JP4910696B2 - データ伝送装置、データ伝送用線路及びデータ伝送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、データ伝送装置、データ伝送用線路及びデータ伝送方法に関し、特に、集積回路間のデータ伝送装置、データ伝送用線路及びデータ伝送方法に関する。
従来、この種の集積回路間のデータ伝送方式として、例えば米国特許第5,319,755号(文献1)に記載のものがある。この方式では、図1に示すように、複数の集積回路チップ2に存在する入出力回路3が、データバスとなる伝送線路1によって接続され、この伝送線路1上でディジタル信号を往来させることによって、集積回路2間のデータ伝送を行うものである。
しかし、この方式には、集積回路2間のデータ伝送速度に上限があり、数GHz以上の基本クロックを伝送させることが困難であるという問題点があった。伝送線路1内を伝搬する信号の基本クロック周波数が数GHz以下の場合には問題は小さいが、それ以上になると伝送線路1の性質により信号に分散現象が生じ、その影響が無視できなくなるためである。この分散現象は、周波数成分によってパルスの伝送速度が異なるために、入力パルスと出力パルスの形が異なってきたり、パルス幅に広がりが生じたりして、高速パルスの伝送が不可能となるというものである。この問題は、集積回路2の入出力回路3に付随する容量5の値が大きいほど顕著になる。
一方、高速のパルスを発生させる技術として、米国特許第5,023,574号(文献2)に記載のものがある。この技術は、伝送線路に適当な間隔をおいて多くのバラクタダイオードを配置し、これによって非線形波を発生させるものである。この技術の問題点は、伝送線路の途中にバラクタダイオードをつける必要があるため、伝送線路の構造が非常に特殊の場合、つまり、基板上に形成されたマイクロストリップラインや、コプレーナラインのように、伝送線路が基板の表面に形成されている場合にしか適用できないところにある。
その他、特開2001−111408号公報(文献3)には、送信基板のインピーダンス不整合箇所と受信基板のインピーダンス不整合箇所との距離を、信号伝送時間が信号切り替え周期の半分の時間の整数倍となるように設定して、反射波に起因する信号の時間的揺らぎを抑えかつジッダを低減するように構成された高速信号伝送配線実装構造に関して記載されている。また、特開2001−251030号公報(文献4)には、集積回路間の接続線路に容量負荷構造を設けることによって、信号伝送の遅延を制御するように構成された集積回路間の線路システムに関して記載されている。
また、特開2003−198215号公報(文献5)には、誘電体基板上に複数の回路部品を実装すると共に、当該誘電体基板上に当該各回路部品を接続する多数の伝送線路を形成した伝送線路基板において、線路長が長い伝送線路を低誘電率領域に形成すると共に、線路長が短い伝送線路を高誘電率領域に形成することによって、信号伝送速度を均一化する構成が記載されている。また、特開平5−63315号公報(文献6)には、プリント配線基板上に設けた信号線路の一部に遅延パッドを設け、かつ制御信号とデータ信号の位相が互いに同相となるように遅延時間の変化に応じた個数の遅延パッドを設けるように構成された印刷プリント配線基板が記載されている。
一方、特開平5−283824号公報(文献7)には、特定の誘電率を持つ回路基板に誘電率の異なる材質を塗布して誘電率を制御することによって、電極パッドの大きさの異なるデバイス間の反射を防止するように構成された回路基板が記載されている。
したがって、本発明の目的は、集積回路間でのデータ伝送において、数Gビット/秒から10Gビット/秒以上の高速データ伝送速度を実現可能とすることにある。
また、本発明の他の目的は、通常のプリント配線基板上だけでなく、高密度の多層プリント配線基板の層内に形成された伝送線路を使用しても、上記の高速データ伝送速度を実現可能とすることにある。
このような目的を達成するために、本発明に係るデータ伝送装置は、それぞれ少なくとも1つの入出力回路を有する複数の集積回路と、集積回路の入出力回路に接続された伝送線路であって、かつ単位長さあたりの実効リアクタンスを信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化させる要素を備える伝送線路とを備え、伝送線路は、信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する単位長さあたりの実効リアクタンスにおける変化成分の最大値が、信号電圧及び信号電流に依存しない固定成分の値以上であることを特徴とする。
また、本発明に係るデータ伝送用配線は、単位長さあたりの実効リアクタンスを信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化させる要素を備え、伝送線路は、信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する単位長さあたりの実効リアクタンスにおける変化成分の最大値が、信号電圧及び信号電流に依存しない固定成分の値以上であることを特徴とする。
