JP4913804B2 - スピーカーモデリング及び等化のための更新ボルテラ・ウィーナー・ハマースタイン(mvwh)法 - Google Patents

スピーカーモデリング及び等化のための更新ボルテラ・ウィーナー・ハマースタイン(mvwh)法 Download PDF

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Description

[0001]本特許出願は、2005年6月6日に出願された「ModifiedVolterra-Wiener-Hammerstein(MVWH) Method for Loudspeaker Modeling andEqualization」と題する対応の仮特許出願第60/688,179号に基づく優先権を主張するものであり、当該仮特許出願を参照することによって援用するものである。
発明の分野
[0002]本発明は、スピーカーの歪みの分野に関するものであり、より詳細には、本発明は、スピーカーの歪みを克服するためのスピーカーモデリング及び等化、又は予補償(precompensation)に関するものである。
発明の背景
[0003]コーデック技術は、モバイルデバイスにおけるアナログ入力及び出力(I/O)処理により、音声の品質の限界が決定されるところまで進歩してきている。特に、非線形特性を有する小型のスピーカーは、携帯電話、個人向け携帯情報端末(PDA)、及びラップトップコンピュータといった端末装置における音声劣化の主たる要因である。
[0004]スピーカーは、二つのタイプの歪み、即ち、線形歪み(低周波減衰及び高周波減衰、共振等)及び非線形歪みを有する。スピーカーの周波数応答の振幅及び位相は、線形歪みを特徴付ける。線形歪みは、信号の周波数成分の振幅及び位相を変えてしまう。線形歪みは、音に何ら付加的な周波数を加えないものであり、スピーカーの線形周波数応答のインバース(逆関数)である周波数応答を有する線形フィルタを使用することにより補償することができる。
[0005]非線形歪みは、音に大きな劣化をもたらし得る。元の音には存在しない高調波及び相互変調歪みとして知られた余分な周波数成分が現れることがある。これらの「余分な音」は、耳ざわりで不自然なものとして知覚されるように、元の音を変えてしまうことがある。当該分野では周知のように、音は、スピーカーのダイアフラム又はホーンの振動によって発生される。一般的には、非線形歪みは、スピーカーのダイアフラムの変位が大きくなるほど高くなり、このことは、低い周波数且つスピーカーの共振周波数で生じる。
[0006]電気音響変換における線形歪み及び非線形歪みを補償するため、信号(本明細書では、d(n)とする)は、オーディオ信号源とスピーカーとの間に配置された予歪(predistortion)フィルタ(予補償器、リニアライザ、又は等化器とも称される)に通される。このような構成を、図1に示す。図1を参照すると、スピーカー103の可動コイルは、前置フィルタ適用済みの信号dpre(n)によって駆動される。この前置フィルタ適用済みの信号dpre(n)は、予歪フィルタ102によって生成される。予歪フィルタ102によって行われるフィルタリングは、スピーカー103の歪みと正反対となるように設計されており、可動コイルの実際の変位は信号源101からの元の信号d(n)によって規定された理想的な運動と正確に整合するようになる。
[0007]当分野では、スピーカーの応答の線形(H1)成分及び非線形(H2,H3,……)成分をモデリングするために、ボルテラ展開が使用されている。図2は、2次ボルテラモデルを示している。これら成分は、スピーカーの入力及び出力測定値から推定される。従来においては、非線形歪みを測定するために、正弦波信号を与えて、高調波トーン又は結合トーンが非線形システムの出力側に発生される範囲を測定することが行われている。この正弦波入力法と異なり、ランダムノイズを使用して、スピーカーの非線形性を分析することも多く行なわれている。このランダム入力法は、音楽又はスピーチといった周波数多重入力を近似するものであり、入力トーンの周波数を変えることによって同じ実験を繰り返す必要のないものである。このランダム入力法は、通常、非線形系をボルテラ級数表現によってモデリングすることを含む。そして、最小平均自乗法(LMS)又は再帰的最小自乗法(RLS)といった最小自乗法を使用して、線形(H1)成分及び非線形(H2,H3,……)成分のパラメータを計算する。
[0008]一般的に、時間領域におけるスピーカーの入力−出力関係は、p次ボルテラ展開によって次の式(1)として与えられる。
Figure 0004913804


ここで、H=h(m,m,m,……m)は、k次ボルテラカーネルであり、H[x(n)]は、次の式(2)として与えられる。
Figure 0004913804

[0009]一般的には、スピーカーは、2次又は3次(二次式)ボルテラモデルによって十分にモデリングすることができると仮定される。2次モデルは、式(1)の特殊な場合であり、次の式(3)として与えられる。
Figure 0004913804


第1項は、定数であり、一般的には零であると仮定され、第2項は、線形応答(H1)であり、第3項は、二次非線形応答(H2)である。
[0010]スピーカーモデルは、オーディオ信号源とスピーカーとの間に配置される非線形予歪みフィルタを求めるために、しばしば使用される。図1を参照すると、理想的には、予歪フィルタ102は予歪信号dpre(n)を発生して、当該予歪信号が、スピーカー103へ供給した場合に、スピーカー103によって出力される出力音響信号を元のオーディオ信号d(n)の正確なレプリカとなるようにする。この場合には、線形歪み及び非線形歪みの双方が完全に補償される。
