以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の遊技機は、本発明をパチンコ遊技機としての封入球式遊技機に応用したものであり、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっていると共に、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機は、予め封入された遊技球を用いる。また、封入球式遊技機は、例えば、台間機(球貸機)等への現金の投入等により発生する遊技価値情報(例えば、金額情報)を入力され、遊技価値情報を遊技に使用可能な遊技球数(遊技媒体数)である持球数のデータに変換し、このデータに対応して封入された遊技球を遊技領域に発射可能とし、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータを減算するようになっている。また、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記持球数のデータに賞球数が加算されるようになっている。また、持球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態で遊技価値情報としての金額情報や貯球された遊技媒体数の情報等を遊技媒体数のデータに変換すると、持球数のデータに変換された遊技媒体数のデータが加算され、再び遊技球の発射が可能となる。
すなわち、封入球式遊技機は、遊技者の保有する持球数により遊技可能になり、前記発射により持球数から減算処理し、遊技球の入賞により持球数に加算処理するものである。また、発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞領域に入賞して遊技盤の裏面側に導かれてセーフ球として回収されると共に、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環流路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機内で循環するようになっている。また、ファールとなった遊技球も循環流路に回収されると共に、ファールとなった遊技球は遊技に係わることなく(入賞の機会を得ることなく)、回収されて再び発射可能とされるので、ファール球の発生に基づき、遊技価値情報の持球数のデータにファール球数が加算される。
よって、封入球式遊技機では、出球数、入球数、差球数、持球数等は、実際の遊技球の個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球は、循環使用される限られた所定数(例えば、35個)しかなく、例えば、遊技領域に発射される遊技球を検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球を検知してカウントしたファール球数、遊技領域に発射されて回収された遊技球を検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた球貸数等の数値から入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
なお、遊技領域を覆うクリア部材保持枠を開放して遊技球が外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(回収球数がファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数=入球数−球貸数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=球貸数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、入球数−出球数=差球数、持球数=球貸数(もしくは再プレイ球数)−差球数となる。以上のように封入球式遊技機による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球をこぼしたり、遊技球を下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。
図1から3に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された本体枠110と、該本体枠110に回動可能に軸支された矩形状の前面枠120を備える。この矩形枠状の本体枠110は、前面側から見た左側の一辺が金属製とされ、その他の辺は木製となっている。これによって、前面側から見て左側の一辺においては、強度を保ったまま厚みを薄くできるようになっている。また、本体枠における前面側から見た左側の部分には、前面枠120を回動可能に軸支し、扉状に開閉自在とする金属製のヒンジ部111,111が設けられている。なお、本体枠110の金属製の部分とヒンジ部111,111は電気的に接続するようになっている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠(図示略)と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠の下側に取り付けられた発射操作ユニット(図示略)とを有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の本体枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部にわたる部分に、遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部133が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部133から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部133、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆うようにクリア部材保持枠(図示略)が配置されている。そして、遊技盤1の前面と前記クリア部材保持枠に嵌め込まれたガラス板の裏面との間であって、遊技盤1の前面に設けられた遊技領域区画壁2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。また、前面枠本体130の前面側であって、クリア部材保持枠の下側には、遊技者が発射操作を行うための操作部などを備えた発射操作パネル(図示略)が配置されている。
前面枠本体130の一方の側部(前面側から見た左側部)には、本体枠110に設けられたヒンジ部111,111に軸支される金属製のヒンジ受部131,131が設けられている。このヒンジ受部131,131はヒンジ部111,111と電気的に接続するようになっている。また、前面枠本体130の一方の側部(前面側から見た左側部)には、クリア部材保持枠、発射操作パネルの一方の側部(前面側から見た左側部)を回動可能に軸支し、扉状に開閉自在とする金属製の前面枠ヒンジ部132,132,132が設けられている。この前面枠ヒンジ部132,132,132のうち、発射操作パネルを軸支する部分を構成する下部ヒンジ部本体134は、一部が前面枠本体130の裏面に露出するとともに、本体枠110のヒンジ部111,111に軸支されるヒンジ受部131と電気的に接続するようになっている。また、前面枠本体130及びクリア部材保持枠はそれぞれ周知のパチンコ遊技機等の弾球遊技機と同様に鍵穴159にキーを差して回転させることで閉じた状態にロック可能となっている。
また、本体枠110の前面であって、前面枠120の下方に位置する部分には、各種情報の表示や入力を行う操作ユニット112が設けられている。この操作ユニット112は、表示装置としてのLCDパネル113を有するもので、基本的な機能として、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球の払い出しがなくても、いつでも、持球数を確認できるようにすると共に、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、操作ユニット112は複数の入力ボタン114,114,…を備え、表示の切替や、その他の表示内容に対応した入力操作が可能となっている。
また、前面枠本体130における遊技盤1を取り付ける開口部133の下側には、各種装置を取り付ける金属製の取付盤135が設けられている。この金属製の取付盤135は、発射操作パネルを軸支する部分を構成する金属製の下部ヒンジ部本体134と電気的に接続するようになっている。この取付盤135の前面側には、発射装置60が設けられている。発射装置60は、発射位置へ遊技球を供給する前方供給流路61と、遊技球を打撃して発射させる発射杵63と、発射される遊技球を誘導する発射レール62等を備え、該発射レール62が遊技領域1aの真下に位置するように配されている。そして、発射杵63を発射モータ(ステッピングモータ)により回転駆動することにより、発射レール62上の遊技球を打撃して遊技領域1aへ発射するようになっている。また、この他に取付盤135の前面側には、音声を出力するスピーカ136や持球数などを表示する表示器137、遊技者が操作可能な操作ボタン138,138などが設けられている。
