JP2001200259A - コークス炉による有機系廃棄物の処理方法 - Google Patents

コークス炉による有機系廃棄物の処理方法

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JP2001200259A
JP2001200259A JP2000007903A JP2000007903A JP2001200259A JP 2001200259 A JP2001200259 A JP 2001200259A JP 2000007903 A JP2000007903 A JP 2000007903A JP 2000007903 A JP2000007903 A JP 2000007903A JP 2001200259 A JP2001200259 A JP 2001200259A
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coke oven
waste
coal
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Seiji Nomura
誠治 野村
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機系廃棄物を安価にかつ大量に処理する方
法を提供する。 【解決手段】 有機系廃棄物を0.05〜1質量%の割
合で原料炭に配合してコークス炉の炭化室に装入し、前
記有機系廃棄物及び原料炭を乾留するか、又は、有機系
廃棄物を予め脱水・濾過した後、該有機系廃棄物のみを
コークスの炭化室に装入して、熱分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品かす、農水産
廃棄物、汚泥、パルプスラッジ、廃木材、生ゴミ系廃棄
物等の有機系廃棄物をコークス炉によって処理する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食品かす、農水産廃棄物、汚泥、
パルプスラッジ、廃木材、生ゴミ系廃棄物等の有機系廃
棄物の量は増大しつつあり、その処理方法及び有効利用
方法の改良が待たれているところである。
【0003】例えば、コーヒー工場で生じるコーヒー抽
出かすやビールかすの有機系廃棄物を処理する方法とし
ては、特開平2−97804号公報、特開平4−214
111号公報等で開示されている焼却方法がある。しか
しながらこの方法では、焼却に要する費用が生産される
製品コストに付加されて成品価格の増大を招くととも
に、このような抽出滓の発生量は膨大であり、大規模な
乾燥設備や焼却設備、広大なスペースが必要なため多大
な投資が必要となるという問題点がある。また、焼却に
よって発生する焼却灰のほとんどは一般的に産業廃棄物
として最終処分場で処理されるが、近年、処分場の余裕
がなくなってきており、固形廃棄物の処理は非常に大き
な社会問題となりつつある。近年、焼却灰をセメント固
化材として利用する方法等も提案されているが根本的な
解決とはならず、このため、廃棄物の焼却処分の方法
は、必ずしも最善の処理方法とは言い難い。
【0004】一方、有機系廃棄物を積極的に有効利用す
る方法としては、例えばコーヒーの抽出滓をそのまま乾
燥して粒径を揃え、その多孔性を利用して切り花、野菜
等の鮮度保持材として利用する方法が特開昭63−13
3938号公報に、コーヒーの抽出滓を酵素分解して付
加価値の高い可食性植物繊維を製造する方法が特開平3
−15364号公報に、コーヒーの抽出滓に有機物を分
解する微生物を加えて腐植土あるいは腐植土に類似した
土壌改良材を製造する方法が特開平6−234586号
公報に開示されているが、製造コストが高いこと、及
び、処理可能量としてはごくわずかであり、多量に排出
される有機系廃棄物全量を処理するには到底至らないこ
とが問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の種々の
問題を解決するためになされたもので、その目的は、有
機系廃棄物を安価にかつ大量に処理する方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、以下の通りである。
【0007】(1)有機系廃棄物を0.05〜1質量%
の割合で原料炭に配合してコークス炉の炭化室に装入
し、前記有機系廃棄物及び原料炭を乾留することを特徴
とするコークス炉による有機系廃棄物の処理方法。
【0008】(2)有機系廃棄物を予め脱水・濾過した
後、該有機系廃棄物のみをコークスの炭化室に装入し
て、熱分解することを特徴とするコークス炉による有機
