本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
(システム構成)
図1は、本実施形態に係る画像形成システムのシステム構成図である。画像形成システムは、画像形成装置100及び製本装置200から構成されている。
<画像形成装置>
画像形成装置100は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、画像形成部110、原稿搬送部120、画像読取部130、給紙部140、定着部150、等を有している。
原稿搬送部120は、載置された原稿を画像読取部130に向けて搬送する。
画像読取部130は、原稿搬送部120により搬送されている原稿の画像を読み取り画像データを出力する。
画像形成部110は、感光体111の周囲に、帯電装置112、露光装置113、現像装置114、転写装置115、分離装置116及びクリーニング装置117が配置された構成となっており、帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各プロセスが実行される。画像読取部130から出力された画像データに基づいた露光が行われ、当該画像データに基づいたトナー画像が用紙に形成される。
給紙部140は、本身用紙S1を収容する給紙カセット141及び表紙用紙S2を収容する給紙カセット142を有している。
定着部150は、画像形成部110から搬送されてくるトナー画像が形成された用紙を加熱及び加圧し、用紙にトナー画像を定着させる。
<製本装置>
製本装置200は、画像形成装置100から搬送されてくる本身用紙S1を複数枚束ねて本身とし、本身の背部に表紙用紙S2を糊付けし、表紙用紙S2により本身をコの字状にくるんで冊子を作製する。
製本装置200は、搬送部210、サブトレイ220、サブコンパイル部230、クランプ部240、糊塗布部250、角背形成部260、表紙給紙部270、表紙断裁部275、冊子収容部300、等を有している。
サブトレイ220は、くるみ製本を行わない場合に用紙が排出される。用紙が排出路212に向かうように切り替えゲート211を切り替えることにより、搬送部210を搬送されてきた用紙がサブトレイ220に排出される。
サブコンパイル部230は、くるみ製本を行う場合に本身用紙S1が順次搬送されてくる。用紙が排出路213に向かうように切り替えゲート211を切り替えることにより、搬送部210を搬送されてきた本身用紙S1がサブコンパイル部230に搬送される。先行する本身用紙S1の束がクランプ部240で製本中で、後続の本身用紙S1をクランプ部240に搬送することができない場合に、後続の本身用紙S1を一時的に集積させる。先行する本身用紙S1の束がクランプ部240に存在しない場合には、サブコンパイル部230に搬送されてきた本身用紙S1は、サブコンパイル部230でスイッチバックした後そのままクランプ部240に搬送される。
クランプ部240は、サブコンパイル部230を経由して搬送されてきた冊子単位の本身用紙S1の束を集積しクランプする。このクランプ部240に集積された本身用紙S1の束が冊子の本身となる。クランプ部240は、集積される本身用紙S1に対して、下面を支持する支持板241、先端を規制する先端規制板242、側端を整合する整合板243、本身の上面を押しつけ固定するクランプ244、等を有している。クランプ部240は、本身をクランプした後、本身の背部が鉛直下向きになるように回動する。
糊塗布部250は、クランプ部240によりクランプされた本身の背部に糊塗布を行う。
表紙給紙部270は、表紙用紙S2を収容する給紙カセット271を有しており、表紙用紙S2を表紙断裁部275に向けて搬送する。
表紙断裁部275は、給紙カセット271又は画像形成装置100の給紙カセット142から搬送されてきた表紙用紙S2を所定の長さに断裁する。表紙用紙S2に画像形成を行う場合には、画像形成装置100の給紙カセット142から表紙用紙S2を搬送する。
角背形成部260は、表紙断裁部275から搬送されてきた断裁後の表紙用紙S2が所定位置に停止した後、上昇する。これにより、角背形成部260の上に載置された表紙用紙S2は、クランプ部240にクランプされている背部に糊塗布がされた本身と接触し糊付けされる。また、その際に表紙用紙S2は、本身の形状に沿って折り曲げられ角背が形成される。これにより、表紙用紙S2により本身がくるまれ、冊子が作製される。その後、角背形成部260は、下降した後、糊付けされ角背の形成された冊子を冊子収容部300に排出する。
冊子収容部300は、角背形成部260から排出されてきた冊子を集積して収容する。以下、冊子収容部300について詳細に説明する。
図2は冊子収容部300の正面図、図3は冊子収容部300の側面図、図4は冊子収容部300の一部を示す斜視図である。
まず、冊子収容部300の構成について説明する。
図2、図3に示すように、冊子収容部300は、各々側方に側板301、302を固定して設け、この側板301、302に移動板305、306が上下動可能に取り付けられている。移動板305及び移動板306は、連結板303により図2において同一高さを有するように連結されている。
また、側板301、302には昇降駆動軸307が回転自在に貫通して架設されており、昇降駆動軸307は、昇降用モータM1から歯車列G1を介して駆動が伝達されている。