また、図2に示すように、前面枠本体130下部の取付盤135の裏面側には、発射装置60の制御を行う発射制御装置(図示略)、発射装置60により遊技領域1aに発射された遊技球を回収して再び発射装置60に供給する封入球循環装置200が取り付けられている。この封入球循環装置200の詳細な構成については後述する。また、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、封入球循環装置200、外部とのデータの通信装置等を制御する第1枠制御装置80が設けられている。さらに、図3に示すように、第1枠制御装置80、封入球循環装置200の裏面側には、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源供給装置70や、持球数(遊技球数)の演算、操作ユニットからの入力信号の処理等を行う第2枠制御装置90が取り付けられている。
図1に示すように、開口部133に嵌め込まれた遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、遊技領域区画壁2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であって遊技領域区画壁2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、この遊技領域区画壁2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置60から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器、普図の変動表示ゲームを表示する普図表示器が設けられている。また、遊技領域1a内には、第1始動入賞口13(入賞装置)と、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置7(入賞装置)と、補助遊技としての特図変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特図記憶表示器、特図変動表示ゲームを表示する特図表示器9が設けられている。なお、普図記憶表示器、普図表示器、特図記憶表示器、特図表示器9は、遊技状態を表す遊技状態表示LEDと併せて、セグメントLED8として一体に設けられている。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートセンサが設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、セグメントLED8に設けられた普図記憶表示器にて表示されるようになっている。
普図(普通図柄)変動表示ゲームは、セグメントLED8に設けられた普図表示器で実行されるようになっている。なお、変動表示装置23の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、第1始動入賞口13の下部に配設され、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイドによって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13は、特図変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、セグメントLED8に設けられた特図記憶表示器にて表示されるようになっている。
補助遊技としての特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、セグメントLED8に設けられた特図表示器9で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置23にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器9の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して変動表示装置23の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に特図表示器9を備えずに、変動表示装置23のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる表示用窓部21を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された表示用窓部21の後方には、変動表示装置23が配されるようになっている。この変動表示装置23は、液晶表示パネルを備え、表示内容が変化可能な画像表示面24がセンターケース20の表示用窓部21を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、変動表示装置23は、液晶表示パネルを備えるものに限らず、EL等のディスプレイを備えるものであっても良い。
変動入賞装置としての特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイドにより駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントセンサが配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口センサが配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が持球数に加算されるようになっている。
また、図2に示すように、遊技盤1の裏面側には、遊技内容に係わる制御を統括的に行う遊技制御装置30及びその制御下で遊技の演出に係わる制御を行う演出制御装置50が設けられている。なお、その他複数の機種で共通使用可能な制御装置は前面枠本体130に取り付けられており、遊技盤1を交換することにより、機種に依存する装置(基板)のみが交換され、封入球式遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
そして、図2,3に示すように、封入球式遊技機100の裏面側に設けられた各種制御装置によって、遊技の制御がなされるようになっている。遊技盤1の裏面に設けられた遊技制御装置30は、CPU、RAM、ROM等を有するアミューズチップを備え、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値などを生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、この乱数値に基づいて遊技制御装置30は、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
また、遊技制御装置30には、入出力インターフェースを介して、普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13の内部に設けられた始動口センサ、特別変動入賞装置10に設けられたカウントセンサ、一般入賞口12,12,…に設けられた入賞口センサ、普図始動ゲート4に設けられたゲートセンサが接続され、これらセンサからの遊技球の検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口センサ、始動口センサ、カウントセンサ等の各種入賞口、入賞装置に設けられたセンサからの入力に基づき賞球を発生する。ここで、封入球式遊技機100においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が遊技制御装置30から第1枠制御装置80を介して第2枠制御装置90に出力されるようになっており、第2枠制御装置90においては、賞球に関する情報に基づいて、持球数に賞球数を加算する演算処理が行われるようになっている。
また、遊技制御装置30においては、各センサから入力される信号に基づいて、特図及び普図の変動表示ゲームの進行の制御が行われる。また、遊技制御装置30は、入出力インターフェースを介してソレノイドなどの駆動源を制御し、特図や普図の変動表示ゲームの結果に基づいて、特別変動入賞装置10や普通変動入賞装置7の開閉を行う。また、遊技制御装置30は、入出力インターフェースを介して第1枠制御装置80及び演出制御装置50などに遊技に関する各種データを遊技機情報として送信している。
演出制御装置50は、CPU、ROM、RAM等を備えるとともに、ビデオ制御用の各種ICを備え、パチンコ遊技機において周知のものであり、遊技制御装置30における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置23における特図の変動表示ゲームの表示制御や、それに伴う遊技盤1等に設けられたランプ、LED等の発光による演出制御等を行う。
