JP4915288B2 - トロイダル型無段変速機及びその製造方法 - Google Patents

トロイダル型無段変速機及びその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば自動車用の自動変速機として、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機及びその製造方法に関する。具体的には、各パワーローラの周面と各ディスクの軸方向片側面との転がり接触部のトラクション係数の向上を図るべく、これら各パワーローラの周面と各ディスクの軸方向片側面とのうちの少なくとも一方の面に多数の凹溝(微細溝)を設ける構造で、これら各凹溝を低コストで形成できる構造の実現(凹溝の形成の低コスト化)を図るものである。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、一部で実施されて周知である。図4、5は、現在実施されているトロイダル型無段変速機の基本構成を示している。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、1対の入力側ディスク1、1を入力回転軸2に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する入力側内側面3、3同士を、互いに対向させた状態で、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持している。
又、上記入力回転軸2の中間部周囲に、中間部外周面に出力歯車4を固設した出力筒5を、この入力回転軸2に対する回転を自在に支持している。又、この出力筒5の両端部に出力側ディスク6、6を、スプライン係合により、上記出力筒5と同期した回転自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面であって特許請求の範囲に記載した軸方向片側面に相当する、上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7が、上記両入力側内側面3、3に対向する。
又、上記入力回転軸2の周囲で上記入力側、出力側両内側面3、7同士の間部分(キャビティ)に、それぞれの周面を球状凸面としたパワーローラ8、8を、2個ずつ配置している。これら各パワーローラ8、8は、それぞれトラニオン9、9の内側面に、基半部と先半部とが偏心した支持軸10、10と複数の転がり軸受とを介して、これら各支持軸10、10の先半部回りの回転、及び、これら各支持軸10、10の基半部を中心とする若干の揺動変位自在に支持されている。又、上記各トラニオン9、9は、それぞれの長さ方向(図4の表裏方向、図5の上下方向)両端部にこれら各トラニオン9、9毎に互いに同心に設けられた、傾転軸11、11を中心として揺動変位自在である。
これら各トラニオン9、9を揺動(傾斜)させる動作は、油圧式のアクチュエータ12、12により、これら各トラニオン9、9を上記各傾転軸11、11の軸方向に変位させる事により行なう。即ち、変速時には、上記各アクチュエータ12、12への圧油の給排により、上記各トラニオン9、9を上記各傾転軸11、11の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ8、8の周面と上記入力側、出力側各内側面3、7との接触部(トラクション部)の接線方向に作用する力の方向が変化する(サイドスリップが発生する)ので、上記各トラニオン9、9が上記各傾転軸11、11を中心として揺動変位する。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸13により一方(図4の左方)の入力側ディスク1を、ローディングカム式の押圧装置14を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸2の両端部に支持された1対の入力側ディスク1、1が、互いに近付く方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ8、8を介して前記両出力側ディスク6、6に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
