以下の実施例1では、実施例1に係る報知制御システムの概要および特徴、システムを構成する各装置の構成および処理の流れを順に説明する。なお、本実施例1では、本発明をパチンコ遊技を対象とする遊技システムに適用することとする。
[概要および特徴(実施例1)]
まず最初に、図1及び図2を用いて、実施例1に係る報知制御システムの概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示すシステム構成図である。また、図2は、実施例1に係る報知制御システムの特徴を説明するための説明図である。
図1に示すように、遊技店内に設置される遊技システム1は、ターミナルコントローラ(以下、これを「T/C」と称す。)10を頂点にして、「島」と呼ばれるグループごとに設けられた島コントローラ20、カード発行機50及びカード精算機60が接続された構成となる。さらに、島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機30それぞれに併設されたカード処理ユニット(以下、これを「CRユニット」と称す)30が接続されている。
この遊技システム1では、プリペイドカードPC(CRユニット30及びカード発行機50により遊技者に対して発行され、発行店の識別情報、カード固有の識別コード、発行額、カード種別などが記録される)を記録媒体として用いることができる。
CRユニット30は、プリペイドカードPCに関連付けられた度数の残数(以下、残度数と言う)を上限としてパチンコ玉の貸し出し処理をおこなうことを主機能とするものであり、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者が遊技を行うパチンコ機40それぞれに対して1台ずつペアとなるように用意され、パチンコ機40の相互間に挟まれる形で設置してある。
また、このCRユニット30は、遊技客の利便性を向上させる観点から、遊技客によって投入された紙幣を受け入れた際に、内部のカード収納部にて収納する内蔵カードをプリペイドカードPCとして発行する機能が付加されており、このカード収納部は、内部収納容量として最大「10枚」の内蔵カードを収納することができるように構成されている。なお、カード収納部には、残度数が価値付けられていないプリペイドカードのみが収納されている。
カード発行機50は、現金が入金された場合に、該入金金額に応じた有価価値(度数)が関連付けられるプリペイドカードPCの発行処理並びにプリペイドカードPCに関連付けられた度数に対する加算処理を主機能とするものであり、遊技店に数台設置されている。また、カード精算機60は、プリペイドカードPCに関連付けられた残度数の精算処理を主機能とするものであり、具体的には、プリペイドカードPCの回収と引き換えに残度数に相当する現金を払出す。
遊技者は、カード発行機50から発行されたプリペイドカードPCをCRユニット30に挿入して、パチンコ玉の貸出操作を行うことに加え、CRユニット30に現金を投入することにより、CRユニット単体でのプリペイドカードPCの発行を受けて、パチンコ玉を借り受けることができ、もってパチンコ遊技を行うことが可能となる。
これらのCRユニット30、パチンコ機40、カード発行機50及びカード精算機60は、各島に設けた島コントローラ20を通じてT/C10と称される管理装置の制御下にある。
T/C10は、遊技店に少なくとも1台設置してあり、設置した遊技店の統括管理、例えばカード管理、会員の管理、売上管理などをおこなうとともに、プリペイドカードPC並びに会員カードMCの有価価値に関する情報を記憶管理する部分である。但し、プリペイドカードPCの情報管理は、図示しないプリペイドカード管理T/Cが担っているものとする。
この遊技システム1内には、パチンコ機40に併設されるCRユニット30の機器状態(例えば、紙幣の収納状態やプリペイドカード収納状態など)が警告状態にあるか否かを判定し、警告状態にあると判定した場合に、当該CRユニット30の機器状態が警告状態にある旨を所定の装置にて報知するように制御する報知制御システム3が設けられている。なお、ここで言う「警告状態」とは、運用不能(エラー状態)な機器状態、例えば紙幣フル状態、カードエンプティ状態又はカードフル状態を指すものではなく、その前の警告段階にある機器状態、例えば紙幣ニアフル状態、カードニアエンプティ状態又はカードニアフル状態などを指す。
ここで、本実施例1に係る報知制御システム3は、遠隔操作装置(以下、これを「リモコン」と称す)50にて複数の機器状態それぞれに対応した監視項目の中から監視対象とする監視項目の選択操作を受け付け、監視対象として選択操作を受け付けた監視項目をCRユニット30に通知し、CRユニット30にてリモコン50から通知された監視項目に関する機器状態が警告状態にあるか否かを判定し、警告状態にあると判定した場合に、当該CRユニット30の機器状態が警告状態にある旨を報知するように制御する点に主たる特徴があり、かかる一連の処理によって、遊技店の従業員の業務効率を向上させることができるようにしている。
