JP4910513B2 - サージ吸収回路 - Google Patents

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Description

本発明は、サージ吸収回路に関する。
ICやLSI等の半導体デバイスは、高圧の静電気によって破壊される、あるいは、特性が劣化する。このため、半導体デバイスには、静電気対策としてバリスタ等のサージ吸収素子が使用されている。
このような、バリスタを始めとするサージ吸収素子は浮遊容量成分や浮遊誘導成分を有する。このため、高速信号を扱う回路にサージ吸収素子を適用すると高速信号を劣化させてしまう。高速信号を扱う回路にサージ吸収素子を適用するためには、サージ吸収素子の浮遊容量成分を小さくしなければ、高速信号の立ち上がり特性や遅延特性の劣化を避けられない。しかしながら、サージ吸収素子の浮遊容量成分を小さくすると、サージ吸収素子の制御電圧の上昇やエネルギー耐量を減少させてしまう。
浮遊容量成分の影響を軽減するサージ吸収素子として、インダクタと2つのバリスタとを備えるサージ吸収素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたサージ吸収素子は、第1のバリスタとインダクタからなる並列回路と、並列回路に電気的に直列に接続された第2のバリスタと、第2のバリスタと前記並列回路との直列回路の両端に接続された入出力電極及びグランド電極と、を備えている。
特開2001−60838号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたサージ吸収素子では、第1のバリスタの浮遊容量とインダクタとによりバンドパスフィルタが構成されることとなるため、広帯域にわたってインピーダンス整合をとることは困難である。したがって、高速信号に対しては十分な特性を実現することができない。
本発明の目的は、高速信号に対してもインピーダンス整合に優れたサージ吸収素子を提供することである。
本発明にかかるサージ吸収回路は、相互に極性反転結合されると共に端同士が接続された第1の導体及び第2の導体と、第1の導体及び第2の導体と電気的に絶縁された第3の導体とが形成された回路基板と、一方の端子が第1の導体と第2の導体との接続部分に接続され、他方の端子が第3の導体に接続されたサージ吸収素子と、を備える。
本発明に係るサージ吸収素子では、相互に極性反転結合される第1の導体及び第2の導体を有している。このため、サージ吸収素子の浮遊容量成分に対して第1の導体及び第2の導体の誘導係数を適切に設定することにより、浮遊容量成分の影響をキャンセルすることが可能となる。この結果、広帯域にわたって周波数特性の平坦な入力インピーダンスを実現することができる。
好ましくは、サージ吸収素子は積層型チップバリスタである。
また、好ましくは、第1の導体と第2の導体とが、同一層に形成されている。この場合、第1の導体と第2の導体とを形成する工程を簡易化できるので、より容易にサージ吸収回路を製造することができる。
更に好ましくは、第1の導体と第2の導体とは、少なくとも一部の領域が互いに重なり合うように異なる層に形成されており、第1の導体と第2の導体との互いに重なり合う領域により容量成分が構成される。これにより、サージ吸収素子の浮遊容量成分に対して第1の導体及び第2の導体の誘導係数と、互いに重なり合う領域の容量成分の容量とを柔軟に設定することができる。また、第1の導体と第2の導体とによって容量成分を構成するので、キャパシタ素子を別途設ける必要がなく、回路の構成が簡素化されると共に、回路の小型化を図ることができる。
また更に好ましくは、第1の導体と第2の導体とは互いに重なり合う領域が、領域以外の領域よりも幅広に形成されている。このように構成することにより、互いに重なり合う領域の容量成分の容量をより適切な値に設定することができる。
好ましくは、第1の導体から信号が入力されると共に第2の導体から信号が出力され、第1の導体と第2の導体とが、極性反転結合している。
本発明によれば、高速信号に対してもインピーダンス整合に優れたサージ吸収素子を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、説明中、「上」及び「下」なる語を使用することがあるが、これは各図の上下方向に対応したものである。
(第1実施形態)
まず、図1に基づいて、第1実施形態に係るサージ吸収回路SA1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係るサージ吸収回路SA1の構成を説明するための分解斜視図である。
サージ吸収回路SA1は、所定の回路パターンが形成された積層型の回路基板1Aと、サージ吸収素子3とを備えている。回路基板1Aは、3層の絶縁層101〜103が上から順に積層して形成されている。
回路基板1Aには、第1の導体11、第2の導体21、第3の導体31、第1のランド33、及び第2のランド35が形成されている。第1の導体11は、第1の部分13と第2の部分15とを含んでいる。第2の導体21は、第1の部分23と第2の部分25とを含んでいる。サージ吸収回路SA1では、第1の導体11から信号が入力され、第2の導体21から信号が出力される。
絶縁層101上には、第1の導体11の第1の部分13、第2の導体21の第1の部分23、第1のランド33、及び第2のランド35が、互いに電気的に絶縁された状態で形成されている。ストレート状のパターンを有する第1の部分13の一端は、サージ吸収回路SA1に信号を入力するための伝送ラインに電気的に接続される。第1の部分13の他端に対応する位置には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体41が形成されている。スルーホール導体41は、第1の部分13と電気的に接続されている。ストレート状のパターンを有する第1の部分23の一端は、サージ吸収回路SA1から信号を出力するための伝送ラインに電気的に接続される。第1の部分23の他端に対応する位置には、絶縁層101及び絶縁層102を厚み方向に貫通するスルーホール導体43が形成されている。スルーホール導体43は、第1の部分23と電気的に接続されている。