第1枠制御装置80は、CPU、RAM、ROM等と、音データを記憶したROMや、音信号を生成する音LSI、音信号を増幅してスピーカに出力するアンプ、入出力インターフェース等により構成されている。この第1枠制御装置80においては、封入球循環装置200の制御や、クリア部材保持枠に設けられたランプ・LED等の電気的発光源の点灯・消灯・発光色の変更等の制御、演出用の音楽、効果音等の制御などを行う。
また、第1枠制御装置80は、I/Oを介して、封入球循環装置200に設けられた各センサ(例えば、供給球検出センサ、待機球検出センサ215d、回収球センサ214d)からの信号が入力されるようになっている。そして、第1枠制御装置80は、これら各センサからの入力信号や、遊技制御装置30から入力された賞球に関する情報、貸球操作に関する情報などを含む持球制御情報を第2枠制御装置90に中継する。また、第1枠制御装置80は、第2枠制御装置90で管理される発射可能球数が1以上の場合に発射球の発射を許可し、発射可能球数が0の場合に発射を禁止する制御信号を発射制御装置に出力する。
第2枠制御装置90は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を備え、第1枠制御装置80を介して入力される持球制御情報に基づき、持球数を算出する演算処理を行うようになっている。これにより、第2枠制御装置90においては、入球数、出球数(賞球数)、差球数、持球数を算出することが可能となる。また、操作ユニット112からの入力信号を処理すると共に、操作ユニット112のLCDパネル113への画像表示を制御する。なお、LCDパネル113には、持球数、金額情報、変動表示ゲームの実行回数、非確変大当り回数、確変大当り回数等のデータが表示される。また、操作ボタン138,138からの入力信号の処理や、表示器137の表示の制御を行う。
発射制御装置は、CPU、発射モータのドライバ回路、入出力インターフェースを備えており、入出力インターフェースには、発射操作部、球送り装置が接続され、ドライバ回路には発射モータが接続されている。そして、発射制御装置は、枠制御装置80からの発射許可の制御信号を受信した状態で、発射操作部の操作に基づく信号レベルにより、発射装置60における遊技球の発射勢を制御する。また、発射操作部に設けられたタッチセンサにおいて遊技者の手が検出された場合に、発射モータを制御して所定の時間間隔毎に遊技球を順次発射する制御を行う。さらに、発射装置60による遊技球の発射のタイミングに合わせて、球送り装置の球送りレバー64を作動させて、前方供給流路61から発射レール62に一つずつ遊技球を供給する制御を行う。また、前方供給流路61には、該前方供給流路61を流下する遊技球を検出する供給球検出センサが設けられている。なお、供給球検出センサに検出された遊技球は、検出直後に発射装置60に供給されて発射されるので、供給球検出センサは、発射装置60の手前側であるが、遊技球の発射を検出する発射球センサも兼ねるものとなっている。
封入球循環装置200は、所定数の遊技球が封入されており、発射装置60によって遊技領域1aに発射された遊技球を回収、循環し、再び発射装置60に供給するものである。この封入球循環装置200は、図2に示すように、封入球式遊技機100の裏面側となる前面枠本体130の裏面側に取り付けられている。図4から7に示すように、この封入球循環装置200は、遊技球の流路を構成する流路構成部材をなす流路ユニット210と、遊技球を揚送する揚送部材を有する揚送装置220と、該揚送装置220により揚送される遊技球を磨く球磨き部材261を備える球磨き装置250とを備える。そして、流路ユニット210が前面枠本体130の開口部133の下側に形成された取付盤135の裏面に配されるようになっており、その裏面に揚送装置220が配され、さらに揚送装置220の裏面に球磨き装置250が配されている。また、揚送装置220の揚送部材230や流路ユニット210内の流路を流下する遊技球の静電気を除去する静電気除去手段270を備える。
図4から12に示すように、流路ユニット210は、前側を形成する前壁部材211と、後側を形成する後壁部材212とから概略箱状に形成されており、上端部に各種の入賞口(特別変動入賞装置10、一般入賞口12、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13)に入賞することなく流下したアウト球および各種の入賞口に入賞し、セーフ球排出経路を流下したセーフ球としての遊技球を回収する回収部213が形成されている。また、図11に示すように、この回収部213に連通するように、封入球循環装置200の内部には回収された遊技球が流下する回収流路214が形成されている。この回収流路214の下流側端部は、流路ユニット210の裏面側に配される後述する揚送装置220に形成された揚送路221の流入口222aに連通している。また、図10に示すように、流路ユニット210には、揚送装置220に形成された揚送路221の流出口224aに連通するように、発射装置60へ遊技球を供給する供給流路215が形成されている。すなわち、流路ユニット210の回収流路214及び供給流路215と、揚送装置220の揚送路221とにより、発射装置60によって遊技領域1aに発射された遊技球を回収、循環し、再び発射装置60に供給する循環経路が形成される。
図10から12に示すように、循環経路の一部をなす回収流路214、供給流路215は、流路ユニット210の前壁部材211、後壁部材212と、前壁部材211の後面もしくは後壁部材212の前面に垂直に形成された板状の流路形成壁216によって形成された筒状の流路で、遊技球の直径よりも若干大きい内径を有し、遊技球が一列に延在方向に沿って重なり流下するようになっている。
図11,12に示すように、回収流路214は、上流側端部をなす流入口214aが封入球循環装置200の上端部に開口する回収部213に連通し、ここから下方へ左右に蛇行して上下に折り重なるように形成されており、下流側端部をなす流出口214bは流路ユニット210の下面に開口し、揚送路221に接続するようになっている。また、回収流路214の途中にはセンサ取付部214cが形成され、ここに流下する遊技球を検出可能な回収球センサ214dが取り付けられている。この回収球センサ214dからの遊技球の検出信号に基づき、回収した遊技球の数を計数できるようになっている。
図10に示すように、供給流路215は、流路ユニット210の裏面に揚送装置220の揚送路221と接続する流入口215aを備え、ここから中央方向へ向かって下るように形成され、流路ユニット210の前面に流出口215bを備える。この流出口215bには、前面枠本体130に配された発射装置60に設けられた前方供給流路61が接続するようになっている。また、供給流路215の途中にはセンサ取付部215cが形成され、ここに流下する遊技球を検出可能な待機球検出センサ215dが取り付けられている。この待機球検出センサ215dからの検出信号により、供給流路215内に待機する遊技球の不足を検出するようになっている。なお、供給流路215および前方供給流路61には、封入球式遊技機100の遊技中(遊技球を順次発射し、遊技領域に数個以上の遊技球が流下している状態)及び非遊技中(遊技球を発射していない状態)に係わらず遊技球が待機した状態とされ、遊技球の発射毎に待機していた遊技球が順次遊技球の直径となる距離だけ下方に移動するようになっている。
また、循環経路の長さは、封入球式遊技機100内で循環する遊技球の全てを貯留可能な長さとされており、遊技球の発射を止めた状態で、循環経路内に循環使用される遊技球をすべて収容した状態となる。また、循環使用される遊技球の個数は、遊技球を順次発射した際に、遊技球の回収が間に合わずに、遊技の発射ができない状態となることがない個数(例えば、35個)とされている。
また、前壁部材211の下部には、揚送装置220の下部を保持する保持部217が形成されている。この保持部217における揚送装置220と対向する裏面側には、揚送装置220の前部に形成された係合部233aが係合可能な被係合部217aが形成されている。また、裏面側から見て被係合部217aの左側部には、揚送装置220に形成されたファール球受入部225を挿通可能な切欠部217bが形成されている。
また、前壁部材211の裏面には、ねじ止め部を有する被接合部281が形成され、この被接合部281に対応して後壁部材212には、前後に貫通するねじ孔を有する接合部282が形成されており、ねじによって前壁部材211と後壁部材212を接合できるようになっている。また、後壁部材212の裏面には、揚送装置220を取り付けるための被固定部219が形成されている。被固定部219はねじ止め部を有し、揚送装置220に形成された固定部239に対応する位置に形成されており、ねじによって揚送装置220を固定できるようになっている。
