JP4912042B2 - コークスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、コークスの強度を向上させるコークスの製造方法に関するものである.
油脂化学製品を製造する工場の製品製造工程では、脂肪酸ピッチが発生する。かかる脂肪酸ピッチは、燃焼することで処理され、例えば、C重油に代替するボイラー燃料として使用されている。また、脂肪酸ピッチを他の物質と混合して利用・処理する先行技術として、下記特許文献1,2に開示される技術が知られている。
特許文献1は、重質油、水、界面活性剤及び脂肪酸蒸留ボトムを含有してなる水中油滴型のエマルジョン組成物に関するものであり、脂肪酸蒸留ボトムとは、牛脂、やし油、パーム油等を原料として脂肪酸を製造する際に発生する副生成物を指しており、産業廃棄物として処理している脂肪酸蒸留ボトムを燃料として再利用しようとするものである。
特許文献2は、廃棄物を用いたチキソトロピー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物の製造方法に関し、廃棄物としては、油及び/又は水を含む液体成分を含む液状の廃棄物、油及び/又は水を含む液体成分以外に更に固形分を含む液状の廃棄物から選ばれる2種以上の廃棄物であり、更に具体的には、動物性油、植物性油、脂肪酸、油脂、エステル類などがあげられている。
特開平6−264077号公報 特開2001−329276号公報 特開2000−53970号公報 特開2001−200259号公報
従って、脂肪酸ピッチに関しても上記のような処理方法が考えられるが、上記のように燃料として使用する場合、燃焼により地球温暖化を招く温室効果ガスとして知られている二酸化炭素ガスを多く発生し、大気中へと二酸化炭素ガスを直接拡散させることになる。
一方、コークスに他の物質を添加して処理する技術としては、特許文献3,4に開示される技術が知られている。特許文献3は、石炭を加熱乾留してコークスを製造するに際して、重質油と廃プラスチックを混合して加熱・重合処理し、これを石炭の粘結助成剤として原料炭に添加してコークス炉へ装入するコークスの製造方法を開示している。これにより、コークス強度を上昇させるという効果が生じる。ただし、予め添加物を加熱させるため、二酸化炭素などを大気中に拡散させてしまう可能性がある。
特許文献4に開示される技術は、有機系廃棄物を0.05〜1質量%の割合で原料炭に配合してコークス炉の炭化室に装入して、有機系廃棄物と原料炭を乾留するものである。有機系廃棄物としては、食品かす、農水産廃棄物、生ゴミ系廃棄物、汚泥、パルプスラッジ、廃木材が例示されている。これらの有機系廃棄物を添加することによりコークス強度に影響を及ぼさないことが説明されているが、コークス強度を上昇させるという効果は生じていない。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、コークスの製造工程において脂肪酸ピッチを処理するに際し、温室効果ガスである二酸化炭素ガスを大気中に拡散させないようにすると共にコークス強度を上昇させることができるコークスの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係るコークスの製造方法は、
コークス炉に石炭と共に脂肪酸ピッチを装入するに際して、該石炭に添加することによりコークス強度が上昇する油脂化学製品の製造工程から発生する脂肪酸ピッチを用い、該脂肪酸ピッチの添加量を0.5〜2.0wt%とすることを特徴とするものである。
