JP4911282B2 - インクジェット記録用シアンインク - Google Patents
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Description
一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立的に−SO2−Ra、−SO2NRbRc又は−CO2−Raから選ばれる置換基を表し、R1、R2、R3及びR4はすべてが同一であることはない。但し、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つ以上は、一般式(3)で表される銅フタロシアニン核中の4つのベンゼン環A、B、C及びDのそれぞれに存在する。Raは置換もしくは無置換のアルキル基、Rbは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、Rcは置換もしくは無置換のアルキル基を表す。kは0<k<8を満たす数、lは0<l<8を満たす数、mは0≦m<8を満たす数、nは0≦n<8を満たす数であり、且つk、l、m及びnは4≦k+l+m+n≦8を満たす数である。
一般式(2)中、SO3NH4基及びSO2NH2基は、一般式(3)で表される銅フタロシアニン核中の4つのベンゼン環A、B、C及びDのいずれかに存在する。)
とを含有していることを特徴とするインクジェット記録用シアンインクを提供する。
まず、クロロスルホン化剤を用いて銅フタロシアニンをクロロスルホン化する。クロロスルホン化剤としては、例えば、クロロスルホン酸と塩素化剤(オキシ塩化リン又は三塩化リン)との混合物を含んだものを使用する。クロロスルホン酸と銅フタロシアニン化合物のモル比(クロロスルホン酸:銅フタロシアニン化合物)は、5:1〜200:1の範囲が好ましく、塩素化剤と銅フタロシアニンのモル比(塩素化剤:銅フタロシアニン)は、0.5:1〜10:1の範囲が好ましい。
次に、工程(i)で得られた生成物をアンモニアと縮合させて以下の一般式(2)で表される化合物を得る。
表1に示すインク組成成分を、均一に混合することによりインクジェット記録用シアンインクを調製した。ここで、染料(1−A)〜(1−E)はそれぞれ化学式(1−A)〜(1−E)の化合物に該当する。
1億ドット(約3万枚)の連続印字評価を行い、以下の基準に従って評価した。得られた結果を表1に示す。
噴射安定性評価基準
◎…連続印字中において不吐出、吐出曲がり全くなし。
○…連続印字中において、不吐出もしくは吐出曲がりが僅かにあり。不吐出もしくは吐出曲がりは共に5回以内のパージによって回復する。
×…連続印字中において不吐出、吐出曲がり多数有り。不吐出、吐出曲がり共に短時間で回復せず。
上述のグラデーションサンプルを、目視にてシアン色が充分に表現されているか否かを以下の評価基準に基づき評価した。得られた結果を表1に示す。
発色性評価基準
○…シアン色を充分表現できている
×…シアン色の表現が不足している
上述のグラデーションサンプルを用いて、耐オゾン性試験を行った。耐オゾン性試験は、スガ試験機(株)製オゾンウェザーメーターOMS−Hを用いて、オゾン濃度1ppm、槽内温度24℃、湿度60%RHで40時間放置して行った。試験前にOD値1.0を示すシアン色カラーパッチについて、耐オゾン性試験後におけるOD値を測定した。OD値はGretag Macbeth社製Spectrolino(光源:D65;視野:2°;StatusA)により測定した。次の数式Iにより、試験前のOD値1.0のパッチについて、耐オゾン性OD値減少率として求めた。得られた耐オゾン性OD値減少率を以下の評価基準に基づき評価した。得られた結果を表1に示す。
◎…耐オゾン性OD値減少率が20%未満
○…耐オゾン性OD値減少率が20%以上30%未満
△…耐オゾン性OD値減少率が30%以上40%未満
×…耐オゾン性OD値減少率が40%以上
上述のグラデーションサンプルを用いて、耐光性試験を行った。耐光性試験は、スガ試験機(株)製強エネルギーキセノンウェザーメーターSC750―WNを用いて行った。光源にキセノンランプ光を用いて、室温25℃、湿度50%RH、照度93000Luxで100時間照射させた。試験前にOD値1.0を示すシアン色カラーパッチについて、耐光性試験後におけるOD値を測定した。OD値はGretag Macbeth社製Spectrolino(光源:D65;視野:2°;StatusA)により測定した。次数式IIにより、試験前のOD値1.0のパッチについて、耐光性OD値減少率として求めた。得られた耐光性OD値減少率を以下の評価基準に基づき評価した。得られた結果を表1に示す。