また、後壁部材212の裏面には、静電気除去手段270を取り付けるための被固定部280が形成されている。被固定部280はねじ止め部を有し、静電気除去手段270の導電性プレート271に形成された固定部271hに対応する位置に形成されており、ねじによって静電気除去手段270を固定できるようになっている。また、後壁部材212には、流路ユニット210を前面枠本体130の取付盤135に固定するためのユニット固定部283が形成され、前壁部材211には、ユニット固定部283と対応する位置に貫通孔284が形成されている。ユニット固定部283は、前後に貫通するねじ孔を備えており、このねじ孔に挿通したねじを、貫通孔284を通して取付盤135に形成されたねじ止め部(図示略)に螺合することで、流路ユニット210を取付盤135に固定できるようになっている。
図14、15に示すように、揚送装置220は、揚送路221と、遊技球を上方へ揚送するための揚送部材230、該揚送部材230を駆動する駆動源としてのモータ233を備え、回収流路214を流下した遊技球を供給流路215に揚送するものである。また、揚送装置220は、裏面側に配された球磨き装置250とともに、揚送する遊技球を磨くようになっている。
揚送路221は、回収流路214と接続する下部誘導部222と、揚送部材230が配された揚送部223と、供給流路と接続する上部誘導部224とを備える。下部誘導部222は、流路ユニット210の下方に開口した回収流路214の流出口214bに接続するように上方に開口した流入口222aを有している。そして、この流入口222aから流入した遊技球を、流路ユニット210の裏面へ誘導するように流路ユニット210の裏面側へ(後方へ)下るとともに、裏面側から見て右側へ下るように形成されている。この下部誘導部222により、流入口222aから流入した遊技球が揚送部223の下端へ誘導される。
また、下部誘導部222には、回収されたファール球としての遊技球を受け入れ、下部誘導部222に誘導するように傾斜したファール球受入部225が接続している。このファール球受入部225は、揚送装置220の前方へ延出するように形成され、流路ユニット210の保持部217に形成された切欠部217bを通って、前端部が流路ユニット210の前面側に位置するようになっている。発射装置60には、遊技領域1aへ向けて発射したにもかかわらず発射装置60へ戻ってきたファール球としての遊技球を回収するファール球回収部が形成され、ここで回収されたファール球は、ファール球流路を通って前面枠本体130の裏面側へ誘導されるようになっている。そして、このファール球流路の下流側端部とファール球受入部225の前端は、対向して連通するようになっており、ファール球として回収された遊技球が下部誘導部222に誘導されるようになっている。なお、ファール球流路には、流下する遊技球を検出可能なファール球センサが設けられており、このファール球センサからの遊技球の検出信号に基づき、ファール球として回収した遊技球の数を計数できるようになっている。
また、上部誘導部224は、揚送部223の上端に接続し、上方へ揚送された遊技球を裏面側から見て右側へ誘導するように下る流路とされている。この上部誘導部224の下流側端部は、流路ユニット210の裏面に開口した供給流路215の流入口215aに接続するようになっている。
揚送部223は裏面側から見て右斜め上方に向かって延在するように形成されており、左下部に下部誘導部222の下流側端部が接続し、右上部に上部誘導部224の上流側端部が接続している。この揚送部223が形成される揚送部形成部226は前後に貫通する空間で、前側部分が揚送部223内の遊技球を揚送する揚送部材230が配される揚送部材配設部227とされ、後側部分が、遊技球が通過する揚送部223となっている。
揚送部材配設部227に配設される揚送部材230は、円柱状の揚送部材本体231の周面にらせん状に溝232が形成されたスクリュー状の部材(スパイラル歯車状の部材)である。この揚送部材230は、円柱状の揚送部材本体231の中心軸が揚送部材配設部227の延在方向に沿うように配され、ちょうど揚送部223の前側部分に収容されるようになっている。また、らせん状に溝232が形成された周面における中心軸に沿った方向の長さは、揚送部223と等しい長さとなっている。すなわち、揚送部223の前側の側面全体にわたって揚送部材230が配されるようになっている。
また、揚送部材230の上端面からは、円柱状の揚送部材本体231の中心軸に沿った回転軸(図示略)が突出している。この回転軸の上端部にはギアが取り付けられており、揚送部形成部226の上方に形成された上部ギアボックス228内に配されるようになっている。また、回転軸の上端は、上部ギアボックスに形成された軸受部228aに回動可能に軸支されるようになっている。この回転軸に取り付けられたギアは、上部ギアボックス228内に配される伝達手段240の上部伝達軸に取り付けられたギアと噛み合うようになっており、後述する巻取り手段260を駆動できるようになっている。
揚送部材230の下端部は、揚送部形成部226の下側に形成された駆動源取付部229に取り付けられた駆動源としてのモータ233の駆動軸と接続されており、モータ233を駆動することで揚送部材230を回転駆動できるようになっている。なお、モータ233は、駆動軸が揚送部材230の回転軸と同一軸上に位置するような向きで取り付けられている。また、モータ233の前面には、流路ユニット210の前壁部材211に形成された保持部217の被係合部217aに係合可能な係合部233aが形成されている。
揚送部材230の周面に形成されたらせん状の溝232は、右ねじと同じ向きに形成されており、下側から見て反時計回り方向に回転することで、揚送部223の前側の側面において溝232が上方へ移動するようになる。これによって、溝232に嵌った遊技球が上方へ揚送される。なお、揚送部材230に形成されたらせん状の溝232における断面の曲率は、遊技球の曲率と略等しくされて確実に遊技球を保持できるようになっており、後述するように球磨き部材261が遊技球に押し付けられた状態でも遊技球を移送できるようになっている。また、ピッチは遊技球の直径よりも広くされており、遊技球を所定の間隔をおいて揚送できるようになっている。
また、揚送部材230は導電性を有する材質からなり、揚送部形成部226の前側の貫通部から揚送装置220の前側に露出している。この前側に露出した部分には、揚送装置220の前側に配される導電性プレート271に設けられ、揚送部材230の静電気を除去する揚送部材静電気除去部材272が接触するようになっている。
また、揚送部形成部226における揚送部223を形成する後方部分のうち、揚送部223の下端部となる部分には、裏面側から見て左側の側面に下部誘導部222が接続している。そして、この接続部分と対向する右側の側面には、下部誘導部222を通って揚送部223に流入した遊技球を斜め上方へ誘導するように湾曲した下部湾曲部が形成されている。さらに、この下部誘導部222と揚送部223との接続部分における、揚送部形成部226の後方の開口を閉鎖するように下部誘導板234が取り付けられている。この下部誘導板234の前面における揚送部223に臨む部分と、揚送部材230の周面に形成された遊技球が載るらせん状の溝232までの間隔は、遊技球の直径よりやや広い程度とされている。これにより、揚送部223に導入された遊技球が確実に溝232に嵌るようになっている。
同様に、揚送部形成部226における揚送部223を形成する後方部分のうち、揚送部223の上端部となる部分には、裏面側から見て右側の側面に上部誘導部224が接続している。そして、この接続部分と対向する左側の側面には、揚送部223により斜め上方へ誘導された遊技球を右側方へ誘導するように湾曲した上部湾曲部が形成されている。さらに、この上部誘導部224と揚送部223との接続部分における、揚送部形成部226の後方の開口を閉鎖するように上部誘導板235が取り付けられている。
そして、揚送部形成部226における揚送部223を形成する後方部分のうち、下部誘導板234と上部誘導板235の間の中央部分は、揚送部223が後方に開口する後方開口237とされ、この後方開口237から揚送部223内の遊技球が露出するようになっている。この後方開口237には、該後方開口237を閉鎖するように、揚送装置220の後方に配される球磨き装置250に設けられた押圧部材252が配されるようになっている。これにより後方開口237から露出する遊技球に、押圧部材252の前面に配された球磨き部材261が当接し、揚送される遊技球が磨かれることとなる。
また、揚送部223に隣接する位置には、モータ233の動力を、球磨き装置250に設けられた使用済みの球磨き部材261を巻き取るための巻取り手段260に伝達する伝達手段240が設けられている。この伝達手段240は、揚送部223に沿って配される伝達軸を備え、該伝達軸は、略中央に設けられた切換手段241を境に、上部伝達軸と下部伝達軸に別れている。なお、上部伝達軸は上部配設部242内に配設され、下部伝達軸は下部配設部243内に配設されている。
上部伝達軸は、上端部が上部ギアボックス228に形成された軸受部228bに回動可能に軸支されるとともに、下端部の近傍が切換手段241内で回動可能に軸支されている。また、上部伝達軸は、その上端部にギアが取り付けられており、この上端部が上部ギアボックス228内に配され、同じく上部ギアボックス228内に配される揚送部材230の回転軸に取り付けられたギアと噛み合うようになっている。これにより、モータ233が揚送部材230を回転駆動するのに伴い、上部伝達軸も回転するようになっている。また、上部伝達軸の下端部には、切換手段241の一部をなす上部切換部材241aが取り付けられている。
