JP4911366B2 - Ponシステム及び局側装置 - Google Patents
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Description
この光通信システムにおいて、局側装置OLTと各宅側装置ONUとの間を、それぞれ1本の光ファイバで放射状に結ぶ(Single Star)構成を有する光ファイバ通信ネットワークが構築,実用化されている。このネットワークの構成では、システムや通信機器などの構成は簡単になるが、1つの宅側装置ONUが、一本の光ファイバを占有しており、局側装置OLTにこの光ファイバを直接配線接続しなければならない。よって、宅側装置ONUがN局あれば、局側装置OLTから直接配線接続される光ファイバがN本必要となり、光通信システムの低価格化を図るのが困難である。
1つの光通信システムには、宅側装置ONUは通常、複数存在し、光カプラで分岐された光ファイバが、各宅側装置ONUの数に合わせて布設されている。
この二重化PONシステムは、光カプラと局側装置OLTとの間の光ファイバ伝送路を二重化し、局側装置OLTにおいて二重化された光ファイバ伝送路からのデータをそれぞれメモリに書き込み、書き込まれたデータの比較を行い、比較の結果正常であれば、現用系・予備系の切替を許容する。
しかし地震などの災害により局舎所在地の建物損壊、停電及び光路破断などのトラブルが生じた場合、二重化システムが丸ごと稼動停止してしまうため、復旧に時間がかかってしまう。このため、局側装置OLTを地理的に離れた場所に複数設けて、より完全な二重化を図ったPONシステムが望まれている。
この構成の光通信システムであれば、第二の局側装置は、第一の局側装置と異なる長さの光ファイバを通して前記光カプラに接続されることになる。前記第一の局側装置は、前記第二の局側装置に信号を送りたい場合、前記宅側装置にこの信号を送れば、当該宅内装置は、この信号を中継して折り返す。折り返された信号は、光カプラを通して前記第二の局側装置に送信される。また、前記第二の局側装置は、前記第一の局側装置に信号を送りたい場合、前記宅側装置にこの信号を送れば、当該宅内装置は、この信号を中継して折り返す。折り返された信号は、光カプラを通して前記第一の局側装置に送信される。したがって、前記第一の局側装置と前記第二の局側装置との間で、随時通信を行うことが可能となり、相手の局側装置の状態を知ることができる。このため、前記第一の局側装置と前記第二の局側装置との間で、局側装置の切替をスムーズに行うことができる。
また、前記第一の局側装置、前記第二の局側装置のいずれか一方がPONシステムを運用する運用系の局側装置であり、前記第一の局側装置、前記第二の局側装置のいずれか他方が予備系の局側装置であり、前記運用系の局側装置は、前記予備系の局側装置に対して所定の信号を定期的に送信し、前記予備系の局側装置は、前記運用系の局側装置から前記所定の信号を受信したことに応じて当該所定の信号を前記運用系の局側装置に返信する構成とすれば、運用系の局側装置は、予備系の局側装置が正常に動作しているかどうかを判定することができる。
また、前記予備系の局側装置は、所定時間以上、前記運用系の局側装置からいずれか1つの宅側装置を経由して前記所定の信号が来ない場合、PONシステムを運用する局側装置へ切り替えを行うこととすれば、建物損壊、停電及び光路破断などのトラブルで前記第一の局側装置が故障した場合、前記第一の局側装置と前記第二の局側装置との間で局側装置の切替を自動的に行うことができる。
この構成の局側装置であれば、地理的に離れた場所に設置される他の局側装置に信号を送りたい場合、前記宅側装置にこの信号を送れば、当該宅内装置は、この信号を中継して折り返す。折り返された信号は、光カプラを通して前記他の局側装置に送信される。したがって、この構成の局側装置を複数設置すれば、複数の局側装置の間で、随時通信を行うことが可能となり、相手の局側装置の状態を知ることができる。このため、建物損壊、停電及び光路破断などのトラブルが生じた場合、局側装置の切替をスムーズに行うことができる。
本発明の局側装置は、前記ループ時間と前記他の局側装置が測定したループ時間との差分に基づいて、当該局側装置・光カプラ間と、前記他の局側装置・光カプラ間のそれぞれの光ファイバの長さが異なることによって生じる遅延時間のずれを補正する補正手段を有することが好ましい。この構成であれば、建物損壊、停電及び光路破断などのトラブルが生じた場合、複数の局側装置間で局側装置の切替を行うときに、一方の局側装置が持っている各宅側装置と局側装置との間の光伝送遅延時間の情報を他方の局側装置が活用できる。