[0011]非線形歪みを厳密に補償するには、そのスピーカーモデルの完全インバースである予歪フィルタが必要である。非線形系の完全インバースを求めることは、簡単なことではなく、非線形スピーカーを含む非線形系を等化する点で問題を生ずる。当分野においては、多くの近似解法が試みられてきている。これらのスキームは、スピーカーのボルテラモデルを使用して、スピーカーの非線形インバースを近似する予歪フィルタを求めている。通常、この近似インバースは、線形成分、及び二次(secondor quadratic)成分のみを有する。図3は、G1及びG2がボルテラインバースの線形部及び二次式部であるモデルを例示している。
[0012]線形部は、通常、前述したように、スピーカーの線形歪み(G1=H −1)を完全に補償するように選択される。予歪フィルタの二次成分は、スピーカーの二次歪み(G2=H −1H2H −1)を完全に補償するように選択される。この補償スキームの副産物として、余分な三次、四次、及び、より高次の非線形性が導入される。非線形インバースをより良く近似するために、より高次(いわゆる、p次)の予歪フィルタが使用される。このようなフィルタの場合には、より高次の非線形性がスピーカー出力にもたらされる。
[0013]p次ボルテラインバースは、特定の条件が満たされる場合にのみ、実インバースへと収束する。小さな信号レベルの場合には、ボルテラ予インバース(preinverse)により、スピーカーからの知覚される音の品質は改善される。高い再生レベル(例えば、形態電話での音声通信におけるように耳の近くにスピーカーがあるときに音レベルが快適なものとなるような低い再生レベルとは反対で、スピーカーホンでのビデオホン又は遠隔会議におけるように、スピーカーが耳からほぼ腕の長さのところにあるときにマルチメディア用途において必要とされるような音レベル)の場合には、p次ボルテラインバースは、完全非線形インバースへとは収束せず、予歪フィルタによって導入される余分な歪みの結果、元の補償されていないスピーカー歪みより悪くなってしまうことがある。このp次ボルテラインバースの構成は、非線形歪みに対する高いコストで線形歪みに対する補償がなされることがあるというようなものである。大きな入力レベルの場合には、3次、4次及びより高次の歪みが、補償された歪みより大きくなり、それにより、予補償スキームが役に立たなくなってしまう。その結果、ボルテラ予補償されたスピーカーの音の品質は、補償されない場合よりも低くなってしまうことがある。従って、スピーカーのボルテラモデルの性質は、完全非線形インバースが不安定なものとなってしまい、従って、その結果、疑似完全インバースとなってしまうようなものである。
[0014]スピーカーモデルは、メモリーレスウィーナー又はハマースタインモデルを使用して、短い時間フレームに亘って近似することができる。このモデルの利点は、保証された安定なインバースが得られるということにある。このモデルの欠点は、線形及び非線形カーネルのメモリを考慮しておらず、スピーカーの不良モデルとなってしまうというものである。
[0015]従って、高い再生レベルでのこれらスキームの限界を克服するための方法が必要とされている。
発明の概要
[0016]適応型予補償のための方法及び装置を提供する。一実施形態では、本方法は、以前の予歪値及び元の入力信号に応答して予歪フィルタのオペレーションを変更し、元の入力サンプルと予測スピーカー出力との間の予補償エラーを求め、少なくとも一つの線形システムと非線形システムとのカスケード配置であるスピーカーモデルの完全インバースを使用することにより予補償エラーを減少させることを含む。
[0017]本発明は、以下の詳細な説明及び本発明の種々な実施形態を示す図面からより完全に理解できよう。しかしながら、これら詳細な説明及び図は、本発明をそれら特定の実施形態に限定しようとしているものではなく、単に説明及び理解のためのものである。
発明の詳細な説明
[0034]スピーカーのモデリング及び等化のためのボルテラ・ウィーナー・ハマースタインシステム(MVWH)と称される新規な方法及び装置について開示する。このモデルは、スピーカー及びその使用の正確な特徴付けを行い、スピーカーのためのより良好な等化を行える。このモデルは、ボルテラモデルの望ましいメモリ特徴とウィーナー及びハマースタインモデルの望ましい可逆性とを組み合わせて、スピーカーの性能のより正確な特徴付けを行い、その歪みを補償するものである。これにより、スピーカーの非線形歪みを補償するための安定な完全インバースが得られる。本明細書で説明する技法によれば、スピーカーからの音の品質が、特に高い再生レベルにて、より高いものとなる。
[0035]以下の説明においては、本発明をより完全に説明するため、種々な細部について説明する。しかしながら、本発明が、これらの特定の細部なしでも実施できることは、当業者には明らかなことであろう。その他の場合には、本発明を不明瞭なものとしないように、周知の構成及び装置については、詳細に示すのでなく、ブロック図形式にて示す。
[0036]以下の詳細な説明の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対するオペレーションの記号的表現及びアルゴリズムの形にて与えてある。これらのアルゴリズム記述及び表現は、データ処理の分野の当業が成果の実体を他の当業者に最も効果的に理解させるために使用する手段である。ここで、アルゴリズムとは、一般的には、望ましい結果へと導くステップの自己矛盾のないシーケンスであると考えられている。これらステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。必ずしもそうではないが、通常は、これらの量は、記憶され、転送され、結合され、比較され、その他の方法で操作されるような電気的信号又は磁気的信号の形をとるものである。主として慣用のため、これらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数字等として表すことが便利であることがわかっている。