また、本発明に係るデータ伝送方法は、単位長さあたりの実効リアクタンスが信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する伝送線路を用意するステップと、伝送路線を介して複数個の集積回路の間で信号の伝送を行うステップとを備え、伝送線路は、信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する単位長さあたりの実効リアクタンスにおける変化成分の最大値が、信号電圧及び信号電流に依存しない固定成分の値以上であることを特徴とする。
本発明では、伝送されるパルス信号の信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に応じて伝送線路(データ伝送用線路)の単位長さあたりの実効リアクタンスを変化させることができる。その結果、伝送されるパルス信号が、伝送線路中において非線形波を生じ、伝送線路による分散現象の影響を受けずに受信側に到着することが可能となる。このため、パルス波形の崩れが少なく、またパルス幅の広がりも少ないため、高速なデータ伝送が可能となる。
また、従来と異なり伝送線路の途中にバラクタダイオードをつける必要がないので、通常のプリント配線基板上だけでなく、高密度の多層プリント配線基板の層内に形成された伝送線路を使用しても、上記の高速なデータ伝送が可能となる。
図1は、伝送線路を介して複数の集積回路間でデータ伝送を行う集積回路間データ伝送装置の従来例を示すブロックダイアグラムである。 図2は、本発明の第1の実施例に係る集積回路間データ伝送装置の構成を示すブロックダイアグラムである。 図3は、図2に示す集積回路間データ伝送装置を実現するための具体的な構造例を示す平面図である。 図4は、図3におけるA−A'線に沿った断面図である。 図5は、図3におけるB−B'線に沿った断面図である。 図6は、伝送線路に使用される誘電体の電界と誘電分極との関係を示すグラフである。 図7は、図6に示した特性を有する誘電体を伝送線路に使用した場合の伝送線路の容量と信号電圧との関係を示すグラフである。 図8は、伝送線路に使用される磁性体の磁界と磁化との関係を示すグラフである。 図9は、図8に示した特性を有する磁性体を伝送線路に使用した場合の伝送線路のインダクタンスと信号電流との関係を示すグラフである。 図10は、本発明に係る第2の実施例に係る集積回路間データ伝送装置の構成を示すブロックダイアグラムである。 図11は、図10に示す集積回路間データ伝送装置を実現するための具体的な構造例を示す平面図である。 図12は、図11におけるC−C'線に沿った断面図である。 図13は、図11におけるD−D'線に沿った断面図である。 図14は、実施例及び従来の集積回路間データ伝送装置についての回路シミュレーション結果を示すグラフである。 図15は、本発明に係る第3の実施例に係る伝送線路の構成を示す平面図である。 図16は、図15におけるE−E'線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施例の概要]
図2及び図10に示すように、本発明の実施例に係る集積回路間データ伝送装置は、複数の集積回路102と、集積回路102のそれぞれの接続される伝送線路(集積回路間データ伝送用線路)101とから構成される。
集積回路102は、適宜の構成を有する内部回路104と、少なくとも1つの適宜の入出力回路103を有する。入出力回路103に伝送線路101が接続される。これらの回路構成は特に限定されるものではなく、公知の構成の集積回路102を使用可能である。
伝送線路101は、単位長さあたりの実効リアクタンス成分が信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する。より具体的に言えば、伝送線路101は、単位長さあたりの実効容量成分及び実効インダクタンス成分の少なくとも一方を、信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化させる要素を備える。
図3乃至図5に示すように、伝送路線101は、適宜のプリント配線基板200内に形成されるものであってもよい。この場合、伝送線路101は、プリント配線基板200上に形成された接地導電体305と、プリント配線基板200内に配置された絶縁材料3と、この絶縁材料3の内部に配置された信号導電体201とから構成される。なお、接地導電体305は、プリント配線基板200内に形成されてもよい。
あるいは、図11乃至図13に示すように、伝送路線101は、適宜のプリント配線基板200上に形成されるものであってもよい。この場合、伝送路線101は、プリント配線基板200上に互いに離間して形成された接地導電体305及び信号導電体501と、プリント配線基板200上における接地導電体305と信号導電体501との間に配置されかつ接地導電体305及び信号導電体501と接合される絶縁材料3とから構成される。