また、下部伝達軸は、下端部が揚送部形成部226の裏面側から見た左側に形成された下部ギアボックス244に形成された軸受部244aに回動可能に軸支されるとともに、上端部の近傍が切換手段241内で回動可能に軸支されている。この下部伝達軸は下端部にギアが取り付けられており、この下端部が下部ギアボックス244内に配され、下部ギアボックス244内に配されたギアと噛み合うようになっている。そして、この下部ギアボックス244の裏面側からは、下部伝達軸の回転に伴い回転するギア244bの一部が外部に露出している。また、このギア244bの一部が露出した下部ギアボックス244の裏面には、後述する球磨き装置250のギア収納部255が配されるようになっており、揚送装置220の裏面に球磨き装置250を取り付けることでギア収納部255に配されたギア263と噛み合うようになっている。また、下部伝達軸の上端部には、切換手段241の一部をなす下部切換部材241bが取り付けられている。
切換手段241は、上部伝達部材の上部切換部材241aと、下部伝達部材の下部切換部材241bとが対向して配されるとともに、上部伝達軸の自重により上部切換部材241aが下部切換部材241bに押し付けられるようになっている。この切換手段241は、上部切換部材241aが正方向に回転した場合には、下部切換部材241bが上部切換部材241aと連動して回転しないような構成とされているとともに、上部切換部材241aが正方向とは逆の逆方向に回転した場合には、下部切換部材241bが上部切換部材241aと連動して同じ方向に回転するような構成とされている。ここで、上部切換部材241aの正方向の回転とは、揚送部223において遊技球を上方へ揚送するように揚送部材230が回転した場合に上部切換部材241aが回転する方向である。
このような伝達手段240により、モータ233が遊技球を上方へ揚送するように揚送部材230を回転させた場合は、下部ギアボックス244に動力が伝達されず、巻取り手段260には動力が伝達されないようにすることができる。また、モータ233を逆方向に回転させることで、伝達手段240を介して下部ギアボックス244に動力が伝達され、巻取り手段260を動作することができる。すなわち、モータ233の回転方向を変えることにより、モータ233の動力を遊技球の揚送と球磨き部材261の交換の両方に利用できるようになっていて、駆動源の数を削減できるようにされている。
また、揚送装置220には、ねじ孔を有する固定部239が形成され、固定部239を流路ユニットに形成された被固定部219に固定することで流路ユニット210の後方に揚送装置220が固定されるようになっている。また、揚送装置220の裏面には、球磨き装置250を取り付けるための支持部238と被固定部245が形成されている。被固定部245はねじ止め部を有し、球磨き装置250に形成された固定部257に対応する位置に形成されており、ねじによって球磨き装置250を固定できるようになっている。また、支持部238は、揚送部223の裏面側から見て右側に形成されており、揚送部223の延在方向に沿って上方へ延出するように形成された所定の長さを有する支持軸238a,238aを備える。
揚送装置220の後方に配される球磨き装置250は、図16、17に示すように、各種部材を取り付ける本体部251と、遊技球を磨く球磨き部材261と、使用済みの球磨き部材261を交換、回収する巻取り手段260と、後方開口237から露出する遊技球に球磨き部材261を押し付ける押圧部材252とを備える。この球磨き装置250は、本体部251の一側部に軸受部253,253が形成され、軸受部253,253が揚送装置220の背面に形成された支持部238の支持軸238a,238aに回動可能に軸支されている。また、本体部251にはねじ孔を有する固定部257が形成され、固定部257を被固定部245に固定することで揚送装置220の後方に固定されるようになっている。
本体部251における揚送装置220と対向する前面の中央部には、押圧部材配設部254が形成され、押圧部材252が配設されている。この押圧部材252は、後方開口237をちょうど覆うことのできる大きさの矩形状をした押圧部252aと、該押圧部252aの側部に形成され、押圧部材配設部254に取り付けるための取付部252b,252b,…が形成されている。押圧部252aは、球磨き装置250を揚送装置220の裏面に取り付けた際に、ちょうど揚送部223の後方開口237に臨むようになっている。すなわち、押圧部252aは、その前面が揚送部223の後側の壁面をなす。また、押圧部252aの前面には、帯状の球磨き部材261が配設されている。
取付部252b,252b,…は、押圧部252aの両側部に二つずつ、それぞれ押圧部252aの側方へ延出するように形成されている。各取付部252bにおける延出方向の端部には、押圧部252aにおける後方開口237と対向する面に対して垂直に後方へ延出するガイド軸252cが形成されている。また、本体部251に形成された押圧部材配設部254には、ガイド軸252cの位置に対応して該ガイド軸252cを挿通可能な前後に貫通する挿通孔254aが形成されている。そして、押圧部材252は、ガイド軸252cを押圧部材配設部254に形成された挿通孔254aに前側から挿通し、押圧部材配設部254の後方に貫通したガイド軸252cの後端部に、挿通孔254aの径よりも大きい径を有する抜け止め部材(図示略)を取り付けることで、押圧部材配設部254に対して前後動可能に取り付けられるようになっている。
さらに、各ガイド軸252cには付勢部材としての圧縮コイルばね(図示略)が挿通され、この圧縮コイルばねが押圧部材配設部254と取付部252bの間に配されるようになっている。そして、この圧縮コイルばねは、一端が取付部252bの後面に当接するとともに他端が押圧部材配設部254の前面に当接し、押圧部材252を押圧部材配設部254に対して前方へ(押圧部材配設部254と押圧部252aを離す方向へ)付勢する。これにより、揚送部223内の遊技球が、前側に配された揚送部材230に押し付けられ、揚送部材230による上方への揚送が可能となる。また、押圧部252aの前面に配設された球磨き部材261が、揚送部223内の遊技球に押し付けられ、揚送される遊技球が磨かれる。なお、圧縮コイルばねの付勢力は、遊技球や揚送部材230に過度の押圧力がかからない程度の付勢力とされている。また、押圧部252aが前後の移動範囲における前端の位置にある状態においては、揚送部223の前後幅、すなわち、揚送部材230の周面に形成された遊技球が載るらせん状の溝232から球磨き部材261までの間隔が、遊技球の直径より狭くなるようにされている。これにより、揚送部223に導入された遊技球が確実に球磨き部材261に当接するようになっている。
球磨き部材261は、押圧部252aの横幅と略同じ幅を有する帯状に形成されたもの(例えば、紙、布)であって、押圧部252aの前面に配設されることで揚送部223の後方開口237から露出する遊技球に押し付けられ、揚送される遊技球の汚れをふき取るようになっている。また、所定期間使用して汚れた球磨き部材261を交換するために、本体部251における押圧部材配設部254の後方には、未使用の球磨き部材261を収納するとともに使用済みの球磨き部材261を収納する収納部256が設けられている。
この収納部256は、上側部分に未使用の球磨き部材261が収納され、下側部分には使用済みの球磨き部材261を巻き取る巻取り手段260が配されている。また、収納部256における押圧部材252が配された側の面(前面)であって、押圧部材配設部254の上側となる位置には未使用の球磨き部材261を収納部から導出する導出口256aが形成され、押圧部材配設部254の下側となる位置には使用済みの球磨き部材261を収納部256に導入する導入口256bが形成されている。そして、帯状の球磨き部材261は収納部256から導出口256aを通って導出され、押圧部252aの前面の上端から下端へ配され、導入口256bから収納部256に導入されるように配されている。
巻取り手段260は使用済みの球磨き部材261を巻き取るリール262と、リール262の回転方向を一方向に規制する規制手段(図示略)と、リール262の回転軸に接続されたギア263とを備える。リール262は中心に回転軸を備え、導入口256bから導入された使用済みの球磨き部材261を巻き取ることができるように、押圧部252aの後方の位置に配されるとともに回転軸が本体部251に回動可能に保持されている。また、リール262は、図示しない規制手段により球磨き部材261を巻き取る方向にのみ回転可能となるように規制されており、巻き取った使用済みの球磨き部材261が緩まないようにされている。また、リール262の回転軸の一側端にはギア263が取り付けられており、このギア263はギア収納部255に配設されるとともに、前方側に露出している。そして、球磨き装置250を揚送装置220に取り付けることで、球磨き装置250のギア収納部255に配設されたギア263と、揚送装置220の下部ギアボックス244に配設されたギア244bとが噛み合うようになっている。