図1は、2つの局側装置OLT1,2と複数の宅側装置ONU1〜N(Nは2以上の整数、例えばN=16〜32)とを、光ファイバで接続した光通信システムの構成例を示す概略図である。この光通信システムでは、局側装置OLT1,2のうち、局側装置OLT1を現用の局側装置とし、局側装置OLT2を予備の局側装置として運用している。なお、光ファイバの途中位置に光信号中継装置(図示せず)を設置することもある。
光カプラ5は、外部からの電源供給を特に必要とせず、一方に接続された光ファイバ4aから入力される信号を受動的に分岐して、他方に接続された光ファイバ4bに出力することができ、これとは逆方向に、他方に接続された光ファイバ4bから入力される信号を受動的に分岐して、一方に接続された光ファイバ4aに出力することもできる。これにより、2つの局側装置OLT1,2に対して、多くの宅側装置ONU1〜Nを割り当てることができる。
宅側装置ONU1〜Nから見て、2つの局側装置OLT1,2を区別できないので、宅側装置ONU1〜Nは、1つの局側装置OLTが接続されているものとして振舞うことになる。
まず、インターネット網などの上位のネットワークから宅側装置ONU1〜Nへ向けて送られる下り方向の信号の流れを説明する。
インターネット網から信号を受け取った局側装置OLT1又は局側装置OLT2において、中継されるべき論理リンクを特定するために、所定のブリッジ処理が行われる。このとき、局側装置OLT1又は局側装置OLT2は、フレーム信号に、論理リンク識別子を含む同期ビット部やGE−PONシステムヘッダなどの情報を付加し、光信号に変換して、幹線光ファイバ4aに送る。この下りの光信号は、特定の宅側装置ONU1〜Nを指定した送信信号と、宅側装置ONU1〜Nを指定しないとの組み合わせで構成されており、途絶えることのない光連続信号となっている。
各PCからのデータは、各宅側装置ONU1〜Nを介して、光バースト信号(バーストとは、高速でオンオフされるパルス信号の集まりをいう)に変換される。光バースト信号を構成するビットの伝送レートは、例えばGE−PONシステムの場合1.25Gbpsである。
このとき、これらの光バースト信号は、互いに時間的に競合しないように時分割で送信されるよう、制御を受けている。この制御は、局側装置OLT1から各宅側装置ONU1〜Nへデータを送信するとき、各宅側装置ONU1〜Nに対して、上り光信号を送信してもよい期間スロットが割り当てられ、制御フレームとして通知されることで行われる。したがって、同一の光通信システムにおいて、各宅側装置ONU1〜Nから送られる上り光信号は時間的競合を回避することができる。
ここで、局側装置OLT1,2間の通信経路について説明する。局側装置OLT1,2は、それぞれ他の局側装置2,1の存在を認識している。しかし光カプラ5の構成上、局側装置OLT1,2どうしで直接通信することができない。そのため、局側装置OLT1又は局側装置OLT2から、任意の1台の宅側装置ONUを指定していったん必要な情報を送り、その宅側装置ONUからその情報をそのまま局側装置OLT1,2に返信してもらうことで、局側装置OLT1,2同士の通信を実現している。
局側装置OLT1,2は、PONシステムと上位基幹回線とのインタフェースである上位インタフェースから受信した各宅側装置ONU向けデータを合成するデータ合成部11と、データ合成部11で合成された各宅側装置ONUへの送信信号を送信する光送信器12と、光の波長で光の送信信号と受信信号を分ける光合分波器13と、各宅側装置ONUからの光バースト信号を受信し、データ取得部15へ受け渡す光受信器14と、光受信器14から受信した各宅側装置ONUのバーストデータを上位インタフェースへ受け渡すデータ取得部15とを備えている。
局側装置OLT1又は局側装置OLT2は、全宅側装置ONUに放送形態でデータを送信すると共に、各宅側装置ONUの返信時刻をスケジュールし、各宅側装置ONUのバーストデータが時間的に重なり合わないよう送信時刻を指示する。
ここで、運用系の局側装置OLT1、予備系の局側装置OLT2に設けられた、本発明の機能を実現するための付加モジュールについて説明する。
局側装置OLT1は、予備系指示部21と予備系比較部22とを備える。予備系指示部21は、後述する4種類の情報(a)〜(d)を生成し、所定時間おきに、その情報(a)〜(d)のヘッダに、局側装置OLT2への折り返しを希望する通信である旨の情報を書き込み、中継機能を有する1台の宅側装置ONUに向けて送信する。また、予備系の局側装置OLT2が送信している間データを送信しないよう光送信器12を制御する。
このような予備系指示部21と予備系比較部22の機能により、運用系の局側装置OLT1は、予備系の局側装置OLT2に必要な情報を伝え、同時に予備系の局側装置OLT2が返信してきた情報を比較確認することにより、予備系が正常に機能しているかどうかを判定することができる。