図2に示すように、昇降駆動軸307の一端には滑車308が固定され、側板301には回転可能な滑車309、310、311が固定され、これらの滑車308、309、310、311には昇降ベルト312が巻き回され、昇降駆動軸307に固定された滑車314、側板301に回転可能に設けた滑車315には昇降ベルト313が巻き回されている。これと同様に、側板302側にも昇降ベルト316、317が巻き回されている。
移動板305は、昇降ベルト312及び313と、図2の垂直方向で同一方向に移動し、かつ、同一高さの箇所で連結されており、これと同様に、移動板306は、昇降ベルト316及び317と、図2の垂直方向で同一方向に移動し、かつ、前記箇所と同一高さの箇所で固定されている。上述した構成により、昇降用モータM1が正逆回転すると、移動板305及び306は一体的に上下動する。
次に、図4に示すように、移動板305、306には、ガイドバー324の両端が固定されるとともに、断面角形状の回転軸325が回転自在に支持されている。
回転軸325には、図4に示すように、移動板306に固定された受取用モータM2から歯車列G2を介して回転が伝えられる。
ガイドバー324及び回転軸325には、図3、図4に示すように、ほぼ対称形状をなす2つの冊子受け枠330及び331が図3の水平方向に移動自在に設けられている。
冊子受け枠330及び331は、図4に示すように、これらが互いに離間、接近するように、連結板303に回転自在に設けた滑車332、333に巻き回されたワイヤ334の互いに反対方向に移動する2箇所と連結されており、滑車332には離接用モータM3から歯車列G3を介して駆動が伝えられる。
冊子受け枠330及び331の外側には、図3、図4に示すように、回転軸325により駆動される駆動ベルト335及び336が設けられている。
更に、冊子受け枠330及び331の内側には、角背形成部260の冊子搬送コンベア261(図2参照)から排出された冊子S3を受け取り、所定位置まで搬送し保持するための受取ベルト337及び338が設けられており、受取ベルト337及び338は駆動ベルト335及び336により回転するように構成されている。
受取ベルト337及び338の冊子搬送方向下流側には、冊子S3が上記所定位置に移送された時に停止するように冊子S3の先端部を検知する第1センサSE1(図2)が配置されている。
冊子収容部300の垂直方向下方には、集積された冊子を排出する排出ベルト340、排出ベルト340を駆動するための排出用モータM4、排出用モータM4の駆動を排出ベルト340に伝達する歯車列G4等から構成されている。
次に、冊子収容部300の基本動作について説明する。
図2に示すように、受取ベルト337、338は、角背形成部260から排出される冊子S3をスムーズに受け取るように、角背形成部260の冊子搬送コンベア261とほぼ同一高さで、かつ、冊子S3を保持できる幅にセットされて待機している。
角背形成部260の冊子搬送コンベア261により冊子S3が排出されると同時に、受取用モータM2が始動し、回転軸325を回転させ駆動ベルト335、336を介して受取ベルト337、338を図4の矢印方向に回転させ冊子S3を受け取る。受け取られた冊子S3は、冊子S3の先端部が第1センサSE1(図2参照)により検知される位置(所定位置)まで移送され停止する。
冊子S3の移送が停止すると、昇降用モータM1が始動し、昇降ベルト312、313、316、317が回転して移動板305、306が垂直方向下方に下降を開始する。この下降作用により、受取ベルト337、338上の冊子S3は排出ベルト340の直上まで移送され、冊子受け枠331に設けた第2センサSE2(図3参照)が排出ベルト340の上面あるいは排出ベルト340上に集積されている冊子の上面を検知したら停止する。
冊子S3の下降が停止すると、離接用モータM3が始動し、ワイヤ334を介して冊子受け枠330、331を離間させ、受取ベルト337、338上の冊子S3を排出ベルト340上あるいは排出ベルト340上に集積されている冊子上に落下させて重ねるように積載する。
冊子S3が受取ベルト337、338上から落下した後は、昇降用モータM1を逆回転させて、受取ベルト337、338を初期高さに復帰させ、続いて、離接用モータM3を逆回転させて、受取ベルト337、338を製本装置200から前述した冊子受取位置に戻して、角背形成部260からの冊子S3の排出に備える。
以上の冊子収容部300の積載動作に関与する構成が、本発明の積載手段として機能する。
上述した動作が繰り返されると、排出ベルト340上には順次冊子S3が集積されるが、最上面の冊子S3の端部が集積上限を規定する本発明の検知部としての第3センサSE3により検知されると、本発明の排出手段としての排出ベルト340が図2の矢印方向に回転し、集積された冊子S3を取り出しやすい位置まで排出する。排出された冊子は、適宜のタイミングで操作者により取り出される。
(制御構成)
図5は、本実施形態に係る画像形成システムの制御構成図である。本発明にあまり関係しない制御対象については省略している。
<画像形成装置>
画像形成装置100は、プログラムに従って画像形成装置100の各種制御を実行するCPU160を中心に、バス161により、ROM162、RAM163、HDD164、NVRAM165、画像形成部110、画像読取部130、給紙部140、操作表示部166、通信部167、通信部168、等が相互に接続されている。
ROM162は、各種プログラムやデータを記憶しており、CPU160がこれらプログラムやデータを利用して画像形成装置100の制御を実行する。
RAM163は、CPU160によってワークエリアとして利用され、CPU160が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