上記入力回転軸2と上記出力歯車4との回転速度の比を変える場合で、先ず入力回転軸2と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン9、9を図4に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記各入力側ディスク1、1の入力側内側面3、3の中心寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン9、9を図4と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面を、上記両入力側ディスク1、1の入力側内側面3、3の外周寄り部分と上記両出力側ディスク6、6の出力側内側面7、7の中心寄り部分とにそれぞれ当接させる。上記各トラニオン9、9の揺動角度を中間にすれば、上記入力回転軸2と出力歯車4との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時、入力側、出力側各ディスク1、6の入力側、出力側各内側面3、7と各パワーローラ8、8の周面との転がり接触部では、トラクションオイルを介して動力が伝達される。ここで、このトラクションオイルの摩擦係数の値は決まっており、上記転がり接触部で大きなトルクを伝達する為には、この転がり接触部に大きな押し付け力を付与する必要がある。但し、この様に大きな押し付け力を付与する場合、上記入力側、出力側各ディスク1、6や各パワーローラ8、8の耐久性が低下し易くなる可能性がある。又、これら各ディスク1、6や各パワーローラ8、8の強度を確保すべく、これら各部材1、6、8が大型化する可能性があり、装置の小型化を図る面からは好ましくない。
一方、上述の様な不都合を防止すべく、例えば特許文献1〜4には、各ディスク1、6の軸方向片側面や各パワーローラ8の周面(トラクション面)に、深さが0.1μm〜8μm程度の多数の凹溝を、互いに交叉する状態で、当該面全体に亙って形成する旨が記載されている。この様な技術を採用すれば、転がり接触部のトラクション係数の向上を図れ、この様な凹溝を形成しない構造に比べて、小さな押圧力で大きなトルクを伝達できると考えられる。但し、上記特許文献1〜4に記載された技術の場合、多数の凹溝の形成が面倒で、製造コストが嵩む可能性がある。即ち、上記特許文献1〜4に記載された構造の場合には、上記各ディスク1、6の軸方向片側面又は各パワーローラ8の周面に多数の凹溝を、当該部材の中心軸(回転軸)をその中心としたらせん状に形成したり、或は、同心円状に形成する。
例えば上記各凹溝を同心円状に形成する場合には、これら各凹溝を設ける本数分、これら各凹溝を形成する為の、切削工具を被加工面に当接させる作業、並びに、この被加工面から退避させる作業が必要になり、加工作業が面倒になると共に、加工時間が長くなる可能性がある。又、上記切削工具の位置決め精度を高度に確保する必要もあり、加工装置が高価になり、上記各凹溝を形成する為に要するコストが嵩む可能性がある。これに対して、これら各凹溝をらせん状に形成する場合には、切削工具を被加工面に当接させる作業、並びに、この加工面から退避させる作業の回数を少なくできる。但し、上記切削工具を、被切削部材の径方向位置に応じてこの径方向に関する送り量(送り速度)を変化させる必要があり(例えば径方向に関する送り量を径方向外側に進むに従って遅くする必要があり)、加工作業を容易に行なえるとは言えない。又、この様な切削工具の送り量(送り速度)を変化させる為の機構を加工装置に設ける分、この加工装置が高価になり、上述した同心円状の凹溝を形成する場合と同様に、上記多数の凹溝を形成する為に要するコストが嵩む可能性がある。
特開2002−39306号公報 特開2003−207009号公報 特開2003−278869号公報 特開2003−343675号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、各パワーローラの周面と各ディスクの軸方向片側面との転がり接触部のトラクション係数の向上を図るべく、これら各パワーローラの周面と各ディスクの軸方向片側面とのうちの少なくとも一方の面に多数の凹溝を設ける構造で、これら各凹溝を低コストで形成できる構造を実現すべく(多数の凹溝を形成する為のコスト低減を図るべく)発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機及びその製造方法のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機は、前述した様な従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、少なくとも1対のディスクと、複数のパワーローラとを備える。
このうちの各ディスクは、それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持されたものである。