絶縁層101上には、サージ吸収素子3が実装(例えば、フィレット実装)されている。本実施形態では、サージ吸収素子3として、積層型チップバリスタを用いている。積層型チップバリスタの構成は周知であり、その詳細な説明は省略するが、積層型チップバリスタは、少なくとも一対の内部電極と、当該一対の内部電極に挟まれるように配されるバリスタ層とを含んでいる。
サージ吸収素子3の一方の端子は、第1のランド33と機械的及び電気的に接続され、他方の端子は、第2のランド35と機械的及び電気的に接続されている。バリスタ層は、ZnOを主成分とするセラミック材料から構成されている。このセラミック材料中には、添加物として、Pr及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素等、Co並びにAl等が更に含まれている。バリスタ層は、Prに加えてCoを含むことにより、優れた電圧非直線特性、すなわちバリスタ特性を有するものとなる。第1のランド33は、絶縁層101を厚み方向に貫通して形成されたスルーホール導体45に電気的に接続されている。第2のランド35は、絶縁層101を厚み方向に貫通して形成されたスルーホール導体47に電気的に接続されている。
絶縁層102上には、第1の導体11の第2の部分15がミアンダ状に形成されている。第2の部分15の一端は、スルーホール導体41に対応するように位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体41に電気的に接続される。これにより、第1の部分13と第2の部分15とがスルーホール導体41を介して電気的に接続される。第2の部分15の他端は、スルーホール導体45に対応するように位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体45に電気的に接続される。これにより、第2の部分15とサージ吸収素子3とがスルーホール導体45及び第1のランド33を介して電気的に接続される。
絶縁層102上には、グランドと電気的に接続される第3の導体31が形成されている。第3の導体31は、サージ吸収素子3が実装されていない状態で、第1の導体11及び第2の導体21と電気的に絶縁されている。すなわち、第1の導体11及び第2の導体21と、第3の導体31とは、サージ吸収素子3を通して接続されることとなる。第3の導体31は、スルーホール導体47に対応するように位置する領域を有しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体47と電気的に接続される。これにより、第3の導体31とサージ吸収素子3とが、スルーホール導体47及び第2のランド35を介して電気的に接続される。
絶縁層102には、スルーホール導体43に対応する位置にスルーホール導体49が形成されている。スルーホール導体49は、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体43と電気的に接続される。絶縁層102には、スルーホール導体45に対応する位置にスルーホール導体51が形成されている。スルーホール導体51は、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体45と電気的に接続される。
絶縁層103上には、第1の導体11の第2の部分15に対応するように、第2の導体21の第2の部分25がミアンダ状に形成されている。第2の部分25の一端は、スルーホール導体49に対応して位置しており、絶縁層102と絶縁層103とが積層された状態でスルーホール導体49と電気的に接続される。これにより、第1の部分23と第2の部分25とがスルーホール導体43,49を介して電気的に接続される。第2の部分25の他端は、スルーホール導体51に対応して位置しており、絶縁層102と絶縁層103とが積層された状態でスルーホール導体51と電気的に接続される。これにより、第2の部分25とサージ吸収素子3とがスルーホール導体45,51及び第1のランド33を介して電気的に接続される。
上述した構成を有するサージ吸収回路SA1において、第1の導体11の第2の部分15と、第2の導体21の第2の部分25とは、互いに極性反転結合される領域17,27をそれぞれ含んでいる。第2の部分15の領域17と、第2の部分25の領域27とは、絶縁層102,103の積層方向から見て重なり合うように位置している。
次に、図2及び図3に基づいて、上述したサージ吸収回路SA1の回路構成を説明する。図2は、第1実施形態に係るサージ吸収回路SA1の回路構成を説明するための図である。図3は、図2に示された回路構成の等価回路を示す図である。
図2に示すように、インダクタンス成分を有する第1の導体11の一端と、インダクタンス成分を有する第2の導体21の一端と、が電気的に接続されている。上述したように、第1の導体11(第2の部分15の領域17)と第2の導体21(第2の部分25の領域27)とは相互に極性反転結合される関係にある。サージ吸収素子3の一方の端子が第1の導体11と第2の導体21との接続部分(本実施形態においては、スルーホール導体45,51)と電気的に接続され、サージ吸収素子3の他方の端子が第3の導体31と電気的に接続されている。
ここで、「極性反転結合」とは、図2に示されるように、第1の導体11に相当するインダクタンス成分の巻き始めを信号入力側とし、第2の導体21に相当するインダクタンス成分の巻き始めを第1の導体11と接続する側(本実施形態においては、スルーホール導体51側)とした場合に、第1の導体11と第2の導体21との結合が「正」であることを意味する。すなわち、「極性反転結合」とは、第1の導体11の第1の部分13側から第2の部分15に電流が流れ込み、第2の導体21に第1の内部導体11と接続する側(本実施形態においては、スルーホール導体51側)から電流が流れ込み、第1の導体11に生じる磁束と第2の導体21に生じる磁束を互いに強めあうことを意味する。