この構成によると、コークスを製造するためのコークス炉に石炭を装入するに際して、石炭と共に脂肪酸ピッチを装入する。石炭と共に脂肪酸ピッチを装入する形態としては、例えば、石炭に脂肪酸ピッチを添加した状態で装入したり、石炭とは別の経路で装入したりできるが、特定の形態に限定されるものではない。脂肪酸ピッチをコークス炉内で石炭と共に処理することで、コークス、コークス炉ガス、タール類などのコークス製造業における製品や副産物として回収することができ、二酸化炭素ガスを大気中に拡散させることなく、有効に活用することができる。また、詳しくは後述するが、油脂化学製品の製造工程から発生する脂肪酸ピッチを用い、石炭に添加することによって、該石炭のコークス強度を上昇させることができるとの実験結果を得ることができた。具体的には、石炭に添加する脂肪酸ピッチの量を2.5wt%以下(ただし、0%超)とすることで、コークス強度を上昇させることが確認された。その結果、温室効果ガスである二酸化炭素ガスを大気中に拡散させないようにすると共にコークス強度を上昇させることができるコークスの製造方法を提供することができる。
本発明において、脂肪酸ピッチの添加量を0.5〜2.0wt%とすることが好ましい。これにより、コークス強度を大きく向上させることができる。
本発明に係るコークスの製造方法の好適な実施形態を説明する。まず、コークスの製造工程について簡単に説明する。
<コークスの製造工程>
岸壁に接岸した石炭運搬船から石炭が陸上げされ、ベルトコンベアにより貯炭場へと搬送される。貯炭場では、石炭の性状(銘柄)ごとに貯蔵される。貯炭場に貯蔵されている石炭は、銘柄ごとに必要な分量がリクレーマーで払い出され、ベルトコンベアにより配合槽へと送り出される。配合槽は複数槽を有しており、1つの配合槽に1つの銘柄の石炭が貯蔵される。石炭は、その性状によりコストの高低があり、品質のよいコークスを安価なコストで製造するために、複数の配合槽から性状の異なる石炭を最適な配合比率で切り出し、コークス製造用の原料炭としての配合が完了する。
すなわち、コークス製造には、種々の種類(銘柄)の石炭を海外から輸入し、銘柄ごとに貯炭場に貯蔵する。これは、各炭鉱で採掘される石炭は、炭鉱ごとに性状が異なり、性状が異なれば製造されるコークスの性状も異なるため、複数の石炭を配合することで、最も安価なコストでユーザーから要求されるコークス性状(品質)を満足することが必要となるためである。
配合された石炭は、粉砕機により所定の粒度になるように粉砕され、石炭銘柄ごとの性状にあわせて適切な粒度になるように調整される。また、石炭と共に粘結材(アスファルト熱分解ピッチなど)を配合し、粘結材と共に石炭を粉砕するようにしてもよい。
粉砕機において粉砕された石炭は、ベルトコンベアでコークス炉のコールビン(石炭塔)に搬送される。粉砕機とコールビンの間には石炭調湿設備や成型炭設備等が配置されていてもよい。粉砕機により粉砕された種々の銘柄の石炭や粘結材は、ベルトコンベアで搬送されて、ベルトの乗り継ぎ部などで自然に混合された状態となる。例えば、石炭調湿設備は、粉砕された石炭の水分を低減し、コークス製造に必要なエネルギーの使用量を減少させ、コークス炉の安定操業や生産性の向上を目的としている。
粉砕された石炭はコールビン(石炭塔)に一旦貯蔵された後、装入車によりコークス炉に装入され、乾留(蒸し焼き)される。コールビンは、貯炭設備を備えており、石炭をコークス炉に装入するための装入車のホッパーに、上方から石炭を充填するように構成されている。石炭は乾留されコークスとなり、押出機によりコークス炉外に押し出される。得られたコークスは赤熱状態であり、湿式消火設備あるいは窒素ガスによる乾式消火設備で消火が行われる。
消火されたコークスは、篩い分け部において篩い分けがなされた後、製品コークスとなる。また、乾留工程でコークス炉ガス、タール類等の副産物が回収され、それぞれ製品となる。コークスは製鉄用の原料として、副産物のコークス炉ガスは燃料や水素原料として、タール類は化学原料として使用される。
<コークス炉での処理>
次に、脂肪酸ピッチのコークス炉10での処理内容を図1、図2の概念図により説明する。本発明は、油脂化学製品を製造する工場の製品製造工程で発生する脂肪酸ピッチをコークス炉にて処理する方法を提供する。脂肪酸ピッチの分析結果の一例を図3に示す。脂肪酸ピッチを燃料として処理する場合は、二酸化炭素ガスを大気に放出することとなり環境に対して悪影響を及ぼすが、コークス炉における処理の場合は、二酸化炭素ガスを大気中に拡散することなく、むしろ製品や副産物として回収できるという利点が生じる。
