JP4912226B2 - 魚介類の飼育装置および飼育方法 - Google Patents

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Description

この発明は、水産動物や海藻類などの魚介類を飼育する飼育装置および飼育方法に関し、特に、魚介類の生育に適した飼育装置および飼育方法に関する。
魚介類や植物の発育を促進するために、水中や土壌中に電界を与える装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置は、導電体を絶縁物で完全に被覆した電極板を水中などに対向して配設し、所望の波形の電圧を両電極板に与える。これにより、水中などの生物に対して電界を負荷して生物の発育を促進する、というものである。
また、養殖魚の運動不足を解消するために、飼育水中にパルス電流を流す飼育方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この飼育方法は、飼育水中にパルス電流を流すことで、養殖魚に電気的刺激を与え、強制的に筋肉を運動させて運動不足を解消する、というものである。
特開昭51−51489号公報 特開2003−23915号公報
しかしながら、特許文献1の装置のように魚介類に電界を負荷することでは、魚介類の生育を良好にすることが困難である。また、特許文献2のような飼育方法では、変化が急激な電流波形であるパルス電流によって養殖魚に電気的刺激を与えるため、養殖魚にビリビリ感や過度な刺激を与え、さらにはストレスを与えるおそれがある。その結果、餌の摂食が悪くなるなどの弊害が生じたり、電気的刺激に慣れるまでに長時間を要したりし、養殖魚の生育に適さないものとなる。
そこでこの発明は、魚介類の生育により適した飼育装置および飼育方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、魚介類を飼育する魚介類の飼育装置であって、前記水中に対向して配設される電極と、前記水中に配設された前記電極間に正弦波電流を流す電流負荷手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、電極間に位置する魚介類に正弦波電流が負荷される(流される)。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の魚介類の飼育装置において、前記電極間における前記正弦波電流の電流密度がほぼ均一になるようにする均一化手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、魚介類が電極間のいずれに位置していても、電流密度がほぼ均一な正弦波電流が魚介類に負荷される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の魚介類の飼育装置において、前記正弦波電流の電流密度が10〜1000mA/mに設定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の魚介類の飼育装置において、前記正弦波電流の周波数が25Hz以上に設定されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、魚介類を飼育する魚介類の飼育方法であって、前記魚介類が位置する水域の両端に電極を対向して配設し、前記電極間に正弦波電流を流すことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の魚介類の飼育方法において、前記魚介類が成長期に、前記正弦波電流を流すことを特徴とする。
請求項1および5に記載の発明によれば、電極間に位置する魚介類に正弦波電流が負荷されるため、魚介類の生育を良好にすることが可能となる。すなわち、正弦波電流を魚介類に負荷する(流す)ため、変化が急激なパルス電流を負荷する場合に比べて、魚介類に過度な刺激やストレスを与えることなく、魚介類に適度な電気的刺激を与えて生育を良好にすることが可能となる。しかも、導電性の水を介して魚介類に正弦波電流を負荷するため、電流密度が均一な正弦波電流を魚介類に負荷して、均一な電気的条件下で魚介類を飼育することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、魚介類が電極間のいずれに位置していても、電流密度がほぼ均一な正弦波電流が魚介類に負荷されるため、常に適正な電気的刺激を魚介類に負荷して、魚介類の生育をより良好にすることが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、正弦波電流の電流密度が10〜1000mA/mに設定されている。