[0037]しかしながら、これら及び同様の用語の全ては、適当な物理量に関連付けられており、これら量に適用される単なる便宜的なラベルであることに、注意されたい。以下の説明から明らかなように、特に別のものであると述べない限り、以下の説明を通じて、「処理する」又は「算出する」又は「計算する」又は「決定する」又は「表示する」等の如き用語を使用した説明は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子的)量として表されたデータをマニピュレートし、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶装置、送信又は表示装置内の物理量として同様に表された他のデータへと変換するコンピュータシステム又は同様の電子計算装置の動作及び処理を指しているものと理解されたい。
[0038]また、本発明は、本明細書に示す動作を行うための装置でもある。本装置は、VLSIチップのように必要とされる目的のために特に構成することができ、又は、本装置は、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動され又は再構成される汎用コンピュータを備えていてもよい。このようなコンピュータプログラムは、これらに限定されるのではないが、フロッピーディスク、光ディスク、CD−ROM、磁気−光ディスクを含む任意のタイプのディスク、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、磁気又は光カード、又は電子命令を記憶するに適した任意のタイプの媒体であって、各々がコンピュータシステムバスに結合されたもののような、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に記憶しておくことができる。
[0039]本明細書に示すアルゴリズム及びディスプレイは、本来的には、特定のコンピュータ又は他の装置に関連していない。本明細書に示す教示に従ったプログラムによって種々な汎用システムを使用することができ、又は、必要とされる方法ステップを行うようにより特化した装置を構成することも容易にできる。これらの種々のシステムのための必要な構成は、以下の説明から明らかとなろう。また、本発明は、特定のプログラム言語を参照して説明しない。本明細書に説明する本発明の教示を実施するのに、種々のプログラム言語を使用できることは、理解されよう。
[0040]機械読取り可能な媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読取り可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構を含む。例えば、機械読取り可能な媒体としては、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学的記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、音響的又は他の形式の伝搬される信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)等がある。
<概説>
[0041]スピーカーの歪みを減少させるようスピーカーの線形歪み及び非線形歪みを予補償するための方法及び装置について説明する。一実施形態では、予補償は、完全非線形インバースを与えるように作用するスピーカーの改良モデルを使用して、スピーカーの線形歪み及び非線形歪みを補償する。
[0042]予補償は、予補償器として機能する予歪フィルタを使用して実施される。一実施形態では、予歪フィルタは、推定スピーカー伝達関数の完全インバースを使用して入力信号を変換し、入力音の略完全な再生を行う。一実施形態では、スピーカーの電気音響特性のモデルを使用して、スピーカーの伝達関数を導出する。次いで、予補償は、この伝達関数のインバースを実行する。従って、スピーカーの出力は、元の入力信号により厳密に似たものとなる。入力と予測スピーカー出力との間の差によってフィードバック信号を提供し、当該フィードバック信号を使用して、エラーが最少とされ又は実質的に減少されるように予補償器のパラメータを調整する。
[0043]一実施形態では、予歪フィルタは、スピーカーの応答を特徴付け且つその線形歪み及び非線形歪みを補償するよう、更新ボルテラ・ウィーナー・ハマースタインモデルを使用して予歪を実施する。本明細書に説明する技法は、ボルテラモデルの望ましいメモリ特徴とウィーナー及びハマースタインモデルの望ましい可逆性とを組み合わせて、スピーカーの性能を正確に特徴付け、その歪みを補償する有効な方法を提供する。一実施形態では、スピーカーの非線形歪みを補償するために、安定な完全インバースが使用される。本明細書に説明する技法は、スピーカーの入力オーディオ信号と予補償出力との間の差が最少又は実質的に減少されるように、予歪フィルタのパラメータを適応的に調整する。