情報複写部23は、運用系の局側装置OLT1から受信したリンク情報、時間情報、及び予備系の局側装置OLT2が次に送信してよい時間に関する情報を複写し、光送信器12の出力データに加える。これにより、予備系の局側装置OLT2は、情報複写部23により受信した各種情報を返して正常稼動状態にあることを運用系の局側装置OLT1に伝えることができる。
(A)宅側装置ONUからの受信機能が劣化しているかどうかを診断する。例えば、宅側装置ONUからのバースト受信データからヘッダが読み取れない場合を劣化と診断する。
これらの(A)又は(B)に該当する場合、運用系の局側装置OLT1は、予備系へ切替指示を行う。
次に、宅側装置ONUiの中継機能を実現する付加モジュールについて説明する。宅側装置ONUiは、付加モジュールとして、OLT情報複写部37を備えている。このOLT情報複写部37は、運用系の局側装置OLT1若しくは予備系の局側装置OLT2から受信した前述(a)〜(d)の4つの情報を抽出する機能を有する。すなわち、局側装置OLT1又は局側装置OLT2への折り返しを希望する通信であることを読み取れば、これらの情報をメモリに複写し、送信先を局側装置OLT2宛に書き換えて、そのまま宅側装置ONUiのバースト送信データに加える。すなわち、OLT情報複写部37は、運用系の局側装置OLT1と予備系の局側装置OLT2との情報の仲立ちをするため、必要な情報を抽出してそのままPONシステムへ返信する中継局としての機能を実現するものである。
運用系の局側装置OLT1から 前述した4種類の情報(a)〜(d)を送信する。これらの情報(a)〜(d)は、いったん宅側装置ONUiに受信され、それぞれの局側装置OLT1,2に返信される(図3参照)。予備系の局側装置OLT2は情報(a)〜(d)を受信して処理する。さらに運用系の局側装置OLT1は、情報(a)〜(d)が宅側装置ONUiを経由して局側装置OLT1に戻ってきた時間であるループ時間を測定する。
送信時間帯になれば、予備系の局側装置OLT2から、情報複写部23に複写された情報(a)〜(d)をそのまま送信する。予備系の局側装置OLT2からの情報はいったん宅側装置ONUiに受信され、それぞれの局側装置OLT1,2に返信される(図4参照)。運用系の局側装置OLT1は情報(a)〜(d)を受信して情報の比較を行う。これにより、局側装置OLT1は前述した自己診断を行うことができる。
この差分を求める方法を、図6〜図8を用いて詳しく説明する。
図6は、局側装置OLT1から、宅側装置ONUiに向けて送出された信号が、宅側装置ONUiで中継され、局側装置OLT1で受信される場合の、信号伝送タイミング図である。局側装置OLT1と宅側装置ONUiとの間の片道伝送時間をBとし、宅側装置ONUiで中継に要する時間をT0とする。局側装置OLT1から、宅側装置ONUiに向けて送出された信号が、宅側装置ONUiで中継され、局側装置OLT1で受信されるまでの時間T1は2B+T0に等しい。さらに、光カプラ5で分岐され局側装置OLT2で受信されるまでの時間は、T1から余分にAだけ増加する。この通信遅延時間A(前述した差分に相当)は、光カプラ5から局側装置OLT2までの光ファイバの距離と、光カプラ5から局側装置OLT2までの光ファイバの距離の差を光が伝送する時間となる。
局側装置OLT1が測定できる時間は、局側装置OLT1から、宅側装置ONUiに向けて送出された信号が、宅側装置ONUiで中継され、局側装置OLT1で受信されるまでの時間T1であり、局側装置OLT2が測定できる時間は、局側装置OLT2から、宅側装置ONUiに向けて送出された信号が、宅側装置ONUiで中継され、局側装置OLT2で受信されるまでの時間T2である。
A=C−B=(T2−T0)/2−(T1−T0)/2=(T2−T1)/2
となる。この式により、時間T1,T2を測定することにより、通信遅延時間Aを求めることができる。
まず、予備系の局側装置OLT2は、タイマー設定(ステップS1)を行う。運用系の局側装置OLT1からの前述の情報(d)で、予備系へ切替の指示があった場合(ステップS2)、運用系の局側装置OLT1から予備系の局側装置OLT2への切り替えを行う。また所定時間以上、運用系の局側装置OLT1から宅側装置ONUを経由して予備系の局側装置OLT2に対するリンク情報、時間情報及び次の送信可能時刻の情報が来ない場合(ステップS3,S4)、何らかの事情により現用の局側装置OLT1が運用不能になったものとみなして、運用系の局側装置OLT1から予備系の局側装置OLT2への切り替えを行う。これらの切替えにより、他の制御局側局舎に設置されている予備の局側装置OLT2が運用されるようになる(ステップS5)。
