JP4909745B2 - 有機薄膜の形成方法および有機薄膜形成装置 - Google Patents

有機薄膜の形成方法および有機薄膜形成装置 Download PDF

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Description

本発明は有機材料からなる薄膜、特に自己組織化単分子膜を基板上に形成するための方法、および形成装置に関する
近年、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)や薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)等の電子デバイスの分野において、従来用いられてきたシリコンに代表される無機材料に代り、有機化合物をその構成要素、特に半導体層に用いた電子素子、いわゆる有機電子デバイスが注目されている。
有機化合物を用いた有機電子デバイスは、塗布印刷法による素子形成や、プロセス温度が低いと言った特徴に基づき、従来の無機材料デバイスでは使用が困難であった樹脂基板上であっても電子デバイスの作製が可能となり、フレキシブル性を持たせた電子デバイスが作製可能であるといった、従来の無機半導体には無い特徴を有している。例えば特開2004−311962号(特許文献1)にはフレキシブルな樹脂上への有機薄膜トランジスタの作製について開示されている。
有機化合物からなる電子デバイスを作製するための薄膜形成手法としては、印刷法、塗布法の他、蒸着法等が挙げられる。特表2005−505142号には塗布法によって形成された有機半導体薄膜を用いた有機薄膜トランジスタが開示されている(特許文献2)。
これらの手法で形成された薄膜は、基本的に有機化合物を構成する有機分子が無秩序もしくは、部分的にのみ低い秩序性を有する、いわゆるアモルファス(非晶質)の薄膜として形成されることとなる。
近年、この様な有機化合物からなる薄膜として、薄膜が形成される基板表面と有機化合物分子との相互作用を利用して、自己組織的に、より高い秩序性を有する有機分子からなる単分子膜が形成される、いわゆる自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer(s):
SAM(s))について関心が高まっている。
自己組織化単分子膜とは、例えば、金表面に対して、金−硫黄原子のような化学結合を形成するチオール基(SH基)のような官能基を末端基として有する有機分子を用いることにより、金表面に対して、化学結合を形成させ、アンカリングされた有機分子が基板表面からの規制および有機分子間の相互作用によって、秩序的に配列し、並んだ状態となり、単分子層を形成することをいう。
金からなる基板表面と化学結合せずに基板上に物理吸着される有機分子は、この吸着が可逆的であることから、成膜処理後の洗浄作業等により、物理吸着した未反応の有機分子を取り除くことによって、基板表面には、化学結合によりアンカリングされた単分子層のみが残り、薄膜が形成される。特開2005−86147号には自己組織化単分子膜を用いて、基板と電極との間の密着性を高める方法が開示されている(特許文献3)。
自己組織化単分子膜は、従来の成膜手法による有機薄膜に比較して、有機分子の秩序性が高く、例えば、π共役系を有するような有機分子を用いて、秩序性の高い有機単分子層を形成することにより、配列した有機分子の持つπ共役系の重なりが大きくなり、従来のアモルファス状態の有機薄膜に比較して、より広いπ共役系の広がりを有する有機半導体層としての応用や、高い絶縁性を有する有機絶縁層等の優れた性能を示すことが期待されている。
しかしながら、例えば、Marcus Halikらは、Advanced Materials、Vol. 15、No. 11、pp 917-922、2003に、長鎖アルキルシラン分子からなる自己組織化単分子膜を絶縁膜として用いようとする場合には、多くの欠陥を含むことからリーク電流の抑制が困難であると記載している(非特許文献1)。
特開2004−311962号 特表2005−505142号 特開2005−86147号 Marcus Halikら、"Relationship Between Molecular Structure and Electrical Performance of Oligothiophene Organic Thin Film Transistor"、Advanced Materials、Vol. 15、No.11、pp 917-922、2003
すなわち、この様な自己組織化単分子膜の形成においては、以下に示すような問題点があった。