この電流密度は、魚介類に異常な挙動などを起こさせない電流密度であることが本発明者により確認され、この電流密度にすることで、魚介類の生育をより良好にすることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、正弦波電流の周波数が25Hz以上に設定されている。この周波数は、魚介類に異常な挙動などを起こさせずに、魚介類にストレスを与えない周波数であることが本発明者により確認され、この周波数にすることで、魚介類の生育をより良好にすることが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、魚介類が成長期に正弦波電流を流すため、魚介類の死滅をより効果的に防止することが可能となる。すなわち、魚介類は、その成長期において死滅率が高く、しかも一定数の稚魚が死滅すると、同一環境下の稚魚が病気などによって連鎖的にすべて死滅する傾向がある。これに対し、成長期に正弦波電流を負荷して魚介類の生育、成育を良好にすることで、魚介類の死滅、さらには連鎖的な死滅を効果的に防止することが可能となる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る魚介類の飼育装置(以下、適宜「飼育装置」という)1の概略構成ブロック図である。この飼育装置1は、魚(魚介類)Tを飼育する装置であって、主として、水槽2と、電極3と、電源(電流負荷手段)4と、絶縁変圧器(電流負荷手段)5と、電流制限回路(均一化手段)6とを備えている。
水槽2は、図2に示すような立方体で、中に水W1が満たされている。そして、この水槽2内の両端に、つまり魚Tが泳ぐ(位置する)水域の両端に、同一の電極3が対向して配設されている。すなわち、水槽2の図中左右の内面に沿って、板状で導電性の電極3が配設され、電極3の板面の大きさは、水槽2の左右の内面と同一に設定されている。そして、このような電極3を配設することで、後述する正弦波電流の電流密度が、電極3間において、つまり水槽2内全域において均一になるようになっている。ここで、電極3の材質としては、白金、チタン、ステンレス鋼、導電性樹脂、導電性塗装を施したもの、炭素繊維など生物性毒性がないものなどが挙げられ、また、軽量化のためにパンチングメタル板や金網状のものを使用してもよい。
電源4は、交流電力を供給する商用電源で、安全性を確保するために絶縁変圧器5を介して電極3側に接続されている。つまり、絶縁変圧器5の1次側に電源4が接続され、これにより電源4が対地と切り離され、また、電源4からの電圧が低電圧(例えば、5〜30V)に降圧されるようになっている。なお、低電圧にするのは、より安全性を確保するためである。そして、絶縁変圧器5を介して電源4から電極3に正弦波電圧を印加することで、電極3間の水W1中に正弦波電流が流れる(負荷される)ものである。
また、電源4の周波数、つまり正弦波電流の周波数は50Hzまたは60Hzで、25Hz以上となっている。ここで、周波数が25Hz以上の場合には、魚Tに異常な挙動などを起こさせず、魚Tにストレスを与えないことが本発明者により確認されている。すなわち、周波数が20Hz近傍よりも低い場合には、魚Tが後泳したり、魚Tが多方向に泳いだり(分散)する異常な挙動が確認され、魚Tに何らかのストレスを与えていると推察された。これに対し、周波数が30Hz超では、このような異常な挙動が確認されなかった。この結果、魚Tの種類や水W1の水質なども考慮して、周波数が25Hz以上の場合には、魚Tにストレスを与えないと推考したものである。そして、電源4が商用電源であることで、このような良好な周波数が確保されている。
さらに、周波数が50Hzまたは60Hzであるため、魚Tに電気的刺激を効果的に与えることが可能となっている。すなわち、心筋細胞の興奮に要する電流とその周波数とは、一般に図3に示すような関係(桜井靖久、小野哲章、石山陽事、菊地眞編集「MEの知識と機器の安全」株式会社南江堂、1988年3月1日、p.29参考)を有している。この図から、数10Hz付近、つまり50Hz〜60Hzの付近で電流閾値が最も低く、刺激を受けやすいことがわかる。従って、周波数が50Hzまたは60Hzの正弦波電流を魚Tに負荷する(流す)ことで、わずかな電流値で効果的に魚Tを刺激することが可能となる。
電流制限回路6は、絶縁変圧器5の2次側に接続され、電極3間に流れる電流を制御する回路である。つまり、電極3間における正弦波電流の電流密度を、所定の値で一定にする回路であり、電流密度を10〜1000mA/mに設定、制御している。ここで、正弦波電流の電流密度が10〜1000mA/mの場合には、魚Tに異常な挙動などを起こさせないことが本発明者により確認されており、この範囲内において、水W1の水質や魚Tの種類などに応じて電流密度を設定すればよい。
次に、このような構成の飼育装置1の作用および、飼育装置1による飼育方法について説明する。