このような巻取り手段260は、揚送部材230を回転するモータ233を駆動源として用い、伝達手段240を介して動力が伝達されるようになっている。上述したように、モータ233を揚送部223において遊技球を上方へ揚送するように揚送部材230を回転(上部切換部材を正方向に回転)した場合には、伝達手段240に設けられた切換手段241において動力の伝達が遮断され、下部ギアボックス244に動力が伝達されないようになっている。すなわち、遊技球を上方へ揚送する状態においては、巻取り手段260は動作しないようになっている。これに対して、モータ233を、揚送部223において遊技球を上方へ揚送するように揚送部材230を回転させる方向とは逆方向に回転(上部切換部材を逆方向に回転)させると、伝達手段240により下部ギアボックス244に動力が伝達される。これにより、下部ギアボックス244の裏面に露出したギア244bが回転し、これと噛み合う巻取り手段260のギア263が連動して回転し、巻取り手段260が動作するようになっている。
また、巻取り手段260は、揚送部223を通る球数に応じて球磨き部材261を巻き取って、未使用の球磨き部材261が揚送部223に臨むように更新するようになっている。この揚送部223を通る球数の計測は、例えば、回収球センサ214dや待機球検出センサ215d、供給球検出センサでの遊技球の検出数に基づいて行われるようになっており、所定数の遊技球が通過した場合に球磨き部材を更新するように制御されている。その他、所定時間ごとに更新するようにしても良いし、係員の操作に基づき更新するようにしても良い。
なお、球磨き装置250には、未使用の球磨き部材261が無くなったことを検出する検出センサ(図示略)が設けられており、該検出センサによる検出に基づき、所定の報知(例えば、LCDパネル113への表示や遊技機外部の管理装置(ホールコンピュータ)への情報の出力)が行われるようになっている。そして、未使用の球磨き部材261が無くなった場合は、収納部256に新たな未使用の球磨き部材261を補充するとともに、巻取り手段260のリール262を新しいものに交換することで補充することができる。上述したように球磨き装置250は、一側部に形成された軸受部253,253が支持部238に回動可能に軸支されているので、固定部257の被固定部245への固定を解除することで揚送装置220の後方に扉状に開くことができ、球磨き部材261の補充作業を容易に行うことができる。また、軸受部253,253を軸支する支持部238に形成された支持軸238a,238aは、揚送部223の延在方向に沿って上方へ延出するように形成された所定の長さを有するものであり、軸受部253,253を上方へスライドさせることで、容易に支持軸238a,238aからはずすことができる。よって、未使用の球磨き部材261が無くなった場合には、球磨き装置250自体を交換するようにしても良い。
また、図4,5,7,8、10から13に示すように、流路ユニット210と揚送装置220の間には静電気除去手段270が配されている。この静電気除去手段270は、図13に示すように、導電性プレート271と、揚送部材230の静電気を除去する揚送部材静電気除去部材272と、回収流路214に臨んで回収球の静電気を除去する回収球用静電気除去部材273と、供給流路215に臨んで供給球の静電気を除去する供給球用静電気除去部材274とを備える。
導電性プレート271は金属板からなり、後壁部材212の裏面と平行に配される平板部271aと、該平板部271aの周囲の所定個所に形成された折り曲げ部271b,271b,…、各静電気除去部材を取り付ける取付部271c,271d,271e、封入球循環装置200の外部に接続する接続部271fとを備える。また、平板部271aには前後に貫通するねじ孔を有する固定部271hが形成されており、後壁部材212の裏面に形成された被固定部280にねじによって静電気除去手段270を固定できるようになっている。また、平板部271aには前後に貫通するねじ操作用開口271iが形成されている。このねじ操作用開口271iは、後壁部材212の裏面に形成されたユニット固定部283の裏面側に位置する部分に形成されている。上述したように、ユニット固定部283は流路ユニット210を取付盤135に固定するためのねじを挿通する部分であり、このねじ操作用開口271iを形成したことで、静電気除去手段270を取り外さなくても流路ユニット210の取り外しが可能となっている。
図4,5に示すように、平板部271aは後壁部材212の裏面であって回収部213の下方に固定されるようになっており、流路ユニット210と揚送装置220の間に配されている。この平板部271aの周囲における所定個所には、流路ユニット210と対向する前面側に折り曲げられた折り曲げ部271b,271b,…が形成されている。この折り曲げ部271b,271b,…は、先端部が流路ユニット210の後壁部材212の裏面に当接することで、平板部271aを後壁部材212から所定間隔離して配設するためのものであり、これにより、後壁部材212の裏面に突出した突起部や前壁部材211と後壁部材212とを接合するためのねじの頭などにかかわらず平板部271aを後壁部材212と平行に配設できる。また、図13に示すように、平板部271aの周囲における所定個所には、静電気除去部材を取り付ける取付部として、流路ユニット210と対向する前面側へ折り曲げられた回収球用取付部271c、供給球用取付部271d、揚送装置220と対向する裏面側へ折り曲げられた揚送部材用取付部271eが形成されている。
流路ユニット210と対向する前面側に折り曲げられた回収球用取付部271c、供給球用取付部271dは、折り曲げ部271b,271b,…よりも前方へ延出するようになっている。また、それぞれの下端部から下方へ延出するように導電性の材質からなる(金属製の)ブラシ状の静電気除去部材が設けられている。このブラシ状の静電気除去部材は、導電性の材質からなる可撓性を有する線状の部材が、上下方向に沿って延在する状態で、回収球用取付部271c、供給球用取付部271dの延出方向に並ぶように複数配されることで構成され、垂直方向に沿った接触面を形成している。このような静電気除去部材のうち、回収球用取付部271cに取り付けられた静電気除去部材が回収球用静電気除去部材273であり、供給球用取付部271dに取り付けられた静電気除去部材が供給球用静電気除去部材274である。この静電気除去部材は、可撓性を有するとともにブラシ状に形成されていることから、後述するように流路に配されても遊技球の流下を妨げることがなく、かつ、確実に広い接触面積で遊技球と接触可能となっている。
図10から12に示すように、後壁部材212には、回収流路214の裏面側であって回収流路214の延在方向が略左右方向となっている位置に、前後に貫通する回収流路貫通孔214eが形成されている。この回収流路貫通孔214eは縦方向に延在するスリット状で、その上端部は回収流路214の上側の壁面より上側に位置し、下端部は回収流路214の上側の壁面より下側に位置するようになっている。すなわち、回収流路貫通孔214eは、上側の壁面の上側から下側へかけて形成されて、回収流路214の上側及び内側に位置するようになっている。また、上側の壁面を形成する流路形成壁216には、回収流路貫通孔214eと連通するように前後に延在するスリット状の開口214fが形成されている。さらに、流路形成壁216が形成された後壁部材212の前面には、回収流路貫通孔214eにおける回収流路214の上側の壁面より上方に位置する部分を囲むように周囲壁214gが形成されている。
また、供給流路215の裏面側であって供給流路215の延在方向が略左右方向となっている位置には、前後に貫通する供給流路貫通孔215eが形成されている。この供給流路貫通孔215eも回収流路貫通孔214eと同様に縦方向に延在するスリット状で、その上端部は供給流路215の上側の壁面より上側に位置し、下端部は供給流路215の上側の壁面より下側に位置するようになっている。すなわち、供給流路貫通孔215eは、上側の壁面の上側から下側へかけて形成されて、供給流路215の上側及び内側に位置するようになっている。また、上側の壁面を形成する流路形成壁216には、供給流路貫通孔215eと連通するように前後に延在するスリット状の開口215fが形成されている。さらに、流路形成壁216が形成された後壁部材212の前面には、供給流路貫通孔215eにおける供給流路215の上側の壁面より上方に位置する部分を囲むように周囲壁215gが形成されている。
そして、静電気除去手段270における回収球用取付部271cは回収流路貫通孔214eに対応する位置に形成され、供給球用取付部271dは供給流路貫通孔215eに対応する位置に形成されている。よって、平板部271aを所定位置に配設することで、回収球用取付部271cと回収球用静電気除去部材273が回収流路貫通孔214eに挿入され、供給球用取付部271dと供給球用静電気除去部材274が供給流路貫通孔215eに挿入されるようになっている。