系廃棄物の処理方法。
【0009】(3)乾留直前の炭化室下部に有機系廃棄
物を装入し、該有機系廃棄物の上に前記有機系廃棄物を
0.05〜1質量%の割合で原料炭に配合した混合物を
装入することを特徴とする上記(1)のコークス炉によ
る有機系廃棄物の処理方法。
【0010】(4)前記有機系廃棄物を0.05〜1質
量%の割合で原料炭に配合した混合物を乾留終了後に、
炭化室上部の炉頂空間部に有機系廃棄物を装入し、該有
機系廃棄物を熱分解することを特徴とする上記(1)の
コークス炉による有機系廃棄物の処理方法。
【0011】(5)コークス炉の炭化室に前記有機系廃
棄物を0.05〜1質量%の割合で原料炭に配合した混
合物と有機系廃棄物を交互に層状装入することを特徴と
する上記(1)のコークス炉による有機系廃棄物の処理
方法。
【0012】(6)前記有機系廃棄物を0.05〜1質
量%の割合で原料炭に配合した後、成形化して、コーク
ス炉の炭化室に装入することを特徴とする上記(1)の
コークス炉による有機系廃棄物の処理方法。
【0013】(7)前記有機系廃棄物が、食品かす、農
水産廃棄物、生ゴミ系廃棄物、汚泥、パルプスラッジ、
廃木材のうちの一種または2種以上からなることを特徴
とする上記(1)から(6)の何れかのコークス炉によ
る有機系廃棄物の処理方法。
【0014】(8)前記食品かすが、ビールかす、酢か
す、コーヒーかす等の豆類のかす、酒かすのうちの一種
または2種以上からなることを特徴とする上記(7)の
コークス炉による有機系廃棄物の処理方法。
【0015】(9)前記農水産廃棄物が、麦わら、籾
殻、サトウキビ搾りかす、ビート搾りかす、柑橘類搾汁
かす、海草屑、魚屑のうちの一種または2種以上からな
ることを特徴とする上記(7)のコークス炉による有機
系廃棄物の処理方法。
【0016】(10)前記生ゴミ系廃棄物が、家庭生ゴ
ミ、一般生ゴミ、厨芥、残飯のうちの一種または2種以
上からなることを特徴とする上記(7)のコークス炉に
よる有機系廃棄物の処理方法。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者らは、有機系廃棄物の主
成分が炭素、水素、酸素であり、高炉用コークスの原料
である石炭の主成分と基本的に同じであること、及び有
機系廃棄物の熱分解後の残渣は、コークス中の灰分等と
同様に、高炉プロセスにおいて分離選別されることに着
眼して、高炉用コークスの原料として有機系廃棄物を利
用できないか鋭意検討した。
【0018】本発明において、有機系廃棄物としては、
食品かす、農水産廃棄物、生ゴミ系廃棄物、汚泥、パル
プスラッジ、廃木材のうちの1種または2種以上を対象
とする。このうち、食品かすとしては、例えば、ビール
かす、酢かす、コーヒーかす等の豆類のかす、及び酒か
す等があげられ、農水産廃棄物としては、例えば、麦わ
ら、籾殻、サトウキビ搾りかす、ビート搾りかす、柑橘
類搾汁かす、海草屑、及び魚屑等があげられ、生ゴミ系
廃棄物としては、例えば、家庭生ゴミ、一般生ゴミ、厨
芥、及び残飯があげられる。
【0019】本発明では、これらの有機系廃棄物を高炉
用コークスを製造する際の原料として利用し、有機廃棄
物を処理する際の設備として、製鉄プロセスの既設備で
ある原料貯蔵ヤード、原料搬送設備、原料乾燥設備、原
料乾留設備(コークス炉)、残渣搬送設備、残渣処理設
備(高炉)、ガス処理設備等を利用するため、有機廃棄
物の処理設備のために新たな投資は必要としない。
【0020】本発明のコークス炉による有機系廃棄物の
処理方法としては、有機系廃棄物を予め原料炭に配合し
てコークス炉の炭化室に装入後、原料炭とともに有機系
廃棄物を乾留する方法と、コークス炉の複数ある炭化室
うちの数室を有機系廃棄物の熱分解専用炭化室として使
用し、その専用炭化室に有機系廃棄物を全量装入して熱
分解する方法とがある。
【0021】有機系廃棄物を予め原料炭に配合してコー
クス炉の炭化室に装入して、原料炭とともに有機系廃棄
物を乾留する場合は、コークスの生産性向上のメリット
を得るために原料炭に対して有機系廃棄物を0.05質
量%以上の割合で配合するが、有機系廃棄物を使用する
際に発生する残渣等によるコークス強度等の成品の品質
悪化を生じさせない1質量%以下の割合で配合するもの
とする。
【0022】本発明で対象とする有機系廃棄物には、例
えば、コーヒーかす等のように一般に水分を60〜70
質量%含有する高水分有機系廃棄物が含まれる。本発明
においてこのような高水分有機系廃棄物を0.05〜1
質量%の割合で原料炭に配合して乾留する場合は、コー
クス製品の品質の悪化の問題は生じないため、コークス
炉に装入する前に予め高水分有機系廃棄物を乾燥して水
