JP3917116B2 - 反響消去装置、方法、及び反響消去プログラム、そのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
なお、模擬誤差出力手段105は、模擬反響信号変換列を逆線形変換した模擬反響信号列と収音信号列との模擬誤差を線形変換して模擬反響信号変換列の模擬誤差を出力する、あるいは、模擬反響信号変換列と収音信号列を線形変換した収音信号変換列との模擬反響信号変換列の模擬誤差を出力する。
図1の音響信号再生手段としてスピーカを挙げているが、音響信号再生手段としては、再生前段の増幅器やバッファも含む、また、同様に音響信号収音手段は、マイクロホンの後段の増幅やバッファも含む。
本発明の課題は、再生信号と模擬誤差の大きさが同じ比率でスケーリングされても、性能劣化しない非線形処理手段を導入することである。
図3の構成では、従来発明(特許文献2)の図2の構成における再生信号非線形処理手段108と模擬誤差非線形処理手段109の代わりに、更新列非線形制御手段110を設け、この更新列非線形制御手段110より、変換領域反響模擬フィルタ係数更新手段106が生成する変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを、再生信号変換列の大きさと前記模擬誤差の大きさの比に基づき非線形に制御することを特徴とする。
すなわち、前記更新列非線形制御手段は、各線形変換の要素毎に、前記模擬誤差の大きさと前記再生信号変換列の大きさの所定数倍との大小関係を比較し、前記模擬誤差の大きさが小さい場合は、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを保持して前記模擬反響生成手段に与え、前記模擬誤差の大きさが大きい場合は、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを小さくして前記模擬反響生成手段に与える。
本発明は、再生信号変換列の大きさと前記模擬誤差の大きさの比に基づき、変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを非線形に制御する。
非特許文献1の記載の方法に従うと、変換領域反響模擬フィルタ係数更新手段106が生成する変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の、kステップ目における、m番目の変換領域(例えば周波数)の要素を△Hk(m)とすると
(ここで、E(m)は、模擬誤差のm番目の変換領域の要素を示し、X(m)は、再生信号変換列のm番目の変換領域の要素を示し、P(m)は、X(m)のパワーを示し、[*]は複素共役を表し、P(m)=(1−α)P’(m)+α|X(m)|2 であり(P’(m)はk−1ステップのパワーを表す。)、αは、0から1の間で定める平滑化係数である。) また、更新時に正の重み係数μを△Hk(m)に乗じてもよい。μは変換領域の番号mやステップk毎に異なる値を与えてもよい。
(ここで、min{a,b}はaとbの大きくない方を与える関数であり、Hθは、△Hk(m)の位相を表す。)
すなわち、△Hk(m)の振幅(大きさ)に対して、min関数による非線形処理が与えられ、
非線形処理fの第一の実施例では、|E(m)|・|X(m)|/P(m)がS1を越えたとき、△Hk(m)の大きさは、|E(m)|・|X(m)|/P(m)の値に依らず一定値S1であるが、非線形処理fの第二の実施例の場合は、|E(m)|・|X(m)|/P(m)がS2を越えた場合は、|E(m)|・|X(m)|/P(m)に反比例して△Hk(m)の大きさは小さくなる。つまり、|E(m)|・|X(m)|/P(m)の値が非常に大きい場合には、外乱の影響が非常に大きいと想定でき、その場合は、△Hk(m)の大きさを小さくすることにより、模擬精度を高めることができる。ここで、S1、S2は、スピーカ1とマイクロホン2との間の音響的な結合利得の上限を想定できる場合は、その上限値に基づき決定してもよく、また、各変換領域要素m毎に、あるいはステップk毎になる値を与えてもよい。
また、非線形処理fの第一の実施例の代替実施例として、
非特許文献1などに記載されている図5に示す(高速)逆フーリエ変換等による逆線形変換手段71、逆線形変換列の半分を強制的に零とする窓掛け手段72、(高速)離散フーリエ変換等による線形変換手段73から構成される変換領域反響模擬フィルタ係数拘束手段107を更新列非線形制御手段110の後段に設けた図6(第二実施例の反響消去装置)の構成においても、外乱に対する影響を受け難い特性は実現できる。
記録媒体に記録された反響消去プログラム、あるいは回線を介して伝送された反響消去プログラムは、コンピュータに読み取られ、コンピュータ上に前述した各構成要素を実現し、各処理を実行する。
Claims (8)
- 音響信号再生手段へと出力される再生信号を入力し、一定時間蓄積して再生信号列を得る再生信号入力手段と、
前記音響信号再生手段と同一空間に存在する音響信号収音手段から収音信号を入力し、一定時間蓄積して収音信号列を得る収音信号入力手段と、
前記再生信号列を線形変換し再生信号変換列を得る再生信号変換手段と、
前記再生信号変換列を入力し、前記音響信号再生手段から前記音響信号収音手段へと回り込む反響信号の線形変換列を模擬する模擬反響信号変換列を生成する模擬反響生成手段と、
前記模擬反響信号変換列と前記収音信号列とを入力し、模擬反響信号変換列の模擬誤差を出力する模擬誤差出力手段と、
前記再生信号変換列と前記模擬誤差を入力し、前記模擬反響生成手段の変換領域反響模擬フィルタ係数の更新列を生成する変換領域反響模擬フィルタ係数更新手段と、を有する反響消去装置において、
前記模擬反響信号変換列の模擬誤差の変換領域の要素の大きさが前記再生信号変換列中の対応する要素の大きさの所定数倍より大きい場合に、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新手段が生成する前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列中の対応する要素の大きさを小さくして前記模擬反響生成手段に与える更新列制御手段を有することを特徴とする反響消去装置。 - 請求項1に記載の反響消去装置において、
前記更新列制御手段は、