ここで、接地導電体305は接地され、信号導電体201は接地導電体305との間に信号電圧が印加され、絶縁材料3は信号導電体201と接地導電体305との間を絶縁する。
絶縁材料3には、伝送線路101の単位長さあたりの実効リアクタンスを信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化させる要素として、例えば誘電体320が含まれている。この誘電体320には、図6に示すように、当該誘電体320中に発生する電界と誘電分極との関係が非線形となる材料が使用される。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、タンタル酸ビスマスストロンチウム、強誘電体及び液晶等の少なくとも1つを誘電体320として用いることができる。
誘電体320の代わりに、上述した要素として、磁性体330を用いることもできる。この磁性体330には、図8に示すように、当該磁性体330中に発生する磁界と磁化との関係が非線形となる材料が使用される。例えば、NiZnフェライト及びセンダスト(Fe−Si−Al系合金)等の少なくとも1つを磁性体330として用いることができる。
なお、伝送線路101において、信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する単位長さあたりの実効リアクタンスにおける変化成分の最大値が、信号電圧及び信号電流に依存しない固定成分の値以上であることが好ましい。
更に、上述した集積回路102と伝送線路101とは、図3乃至図5に示すように同一のプリント配線基板200に形成されたのであってもよく、あるいは別々の基板に形成されたものであってもよい。あるいは、伝送線路101を単独に形成し、それぞれの集積回路102の入出力回路103と接続させた構成を採用することも可能である。
以下に、本発明の実施例について、より詳しく説明する。
[第1の実施例]
図2乃至図5を参照し、本発明の第1の実施例に係る集積回路間データ伝送装置1及び伝送線路101について説明する。
図2に示すように、複数の集積回路102は入出力回路103を有しており、これらの入出力回路103が伝送線路101に接続されている。入出力回路103からディジタルパルスを送受信することによって、集積回路102の間でデータの授受を行なう。
図3乃至図5において、集積回路102は集積回路チップ102で構成され、プリント配線基板200上に複数配置されている。集積回路チップ102は、入出力回路103として入出力端子103を有する。
プリント配線基板200には伝送線路101が形成されている。伝送線路101はストリップ線路であり、絶縁材料3と、絶縁材料3上に形成された接地導電体305と、絶縁材料3内に配置された信号線導電体201とから構成されている。絶縁材料3には貫通ビア210が形成されている。この貫通ビア210を介して、集積回路チップ102の入出力端子103が信号導電体201に接続されている。
絶縁材料3には誘電体320が用いられている。この誘電体320には、強誘電体や液晶のような、誘電体中の電界Eと誘電分極Pとが例えば図6に示されるような非線形の関係にあるものが用いられる。図6の例では、電界Eの絶対値の増加にしたがい、誘電分極Pの絶対値の増加が緩やかになっていく特性を有する。
これにより、図7に示すように、ストリップ線路の単位長さあたりの容量成分C(pF)が信号電圧Vに依存して変化することとなる。図7の例では、信号電圧Vの増加にしたがい、容量成分Cが減少する。
式(1)の関係を満たす場合には、伝送線路101への電気パルス信号の入力に対し、式(2)によって表されるパルス幅Tを有する非線形波が発生する。
C(V)=1/(aV+b) …(1)
T=[LC(V0){(aV0+b)/a}/A]1/2 …(2)
ここで、Aは、パルス振幅、V0は、信号電圧のオフセット値である。
また、この非線形波の波形(信号電圧)は、例えば式(3)によって表せられる。
V(x,t)=Asech2(kx−ωt) …(3)
ここで、kは式(4)を、ωは式(5)をそれぞれ満たす。
sinhk=[A/F(V0)]1/2 …(4)
ω=[A/{LC(V0)F(V0)]1/2 …(5)
但し、
F(V0)≡1/{aC(V0)}=a/b+V0 …(6)
と定義した。V0は、信号電圧のオフセット値である。
なお、本実施例では、図2に示すように、非線形容量820は、伝送線路101の信号導電体201と接地導電体305との間に形成される。
また、本実施例に係る集積回路間データ伝送装置1においては、伝送線路101の単位長さ(cm)あたりの実効インダクタンス成分を信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化させるような誘電体を選択してもよい。
伝送線路101に発生する非線形波は、分散のない孤立波のため、受信側でパルス幅が広がったり、波形が崩れたりすることはない。したがって、集積回路102間のデータ伝送で幅の短いパルスを用いることができ、数Gビット/秒から10Gビット/秒以上の高速データ伝送が実現可能となる。