すなわち、実施例1に係る報知制御システム3では、CRユニット30の機器状態が警告状態にある場合に警告状態にある旨をそのCRユニット30にて報知させる報知制御を行うが、いずれかの監視項目に関する機器状態が警告状態にあるからといって報知制御を直ちに行うことはしない。つまり、リモコン50から監視対象として選択操作を受け付けた監視項目の機器状態が警告状態にある場合にかかる報知制御を行う。
これを具体的に説明すると、実施例1に係る報知制御システム3において、リモコン50では、複数の機器状態それぞれに対応した監視項目の中から監視対象とする監視項目の選択操作を受け付け(1)、監視対象として受け付けた監視項目をCRユニット30に通知する(2)。例えば、図2に示すリモコン50のキー番号「1」には監視項目「紙幣ニアフル」が対応付けられ、キー番号「2」には監視項目「カードニアエンプティ」が対応付けられ、さらに、キー番号「3」には監視項目「カードニアフル」が対応付けられており、これらの対応関係はCRユニット30にて管理されている。リモコン50は、これらの中から押下操作を受け付けた操作キーのキー番号(監視項目を表す情報)をCRユニット30に通知する。なお、本実施例1では、CRユニット30とリモコン50との間では、赤外線による通信を行うこととするが、電波など他の媒体を用いた通信であってもよいし、必ずしも無線による通信を行う必要はない。
一方、実施例1に係るCRユニット30では、リモコン50から監視対象として通知された監視項目に関する機器状態が警告状態にあるか否かを判定する(3)。例えば、リモコン50にて選択操作を受け付けたキー番号が「1」であれば、監視項目「紙幣ニアフル」に関する機器状態「紙幣収納状態」がニアフル状態にあるか否かを判定し、キー番号が「2」又は「3」であれば、監視項目「カードニアエンプティ」及び監視項目「カードニアフル」に関する機器状態「カード収納状態」がニアエンプティ状態又はニアフル状態にあるか否かを判定する。
このとき、CRユニット30では、監視対象となる監視項目に関する機器状態が警告状態にあると判定した場合には、後述する状態表示ランプ301を赤点灯させて警告状態にある旨を報知し(4)、また、警告状態にないと判定した場合には、監視対象外の監視項目に関する機器状態が警告状態であっても状態表示ランプ301の赤点灯による報知を禁止する(5)。
このように、リモコン50から監視対象として通知された監視項目に関する機器状態が警告状態にある場合に当該CRユニット30の機器状態が警告状態にある旨を報知させることで、従業員の役割に適合した要作業台を報知することができるようにし、また、監視対象とした監視項目に関する機器状態が警告状態にない場合には、監視対象外の監視項目に関する機器状態が警告状態であってもその報知を禁止することで、監視対象とした監視項目に関する機器状態が警告状態にない旨を従業員に知らしめ、従業員の役割に関係しないCRユニットを要作業台として報知することを防止することができるようにしている。
したがって、上記した従来技術の例で言えば、いずれかの監視項目に関する機器状態が警告状態にあるという報知を行うことで、従業員に本来の役割に適合した要作業台の点検を強いるのではなく、リモコン50から監視対象として通知された監視項目に関する機器状態が警告状態にある場合に当該CRユニット30の機器状態が警告状態にある旨を報知させることで、従業員の役割に適合した要作業台を報知することができ、上記した主たる特徴のように、遊技店の従業員の業務効率を向上させることが可能になる。
[報知制御システムの構成]
続いて、実施例1に係る報知制御システムを構成する各装置の構成を説明する。なお、以下では、システムの中でも「概要および特徴」と重複する部分の説明は省略しつつ、(1)T/C10、(2)CRユニット30の順に構成を説明する。
(1)T/C10の構成
前述したように、ここでは、図3を用いて、実施例1に係るT/C10の構成を説明する。図3は、実施例1に係るT/C10の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このT/C10は、入力部11と、出力部12と、通信制御IF部13と、操作設定DB14と、グループ設定DB15と、制御部16とを備える。
入力部11は、各種の情報を入力するキーボード、マウスおよびトラックボールなどの指示入力手段であり、例えば、図4に示すリモコン操作設定画面210にてリモコン50の操作キーのキー番号に対応付ける監視項目の設定を受け付けたり、また、図5に示すグループ設定画面220にてCRユニット30のグループ設定を受け付けたりする。