[0044]一実施形態では、適応型予補償の実行には、以前の予歪値及び元の入力信号に応答して予歪フィルタのオペレーションを変更し、元の入力サンプルとスピーカー出力との間の予補償エラーを求め、スピーカーのモデルの完全インバースを計算することによって予補償エラーを実質的に減少させることが含まれる。予補償エラーの実質的な減少は、完全インバースを表す多項式の係数を算出し、この多項式の実根を求めることによって予歪信号を算出し、その根を次の係数計算のためにスケーリングして記憶し、スピーカーへ供給する前にその予歪信号を再スケーリングすることにより、達成される。
[0045]本明細書に説明する方法を適用することにより、特に高い再生レベルでのスピーカーからの音の品質をより高いものとすることができる。このような品質の改善によって、本技法は、高い再生レベルでのスピーカーからの高い品質の音が望まれるような用途に用いるのに適したものとなる。このような用途及び装置としては、これらに限定されるのではないが、携帯電話、遠隔会議、ビデオホン、ビデオ会議、個人向け携帯情報端末、ワイファイシステム、ラップトップコンピュータ等がある。
[0046]図4は、オーディオシステムの一実施形態のブロック図である。図4を参照すると、入力信号d(n)が、時間変化予歪フィルタ401へ供給される。予歪フィルタ401の出力は、スピーカー403の数学的モデル404へ入力され、スピーカー403を駆動するデジタル−アナログ(D/A)変換器402にも入力される。スピーカー403の数学的モデル404は、スピーカー403の次の出力を予測する。この出力を、本明細書では、以下のように示す。
Figure 0004913804


一実施形態では、スピーカーの数学的モデル404は、概して、以下に説明するようなp次更新ボルテラ・ウィーナー・ハマースタインモデル(MVWH)である。スピーカーモデル404からの予測出力は、次式の予補償エラー信号を導出するのに使用される。
Figure 0004913804


この予補償エラー信号は、理想出力と予測スピーカー出力との間の差であり、比較器(例えば、減算器)405によって決定されるようなものである。従って、予歪フィルタ401は、予補償器として機能する。一実施形態では、予補償器のパラメータは、予補償エラーe(n)が最小又は実質的に減少されるように調整される。
<更新ボルテラ・ウィーナー・ハマースタイン(MVWH)モデル>
[0047]図2に示すように、ボルテラモデルは、線形サブシステムと非線形サブシステムとの並列結合からなる。図5は、線形伝達関数Hを例示しており、低い周波数がスピーカーによって再生できないことを示している。このボルテラモデルの欠点は、純粋トーンに対するモデルの応答が周波数依存のDC成分を有するが、実際のスピーカーの出力がDC成分を有し得ないということである。このボルテラモデルの主たる欠点は、それが完全非線形インバースを与えるように作用しないということである。一実施形態では、本発明の予補償スキームに使用されるスピーカーモデルは、更新ボルテラ・ウィーナー・ハマースタイン(MVWH)モデルである。このようなモデルを使用することにより、前述したようなボルテラモデルの問題点を克服できる。図6は、MVWHモデルの実施形態を示している。図6を参照すると、入力信号x(n)が先ず線形フィルタFに通され、出力y(n)=F[x(n)]が発生される。この出力は更新ボルテラモデルHを駆動し、出力y(n)=H[y(n)]を発生する。この出力が別の線形システムFに供給され、それにより、モデル出力z(n)=F[y(n)]が発生される。従って、更新ボルテラ・ウィーナー・ハマースタイン(MVWH)モデルは、二つの線形フィルタ(F及びF)とボルテラシステム(H)とのカスケード結合である。このボルテラシステムは、単純メモリーレスウィーナー又はハマースタイン非線形性と異なり、メモリによってp次非線形性を与える。
[0048]このモデルでは、前置フィルタFは、スピーカーコイルのRL回路の低域通過挙動を表す低域通過フィルタであってもよい。後置フィルタFは、スピーカーのダイアフラムの高域通過挙動を表す高域通過フィルタであってもよい。これらは、F、F及びHの多くの可能な組合せのうちの二つに過ぎない。このMVWHモデルの入力−出力関係は、次の式([.]は、演算子記法である)として与えられる。
z(n)=F[H[F[d(n)]]]
ここで、M次線形フィルタFは、次の式として与えられる。
Figure 0004913804


ここで、Mは、線形フィルタのメモリであり、{f(i),.f(i),.i=0,1,…M}は、線形フィルタの係数である。F=1の特殊の場合が、ボルテラ・ハマースタインモデルに対応し、F=1の特殊の場合が、ボルテラ・ウィーナーモデルに対応している。
[0049]線形フィルタ及びボルテラモデルのパラメータを算出するための多くの方法が存在する。線形フィルタ及びボルテラモデルのパラメータを算出する二つの方法について以下に説明する。第1の方法は、高速であるが近似解を与えるプロセスである。図6を参照すると、先ず、ボルテラモデルをスピーカーに適用して、入力x(n)及び出力d(n)を使用して、ボルテラカーネル{H,k=1,2,3..}を求める。次いで、フィルタF及びFを、これら二つのフィルタのカスケード接続がHと同じである(即ち、F =H)ように、求める。特殊な場合として、これら二つの線形フィルタは、同一である(即ち、F=F)と仮定される。そして、フィルタF及びFを与えて、図6におけるボルテラモデルの入力y(n)及び出力y(n)を計算して、スピーカー出力d(n)に整合するカーネル{H′=1,2,3..}を有する新しいボルテラフィルタを求める。第2の方法は、勾配降下アルゴリズムを使用して、線形フィルタのパラメータ及び更新ボルテラモデルのパラメータを共に最適化するものである。