極性反転結合の関係にある第1の導体11と第2の導体21とは、図3に示されるように、第1のインダクタンス成分61、第2のインダクタンス成分63及び第3のインダクタンス成分65に変換することができる。第1のインダクタンス成分61と第2のインダクタンス成分63とは、直列に接続される。第3のインダクタンス成分65は、直列に接続された第1のインダクタンス成分61と第2のインダクタンス成分63との接続部分とサージ吸収素子3との間に接続される。第1の導体11と第2の導体21との誘導係数をLzとし、第1の導体11と第2の導体21との間の結合係数をKzとすると、第1のインダクタンス成分61及び第2のインダクタンス成分63の誘導係数は(1+Kz)Lzとなり、第3のインダクタンス成分65の誘導係数は−KzLzとなる。
サージ吸収素子3は、図3に示されるように、第3のインダクタンス成分65と第3の導体31との間に並列接続される可変抵抗71及び浮遊容量成分73に変換することができる。可変抵抗71は、通常は抵抗値が大きく、高圧サージが印加されると抵抗値が小さくなる。サージ吸収素子3において、小振幅の高速信号に対しては、浮遊容量成分73のみで近似することができる。
図3に示されたサージ吸収回路SA1の入力インピーダンスZinは、下記(1)式にて表される。ここで、サージ吸収素子3の浮遊容量成分73の容量をCzとしている。
Figure 0004910513
・・・(1)
(1)式において、Kz=±1を満たすように結合係数Kzを設定すれば、入力インピーダンスZinは周波数特性に依存しなくなる。ただし、Kz=−1の場合は、入力インピーダンスZin=0となるため適当ではない。よって、Kz=1と設定した上で、下記(2)式に示すように誘導係数Lzを設定すれば、入力インピーダンスZinは特性インピーダンスZoに整合させることができる。
Figure 0004910513
・・・(2)
以上のように、本第1実施形態では、相互に極性反転結合される第1の導体11及び第2の導体21を有している。このため、サージ吸収素子3の浮遊容量成分に対して第1の導体11及び第2の導体21の誘導係数を適切に設定することにより、浮遊容量成分の影響をキャンセルすることが可能となる。この結果、広帯域にわたって周波数特性の平坦な入力インピーダンスを実現することができる。
ところで、図3に示された回路構成を積層型の電子部品(積層サージ吸収部品)により実現することもできる。この場合、積層サージ吸収部品は、第1の導体及び第2の導体に対応する内部導体と、サージ吸収素子とを含む一つの積層体を備えることとなる。しかしながら、第1の導体及び第2の導体に対応する内部導体を積層体内に含むと、積層体を構成する材料(通常、セラミック材料)および内部電極材料に制約があるため、以下に述べるように、第1の導体及び第2の導体に対応する内部導体における損失が大きくなってしまう。すなわち、積層体にサージ吸収素子を含ませる必要があるため、積層体を構成する材料の誘電率は比較的大きくなる。このため、第1の導体に対応する内部導体と第2の導体に対応する内部導体との間に生じる浮遊容量が大きくなり、生じる浮遊容量に対応させて第1の導体及び第2の導体に対応する内部導体を長くする必要がある。この結果、第1の導体及び第2の導体に対応する内部導体における損失が大きくなってしまう。
また、積層体のサイズが小さい場合、第1の導体及び第2の導体に対応する内部導体の長さを所望の値に確保することは難しく、十分な誘導係数を得ることが困難となる懼れがある。また、狭い領域に内部導体をレイアウトする場合、内部導体をミアンダ状等に蛇行させて形成することが考えられるが、この場合には、内部導体の折り返し部分が近接して浮遊容量が新たに生じてしまう。このため、第1の導体及び第2の導体に対応する内部導体の長さは、更に長くする必要があり、レイアウト自体が困難となってしまう懼れもある。さらに、内部導体は通常セラミック材料との同時焼成が必要となり、セラミック材料との反応を抑えるため材質に制限があり内部導体の損失が大きくなる懼れがある。
これに対して、本第1実施形態では、第1の導体11及び第2の導体21が回路基板に形成され、サージ吸収素子3とは別に構成されているので、上述した積層サージ吸収部品が有する問題点を有することはない。すなわち、第1の導体11及び第2の導体21における損失の発生を抑制し、十分な誘導係数を容易に確保することができる。
よって、本第1実施形態のサージ吸収回路SA1は、半導体デバイス等を高圧の静電気から保護しつつ、高速信号に対してもより一層インピーダンス整合に優れたサージ吸収回路とすることができる。
(第1実施形態の変形例)
上記の第1実施形態にかかるサージ吸収回路SA1の変形例について説明する。変形例に係るサージ吸収回路SA2,SA3は、第1の導体11及び第2の導体21の構成等に関して第1実施形態に係るサージ吸収回路SA1と相違する。
まず、図4を参照して、第1実施形態にかかるサージ吸収回路SA1の第1変形例について説明する。図4は、第1実施形態の第1変形例であるサージ吸収回路SA2の構成を説明するための分解斜視図である。
サージ吸収回路SA2は、所定の回路パターンが形成された積層型の回路基板1Bと、サージ吸収素子3とを備えている。回路基板1Bは、2層の絶縁層101,102が上から順に積層して形成されている。回路基板1Bには、上記回路基板1Aと同様に、第1の導体11、第2の導体21、第3の導体31、第1のランド33、及び第2のランド35が形成され、サージ吸収素子3が実装されている。サージ吸収回路SA2の等価回路構成は、図2及び図3によって示されるサージ吸収回路SA1の等価回路構成と同じである。