出力部12は、各種の情報を出力するモニタなどの出力表示手段であり、例えば、図4に示すリモコン操作設定画面210や図5に示すグループ設定画面220などの表示を行う。また、通信制御IF部13は、各種装置(例えば、島コントローラ20などの装置)との間で各種通信の制御を行う処理部である。
操作設定DB14は、リモコン50の操作設定を記憶する記憶(格納)手段であり、図4に示すリモコン操作設定画面210を通じて設定されたリモコン50のキー番号及びそれに対応付けられた監視項目を対応付けて記憶している。
グループ設定DB15は、リモコン50の操作対象とするCRユニット30のグループ設定を記憶する記憶(格納)手段であり、図5に示すグループ設定画面220を通じて設定されたCRユニット30の台番号及びそれに対応付けられたグループ番号を対応付けて記憶している。
制御部16は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に関連するものとしては、設定処理部16a及び配信処理部16bを備える。
このうち、設定処理部16aは、リモコン50の操作設定やCRユニット30のグループ設定など各種設定を行う処理部である。具体的には、図4に示すリモコン操作設定画面210にて入力部11を介して受け付けたものをリモコン50の操作設定として操作設定DB14に登録したり、また、図5に示すグループ設定画面220にて入力部11を介して受け付けたものをCRユニット30のグループ設定としてグループ設定DB15に登録したりする。
配信処理部16bは、遊技システム1に配設される各種の装置(例えば、島コントローラ20、CRユニット30やパチンコ機40など)に各種情報を配信する処理部である。例えば、開店時などのCRユニット30の電源がON状態されると、操作設定DB14に記憶されたリモコン50の操作設定をCRユニット30全台に配信し、さらに、グループ設定DB15に記憶された台番号のCRユニット30にその台番号に対応するグループ番号を配信する。
また、配信処理部16bは、リモコン50からCRユニット30を中継して監視項目(監視項目を表す情報を含む)を受け付けた場合に、当該監視項目を複数のCRユニット30に配信する。具体的には、リモコン50からCRユニット30に送信されたキー番号にCRユニット30自身が所属するグループ番号を加えてT/C10に中継されるが、これらキー番号及びグループ番号をCRユニット30全台に配信する。なお、本実施例1では、CRユニット30全台にキー番号を配信することとしているが、グループ設定DB15を参照して該当グループのみにキー番号を配信するようにしてもよい。
(2)CRユニット30の構成
次に、実施例1に係るCRユニット30の構成を説明するが、このCRユニット30の外観構成を説明してから内部構成を説明する。図6は、実施例1に係るCRユニット30の外観構成を示す正面図である。
同図に示すように、このCRユニット30は、縦長の直方体型の筐体として構成したもので、その本体部前面の上寄りには、下方に向かって順に、状態表示ランプ301、カード状態表示LED302、リモコン受光部310、入金可能表示LED303が付設されている。
状態表示ランプ301は、当該CRユニット30の機器状態が警告状態にあるか否かを点灯色の切換えによって表すランプであり、例えば、「緑点灯」により警告状態にない旨を表し、「赤点灯」により警告状態にある旨を表す。
カード状態表示LED302は、当該CRユニット30に内蔵されるプリペイドカードの補充又は回収の要否を点灯/点滅によって表すLEDであり、例えば、「点灯」によりプリペイドカードの補充が必要な旨を表し、「点滅」によりプリペイドカードの回収が必要な旨を表し、また、「消灯」によりプリペイドカードの補充及び回収が不要な旨を表す。
リモコン受光部310は、リモコン50から照射される赤外線を受光するものであり、リモコンから照射される赤外線を通じてCRユニット30に対する各種操作(例えば、監視項目の選択操作やプリペイドカードの補充操作及び回収操作など)を受け付ける。
入金可能表示LED303は、当該CRユニット30に紙幣の入金が可能であるか否かを点灯/点滅によって表すLEDであり、例えば、「点灯」により紙幣の入金が可能である旨を表し、また、「点滅」により紙幣の入金が不可能な旨を表す。
また、本体部前面の中央部には、高額紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」など)を含む紙幣を挿入する紙幣挿入口308、及び、プリペイドカードや会員カードなどの各種カードを挿入するカード挿入口309が設けられている。
