたりすることができる。
有機ゾル層の乾燥の手法は特に制限されることなく、超臨界乾燥、凍結乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、マイクロ波乾燥等の公知の各種の乾燥法も用いることができる。なかでも、メソ細孔の乾燥による収縮を最小限に抑制するためには、超臨界乾燥または凍結乾燥を利用するのが好ましい
次いで、炭化工程(ハ)において、有機ゾル層を不活性雰囲気中で熱分解して炭化させ、微細炭素粒子の凝集体層を形成する。
熱分解温度は、低すぎると炭素膜の前駆体有機物が十分に熱分解・炭素化されないために好ましくない。逆に高すぎると、熱分解が進みすぎて構造全体の収縮が大きくなり、歪みや亀裂の生じる原因となりやすいために好ましくない。この出願の発明において熱分解の好適な温度範囲は300〜1300℃とすることができ、さらには、600〜1000℃の範囲とするのがより好ましい。
熱分解は、炭素質が燃焼しない条件であればいずれの雰囲気でも行うことができるが、窒素またはアルゴンガス中、あるいは真空中において酸素を排除した雰囲気制御下で行うのが、疎水性の高い細孔表面を有する炭素膜を得るために特に好適である。
なお、この出願の発明において、多孔質炭素膜はいずれの形状のものとして製造しても差し支えないが、工業的に利用するには、膜が嵩張らないよう1つの装置の中に組み込んでモジュールを作製することを考慮することができる。そこで、単位体積当たりの膜面積や、設備費・操作費等によって、たとえば、平板型、キャピラリー型、管状型等といった様々な形状に成型することができるし、複数の平板型、キャピラリー型膜や管状型膜を任意に組み合わせてモジュールを形成して用いることもできる。
多孔質炭素膜は、最終的に支持体と一体化されていてもよいし、塗布工程あるいは熱分解工程の後に支持体を取り除き、純炭素の膜として形成されてもよい。
水処理用のナノろ過膜など、高い機械強度が要求される場合には、多孔質セラミックなどの支持体と一体で形成されるのが好適であるし、また疎水性浸透気化膜など高い疎水性が要求される場合には、支持体を取り除いた純炭素の膜として形成されるのが特に好適な例として示される。
以下に実施例を示し、この出願の発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1>
(1)制御されたメソ細孔を有する多孔質炭素膜の作製
原料のフェノール類(P)としてのレゾルシノールと、アルデヒド類(A)としてのホ
ルムアルデヒドと、触媒(C)としての炭酸ナトリウムとを、反応溶媒(S)としての蒸留水に溶解して、レゾルシノール/ホルムアルデヒド水溶液(RF水溶液)を調製し、25℃において保持してゾル−ゲル反応を進行させた。これら原料の混合比率は、RF水溶液中のレゾルシノールとホルムアルデヒドのモル比(R/F [mol/mol])を0.5、レゾルシノールと炭酸ナトリウムとのモル比(R/C [mol/mol])を200、レゾルシノールと蒸留水との比率(R/W [g/cm3])を0.25とした。
ゾル−ゲル反応は、原料を混合した後、粘度が0.5(Pa・s)以上となるまで撹拌しながら進行させた。このようにして得られたRF水溶液を支持体上に塗布し、非水溶性の溶媒(シクロヘキサン)中でゲル化するまで24時間保存した後、さらに非水溶性の溶媒中、50℃で熟成した。
このゲル膜を支持体から取り外した後、アルコール溶媒中(t−ブタノール)に浸漬する操作を3回繰り返した。このようにして得られたゲル膜を凍結乾燥することによって、メソ細孔を有するキャピラリー型の炭素膜前駆体を得た。
続いて、真空電気炉を用い、得られた炭素膜前駆体の炭化を行った。この際の操作は、まず真空電気炉内を10‐5torr以下に減圧し、5℃/分の速度で800℃まで昇温させ、この温度で30分加熱した後放冷し、キャピラリー型の多孔質炭素膜を得た。
(2)制御されたメソ細孔を有する多孔質炭素膜の細孔特性評価
このようにして得られた多孔質炭素膜の細孔特性を、窒素ガス吸着法により評価した。図3に、得られた多孔質炭素膜の吸着等温線を示した。窒素ガス吸着量の測定は−196℃で行い、測定した窒素ガスの脱着側の等温線にDollimore-Heal解析法(DH解析法)を適用することにより、メソ細孔の分布と容積を求めた。図4に、得られた多孔質炭素膜のDH解析法による細孔径分布を示した。
