JP3488376B2 - 誘電体フィルタとその実装構造 - Google Patents
誘電体フィルタとその実装構造Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の同軸共振器
を容量性結合してなる誘電体フィルタに関し、特に、携
帯電話などの高周波システムにおけるバンドパスフィル
タとして主に用いられ、簡単に減衰極を調整することの
できる誘電体フィルタと、その実装構造に関する。
を容量性結合してなる誘電体フィルタに関し、特に、携
帯電話などの高周波システムにおけるバンドパスフィル
タとして主に用いられ、簡単に減衰極を調整することの
できる誘電体フィルタと、その実装構造に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、誘電体フィルタとしては、複数
の同軸共振器を容量性結合してなるものが一般に知られ
ている。図1は、誘電体フィルタの基本的な構造を説明
するための概略斜視図である。図1の誘電体フィルタA
においては、2つの誘電体ブロック1の内部に、長手方
向にそれぞれ貫通孔2が形成され、その孔内面には、内
導体層3が被着形成されている。また、個々の誘電体ブ
ロック1の外表面には、外導体層4がほぼ全面に形成さ
れている。そして、上記構造からなる2つのお同軸共振
器a1、a2が一体的に接合され、その接合面におい
て、外導体層4の一部に電磁気的なスロット(図示せ
ず)を形成することにより、2つの同軸共振器a1、a
2が容量性結合されて誘電体フィルタ4となる。
の同軸共振器を容量性結合してなるものが一般に知られ
ている。図1は、誘電体フィルタの基本的な構造を説明
するための概略斜視図である。図1の誘電体フィルタA
においては、2つの誘電体ブロック1の内部に、長手方
向にそれぞれ貫通孔2が形成され、その孔内面には、内
導体層3が被着形成されている。また、個々の誘電体ブ
ロック1の外表面には、外導体層4がほぼ全面に形成さ
れている。そして、上記構造からなる2つのお同軸共振
器a1、a2が一体的に接合され、その接合面におい
て、外導体層4の一部に電磁気的なスロット(図示せ
ず)を形成することにより、2つの同軸共振器a1、a
2が容量性結合されて誘電体フィルタ4となる。
【0003】誘電体フィルタAの回路基板との実装面に
は、図5(a)の誘電体フィルタA側の実装面の導体パ
ターン図に示すように、外導体層4の他に、内導体層3
と容量結合した一対の信号用の電極パッド5、6が形成
されている。
は、図5(a)の誘電体フィルタA側の実装面の導体パ
ターン図に示すように、外導体層4の他に、内導体層3
と容量結合した一対の信号用の電極パッド5、6が形成
されている。
【0004】一方、誘電体フィルタAを実装する回路基
板B表面には、例えば、回路基板Bの表面に図5(b)
の回路基板B側の導体パターン図に示すように、例え
ば、前記フィルタA側の電極パッド5、6と電気的に接
続される位置に一対の信号用導体層7、8が形成されて
いる。また、回路基板Bの表面にはグランド用導体層9
が形成されており、回路基板Bのグランド層(図示せ
ず)にスルーホール導体10を経由して接地されてい
る。
板B表面には、例えば、回路基板Bの表面に図5(b)
の回路基板B側の導体パターン図に示すように、例え
ば、前記フィルタA側の電極パッド5、6と電気的に接
続される位置に一対の信号用導体層7、8が形成されて
いる。また、回路基板Bの表面にはグランド用導体層9
が形成されており、回路基板Bのグランド層(図示せ
ず)にスルーホール導体10を経由して接地されてい
る。
【0005】そして、上記の回路基板Bに対して誘電体
フィルタAを実装する場合には、図5(b)の破線部分
にフィルタAを載置して、上記のフィルタA側電極パッ
ド5、6と、回路基板B側信号用導体層7、8とを半田
等により接合するとともに、フィルタA側外導体層4と
回路基板側グランド用導体層9とを半田等により接合す
ることにより、実装される。
フィルタAを実装する場合には、図5(b)の破線部分
にフィルタAを載置して、上記のフィルタA側電極パッ
ド5、6と、回路基板B側信号用導体層7、8とを半田
等により接合するとともに、フィルタA側外導体層4と
回路基板側グランド用導体層9とを半田等により接合す
ることにより、実装される。
【0006】図1に示したような容量性結合型の誘電体
フィルタにおいては、周波数の選択性を高めるために
は、一般に、減衰極を形成することが有効であって、そ
の減衰極形成のためにリアクタンス成分を誘電体フィル
タとグランドとの間に形成する必要がある。通常、その
リアクタンスは、誘電体フィルタAの外導体層4と電気
的に接続され、且つ回路基板B側のグランド用導体層9
