JP4914759B2 - 晶析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物質の晶析方法に関するものであり、例えば、有機化合物の蒸発晶析方法に関するものである。
従来、有機化合物の結晶を取り出すための蒸発晶析方法としては、有機溶媒に溶解又は分散させた化合物を水の中に滴下し、得られた懸濁液中の有機溶媒と水とを共沸蒸留することにより、懸濁液中の化合物を結晶として取り出す方法が知られている。
例えば、特許文献1には、有機化合物を有機溶媒に溶解又は分散させた液を、有機溶媒が沸騰する温度以上であり、かつ、有機化合物の融点以下である温度条件の水に供給し、さらにそれらを攪拌し、有機溶媒を蒸発(水との共沸蒸留)させて有機化合物を晶析する方法であり、特に、有機化合物の溶液又は懸濁液を、水面よりも下に供給する蒸発晶析方法が示されている。
また、特許文献2には、有機化合物を有機溶媒に溶解又は懸濁させた液を、有機溶媒が沸騰する温度以上あり、かつ、有機化合物の融点以下である温度条件の水に供給し、さらにそれらを攪拌し、有機溶媒を蒸発させて有機化合物を晶析する方法であり、特に、有機化合物の溶液又は懸濁液を、攪拌翼近傍の水中に、かつ、水の流れ方向に供給する蒸発晶析方法が示されている。
また、特許文献3には、有機化合物を有機溶媒に溶解又は懸濁させた液を、有機溶媒が沸騰する温度以上であり、かつ、有機化合物の融点以下である温度条件の水に供給し、さらにそれらを攪拌し、有機溶媒を蒸発させて有機化合物を晶析する方法であり、特に、単位体積当りの攪拌動力(kW/m)が一定になるように、攪拌槽内の液量の変動に応じて攪拌翼の回転数を制御する晶析方法が示されている。
ところで、パターン形状が優れたレジストを与える酸発生剤として、例えば、特許文献4には、一般式(2)で表される酸発生剤が開示されている。
Figure 0004914759
(式中、Q、Qは互いに独立にフッ素原子または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を表し、Xは−OHまたは−Y−OHを表し、Yは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキレン基を表し、nは1〜9の整数を表し、Aは有機対イオンを表す。)
そして、上記酸発生剤の中間体として、例えば、特許文献4には、一般式(1)で表される有機化合物が開示されている。具体的には、一般式(1)で表される有機化合物のフルオロスルホニルのカルボン酸メチルエステルを水酸化ナトリウムで加水分解して水溶液を得て、該水溶液のまま、カルボン酸のエステル化を行うことが開示されている。
Figure 0004914759
(式中、Q、Qは互いに独立にフッ素原子または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を表し、MはLi、Na、KまたはAgを表す。)
しかしながら、上述したように、有機化合物を水に溶解させた水溶液から有機化合物を結晶として取り出す方法については知られていなかった。
特開平11−290601号公報(平成11年10月26日公開) 特開2001−104703号公報(平成13年4月17日公開) 特開2004−209434号公報(平成16年7月29日公開) 特開2006−257078号公報(平成18年9月28日公開)
有機化合物を水に溶解させた水溶液の一例である一般式(1)で表される有機化合物について、結晶として取り出すことなく、一般式(1)で表される有機化合物の水溶液をそのままエステル化すると、容量が大きいため、容積効率が低く、工業的に好ましくないという問題があった。
そこで、本発明者らが一般式(1)で表される有機化合物を結晶として取り出して、容積効率の向上を検討したところ、特許文献1〜3に示される蒸発晶析方法,晶析方法では、攪拌槽の壁面に結晶が付着する現象(以下、「スケーリング」という)という問題点が明らかになった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、水に溶解している物質を、晶析することができ、しかも、その際にスケーリングを起こさずに晶析する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、晶析対象となる物質を水溶液としてから、水の蒸発温度と物質の析出温度とが重複する温度範囲内で水を蒸発させるプロセスにおいて、特に水を蒸発させるときに、少なくとも表面が親水性を有し、かつ、水中で形状を保持できる粒子を、上記水溶液と並存させることで、スケーリングを起こさずに、所望の粒径を有する物質を晶析できることを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の晶析方法は、晶析対象となる物質及び水を含む水溶液を調製する水溶液調製工程と、上記物質を溶解せず、水と混和せず、かつ水と共沸可能な有機溶媒、及び、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を混合する混合溶液調製工程と、上記混合溶液調製工程で得られた混合溶液から、水及び上記有機溶媒を共沸蒸留させて上記物質を晶析させる晶析工程とを含み、上記晶析工程では、少なくとも表面が親水性を有し、かつ、水に対して不溶性を有する粒子の存在下で、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させることを特徴としている。