前記線形変換後の要素毎に、前記模擬誤差の大きさと前記再生信号変換列の大きさの設定された所定数倍との大小関係を比較し、前記模擬誤差の大きさが小さい場合は、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを保持して前記模擬反響生成手段に与え、前記模擬誤差の大きさが大きい場合には、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを小さくして前記模擬反響生成手段に与えることを特徴とする反響消去装置。 - 再生される音響信号を入力し、一定時間蓄積して再生信号列を得る手順と、
前記音響信号が再生される同一空間から収音された収音信号を入力し、一定時間蓄積して収音信号列を得る手順と、
前記再生信号列を線形変換し再生信号変換列を得る手順と、
前記再生信号変換列を入力し、再生された音響信号が収音信号に回り込む反響信号の線形変換列を模擬する模擬反響信号変換列を生成する手順と、
前記模擬反響信号変換列と前記収音信号列とを入力し模擬反響信号変換列の模擬誤差を出力する手順と、
前記再生信号変換列と前記模擬誤差を入力し、前記模擬反響信号変換列を生成するための変換領域反響模擬フィルタ係数の更新列を生成する手順と、を有する反響消去方法において、
前記模擬反響信号変換列の模擬誤差の変換領域の要素の大きさが前記再生信号変換列中の対応する要素の大きさの所定数倍より大きい場合に、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列中の対応する要素の大きさを小さくして前記模擬反響信号変換列を生成する手順に与える更新列制御手順と、を有することを特徴とする反響消去方法。 - 請求項3に記載の反響消去方法において、
前記更新列制御手順は、
前記線形変換後の要素毎に、前記模擬誤差の大きさと前記再生信号変換列の大きさの設定された所定数倍との大小関係を比較し、前記模擬誤差の大きさが小さい場合は、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを保持して変換領域反響模擬フィルタ係数更新列として与え、前記模擬誤差の大きさが大きい場合には、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを小さくして変換領域模擬フィルタ係数更新列として与える手順であることを特徴とする反響消去方法。 - 再生される音響信号を入力し、一定時間蓄積し再生信号列を得る処理と、
前記音響信号が再生される同一空間から収音された収音信号を入力し、一定時間蓄積し収音信号列を得る処理と、
前記再生信号列を線形変換し再生信号変換列を得る処理と、
前記再生信号変換列を入力し、再生された音響信号が収音信号に回り込む反響信号の
線形変換列を模擬する模擬反響信号変換列を生成する処理と、
前記模擬反響信号変換列と前記収音信号列とを入力し、模擬反響信号変換列の模擬誤差を出力する処理と、
前記再生信号変換列と前記模擬誤差を入力し、前記模擬反響信号変換列を生成するための変換領域反響模擬フィルタ係数の更新列を生成する処理と、をコンピュータに実行させる反響消去プログラムにおいて、
前記模擬反響信号変換列の模擬誤差の変換領域の要素の大きさが前記再生信号変換列中の対応する要素の大きさの所定数倍より大きい場合に、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列中の対応する要素の大きさを小さくして前記模擬反響信号変換列を生成する手順に与える更新列制御処理を有する反響消去プログラム。 - 請求項5に記載の反響消去プログラムにおいて、
前記更新列制御処理は、
前記線形変換後の要素毎に、前記模擬誤差の大きさと前記再生信号変換列の大きさの設定された所定数倍との大小関係を比較し、前記模擬誤差の大きさが小さい場合は、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを保持して変換領域模擬フィルタ係数更新列として与え、前記模擬誤差の大きさが大きい場合には、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを小さくして変換領域模擬フィルタ係数更新列として与える処理であることを特徴とする反響消去プログラム。 - 再生される音響信号を入力し、一定時間蓄積して再生信号列を得る処理と、
前記音響信号が再生される同一空間から収音された収音信号を入力し、一定時間蓄積して収音信号列を得る処理と、
前記再生信号列を線形変換し再生信号変換列を得る処理と、
前記再生信号変換列を入力し、再生された音響信号が収音信号に回り込む反響信号の線形変換列を模擬する模擬反響信号変換列を生成する処理と、
前記模擬反響信号変換列と前記収音信号列とを入力し、模擬反響信号変換列の模擬誤差を出力する処理と、
前記再生信号変換列と前記模擬誤差を入力し前記模擬誤差反響信号変換列を生成するための変換領域反響模擬フィルタ係数の更新列を生成する処理と、をコンピュータに実行させる反響消去プログラムを記録した記録媒体において、
前記模擬反響信号変換列の模擬誤差の変換領域の要素の大きさが前記再生信号変換列中の対応する要素の大きさの所定数倍より大きい場合に、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列中の対応する要素の大きさを小さくして前記模擬反響信号変換列を生成する手順に与える更新列制御処理と、を有する反響消去プログラムを記録した記録媒体。 - 請求項7に記載の反響消去プログラムを記録した記録媒体において、
前記更新列制御処理は、
前記線形変換後の要素毎に、前記模擬誤差の大きさと前記再生信号変換列の大きさの設定された所定数倍との大小関係を比較し、前記模擬誤差の大きさが小さい場合は、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを保持して変換領域模擬フィルタ係数更新列として与え、前記模擬誤差の大きさが大きい場合には、前記変換領域反響模擬フィルタ係数更新列の大きさを小さくして変換領域模擬フィルタ係数更新列として与える処理であることを特徴とする反響消去プログラムを記録した記録媒体。
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