魚Tを水槽2に入れた状態で、電源4から交流電力を供給すると、絶縁変圧器5を介して数10V以下の正弦波電圧が電極3に印加され、電流制限回路6によって制御された正弦波電流が、電極3間の水W1中に流される。この際、上記のようにして、電極3間において、つまり水槽2内全域において、正弦波電流の電流密度が一定かつ均一となる。そして、水W1中を泳いでいる魚Tに正弦波電流が負荷され、電気的刺激が与えられる。このような正弦波電流の負荷を、終日連続して、あるいは1日に10時間程度連続して行うものである。なお、実施の形態1にあっては、絶縁変圧器を用いたので、対地に接続される商用電源を用いても、感電や漏電を有効に防止することができる。
以上のようにこの飼育装置1および飼育方法によれば、魚Tを正弦波電流によって刺激するため、魚Tの生育を良好にすることが可能となる。すなわち、変化が急激な電流波形であるパルス電流などを魚Tに負荷すると、魚Tに強い刺激を与えて筋細胞を害したり、ストレスを与えたりするおそれがある。これに対し、正弦波電流を魚Tに負荷するため、魚Tに過度な刺激やストレスを与えることなく、魚Tに適度な電気的刺激を与えて生育を良好にすることが可能となる。しかも、正弦波電流の電流密度および周波数が、魚Tに異常な挙動などを起こさせずに、ストレスを与えない値に設定されているため、魚Tの生育をより良好にすることが可能となる。なお、特許文献1の装置では、水W1中に電流を流すものではないため、魚Tの生育を良好にすることは困難である。
さらに、導電性の水W1を介して魚Tに正弦波電流を負荷するため、電流密度が均一な正弦波電流を魚Tに負荷して、均一な電気的条件下で魚Tを飼育することが可能となる。しかも、上記のように、水槽2内全域において、正弦波電流の電流密度が一定かつ均一となるため、常に適正な電気的刺激を魚Tに負荷して、魚Tの生育をより良好にすることが可能となる。
ここで、稚魚期(成長期)の虎河豚を魚Tとして、この飼育装置1で飼育した場合の結果について説明する。具体的には、飼育装置1で3000匹の虎河豚Tを飼育(以下、適宜「本飼育」という)した場合と、電気的刺激を与えない通常の飼育装置で3000匹の虎河豚Tを飼育(以下、適宜「通常飼育」という)した場合とを比較した。また、本飼育では、正弦波電流の電流密度を60mA/mとし、正弦波電流の周波数を60Hzとし、毎日10時間の連続通電を行った。
図4は、本飼育と通常飼育における虎河豚Tの死亡数、死亡率の結果を示す図であり、図5は、15日間における本飼育と通常飼育の死亡数の経緯の結果を示す図である。これらの結果から、15日間において、本飼育の方が通常飼育に比べて死亡率が著しく低く、しかも死亡の増加傾向(図5での日数に対する死亡数の傾き)が著しく低いことが確認された。また、養殖水槽内で虎河豚Tに通常発生する病気として、ヘテロボツリウム症、滑走細菌症、白点症、尾腐れ病(カラムナリス症)などがあるが、本飼育では滑走細菌症のみが発生し、通常飼育では滑走細菌症、尾腐れ病が発生した。さらに、本飼育による40日後の死亡数は13匹であり、通常飼育による15日後の死亡数35匹よりもはるかに少ない死亡数であった。なお、通常飼育における40日後の死亡数が測定されていないのは、15日後の死亡数が多く、このまま飼育を継続すると連鎖的な死亡を招くと考え、通常飼育の虎河豚Tを40日前に海面養殖に移したためである。また、図6は、10日間の本飼育と通常飼育における50匹の虎河豚Tの総体重の変化を示す結果であり、本飼育の方が通常飼育に比べて体重が増えていることが確認された。
このように、本飼育の方が通常飼育に比べて、死亡率が低く、かつ成長が速いことが確認された。さらに、虎河豚Tの場合、回遊することが知られているが、本飼育では水槽2に早く慣れ、海洋の養殖状態で見られる図7に示すような回遊しながら放射状に遊泳する現象も確認された。これは、養殖業者の間では一般に「元気が良い証拠」と言われている。このため、本飼育では、水槽2内でも虎河豚Tがストレスを感じることなく、海洋に近い状態で飼育が行えていると考えられる。
以上の結果から、本飼育によれば虎河豚Tの稚魚の生育、成育をより良好にすることができる。すなわち、一般的には稚魚期においてその死亡率(死滅率)が高く、しかも一定数の稚魚が死亡すると連鎖的にすべての稚魚が死亡する傾向があるが、本飼育によって稚魚期に正弦波電流を負荷して虎河豚Tの生育、成育を良好にすることで、虎河豚Tの死亡、さらには連鎖的な死亡を効果的に防止することが可能となる。