そこで、脂肪酸ピッチを石炭に添加した上でコークス炉10に装入する。すなわち、石炭をコークス炉10上のコールビンに移送するために送炭ベルト11が使用される。脂肪酸ピッチの添加は、図1に示すように送炭ベルト11上の石炭に脂肪酸ピッチを添加した形で装入車に供給してもよいし、図2に示すように、石炭とは別ルートで装入車のホッパーに添加してもよい。コークス炉10に装入された脂肪酸ピッチは、石炭乾留工程により石炭と同時に乾留され、製品としてのコークスや、タール、粗軽油、コークス炉ガス(COG)等の副産物として回収される。各副産物を回収するために、タールタンク12、粗軽油タンク13、COGホルダー14が設けられている。
もう少し詳しく説明すると、石炭と共にコークス炉10に入れられた脂肪酸ピッチは、コークス炉10の中で加熱乾留されるため、脂肪酸ピッチ自体も熱分解される。この熱分解の結果、脂肪酸ピッチの一部はコークス中に固形炭素として残り、また一部はガス体となり、更に一部はコールタールのような液状物質に変化する。従って、熱分解され炭素固形分となったものは、同じ固体であるコークスに含まれた形となり、製品であるコークスとして回収される。また、ガス体、液体は通常コークス炉10の操業で持ち合わせているガス、タール、粗軽油の回収設備(図1に図番12,13,14で示す)で石炭の熱分解生成物とともに回収される。
<コークス強度確認実験>
次に、脂肪酸ピッチをコークス製造用の石炭に添加してコークスを製造した場合のコークス強度を確認する実験を行なった。試験を行なったのは、図4に示す可動壁試験炉(約300kg規模)であり、固定壁16と可動壁17の間に炭化車18(炭化室として機能する)を挟持した状態で試験を行なう。炉上に設けられた装入口19を介して石炭と脂肪酸ピッチを装入した。脂肪酸ピッチの添加量は、無添加、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.5wt%、1wt%、1.5wt%、2wt%、2.5wt%、3wt%、5wt%添加の11段階で試験を行なった。
図5は、試験結果を示すグラフであり、横軸に脂肪酸ピッチの添加量(wt%)、縦軸にコークス強度を示している。コークス強度はドラム指数(DI150回転15mm)で示しており、脂肪酸ピッチを添加することによりコークス強度が上昇することが認められた。また、コークス強度であるドラム指数は、脂肪酸ピッチの添加量が1wt%のときに最大値をとることが確認された。
なお、ドラム指数(DI)は、衝撃や摩擦に対するコークスの強さを指数で表わしたものであり、コークス強度の評価に広く利用されており、回転強度試験方法により測定される。この試験に使用されるドラムは、内径・長さが共に1500mmで、内面に高さ250mmの羽が6枚垂直に固着されているものが使用される。このドラムに50mm以上のコークスを10kg入れ、15rpmで30回転または150回転させた後、50mm、25mm、15mmの篩で篩い分け、篩上の質量の試料に対する百分率で、各回転に対する強度が表わされる。
図5のグラフから分かるように、脂肪酸ピッチの添加量は2.5wt%以下(ただし0%超)とすることで、コークス強度の上昇が見られる。特に、0.5〜2wt%とすることで顕著な効果が認められる。
<乾留歩留まり実験>
次に、脂肪酸ピッチの乾留歩留まり実験を図6に示す実験装置を用いて行った。その実験方法について、以下説明する。まず、石炭75gを基本に脂肪酸ピッチの添加率を0%、2.0wt%、5.0wt%と変化させて試料とし、乾留レトルト20(小型乾留試験炉)に入れる。乾留レトルト20を外部から加熱できる加熱電気炉21を用いて5℃/分で900℃まで昇温し、900℃で2時間保持して、試料を入れた乾留レトルト20を加熱し乾留を行った。乾留レトルト20から出た熱分解発生ガスと液成分はパイプ22によりパイプ外部を囲む2次分解加熱炉23に到達する。パイプ22を通じて、この2次分解加熱炉23によりさらに加熱された熱分解発生ガスと液成分は、冷却器24およびガス冷却器25により冷却され、液成分は液成分捕集ポット25a,25bに捕集される。液成分が冷却捕集された熱分解発生ガスは、ガスフィルター26を通った後、ガス捕集容器27に貯蔵される。液成分のうち、冷却により凝集しやすいものは前段の液成分捕集ポット25aに捕集され、凝集しにくいものは時間をかけて後段の液成分捕集ポット25bにより捕集される。