絶縁層101上には、第1の導体11と第1のランド33とが一体的に形成されている。第1の導体11は、ミアンダ状に形成されている。第1の導体11の第1のランド33側の端部に対応する位置には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体45が形成されている。スルーホール導体45は、第1の導体11及び第1のランド33と電気的に接続されている。第2のランド35は、上記第1実施形態と同じく、スルーホール導体47を介して第3の導体31に電気的に接続されている。
絶縁層102上には、第1の導体11に対応するように、第2の導体21の第2の部分25がミアンダ状に形成されている。第2の部分25の一端は、スルーホール導体43に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体43に電気的に接続される。よって、第1の部分23と第2の部分25とがスルーホール導体43を介して電気的に接続される。第2の部分25の他端は、スルーホール導体45に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体45に電気的に接続される。よって、第1の導体11と第2の部分25とがスルーホール導体45を介して電気的に接続される。また、第2の部分25とサージ吸収素子3とが、スルーホール導体45及び第1のランド33を介して電気的に接続される。
絶縁層102上には、第3の導体31が形成されている。第3の導体31とサージ吸収素子3とは、上記第1実施形態と同じく、スルーホール導体47及び第2のランド35を介して電気的に接続される。
上述した構成を有するサージ吸収回路SA2においても、第1の導体11と、第2の導体21の第2の部分25とは、互いに極性反転結合される領域17,27をそれぞれ含んでいる。第1の導体11の領域17と、第2の部分25の領域27とは、絶縁層101,102の積層方向から見て重なり合うように位置している。
以上のように、サージ吸収回路SA2は、上記サージ吸収回路SA1と同様に、半導体デバイス等を高圧の静電気から保護しつつ、高速信号に対してもより一層インピーダンス整合に優れたサージ吸収回路とすることができる。
次に、図5を参照して、第1実施形態にかかるサージ吸収回路SA1の第2変形例について説明する。図5は、第1実施形態の第2変形例であるサージ吸収回路SA3の構成を説明するための分解斜視図である。
サージ吸収回路SA3は、パターンが形成された積層型の回路基板1Cと、サージ吸収素子3とを備えている。回路基板1Cは、2層の絶縁層101,102が上から順に積層して形成されている。回路基板1Cには、第1の導体11、第2の導体21、第3の導体31、第1のランド33、及び第2のランド35が形成され、サージ吸収素子3が実装されている。第2の導体21は、第1の部分23、第2の部分25、及び第3の部分29を含んでいる。サージ吸収回路SA3の等価回路構成は、図2及び図3によって示されるサージ吸収回路SA1の等価回路構成と同じである。
絶縁層101上には、第1の導体11、第1のランド33、及び第2の導体21の第2の部分25が一体的に形成されている。これにより、第1の導体11と第2の導体21の第2の部分25とは、同一層に形成されることとなる。第1の導体11と、第2の導体21の第2の部分25とは、互いに極性反転結合される領域17,27をそれぞれ含んでいる。第1の導体11の領域17と、第2の部分25の領域27とは、絶縁層101,102の積層方向に直行する所定の方向に所定の間隔を有して互いに沿うように配されている。
第2の部分25の端部(第1の導体11及び第1のランド33に連続する端部とは反対の端部)に対応する位置には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体53が形成されている。スルーホール導体53は、第2の部分25と電気的に接続されている。第2の導体21の第1の部分23が、第2の部分25と電気的に絶縁されて絶縁層101上に形成されている。絶縁層101には、当該絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体55が形成されている。スルーホール導体55は、第1の部分23と電気的に接続されている。
絶縁層102上には、第2の導体21の第3の部分29と、第3の導体31とが形成されている。ストレート状に形成された第3の部分29の一端は、スルーホール導体53に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体53と電気的に接続される。第3の部分29の他端は、スルーホール導体55に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体55と電気的に接続される。よって、第3の部分29は、第1の部分23及び第2の部分25と電気的に接続されることとなる。
以上のように、サージ吸収回路SA3は、上記サージ吸収回路SA1と同様に、半導体デバイス等を高圧の静電気から保護しつつ、高速信号に対してもより一層インピーダンス整合に優れたサージ吸収回路とすることができる。
(第2実施形態)
次に、図6に基づいて、第2実施形態に係るサージ吸収回路SA4の構成を説明する。図6は、第2実施形態に係るサージ吸収回路SA4の構成を説明するための分解斜視図である。
第2実施形態に係るサージ吸収回路SA4は、サージ吸収回路SA1と同様に、所定の回路パターンが形成された回路基板4Aと、サージ吸収素子3とを備えている。更に、サージ吸収回路SA4は、容量成分を有するキャパシタ素子5を備える点で、サージ吸収回路SA1と相異する。回路基板4Aは、2層の絶縁層101,102が上から順に積層して形成されている。回路基板4Aには、第1の導体11、第2の導体21、第3の導体31、第1のランド33、第2のランド35、第3のランド37、及び第4のランド39が形成され、サージ吸収素子3及びキャパシタ素子5が実装されている。第2の導体21は、第1の部分23と第2の部分25とを含んでいる。