と電気的に接続されたスルーホール導体10とその周辺
の電流分布により自動的に形成されている。
フィルタにおいては、周波数の選択性を高めるために
は、一般に、減衰極を形成することが有効であって、そ
の減衰極形成のためにリアクタンス成分を誘電体フィル
タとグランドとの間に形成する必要がある。通常、その
リアクタンスは、誘電体フィルタAの外導体層4と電気
的に接続され、且つ回路基板B側のグランド用導体層9
と電気的に接続されたスルーホール導体10とその周辺
の電流分布により自動的に形成されている。
【0007】ところが、その誘電体フィルタAを実装す
る回路基板Bの回路構成等の相違によって、例えば、基
板側のスルーホール導体10の長さ等の要因の相違によ
って、リアクタンスの大きさが変動するために、周波数
特性、即ち、減衰極の位置が変化してしまうという問題
があった。
る回路基板Bの回路構成等の相違によって、例えば、基
板側のスルーホール導体10の長さ等の要因の相違によ
って、リアクタンスの大きさが変動するために、周波数
特性、即ち、減衰極の位置が変化してしまうという問題
があった。
【0008】このような回路基板の回路構成等の違いに
対応して、所定のリアクタンス成分を得るために、誘電
体フィルタ自体の設計をその都度変更することは、コス
トや時間の面から見て到底不可能である。そのため、回
路基板の回路構成等の違いによるリアクタンスの変化を
誘電体フィルタの基板への実装時に自由に調整できるよ
うな構成が望まれている。
対応して、所定のリアクタンス成分を得るために、誘電
体フィルタ自体の設計をその都度変更することは、コス
トや時間の面から見て到底不可能である。そのため、回
路基板の回路構成等の違いによるリアクタンスの変化を
誘電体フィルタの基板への実装時に自由に調整できるよ
うな構成が望まれている。
【0009】従来、このようなリアクタンスを制御する
方法としては、誘電体フィルタを実装する回路基板表面
に、長尺状の所定長さの導体線からなるリアクタンス素
子を形成する方法が知られている(特開平7−7305
号)。
方法としては、誘電体フィルタを実装する回路基板表面
に、長尺状の所定長さの導体線からなるリアクタンス素
子を形成する方法が知られている(特開平7−7305
号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィル
タを実装する基板上にリアクタンス素子そのものを形成
する方法では、当然ながら基板における実装表面にリア
クタンス素子を形成するためのスペースを要するため
に、基板における電子部品の高密度実装化に対しては不
利な方法である。しかも、基板表面にリアクタンス素子
を形成すると、リアクタンス素子が不要電磁波を放射し
たり、もしくは不要電磁波を吸収して、フィルタにおけ
る周波数特性に悪影響を及ぼす虞がある。
タを実装する基板上にリアクタンス素子そのものを形成
する方法では、当然ながら基板における実装表面にリア
クタンス素子を形成するためのスペースを要するため
に、基板における電子部品の高密度実装化に対しては不
利な方法である。しかも、基板表面にリアクタンス素子
を形成すると、リアクタンス素子が不要電磁波を放射し
たり、もしくは不要電磁波を吸収して、フィルタにおけ
る周波数特性に悪影響を及ぼす虞がある。
【0011】従って、本発明は、リアクタンス素子自体
を基板側に形成する必要なく、簡易な導体層の形成によ
って透過周波数帯域近くの減衰極の位置を容易に制御す
ることのできる小型化が可能な誘電体フィルタとのその
実装構造を提供することを目的とするものである。
を基板側に形成する必要なく、簡易な導体層の形成によ
って透過周波数帯域近くの減衰極の位置を容易に制御す
ることのできる小型化が可能な誘電体フィルタとのその
実装構造を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に対して検討を重ねた結果、誘電体フィルタ側にリアク
タンス形成用の導体線を形成し、その導体線のグランド
との距離を、回路基板側に設けられた導体層の位置によ
って任意に制御することにより、上記目的が達成される
ことを見いだし、本発明に至った。
に対して検討を重ねた結果、誘電体フィルタ側にリアク
タンス形成用の導体線を形成し、その導体線のグランド
との距離を、回路基板側に設けられた導体層の位置によ
って任意に制御することにより、上記目的が達成される
ことを見いだし、本発明に至った。
【0013】即ち、本発明の誘電体フィルタは、誘電体
ブロックと、該誘電体ブロック内に形成され、内面に内
導体層が被着形成された貫通孔と、前記誘電体ブロック
の外表面に形成された外導体層と、一対の信号用電極と