HDD164は、画像読取部130から入力された画像データ又は通信部168を介してパーソナルコンピュータ等の外部機器から入力された画像データ、等を記憶する。
NVRAM165は、給紙部140及び表紙給紙部270の各給紙カセットに収容されている各用紙のサイズ、等を記憶する。
画像形成部110は、画像読取部130から入力された画像データ又は通信部168を介してパーソナルコンピュータ等の外部機器から入力された画像データに基づいて用紙上に画像形成を行う。
操作表示部166は、タッチパネル等で構成され、各種操作画面を表示したり、各種指示を入力したりする。
通信部167は、製本装置200に接続され、製本装置200との間で各種データを送受信する。
通信部168は、外部のネットワークに接続され、パーソナルコンピュータ等から画像データや条件設定データ等が入力される。
<製本装置>
製本装置200は、プログラムに従って製本装置200の各種制御を実行する本発明の制御部としてのCPU290を中心に、バス291により、ROM292、RAM293、糊塗布部250、角背形成部260、表紙給紙部270、表紙断裁部275、冊子収容部300、通信部294、等が相互に接続されている。
ROM292は、各種プログラムやデータを記憶しており、CPU290がこれらプログラムやデータを利用して製本装置200の制御を実行する。
RAM293は、CPU290によってワークエリアとして利用され、CPU290が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
クランプ部240は、制御対象として、前述したクランプ244の他に厚みセンサ245を有している。厚みセンサ245は、クランプ部240にセットされている本身の厚みを検出する。例えば、本身をクランプした際のクランプ244の位置を検出することにより行う。本身が厚ければ、クランプ244の先端は支持板241から離れた位置になり、本身が薄ければ、クランプ244の先端は支持板241に近い位置になる。他にも、クランプ時におけるクランプ244のホームポジションからの移動量を求めることによっても検出することが可能である。
冊子収容部300は、昇降用モータM1、受取用モータM2、離接用モータM3、排出用モータM4、第1センサSE1、第2センサSE2、本発明の検知部としての第3センサSE3、等を有している。
通信部294は、画像形成装置100に接続され、画像形成装置100との間で各種データを送受信する。
(冊子排出処理)
<第1の冊子排出処理>
図6は、本実施形態に係る第1の冊子排出処理のフロー図である。一例であり、これに限定するものではない。本冊子排出処理は、CPU290を中心としてROM292に記憶されているプログラムに基づいて実行される。尚、給紙カセット141に収容されている本身用紙S1のサイズは予め、予め操作表示部166において入力され、NVRAM165に記憶されているものとする。
本冊子排出処理のフローは、例えば、冊子S3が角背形成部260の冊子搬送コンベア261から冊子収容部300に搬入される毎に開始される。
まず、CPU290は、第3センサSE3の出力がオンであるか否かを判断する。即ち、排出ベルト340上に集積されている冊子S3が満載状態であるか否かを判断する(ステップS1)。
集積されている冊子S3が満載状態であると判断すると(ステップS1;Yes)、CPU290は、ステップS4に進む。
集積されている冊子S3が満載状態でないと判断すると(ステップS1;No)、CPU290は、i=1であるか否かを判断する(ステップS2)。iは、排出ベルト340上の冊子S3の集積状態を示すフラグであり、排出ベルト340上に冊子S3が集積されるとフラグがセットされ(i=1)、排出ベルト340により集積されている冊子S3が排出されるとフラグがリセットされる(i=0)。
i=1であると判断すると(ステップS2;Yes)、CPU290は、冊子搬送コンベア261から搬入されてきた冊子(本発明の、積載する冊子)S3のサイズが排出ベルト340上に集積されている冊子S3のサイズ以下であるか否かを判断する(ステップS3)。ここで、搬入されてきた冊子S3のサイズ及び集積されている冊子S3のサイズは、それぞれの冊子S3を構成する本身用紙S1のサイズである。それぞれの冊子S3の本身用紙S1のサイズは、本身用紙S1に画像形成する際に選択された給紙カセットに基づいて決定される。給紙カセットとその中に収容されている用紙のサイズとが画像形成装置100のNVRAM165に対応付けて記憶されている。CPU290は、NVRAM165から、本身用紙S1の画像形成の際に選択された給紙カセットに対応する本身用紙S1のサイズを取得する。
i=1でないと判断すると(ステップS2;No)、CPU290は、ステップS6に進む。
ステップS3において、搬入されてきた冊子S3のサイズが排出ベルト340上に集積されている冊子S3のサイズ以下であると判断すると(ステップS3;Yes)、CPU290は、ステップS6に進む。
ステップS3において、搬入されてきた冊子S3のサイズが排出ベルト340上に集積されている冊子S3のサイズ以下でないと判断すると(ステップS3;No)、CPU290は、ステップS4に進む。
ステップS4において、CPU290は、排出用モータM4により排出ベルト340を駆動し、排出ベルト340上に集積されている冊子S3を、図2における左方向に移動(排出)させる。