上記発明によれば、晶析対象となる物質及び水を含む水溶液を調製する水溶液調製工程と、上記物質を溶解せず、水と混和せず、かつ水と共沸可能な有機溶媒、及び、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を混合する混合溶液調製工程を含むことにより、上記混合溶液調製工程を含まない場合と比較して、上記物質の水溶液の水滴をより小さくすることができる。また、上記混合溶液調製工程で得られた混合溶液から、水及び上記有機溶媒を共沸蒸留させて上記物質を晶析させる晶析工程を含むことにより、上記物質を結晶化することができる。また、上記晶析工程では、少なくとも表面が親水性を有し、かつ、水に対して不溶性を有する粒子の存在下で、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させることにより、上記粒子に水が吸着するため、上記物質をより細かい結晶にすることができる。また、上記物質の晶析を上記粒子の存在下で行うことにより、共沸蒸留槽中の粒子密度が高くなるので、上記物質の結晶が共沸蒸留槽の壁面に近づき難くなる。その結果、本発明の晶析方法は、上記物質が結晶化した後のスケーリングを防止することができる。これは、上記粒子表面が親水性であることから、上記物質が溶解した水溶液は上記粒子表面に吸着するので、槽の壁面等に付着しないためであると考えられる。
さらに、上記発明によれば、上記混合溶液調製工程を含むことにより、上記物質の水溶液を有機溶媒に混合させずに晶析する場合と比較して、上記物質の水溶液の水滴をより小さくすることができる。その結果、本発明の晶析方法は、上記晶析工程で、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させる際に、上記物質の単位体積あたりの表面積が大きくなることで、反応収率を向上させることができる。
また、本発明の晶析方法は、上記混合溶液調製工程では、上記有機溶媒に、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を供給し、該水溶液を該有機溶媒中に微小化させた懸濁液として混合溶液を調製することが好ましい。
これにより、上記水溶液を上記有機溶媒中に微小化させた懸濁液としているので、上記物質の水溶液の水滴をさらに小さくすることができる。
また、本発明の晶析方法は、上記混合溶液調製工程では、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を多孔膜に通過させて上記有機溶媒に供給することで、懸濁液として混合溶液を調製することが好ましい。さらに、本発明の晶析方法は、上記混合溶液調製工程では、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を上記多孔膜の内面に通過させ、該多孔膜の外面の上記有機溶媒に供給することが好ましい。
これにより、本発明の晶析方法は、多孔膜の孔を用いて上記物質の水溶液と有機溶媒とを懸濁することができる。
また、本発明の晶析方法は、上記多孔膜の孔の径は、0.05μm以上、10μm以下の範囲内であることが好ましい。
これにより、本発明の晶析方法は、上記物質の水溶液を微小化させることができる。その結果、本発明の晶析方法では、水が速やか留去される。さらに、本発明の晶析方法は、上記物質の結晶の粒径を確実に制御することができる。
また、本発明の晶析方法は、上記多孔膜の材質として、少なくともフッ素樹脂が用いられることが好ましい。
これにより、フッ素樹脂の耐熱性、耐薬品性により、上記多孔膜は、様々な物質の懸濁に用いることができる。その結果、本発明の晶析方法は、様々な物質の晶析に用いることが可能である。
また、本発明の晶析方法は、上記混合溶液調製工程では、上記水溶液調製工程で得られた水溶液の流量1容量部に対し、上記有機溶媒の流量が0.8〜20容量部で、該有機溶媒に該水溶液を供給することが好ましい。
これにより、上記物質の水溶液の流量1容量部に対して、上記有機溶媒の流量が0.8容量部以上であるので、水が速やか留去される。一方、上記物質の水溶液の流量1容量部に対して、上記有機溶媒の流量が20容量部以下であるので、晶析工程における容積効率に優れる傾向がある。
また、本発明の晶析方法は、上記晶析工程では、蒸留器において、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させることが好ましい。
これにより、本発明の晶析方法は、上記晶析工程で、上記混合溶液から水及び上記有機溶媒を共沸蒸留させる際に、共沸蒸留させ易くなる。
また、本発明の晶析方法は、上記蒸留器が、上記有機溶媒と上記粒子とを含む共沸蒸留槽であり、上記共沸蒸留槽内の上記混合溶液を、水との略共沸温度に調整し、該共沸蒸留槽において、上記混合溶液から水及び該有機溶媒を共沸蒸留させることが好ましい。
これにより、該共沸蒸留槽内の該有機溶媒を、水との略共沸温度に調整するので、水及び該有機溶媒を共沸蒸留させて、上記物質を結晶化することができる。
また、本発明の晶析方法は、上記蒸留器では、上記混合溶液を攪拌しながら、水及び上記有機溶媒を該混合溶液から共沸蒸留させ、上記蒸留器における攪拌が、回転翼により行われるとともに、該回転翼の回転数は、次に示す式(1)
Figure 0004914759
(式中、nは粒子の浮遊に必要な回転数を表し、Dは共沸蒸留槽の直径を表し、dpは粒子の直径を表し、ρcは溶液密度を表し、Δρは粒子真密度と溶液密度との差を表し、ηは有機溶媒の粘度を表し、Vp’は粒子のかさ容積を表し、Vpは粒子の真容積を表し、Kは共沸蒸留槽の形状、攪拌翼の形状、バッフルの有無により定まる定数を表す。)で規定される回転数以上であることが好ましい。
これにより、確実に、上記粒子に水を吸着させることが可能となるので、上記物質が結晶化した後のスケーリングを確実に防止する。その結果、本発明の晶析方法は、上記物質の結晶の粒径を確実に制御することができる。
また、本発明の晶析方法は、上記物質は、水に溶解する有機化合物であって、かつ、その融点が水の沸点、上記有機溶媒の沸点および共沸温度の最高温度以上であることが好ましい。
これにより、上記物質は、水の沸点、上記有機溶媒の沸点および共沸温度の最高温度以上であっても融解せず、結晶として存在し続けることになる。
また、本発明の晶析方法は、上記物質は、一般式(1)
Figure 0004914759