さらに、本体部前面の下寄りには、下方に向かって順に、7SEG表示部304、モード表示部305、各種ボタン群、末尾同列に貸出ボタン306及び返却ボタン307が設けられている。
7SEG表示部304は、7セグメントのLEDから形成される表示部であり、当該CRユニット30のランニング表示を行うものである。例えば、挿入紙幣の金額、プリペイドカードの残度数、貯玉数、再プレイ回数やポイントを表示したり、或いは、専用のリモコンによってプリペイドカードの補充操作又は回収操作が行われている場合には、補充すべき枚数又は回収すべき枚数を表示したりする。
モード表示部305は、7SEG表示部304にてどのモードの情報が表示されているかを表示するものである。例えば、「残度数」、「貯玉数」、「再プレイ回数」または「ポイント」のうちいずれの情報を7SEG表示部304に表示しているかを該当ランプの点灯により報知する。
貸出ボタン306は、遊技客による玉貸し要求を受け付ける操作ボタンであり、この貸出ボタン306が押下されると後述する玉貸し処理部39aにて「玉貸し処理」が行われる。また、返却ボタン307は、遊技客によるプリペイドカードの返却要求を受け付ける操作ボタンであり、この返却ボタン307が押下されると挿入中のプリペイドカードがカード挿入口309から返却される。
次に、図7を用いて、実施例1に係るCRユニット30の内部構成を説明する。図7は、実施例1に係るCRユニット30の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、このCRユニット30は、表示部31と、入力部32と、通信制御IF部33と、BVユニット部34と、C/R35と、カード収納部36と、搬送/繰出機構部37と、リモコン受光部310と、記憶部38と、制御部39とを備える。
表示部31は、図6に示した状態表示ランプ301、カード状態表示LED302、入金可能LED303、7SEG表示部304及びモード表示部305などの総称であり、また、入力部32は、各種ボタン群、貸出ボタン306及び返却ボタン307などの総称である。
通信制御IF部33は、当該CRユニット30と他の装置(例えば、T/C10、島コントローラ20、パチンコ機40やカード精算機60などの装置)の間で各種通信の制御を行う処理部である。
BVユニット部34は、紙幣挿入口308に挿入された紙幣の金種を識別する紙幣識別機であり、識別した挿入紙幣の金種を制御部39に出力する。なお、挿入紙幣が偽造紙幣である場合には、当該紙幣を返却する。また、このBVユニット部34は、図示しない紙幣収納部に収納される紙幣の枚数管理も行っている。
C/R35は、カード挿入口309に挿入されたプリペイドカードや会員カードなどの各種カードの読取りを行うカードリーダであり、例えば、これら各種カードからプリペイドカードIDや会員IDなどの情報を読み取って制御部39の玉貸し処理部39aに出力する。
カード収納部36は、残度数が価値付けられていないプリペイドカードを収納する収納部である。具体的には、遊技客がプリペイドカードを持参していなくとも現金により遊技可能にするため、事前に複数枚のプリペイドカードを収納したものであり、内部収納容量として最大「10枚」の内蔵カードを収納することができ、遊技客によって紙幣が挿入されると、複数枚のプリペイドカードうちの一枚がC/R35の位置に繰り出され、現金による度数関連付けの対象とされる。
搬送/繰出機構部37は、各種カードの搬送/繰出を行う機構部である。具体的には、カード挿入口309から挿入されたプリペイドカードをC/R35に搬送したり、C/R35内に保持されたプリペイドカードをカード収納部36に搬送したり、また、カード収納部36に収納された内蔵プリペイドカードをC/R35に繰り出したり、C/R35に保持されたプリペイドカードをカード挿入口309に繰り出したりする。なお、搬送/繰出機構部37は、これらカードの搬送/繰出を行う度にその回数を記録することで、カード収納部36の内部収納枚数を管理している。
記憶部38は、制御部39による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、本発明に関連する情報として、グループ情報38a及び操作設定情報38bを記憶している。これらグループ情報38a及び操作設定情報38bは、CRユニット30起動時にT/C10から配信されるものであり、グループ情報38aは、グループ番号の情報であり、また、操作設定情報38bは、リモコン50のキー番号にそれに対応する監視項目が関連付けられた情報である。
制御部39は、CRユニット30の全体制御を司る制御部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、玉貸し処理部39a、監視対象判別部39b、警告状態判定部39c及び報知制御部39dを備える。