を具備する複数の同軸共振器を容量性結合してなる誘電
体フィルタにおいて、前記共振器とグランド間にリアク
タンス成分を発生させるための長尺状導体層が被着形成
されてなることを特徴とするものである。
ブロックと、該誘電体ブロック内に形成され、内面に内
導体層が被着形成された貫通孔と、前記誘電体ブロック
の外表面に形成された外導体層と、一対の信号用電極と
を具備する複数の同軸共振器を容量性結合してなる誘電
体フィルタにおいて、前記共振器とグランド間にリアク
タンス成分を発生させるための長尺状導体層が被着形成
されてなることを特徴とするものである。
【0014】また、本発明の誘電体フィルタの実装構造
は、誘電体ブロックと、該誘電体ブロック内に形成さ
れ、内面に内導体層が被着形成された貫通孔と、前記誘
電体ブロックの外表面に形成された外導体層と、一対の
信号用電極とを具備する複数の同軸共振器を容量性結合
してなる誘電体フィルタを、表面に少なくともグランド
用導体層と一対の信号用導体層が被着形成された回路基
板表面に実装して、前記1対の信号用電極と前記一対の
信号用導体層とを、および前記外導体層と前記グランド
用導体層とをそれぞれ電気的に接続してなる誘電体フィ
ルタの実装構造において、前記誘電体フィルタの回路基
板実装面に、前記外導体層と所定間隔をもってリアクタ
ンス形成用の長尺状導体層を被着形成するとともに、前
記回路基板表面に、前記外導体層と前記長尺状導体層と
を電気的に接続するための接続用導体層を被着形成し、
前記誘電体フィルタの前記外導体層と前記回路基板の前
記グランド用導体層とを、前記長尺状導体層および前記
接続用導体層を介在して接続することにより、前記長尺
状導体層によって所定のリアクタンスを発生せしめるこ
とを特徴とするものである。
は、誘電体ブロックと、該誘電体ブロック内に形成さ
れ、内面に内導体層が被着形成された貫通孔と、前記誘
電体ブロックの外表面に形成された外導体層と、一対の
信号用電極とを具備する複数の同軸共振器を容量性結合
してなる誘電体フィルタを、表面に少なくともグランド
用導体層と一対の信号用導体層が被着形成された回路基
板表面に実装して、前記1対の信号用電極と前記一対の
信号用導体層とを、および前記外導体層と前記グランド
用導体層とをそれぞれ電気的に接続してなる誘電体フィ
ルタの実装構造において、前記誘電体フィルタの回路基
板実装面に、前記外導体層と所定間隔をもってリアクタ
ンス形成用の長尺状導体層を被着形成するとともに、前
記回路基板表面に、前記外導体層と前記長尺状導体層と
を電気的に接続するための接続用導体層を被着形成し、
前記誘電体フィルタの前記外導体層と前記回路基板の前
記グランド用導体層とを、前記長尺状導体層および前記
接続用導体層を介在して接続することにより、前記長尺
状導体層によって所定のリアクタンスを発生せしめるこ
とを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の誘電体フィルタに
ついて具体的に説明する。本発明の誘電体フィルタは、
前述したような図1の同一の基本的構造からなるもので
ある。本発明の誘電体フィルタにおける大きな特徴は、
そのフィルタAの回路基板Bとの実装面(底面)の導体
パターンにある。図2は、その底面の導体パターン図で
ある。
ついて具体的に説明する。本発明の誘電体フィルタは、
前述したような図1の同一の基本的構造からなるもので
ある。本発明の誘電体フィルタにおける大きな特徴は、
そのフィルタAの回路基板Bとの実装面(底面)の導体
パターンにある。図2は、その底面の導体パターン図で
ある。
【0016】なお、図2において、図1と同一箇所につ
いては同一の符号を付した。
いては同一の符号を付した。
【0017】図2(a)によれば、本発明の誘電体フィ
ルタAの底面には、外導体層4および信号用の電極パッ
ド5、6とともに、2つの同軸共振器の接合部分に沿っ
て、外導体層4と所定の間隔をもって、リアクタンス形
成用の長尺状導体層11が被着形成されている。
ルタAの底面には、外導体層4および信号用の電極パッ
ド5、6とともに、2つの同軸共振器の接合部分に沿っ
て、外導体層4と所定の間隔をもって、リアクタンス形
成用の長尺状導体層11が被着形成されている。
【0018】一方、図2(b)の回路基板B側の導体パ
ターン図に示すように、回路基板Bの誘電体フィルタA
実装面には、一対の信号用導体層7、8とともに、グラ
ンド用導体層9が形成されているが、このグランド用導
体層9は、フィルタAの前記長尺状導体層11とのみ接
続されるようなサイズに形成されている。
ターン図に示すように、回路基板Bの誘電体フィルタA
実装面には、一対の信号用導体層7、8とともに、グラ