次に、CPU290は、フラグiをリセットし、i=0とする(ステップS5)。その後、ステップS6に進む。
ステップS6において、CPU290は、昇降用モータM1を駆動させ冊子受け枠330、331下降させた後、離接用モータM3を駆動させ冊子受け枠330、331を離間させることにより、排出ベルト340上に冊子S3を落下させて積載する(ステップS6)。
次に、CPU290は、フラグiをセットし、i=1とする(ステップS7)。
次に、CPU290は、集積されている冊子S3のサイズを、搬入され集積された冊子S3のサイズに更新する(ステップS8)。
以上のように、第1の冊子排出処理によれば、搬入されてきた冊子のサイズが集積されている冊子のサイズより大きい場合、つまり上積みが不安定な場合には、集積されている冊子が満載状態でなくても、搬入されてきた冊子を集積されている冊子の上に積載しないようにしたので、積載後に崩れてしまうことが抑制される。このため、積載された冊子が崩れて冊子に汚れや変形が発生し商品価値が下がってしまうことがない。
<第2の冊子排出処理>
図7は、本実施形態に係る第2の冊子排出処理のフロー図である。一例であり、これに限定するものではない。本冊子排出処理は、CPU290を中心としてROM292に記憶されているプログラムに基づいて実行される。尚、給紙カセット141に収容されている本身用紙S1のサイズは予め、予め操作表示部166において入力され、NVRAM165に記憶されているものとする。
本冊子排出処理のフローは、例えば、冊子S3が角背形成部260の冊子搬送コンベア261から冊子収容部300に搬入される毎に開始される。
まず、CPU290は、i=1であるか否かを判断する(ステップS11)。iは、排出ベルト340上の冊子S3の集積状態を示すフラグであり、排出ベルト340上に冊子S3が集積されるとフラグがセットされ(i=1)、排出ベルト340により集積されている冊子S3が移動されるとフラグがリセットされる(i=0)。
i=1であると判断すると(ステップS11;Yes)、CPU290は、冊子搬送コンベア261から搬入されてきた冊子(本発明の、積載する冊子)S3のサイズが排出ベルト340上に集積されている冊子S3のサイズ以下であるか否かを判断する(ステップS12)。冊子のサイズの検知は、第1の冊子排出処理の場合と同様である。
i=1でないと判断すると(ステップS11;No)、CPU290は、ステップS17に進む。
ステップS12において、搬入されてきた冊子S3のサイズが排出ベルト340上に集積されている冊子S3のサイズ以下であると判断すると(ステップS12;Yes)、CPU290は、搬入されてきた冊子S3を集積されている冊子S3の上に上積みを許可するか否かの上積み判断処理を行う(ステップS13)。上積み判断処理については、後述する。
ステップS12において、搬入されてきた冊子S3のサイズが排出ベルト340上に集積されている冊子S3のサイズ以下でないと判断すると(ステップS12;No)、CPU290は、ステップS15に進む。
ステップS13における上積み判断処理の結果、上積み判断が上積み許可であれば(ステップS14;Yes)、CPU290は、ステップS17に進む。
ステップS13における上積み判断処理の結果、上積み判断が上積み許可でなければ(ステップS14;No)、CPU290は、ステップS15に進む。
ステップS15において、CPU290は、排出用モータM4により排出ベルト340を駆動し、排出ベルト340上に集積されている冊子S3を、図2における左方向に移動(排出)させる。
次に、CPU290は、フラグiをリセットし、i=0とする(ステップS16)。その後、ステップS17に進む。
ステップS17において、CPU290は、昇降用モータM1を駆動させ冊子受け枠330、331下降させた後、離接用モータM3を駆動させ冊子受け枠330、331を離間させることにより、排出ベルト340上に冊子S3を落下させて積載する(ステップS17)。
次に、CPU290は、フラグiをセットし、i=1とする(ステップS18)。
次に、CPU290は、集積されている冊子S3のサイズを、搬入され集積された冊子S3のサイズに更新する(ステップS19)。
図8は、第2の冊子排出処理のステップS13に係る上積み判断処理を示すフロー図である。
まず、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載すれば排出ベルト340上に3種類以上の冊子S3が集積されるか否かを判断する(ステップS131)。ここで、冊子のサイズ又は厚みが異なる場合に、冊子の種類が異なるものとする。冊子のサイズは、上述したように冊子を構成する本身用紙S1のサイズであり、冊子の厚みは、冊子を構成する本身用紙S1の枚数(冊子構成枚数)又は本身用紙S1の束の厚み(本身束厚)である。尚、冊子構成枚数は、例えば、製本装置200内を搬送される本身用紙S1の数をカウントすることにより得ることができる。また、本身束厚は、製本装置200のクランプ部240の厚みセンサ245の出力から得ることができる。
本上積み判断処理においては、表1に示すように、例えば、冊子の厚みをカテゴリA,B,Cの3つのカテゴリに分けている。
カテゴリAは、冊子構成枚数が2〜30枚又は本身束厚が最大束厚の10%未満、カテゴリBは、冊子構成枚数が31〜150枚又は本身束厚が最大束厚の10%以上50%未満、カテゴリCは、冊子構成枚数が151〜300枚又は本身束厚が最大束厚の50%以上である。ここで、最大束厚とは、クランプ部240に集積可能な本身用紙S1の最大束厚である。厚みの大小関係は、カテゴリA<カテゴリB<カテゴリCである。表1の関係は、ROM292に予め記憶されている。