分を減少させる必要はない。この理由は、例えば60〜
70質量%の水分を含有する高水分有機系廃棄物を装入
量の上限である1%の割合で原料炭に配合した場合で
も、全原料炭中の水分の上昇分は1.5〜2.3%程度
であり、これは通常の原料炭中に含まれる水分の変動値
である9〜11%に比べるとコークス炉の操業上許容で
きる範囲であり、コークス製品の品質悪化の影響は非常
に少ないためである。ただし、水分が上昇した分につい
ては、コークス化時間が長くなるので、コークス生産量
を維持するためには、コークス炉への熱供給量を増加さ
せる必要がある。この場合においても、装入前に有機系
廃棄物中の水分を予め15%程度まで低下させれば、1
質量%の割合で石炭中に配合した場合では、水分の上昇
はたかだか0.18%とほとんど無視できるレベルであ
るので、装入前に有機系廃棄物中の水分を予め低下させ
ることが望ましい。
【0023】一方、本発明において、有機系廃棄物を原
料炭に配合しないで、全量有機系廃棄物をコークス炉の
熱分解専用炭化室で熱分解する場合は、高温の炭化室内
に多量の水が一気に供給され熱衝撃により炭化室内煉瓦
が損傷するのを防止するために、有機系廃棄物中の水分
を予め15%程度まで低下させた後、コークス炉に装入
する必要がある。
【0024】本発明で有機系廃棄物中の水分をあらかじ
め15%程度まで低下させる方法としては、製銑プロセ
スの既存設備である原料炭貯蔵ヤードに放置して自然乾
燥により水分を減じたり、あるいは、図1に示すコーク
ス製造プロセスの付帯設備である水処理設備を用いるこ
とができる。図1に示すように、通常は、コークス製造
プロセスで発生する微粉炭を回収後、シックナー1で微
粉炭を沈殿させることにより、上澄と水分:50〜70
質量%の微粉炭含有スラリーとに分離し、さらに微粉炭
含有スラリーを脱水・濾過装置2によって脱水・濾過し
て、水分:10〜20質量%の固形物とする。得られた
固形物は搬送ライン3によって搬送され、固形物用ホッ
パー4に一旦貯蔵後、所定量切り出されて、原料炭用ホ
ッパー5から切り出された原料炭とともにコークス炉6
まで搬送されてコークス炉6で乾留される。
【0025】本発明において有機系廃棄物を原料炭に配
合しないで、全量有機系廃棄物をコークス炉の熱分解専
用炭化室で熱分解する場合は、予め、例えば、図1に示
されるような脱水・濾過装置2を利用することにより高
水分有機系廃棄物中の水分を15%以下まで脱水・濾過
して固形物とし、その後、コークス炉6で乾留するもの
である。この場合、高水分有機系廃棄物は、通常操業の
シックナー1で分離して得られた水分50〜70質量%
の微粉炭含有スラリー中に添加して、脱水・濾過装置2
によって、前記スラリー中の固形物とともに脱水濾過し
て使用してもよい。
【0026】また、本発明において、有機系廃棄物を
0.05〜1質量%の割合で原料炭に配合して乾留する
場合には、更に以下の装入方法を用いることによって乾
留後のコークス製品の品質を劣化させずに、有機系廃棄
物を大量に処理することができる。
【0027】第1の装入方法としては、乾留直前の炭化
室が空窯の状態で有機系廃棄物を炭化室の下部に装入
し、この上に有機系廃棄物を0.05〜1質量%の割合
で原料炭に配合した混合物を装入する方法である。この
装入方法により、コークスの製品品質の劣化がなく、さ
らに多量の有機系廃棄物を処理することが可能となる。
また、この方法で、炭化室の下部に装入した有機系廃棄
物の上に、有機系廃棄物を配合しない原料炭のみを装入
しても良く、この場合にもコークス製品の品質を劣化さ
せずに、有機系廃棄物を処理できる。
【0028】第2の装入方法としては、有機系廃棄物を
0.05〜1質量%の割合で原料炭に配合して装入し、
コークス炉で乾留後に、炭化室上部の炉頂空間部にさら
に有機系廃棄物を装入してコークス製品を排出するまで
の時間で有機系廃棄物を熱分解する方法、または、コー
クス炉の炭化室に有機系廃棄物を0.05〜1質量%の
割合で原料炭に配合した混合物と有機系廃棄物を交互に
層状装入して乾留する方法である。これらの方法では、
コークス炉の炭化室内において、有機系廃棄物が有機系
廃棄物と原料炭の混合物と離れた部位にまとまって装入
されるため、有機系廃棄物と原料炭との相互作用を極力
小さくし、よって乾留後のコークス製品の品質劣化を避
けることができるものであり、この方法により、さらに
多量の有機系廃棄物を処理することが可能となる。この
方法において、有機系廃棄物を0.05〜1質量%の割
合で原料炭に配合した混合物を全量原料炭に置き換え
て、原料炭のみをコークス炉に装入・乾留後、炉頂空間
部に有機系廃棄物を装入して熱分解したり、または、コ