図3より、実施例1で得られた多孔質炭素膜は、メソ多孔体に特徴的なヒステリシスを有する吸着等温線を与えることが分かった。また図4より、実施例1で得られた多孔質炭素膜の中心細孔直径が8.1nmであり、2〜50nmの範囲内にピーク値を有するため、この出願の発明の多孔質炭素膜が得られていることが確認された。図4より、この炭素膜は直径50nm以上の細孔(マクロ孔)をほとんど有しておらず、直径2nm以上50nm以下のいわゆるメソ細孔が、直径50nm以上の細孔の少なくとも3倍以上の容積を有することが明らかとなった。また、表1に示すように実施例1で得られた多孔質炭素膜はメソ細孔の容積が0.83cm/gであるのに対し、直径2nm以下のマイクロ孔容積は0.08cm/gであり、メソ細孔容積はマイクロ孔容積の3倍以上である。このように実施例1で得られた多孔質炭素膜のメソ細孔容積は、全細孔容積(マクロ孔容積+
メソ細孔容積+マイクロ孔容積)の80%以上を占める。
また、得られた多孔質炭素膜の表面を透過型電子顕微鏡で観察した結果を図5に示した。多孔質炭素膜は微細な炭素粒子群が凝集して構成されており、微細炭素粒子の間隙にメソ細孔が3次元的に発達しているのが観察された。
(3)制御されたメソ細孔を有する多孔質炭素膜の組成分析
このようにして得られた多孔質炭素膜の組成を、元素分析計を用いて測定した。その結果、表2に示すように、炭素の組成が80%以上であることから、本願発明の多孔質炭素膜が得られていることが確認できる。
(4)制御されたメソ細孔を有する多孔質炭素膜の分離性能評価
多孔質炭素膜の気体分離性能を、各種試験ガス(ヘリウム、二酸化炭素、メタン、窒素)について評価した。その方法は次の通りである。キャピラリー膜用気体透過率測定装置に多孔質炭素膜を装着し、多孔質炭素膜の内面を大気圧とし、外面を加圧して試験ガスを供給し、内面に透過してくる気体流量を流量計で測定した。この気体流量を用い、下記式で求められる気体透過速度Qから、炭素膜の気体分離性能を評価した。
気体透過速度Qの加圧圧力依存性と透過ガス分子量依存性を、それぞれ図6および図7に示した。
多孔質体内の気体分子の拡散は、一般に、平均自由工程あるいは気体分子径と細孔径の比によって、拡散機構が異なるとされる。細孔径が10nm以上の場合は、気体分子の流れは拡散分子同士の衝突が細孔壁との衝突よりも支配的である粘性流となり、また、細孔
径が1〜10nmで細孔径と平均自由工程が同程度の大きさになると、分子と細孔壁との衝突が支配的となるKnudsen拡散領域へと遷移する。また、気体分子の膜透過速度が気体分子の分子量に依存(分子量の−1/2乗に比例)し、平均圧(膜透過前後のガス圧力の平均値)に依存しない場合、膜のガス透過機構はKnudsen拡散が支配的であると解釈でき、膜に形成されている細孔がメソ細孔であることを示す。
図6から、多孔質炭素膜の窒素透過速度は平均圧力に依存せず、図7に示すように、透過ガスの分子量の−1/2乗に比例していることが確認された。このことから、多孔質炭素膜のガス拡散機構はKnudsen拡散支配であり、本発明に係る多孔質炭素膜がメソ細孔性膜であることが確認された。
<実施例2>
実施例1において、R/C[mol/mol]]=400とし、あとは同様にして、多孔質炭
素膜を製造した。得られた多孔質炭素膜について、実施例1と同様に、細孔特性評価および分離性能評価を行った。
図3より、実施例2で得られた多孔質炭素膜は、メソ多孔体に特徴的なヒステリシスを有する吸着等温線を与えることが分かる。また、図4より、実施例2で得られた多孔質炭素膜の中心細孔直径が10.6nmであり、2〜50nmの範囲内にピーク値を有するため、この出願の発明の多孔質炭素膜が得られていることが確認された。また、表1に示したように、実施例1および実施例2において得られた多孔質炭素膜の細孔特性の比較から、R/Cを調整することで、細孔径の制御が可能であり、細孔径が制御された多孔質炭素膜が得られることが示された。
<実施例3>
実施例1において、R/C[mol/mol]]=150とし、あとは同様にして、多孔質炭
素膜を製造した。得られた多孔質炭素膜について、実施例1と同様に、細孔特性評価および分離性能評価を行った。
図3より、実施例3で得られた多孔質炭素膜は、メソ多孔体に特徴的なヒステリシスを有する吸着等温線を与えることが分かった。また図4より、実施例3で得られた多孔質炭素膜の中心細孔直径が6.2nmであり、2〜50nmの範囲内にピーク値を有するため、この出願の発明の多孔質炭素膜が得られていることが確認された。