ステップS131において、もし搬入されてきた冊子S3を積載すれば排出ベルト340上に3種類以上の冊子S3が集積されると判断すると(ステップS131;Yes)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。つまり、本実施形態では、冊子のサイズあるいは厚みの異なる2種類の冊子までしか集積できないことにしている。しかし、2種類までに限定するものではなく、3種類以上に設定することを妨げるものではない。
もし搬入されてきた冊子S3を積載しても排出ベルト340上に3種類以上の冊子S3が集積されないと判断すると(ステップS131;No)、CPU290は、集積されている冊子S3の厚みがカテゴリAであるか否かを判断する(ステップS132)。ここで、集積されている冊子S3に2種類の冊子が含まれている場合には、最初に積載された冊子S3を対象とする。
集積されている冊子S3の厚みがカテゴリAであると判断すると(ステップS132;Yes)、CPU290は、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAであるか否かを判断する(ステップS133)。
集積されている冊子S3の厚みがカテゴリAでないと判断すると(ステップS132;No)、CPU290は、ステップS138に進む。
ステップS133において、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAであると判断すると(ステップS133;Yes)、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリAの冊子数の合計)が50冊未満であるか否かを判断する(ステップS134)。当該50冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
ステップS133において、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAでないと判断すると(ステップS133;No)、CPU290は、ステップS135に進む。
ステップS134において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が50冊未満であると判断すると(ステップS134;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
ステップS134において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が50冊未満でないと判断すると(ステップS134;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ステップS135において、CPU290は、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリBであるか否かを判断する。
搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリBであると判断すると(ステップS135;Yes)、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満であるか否かを判断する(ステップS136)。当該30冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリBでないと判断すると、つまりカテゴリCであると判断すると(ステップS135;No)、CPU290は、ステップS137に進む。
ステップS136において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリAの冊子数とカテゴリBの冊子数との合計)が30冊未満であると判断すると(ステップS136;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
ステップS136において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満でないと判断すると(ステップS136;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ステップS137において、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリAの冊子数とカテゴリCの冊子数との合計)が20冊未満であるか否かを判断する。当該20冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が20冊未満であると判断すると(ステップS137;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満でないと判断すると(ステップS137;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ステップS138において、CPU290は、集積されている冊子S3の厚みがカテゴリBであるか否かを判断する。ここで、集積されている冊子S3に2種類の冊子が含まれている場合には、最初に積載された冊子S3を対象とする。