ークス炉の炭化室に原料炭のみと有機系廃棄物を交互に
層状装入して乾留しても、乾留後のコークス製品の品質
を劣化させずに、有機系廃棄物を処理できる。
【0029】また、本発明で有機系廃棄物を0.05質
量%以上の割合で原料炭に配合してコークス炉に装入す
る場合、有機系廃棄物を原料炭に配合し混合後、さらに
成形した後にコークス炉に装入することが乾留後のコー
クス品質をさらに向上させるために好ましい。この有機
系廃棄物を原料炭に配合後、成形することによるコーク
ス品質の向上は、有機系廃棄物の多量添加時のコークス
品質への悪影響を補填する効果があるため、さらに多く
の有機系廃棄物を処理することが可能となる。この場
合、バインダーを添加して成形しても、添加せずに成形
しても良い。
【0030】本発明によれば、通常の原料炭をコークス
炉で乾留する場合の温度は、最高が1300℃にもなる
ため、有機系廃棄物は完全に分解される。したがって、
本発明で有機系廃棄物を乾留する場合の乾留温度及びそ
の温度パターンは、通常の石炭を乾留する際の操業条件
でよい。
【0031】また、本発明によって、有機系廃棄物はコ
ークス炉で熱分解され、タール、可燃性ガス等が生成さ
れるが、以下のように有効に再利用される。
【0032】従来からコークス炉の付帯設備として、原
料炭の乾留過程で発生する石炭熱分解ガス及びタール成
分を処理するガス処理設備が設置されている。有機系廃
棄物の熱分解によって発生するタール状成分は、この既
存ガス処理設備を用いることにより、通常操業時に原料
炭から発生するタールと同様に回収することが可能であ
り、さまざまな有機系化学物質の原料として有効利用す
ることができる。同様に、このガス処理設備を用いるこ
とにより、有機系廃棄物の熱分解により生成する高カロ
リーの可燃性ガスについても、製鉄所内の熱源をまかな
う可燃性ガスの一部として有効利用することが可能であ
る。
【0033】また、有機系廃棄物の熱分解によって残渣
が生成され、一部コークス中に残留し、乾留後にコーク
製品とともに炉外に排出される。この残渣の組成は炭素
と灰分であり、これは通常、原料炭を乾留して得られた
コークス製品を構成する成分と同じである。残渣中の炭
素分については、高炉に装入後、鉄鉱石の還元剤及び熱
源として利用される。また、残渣中の灰分については、
通常のコークス中の灰分と同様に、そのほとんどが高炉
においてスラグとして分離され、出銑後除去されてセメ
ントや路盤材などとして有効利用される。すなわち、本
発明によれば、コークス炉によって有機系廃棄物を処理
することで、従来の有機系廃棄物の焼却処分法において
問題であった灰の処理についての問題が全くなくなるだ
けでなく、上記のように有機系廃棄物の熱分解で得られ
たタール、可燃性ガス等の生成物を有効利用できるもの
である。
【0034】本発明によれば、銑鉄生産量1万トン/d
の高炉を持つ製鉄所において、銑鉄1トンを生産するの
に必要な石炭量を500kg、配合炭への有機系廃棄物
の配合割合を1質量%とした場合、最大で5000t×
0.01=50t/dもの多量の有機系廃棄物を処理す
ることが可能である。
【0035】
【実施例】粘結炭80%、非微粘結炭20%からなる配
合炭(配合炭の最高流動度2.5)を水分8%に調整し
た後、有機系廃棄物として水分10%に脱水したコーヒ
ー滓を前記の配合炭に1質量%配合した条件、前記コー
ヒー滓を2質量%配合した条件、前記の配合炭のみ(有
機系廃棄物を配合しない)の条件の3水準において、炉
幅425mm、炉長600mm、炉高400mmの試験
コークス炉を用いて、装入密度0.83t/m3で装入
し、炉温1250℃で18.5時間乾留し、その後、コ
ークス強度を測定した。
【0036】ここで、コークス強度とは、JIS K2
151に記載のドラム強度試験法により測定される、ド
ラム150回転後に15mm篩上の残存した重量比で表
すドラム強度指数である。また、石炭の最高流動度と
は、JIS M8801に記載のギーセラープラストメ
ーター法により測定した値である。
【0037】配合炭のみ(有機系廃棄物のコーヒー滓を
全く配合しない)の条件でのコークスのドラム強度指数
は84.0であった。これに対して、有機系廃棄物のコ
ーヒー滓を本発明の範囲から外れる2質量%の割合で配
合炭に配合した場合、ドラム強度指数は83.1と低下
した。一方、有機系廃棄物のコーヒー滓を本発明の範囲
である1質量%の割合で配合炭に配合した場合のドラム
強度指数は83.9と配合炭のみ装入時とほぼ同じであ
り、コークス強度に悪影響を及ぼさないことがわかっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、コークス炉によ