(式中、Q、Qは互いに独立にフッ素原子または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を表し、MはLi、Na、KまたはAgを表す。)で表される有機化合物であることが好ましい。
これにより、共沸蒸留槽においてスケーリングしやすい物質であるにもかかわらず、本発明の晶析方法によって得られる化合物を、結晶として容易に取り出すことができる
また、本発明の晶析方法は、上記有機溶媒が、炭素数5〜12の炭化水素、炭素数5〜12のハロゲン化炭化水素、炭素数4〜12のケトン溶媒、および、炭素数4〜12のエーテル溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒であることが好ましい。
これにより、上記有機溶媒は、上記物質を溶解せず、水と混和せず、かつ水と共沸するので、本発明の晶析方法は、上記物質の水溶液の水滴をより小さくすることができる。
また、本発明の晶析方法は、上記粒子が、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ゼオライト、ホウ砂、タルク、クレー、および、木粉からなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましい。
これにより、上記粒子は水と吸着し易いので、本発明の晶析方法は、上記物質が結晶化した後のスケーリングをより一層防止し、上記物質の結晶の粒径をより一層制御することができる。
本発明によれば、水に溶解している物質を結晶として取り出すことができ、しかも、それを、スケーリングを抑制しながら晶析することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態である図1,2に基づいて、以下に説明する。
(I)本発明で晶析される物質、並びに、本発明で用いられる材料等
本発明の晶析方法は、晶析対象となる物質及び水を含む水溶液を調製する水溶液調製工程と、上記物質を溶解せず、水と混和せず、かつ水と共沸可能な有機溶媒、及び、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を混合する混合溶液調製工程と、上記混合溶液調製工程で得られた混合溶液から、水及び上記有機溶媒を共沸蒸留させて上記物質を晶析させる晶析工程とを含み、上記晶析工程では、少なくとも表面が親水性を有し、かつ、水に対して不溶性を有する粒子の存在下で、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させる。また、本発明の晶析方法は、上記混合溶液調製工程では、上記有機溶媒に、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を供給し、該水溶液を該有機溶媒中に微小化させた懸濁液として混合溶液を調製することが好ましい。
また、本発明の晶析方法は、上記晶析工程では、蒸留器において、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させることが好ましい。また、本発明の晶析方法は、上記蒸留器が、上記有機溶媒と上記粒子とを含む共沸蒸留槽であり、上記共沸蒸留槽内の上記混合溶液を、水との略共沸温度に調整し、該共沸蒸留槽において、上記混合溶液から水及び該有機溶媒を共沸蒸留させることが好ましい。
ここで、微小化とは、晶析対象となる物質の水溶液の粒径が0.01μm以上、1000μm以下の水滴にすることを意味する。また、共沸蒸留とは、水及び有機溶媒を含む混合物の沸点が、水及び有機溶媒の沸点よりも低い場合、該混合物の沸点で水及び有機溶媒を蒸留することを意味する。晶析対象となる物質の水溶液(水滴)が有機溶媒と混合され、該水溶液から水が有機溶媒とともに蒸留され、晶析対象となる物質は、有機溶媒に溶解しないことから、結晶として取り出すことができる。
これにより、得られる結晶は、粒径が10μmオーダー、より具体的には、粒径が1μm以上、1000μm以下、好ましくは10μm以上、500μm以下の範囲内となる。
<晶析>
晶析とは、晶析対象となる物質を結晶として析出することをいう。具体的には、例えば、後述する粒子および有機溶媒が存在する共沸蒸留槽で晶析対象となる物質を含む水溶液を攪拌しながら水を共沸蒸留して留去し、晶析する方法、共沸温度以上に調整された有機溶媒および後述する粒子が流れる薄膜連続蒸発器に懸濁液を混合させる方法などが挙げられる。
晶析された物質は、例えば、濾過、遠心分離、乾燥等の手段を用いて取り出すことができる。
<晶析対象となる物質>
本発明の晶析方法では、晶析対象となる物質は、通常、水に溶解する有機化合物であって、融点が100℃以上である有機化合物である。
具体的には、炭素数2〜20の有機化合物であって、該化合物の分子内には、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などの酸性の親水性基、アミノ基などの塩基性の親水性基、水酸基等の親水性基を含有する化合物などが挙げられる。中でも、酸性の親水性基が晶析しやすいことから好ましい。
晶析対象となる物質が酸性の親水性基を含有する化合物の場合には、通常、リチウム、カリウム、ナトリウム、銀などのカチオンを対イオンとして水に溶解していることから、酸性の親水性基を含有する化合物を溶解する水溶液は上記カチオンの水酸化物等で塩基性に調整される。
中でも、晶析対象となる物質が式(1)で表される有機化合物であると、共沸蒸留槽においてスケーリングしやすい物質であるにもかかわらず、本晶析方法によって得られる化合物が結晶として容易に取り出すことができることから好ましい。
Figure 0004914759
ここで、Q、Qがそれぞれ独立にフッ素原子または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であり、フッ素原子であることが好ましい。
<懸濁>