又、上記各パワーローラは、軸方向に関して上記各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に設けられて、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させたものである。
そして、上記各パワーローラの周面と上記各ディスクの軸方向片側面とのうちの少なくとも一方の面に、例えば深さが8μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは0.5〜3.0μmである、多数の凹溝を、互いに交叉する状態で形成している。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各凹溝を、これら各凹溝が形成された面(凹曲面であるディスクの片側面、凸曲面であるパワーローラの周面)の法線方向から見て、これら各凹溝が形成された部材(各ディスク、パワーローラ)の円周方向に対し角をなしている。言い換えれば、上記各凹溝が形成された面(片側面、周面)に表れる、これら各凹溝が形成された当該部材の中心軸をその中心とした仮想同心円と上記凹溝とが、角をなしている(角度を有する)。そして、このなす角を、当該部材の径方向外側に比べ、同じく内側で大きくしている(外径側の角度<内径側の角度)。
且つ、径方向内側から径方向外側に向かうに従って円周方向に関して同方向に湾曲した、互いに交叉しない状態で形成された複数の凹溝に関して、円周方向に隣り合う凹溝同士の間の円周方向に関する間隔が径方向内側から径方向外側に向かうに従って大きくなる割合が、上記各凹溝が形成された面の径方向内側部分と径方向外側部分とで異ならせている。
又、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機の製造方法は、上述したトロイダル型無段変速機の製造方法であって、上記各凹溝を形成すべき部材を定速で回転させつつ、これら各凹溝を形成する為の加工具(溝加工用の切削工具、或いは砥石)を被加工面に当接させた状態で、この加工具をこれら各凹溝を形成すべき部材の径方向(並びに軸方向)に定速で変位(揺動若しくは移動)させる事により、これら各凹溝を形成すべき面にこれら各凹溝を、当該面の法線方向から見て、当該部材の円周方向に対するなす角(仮想同心円と各凹溝とのなす角)が当該部材の径方向外側に比べ同じく内側で大きくなる状態で形成する。
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機及びその製造方法によれば、トラクション係数の向上を図る為の多数の凹溝の形成を、低コストで行なえる。
即ち、これら各凹溝は、これら各凹溝を形成した面(凹曲面、凸曲面の断面形状)の法線方向から見て、これら各凹溝を形成した部材の円周方向に対するなす角(当該部材の仮想同心円と各凹溝とのなす角)が、当該部材の外径側に比べ内径側で大きい。この様な各凹溝は、これら各凹溝を形成すべき部材を定速で回転させつつ、これら各凹溝を形成する為の加工具(精密加工バイト等の切削工具、或いは、超仕上砥石等の研削工具)を被加工面に当接させた状態で、上記加工具を上記各凹溝を形成すべき部材の径方向(並びに軸方向)に定速で揺動させる事により形成できる。この為、上記加工具を被加工面に当接させる作業、並びに、この加工面から退避させる作業の回数が少なく済む他、上記加工具の送り量(送り速度)を被加工部材の径方向位置に応じて変化させる必要もない(例えば径方向に関する送り量を径方向外側に進むに従って遅くする必要もない)。この為、上記各凹溝の加工作業を容易に行なえると共に、これら各凹溝を形成する為の装置も徒に高価なものにならず、これら各凹溝の形成を低コストで行なえる。
[実施の形態の第1例]
図1、2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、トラクション係数の向上を図る為の多数の凹溝17、17の形成を低コストで行なえる様にすべく、これら各凹溝17、17の道筋を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図4、5に示した従来構造と同様であるから、重複する図示並びに説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のトロイダル型無段変速機を構成するディスク15{入力側ディスク1、出力側ディスク6に相当(図4参照)}の軸方向片側面16{図1(a)並びに図2の表面、図1(b)の上面で、図4の入力側内側面3、出力側内側面7に相当}に、例えば8μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは0.5〜3.0μmの深さを有する多数の凹溝17、17を、当該片側面16の全体に亙り形成している。尚、図1、2では、これら各凹溝17、17の形成状態を分かり易くする為に、これら各凹溝17、17を誇張して模式的に{凹溝17の溝幅、溝ピッチP(図2参照)を実際の関係よりも大きく}描いている。実際には、上記各凹溝17、17の深さは、上述の様に8μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは0.5〜3.0μmとし、溝幅は10〜500μmとし、溝ピッチは25〜500μmとする。そして、この様な凹溝17、17を、超仕上げにより平滑面とされた上記ディスク15の片側面16に、精密加工バイトを使用した切削加工で形成している。