[0050]図7は、MVWHモデルのインバースの実施形態を示している。図7を参照すると、F −1及びF −1は、図6における線形フィルタのインバースであり、H−1は、MVWHモデルのボルテラ部の完全インバースである。ボルテラモデルに基づく完全予補償は、不安定なインバースとなってしまう。MVWHモデルの重要な効果は、それが線形フィルタと更新ボルテラモデルとのカスケードであるということである。このカスケードオペレーションの効果は、線形フィルタ部がスピーカーモデルから明確に分離されて、残りの更新ボルテラモデルが完全非線形インバースを与えるように作用するようになるということである。
[0051]図8は、信号源がアナログ源である場合のスピーカーシステムの一実施形態のブロック図である。図8を参照すると、信号源801は、アナログ信号を発生する。このアナログ信号は、アナログ−デジタル(A/D)変換器802を使用してデジタル信号へ変換される。A/D変換器802のデジタル出力は、デジタル予補償器803へ供給される。予補償器803は、スピーカーへ通されるときに線形歪み及び非線形歪みを補償する予歪信号を発生する。予補償器803は、一つ以上の線形フィルタと更新ボルテラモデルとのカスケードを使用する。一実施形態では、予補償器803は、MVWHモデルを使用する。予補償器803のデジタル出力は、デジタル−アナログ(D/A)変換器804へ供給され、このD/A変換器804は、スピーカー805を駆動するアナログ出力を発生する。
[0052]図9は、スピーカーシステムの別の実施形態を示しており、ここでは、スピーカーの音レベルが予補償器の前段でデジタル利得によって制御される。デジタル化された信号d(n)が、可変デジタル利得モジュール901へ供給される。可変利得モジュール901の機能は、デジタル予補償器902への信号レベルを制御することである。予補償器902は、前述したような予補償を行う。予補償器902の出力、即ちdpre(n)は、デジタル−アナログ(D/A)変換器903へ供給される。D/A変換器903からのアナログ信号は、スピーカー905を駆動する固定利得電力増幅器904へ入力される。
[0053]図10は、スピーカーシステムの別の実施形態を示しており、ここでは、スピーカーからの音レベルがスピーカーの前段の電力増幅器の可変アナログ利得によって制御される。図10を参照すると、デジタル入力信号d(n)は、固定利得装置1001によって変更され、次いで、予補償器1002へと入力される。予補償器1002は、前述したような予歪フィルタ及びカスケード構成を使用して予補償を行う。予補償器1002の出力、即ちdpre(n)は、デジタル−アナログ(D/A)変換器1003へ供給される。D/A変換器1003からのアナログ信号は、スピーカー1005を駆動する可変利得電力増幅器1004へ入力される。可変利得増幅器1004は、スピーカー1005の音レベルを制御する。
[0054]図11は、五つの構成部分からなるMVWHモデルのボルテラインバース部の一つの実施形態を示している。
[0055]メモリモジュール1101は、スピーカーモデルのパラメータ及び種々の利得パラメータを記憶する。一実施形態では、これらのパラメータは、2次ボルテラモデルを表す。線形部及び非線形部のパラメータH1=[h(0),h(0),…h(M)]及びH2={h(i,j),i,j=0,1,…M}が、メモリ1101に記憶されている。より高次のボルテラモデルについては、より高次のカーネルのパラメータがメモリ1101に記憶される。デジタル信号d(n)は、完全インバースモジュール1102へ入力される。この完全インバースモジュール1102の機能は、非線形インバースオペレーションを行うことである。この完全インバースモジュール1102は、入力信号d(n)及び状態バッファ1103からの出力のスケーリングされた過去の値{d′pre(n−1),d′pre(n−2),…}を受けて、出力の現在値d′pre(n)を発生する。図11に示すように、予歪信号の過去値は、先ず、利得モジュール1104を使用してファクタs1によってスケーリングされ、状態バッファ1103に記憶される。
[0056]ボルテラインバースの最終出力は、完全インバースモジュールからの出力のスケーリング値である。このようなスケーリングは、s2の利得を有する利得モジュール1105によって行われる。一実施形態では、利得s1及びs2は、パラメータメモリ1101に記憶されている。利得s1及びs2は、固定又は可変であってもよい。別の実施形態では、s1について単位利得(s1=1)を使用し、パラメータメモリにモデルパラメータを適切にスケーリングした値といったようなパラメータの関連するセットを記憶しておくことができる。s1及びs2の値は、スピーカーに依存している。携帯電話に設けられる典型的なスピーカーの場合には、s1は0.005から1の間であり、s2は、s1の逆数とすることができる。
[0057]図12は、多項式係数計算器及び多項式根ソルバからなるMVWHモデルのボルテラ部分の完全インバースの一実施形態のブロック図である。図12を参照すると、多項式係数計算器モジュール1202Aは、パラメータメモリ1201からのスピーカーモデルパラメータ、状態バッファ1203からの予歪信号の過去の値、及び入力信号d(n)を使用して、p次多項式の(p+1)の係数を算出する。多項式根ソルバ1202Bは、算出された係数を使用して、この多項式の実根を算出する。算出された根は、完全インバースの出力d′pre(n)を構成する。
[0058]出力d′pre(n)は、s1の利得を使用して利得モジュール1204によってスケーリングされる。スケーリングされた値は、後の計算用に、状態バッファ1203に記憶される。