ンド用導体層9が形成されているが、このグランド用導
体層9は、フィルタAの前記長尺状導体層11とのみ接
続されるようなサイズに形成されている。
【0019】また、回路基板Bの表面には、フィルタA
実装時に、前記フィルタAの長尺状導体層11と、その
両側に位置する外導体層4とを電気的に接続可能な位置
に接続用導体層12が形成されている。
実装時に、前記フィルタAの長尺状導体層11と、その
両側に位置する外導体層4とを電気的に接続可能な位置
に接続用導体層12が形成されている。
【0020】そして、この図2(b)の導体パターンが
形成された回路基板Bに対して、底面に図2(a)の導
体パターンが形成された誘電体フィルタAを図2(b)
の点線で示す位置に載置し、前記フィルタAの一対の電
極パッド5、6と、回路基板B側の一対の信号用導体層
7、8とを、フィルタAの長尺状導体層11の一端と回
路基板B側のグランド用導体層9とを、さらには、回路
基板B側の接続用導体層12とフィルタAの長尺状導体
層11およびその両側の外導体層4とを、半田などの導
電性接着材により電気的に接続固定して、フィルタAが
回路基板Bに実装される。
形成された回路基板Bに対して、底面に図2(a)の導
体パターンが形成された誘電体フィルタAを図2(b)
の点線で示す位置に載置し、前記フィルタAの一対の電
極パッド5、6と、回路基板B側の一対の信号用導体層
7、8とを、フィルタAの長尺状導体層11の一端と回
路基板B側のグランド用導体層9とを、さらには、回路
基板B側の接続用導体層12とフィルタAの長尺状導体
層11およびその両側の外導体層4とを、半田などの導
電性接着材により電気的に接続固定して、フィルタAが
回路基板Bに実装される。
【0021】かかる実装構造においては、誘電体フィル
タAの外導体層4と回路基板Bのグランド用導体層9と
を、長尺状導体層11および接続用導体層12を介在し
て接続することにより、長尺状導体層11の接続用導体
層12までの距離xに応じたリアクタンスを発生せしめ
ることができる。
タAの外導体層4と回路基板Bのグランド用導体層9と
を、長尺状導体層11および接続用導体層12を介在し
て接続することにより、長尺状導体層11の接続用導体
層12までの距離xに応じたリアクタンスを発生せしめ
ることができる。
【0022】このリアクタンスは、前記長尺状導体層1
1の接続用導体層12までの距離xを長くすることによ
り大きく、逆に短くすることにより小さくすることがで
きる。従って、回路基板B側における接続用導体層12
の形成位置を回路基板Bの特性に応じて変えることによ
って、任意のリアクタンスを形成することができる。
1の接続用導体層12までの距離xを長くすることによ
り大きく、逆に短くすることにより小さくすることがで
きる。従って、回路基板B側における接続用導体層12
の形成位置を回路基板Bの特性に応じて変えることによ
って、任意のリアクタンスを形成することができる。
【0023】例えば、図2(b)に従い、接続用導体層
12の形成位置を、長尺状導体層11のグランド用導体
層9との接続部と反対の他端に形成することにより、リ
アクタンスを最も大きくすることができるが、図2
(c)に示すように、接続用導体12と、グランド用導
体層9とを重ねて形成することによりそのリアクタンス
を最も小さくすることができる。
12の形成位置を、長尺状導体層11のグランド用導体
層9との接続部と反対の他端に形成することにより、リ
アクタンスを最も大きくすることができるが、図2
(c)に示すように、接続用導体12と、グランド用導
体層9とを重ねて形成することによりそのリアクタンス
を最も小さくすることができる。
【0024】本発明の誘電体フィルタの実装構造の等価
回路を図3に示した。この等価回路によれば、前記2つ
の同軸共振器a1、a2の一端側は、容量c1によって
互いに結合され、他端は、グランド(G)に接続されて
いる。ここで、減衰極を形成するためには、共振器a
1、a2とグランド(G)間にリアクタンス成分Lcが
必要になる。このリアクタンス成分が大きくなるに従
い、2つの減衰極が互いに近づき、リアクタンス成分が
小さくなるに従い、減衰極は互いに離れていきしまいに
は消滅する。この構成で形成されるリアクタンス成分の
大きさは、数nHまでと考えられる。
回路を図3に示した。この等価回路によれば、前記2つ
の同軸共振器a1、a2の一端側は、容量c1によって
互いに結合され、他端は、グランド(G)に接続されて
いる。ここで、減衰極を形成するためには、共振器a
1、a2とグランド(G)間にリアクタンス成分Lcが
必要になる。このリアクタンス成分が大きくなるに従
い、2つの減衰極が互いに近づき、リアクタンス成分が
小さくなるに従い、減衰極は互いに離れていきしまいに