以上では絶縁材料3として誘電体320を用いる例を説明したが、絶縁材料3として磁性体330を用いることもできる。この磁性体330には、当該磁性体330中に発生する磁界Hと磁化Mとが、例えば図8に示すような非線形の関係にあるものが用いられる。図8の例では、磁界Hの絶対値の増加にしたがい、磁化Mの絶対値の増加が緩やかになっていく特性を有する。
このような磁性体330を絶縁材料3の一部に用いることによって、上述した誘電体320を用いた場合と同様に、伝送線路101への電気パルス信号の入力に対し非線形波を発生させることができる。
例えば、伝送線路101の単位長さ(cm)あたりの実効インダクタンス成分を信号電流に依存して例えば図9に示すような状態で変化(信号電流の増加にしたがい、実効インダクタンス成分を減少)させるように構成することによって、伝送線路101への電気パルス信号の入力に対し、非線形波を発生させることができる。したがって、集積回路102間のデータ伝送で幅の短いパルスを用いることができ、数Gビット/秒から10Gビット/秒以上の高速データ伝送が実現可能となる。
[第2の実施例]
図10乃至図13を参照し、本発明の第2の実施例に係る集積回路間データ伝送装置1及び伝送線路101について説明する。
本実施例と第1の実施例との違いは、本実施例においては、伝送線路101における信号導電体501がプリント配線基板200の表面に形成されているところにある。この伝送線路101が、プリント配線基板200上に複数配置された集積回路102の入出力回路103に接続され、これらの集積回路102間でのデータの伝送が実行される。
図11乃至図13において、集積回路102は集積回路チップ102で構成され、プリント配線基板200上に複数配置されている。集積回路チップ102は、入出力回路103として入出力端子103を有する。
プリント配線基板200には伝送線路101が形成されている。伝送線路101はコプレーナ線路であり、信号線導電体501と、信号線導電体501の両側に信号線導電体501から離間して配置された接地導電体305と、信号線導電体501と接地導電体305との間に介在する絶縁材料3とから構成されている。
絶縁材料3の少なくとも一部として含まれる誘電体320に、強誘電体や液晶等のような誘電体中の電界Eと誘電分極Pとが非線形の関係にあるものを用いることによって、コプレーナ線路の単位長さあたりの容量成分Cが信号電圧Vに依存して変化する。このため、複数の集積回路102の間でデータ伝送を行う際には、伝送線路101中に、伝送すべき電気パルス信号に対応して非線形波が発生するので、数Gビット/秒から10Gビット/秒以上の高速データ伝送が実現可能となる。
なお、本実施例においても絶縁材料3に含まれる誘電体320の代わりに、磁性体330を使用することも勿論可能である。
また、図12及び図13に示したプリント配線基板200は、その全体が絶縁材料3、例えばシリコン、ガラス、あるいはセラミックス等で構成されているものであってもよい。
あるいは、プリント配線基板200は、少なくともその一部が上記した誘電体320又は磁性体330を含む絶縁材料3で構成されているものであってもよい。この場合には、プリント配線基板200の表面において信号線導電体501と接地導電体305との間に介在する絶縁材料3は、誘電体320又は磁性体330を含まない絶縁材料3であってもよい。
本実施例では、図10に示すように、集積回路102の入出力回路103と非線形容量820との接点が伝送線路101に接続されている。非線形容量820は、信号電圧が増加すると容量が減少する特性を持つため、伝送線路101の単位長さあたりの実効的容量が信号電圧に依存して変化することになる。したがって、伝送線路101中に非線形波が発生するように当該回路構成を調整することによって、本発明の実現が可能となる。
本実施例における伝送線路101内に誘電体320又は磁性体330を含む絶縁材料3に非線形波が発生する条件の一つを確認するため、回路シミュレーション(SPICE)を行った。
このシミュレーションに使用した回路は、図10に示したものと同様であり、全長90cmの伝送線路101に1cm間隔で複数個の非線形容量820及び複数個の集積回路102が接続されている。そして、伝送線路101のパラメータとして、単位長さ(1cm)あたりの容量C=1.1pF、インダクタンスL=2.9nH、抵抗R=4.8mΩとし、非線形容量820としては、バリキャップダイオード(容量可変ダイオード)を用いた。非線形容量820の特性は、図7に示したものと同様であり、信号電圧が増加すると、容量値が減少するモデルとした。
なお、上記シミュレーションに対する比較として、図1に示した従来の集積回路間データ伝送装置を使用し、各集積回路102内の固定容量840として、容量が信号電圧に依存せず一定値(2pF)を有するように構成されたものを使用して、検討を行った。