絶縁層101上には、一体的に形成された第1の導体11と第1のランド33と第3のランド37と、一体的に形成された第2の導体21の第1の部分23と第4のランド39と、一体的に形成された第3の導体31及び第2のランド35と、が互いに電気的に絶縁された状態で形成されている。第1の導体11は、ミアンダ状に形成されている。第1の導体11は、第2の導体21の第1の部分23の方向へ突出した第3のランド37を有する。第1の導体11の第1のランド33側の端部に対応する位置には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体45が形成されている。スルーホール導体45は、第1の導体11及び第1のランド33と電気的に接続されている。
ストレート状のパターンを有する第2の導体21の第1の部分23の一端に対応する位置には、第4のランド39が形成されている。第2の導体21の第1の部分23には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体43が形成されている。スルーホール導体43は、第1の部分23と電気的に接続されている。
絶縁層101上には、サージ吸収素子3が実装されている。サージ吸収素子3は、一方の端子が第1のランド33と機械的及び電気的に接続され、他方の端子が第2のランド35と機械的及び電気的に接続されている。
絶縁層101上には、容量成分を有するキャパシタ素子5が実装(例えば、フィレット実装)されている。本実施形態では、キャパシタ素子5として、積層型チップバリスタを用いている。キャパシタ素子5の一方の端子は、第3のランド37と機械的及び電気的に接続され、他方の端子は、第4のランド39と機械的及び電気的に接続されている。
絶縁層102上には、第1の導体11に対応するように、第2の導体21の第2の部分25がミアンダ状に形成されている。第2の部分25の一端は、スルーホール導体43に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体43に電気的に接続される。よって、第1の部分23と第2の部分25とがスルーホール導体43を介して電気的に接続される。第2の部分25の他端は、スルーホール導体45に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体45に電気的に接続される。よって、第1の導体11と第2の部分25とがスルーホール導体45を介して電気的に接続される。また、第2の部分25とサージ吸収素子3とが、スルーホール導体45及び第1のランド33を介して電気的に接続される。
上述した構成を有するサージ吸収回路SA4においても、第1の導体11と、第2の導体21の第2の部分25とは、互いに極性反転結合される領域17,27をそれぞれ含んでいる。第1の導体11の領域17と、第2の部分25の領域27とは、絶縁層101,102の積層方向から見て重なり合うように位置している。
次に、図7及び図8に基づいて、上述したサージ吸収回路SA4の回路構成を説明する。図7は、第2実施形態に係るサージ吸収回路SA4の回路構成を説明するための図である。図8は、図7に示された回路構成の等価回路を示す図である。
図7に示すように、インダクタンス成分を有する第1の導体11の一端と、インダクタンス成分を有する第2の導体21の一端と、が電気的に接続されている。上述したように、第1の導体11(領域17)と第2の導体21(領域27)とは相互に極性反転結合される関係にある。また、サージ吸収素子3の一方の端子が第1の導体11と第2の導体21との接続部分と電気的に接続され、サージ吸収素子3の他方の端子が第3の導体31と電気的に接続されている。更に、第1の導体11と第2の導体21とにキャパシタ素子5が接続されている。
第1実施形態において説明したように、相互に極性反転結合される第1の導体11及び第2の導体21は、図8に示すように、第1のインダクタンス成分61、第2のインダクタンス成分63及び第3のインダクタンス成分65に変換することができる。第1の導体11と第2の導体21との誘導係数をLzとし、第1の導体11と第2の導体21との間の結合係数をKzとすると、第1のインダクタンス成分61及び第2のインダクタンス成分63の誘導係数は(1+Kz)Lzとなり、第3のインダクタンス成分65の誘導係数は−KzLzである。
また、サージ吸収素子3は、図8に示されるように、第3のインダクタンス成分65と第3の導体31との間に並列接続される可変抵抗71及び浮遊容量成分73に変換することができる。第1実施形態において説明したように、サージ吸収素子3において、小振幅の高速信号に対しては、浮遊容量成分73のみで近似することができる。
図8に示されたサージ吸収回路SA4の入力インピーダンスZinは、下記(3)式にて表される。ここで、キャパシタ素子5の容量をCsとし、サージ吸収素子3の浮遊容量成分73の容量をCzとしている。
Figure 0004910513
・・・(3)
(3)式において、下記(4)式を満たすようにキャパシタ素子5の容量Csを設定すれば、入力インピーダンスZinは周波数特性に依存しなくなる。キャパシタ素子5の容量Csを下記(4)式に設定した上で、下記(5)式に示すように第1の導体11及び第2の導体21の誘導係数Lzを設定すれば、入力インピーダンスZinは特性インピーダンスZoに整合させることができる。
Figure 0004910513
・・・(4)
Figure 0004910513
・・・(5)
上記(4)式及び(5)式からも分かるように、第1の導体11と第2の導体21との間の結合係数Kzを任意に選べるため、柔軟性の高い回路設計が可能となる。