集積されている冊子S3の厚みがカテゴリBであると判断すると(ステップS138;Yes)、CPU290は、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリBであるか否かを判断する(ステップS139)。
集積されている冊子S3の厚みがカテゴリBでないと判断すると、つまりカテゴリCであると判断すると(ステップS138;No)、CPU290は、ステップS144に進む。
ステップS139において、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリBであると判断すると(ステップS139;Yes)、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリBの冊子数の合計)が35冊未満であるか否かを判断する(ステップS140)。当該35冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
ステップS139において、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリBでないと判断すると(ステップS139;No)、CPU290は、ステップS141に進む。
ステップS140において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が35冊未満であると判断すると(ステップS140;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
ステップS140において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が35冊未満でないと判断すると(ステップS140;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ステップS141において、CPU290は、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAであるか否かを判断する。
搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAであると判断すると(ステップS141;Yes)、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリBの冊子数とカテゴリAの冊子数との合計)が35冊未満であるか否かを判断する(ステップS142)。当該35冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAでないと判断すると(ステップS141;No)、つまりカテゴリCであると判断すると、CPU290は、ステップS143に進む。
ステップS142において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が35冊未満であると判断すると(ステップS142;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
ステップS142において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が35冊未満でないと判断すると(ステップS142;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ステップS143において、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリBの冊子数とカテゴリCの冊子数との合計)が20冊未満であるか否かを判断する。当該20冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が20冊未満であると判断すると(ステップS143;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満でないと判断すると(ステップS143;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ステップS144において、CPU290は、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリCであるか否かを判断する。
搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリCであると判断すると(ステップS144;Yes)、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリCの冊子数の合計)が30冊未満であるか否かを判断する(ステップS145)。当該30冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリCでないと判断すると(ステップS144;No)、CPU290は、ステップS146に進む。
ステップS145において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満であると判断すると(ステップS145;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