り有機系廃棄物を処理することにより、処理設備を新設
することなく安価にかつ大量に有機系廃棄物を処理する
ことが可能となる。また、従来の焼却処分法のような灰
の処理の問題がなく、有機系廃棄物の熱分解により発生
する可燃性ガス、タール、残渣等は有効利用することが
できるので、極めて合理的なリサイクル処理方法とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】既存のコークス製造設備を利用して本発明を実
施する例を示す図である。
【符号の説明】
1 シックナー 2 脱水・濾過装置 3 搬送ライン 4 固形物用ホッパー 5 原料炭用ホッパー 6 コークス炉

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機系廃棄物を0.05〜1質量%の割
    合で原料炭に配合してコークス炉の炭化室に装入し、前
    記有機系廃棄物及び原料炭を乾留することを特徴とする
    コークス炉による有機系廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 有機系廃棄物を予め脱水・濾過した後、
    該有機系廃棄物のみをコークスの炭化室に装入して、熱
    分解することを特徴とするコークス炉による有機系廃棄
    物の処理方法。
  3. 【請求項3】 乾留直前の炭化室下部に有機系廃棄物を
    装入し、該有機系廃棄物の上に前記有機系廃棄物を0.
    05〜1質量%の割合で原料炭に配合した混合物を装入
    することを特徴とする請求項1に記載のコークス炉によ
    る有機系廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記有機系廃棄物を0.05〜1質量%
    の割合で原料炭に配合した混合物を乾留終了後に、炭化
    室上部の炉頂空間部に有機系廃棄物を装入し、該有機系
    廃棄物を熱分解することを特徴とする請求項1に記載の
    コークス炉による有機系廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 コークス炉の炭化室に前記有機系廃棄物
    を0.05〜1質量%の割合で原料炭に配合した混合物
    と有機系廃棄物を交互に層状装入することを特徴とする
    請求項1に記載のコークス炉による有機系廃棄物の処理
    方法。
  6. 【請求項6】 前記有機系廃棄物を0.05〜1質量%
    の割合で原料炭に配合した後、成形化して、コークス炉
    の炭化室に装入することを特徴とする請求項1に記載の
    コークス炉による有機系廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記有機系廃棄物が、食品かす、農水産
    廃棄物、生ゴミ系廃棄物、汚泥、パルプスラッジ、廃木
    材のうちの一種または2種以上からなることを特徴とす
    る請求項1から請求項6の何れか1つに記載のコークス
    炉による有機系廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】 前記食品かすが、ビールかす、酢かす、
    コーヒーかす等の豆類のかす、酒かすのうちの一種また
    は2種以上からなることを特徴とする請求項7に記載の
    コークス炉による有機系廃棄物の処理方法。
  9. 【請求項9】 前記農水産廃棄物が、麦わら、籾殻、サ
    トウキビ搾りかす、ビート搾りかす、柑橘類搾汁かす、
    海草屑、魚屑のうちの一種または2種以上からなること
    を特徴とする請求項7に記載のコークス炉による有機系
    廃棄物の処理方法。
  10. 【請求項10】 前記生ゴミ系廃棄物が、家庭生ゴミ、
    一般生ゴミ、厨芥、残飯のうちの一種または2種以上か
    らなることを特徴とする請求項7に記載のコークス炉に
    よる有機系廃棄物の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007321030A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Kansai Coke & Chem Co Ltd コークスの製造方法
JP2013534265A (ja) * 2010-08-19 2013-09-02 西峡龍成特種材料有限公司 電熱式炭材分解設備

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