さらに、上記のように本飼育によって病気の発生が抑制されることから、水槽2内で長期間魚Tを飼育することができ、十分成長した時点で海洋への沖だし(放流や海面養殖など)をし、沖だしの時期を遅らせることも可能となる。さらには、水槽2内で成魚まで育てることも可能となる。また、虎河豚Tのような高級魚においては、その生存率は養殖業者にとって死活問題である。一方、食品として扱う水産物には、抗生物質や抗菌剤、駆虫剤などの残留基準値に規制が設けられている。このため、医薬品などを使用せずに、病気が少なくより安定した状態で養殖が可能な本飼育は、養殖業者にとって甚大な利点をもたらす。
(実施の形態2)
図8は、この実施の形態に係る魚介類の飼育装置10の概略構成ブロック図である。この実施の形態では、電源4の代わりに、発電機(電流負荷手段)7および蓄電池(電流負荷手段)8を備えている点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については同一符号を付して説明する。
この実施の形態では、変圧器5の1次側に発電機7が接続され、さらに、変圧器5の1次側にインバータ(電流負荷手段)9を介して蓄電池8が接続されている。インバータ9は、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置であり、蓄電池8からの直流電力を交流電力に変換して電極3側に供給する。そして、正常時は、発電機7から電極3側に交流電力を供給し、発電機7が停止した場合に、バックアップとして蓄電池8から電極3側に交流電力を供給するようになっている。また、発電機7および蓄電池8は対地から絶縁されているため、変圧器5は絶縁変圧器でなくてもよい。
このような構成の飼育装置10によれば、商用電源を確保できない船上などにおいても、正弦波電流を魚Tに負荷することができる。発電機7やインバータ9から特定の周波数の交流電力をつくり変圧器5により降圧し電流制限6を行うことで、魚Tの種類や水W1の水質などに適した正弦波電流を魚Tに負荷して、魚Tの生育をより良好にすることが可能となる。なお、この実施の形態では、発電機7と蓄電池8とを備えているが、一方のみを備えるようにしてもよいことは勿論である。
(実施の形態3)
図9は、この実施の形態に係る魚介類の飼育装置20の要部構成図である。この飼育装置20は、沖だしと呼ばれる海洋での養殖に使用される装置であり、実施の形態1と同等の構成については同一符号を付して説明する。また、電極3から電流制限回路6側の構成については、実施の形態1または2と同等の構成であるため、説明を省略する。
飼育装置20は、養殖いかだ21と養殖網22とを備えている。養殖いかだ21は、海洋W2に浮かぶ枠状のいかだであり、この養殖いかだ21に袋状の養殖網22が取り付けられている。そして、養殖網22を海洋W2中に配置して、養殖網22の中で魚Tを養殖する。また、養殖いかだ21には、養殖網22の外側に2つの電極3が対向するように配設され、この電極3の大きさは、養殖網22の側面の大きさと同等またはそれ以上に設定されている。これにより、魚Tが泳ぐ(位置する)水域の両端に電極3が対向して位置するようになっている。また、電極3は、プランクトンを養殖網22内に通したりするために、網状となっている。
そして、実施の形態1、2と同様にして交流電力を電極3側に供給することで、電極3間において、つまり養殖網22内全域において、電流密度が一定かつ均一な正弦波電流が流れる。これにより、養殖網22内を泳いでいる魚Tに正弦波電流が負荷され、電気的刺激が与えられるものである。このように、この飼育装置20によれば、沖だしにおいても魚Tに電気的刺激を与えて、生育を良好にすることが可能となる。なお、交流電力の供給については、海洋上に停泊している船舶内の直流電源からインバータを介して供給するようにしてもよい。このようにすることで、陸地から離れた場所で、長時間魚Tに電気的刺激を与えることができる。
(実施の形態4)
図10、11は、この実施の形態に係る魚介類の飼育装置30の要部構成図である。この飼育装置30では、養殖いかだ21と養殖網22とを複数組備えている点で実施の形態3と構成が異なり、実施の形態3と同等の構成については同一符号を付して説明する。
この飼育装置30では、複数の養殖いかだ21が直線状に連結され、連結された養殖いかだ21の両端側に電極3が配設されている。また、電極3間には、等間隔に補助電極(均一化手段)31が配設されている。この補助電極31は導電性の棒体で構成された環状体で、図11に示すように、養殖網22の外側を取り囲むように配設されている。さらに、隣接する補助電極31間および、補助電極31と電極3とに、同容量のコンデンサ(均一化手段)32が接続、配設されている。
このような構成の飼育装置30によれば、電流密度がより均一な正弦波電流をすべての魚Tに負荷することができるものである。すなわち、電極3のエッジ効果による電界の乱れが補助電極31によって抑制されるとともに、補助電極31間などをコンデンサ32で接続することで、補助電極31間の電位勾配が等しくなる。これにより、各養殖網22内に流れる電流密度が均一となり、いずれの養殖網22内にいる魚Tに対しても、電流密度が均一な正弦波電流を負荷することができる。