このうち、玉貸し処理部39aは、パチンコ玉の貸出す「玉貸し処理」を行う処理部である。具体的には、残度数が存在するプリペイドカードが挿入された状態で、貸出ボタン306の押下を受け付けた場合に、パチンコ機40に玉貸し指示を行ってパチンコ機40内部の玉投出機構から所定度数分のパチンコ玉を投出させる。
監視対象判別部39bは、当該CRユニット30にていずれの監視項目を監視対象とすべきかを判別する処理部である。具体的には、リモコン50からリモコン受光部310を介してキー番号の通知を受け付けた場合に、記憶部38に記憶された当該CRユニット30のグループ番号をキー番号に加えてT/C10に中継する。なお、これに応答したT/C10の配信処理部16bによって全てのCRユニット30にキー番号及びグループ番号が配信されるが、かかる「キー番号の中継」を行っていない他のCRユニット30の監視対象判別部39bでは、以後に示す動作から始められることとなる。
また、監視対象判別部39bは、T/C10からキー番号及びグループ番号の配信を受け付けた場合に、当該グループ番号が記憶部38に記憶されたグループ番号と一致するか否かを判定し、両者が一致する場合には、記憶部38に記憶された操作設定情報38bを参照して当該キー番号に対応する監視項目を監視対象と判別する。例えば、図5に示す例で言えば、T/C10によってキー番号「3」及びグループ番号「1」が配信された場合には、台番号「0001」〜台番号「0010」のCRユニット30にてキー番号「3」に対応する監視項目「カードニアエンプティ」を監視対象と判別し、また、T/C10によってキー番号「1」及びグループ番号「2」が配信された場合には、台番号「0101」〜台番号「0120」のCRユニット30にてキー番号「1」に対応する監視項目「紙幣ニアフル」を監視対象と判別する。
なお、監視対象判別部39bでは、リモコン50からキー番号を受け付けていない場合並びにT/C10からキー番号及びグループ番号の配信を受け付けていない場合(すなわち、リモコン50にて監視項目の選択操作が行われていない場合)には、かかる監視項目の判別を行わず、紙幣ニアフル、カードニアエンプティ並びにカードニアフルのすべての監視項目を監視対象と判別し、これらの機器状態それぞれの警告状態判定を行うように警告状態判定部39cに要請し、この判定要請を受け付けた警告状態判定部39では、それらの判定結果に応じて報知制御部39dに報知制御を要請する。
警告状態判定部39cは、CRユニット30の機器状態が警告状態にあるか否かを判定する処理部である。具体的には、監視対象判別部39bによって全ての監視項目が監視対象であると判別されている場合には、BVユニット部34にて管理される紙幣の枚数が所定のニアフル値(例えば、「70枚」)以上であるか否かを判定する「紙幣ニアフル判定」、搬送/繰出機構部37にて管理されるプリペイドカードの内部収納枚数が所定のニアエンプティ値(例えば、「2枚」)以下であるか否かを判定する「カードニアエンプティ判定」並びにプリペイドカードの内部収納枚数が所定のニアフル値「8枚」以上であるか否かを判定する「カードニアフル判定」を繰り返し行う。
また、警告状態判定部39cは、監視対象判別部39bによって特定の監視項目が監視対象であると判別されている場合には、その監視項目に関する機器状態が警告状態にあるか否かを判定する。例えば、上記した例で言えば、キー番号「3」に対応する監視項目「カードニアエンプティ」が監視対象であると判別されている場合には、上記した3つの警告状態判定のうち「カードニアエンプティ判定」のみを行う。
報知制御部39dは、警告状態判定部39dによって警告状態にあると判定された場合に、当該CRユニット30の機器状態が警告状態にある旨を報知するように制御する処理部である。具体的には、監視対象判別部39bによって全ての監視項目が監視対象であると判別されている場合、すなわちリモコン50にて監視項目の選択が行われていない場合には、上記した警告状態判定「紙幣ニアフル判定」、「カードニアエンプティ判定」又は「カードニアフル判定」のうちいずれか一つでも警告状態にあると判定されたならば、状態表示ランプ301を赤点灯させて当該CRユニット30の機器状態のいずれかが警告状態にある旨の報知を行う。
一方、報知制御部39dは、監視対象判別部39bによって特定の監視項目が監視対象であると判別されている場合、すなわちリモコン50にて監視項目の選択が行われている場合には、その監視項目に関する機器状態が警告状態にあるならば、状態表示ランプ301を赤点灯させてリモコン50指定の機器状態が警告状態にある旨の報知を行い、また、その監視項目に関する機器状態が警告状態にないならば、監視対象外の監視項目に関する機器状態が警告状態であるとそれ以前に判定されていた場合でも、状態表示ランプ301を緑点灯させて監視対象となる機器項目に関する機器状態が警告状態にない旨を報知する。