又、本例の場合、上記各凹溝17、17を、上記片側面16の法線方向から見て{図1(b)の目線のマーク参照}、上記ディスク15の円周方向に対し角α、β(図2参照)をなしている。言い換えれば、上記片側面16に表れる、上記ディスク15の中心軸をその中心とした仮想同心円Xと上記各凹溝17、17とが、角α、βをなしている(角度を有する)。そして、このなす角α、βを、上記ディスク15の径方向外側(外径側)に比べて同じく内側(内径側)で大きくしている。即ち、上記ディスク15を展開して表す図2に示す様に、上記各凹溝17、17と、上記ディスク15の円周方向に対応する仮想同心円Xとのなす角α、βを、外径側の角αに比べて内径側の角βが大きくなる様に(α<βとなる様に)している。尚、この図2の展開図は、上記ディスク15の片側面16である凹曲面を、平面に展開した状態で表した図{例えると、地球儀の表面(地表)をメルカトル図法により平面の世界地図で表した如き図}であり、仮想同心円Xが図2で紙面の左右方向に互いに平行に表される(仮想同心円Xが世界地図の緯度線に対応する)。そして、この様な展開図である図2に表された上記なす角α、βが、上記片側面16の法線方向から見た状態でのなす角α、βに対応し、このなす角α、βをα<βの関係を満たす様に規制している。
尚、図1(a)は、上記ディスク15の小径側から軸方向に見た状態を示しており、この図1(a)に表された角αa 、βa は、このディスク15を軸方向に見た状態での見掛け上の角となる。又、図1(b)は、上記ディスク15の径方向外側から見た状態を示しており、この図1(b)に表された角αb 、βb は、このディスク15を径方向に見た状態での見掛け上の角となる。そして、上記角α、αa 、αb 同士、並びに、角β、βa 、βb 同士は、上記ディスク15の径方向に対して同じ位置(片側面16の法線とディスク15の中心軸に直角に交わる仮想平面とのなす角がそれぞれθα、θβとなる位置)に対応する。
この様な本例の場合、上記各凹溝17、17を次の様に形成する。即ち、上記ディスク15を定速で回転させつつ、上記各凹溝17、17を形成する為の加工具(精密加工バイト等の溝加工用切削工具、或いは超仕上げ用砥石等の研削工具)を、被加工面である上記片側面16に当接させた状態で、この加工具を上記ディスク15の径方向(並びに軸方向)に定速で揺動(又は被加工面に沿って移動)させる。そして、この様にディスク15を定速で回転させつつ上記加工具を定速で揺動若しくは移動させる事により、上記片側面16に上記各凹溝17、17を、この片側面16の法線方向から見て、上記ディスク15の円周方向に対するなす角(仮想同心円Xと各凹溝17とのなす角)がこのディスク15の外径側に比べ内径側で大きくなる状態で形成する。上記各ディスク15の回転速度、並びに上記加工具の軸方向速度、径方向速度を調節する事により、上記各凹溝17、17のピッチやなす角の大きさを所望の値に規制できる。尚、切削工具により上記各凹溝17、17を形成する場合には、先端R(曲率半径)の小さい(例えば、R0.1、R0.2程度の)CBN砥石(CBN:立方昌窒化ホウ素)やセラミックス製のチップを用いる事ができる。又、超仕上げ砥石により上記各凹溝17、17を形成する場合には、粒度#80〜#200程度の粗い砥石を用いて凹部を形成し、この凹部を凹溝とすると共に、加工面の凸部を仕上げるべく、その後、粒度の細かい砥石を使用する超仕上げ加工、ラップ加工、又は、ピーニング加工の何れかの加工又は複数の加工を施す。