本発明の懸濁とは、晶析対象となる物質を含有する水溶液が、該物質を溶解しない有機溶媒に分散または乳化していることをいう。本発明の晶析方法では、上記水溶液の上記有機溶媒への分散性等を考慮して、例えば、分散剤を用いた分散、乳化剤を用いた乳化、界面活性剤を用いた分散または乳化、多孔膜を用いた分散または乳化、多孔膜以外の孔の空いた材料を用いた分散または乳化、スプレーを用いた分散または乳化、ホモミキサーを用いた分散または乳化等が挙げられる。その中でも、晶析対象となる物質が何であるかに関わらず懸濁することができるという理由から、多孔膜を用いた分散または乳化、多孔膜以外の孔の空いた材料を用いた分散または乳化、スプレーを用いた分散または乳化、ホモミキサーを用いた分散または乳化が好ましい。また、懸濁液中の上記物質の径を制御することができるという理由から、多孔膜を用いた分散または乳化がより好ましく、とりわけ、乳化、界面活性剤を用いない多孔質を用いた分散または懸濁が、得られる晶析対象となる物質が、かかる剤を含有しないことから好ましい。
また、本発明の晶析方法は、上記混合溶液調製工程では、例えば、静置した有機溶媒中に、上記水溶液調製工程で得られた水溶液は多孔質を透過させて供給してもよいし、流動する有機溶媒中に、上記水溶液調製工程で得られた水溶液は多孔質を透過させて供給してもよい。中でも、上記水溶液調製工程で得られた水溶液の流量1容量部に対し、上記有機溶媒の流量が0.8〜20容量部で、該有機溶媒に該水溶液を供給することが好ましい。0.8容量部以上であると、水が速やか留去されることから好ましく、20容量部以下であると晶析工程における容積効率に優れる傾向があることから好ましい。また、速やかに水が留去されるという理由から、上記物質の水溶液の流量1容量部に対し、上記有機溶媒の流量が、3容量部以上であることが好ましい。
懸濁液調製工程に多孔膜を用いる場合には、水溶液1重量部に対して、溶媒は1重量部以上、水と溶媒との共沸組成以下であることが好ましい。多孔膜の場合には、得られる微小な水溶液(水滴)間の間隔が小さいことから、1重量部以上の多くの有機溶媒を用いてすばやく懸濁させることにより、懸濁液を安定化させることができることから好ましい。また、水と溶媒との共沸組成より多い溶媒を用いると、晶析工程で水が蒸発する際に、晶析容器内に溶媒が蓄積されるため、大きな容器が必要となり、容積効率が低下する。よって、水と溶媒との共沸組成以下の溶媒量であることが好ましい。
本発明の晶析方法において、晶析対象となる物質を水に懸濁させて懸濁液とするが、該懸濁液に、さらに、有機溶媒を加えてもいい。
多孔膜を用いた懸濁(分散または乳化)は、上記混合溶液調製工程において、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を多孔膜に通過させて上記有機溶媒に供給することで、懸濁液として混合溶液を調製することが好ましい。つまり、上記物質を含む水溶液を多孔膜に通過させることにより行う。これにより、懸濁液を調製することができる。懸濁液を調製する際の、上記物質及び水の混合物を多孔膜に通過させる方法および条件は、中でも、上記物質を含む水溶液を連続的に多孔膜に通過させることが好ましい。また、上記混合溶液調製工程では、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を上記多孔膜の内面に通過させ、該多孔膜の外面の上記有機溶媒に供給することによって、上記物質を微小化させることが好ましい。
多孔膜とは、多くの孔が空いた膜のことをいい、上記物質及び水の混合物を通過させるものであれば、膜の材質、膜の面積、膜厚、膜の強度、孔の数、孔の径等は、上記物質及び水の混合物を多孔膜に通過させる方法または条件により適宜変更し得るものである。
例えば、上記多孔膜の材質として、有機膜であっても、無機膜であってもよい。ここで、有機膜とは、高分子等を用いた膜のことをいう。また、無機膜とは、セラミックス等の無機材料を用いた膜のことをいう。中でも、耐熱性、耐薬品性に優れているという理由から、上記多孔膜には、少なくともフッ素樹脂が用いられていることが好ましく、さらに、ほとんど全ての有機溶剤、酸、アルカリに侵されない、即ち、耐腐食性に優れているという理由から、上記多孔膜には、ポリテトラフルオロエチレンが用いられていることがより好ましい。特に、多孔膜を有機溶媒中に浸漬させる場合には、多孔膜は、耐有機溶媒性を有するポリテトラフルオロエチレンが用いられていることがより好ましい。これにより、上記多孔膜は、より多くの物質の懸濁に用いることができる。その結果、本発明の晶析方法は、より多くの物質の晶析に用いることが可能となる。
また、上記多孔膜の形状は、例えば、平面状、柱状、チューブ状等であってもよい。また、多孔膜の孔径が0.05μm〜10μmであることが好ましく、0.1μm〜2μmであることがより好ましい。また、孔径は、0.05μm以上であると、通液時間が短縮される傾向や、水滴を通すために必要な圧力が低減される傾向があることから好ましく、10μm以下であると、得られる結晶が槽壁にスケーリングする現象が低減される傾向があることから好ましい。
<粒子>
親水性を有し、かつ、水に対して不溶性を有する粒子としては、具体的には、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ゼオライト、ホウ砂、タルク、クレー、木粉等が挙げられる。その中でも、水を吸着し易いという理由から、シリカゲルが好ましい。
上記粒子の大きさは、40μm以上、120μm以下であることが好ましい。40μm以上であると、得られる結晶が取扱いの容易な0.01μm〜1000μmに微小化されることから好ましい。また、120μm以下であると、共沸蒸留器内に分散されやすく、結果として得られる結晶が取扱いの容易な0.01μm〜1000μmに微小化されることから好ましい。
上記粒子の含有割合は、晶析対象物質に対して、好ましくは1重量%以上、1000重量%以下、より好ましくは1重量%以上、100重量%以下、特に好ましくは1重量%以上、10重量%以下である。上記粒子の含有割合が1重量%以上であると、上記物質が結晶化した後のスケーリングを防止する傾向があることから好ましい。一方、1000重量%以下であると得られる結晶が取扱いの容易な0.01μm〜1000μmに微小化されることから好ましい。