上記乾留後、各生成物の量を定量した。乾留レトルト20内に残留する重量を測定しコークスの重量とした。パイプ22内の付着液は完全に液成分捕集ポット25a,25bに移し、液成分を有機系成分と水とに比重分離して回収し、それぞれの重量を測定した。また、ガス捕集容器27内のガス体積を測定し、捕集したガスは、ガスクロマトグラフ(島津製作所製GC−14BPT)を用いてガス組成分析を行った。石炭のみの場合、脂肪酸ピッチを添加した場合の、それぞれについて各生成物の量を定量し、脂肪酸ピッチ無添加時と添加時の差に基づき、脂肪酸ピッチを熱分解することにより得られる各生成物の量(歩留まり)を求めた。脂肪酸ピッチの添加率2.0wt%、5.0wt%のいずれの場合も、脂肪酸ピッチ無添加時と添加時との差に基づいた脂肪酸ピッチから得られる生成物重量比に差異はみられなかった。
脂肪酸ピッチから得られるコークス:ガス:有機系成分:その他の生成物重量比は、ほぼ7:80:11:2の割合になり、生成物の多くはガスとして回収される。なお、ここで有機系成分とは、コークス炉10での石炭乾留で得られる副産物のタールや粗軽油である。ガス組成分析結果から得られた脂肪酸ピッチから得られるガスの組成について表1に示す。脂肪酸ピッチから得られるガスの発熱量は約6800kcal/Nm3となり、通常の脂肪酸ピッチ無添加時のコークス炉ガス発熱量の約1.6倍になった。
Figure 0004912042
以上のように、油脂化学製品を製造する工場の製品製造工程で発生する非製品である脂肪酸ピッチを、コークス炉10に装入する石炭に添加してコークス炉10で処理することで、コークス品質を向上させるだけではなく、コークス、コークス炉ガス、そのほか副産物として回収でき、有効に利用できることを確認した。
脂肪酸ピッチを単純に燃料として使用したのでは、温室効果ガスである二酸化炭素ガスを直接大気中に拡散することになり、地球環境保全に悪影響を及ぼすが、本発明の処理方法によれば、製鉄原料、化学原料に一旦変えることができ、二酸化炭素ガスの直接発生を抑制できる。ちなみに、脂肪酸ピッチを乾留すると、石炭代替としてコークスと燃料ガス等に変換することができることから、脂肪酸ピッチ1トンから約2.8トンの二酸化炭素ガスを抑制することができる。
また、脂肪酸ピッチの流動点は約28℃であり、室温レベルでは流動しにくいが、加熱することで溶融し粘度が低下するため、コークス炉10周辺の熱源を利用して加熱することで液体の状態で移送することができる。
<脂肪酸ピッチの添加方法の別実施形態>
次に、脂肪酸ピッチの添加方法の別実施形態について説明する。前述したのは、脂肪酸ピッチを単独で石炭に添加する方法であったが、図7に示すようにタール滓に脂肪酸ピッチを混合して送炭ベルト11上の石炭に添加することができる。コークス炉操業において発生するタール滓をコークス炉に添加する技術については、例えば、特開平9−40968号公報、特開昭52−98043号公報等に開示されている。
脂肪酸ピッチをコークス炉10に装入する石炭に添加するまでの手順を説明する。タール滓はコークス製造に際して得られる副産物であるタールを回収する工程で分離されるものであり、図7にあるように、貯蔵には温度管理されたタール滓タンク30が用いられる。
コークス工場に受け入れられた脂肪酸ピッチは、このタール滓タンク30内に入れられ、タール滓と混合された状態で貯留される。タール滓は、温度が低くなると粘度が高くなり、脂肪酸ピッチも冷えると固化するため、タンク内は蒸気で加温するようにし、内容物(タール滓と脂肪酸ピッチの混合物)はポンプ31で流動できる程度の流動性を有する状態にしておく。タンク30に貯留されているタール滓と脂肪酸ピッチは、ポンプ31により輸送されて、送炭ベルト11上の石炭に添加することができる。タール滓と共に添加された脂肪酸ピッチは、コークス炉10に装入され処理される。