[0059]図13は、MVWHモデルのボルテラ部分の完全インバースの別の実施形態を示しており、ここでは、完全インバースを表す多項式が三つの略時間依存した係数A(n)、B(n)及びC(n)を有する二次多項式であるような。この場合の二次式は、次の式(1)として与えられる。
A(n)d′ pre(n)+B(n)d′pre(n)+C(n)=0 (1)
この式のルートが完全インバースの出力d′pre(n)を与える。この実施形態における多項式根ソルバは、二次式ソルバである。
[0060]図13を参照すると、これら係数を算出する一方法は、次の式によって与えられる。
Figure 0004913804

[0061]ここで示したように、これら係数は、スピーカーモデルのパラメータ{H1,H2}、予歪信号の過去のスケーリング値d″pre(n)(状態)、及び入力信号d(n)に依存している。
[0062]式(2a)、(2b)及び(2c)から明らかなように、この二次式の係数は、定数でなく、それらは、予歪信号の過去のスケーリング値d″pre(n−i)、及びスピーカーモデルのパラメータに依存している。
[0063]これらの式によって示すように、図13におけるフィードバックにより、サンプル毎に完全予歪フィルタのパラメータが調整される。かくして、入力信号の各サンプルについて、異なる二次式が解かれることになる。従って、完全インバースは、固定でなく、そのパラメータは、時間につれて変化する。
[0064]一実施形態では、根は、次の式によって与えられる。
Figure 0004913804

[0065]ここで示したように、一般的に、複数の根がある。p次多項式の場合には、一般的に、p個の根があり、二次式の場合には、一般的に、二つの根がある。これらの根の全てが解として使用するための候補となりうるが、一つの根のみを後の処理のために選択する。候補解を選択するために、種々の基準を使用することができる。一実施形態では、選択される根は、実数でなければならない。実根が存在しない場合には、予補償エラーe(n)が最小となるように、d′pre(n)用の代替の実数値を選択することができる。p次多項式の場合に、pが奇数であるならば、少なくとも一つの実根が存在することが保証されている。pが偶数であり、実根が存在しないならば、d′pre(n)に関して微分することにより、p次多項式から(p−1)次多項式を導出することができる。導出した多項式は、奇数である次数(p−1)を有し、実根を有することが保証されている。(p−1)次多項式の実根は、予補償エラーを最小とする。二次多項式の場合に、実根が存在しない場合には、予補償エラーを最小とする代替の実数解は、次の式によって与えられる。
Figure 0004913804

[0066]異なる有効解(根)により、予補償器の全性能が異なることがある。例えば、ある根によれば、バイアス値を有する予歪信号を発生することができる。このような特性は、特定の用途に望ましいものであることもあれば、そうでない場合もある。従って、複数の根から一つの根を選択する方法に依存して、多数の異なる実施が生じ得る。一実施形態では、最も小さい絶対値を有する実根が使用される。
[0067]図14は、予補償処理の一実施形態のフロー図である。この処理は、ハードウエア(回路、専用ロジック等)、ソフトウエア(汎用コンピュータシステム又は専用マシンにて実行されるような)、又はそれらの組合せを含む処理ロジックによって実行される。一実施形態では、処理ロジックは、予補償器の一部である。
[0068]以下、図14を参照する。処理ロジックは、先ず、状態バッファを初期化する(処理ブロック1401)。初期化後、処理ロジックは、入力データストリームを受け取る(処理ブロック1402)。そして、処理ロジックは、スピーカーモデルパラメータ、予歪フィルタの過去の状態、及び入力信号を使用して、完全インバース多項式の係数を(例えば、式(2a)、(2b)及び(2c)に従って)算出する(処理ブロック1403)。
[0069]係数を計算した後、処理ロジックは、完全インバース多項式の一以上の根を算出し(処理ブロック1404)、予補償エラーを最小とする(又は減少させる)多項式の実根、又は代替の実数解を選択する(処理ブロック1405)。次いで、処理ロジックは、選択した解をスケーリングし、スケーリングした値を次の根計算用に状態バッファに記憶する(処理ブロック1406)。こうして、別のファクタ(s2)によってスケーリングされた根ソルバの出力が、予補償器出力として出力される。
[0070]その後、処理ロジックは、処理されるサンプルが最後のサンプルであるかを検証する(処理ブロック1407)。もし、入力データが空となっていない(即ち、処理されるサンプルが最後のサンプルでない)ならば、処理ロジックは、処理ブロック1402へ移行し、そこで、次のデータサンプルを読み取り、多項式の係数の計算、根の計算及び選択、並びに過去の状態の記憶を繰り返し行う。もし、入力データが空であるならば、この処理は終了する。
[0071]本発明の一実施形態の効果は、スピーカーの歪みの補償がより良好に行われ、スピーカーからの音の品質がより高められるということにある。
<構成要素及びインターフェース>
[0072]本明細書に説明する技法を含む装置及び/又はシステムは、多くの構成要素を有している。例えば、インバース多項式の係数及び根を算出するための中央処理装置(CPU)又はデジタル信号プロセッサ(DSP)が含まれる。スピーカーモデル、予補償器パラメータ、及び入力信号の一部を記憶するためのメモリは、このような装置及び/又はシステムの一部である。さらに、アナログ及びデジタル利得素子が、オーディオシステムに含まれ得る。これらは、デジタル乗算器及びアナログ増幅器を含み得る。一つのこのような装置は、携帯電話である。図15は、携帯電話の一実施形態のブロック図である。