上述の様な本例によれば、トラクション係数の向上を図る為の上記各凹溝17、17を低コストで形成できる。即ち、上述の様に、これら各凹溝17、17は、これら各凹溝17、17を形成した片側面(凹曲面)16の法線方向から見て、上記ディスク15の円周方向に対するなす角(仮想同心円Xと凹溝17とのなす角)α、βが、このディスク15の外径側に比べ内径側で大きい(α<βの関係を満たす)。この様な凹溝17、17は、上述の様に、上記ディスク15を定速で回転させつつ、上記各凹溝17、17を形成する為の加工具を上記片側面16に当接させた状態で、この加工具を上記ディスク15の径方向(並びに軸方向)に定速で揺動若しくは変位させる事により形成できる。この理由は、上記加工具により加工される部分の周速が、径方向外側程内側に比べて速くなり、速くなる分、上記円周方向に対する角が小さくなる為である。この為、上記加工具を被加工面に当接させる作業、並びに、この加工面から退避させる作業の回数が少なく済む他、この加工具の送り量(送り速度)を被加工部材の径方向位置に応じて変化させる必要もない(例えば径方向に関する送り量を径方向外側に進むに従って遅くする必要もない)。この為、上記各凹溝17、17の加工作業を容易に行なえると共に、これら各凹溝17、17を形成する為の装置も徒に高価なものにならず、これら各凹溝17、17の形成を低コストで行なえる。尚、これら各凹溝17、17を、切削加工により形成する場合には、必要に応じて、加工後に研削加工を施し、被加工面に生じた、微小なバリを除去する。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、トラクション係数の向上を図る為の凹溝17、17をパワーローラ8の周面に形成している。本例の場合も、これら各凹溝17、17を、このパワーローラ8の周面の法線方向から見て、このパワーローラ8の円周方向に対し角をなしている。そして、このなす角を、上記パワーローラの径方向外側に比べて同じく内側で大きくしている。
その他の構成及び作用は、上記各凹溝17、17を形成する部材がパワーローラ8である点、これら各凹溝17、17を形成する面が球状凸面(凸曲面)である点が異なる以外、これら各凹溝17、17の形成方法も含め、前述した実施の形態の第1例と同様である。この為、重複する説明は省略する。
尚、上記各凹溝17、17は、上記パワーローラ8とディスク15(図1、2参照)とのうちの何れか一方の部材にのみ形成しても良いし、これらパワーローラ8とディスク15との両方の部材に形成しても良い。何れの部材に形成するかは、必要なトラクション係数や加工コスト等に応じて決定する。
本発明の実施の形態の第1例を、凹溝を誇張して示す図で、(a)はディスクの平面図、(b)はディスクの正面図。 ディスクを展開すると共に、一部の凹溝を省略して模式的に示す図。 本発明の実施の形態の第2例を、凹溝を誇張して示す図で、(a)はパワーローラの平面図、(b)はパワーローラの正面図。 従来構造の1例を示す断面図。 図4のA−A断面に相当する図。
符号の説明
1 入力側ディスク
2 入力回転軸
3 入力側内側面
4 出力歯車
5 出力筒
6 出力側ディスク
7 出力側内側面
8 パワーローラ
9 トラニオン
10 支持軸
11 傾転軸
12 アクチュエータ
13 駆動軸
14 押圧装置
15 ディスク
16 片側面
17 凹溝

Claims (2)

  1. それぞれが断面円弧形のトロイド曲面である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、相対回転を自在に支持された少なくとも1対のディスクと、軸方向に関してこれら各ディスクの軸方向片側面同士の間位置の円周方向に関して複数個所に設けられて、球状凸面としたそれぞれの周面を、上記各ディスクの軸方向片側面にそれぞれ当接させた複数のパワーローラとを備え、これら各パワーローラの周面と上記各ディスクの軸方向片側面とのうちの少なくとも一方の面に多数の凹溝を、互いに交叉する状態で形成したトロイダル型無段変速機に於いて、これら各凹溝は、これら各凹溝が形成された面の法線方向から見て、これら各凹溝が形成された部材の円周方向に対し角をなしており、このなす角、当該部材の径方向外側に比べ同じく内側で大きくなっており、且つ、径方向内側から径方向外側に向かうに従って円周方向に関して同方向に湾曲した、互いに交叉しない状態で形成された複数の凹溝に関して、円周方向に隣り合う凹溝同士の間の円周方向に関する間隔が径方向内側から径方向外側に向かうに従って大きくなる割合が、上記各凹溝が形成された面の径方向内側部分と径方向外側部分とで異なる事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 請求項1に記載したトロイダル型無段変速機の製造方法であって、各凹溝を形成すべき部材を定速で回転させつつ、これら各凹溝を形成する為の加工具を被加工面に当接させた状態で、この加工具をこれら各凹溝を形成すべき部材の径方向に定速で変位させ、これら各凹溝を形成すべき面にこれら各凹溝を、当該面の法線方向から見て、当該部材の円周方向に対するなす角が、当該部材の径方向外側に比べ径方向内側で大きくなる状態で形成する、トロイダル型無段変速機の製造方法。
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