◎…耐光性OD値減少率が20%未満
○…耐光性OD値減少率が20%以上30%未満
△…耐光性OD値減少率が30%以上40%未満
×…耐光性OD値減少率が40%以上
各インクにおいて、上記の結果から以下の評価基準により総合評価を行った。得られた結果を表1に示す。
総合評価基準
G…すべての評価結果が◎又は○である
NG…評価結果のいずれかに△又は×がある
Claims (8)
- 少なくとも着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット記録用シアンインクにおいて、該着色剤が、一般式(1)で表される染料(1)と一般式(2)で表される染料(2)
(一般式(1)及び一般式(2)において、Pc(Cu)は一般式(3)で表される銅フタロシアニン核を表す。
一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立的に−SO2−Ra、−SO2NRbRc又は−CO2−Raから選ばれる置換基を表し、R1、R2、R3及びR4はすべてが同一であることはない。但し、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つ以上は、一般式(3)で表される銅フタロシアニン核中の4つのベンゼン環A、B、C及びDのそれぞれに存在する。Raは置換もしくは無置換のアルキル基、Rbは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、Rcは置換もしくは無置換のアルキル基を表す。kは0<k<8を満たす数、lは0<l<8を満たす数、mは0≦m<8を満たす数、nは0≦n<8を満たす数であり、且つk、l、m及びnは4≦k+l+m+n≦8を満たす数である。
一般式(2)中、SO3NH4基及びSO2NH2基は、一般式(3)で表される銅フタロシアニン核中の4つのベンゼン環A、B、C及びDのいずれかに存在する。)
とを、重量比で97:3〜60:40の比率で含有し且つ合計で3.0〜5.0重量%含有していることを特徴とするインクジェット記録用シアンインク。 - 一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4が−SO2−Raで示される置換基であり、ここで、R1、R2、R3及びR4がそれぞれ有するRaは置換もしくは無置換のアルキル基であるが、但し、これら4つのRaの置換もしくは無置換のアルキル基のすべてが完全に同一でない請求項1記載のインクジェット記録用シアンインク。
- 一般式(1)におけるkは0<k<4を満たす数、lは0<l<4を満たす数、mは0≦m<4を満たす数、nは0≦n<4を満たす数であり、且つk、l、m及びnはk+l+m+n=4を満たす数である請求項1又は2記載のインクジェット記録用シアンインク。
- 一般式(1)において、R1がリチウムスルホナトプロピルスルホニル基、R2がN−(2−ヒドロキシプロピル)スルファモイルプロピルスルホニル基であり、kが3、lが1、m及びnが共に0である請求項1記載のインクジェット記録用シアンインク。
- 一般式(1)において、R1がリチウムスルホナトプロピルスルホニル基、R2がN−(2−ヒドロキシイソプロピル)スルファモイルプロピルスルホニル基であり、kが3、lが1、m及びnが共に0である請求項1記載のインクジェット記録用シアンインク。
- 一般式(1)において、R1がリチウムスルホナトプロピルスルホニル基、R2がN,N−(ジ(2−ヒドロキシエチル))スルファモイルプロピルスルホニル基であり、kが3、lが1、m及びnが共に0である請求項1記載のインクジェット記録用シアンインク。
- 一般式(1)において、R1がリチウムスルホナトプロピルスルホニル基、R2がN−(2−ヒドロキシプロピル)スルファモイルプロピルスルホニル基、R3がN−(2−ヒドロキシイソプロピル)スルファモイルプロピルスルホニル基であり、kが2、lが1、mが1、nが0である請求項1記載のインクジェット記録用シアンインク。
- 一般式(1)において、R1がリチウムスルホナトプロピルスルホニル基、R2がリチウムカルボキシラトプロピルスルホニル基、R3がN−(2−ヒドロキシプロピル)スルファモイルプロピルスルホニル基、R4がN−(2−ヒドロキシイソプロピル)スルファモイルプロピルスルホニル基であり、k、l、m及びnが共に1である請求項1記載のインクジェット記録用シアンインク。
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