自己組織化単分子膜は、通常、有機分子の溶解した溶液中に被成膜基板を浸漬し、基板表面と有機分子とを接触させることにより、被成膜基板表面と、有機分子の末端基が化学結合することによって、有機分子が基板表面に固定化される。このとき、基板表面には同時に物理吸着による未反応有機分子の吸着も生じることから、物理吸着により有機分子が吸着した被成膜基板表面部分には有機分子が化学結合を形成することが出来ない。したがって、この物理吸着された未反応有機分子が取り除かれた領域には有機分子が存在しない、いわゆる欠陥部位となってしまう。
また、パーティクル等の付着物が有った場合にも、同様に有機分子が存在しない欠陥部位を生じることから、欠陥フリーとなる自己組織化単分子膜を得ることは困難であった。
したがって、本発明は、上記の有機分子が存在しない欠陥部位が少ない有機薄膜の形成方法および形成装置の開発を課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、反応室内に被成膜基板を配置し、排気した該反応室内を被成膜基板表面に対して結合性有機化合物を含む気体雰囲気で満たし、前記被成膜基板と前記有機化合物とを化学結合させた後、反応室から前記気体を排気する一連の操作を1回以上繰り返すことにより、上記の有機分子が存在しない欠陥部位が少ない有機薄膜の形成方法および形成装置を開発できることを見出すことにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、基板上に有機薄膜を形成する方法であって、被成膜基板が配置された反応室内の気体を排気した後に基板表面に対して結合性有機分子を含む気体を導入する第1の工程と、前記反応室内の前記有機分子を基板表面に化学結合させる第2の工程と、前記反応室内を排気して、反応室内および前記基板表面上の未反応の前記有機分子を排出させる第3の工程とを含み、前記第1の工程から第3の工程を1回以上繰り返すことを特徴とする有機薄膜の形成方法が提供される。
本発明の有機薄膜の形成方法によれば、反応室内の気体を排気した後に被成膜基板表面に対して結合性有機分子を含む気体の導入を行う第1の工程、導入された前記有機分子と被成膜基板表面との間に化学結合を形成させる第2の工程、および物理吸着した未反応の有機分子を被成膜基板表面から排出する第3の工程とをこの順序で行い、これら3つの工程を1回以上繰り返して行うことにより、欠陥密度の少ない、高品質な自己組織化単分子膜からなる有機薄膜を提供することが可能となる。
また、本発明の有機薄膜の形成装置によれば、被成膜表面と同じ材料で表面を被覆した水晶振動子をセンサとして用いて、本発明の有機薄膜の形成方法における第2の工程を制御することにより、吸着反応の終了点を容易に観察することが可能で有り、効率的な成膜処理が可能な有機薄膜形成装置を提供することが可能となる。
本発明で用いられる被成膜基板としては、シリコン基板、石英基板、ガラス基板や、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエステル(PE)またはポリエーテルスルホン(PES)等の材料からなる樹脂基板などが挙げられる。
上記の被成膜基板表面は、必ずしも被成膜基板と同一材料である必要はなく、該基板上に形成される有機薄膜の原料である結合性有機化合物と反応し易いように、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、鉄、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ITO(インジウム・錫酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)、SnO2(酸化錫)等の導電性材料、または酸化ケイ素、酸化アルミ(アルミナ)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)または窒化シリコン等の絶縁性材料のような基板材料と異なる成分を堆積させてもよい。
上記の堆積法としては、当業者に周知のスパッタリング、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相堆積法(CVD法)の他、例えば前述の手法で堆積した材料表面を酸素プラズマ処理やUV-オゾン酸化処理または陽極酸化処理といった手法を用いて酸化物とする等の方法を用いることができる。
なお、本発明で用いられている用語「結合性有機分子」とは、少なくとも被成膜基板の表面と化学結合を形成可能な官能基を有する有機分子を意味する。
上記の被成膜基板の表面と化学結合を形成可能な官能基としては、チオール基、アルコキシシリル基、ハロゲン化シリル基、シアノ基、カルボキシル基、臭素またはホスホン酸基等が挙げられる。
上記のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシ基などのC1〜C6アルコキシ基が挙げられる。
上記のハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子が挙げられる。