回収流路貫通孔214eに挿入された回収球用取付部271cと回収球用静電気除去部材273は、回収球用取付部271cが回収流路214の上側に位置し、回収球用静電気除去部材273のみが開口214fから回収流路214内に臨むようになっている。なお、導電性プレート271の一部である回収球用取付部271cは、回収流路貫通孔214e及び周囲壁214gに案内されることで、回収流路214の上側の壁面に前後方向に沿って形成された開口214fの延在方向(前後方向)に沿って配される。これにより、ブラシ状の回収球用静電気除去部材273が開口214fに沿って配されることとなる。開口214fの延在方向は回収流路214における遊技球の流下方向と直交する方向であり、この開口214fに沿って配される回収球用静電気除去部材273は回収流路214を横切るように配されて、複数の線状の部材で構成される接触面が流下方向と直交するように配されるので、流下する遊技球と確実に接触することが可能となる。これにより、回収流路214を流下する遊技球に帯電していた静電気を除去できる。
また、回収球用静電気除去部材273が配される位置は、回収流路214の延在方向が略左右方向となっている位置であるので、垂直方向に延在する部分に比べて遊技球の流下速度が遅く、回収球用静電気除去部材273と遊技球との接触時間を長くでき、より効率よく静電気を除去できる。このように回収流路214に回収球用静電気除去部材273を備えることで、球磨き装置250が配された揚送装置220に遊技球が導入される前に静電気を除去でき、静電気により遊技球に付着していたごみなどを効率よく除去できるようになるので、より球磨きの効果を高めることができる。
なお、回収球用静電気除去部材273を回収球センサ214dよりも上流側に設け、遊技球が回収球センサ214dを通過する前に静電気を除去するようにすれば、上述の効果に加え、静電気による回収球センサ214dへの影響を防止することができる。また、ファール球を受け入れるファール球受入部225を揚送路221(下部誘導部222)に接続するようにしたが、このファール球受入部225を回収流路214における回収球用静電気除去部材273が設けられた位置よりも上流側に接続するようにし、ファール球の静電気も除去できるようにしても良い。
供給流路貫通孔215eに挿入された供給球用取付部271dと供給球用静電気除去部材274は、供給球用取付部271dが供給流路215の上側に位置し、供給球用静電気除去部材274のみが開口215fから供給流路215内に臨むようになっている。なお、導電性プレート271の一部である供給球用取付部271dは、供給流路貫通孔215e及び周囲壁215gに案内されることで、供給流路215の上側の壁面に前後方向に沿って形成された開口215fの延在方向(前後方向)に沿って配される。これにより、ブラシ状の供給球用静電気除去部材274が開口215fに沿って配されることとなる。開口215fの延在方向は供給流路215における遊技球の流下方向と直交する方向であり、この開口215fに沿って配される供給球用静電気除去部材274は供給流路215を横切るように配されて、複数の線状の部材で構成される接触面が流下方向と直交するように配されるので、流下する遊技球と確実に接触することが可能となる。これにより、供給流路215を流下する遊技球に帯電していた静電気を除去できる。
また、供給球用静電気除去部材274が配される位置は、供給流路215の延在方向が略左右方向となっている位置であるので、垂直方向に延在する部分に比べて遊技球の流下速度が遅く、供給球用静電気除去部材274と遊技球との接触時間を長くでき、より効率よく静電気を除去できる。このように供給流路215に供給球用静電気除去部材274を備えることで、球磨きにより遊技球に帯電した静電気を除去でき、遊技球へのごみなどの付着を防止できて、より球磨きの効果を高めることができる。なお、供給球用静電気除去部材274を待機球検出センサ215dよりも上流側に設け、遊技球が待機球検出センサ215dを通過する前に静電気を除去するようにすれば、上述の効果に加え、静電気による待機球検出センサ215dへの影響を防止することができる。
また、揚送装置220と対向する裏面側へ折り曲げられた揚送部材用取付部271eには、後方の端部から後方へ延出するように導電性の材質からなるブラシ状の揚送部材静電気除去部材272が設けられている。このブラシ状の揚送部材静電気除去部材272は、導電性の材質からなる可撓性を有する線状の部材が、揚送部材用取付部の延出方向(前後方向)に沿って延在する状態で、上下方向に並ぶように複数配されることで構成されており、垂直方向に沿った接触面を形成している。この揚送部材静電気除去部材272は、流路ユニット210の後方に配される揚送装置220における、揚送部形成部226の前側の貫通口から露出した揚送部材230の周面に、複数の線状の部材で構成される接触面が接触するようになっている。なお、この揚送部材静電気除去部材272も、可撓性を有するとともにブラシ状に形成されていることから、揚送部材230の回転を妨げることがなく、かつ、確実に広い接触面積で揚送部材230と接触可能となっている。この揚送部材静電気除去部材272より、導電性の材質からなる揚送部材230に帯電していた静電気を除去できるとともに、揚送部材230に接触する遊技球に帯電していた静電気も除去でき、より球磨きの効果を高めることができる。
以上のことから、静電気除去手段270は、揚送部材230に接触する揚送部材静電気除去部材272を備え、該揚送部材静電気除去部材272を導電性の材質からなるブラシで構成したこととなる。
また、遊技に供された遊技球を回収する回収流路214と発射装置60に遊技球を供給する供給流路215を有する流路構成部材(流路ユニット210)を備え、揚送装置220は、流路構成部材に隣設されて、回収流路214から導入した遊技球を揚送して供給流路215に導出するように構成され、静電気除去手段270は、流路構成部材と揚送装置220の間に、揚送部材静電気除去部材272を電気的に接続するように備えた導電性プレート271を備え、導電性プレート271に、回収流路214に臨んで回収球の静電気を除去する回収球用静電気除去部材273と、供給流路215に臨んで供給球の静電気を除去する供給球用静電気除去部材274と、を電気的に接続するように備えたこととなる。
また、平板部271aの裏面側から見た右側部には、封入球循環装置200の外部に接続する接続部271fが形成されている。この接続部271fは、流路ユニット210と対向する前面側に折り曲げられ、さらに、前端部が平板部271aと平行になるように外側へ折り曲げられている。このように形成された接続部271fは、流路ユニット210の裏面側から見た右側部に形成された凹状の窪みである接続部配設部218に配設されるようになっていて、前端部が前壁部材211の前端と略等しい前後位置に配されるようになっている。
また、接続部271fの前端面には、導電性の材質からなる接続部材271gが設けられており、この接続部材271gが、封入球循環装置200を取り付ける前面枠本体130の下部に形成された金属製の取付盤135と電気的に接続するようになっている。この接続部材271gは、略四角柱状の弾性部材としてのウレタンフォームの周囲を被覆部材としての導電性繊維で被覆したもので、一般的にガスケットとして使用されるものである。そして、接続部材271gは、被覆部材で被覆された一側面が、接続部271fの前端に導電性の両面テープによって貼り付けられることで取り付けられている。このように、接続部271fの前端に弾性を有する接続部材271gを取り付けたことで、静電気除去手段270と取付盤135とが確実に電気的に接続される。
そして、上述したように、前面枠本体130の取付盤135は前面枠本体130の下部ヒンジ部本体134と電気的に接続し、下部ヒンジ部本体134は本体枠110のヒンジ部111と電気的に接続している。さらに、本体枠110のヒンジ部111は本体枠110の外周を構成する金属製の部分に電気的に接続している。よって、本体枠110の外周を構成する金属製の部分を、島設備に設けられたアースに接続することで、封入球循環装置200の静電気を外部に逃がすことができる。なお、封入球式遊技機100が島設備などの外部のアースと接続されていなくても遊技球の静電気の帯電量を軽減することが可能である。
以上のように、静電気除去手段270は、導電性プレート271に複数の静電気除去部材を備えることで、循環経路内の遊技球に対して複数箇所で静電気を除去でき、極めて効率の高い帯電防止対策となる。また、一つの導電性プレート271に揚送部材静電気除去部材272と、回収球用静電気除去部材273と、供給球用静電気除去部材274と、を備えたので、外部のアースと接続する部分を接続部271fの一ヶ所に集約できる。また、導電性プレート271を一定の強度を有するものにすれば、封入球循環装置200全体の強度を高めることができる。また、揚送部223を含む球磨き部に対して循環経路内に配された遊技球を検出する各種センサ等をシールドすることも可能となる。