[0073]以下、図15を参照する。携帯電話1510は、アンテナ1511、無線周波数トランシーバ(RFユニット)1512、モデム1513、信号処理ユニット1514、制御ユニット1515、外部インターフェースユニット(外部I/F)1516、スピーカー(SP)1517、マイクロフォン(MIC)1518、表示ユニット1519、演算ユニット1520、及びメモリ1521を備えている。
[0074]一実施形態では、外部端末1516は、外部インターフェース(外部I/F)、CPU(中央処理装置)、表示ユニット、キーボード、メモリ、ハードディスク及びCD-ROMドライブを有する。
[0075]CPUは、携帯電話1510のメモリ(例えば、メモリ1521、外部I/F1516のメモリ、及びハードディスク)と協働して、前述したオペレーションを実行する。
<例示のコンピュータシステム>
[0076]図16は、本明細書で説明した一以上のオペレーションを実行することのできる例示のコンピュータシステムのブロック図である。図16を参照すると、コンピュータシステム1600は、例示的なクライアント又はサーバーコンピュータシステムである。このコンピュータシステム1600は、情報を通信するための通信機構又はバス1611、バス1611と結合されており情報を処理するプロセッサ1612(例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)等)を備えている。プロセッサ1612は、これに限定されるのではないが、例えば、Pentium(商標)、PowerPC(商標)等のようなマイクロプロセッサであってもよい。プロセッサ1612は、完全インバース多項式の係数を算出する。
[0077]システム1600は、更に、バス1611に結合されており、且つ、情報及びプロセッサ1612によって実行される命令を記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置1604(メインメモリと称する)を備えている。メインメモリ1604は、プロセッサ1612による命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を記憶することにも使用できる。例えば、一実施形態では、一以上のメモリに、スピーカーモデル、予補償器パラメータ、及び入力信号の一部を記憶させることができる。
[0078]コンピュータシステム1600はまた、バス1611に結合されており、且つ、プロセッサ1612のための静的情報及び命令を記憶する読取り専用メモリ(ROM)及び/又は他の静的記憶装置1606、磁気ディスク又は光ディスクといったデータ記憶装置1607、並びに、対応のディスクドライブを備えている。データ記憶装置1607は、情報及び命令を記憶するためにバス1611に結合されている。
[0079]コンピュータシステム1600は、デジタル乗算器及びアナログ増幅器のようなアナログ及びデジタル利得素子と共に、スピーカーを有し得る。
[0080]コンピュータシステム1600は、バス1611に結合されており、且つ、コンピュータユーザへ情報を表示する陰極線管(CRT)又は液晶表示装置(LCD)といった表示装置1621に結合することもできる。英数字及び他のキーを有し、プロセッサ1612へ情報及びコマンド選択を通信する英数字入力装置1622も、バス1611に結合することができる。付加的なユーザ入力装置は、プロセッサ1612へ方向情報及びコマンド選択を通信し、表示装置1621におけるカーソルの移動を制御するために、バス1611に結合されるマウス、トラックボール、トラックパッド、スタイラス、又はカーソル方向キーといったカーソルコントロール1623である。
[0081]バス1611に結合される別の装置は、ハードコピー装置1624であり、これは、紙、フィルム、又は同様のタイプの媒体に情報を記録するために使用される。バス1611に結合される更に別の装置は、電話又はハンドヘルドパームデバイスと通信するための有線/無線通信機能1620である。
[0082]システム1600の構成要素、及び関連のハードウエアのうち任意のもの又は全てが、本発明において使用できるものであることに、注意されたい。しかしながら、他の構成のコンピュータシステムは、それら装置のうちの幾つか又は全てを有していてもよいことが理解されよう。
[0083]本発明の多くの変形及び変更例が、上述の説明を読めば、当業者には明らかになることは明白であるが、本明細書に例示の目的で示し説明した如何なる特定の実施形態も本発明を限定することを意図していないことを理解されたい。従って、種々の実施形態に対する言及は、本発明に不可欠なものともなされる特徴のみを記載した本発明の範囲を限定することは意図していない。
スピーカー等化のための予歪みフィルタを示す図である。 スピーカーの二次ボルテラモデルを示す図である。 スピーカーモデルの二次ボルテラインバースに基づく二次予歪フィルタを示す図である。 スピーカー線形化のためのフィードバックを用いた完全インバースに基づく予歪フィルタを有するオーディオシステムの一実施形態のブロック図である。 線形伝達関数及びそのインバースを示す図である。 更新ボルテラ・ウィーナー・ハマースタインモデル(MVWH)の実施形態を示す図である。 MVWHモデルのインバースの実施形態を示す図である。 アナログ信号源を有するスピーカーシステムのブロック図である。 スピーカーの音レベルが予補償器の前に置かれたデジタル利得素子又は装置によって制御される場合のスピーカーシステムの代替的な実施形態を示す図である。 スピーカーからの音レベルがスピーカーの前に置かれた電力増幅器の可変アナログ利得によって制御される場合のスピーカーシステムの別の代替的な実施形態を示す図である。 MVWHモデルの非線形インバース部分の一実施形態を示す図である。 多項式係数計算器及び多項式根ソルバからなるボルテラモデルの完全インバースの一実施形態を示す図である。 完全インバースを表す多項式が二次多項式である場合の完全インバースの代替的な実施形態を示す図である。 予補償器によって行われる予補償処理の一実施形態のフロー図である。 携帯電話の一実施形態のブロック図である。 本明細書で説明する動作のうちの一つ以上を行うことのできる典型的なコンピュータシステムのブロック図である。