脂肪酸ピッチは常温では半固体状で、そのままではポンプや配管を用いて移送できないが、上記のようにタール滓と共に28℃以上から80℃以下で保温することで配管による移送が可能になる。タール滓を添加するための装置を利用して脂肪酸ピッチを添加することができるので、大きな設備投資を要することなく脂肪酸ピッチを処理することができる。
図3の脂肪酸ピッチの分析表でも示したように、脂肪酸ピッチの流動点は27.5℃であるから、タール滓タンク30における加温条件としては、28℃以上が好ましく、また従来の装置を過度に加温しなくてもよく余分なエネルギーを要しない80℃以下が好ましい。
以上の構成によれば、特別の装置を製作することなく、従来のタール滓処理設備を用いて脂肪酸ピッチをコークス炉10で処理することができる。また、脂肪酸ピッチをポンプ31を用いて移送できるので、輸送速度の調整により一定の割合で添加することができる。タール滓タンク30に貯留するので、においの拡散や脂肪酸ピッチの飛散がほとんど生じない。
<脂肪酸ピッチ装入の別実施形態>
以上脂肪酸ピッチをコークス炉10に装入する方法として、装入車に石炭と脂肪酸ピッチをそれぞれ別ルートで装入する方法と、送炭ベルト11上の石炭に添加する方法と、石炭に添加する場合にタール滓と共に添加する方法について説明を行ってきたが、これらは一例であり、本発明として、コークス炉に脂肪酸ピッチを装入する方法・装置については、特定の形態に限定されるものではない。
本実施形態では、石炭に脂肪酸ピッチを添加する形態でコークス炉10に装入しているが、石炭の移送ルートとは別に脂肪酸ピッチを移送するための移送ルートを設け、この専用の移送ルートにより脂肪酸ピッチをコークス炉10内に入れるようにしてもよい。脂肪酸ピッチを装入する場合、固形・半固形の状態、流動性を有する状態のいずれの状態で装入してもよい。
脂肪酸ピッチを石炭に添加する場合、コークス炉10への装入の前工程で添加することになるが、どの段階で添加するかについては、適宜設定することができる。石炭に添加する場合も、固形・半固形の状態、流動性を有する状態のいずれの状態で添加してもよい。
タンクに保存する場合、タール滓タンクにタール滓と共に保存するのではなく、脂肪酸ピッチを保存するための専用のタンクを用いて保存してもよい。保存する場合には、所定の温度に加温し、流動性を有する状態で保存することが好ましい。タンクを設ける場合、タンクの設置場所については、適宜の場所に設置することができる。例えば、コークス炉10に石炭を装入するための装入車10aにタンクを取り付けて、この中に脂肪酸ピッチを入れ、その後、パイプを使用して石炭装入と同時に石炭の装入孔から脂肪酸ピッチをコークス炉内に入れることもできる。その他にも種々の変形例が考えられる。
脂肪酸ピッチのコークス炉での処理概要(1)を示す図 脂肪酸ピッチのコークス炉での処理概要(2)を示す図 脂肪酸ピッチの分析結果の一例を示す図 可動式試験炉の構成を示す図 脂肪酸ピッチの添加量とコークス強度の関係を示す実験結果 脂肪酸ピッチの乾留歩留まり実験を行う実験装置を示す図 脂肪酸ピッチをタール滓と共にベルト上の石炭に添加するための設備を示す図
符号の説明
10 コークス炉
11 送炭ベルト
12 タールタンク
13 粗軽油タンク
14 COGホルダー
20 乾留レトルト
21 加熱電気炉
22 パイプ
23 2次分解加熱炉
24 冷却器
25 ガス冷却器
25a,25b 液成分捕集ポット
26 ガスフィルター
27 ガス捕集容器
30 タール滓タンク
31 ポンプ

Claims (1)

  1. コークス炉に石炭と共に脂肪酸ピッチを装入するに際して、該石炭に添加することによりコークス強度が上昇する油脂化学製品の製造工程から発生する脂肪酸ピッチを用い、脂肪酸ピッチの添加量を0.5〜2.0wt%とすることを特徴とするコークスの製造方法。
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