このように、リモコン50からキー番号が通知されたCRユニット30がキー番号にグループ番号を加えてT/C10に中継し、T/C10が全てのCRユニット30にキー番号及びグループ番号を配信し、この監視項目の配信を受け付けたCRユニット30の中で自身が所持するグループ番号と一致するCRユニット30にて警告状態判定並びに報知制御を行うことで、例えば、台番号「0002」のCRユニット30にてキー番号「3」を受け付けた場合には、図8に示すグループ番号「1」に所属する台番号「0001」〜台番号「0110」のCRユニット30のうち、キー番号「3」に対応する監視項目「カードニアエンプティ」に関する機器状態が警告状態であるCRユニットにて状態表示ランプ301が赤点灯されるので、従業員がリモコン50を一度操作するだけで複数のCRユニットの中から自身の役割に適合した要作業台があるか否かを点検することができる。
また、監視対象とした監視項目に関する機器状態が警告状態にない旨を従業員に知らしめることで、従業員の役割に関係しないCRユニットを要作業台として報知することを防止することが可能になる。
[処理の流れ]
次に、図9を用いて、実施例1に係る報知制御システムの処理の流れを説明する。図9は、実施例1に係るリモコン50を用いた報知制御処理に関するT/C10、CRユニット30及びリモコン50間の制御シーケンスを示す図である。なお、この処理は、リモコン50にて監視項目の選択を受け付けることを前提とした処理であり、リモコンによる監視項目の指定がない場合の報知制御処理は、既存のものと同一であるので説明を省略する。
同図に示すように、リモコン50では、監視対象とする監視項目の選択操作として複数の操作キーの中からいずれか一つのキー番号の押下操作を受け付け(ステップS901)、押下操作を受け付けたキー番号をCRユニット30に通知する(ステップS902)。
続いて、CRユニット30の監視対象判別部39bは、リモコン50からリモコン受光部310を介して受け付けたキー番号に記憶部38に記憶された当該CRユニット30のグループ番号を加えてT/C10に中継する(ステップS903)。
そして、T/C10の配信処理部16bは、CRユニット30から中継されたキー番号及びグループ番号を全てのCRユニット30に配信する(ステップS904A及びステップS904B)。なお、T/C10からの配信を受け付けた全てのCRユニット30では、以下のステップS905A〜ステップS909A、ステップS905B〜ステップS909B、・・・、ステップS905Z〜ステップS909Zの処理を行うが、これらのCRユニット30では同様の処理が行われるので、本実施例1では、1台のCRユニット30に注目して説明する。
続いて、CRユニット30の監視対象判別部39bは、T/C10から配信を受け付けたグループ番号が記憶部38に記憶されたグループ番号と一致するか否かを判定し(ステップS905A)、両者が一致する場合(ステップS905A肯定)には、記憶部38に記憶された操作設定情報38bを参照して当該キー番号に対応する監視項目を監視対象と判別する(ステップS906A)。
例えば、図5に示す例で言えば、T/C10によってキー番号「3」及びグループ番号「1」が配信された場合には、台番号「0001」〜台番号「0010」のCRユニット30にてキー番号「3」に対応する監視項目「カードニアエンプティ」を監視対象と判別し、また、T/C10によってキー番号「1」及びグループ番号「2」が配信された場合には、台番号「0101」〜台番号「0120」のCRユニット30にてキー番号「1」に対応する監視項目「紙幣ニアフル」を監視対象と判別する。
そして、警告状態判定部39cは、監視対象判別部39bによって判別された監視項目に関する機器状態が警告状態にあるか否かを判定し(ステップS907A)、この警告状態判定部39cによって機器状態が警告状態にあると判定された場合(ステップS907A肯定)に、報知制御部39dは、状態表示ランプ301を赤点灯させてリモコン50指定の機器状態が警告状態にある旨の報知を行い(ステップS908A)、所定時間(例えば、「5分」)が経過する(ステップS909A肯定)まで状態表示ランプ301の赤点灯を継続しから処理を終了する。