符号の説明
403…予歪フィルタ、402…デジタル−アナログ(D/A)変換器、403…スピーカー、404…スピーカーモデル、405…比較器(減算器)。

Claims (13)

  1. 信号源からスピーカーに入力される入力信号と、スピーカーモデルの予測出力との差である予補償エラーを求めるエラー算出ステップ
    前記スピーカーモデルの完全インバースを算出し、前記エラー算出ステップにおいて算出された予補償エラーを実質的に減少させるための予歪信号を該完全インバースに基づいて発生させるエラー減少ステップと
    を含み、
    前記スピーカーモデルが、前記入力信号を受け取って第1の出力を発生する第1の線形フィルタと、該第1の出力を受け取って第2の出力を発生するボルテラモデルと、該第2の出力を受け取って前記予測出力を発生する第2の線形フィルタとのカスケード構成を含み、
    前記エラー減少ステップでは、前記入力信号及び過去に生成された前記予歪信号に基づいて前記完全インバースを算出する、
    適応型予補償方法。
  2. 前記第1及び第2の線形フィルタのパラメータと、前記ボルテラモデルパラメータを算出するパラメータ算出ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記パラメータ算出ステップが、
    前記ボルテラモデルを前記スピーカーに適用するステップと、
    前記ボルテラモデルに関連するボルテラカーネルを特定するステップと、
    前記第1の線形フィルタ及び前記第2の線形フィルタのカスケード構成が各ボルテラカーネルについて前記ボルテラモデルの線形部に等しいような前記第1の線形フィルタ及び前記第2の線形フィルタを特定するステップと、
    を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記パラメータ算出ステップが、
    勾配降下アルゴリズムを使用して、前記第1及び第2の線形フィルタのパラメータと、前記ボルテラモデルパラメータとを共に決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記エラー減少ステップが
    前記完全インバースを表す多項式の係数を算出するステップと、
    前記多項式の実根を求めることにより前記予歪信号を算出するステップと、
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記エラー減少ステップが
    次の係数計算のために前記実根をスケーリングして記憶するステップと、
    前記予歪信号を前記スピーカーへ供給する前に前記予歪信号を再スケーリングするステップと、
    を更に含む、請求項5に記載の方法。
  7. スピーカーと、
    予歪信号をアナログ信号へ変換し、該アナログ信号を前記スピーカーへ送るためのデジタル−アナログ(D/A)変換器と、
    前記予歪信号を発生するための予補償器と
    を備え
    前記予補償器が、
    信号源から前記スピーカーに入力される入力信号と、スピーカーモデルの予測出力との差である予補償エラーを算出する比較器と、
    前記スピーカーモデルの完全インバースを算出し、該完全インバースに基づいて、前記比較器により算出された予補償エラーを実質的に減少させる前記予歪信号を発生する予歪フィルタと
    を有し、
    前記スピーカーモデルが、前記入力信号を受け取って第1の出力を発生する第1の線形フィルタと、該第1の出力を受け取って第2の出力を発生するボルテラモデルと、該第2の出力を受け取って前記予測出力を発生する第2の線形フィルタとのカスケード構成を含み、
    前記予歪フィルタが、前記入力信号及び過去に生成された前記予歪信号に基づいて前記完全インバースを算出する、
    装置。
  8. 前記予歪フィルタが
    前記完全インバースを表す多項式の係数を算出するための多項式係数計算器と、
    前記係数に応答して前記多項式の算出するための多項式根ソルバと、
    を有する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記多項式係数計算器前記入力信号、前記スピーカーモデルのパラメータと、前記過去に生成された予歪信号とを使用して前記係数を算出する、請求項8に記載の装置。
  10. 前記多項式が二次多項式である請求項8に記載の装置。
  11. 前記根実根である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記多項式根ソルバが二次式ソルバを含む、請求項8に記載の装置。
  13. 前記多項式根ソルバ算出した前記根の中から実根を選択する、請求項8に記載の装置。
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