なお、上記の実施例1〜3で得られた多孔質炭素膜は、(ア)ガス吸着法で測定した全細孔容積の80%以上が、細孔直径2〜50nmの範囲に属しており、(イ)ガス吸着法で測定した直径2nm以上50nm以下の大きさの細孔の容積が、直径2nm以下の大きさの細孔の容積の3倍以上であって、かつ、(ウ)ガス吸着法で測定した直径2nm以上50nm以下の大きさの細孔の容積が、直径50nm以上の大きさの細孔の容積の3倍以上であることが確認された。
この出願の発明の多孔質炭素膜の構成を模式的に例示した概念図である。 この出願の発明の多孔質炭素膜の形態を模式的に例示した図である。 実施例1〜3において得られた多孔質炭素膜の吸着等温線を例示した図である。 実施例1〜3において得られた多孔質炭素膜のDH解析法による細孔径分布を例示した図である。 (1)(2)はそれぞれ実施例1および2において得られた多孔質炭素膜の表面を透過型電子顕微鏡で観察した結果を例示した図である。 実施例1および2において得られた多孔質炭素膜について、窒素透過速度の圧力依存性を例示した図である。 実施例1および2において得られた多孔質炭素膜について、透過速度の透過ガスの分子量依存性を例示した図である。

Claims (14)

  1. フェノール類(P)とアルデヒド類(A)を触媒(C)の存在下において、反応溶媒(S)中で縮重合させて粒径1〜100nmの有機ゾルを形成する反応工程、
    有機ゾルを含有する溶液を支持体の表面に塗布し、ゲル化させる工程、
    ゲル化した膜を支持体から取り外して凍結乾燥させて炭素膜前駆体とする工程、
    得られた炭素膜前駆体を不活性雰囲気中で熱分解して炭化させることにより、微細炭素粒子の凝集体層を形成し、細孔直径分布において2〜50nmの範囲にピークを有するメソ細孔を有する多孔質炭素膜とする炭化工程、
    を含むことを特徴とする多孔質膜炭素膜の製造方法。
  2. 前記の有機ゾルを形成する反応工程において、フェノール類(P)と触媒(C)のモル比(P/C)を50〜2000とすることを特徴とする請求項1に記載の多孔質炭素膜の製造方法。
  3. 前記の有機ゾルを形成する反応工程において、溶媒(S)がアルコール類、ケトン類、水のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔質炭素膜の製造方法。
  4. 前記の炭化工程において、熱分解温度を300〜1300℃の範囲内とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに1項に記載の多孔質炭素膜の製造方法。
  5. 熱分解温度を600〜1000℃の範囲内とすることを特徴とする請求項4に記載の多孔質炭素膜の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたメソ細孔を有する多孔質炭素膜であって、微細炭素粒子が3次元的に結合されて、間隙に、細孔直径分布において2〜50nmの範囲にピークを有するメソ細孔が構成されていることを特徴とする多孔質炭素膜。
  7. 細孔の細孔直径と細孔容積の関係において、全細孔容積の80%以上が、細孔直径2〜50nmの範囲に属することを特徴とする請求項6に記載の多孔質炭素膜。
  8. 直径2nm以上50nm以下の大きさの細孔の容積が、直径2nm未満の大きさの細孔の容積の3倍以上であることを特徴とする請求項6に記載の多孔質炭素膜。
  9. 直径2nm以上50nm以下の大きさの細孔の容積が、直径50nm超過の大きさの細孔の容積の3倍以上であることを特徴とする請求項6に記載の多孔質炭素膜。
  10. メソ細孔の細孔径分布におけるピーク径が制御されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の多孔質炭素膜。
  11. 膜の表面から裏面まで貫通した多数のメソ細孔を有する請求項6〜10のいずれか1項に記載の多孔質炭素膜。
  12. 大きさの揃った微細炭素粒子が3次元的に結合されて、間隙にメソ細孔が構成されていることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の多孔質炭素膜。
  13. 微細炭素粒子の大きさが制御されていることを特徴とする請求項12に記載の多孔質炭素膜。
  14. 膜の形状が、平板型、キャピラリー型、管状型の何れか、あるいはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項6〜13のいずれか1項に記載の多孔質炭素膜。
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