上述してきたように、本実施例1に係る報知制御システム3によれば、リモコン50にて複数の機器状態それぞれに対応した監視項目の中から監視対象とする監視項目の選択操作を受け付け、監視対象として選択操作を受け付けた監視項目をCRユニット30に通知し、CRユニット30にてリモコン50から通知された監視項目に関する機器状態が警告状態にあるか否かを判定し、警告状態にあると判定した場合に、当該CRユニット30の機器状態が警告状態にある旨を報知するように制御するように構成したので、従業員の役割に適合した要作業台を報知することができ、遊技店の従業員の業務効率を向上させることが可能である。
次に、実施例2に係る報知制御システムを説明する。なお、以下の実施例2では、実施例1に係る報知制御システム3と相違する点を中心に本実施例2に係る報知制御システム7を説明することとし、実施例1に係る報知制御システム3と同様の構成及び同様の機能を発揮するものについては説明を省略する。
前述したように、ここでは、本実施例2に係る報知制御システム7と実施例1に係る報知制御システム3との相違点を説明する。すなわち、実施例1に係る報知制御システム3では、リモコン50にて監視対象とする監視項目を従業員に選択操作させるのに対し、本実施例2に係る報知制御システム7では、営業時間帯ごとに当該営業時間帯に監視対象とする監視項目の設定を記憶する監視項目設定情報72aを参照しながらCRユニット30が主体的に監視項目を選択する点が主として相違する。
続いて、本実施例2に係る遊技システム5と実施例1に係る遊技システム1との相違点を説明する。図10は、実施例2に係る遊技システムのシステム構成を示すシステム構成図である。同図に示すように、本実施例2に係る報知制御システム7を内包する遊技システム5は、パチンコ遊技を対象とする実施例1に係る遊技システム5とは違い、パチスロ遊技を対象とする遊技システムである点が相違する。
これに伴って、パチスロ遊技が行われるパチスロ機80には、メダル貸し用のCRユニット(以下、単に「CRユニット」という)70が併設されるので、実施例1に係るCRユニット30とは違い、監視項目「メダルエンプティ」をさらに監視する必要がある。
次に、本実施例2に係るT/C60と実施例1に係るT/C10との相違点を説明する。図11は、実施例2に係るT/C60の構成を示す機能ブロック図である。この図11を図3と比較すると、本実施例2に係るT/C60は、実施例1に係るT/C10における操作設定DB14及びグループ設定DB15に代えて、監視項目設定DB61を備える点が相違する。
この監視項目設定DB61は、監視対象とする監視項目の設定を記憶する記憶(格納)手段であり、具体的には、営業時間帯ごとに当該営業時間帯に監視対象とする監視項目の設定を対応付けて記憶している。例えば、図12に示すように、営業時間帯「14:00〜14:15」に監視項目「カードニアエンプティ」を、営業時間帯「16:00〜16:10」に監視項目「紙幣ニアフル」を、営業時間帯「21:30〜23:00」に監視項目「メダルニアエンプティ」を対応付けて記憶している。
また、配信処理部62bは、開店時などのCRユニット70の電源がON状態されると、監視項目設定DB61に記憶された監視項目の設定情報をCRユニット70全台に配信する。
次に、本実施例2に係るCRユニット70と実施例1に係るCRユニット30との相違点を説明するが、実施例1に係るCRユニット30との外観構成の相違点を説明してから内部構成の相違点を説明する。
図13は、実施例2に係るメダル貸し用のCRユニット70の外観構成を示す正面図である。この図13と図6を比較すると、本実施例2に係るCRユニット70は、投出メダルをパチスロ機80の受け皿に誘導するノズル312が本体部前面の下寄りに付設されていることに起因して、7SEG表示部304、モード表示部305、各種ボタン群、末尾同列に貸出ボタン306、返却ボタン307及びカード挿入口309が本体部前面の中央部に配置されている点が相違する。
続いて、本実施例2に係るCRユニット70と実施例1に係るCRユニット30の内部構成の相違点を説明する。図14は、実施例2に係るメダル貸し用のCRユニット70の構成を示す機能ブロック図である。この図14と図7を比較すると、本実施例2に係るCRユニット70は、メダル貸し処理部73aによるメダル貸し指示に連動して内部貯留したメダルをノズル312を介してパチスロ機80の受け皿に投出するメダルホッパ71をさらに備える点が相違する。
この他、記憶部72は、CRユニット70起動時にT/C60から配信される監視項目設定情報72aを記憶している点も相違する。この監視項目設定情報72aは、営業時間帯ごとに当該営業時間帯に監視対象とする監視項目の設定が対応付けられた情報であり、T/C60における監視項目設定DB61に記憶された内容と同一のものである。
さらに、制御部73は、玉貸し処理部39aに代えて、メダル貸し処理を行うメダル貸し処理部73aを備える点が相違する。このメダル貸し処理部73aは、残度数が存在するプリペイドカードが挿入された状態で、貸出ボタン306の押下を受け付けた場合に、メダルホッパ71にメダル貸し指示を行ってノズル312を介してパチスロ機80の受け皿にメダルを投出させる。