上記粒子の添加時期は例えば、反応晶析初期に添加しても、反応晶析途中に添加しても、それらの両方に添加してもよい。また、晶析対象物質の水溶液が共沸蒸留器に混合される前から添加することが好ましい。
<有機溶媒>
晶析対象となる物質を溶解せず、水と混和せず、かつ水と共沸する有機溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−へプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン等の炭素数5〜12の炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼン等の炭素数5〜12のハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の炭素数4〜12のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、メチルセルソルブ等の炭素数4〜12のエーテル類等が挙げられる。ここで、「水と混和せず」とは、水と相溶状態を呈さないことを意味する。
<得られる結晶>
本発明の晶析方法は、上記物質の結晶の粒径を0.01μm以上、1000μm以下とすることが可能である。また、本発明の晶析方法は、上記物質の結晶を収率99%〜100%という高収率、高純度で晶析することができる。収率を求める際に、得られる結晶の量を算出する方法としては、例えば、晶析工程終了後に析出した結晶の量を測定する方法、晶析工程で蒸発させた水に対する上記物質の濃度から算出する方法等を用いればよい。
(II)本発明の晶析方法
<晶析方法>
本発明の晶析方法は、晶析対象となる物質及び水を含む水溶液を調製する水溶液調製工程と、上記物質を溶解せず、水と混和せず、かつ水と共沸可能な有機溶媒、及び、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を混合する混合溶液調製工程と、上記混合溶液調製工程で得られた混合溶液から、水及び上記有機溶媒を共沸蒸留させて上記物質を晶析させる晶析工程とを含み、上記晶析工程では、少なくとも表面が親水性を有し、かつ、水に対して不溶性を有する粒子の存在下で、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させる方法である。また、上記混合溶液調製工程では、上記有機溶媒に、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を供給し、該水溶液を該有機溶媒中に微小化させた懸濁液として混合溶液を調製することが好ましい。
また、本発明の晶析方法は、上記晶析工程では、蒸留器において、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させることが好ましい。また、本発明の晶析方法は、上記蒸留器が、上記有機溶媒と上記粒子とを含む共沸蒸留槽であり、上記共沸蒸留槽内の上記混合溶液を、水との略共沸温度に調整し、該共沸蒸留槽において、上記混合溶液から水及び該有機溶媒を共沸蒸留させることが好ましい。
蒸留器としては、例えば、容器内を伝熱媒体などで加熱することのできる反応槽型の共沸蒸留槽、共沸温度以上に調整された板上に懸濁液が流れる薄膜連続蒸発器などが挙げられる。
蒸留器内の有機溶媒と懸濁液調製工程の有機溶媒は同一でも異なっていてもよいが、好ましくは同一種であると溶媒の回収が容易であることから好ましい。
本発明の晶析方法においては、当該晶析方法を工程に区分するとすれば、上記懸濁液調製工程と晶析工程とに区分することができる。以下、上記各工程の区分、および、晶析方法を実施する装置構成に基づいて晶析方法を具体的に説明する。
<懸濁液調製工程>
上記懸濁液調製工程では、水溶液および溶媒のいずれか一方もしくは両方に、必要であれば分散剤、乳化剤、界面活性剤を添加して、多孔膜、攪拌、スプレー等により懸濁液を調製する。
例えば、多孔膜による懸濁液の調製は、上記物質及び水、さらに場合によっては上記有機溶媒を含む混合物を多孔膜に通過させることにより行う。中でも、上記混合物を連続的に多孔膜に通過させることにより、懸濁液を調製する方法が、分散剤、乳化剤、界面活性剤などの微小な結晶を得られることから好ましい。
多孔膜による懸濁液調製工程は、連続操作(シングルパス形式)、回分式濃縮操作、ダイアフィルトレーション、フィード・アンド・ブリード等の操作で行われる。ここで、連続操作とは、原液をポンプにより連続的に供給し、連続的に保持液(多孔膜を通過しなかった液)と通過液(多孔膜を通過した液)を得る形式をいう。さらに、保持液側を止めた操作のことをデッドエンド型の連続操作という。また、回分式濃縮操作とは、原液をポンプにより連続的に供給し、保持液は原液タンクに戻され、通過液は系外に取り出される形式をいう。また、ダイアフィルトレーションとは、原液をポンプにより連続的に供給し、保持液は原液タンクに戻され、通過液は系外に取り出され、原液タンクに溶媒を加えながら行う形式をいう。また、フィード・アンド・ブリードとは、連続操作において保持液の循環を伴う形式をいう。
また、例えば、攪拌による懸濁液の調製は、上記物質及び水、さらに場合によっては上記有機溶媒を攪拌装置によって攪拌することにより行う。攪拌装置としては、例えば、ホモミキサー等が挙げられる。
また、例えば、スプレーによる懸濁液の調製は、上記物質の水溶液、さらに場合によっては上記有機溶媒を含む混合物をスプレーによって噴射することにより行う。
<晶析工程>
上記晶析工程では、上記懸濁液の温度は、水が沸騰する温度以上であり、かつ、上記物質の融点以下、好ましくは有機溶媒の沸点以下である。例えば、有機溶媒がモノクロロベンゼンであれば、通常、110℃以上、135℃以下であることが好ましい。