ところで、サージ吸収素子3は、図9に示されるように、浮遊インダクタンス成分75も含んでいる。通常は、可変抵抗71の抵抗値が大きく、高圧サージが印加されると抵抗値が小さくなる。しかし、浮遊容量成分73及び浮遊インダクタンス成分75が存在する。このために、入力信号として高速信号を扱う半導体デバイスの入力側にサージ吸収回路SA4を付加すると、高速信号の劣化の原因となる。高速信号を扱う回路にサージ吸収回路SA4を適用するためには、浮遊容量成分73だけでなく浮遊インダクタンス成分75の影響も小さくする方が好ましい。
図8に示される等価回路からも分かるように、負性誘導係数を持つ第3のインダクタンス成分65を利用すると、サージ吸収素子3の浮遊インダクタンス成分75をキャンセルすることができる。ただし、見かけ上、結合が小さくなった状態と同じになるため、結合係数Kzと誘導係数Lzはそのままで、キャパシタ素子5の容量Csを下記(6)式とする。ここで、浮遊インダクタンス成分75の誘導係数をLeとしている。
Figure 0004910513
・・・(6)
ただし、KzLz≧Leである。このように設計すると、サージ吸収回路SA4に浮遊容量成分73と浮遊インダクタンス成分75が含まれていても、入力インピーダンスZinを特性インピーダンスZoに整合させることができる。
以上のように、本第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、半導体デバイス等を高圧の静電気から保護することができると共に、高速信号に対するインピーダンス整合がより一層優れることとなる。
また、本第2実施形態では、容量成分を有するキャパシタ素子5を更に備える。これにより、サージ吸収素子3の浮遊容量成分73に対して第1の導体11及び第2の導体21の誘導係数とキャパシタ素子5の容量とを柔軟に設定することができる。
(第2実施形態の変形例)
上記の第2実施形態にかかるサージ吸収回路SA4の変形例について説明する。変形例に係るサージ吸収回路SA5,SA6は、第1〜3の導体11,21,31及び容量成分の構成等に関して第2実施形態に係るサージ吸収回路SA4と相違する。
まず、図10を参照して、第2実施形態にかかるサージ吸収回路SA4の第1変形例について説明する。図10は、第2実施形態の第1変形例であるサージ吸収回路SA5の構成を説明するための分解斜視図である。
サージ吸収回路SA5は、上記サージ吸収回路SA4と同様に、パターンが形成された積層型の回路基板4Bと、サージ吸収素子3と、を備えている。回路基板4Bには、上記回路基板4Aと同様に、第1の導体11、第2の導体21、第3の導体31、第1のランド33、及び第2のランド35が形成され、サージ吸収素子3が実装されている。第2の導体21は、第1の部分23と第2の部分25とを含んでいる。サージ吸収回路SA5は、サージ吸収回路SA4が有するキャパシタ素子5に替えて、後述するキャパシタ部81を有する点でサージ吸収回路SA4と相異する。
絶縁層101の上には、一体的に形成された第1の導体11と第1のランド33と、第2の導体21の第1の部分23と、一体的に形成された第3の導体31及び第2のランド35と、が互いに電気的に絶縁された状態で形成されている。第1の導体11は、ミアンダ状に形成されている。第1の導体11は、領域83を含んでいる。領域83は、第1の導体11の領域83以外の領域よりも幅広に形成されている。第1の導体11の第1のランド33側の端部に対応する位置には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体45が形成されている。スルーホール導体45は、第1の導体11及び第1のランド33と電気的に接続されている。
ストレート状のパターンを有する第2の導体21の第1の部分23には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体43が形成されている。スルーホール導体43は、第1の部分23と電気的に接続されている。
絶縁層101上には、サージ吸収素子3が実装されている。サージ吸収素子3は、一方の端子が第1のランド33と機械的及び電気的に接続され、他方の端子が第2のランド35と機械的及び電気的に接続されている。
絶縁層102上には、第1の導体11に対応するように、第2の導体21の第2の部分25がミアンダ状に形成されている。第2の導体21の第2の部分25は、第1の導体11の領域83に対応した位置に形成された領域85を含む。領域85は、第2の導体21の第2の部分25における領域85以外の領域よりも幅広に形成されている。
第2の導体21の第2の部分25の一端は、スルーホール導体43に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体43に電気的に接続される。よって、第1の部分23と第2の部分25とがスルーホール導体43を介して電気的に接続される。第2の部分25の他端は、スルーホール導体45に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体45に電気的に接続される。よって、第1の導体11と第2の部分25とがスルーホール導体45を介して電気的に接続される。また、第2の部分25とサージ吸収素子3とが、スルーホール導体45及び第1のランド33を介して電気的に接続される。
上述した構成を有するサージ吸収回路SA5においても、第1の導体11と、第2の導体21の第2の部分25とは、互いに極性反転結合される領域17,27をそれぞれ含んでいる。第1の導体11の領域17と、第2の部分25の領域27とは、絶縁層101,102の積層方向から見て重なり合うように位置している。領域83は領域17よりも信号入力側に位置し、領域85は領域27よりも信号出力側に位置している。
また、上述した構成を有するサージ吸収回路SA5において、第1の導体11と第2の導体21の第2の部分25とは、領域83と領域85とを含んでいる。第1の導体11の領域83と第2の部分25の領域85とは、絶縁層101,102の積層方向から見て重なりあうように位置している。領域83と領域85とは、絶縁層101を間に挟んで互いに重なりあうことにより容量成分を有してキャパシタ部81を構成する。よって、サージ吸収回路SA5の等価回路構成は、図7及び図8によって示されるサージ吸収回路SA4の等価回路構成と同じである。