伝送線路101の一端(送信側)に入力パルスとして幅0.3nsの矩形パルス1101を与えたときに、伝送線路101の他端(受信側)に現れる波形を図14に示す。従来のように容量値が一定の場合、受信側に現れる波形1103は、分散現象によってパルス幅が広がり、振幅も低下している。これに対し、本実施例のように非線形容量820を用いた場合、受信側に現れる波形1102にはパルス幅の広がりが少なく、振幅の低下もほとんど見られない。
本発明においては、例えば、図10に示される非線形容量820の容量値が、信号電圧に依存して変化することが、好ましい条件の一つである。
図10において、非線形容量820の最大値が、伝送線路101の単位長さあたりの容量値(信号電圧に依存しない固定値)に比べて同程度あるいはそれ以上であることもまた、好ましい条件の一つである。この条件を満たすことによって、非線形容量820の影響が顕著になり、伝送線路101に非線形波が発生し易くなる。
また、伝送線路101は、プリント配線基板200の表面に形成されることが望ましいが、プリント配線基板200の内部に形成されてもよい。伝送線路101がプリント配線基板200の表面、すなわち回路基板表面に形成される場合には、回路基板の面積に応じた限られた数の伝送線路101しか形成できない。これに対し、伝送線路101が回路基板内部に形成される場合には、伝送線路101を回路基板内部あるいは多層基板内に積層した状態で形成できるので、層数を増加させることによって、伝送線路101の数を増加させることが可能となる。伝送線路101の数が決まっている場合には、多層化して面積を縮小することによって、大幅な小型化が図れ、高密度実装回路を実現することが可能となる。
[第3の実施例]
図15及び図16を参照し、本発明の第3の実施例に係る伝送線路101について説明する。
本実施例に係る伝送線路101は、第1及び第2の実施例とは異なり、プリント配線基板200とは別体に形成されるものである。個々の伝送線路101は複数個相互に並列的に配列され、適宜の外絶縁体600で被覆されたフレキシブル多芯ケーブル700を構成している。
フレキシブル多芯ケーブル700では、接地導電体305が、それぞれ平行に配列された複数の閉鎖導管800を形成している。ここで、閉鎖導管800とは、上下左右に壁面を有する筒状の導管のことをいう。それぞれの閉鎖導管800の内部には、誘電体320又は磁性体330を少なくとも一部に含む絶縁材料3が充填されている。更に、絶縁材料3のそれぞれの内部には、信号導電体201が配置されている。
このような構成にしても、単位長さあたりの容量成分Cが信号電圧Vに依存して変化するため、伝送線路101には第1の実施例と同様に非線形波が発生し、数Gビット/秒から10Gビット/秒以上の高速データ伝送が実現可能となる。
以上の各実施例において、伝送線路101はプリント配線基板200上に形成され、単位長さあたりの実効リアクタンスが信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化するので、複数の集積回路102の間でデータ伝送を行う際には、伝送線路101中に、伝送すべき電気パルス信号に対応して非線形波が生じる。その結果、電気パルス信号は伝送線路101による分散現象の影響を受けずに受信側に到着する。このため、電気パルス信号のパルス波形の崩れが少なく、またパルス幅の広がりも少ないため、高速なデータ伝送が可能となる。
したがって、上述した各実施例によれば、高速なデータ伝送をプリント配線基板200によって実現できるため、高価な光通信や、同軸ケーブルを使用した場合に比較して大幅なコストダウンが可能となる。また、多くのチャネルを一枚のプリント配線基板200に収めることができるため、高密度化に寄与する。つまり、低コストの高速高密度の集積回路間データ伝送を実現できるという効果がある。

Claims (23)

  1. それぞれ少なくとも1つの入出力回路を有する複数の集積回路と、
    前記集積回路の入出力回路に接続された伝送線路であって、かつ単位長さあたりの実効リアクタンスを信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化させる要素を備える伝送線路と
    を備え、
    前記伝送線路は、信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する単位長さあたりの実効リアクタンスにおける変化成分の最大値が、信号電圧及び信号電流に依存しない固定成分の値以上である
    ことを特徴とするデータ伝送装置。
  2. 前記伝送路線は、プリント配線基板内及びプリント配線基板上の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
  3. 前記集積回路と前記伝送線路とは、同一のプリント配線基板に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
  4. 前記伝送線路は、
    接地された接地導電体と、
    前記接地導電体との間に信号電圧が印加される信号導電体と、