共沸蒸留された水および有機溶媒は、通常、凝縮器によって凝縮される。有機溶媒が水と分液可能であれば、該有機溶媒は再利用することができる。
上記懸濁液の温度は、例えば、マントルヒーター、投げ込みヒーター、ホットプレート等により加熱すればよい。さらに、センサー等により設定温度を制御すればよい。
本発明の晶析方法は、上記晶析工程では、さらに、上記懸濁液または上記有機溶媒を攪拌しながら、該懸濁液から水を蒸発させることが好ましい。また、本発明の晶析方法は、上記蒸留器では、上記混合溶液を攪拌しながら、水及び上記有機溶媒を該混合溶液から共沸蒸留させ、上記蒸留器における攪拌が、回転翼により行われるとともに、該回転翼の回転数は、次に示す式(1)
Figure 0004914759
(式中、nは粒子の浮遊に必要な回転数を表し、Dは共沸蒸留槽の直径を表し、dpは粒子の直径を表し、ρcは溶液密度を表し、Δρは粒子真密度と溶液密度との差を表し、ηは有機溶媒の粘度を表し、Vp’は粒子のかさ容積を表し、Vpは粒子の真容積を表し、Kは共沸蒸留槽の形状、攪拌翼の形状、バッフルの有無により定まる定数を表す。)で規定される回転数以上であることが好ましい。また、回転数は、通常、3000回転/分以下である。
nがこの値以上であると粒子が蒸留槽に均一に浮遊し、スケーリングが抑制される傾向があることから好ましい。
ここで、真密度とは、物質自身が占める体積だけを密度算定用の体積とする密度のことをいう。また、真容積とは、物質自身が占める容積のことをいう。また、かさ容積とは、一定容積の容器に物質を目一杯充填したときの、その内容積のことをいう。また、バッフルとは、仕切り板のことをいう。
懸濁液調製工程において、有機溶媒に供給する際の上記物質の水溶液の流量1容量部に対し、上記有機溶媒の流量は、通常、0.8〜20容量部、好ましくは、3〜10容量部である。有機溶媒の流量が0.8容量部以上であると、速やかに水が留去される傾向があることから好ましい。また、有機溶媒の流量が20容量部以下であると、晶析工程における容積効率が優れる傾向にあることから好ましい。
<晶析方法を実施する装置構成>
本発明の晶析方法を行うための装置構成について、図1,2に基づいて説明すれば以下の通りである。
図1は、本発明の一実施形態にかかる晶析方法を行うための装置構成を説明する図である。図1に示すように、晶析装置1は、主として、晶析槽(共沸蒸留槽、反応容器)2、水溶液供給容器3、送液ポンプ4、配管5、有機溶媒供給容器6、送液ポンプ7、攪拌翼(回転翼)8、熱交換器9、分液槽10、水を抜き出す槽11、配管12、多孔膜13、配管14を備えている。
晶析対象となる物質を含む水溶液を、水溶液供給容器3から送液ポンプ4によって排出し、配管5を通して、多孔膜13の内面から上記水溶液を透過させることにより、配管12に供給する。その際に、上記物質及び水に対して難溶性を有する有機溶媒を、有機溶媒供給容器6から送液ポンプ7によって排出し、配管14を通して、配管12中の多孔膜13の外面に供給しておく。これにより、懸濁液を調整する。その懸濁液を、配管12から晶析槽2に供給する。晶析槽2には、あらかじめ、上記物質及び水に対して難溶性を有する有機溶媒を供給しておく。
そして、晶析槽2に供給された懸濁液から、少なくとも表面が親水性を有し、かつ、水に対して不溶性を有する粒子の存在下で、水が沸騰する温度以上であり、かつ、該物質が固化する温度以下である温度条件で、水と有機溶媒を蒸発させて該物質を晶析する。上記懸濁液および上記有機溶媒を攪拌する場合には、攪拌翼8により攪拌する。その後、熱交換器9により蒸発させた水と有機溶媒とを冷却し、分液槽10により水と有機溶媒とを分離する。その後、水を抜き出す槽11により水を除去し、有機溶媒は晶析槽2に戻す。これにより、上記物質の結晶を取り出すことができる。晶析槽2中の上記物質の結晶は、例えば、濾過、遠心分離、乾燥等の手段を用いて取り出すことができる。
また、図2は、本発明の一実施形態にかかる晶析方法を行うための他の装置構成を説明する図である。図2に示すように、晶析装置20は、主として、混合槽(混合容器)21、水溶液供給容器22、送液ポンプ23、配管24、有機溶媒供給容器25、送液ポンプ26、ホモミキサー(攪拌羽根)27、送液ポンプ28、配管29、配管30、晶析槽(共沸蒸留槽、反応容器)31、攪拌翼(回転翼)33、熱交換器34、分液槽35、水を抜き出す槽36を備えている。
晶析対象となる物質を含む水溶液を、水溶液供給容器22から送液ポンプ23によって排出し、配管24を通して、混合槽21に供給する。その際に、上記物質及び水に対して難溶性を有する有機溶媒を、有機溶媒供給容器25から送液ポンプ26によって排出し、配管30を通して、混合槽21に供給しておく。
混合槽21は、ホモミキサー(攪拌羽根)27を備えており、上記物質と水と有機溶媒を攪拌することにより懸濁液を調製することができる。その懸濁液を、混合槽21から送液ポンプ28によって排出し、配管29を通して、晶析槽31に供給する。晶析槽31には、あらかじめ、上記物質及び水に対して難溶性を有する有機溶媒を供給しておく。
そして、晶析槽31に供給された懸濁液から、少なくとも表面が親水性を有し、かつ、水に対して不溶性を有する粒子の存在下で、水が沸騰する温度以上であり、かつ、該物質が固化する温度以下である温度条件で、水と有機溶媒を蒸発させて該物質を晶析する。上記懸濁液および上記有機溶媒を攪拌する場合には、攪拌翼33により攪拌する。その後、熱交換器34により蒸発させた水と有機溶媒とを冷却し、分液槽35により水と有機溶媒とを分離する。その後、水を抜き出す槽36により水を除去し、有機溶媒は晶析槽31に戻す。これにより、上記物質の結晶を取り出すことができる。晶析槽31中の上記物質の結晶は、例えば、濾過、遠心分離、乾燥等の手段を用いて取り出すことができる。
また、晶析槽31に上記懸濁液を供給する際には、配管29の先端が晶析槽31中の有機溶媒または懸濁液の液面より常時下に位置するように設置する方法を用いてもよい。また、上記懸濁液の供給は連続的または間欠的に行われるが、攪拌翼33の近傍の有機溶媒または懸濁液中に供給してもよい。また、上記懸濁液を、有機溶媒または懸濁液の液面よりも下に供給する場合、液中における分散性を高めるために公知の分散剤を用いてもよい。