は消滅する。この構成で形成されるリアクタンス成分の
大きさは、数nHまでと考えられる。
【0025】本発明の実装構造によれば、前記図2
(b)に示したように、グランド用導体層9と、接続用
導体層12との離間距離xによって定められる、回路基
板のグランドから、グランド用導体層9および長尺状導
体層11を経由して、誘電体フィルタの外導体層4に到
達する電流の経路の長さによるリアクタンス成分の違い
が生じる。従って、回路基板における接続用導体層12
の形成位置によって任意のリアクタンス成分を発生させ
ることができる。
(b)に示したように、グランド用導体層9と、接続用
導体層12との離間距離xによって定められる、回路基
板のグランドから、グランド用導体層9および長尺状導
体層11を経由して、誘電体フィルタの外導体層4に到
達する電流の経路の長さによるリアクタンス成分の違い
が生じる。従って、回路基板における接続用導体層12
の形成位置によって任意のリアクタンス成分を発生させ
ることができる。
【0026】なお、本発明におけるリアクタンス形成用
の長尺状導体層11は、図2に示すような直線的なもの
に限られず、例えば、導体層11の長さをさらに長くす
るために、蛇行した線状体であってもよい。
の長尺状導体層11は、図2に示すような直線的なもの
に限られず、例えば、導体層11の長さをさらに長くす
るために、蛇行した線状体であってもよい。
【0027】
【実施例】比誘電率30の誘電体材料を用いて、その外
表面にAgからなるメッキによって、外導体層、内導体
層、電極パッド、リアクタンス用長尺状導体層を形成し
て、無負荷Q200の誘電体共振器を作り、その回路基
板への実装面の導体パターンを図2(a)とした誘電体
フィルタを作成した。
表面にAgからなるメッキによって、外導体層、内導体
層、電極パッド、リアクタンス用長尺状導体層を形成し
て、無負荷Q200の誘電体共振器を作り、その回路基
板への実装面の導体パターンを図2(a)とした誘電体
フィルタを作成した。
【0028】一方、この誘電体フィルタを実装する回路
基板において導体パターンを図2(b)または図2
(c)として、この回路基板にそれぞれ誘電体フィルタ
を半田実装して減衰特性を測定した。
基板において導体パターンを図2(b)または図2
(c)として、この回路基板にそれぞれ誘電体フィルタ
を半田実装して減衰特性を測定した。
【0029】回路基板の導体パターンが図2(b)の配
置の場合の減衰特性を図4(b)、また、回路基板の導
体パターンが図2(c)の配置の場合の減衰特性を図4
(a)に示した。リアクタンスが大きい図2(b)の配
置では、図2(c)の場合に比較して減衰極が互いに近
づいて、急峻なピークを形成していることがわかる。
置の場合の減衰特性を図4(b)、また、回路基板の導
体パターンが図2(c)の配置の場合の減衰特性を図4
(a)に示した。リアクタンスが大きい図2(b)の配
置では、図2(c)の場合に比較して減衰極が互いに近
づいて、急峻なピークを形成していることがわかる。
【0030】これらは、リアクタンスによる減衰極の共
振周波数の変化によるものである。
振周波数の変化によるものである。
【0031】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の誘電体フ
ィルタとその実装構造によれば、誘電体フィルタの構造
や回路自体に変更を加えることなく、回路基板側に設け
られた接続用導体層の形成位置を変えることにより、任
意のリアクタンス成分を発生させることができる結果、
これにより減衰極の位置を自由に制御することができ
る。
ィルタとその実装構造によれば、誘電体フィルタの構造
や回路自体に変更を加えることなく、回路基板側に設け
られた接続用導体層の形成位置を変えることにより、任
意のリアクタンス成分を発生させることができる結果、
これにより減衰極の位置を自由に制御することができ
る。
【図1】誘電体フィルタの基本的な構造を説明するため
の概略斜視図である。
の概略斜視図である。
【図2】本発明の誘電体フィルタの実装構造において、
(a)は誘電体フィルタの回路基板との実装面(底面)
の導体パターン図、(b)は回路基板側の導体パターン
図、(c)は回路基板側の導体パターンの他の例であ
る。
(a)は誘電体フィルタの回路基板との実装面(底面)
の導体パターン図、(b)は回路基板側の導体パターン
図、(c)は回路基板側の導体パターンの他の例であ
る。
【図3】本発明の誘電体フィルタの実装構造における等
価回路を示す。
価回路を示す。
【図4】本発明の誘電体フィルタの実装構造の減衰特性
を示す図であり、(a)は回路基板が図2(c)の導体
パターンの場合、(b)は回路基板が図2(b)の導体