以上のように、サージ吸収回路SA5は、上記サージ吸収回路SA4と同様に、半導体デバイス等を高圧の静電気から保護しつつ、高速信号に対してもより一層インピーダンス整合に優れたサージ吸収回路とすることができる。
また、サージ吸収回路SA5では、キャパシタ部81を有するので、サージ吸収素子3の浮遊容量成分73に対して第1の導体11及び第2の導体21の誘導係数とキャパシタ部81の容量とを柔軟に設定することができる。
更に、サージ吸収回路SA5では、領域83及び領域85によりキャパシタ部81が構成される。これにより、キャパシタ素子を別途設ける必要がなく、回路の構成が簡素化されると共に、回路の小型化を図ることができる。
次に、図11を参照して、第2実施形態にかかるサージ吸収回路SA4の第2変形例について説明する。図11は、第2実施形態の第2変形例であるサージ吸収回路SA6の構成を説明するための分解斜視図である。サージ吸収回路SA6は、上記サージ吸収回路SA5と同様に、パターンが形成された積層型の回路基板4Cと、サージ吸収素子3と、を備えている。回路基板4Cには、上記回路基板4Bと同様に、第1の導体11、第2の導体21、第3の導体31、第1のランド33、及び第2のランド35が形成され、サージ吸収素子3が実装されている。第2の導体21は、第1の部分23と第2の部分25とを含んでいる。サージ吸収回路SA6は、サージ吸収回路SA5と同様に、第1の導体11と第2の導体21の第2の部分25とにそれぞれ含まれる領域91,93,95,97によって構成されるキャパシタ部87,89を有する。
絶縁層101の上には、一体的に形成された第1の導体11と第1のランド33と、第2の導体21の第1の部分23と、第2のランド35と、が互いに電気的に絶縁された状態で形成されている。第1の導体11は、ミアンダ状に形成されている。第1の導体11は、領域91と領域93とを含んでいる。領域91と領域93とは、第1の導体11の領域91,93以外の領域よりも幅広に形成されている。第1の導体11の第1のランド33側の端部に対応する位置には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体45が形成されている。スルーホール導体45は、第1の導体11及び第1のランド33と電気的に接続されている。
ストレート状のパターンを有する第2の導体21の第1の部分23には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体43が形成されている。スルーホール導体43は、第1の部分23と電気的に接続されている。
絶縁層101上には、サージ吸収素子3が実装されている。サージ吸収素子3は、一方の端子が第1のランド33と機械的及び電気的に接続され、他方の端子が第2のランド35と機械的及び電気的に接続されている。第2のランド35の端部に対応する位置には、絶縁層101を厚み方向に貫通するスルーホール導体47が形成されている。スルーホール導体47は、第2のランド35と電気的に接続されている。
絶縁層102上には、第2の導体21の第2の部分25と第3の導体31とが形成されている。第2の部分25は、ミアンダ状に形成されて、第1の導体11に対応するように配されている。第2の導体21の第2の部分25は、第1の導体11の領域91と領域93とにそれぞれ対応した位置に形成された領域95と領域97とを含む。領域95と領域97とは、第2の導体21の第2の部分25における領域95,97以外の領域よりも幅広に形成されている。
第2の導体21の第2の部分25の一端は、スルーホール導体43に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体43に電気的に接続される。よって、第1の部分23と第2の部分25とがスルーホール導体43を介して電気的に接続される。第2の部分25の他端は、スルーホール導体45に対応して位置しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体45に電気的に接続される。よって、第1の導体11と第2の部分25とがスルーホール導体45を介して電気的に接続される。また、第2の部分25とサージ吸収素子3とが、スルーホール導体45及び第1のランド33を介して電気的に接続される。
第3の導体31は、スルーホール導体47に対応するように位置する領域を有しており、絶縁層101と絶縁層102とが積層された状態でスルーホール導体47と電気的に接続される。これにより、第3の導体31とサージ吸収素子3とが、スルーホール導体47及び第2のランド35を介して電気的に接続される。
上述した構成を有するサージ吸収回路SA6においても、第1の導体11と、第2の導体21の第2の部分25とは、互いに極性反転結合される領域17,27をそれぞれ含んでいる。第1の導体11の領域17と、第2の部分25の領域27とは、絶縁層101,102の積層方向から見て重なり合うように位置している。
また、サージ吸収回路SA6において、第1の導体11は領域91と領域93とを含み、第2の導体21の第2の部分25は、領域95と領域97とを含んでいる。第1の導体11の領域91と第2の部分25の領域95とは、絶縁層101,102の積層方向から見て重なりあうように位置している。第1の導体11の領域93と第2の部分25の領域97とは、絶縁層101,102の積層方向から見て重なりあうように位置している。領域91と領域95、及び領域93と領域97は、それぞれ絶縁層101を間に挟んで互いに重なりあうことにより容量成分を有してキャパシタ部87,89を構成する。よって、サージ吸収回路SA6の等価回路構成は、図7及び図8によって示されるサージ吸収回路SA4,SA5の等価回路構成と同じである。