また、図1,2において、晶析槽2・31は、例えば、パドル翼、タービン翼、後退翼等の攪拌翼8・33を有するものが挙げられる。また、晶析槽2・31は、攪拌翼8・33の他に、バッフルを有していてもよい。上記バッフルとしては、例えば、板バッフル、フィンガーバッフルやビーバーテールバッフル等が挙げられる。
また、配管5・14・24・29・30としては、例えば、ステンレス管、テフロン(登録商標)(デュポン社の商品名)管、ガラス管等が用いられる。
また、配管29から晶析槽31中の有機溶媒または懸濁液までの距離は、配管29の溶媒側の先端から有機溶媒または懸濁液の液面までの距離が1m以下であればよく、配管29が晶析槽31中の有機溶媒または懸濁液に浸漬していてもよい。また、上記の距離が1m以下であることが好ましく、0.85m以下であることがより好ましい。上記距離が1m以下であると、微小化した水溶液が有機溶媒とただちに混合して安定した懸濁液を与えることから好ましい。
また、水の蒸発は減圧、加圧または大気圧下で行われる。水が有機溶媒と共沸混合物を形成する場合には、水の沸騰する温度は共沸点である。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明する。
〔実施例1〕
<晶析対象となる物質を含む水溶液の調製>
容器に、晶析対象となる物質としてのカルボキシ(ジフルオロ)メタンスルホン酸ナトリウム65重量部を採取し、その混合容器に、水296重量部を添加し、水溶液を調製した。
<結晶取り出し>
攪拌翼(3枚後退翼)を備えた、材質がガラスの反応容器(底が1/2半楕円である円筒形状)に、シリカゲル(関東化学社製)6重量部およびモノクロロベンゼン635重量部を採取し、上記水溶液を添加した。そして、蒸発させた水およびモノクロロベンゼンを冷却するための熱交換器、水とモノクロロベンゼンとを分離するための分液槽、並びに、水を抜き出す槽(ダイカン社製)を用いて、水およびモノクロロベンゼンを除去し、カルボキシ(ジフルオロ)メタンスルホン酸ナトリウムの結晶を取り出した。
<結晶の物性等>
その後、上記結晶の粒径および収率を測定し、上記結晶を取り出す際のスケーリングは認められなかった。
〔実施例2〕
<懸濁液調製>
一般式(1)で表されるカルボキシ(ジフルオロ)メタンスルホン酸ナトリウム6.3重量部を含む水溶液35重量部が含まれた容器から、水溶液を、デッドエンド型に設置されたテフロン(登録商標)材の多孔膜(商品名:「ポアフロンチューブ」、住友電気工業株式会社製)の内側に連続的に供給し、多孔膜の外側にモノクロロベンゼン(クレハ社製)420重量部を連続的に供給し、該水溶液を多孔膜に透過させて多孔膜の外側に懸濁液を調製した。
<結晶取り出し>
攪拌翼(3枚後退翼)を備えた、材質がハステロイC22の容器(底が1/2半楕円である円筒形状)に、シリカゲル0.8重量部およびモノクロロベンゼン90重量部を入れ、続いて、上記懸濁液を添加した。そして、蒸発させた水およびモノクロロベンゼンを冷却するための熱交換器、水とモノクロロベンゼンとを分離するための分液槽、並びに、水を抜き出す槽(ダイカン社製)を用いて、水およびモノクロロベンゼンを除去し、カルボキシ(ジフルオロ)メタンスルホン酸ナトリウムの結晶を取り出した。
〔比較例1〕
<晶析対象となる物質を含む水溶液の調製>
材質がガラスの混合容器に、晶析対象となる物質としてのカルボキシ(ジフルオロ)メタンスルホン酸ナトリウム65重量部を採取し、その混合容器に、水296重量部を添加し、水溶液を調製した。
<結晶取り出し>
攪拌翼(3枚後退翼)を備えた、材質がガラスの反応容器(底が1/2半楕円である円筒形状)にモノクロロベンゼン635重量部を採取し、上記水溶液を添加した。そして、蒸発させた水およびモノクロロベンゼンを冷却するための熱交換器、水とモノクロロベンゼンとを分離するための分液槽、並びに、水を抜き出す槽を用いて、水およびモノクロロベンゼンを除去し、カルボキシ(ジフルオロ)メタンスルホン酸ナトリウムの結晶を取り出した。
<結晶の物性等>
その後、上記結晶の粒径および収率を測定し、上記結晶を取り出す際のスケーリングが認められた。
表1は、実施例1、実施例2および比較例1において求めた結晶の粒径および収率、並びに、スケーリングの有無をまとめたものである。実施例1では、結晶の粒径が300〜1000μm、実施例2では、結晶の粒径が1〜10μmとなるのに対し、比較例1では、結晶の粒径が1000〜10000μmとなり、シリカゲルを添加することにより結晶の粒径を小さくすることができた。また、実施例1では、結晶の収率が50%、実施例2では、結晶の収率が70%となるのに対し、比較例1では、結晶の収率が25%となり、シリカゲルを添加することにより高収率で結晶を得ることができた。さらに、実施例1および実施例2では、スケーリングが起きなかったのに対し、比較例1では、スケーリングが起きており、シリカゲルを添加することによりスケーリングを抑制することができた。なお、実施例1および実施例2では、ほとんどのシリカゲル表面に、上記結晶が付着していた。さらに、実施例1および実施例2では、シリカゲル表面に上記結晶が付着した後、該結晶が剥がれ落ちたものもあった。
Figure 0004914759
これにより、実施例1では、カルボキシ(ジフルオロ)メタンスルホン酸ナトリウムの結晶の粒径が制御され、スケーリングを起こさないという結果になった。つまり、晶析工程においてシリカゲルを添加することで、晶析により得られた結晶の粒径が制御され、スケーリングを起こさなくなることが明らかになった。
本発明では、所望の粒径を有する物質を、スケーリングを起こさずに晶析することが可能となる。そのため、本発明は、医薬品、農薬品、添加剤、顔料、電子工業薬品、塗料等の化学品等の分野に広く応用することが可能である。