以上のことから、発射装置60から発射された遊技球を回収し、該回収した遊技球を再び該発射装置60に供給することで遊技球を循環使用する封入球式遊技機100において、回収した遊技球を発射装置60に供給するために上方に揚送する揚送部材230を有する揚送装置220と、揚送装置220により揚送される遊技球を磨く球磨き装置250と、揚送部材230に電気的に接触して当該揚送部材230の静電気を除去する静電気除去手段270と、を備えたこととなる。
以上のように構成される封入球循環装置200によって、遊技球を循環して使用可能となるとともに、循環される遊技球が発射装置60へ移送される途中で磨かれることとなる。遊技球は、発射装置60から遊技領域1aへ向かって発射された後、封入球循環装置200に回収され、左右に蛇行した回収流路214を流下する。このとき、流下する遊技球が回収球センサ214dに検出されることで、回収された遊技球の数が計数されるようになっている。また、流下する遊技球は回収流路214に臨む回収球用静電気除去部材273に接触し、静電気が除去されるようになっている。そして、回収流路214を流下した遊技球は、流路ユニット210の下端に形成された流出口214bから揚送装置220の揚送路221の下部誘導部222に流入する。
下部誘導部222に流入した遊技球は、傾斜に沿って流下して揚送部223の下端部に至り、ここで揚送部材230の溝232に嵌る。このとき、揚送部223の下端部に流入した遊技球は、下部誘導部222と対向するように形成された下部湾曲部によって上方向に誘導されるとともに、下部誘導板234により揚送部材230側へ誘導される。これにより、遊技球が確実に揚送部223へ導入され、揚送部材230の溝232に嵌るようになっている。そして、揚送部材230の回転に伴って溝232が上方へ移動することに伴い、遊技球は上方へ揚送される。
揚送部材230により下部誘導板234よりも上方へ揚送されると、揚送部223の後方開口237に臨む球磨き部材261が遊技球に当接するようになる。この球磨き部材261は、後方から押圧部材252によって押圧されて揚送部223を揚送される遊技球に押し付けられるようになっている。上述したように揚送部223においては、溝232から球磨き部材261までの間隔が遊技球の直径よりも狭くなるように付勢されており、揚送部223内の遊技球は、球磨き部材261に摺接して磨かれながら上方へ揚送される。また、揚送部材230は導電性の材質からなるとともに、揚送部材静電気除去部材272に接触しており、揚送部材230と遊技球の摩擦や、球磨き部材261と遊技球の摩擦などで発生し、揚送部材230や遊技球に帯電した静電気を除去できるようになっている。
このように揚送装置220によって磨かれて揚送部223の上端部に至った遊技球は、上部湾曲部、上部誘導板235に誘導されて上部誘導部224に流入する。そして、上部誘導部224の傾斜に沿って前方へ誘導されて揚送装置220の前端に形成された流出口224aから導出され、流路ユニット210の裏面に形成された流入口215aから供給流路215へ流入する。供給流路215を流下した遊技球は、流路ユニット210の前面に形成された流出口215bから発射装置60の前方供給流路61に誘導され、再び発射装置60に送られる。また、供給流路215を流下する遊技球は、供給流路215に臨む供給球用静電気除去部材274に接触し、静電気が除去されるようになっている。
なお、供給流路215と前方供給流路61には常に遊技球が待機した状態となるように、揚送部材230による遊技球の揚送速度は、発射装置60への遊技球の供給速度よりも若干速くされ、供給流路215で待機する遊技球が不足することがないようにされている。また、常に供給流路215、前方供給流路61に所定量の遊技球が待機した状態とするために、供給流路215の上流側部分には、その位置における遊技球の有無を検出する待機球検出センサ215dが設けられている。このような待機球検出センサ215dを設けることで、供給流路215に遊技球が十分に供給されて待機球検出センサ215dが設けられた位置まで遊技球で満たされ、待機球検出センサ215dで遊技球の存在を検出した場合は、モータ233の駆動を停止する処理がなされて回収流路214からの遊技球の揚送が停止される。また、供給流路215、前方供給流路61の遊技球が発射装置60に供給されて減少し、待機球検出センサ215dで遊技球の存在を検出しなくなった場合は、モータ233を駆動する処理がなされて遊技球が回収流路214から揚送されるようになっている。
なお、以上の実施形態の封入球式遊技機100においては、揚送部材230は、スパイラル歯車状の部材としたが、ベルトやスプロケット等を備えるものとしても良い。また、球磨き部材261は、遊技球の汚れを拭き取って磨くものであれば、布、紙に限られずなんでもよい。また、押圧部材252を付勢する付勢部材として圧縮コイルばねを用いたがこれに限られるものではなく、他の種類のばねやゴムなどの弾性を有するものであれば良い。また、静電気除去部材272,273,274は、金属製としたが、導電性を有する繊維などでも良い。また、静電気除去部材272,273,274の形状をブラシ状としたが、遊技球の流下や揚送部材230の動作を妨げず、かつ、確実に接触できるような形状であれば良く、紐状、鎖状、シート状など何でも良い。また、静電気除去手段270と取付盤135とを電気的に接続する接続部材271gとしては、例えば、金属製のばね、導電性のゴムやプラスチック、電子機器のEMI(電磁妨害)対策に用いられる導電性のガスケットを用いることができる。
以上のような封入球式遊技機100は、発射装置60から発射された遊技球を回収し、該回収した遊技球を再び該発射装置60に供給することで遊技球を循環使用する封入球式遊技機100であって、回収した遊技球を発射装置60に供給するために上方に揚送する揚送部材230を有する揚送装置220と、揚送装置220により揚送される遊技球を磨く球磨き装置250と、揚送部材230に電気的に接触して当該揚送部材230の静電気を除去する静電気除去手段270と、を備えている。
したがって、回収した遊技球を発射装置60に供給するために上方に揚送する揚送部材230を有する揚送装置220と、揚送装置220により揚送される遊技球を磨く球磨き装置250と、揚送部材230に電気的に接触して当該揚送部材230の静電気を除去する静電気除去手段270と、を備えたので、遊技球の拭き取りにより静電気が発生してもそれを除去することができるので、ごみ等の付着を防止することが可能となる。
また、静電気除去手段270は、揚送部材230に接触する揚送部材静電気除去部材272を備え、該揚送部材静電気除去部材272を導電性の材質からなるブラシで構成している。
したがって、静電気除去手段270は、揚送部材230に接触する揚送部材静電気除去部材272を備え、該揚送部材静電気除去部材272を導電性の材質からなるブラシで構成したので、動作する部材に対する接触効率を高めることができ、確実に静電気を除去できる。
また、遊技に供された遊技球を回収する回収流路214と発射装置60に遊技球を供給する供給流路215を有する流路構成部材(流路ユニット210)を備え、揚送装置220は、流路構成部材に隣設されて、回収流路214から導入した遊技球を揚送して供給流路215に導出するように構成され、静電気除去手段270は、流路構成部材と揚送装置220の間に、揚送部材静電気除去部材272を電気的に接続するように備えた導電性プレート271を備え、導電性プレート271に、回収流路214に臨んで回収球の静電気を除去する回収球用静電気除去部材273と、供給流路215に臨んで供給球の静電気を除去する供給球用静電気除去部材274と、を電気的に接続するように備えている。
したがって、遊技に供された遊技球を回収する回収流路214と発射装置60に遊技球を供給する供給流路215を有する流路構成部材を備え、揚送装置220は、流路構成部材に隣設されて、回収流路214から導入した遊技球を揚送して供給流路215に導出するように構成され、静電気除去手段270は、流路構成部材と揚送装置220の間に、揚送部材静電気除去部材272を電気的に接続するように備えた導電性プレート271を備え、導電性プレート271に、回収流路214に臨んで回収球の静電気を除去する回収球用静電気除去部材273と、供給流路215に臨んで供給球の静電気を除去する供給球用静電気除去部材274と、を電気的に接続するように備えたので、循環経路内の遊技球に対して複数箇所で静電気を除去でき、極めて効率の高い帯電防止対策となる。また、一つの導電性プレート271に揚送部材静電気除去部材272と、回収球用静電気除去部材273と、供給球用静電気除去部材274と、を備えたので、外部のアースと接続する部分を一ヶ所に集約できる。また、導電性プレート271を一定の強度を有するものにすれば、装置全体の強度を高めることができる。また、球磨き部に対して循環経路内に配された遊技球を検出する各種センサ等をシールドすることも可能となる。
なお、本発明の封入球式遊技機100は、封入球式遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての封入球式遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。