5 光カプラ
11 データ合成部
12,33 光送信器
13,31 光合分波器
15 データ取得部
14,32 光受信器
15 データ取得部
16,36 内部時計
17 時刻情報送出部
18 時分割多重スケジューラ
21 予備系指示部
22 予備系比較部
23 情報複写部
24 予備系設定部
25 内部時計補正部
34 送信スケジューラ
35 時刻情報抽出部
37 OLT情報複写部
OLT1,2 局側装置
ONU1〜i〜N 宅側装置
Claims (10)
- 局側装置と複数の宅側装置とを光カプラを介在させて光ファイバで結び、光通信を行うPON(Passive Optical Network)システムにおいて、
光ファイバを通して前記光カプラに接続される第一の局側装置と、
前記第一の局側装置から地理的に離れた場所に設置される第二の局側装置と、
前記光カプラを通過した前記第一の局側装置と前記第二の局側装置との間の信号を中継する機能を有する少なくとも1つの宅内装置と備えることを特徴とするPONシステム。 - 前記第一の局側装置は、前記第二の局側装置に向けて送信した信号が前記宅側装置を経由して前記第一の局側装置に戻ってくるまでの第一のループ時間を測定する第一の測定手段を有し、
前記第二の局側装置は、前記第一の局側装置に向けて送信した信号が前記宅側装置を経由して前記第二の局側装置に戻ってくるまでの第二のループ時間を測定する第二の測定手段を有し、
前記第一の局側装置又は前記第二の局側装置は、前記第一のループ時間と前記第二のループ時間との差分に基づいて、前記第一の局側装置・光カプラ間と、前記第二の局側装置・光カプラ間のそれぞれの光ファイバの長さが異なることによって生じる遅延時間のずれを補正する補正手段を有する請求項1記載のPONシステム。 - 前記第一の局側装置は、当該局側装置と各宅側装置との間の第一の光伝送遅延時間の情報を保有し、
前記第二の局側装置は、当該局側装置と各宅側装置との間の第二の光伝送遅延時間の情報を保有し、
前記第一の光伝送遅延時間と前記第二の光伝送遅延時間とは、前記第一の局側装置・光カプラ間と、前記第二の局側装置・光カプラ間のそれぞれの光ファイバの長さが異なることによって生じる遅延時間のずれに応じた差異を有する請求項2記載のPONシステム。 - 前記第一の局側装置は第一の内部時計16を有し、前記第二の局側装置は第二の内部時計16を有し、
前記第一の内部時計16と前記第二の内部時計16とは、前記第一の局側装置・光カプラ間と、前記第二の局側装置・光カプラ間のそれぞれの光ファイバの長さが異なることによって生じる遅延時間のずれに応じた同期がとられている請求項2又は請求項3記載のPONシステム。 - 前記第一の局側装置、前記第二の局側装置のいずれか一方がPONシステムを運用する運用系の局側装置であり、前記第一の局側装置、前記第二の局側装置のいずれか他方が予備系の局側装置であり、
前記運用系の局側装置は、前記予備系の局側装置に対して所定の信号を定期的に送信し、
前記予備系の局側装置は、前記運用系の局側装置から前記所定の信号を受信したことに応じて当該所定の信号を前記運用系の局側装置に返信する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のPONシステム。 - 前記運用系の局側装置は、前記予備系の局側装置に対して、PONシステムを運用する局側装置への切り替え指示を行うことができる請求項5記載のPONシステム。
- 前記予備系の局側装置は、所定時間以上、前記運用系の局側装置からいずれか1つの宅側装置を経由して前記所定の信号が来ない場合、PONシステムを運用する局側装置へ切り替えを行う請求項5又は請求項6記載のPONシステム。
- 複数の局側装置と複数の宅側装置とを光カプラを介在させて光ファイバで結び、光通信を行うPON(Passive Optical Network)システムに接続される局側装置であって、
他の局側装置に対して、光カプラ及びいずれか1つの宅側装置を経由して通信を行うための送信手段を有することを特徴とするPONシステムにおける局側装置。 - 前記他の局側装置に向けて送信した信号が前記1つの宅側装置を経由して当該局側装置に戻ってくるまでのループ時間を測定する測定手段を有する、請求項8記載のPONシステムにおける局側装置。
- 前記ループ時間と前記他の局側装置が測定したループ時間との差分に基づいて、当該局側装置・光カプラ間と、前記他の局側装置・光カプラ間のそれぞれの光ファイバの長さが異なることによって生じる遅延時間のずれを補正する補正手段を有する請求項8又は請求項9記載のPONシステムにおける局側装置。
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