以上のように、サージ吸収回路SA6は、上記サージ吸収回路SA4と同様に、半導体デバイス等を高圧の静電気から保護しつつ、高速信号に対してもより一層インピーダンス整合に優れたサージ吸収回路とすることができる。
また、サージ吸収回路SA6では、キャパシタ部87,89を有するので、サージ吸収素子3の浮遊容量成分73に対して第1の導体11及び第2の導体21の誘導係数とキャパシタ部87,89の容量とを柔軟に設定することができる。
更に、サージ吸収回路SA6では、領域91,93,95,97によりキャパシタ部87,89が構成される。これにより、キャパシタ素子を別途設ける必要がなく、回路の構成が簡素化されると共に、回路の小型化を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、絶縁層に形成された導体のパターンは、上述した等価回路を構成できれば、そのパターン及び形成位置を任意に変化させることができる。また、サージ吸収素子3として、積層型チップバリスタのほかにツェナーダイオード、ギャップ式放電素子(図12参照。第1のランド33と第2のランド35との間にギャップが形成されている。)、又はシリコンサージクランパ等を用いても良い。
第1実施形態に係るサージ吸収回路の構成を説明するための分解斜視図である。 第1実施形態に係るサージ吸収回路の回路構成を説明するための回路図である。 図2に示された回路構成の等価回路を示す回路図である。 第1実施形態の第1変形例であるサージ吸収回路の構成を説明するための分解斜視図である。 第1実施形態の第2変形例であるサージ吸収回路の構成を説明するための分解斜視図である。 第2実施形態に係るサージ吸収回路の構成を説明するための分解斜視図である。 第2実施形態に係るサージ吸収回路の回路構成を説明するための回路図である。 図7に示された回路構成の等価回路を示す回路図である。 サージ吸収素子の等価回路を示す回路図である。 第2実施形態の第1変形例であるサージ吸収回路の構成を説明するための分解斜視図である。 第2実施形態の第2変形例であるサージ吸収回路の構成を説明するための分解斜視図である。 第1実施形態に係るサージ吸収回路の変形例の構成を説明するための分解斜視図である。
符号の説明
SA1〜6…サージ吸収回路、1A〜1C…回路基板、3…サージ吸収素子、4A〜4C…回路基板、5…キャパシタ素子、11…第1の導体、13…第1の部分、15…第2の部分、83,85,91,93,95,97…互いに重なり合う領域、21…第2の導体、23…第1の部分、25…第2の部分、29…第3の部分、31…第3の導体、33…第1のランド、35…第2のランド、37…第3のランド、39…第4のランド、41,43,45,47,49,51…スルーホール導体、61,63,65…インダクタンス成分、71…可変抵抗、73…浮遊容量成分、75…浮遊インダクタンス成分、81,87,89…キャパシタ部、101〜103…絶縁層。

Claims (9)

  1. サージ吸収回路であって、
    相互に極性反転結合されると共に端同士が接続された第1の導体及び第2の導体と、該第1の導体及び第2の導体と電気的に絶縁された第3の導体とが形成された回路基板と、
    一方の端子が前記第1の導体と前記第2の導体との接続部分に接続され、他方の端子が前記第3の導体に接続されたサージ吸収素子と、
    を備え、
    前記第1の導体及び前記第2の導体の誘導係数は、該サージ吸収回路の入力インピーダンスが特性インピーダンスに整合されるように設定されており、
    前記第1の導体及び前記第2の導体の各誘導係数Lz、前記第1の導体と前記第2の導体との間の結合係数Kz、前記サージ吸収素子の浮遊容量成分の容量Cz、及び特性インピーダンスZ が、Lz=Z Cz/2(1+Kz)を満たしていることを特徴とするサージ吸収回路。
  2. 前記サージ吸収素子が積層型チップバリスタであることを特徴とする請求項1に記載のサージ吸収回路。
  3. 前記第1の導体と前記第2の導体とが、同一層に形成されていることを特徴とする1又は2に記載のサージ吸収回路。
  4. 前記第1の導体と前記第2の導体とは、少なくとも一部の領域が互いに重なり合うように異なる層に形成されており、前記第1の導体と前記第2の導体との互いに重なり合う前記領域により容量成分が構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のサージ吸収回路。
  5. 前記第1の導体と前記第2の導体とは互いに重なり合う前記領域が、当該領域以外の領域よりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のサージ吸収回路。
  6. 前記第1の導体から信号が入力されると共に前記第2の導体から信号が出力され、前記第1の導体と前記第2の導体とが、極性反転結合していることを特徴とする請求項1に記載のサージ吸収回路。
  7. 前記第1の導体と前記第2の導体との間の結合係数Kzが1であり、
    前記第1の導体及び前記第2の導体の各誘導係数Lz、前記サージ吸収素子の浮遊容量成分の容量Cz、及び特性インピーダンスZが、Lz=Z Cz/4を満たしていることを特徴とする請求項1に記載のサージ吸収回路。
  8. 前記端同士が接続された前記第1の導体及び前記第2の導体に並列接続された容量成分を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のサージ吸収回路。
  9. 前記容量成分の容量Cs、前記第1の導体と前記第2の導体との間の結合係数Kz、及び前記サージ吸収素子の浮遊容量成分の容量Czが、Cs=(1−Kz)Cz/4(1+Kz)を満たしていることを特徴とする請求項に記載のサージ吸収回路。
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