本発明の一実施形態にかかる晶析方法を行うための装置構成を説明する平面図である。 本発明の一実施形態にかかる晶析方法を行うための装置構成を説明する平面図である。
符号の説明
1 晶析装置
2 晶析槽(共沸蒸留槽、反応容器)
3 水溶液供給容器
4 送液ポンプ
5 配管
6 有機溶媒供給容器
7 送液ポンプ
8 攪拌翼(回転翼)
9 熱交換器
10 分液槽
11 水を抜き出す槽
12 配管
13 多孔膜
14 配管
20 晶析装置
21 混合槽(混合容器)
22 水溶液供給容器
23 送液ポンプ
24 配管
25 有機溶媒供給容器
26 送液ポンプ
27 ホモミキサー(攪拌羽根)
28 送液ポンプ
29 配管
30 配管
31 晶析槽(共沸蒸留槽、反応容器)
33 攪拌翼(回転翼)
34 熱交換器
35 分液槽
36 水を抜き出す槽

Claims (14)

  1. 晶析対象となる物質及び水を含む水溶液を調製する水溶液調製工程と、
    上記物質を溶解せず、水と混和せず、かつ水と共沸可能な有機溶媒、及び、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を混合する混合溶液調製工程と、
    上記混合溶液調製工程で得られた混合溶液から、水及び上記有機溶媒を共沸蒸留させて上記物質を晶析させる晶析工程とを含み、
    上記晶析工程では、少なくとも表面が親水性を有し、かつ、水に対して不溶性を有する粒子の存在下で、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させることを特徴とする晶析方法。
  2. 上記混合溶液調製工程では、上記有機溶媒に、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を供給し、該水溶液を該有機溶媒中に微小化させた懸濁液として混合溶液を調製することを特徴とする請求項1に記載の晶析方法。
  3. 上記混合溶液調製工程では、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を多孔膜に通過させて上記有機溶媒に供給することで、懸濁液として混合溶液を調製することを特徴とする請求項2に記載の晶析方法。
  4. 上記混合溶液調製工程では、上記水溶液調製工程で得られた水溶液を上記多孔膜の内面に通過させ、該多孔膜の外面の上記有機溶媒に供給することを特徴とする請求項3に記載の晶析方法。
  5. 上記多孔膜の孔の径は、0.05μm以上、10μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項3または4に記載の晶析方法。
  6. 上記多孔膜の材質として、少なくともフッ素樹脂が用いられることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の晶析方法。
  7. 上記混合溶液調製工程では、上記水溶液調製工程で得られた水溶液の流量1容量部に対し、上記有機溶媒の流量が0.8〜20容量部で、該有機溶媒に該水溶液を供給することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の晶析方法。
  8. 上記晶析工程では、蒸留器において、水及び上記有機溶媒を上記混合溶液から共沸蒸留させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の晶析方法。
  9. 上記蒸留器が、上記有機溶媒と上記粒子とを含む共沸蒸留槽であり、上記共沸蒸留槽内の上記混合溶液を、水との略共沸温度に調整し、該共沸蒸留槽において、上記混合溶液から水及び該有機溶媒を共沸蒸留させることを特徴とする請求項8に記載の晶析方法。
  10. 上記蒸留器では、上記混合溶液を攪拌しながら、水及び上記有機溶媒を該混合溶液から共沸蒸留させ、
    上記蒸留器における攪拌が、回転翼により行われるとともに、該回転翼の回転数は、次に示す式(1)
    Figure 0004914759
    (式中、nは粒子の浮遊に必要な回転数を表し、Dは共沸蒸留槽の直径を表し、dpは粒子の直径を表し、ρcは溶液密度を表し、Δρは粒子真密度と溶液密度との差を表し、ηは有機溶媒の粘度を表し、Vp’は粒子のかさ容積を表し、Vpは粒子の真容積を表し、Kは共沸蒸留槽の形状、攪拌翼の形状、バッフルの有無により定まる定数を表す。)
    で規定される回転数以上であることを特徴とする請求項8または9に記載の晶析方法。
  11. 上記物質は、水に溶解する有機化合物であって、かつ、その融点が水の沸点、上記有機溶媒の沸点および共沸温度の最高温度以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の晶析方法。
  12. 上記物質は、一般式(1)
    Figure 0004914759
    (式中、Q、Qは互いに独立にフッ素原子または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を表し、MはLi、Na、KまたはAgを表す。)で表される有機化合物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の晶析方法。
  13. 上記有機溶媒が、炭素数5〜12の炭化水素、炭素数5〜12のハロゲン化炭化水素、炭素数4〜12のケトン溶媒、および、炭素数4〜12のエーテル溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の晶析方法。
  14. 上記粒子が、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ゼオライト、ホウ砂、タルク、クレー、および、木粉からなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の晶析方法。
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