[処理の流れ]
次に、図15を用いて、本実施例2に係る報知制御システムの処理の流れを説明する。図15は、実施例2に係る報知制御処理の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、監視対象判別部73bは、現営業時刻が記憶部72に記憶された監視項目設定にて特定の監視項目が規定される営業時間帯(以下、適宜これを「定期時間帯」という)であるか否かを判定する(ステップS1501)。
ここで、監視対象判別部73bによって現営業時刻が「定期時間帯」でないと判定された場合(ステップS1501否定)には、警告状態判定部73cは、BVユニット部34にて管理される紙幣の枚数が所定のニアフル値(例えば、「70枚」)以上であるか否かを判定する「紙幣ニアフル判定」を行う(ステップS1502)。
このとき、警告状態判定部73cによって紙幣収納状態がニアフル状態であると判定された場合(ステップS1502肯定)には、報知制御部73dは、状態表示ランプ301を赤点灯させて当該CRユニット30の機器状態のいずれかが警告状態にある旨の報知を行う(ステップS1503)。
また、警告状態判定部73cは、紙幣収納状態がニアフル状態でないと判定した場合(ステップS1502否定)には、搬送/繰出機構部37にて管理されるプリペイドカードの内部収納枚数が所定のニアエンプティ値(例えば、「2枚」)以下であるか否かを判定する「カードニアエンプティ判定」をさらに行う(ステップS1504)。
このとき、警告状態判定部73cによってカード収納状態がニアエンプティ状態であると判定された場合(ステップS1504肯定)には、報知制御部73dは、状態表示ランプ301を赤点灯させて当該CRユニット30の機器状態のいずれかが警告状態にある旨の報知を行う(ステップS1503)。
また、警告状態判定部73cは、カード収納状態がニアエンプティ状態でないと判定した場合(ステップS1504否定)には、搬送/繰出機構部37にて管理されるプリペイドカードの内部収納枚数が所定のニアフル値(例えば、「8枚」)以上であるか否かを判定する「カードニアフル判定」をさらに行う(ステップS1505)。
このとき、警告状態判定部73cによってカード収納状態がニアフル状態であると判定された場合(ステップS1505肯定)には、報知制御部73dは、状態表示ランプ301を赤点灯させて当該CRユニット30の機器状態のいずれかが警告状態にある旨の報知を行う(ステップS1503)。
また、警告状態判定部73cは、カード収納状態がニアフル状態でないと判定した場合(ステップS1505否定)には、メダルホッパ71にて管理されるメダルの内部貯留量が所定のニアエンプティ値以上であるか否かを判定する「メダルニアエンプティ判定」をさらに行う(ステップS1506)。
このとき、警告状態判定部73cによってメダル貯留状態がニアエンプティ状態であると判定された場合(ステップS1506肯定)には、報知制御部73dは、状態表示ランプ301を赤点灯させて当該CRユニット30の機器状態のいずれかが警告状態にある旨の報知を行う(ステップS1503)。
また、警告状態判定部73cは、メダル貯留状態がニアエンプティ状態でないと判定した場合(ステップS1506否定)には、上記したステップS1501に戻りその後の処理を繰り返し行う。
一方、監視対象判別部73bは、現営業時刻が「定期時間帯」であると判定した場合(ステップS1501肯定)には、記憶部72に記憶された監視項目設定情報72aを参照して現営業時刻に該当する監視項目を監視対象と判別し(ステップS1507)、警告状態判定部73cは、当該監視項目に関する機器状態が警告状態にあるか否かを判定する(ステップS1507)。
このとき、当該監視項目に関する機器状態が警告状態にあると判定された場合には、報知制御部73dは、状態表示ランプ301を赤点灯させて定期時間帯で優先すべき監視項目に関する機器状態が警告状態にある旨の報知を行い(ステップS1503)、上記したステップS1501〜ステップS1507までの処理を繰り返し行う。
上述してきたように、本実施例2に係る報知制御システム7によれば、遊技店の営業時間帯ごとに、当該営業時間帯に監視対象とする監視項目の設定を対応付けて記憶し、記憶した監視項目の設定の中から現営業時間に該当する監視項目を監視対象として選択し、監視対象として選択した監視項目に関する機器状態が警告状態にあるか否かを判定するように構成したので、遊技店の運用状況の変化に追従して特定の監視項目に関する機器状態を他の監視項目に優先して監視することでき、遊技店の従業員の業務効率を効果的に向上させることが可能である。