パターンの場合である。
を示す図であり、(a)は回路基板が図2(c)の導体
パターンの場合、(b)は回路基板が図2(b)の導体
パターンの場合である。
【図5】従来の誘電体フィルタの実装構造において、
(a)は誘電体フィルタの回路基板との実装面(底面)
の導体パターン図、(b)は回路基板側の導体パターン
図である。
(a)は誘電体フィルタの回路基板との実装面(底面)
の導体パターン図、(b)は回路基板側の導体パターン
図である。
1 誘電体ブロック
2 貫通孔
3 内導体層
4 外導体層
5、6 電極パッド
7、8 信号用導体層
9 グランド用導体層
10 スルーホール導体
11 長尺状導体層
12 接続用導体層
Claims (2)
- 【請求項1】誘電体ブロックと、該誘電体ブロック内に
形成され、内面に内導体層が被着形成された貫通孔と、
前記誘電体ブロックの外表面に形成された外導体層と、
一対の信号用電極とを具備する複数の同軸共振器を容量
性結合してなる誘電体フィルタにおいて、前記誘電体フ
ィルタの回路基板実装面に、該外導体層と所定間隔をも
って形成され、前記共振器とグランド間にリアクタンス
成分を発生させるための長尺状導体層が被着形成されて
なることを特徴とする誘電体フィルタ。 - 【請求項2】誘電体ブロックと、該誘電体ブロック内に
形成され、内面に内導体層が被着形成された貫通孔と、
前記誘電体ブロックの外表面に形成された外導体層と、
一対の信号用電極とを具備する複数の同軸共振器を容量
性結合してなる誘電体フィルタを、表面に少なくともグ
ランド用導体層と一対の信号用導体層が被着形成された
回路基板表面に実装して、前記1対の信号用電極と前記
一対の信号用導体層とを、および前記外導体層と前記グ
ランド用導体層とをそれぞれ電気的に接続してなる誘電
体フィルタの実装構造において、前記誘電体フィルタの
回路基板実装面に、前記外導体層と所定間隔をもってリ
アクタンス形成用の長尺状導体層を被着形成するととも
に、前記回路基板表面に、前記外導体層と前記長尺状導
体層とを電気的に接続するための接続用導体層を被着形
成し、前記誘電体フィルタの前記外導体層と前記回路基
板の前記グランド用導体層とを、前記長尺状導体層およ
び前記接続用導体層を介在して接続することにより、前
記長尺状導体層によって所定のリアクタンスを発生せし
めることを特徴とする誘電体フィルタの実装構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35692997A JP3488376B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 誘電体フィルタとその実装構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35692997A JP3488376B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 誘電体フィルタとその実装構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11191704A JPH11191704A (ja) | 1999-07-13 |
JP3488376B2 true JP3488376B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=18451486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35692997A Expired - Fee Related JP3488376B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 誘電体フィルタとその実装構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3488376B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4759812B2 (ja) * | 2001-01-19 | 2011-08-31 | 株式会社村田製作所 | 積層型lcフィルタ |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP35692997A patent/JP3488376B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11191704A (ja) | 1999-07-13 |
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