ステップS145において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満でないと判断すると(ステップS145;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ステップS146において、CPU290は、搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAであるか否かを判断する。
搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAであると判断すると(ステップS146;Yes)、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリCの冊子数とカテゴリAの冊子数との合計)が30冊未満であるか否かを判断する(ステップS147)。当該30冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
搬入されてきた冊子S3の厚みがカテゴリAでないと判断すると(ステップS146;No)、CPU290は、ステップS148に進む。
ステップS147において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満であると判断すると(ステップS147;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
ステップS147において、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満でないと判断すると(ステップS147;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ステップS148において、CPU290は、もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数(カテゴリCの冊子数とカテゴリBの冊子数との合計)が30冊未満であるか否かを判断する。当該30冊の値は、本発明の記憶部としてのROM292に記憶されている。
もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が20冊未満であると判断すると(ステップS148;Yes)、CPU290は、ステップS149に進み、上積み許可の判断結果を出力する。
もし搬入されてきた冊子S3を積載した場合の排出ベルト340上に集積される合計の冊子数が30冊未満でないと判断すると(ステップS148;No)、CPU290は、ステップS150に進み、上積み不許可の判断結果を出力する。
ここで、排出ベルト340上に集積可能な合計冊子数の設定について注目すると、例えば、理解しやすいように、ステップS145、ステップS147及びステップS148に注目する。排出ベルト340上に集積可能な最大合計冊子数は、ステップS145、ステップS147及びステップS148のいずれの場合も29冊で同じである。
集積高さの観点から見ると、ステップS145ではカテゴリCのみ、ステップS147ではカテゴリC+カテゴリA、ステップS148ではカテゴリC+カテゴリBであるので、ステップS145のカテゴリCの場合が最も高く、次にステップS148のカテゴリC+カテゴリBの場合が高く、ステップS147のカテゴリC+カテゴリAの場合が最も低くなる。つまり、カテゴリCの冊子の方がカテゴリAの冊子よりも高く集積できる設定にしている。
このように、排出ベルト340上に集積可能な最大合計冊子数を設定しているのは以下の理由からである。冊子構成枚数が少ない冊子、つまりカテゴリAの冊子では、表紙用紙に角背を形成する場合に、本身の厚みが薄いので、背表紙と表表紙との間の折り目あるいは背表紙と裏表紙との間の折り目をしっかり付けることが難しくなる。このため、折り目部分が直角にならず、表紙用紙の背表紙近傍が本身の形状にぴったりと沿わず膨らんだ状態となり、当該背表紙近傍の厚みがその他の部分の厚みと比べてかなり厚くなってしまう。このような冊子構成枚数が少ない冊子を集積すると、上部の冊子が背表紙側を上に大きく傾くようになり、崩れやすくなる。
一方、冊子構成枚数の多い冊子、つまりカテゴリCの冊子では、表紙用紙に角背を形成する場合に、本身の厚みが厚いので、背表紙と表表紙との間の折り目あるいは背表紙と裏表紙との間の折り目をしっかり付けることができる。このため、折り目部分がほぼ直角に形成される。このような冊子構成枚数が多い冊子を集積した場合には、冊子構成枚数の少ない冊子に比べて上部の冊子の傾きは小さく、高くまで集積できることになる。
以上のように、第2の冊子排出処理によれば、搬入されてきた冊子のサイズが集積されている冊子のサイズより大きい場合、つまり上積みが不安定な場合には、集積されている冊子が満載状態でなくても、搬入されてきた冊子を集積されている冊子の上に積載しないようにしたので、積載後に崩れてしまうことが抑制される。このため、積載された冊子が崩れて冊子に汚れや変形が発生し商品価値が下がってしまうことがない。また、第2の冊子排出処理においては、冊子の厚み及び集積する冊子数も考慮に入れた上積み判断処理を取り入れているので、より信頼性が高くなり好ましい。
第2の冊子排出処理では、冊子数で集積量を決定しているので、第1の冊子排出処理のように第3センサSE3により冊子の満載状態を検知する必要はないが、安全のため満載検知を併用し、集積冊子数が所定値を超えるかあるいは満載検知された場合に積載を不許可にするようにしてもよい。
第2の冊子排出処理では、上積み判断を行う場合、冊子の厚み(冊子構成枚数あるいは本身の厚み)及び冊子数により判断したが、本身用紙及び表紙用紙の紙種や坪量も考慮に入れて判断してもよい。