(実施の形態5)
図12は、この実施の形態に係る魚介類の飼育装置40の要部構成図である。この飼育装置40では、タップ付絶縁変圧器(均一化手段)41を備えている点で実施の形態4と構成が異なり、実施の形態4と同等の構成については同一符号を付して説明する。
タップ付絶縁変圧器41は、各補助電極31および電極3に接続され、タップの切り替えによって、隣接する補助電極31間および、補助電極31と電極3と間の電位勾配が等しくなるようになっている。つまり、各補助電極31に直接電圧を印加することで、電位勾配を等しくするものである。これにより、実施の形態4と同様に、電流密度がより均一な正弦波電流をすべての魚Tに負荷することができるものである。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1において、正弦波電流の電流密度をより安定化させるために、電源4として定電圧電源を用いてもよい。また、上記の実施の形態では、電極3をその板面が垂直になるように配設しているが、水平に配設するようにしてもよい。つまり、例えば、水槽2の上下面に電極3を配設してもよく、この場合、採光および給餌のために上側の電極3を網状にすることが好ましい。さらに、実施の形態4、5において、U字状あるいは棒状の補助電極31を配設してもよく、また、魚介類が魚の場合について説明したが、貝や海藻などにも適用できることは勿論である。
以上のように、この発明に係る魚介類の飼育装置および飼育方法は、魚介類の生育をより良好にすることが可能な装置および方法として極めて有用である。
この発明の実施の形態1に係る魚介類の飼育装置の概略構成ブロック図である。 図1の飼育装置の水槽の正面図である。 心室細動を引き起こす電流閾値と周波数との関係を示す図である。 図1の飼育装置による飼育と通常の飼育とにおける虎河豚の死亡数、死亡率の一例を示す図である。 図1の飼育装置による飼育と通常の飼育とにおける虎河豚の死亡数の経緯の一例を示す図である。 図1の飼育装置による飼育と通常の飼育とにおける虎河豚の総体重の変化の一例を示す図である。 虎河豚が回遊しながら放射状に遊泳する状態を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る魚介類の飼育装置の概略構成ブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る魚介類の飼育装置の要部の正面図である。 この発明の実施の形態4に係る魚介類の飼育装置の要部の正面図である。 図9の飼育装置の一部斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る魚介類の飼育装置の要部の正面図である。
符号の説明
1 魚介類の飼育装置
2 水槽
3 電極
4 電源(電流負荷手段)
5 絶縁変圧器(電流負荷手段)
6 電流制限回路(均一化手段)
7 発電機(電流負荷手段)
8 蓄電池(電流負荷手段)
9 インバータ(電流負荷手段)
10 魚介類の飼育装置
20 魚介類の飼育装置
21 養殖いかだ
22 養殖網
30 魚介類の飼育装置
31 補助電極(均一化手段)
32 コンデンサ(均一化手段)
40 魚介類の飼育装置
41 タップ付絶縁変圧器(均一化手段)
T 魚(魚介類)
W1 水
W2 海洋

Claims (6)

  1. 魚介類を飼育する魚介類の飼育装置であって、
    前記水中に対向して配設される電極と、前記水中に配設された前記電極間に正弦波電流を流す電流負荷手段と、を備えることを特徴とする魚介類の飼育装置。
  2. 前記電極間における前記正弦波電流の電流密度がほぼ均一になるようにする均一化手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の魚介類の飼育装置。
  3. 前記正弦波電流の電流密度が10〜1000mA/mに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の魚介類の飼育装置。
  4. 前記正弦波電流の周波数が25Hz以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の魚介類の飼育装置。
  5. 魚介類を飼育する魚介類の飼育方法であって、
    前記魚介類が位置する水域の両端に電極を対向して配設し、前記電極間に正弦波電流を流すことを特徴とする魚介類の飼育方法。
  6. 前記魚介類が成長期に、前記正弦波電流を流すことを特徴とする請求項5に記載の魚介類の飼育方法。
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