    前記要素を含みかつ前記信号導電体と前記接地導電体との間を絶縁する絶縁材料と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
  5. 前記要素は、誘電体及び磁性体のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のデータ伝送装置。
  6. 前記誘電体は、前記誘電体中に発生する電界と誘電分極との関係が非線形となることを特徴とする請求項5に記載のデータ伝送装置。
  7. 前記誘電体は、チタン酸ジルコン酸鉛、タンタル酸ビスマスストロンチウム、強誘電体及び液晶の少なくとも1つであることを特徴とする請求項6に記載のデータ伝送装置。
  8. 前記磁性体は、前記磁性体中に発生する磁界と磁化との関係が非線形となることを特徴とする請求項5に記載のデータ伝送装置。
  9. 前記磁性体は、NiZnフェライト及びセンダストの少なくとも1つであることを特徴とする請求項8に記載のデータ伝送装置。
  10. 前記接地導電体は、それぞれ並列的に配列された複数の閉鎖導管を形成し、
    前記絶縁材料は、前記閉鎖導管のそれぞれの内部に充填され、
    前記信号導電体は、前記絶縁材料のそれぞれの内部に配置され
    前記閉鎖導管は、上下左右に壁面を有する筒状の導管である
    ことを特徴とする請求項4に記載のデータ伝送装置。
  11. 単位長さあたりの実効リアクタンスを信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化させる要素を備え
    信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する単位長さあたりの実効リアクタンスにおける変化成分の最大値が、信号電圧及び信号電流に依存しない固定成分の値以上である
    ことを特徴とするデータ伝送用線路。
  12. 接地された接地導電体と、
    前記接地導電体との間に信号電圧が印加される信号導電体と、
    前記要素を含みかつ前記信号導電体と前記接地導電体との間を絶縁する絶縁材料と
    を備えることを特徴とする請求項11に記載のデータ伝送用線路。
  13. 前記要素は、誘電体及び磁性体のいずれかであることを特徴とする請求項12に記載のデータ伝送用線路。
  14. 前記誘電体は、前記誘電体中に発生する電界と誘電分極との関係が非線形となることを特徴とする請求項13に記載のデータ伝送用線路。
  15. 前記誘電体は、チタン酸ジルコン酸鉛、タンタル酸ビスマスストロンチウム、強誘電体及び液晶の少なくとも1つであることを特徴とする請求項14に記載のデータ伝送用線路。
  16. 前記磁性体は、前記磁性体中に発生する磁界と磁化との関係が非線形となることを特徴とする請求項13に記載のデータ伝送用線路。
  17. 前記磁性体は、NiZnフェライト及びセンダストの少なくとも1つであることを特徴とする請求項16に記載のデータ伝送用線路。
  18. 前記接地導電体は、プリント配線基板上及びプリント配線基板内のいずれかに形成され、
    前記絶縁材料は、前記プリント配線基板内に配置され、
    前記信号導電体は、前記絶縁材料の内部に配置される
    ことを特徴とする請求項12に記載のデータ伝送用線路。
  19. 前記接地導電体及び前記信号導電体は、プリント配線基板上に互いに離間して形成され、
    前記絶縁材料は、前記プリント配線基板上における前記接地導電体と前記信号導電体との間に配置されかつ前記接地導電体及び前記信号導電体と接合されている
    ことを特徴とする請求項11に記載のデータ伝送用線路。
  20. 複数個相互に並列的に配列されていることを特徴とする請求項11に記載のデータ伝送用線路。
  21. 前記接地導電体は、それぞれ並列的に配列された複数の閉鎖導管を形成し、
    前記絶縁材料は、前記閉鎖導管のそれぞれの内部に充填され、
    前記信号導電体は、前記絶縁材料のそれぞれの内部に配置され
    前記閉鎖導管は、上下左右に壁面を有する筒状の導管である
    ことを特徴とする請求項12に記載のデータ伝送用線路。
  22. 単位長さあたりの実効リアクタンスが信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する伝送線路を用意するステップと、
    前記伝送路線を介して複数個の集積回路の間で信号の伝送を行うステップと
    を備え
    信号電圧及び信号電流の少なくとも一方に依存して変化する単位長さあたりの実効リアクタンスにおける変化成分の最大値が、信号電圧及び信号電流に依存しない固定成分の値以上である
    ことを特徴とするデータ伝送方法。
  23. 前記伝送を行うステップは、前記伝送線路内に前記信号に対応した非線形波を発生させるステップを備えることを特徴とする請求項22に記載のデータ伝送方法。
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