前記の結合性有機分子としては、上記のような被成膜基板の表面と化学結合を形成可能な官能基を有すれば、脂肪族化合物または芳香族化合物のどちらでもかまわない。
上記の脂肪族化合物としては、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C20アルキル化合物、または不飽和結合を有するC1〜C20アルケン化合物が挙げられる。その中でも、自己組織化単分子膜の形成し易さの観点から直鎖状アルキル化合物が好ましい。
また、上記の芳香族化合物としては、ベンゼンのような単環性芳香族化合物、ビフェニル、p−テルフェニル、p-クォテルフェニル、p−キンクフェニル、p−セクシフェニル、p−セプチフェニル、p−オクチフェニル、p−ノビフェニルもしくはp−デシフェニルのような1〜10のベンゼンが互いにパラ位で結合した環集合またはその異性体あるいはナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、オクタセン、ノナセンもしくはデカセンのような縮合多環式芳香族化合物またはこれらの異性体が挙げられる。また、これら芳香族化合物と上記の基板との結合可能な官能基との間にアルキル鎖を有するような構造であってもよい。
これらの中でも、自己組織化単分子膜を形成し易さの観点から、直線状の環集合および縮合多環式芳香族化合物が好ましい。
上記の脂肪族結合性有機分子の具体例としては、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチルメトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサデカンチオール、フェロセニルヘキサンチオール、などが挙げられる。
また、芳香族結合性有機分子の具体例としては、p-キンクフェニルトリクロロシラン、p-キンクフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリクロロシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、(3-フェニルプロピル)ジメチルクロロシラン、フェニルブチルトリクロロシランなどが挙げられる。
前記の被成膜基板表面と前記の結合性有機化合物との間の結合反応を促進するために、加熱や水蒸気等の添加を行っても良い。
また、上記の加熱は、前記第2工程における被成膜基板表面と上記有機化合物との結合形成を促進するのみならず、当該工程後の反応室内の気体の排気の際に、未反応の前記結合性有機分子を基板表面から効率的に排出させることにも寄与する。
上記の排気は、当業者が通常用いる真空ラインや、真空ポンプなどを用いて減圧またはいわゆる真空にすることにより行なわれる。
到達真空度としては、未反応の前記結合性有機分子を略完全に排気するために、1×10-4Pa以下、好ましくは1×10-5Pa以下が好ましい。
また、上記被成膜基板表面に物理吸着している前記結合性有機分子を略完全に排気するために該基板または上記反応室内を加熱してもよい。
本発明で用いられる反応容器としては、気密性であり、被成膜基板を保持するための基板ステージを有し、上記排気手段、前記被膜形成基板表面に対して結合性有機分子を含む気体を導入するための手段および加熱手段を有するものであればその形状は特に問題にならない。
すなわち、本発明のもう一つの観点によれば、本発明により、気密性反応室と、前記反応室内に設けられた被成膜基板を保持するための基板ステージと、前記反応室内を排気するための排気手段と、前記反応室内に前記基板表面に対して結合性有機分子を含む気体を導入するための気体導入手段と、前記有機分子を基板表面に化学結合させる手段と、有機分子による有機薄膜の成膜状況をモニタするためのセンサとを含むことを特徴とする有機薄膜の形成装置が提供される。
本発明の有機薄膜の形成方法によれば、まず、第1の工程により、被成膜基板が配置された反応室内の気体成分を排気することによって、続く有機薄膜の形成に不必要な気体分子、気相中や反応室内に存在する水分等が排出され、しかる後に有機薄膜の形成に用いられる結合性有機分子を含んだ気体が反応室内に導入される。
反応室からの排気時には、前記気体成分や水分の排出を促進する目的で、反応室内をヒータ等により加熱することによって、排気を促進してもよい。
また、反応室内に導入される前記結合性有機分子を含む気体は、気化した該有機分子以外に窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスをキャリアガスとして用いて、あるいは液体状の該有機分子材料をバブリング等または加熱気化などによってキャリアガスと共に反応室内へ導入してもよい。
次に第2の工程において、反応室内に導入された前記結合性有機分子は、反応室内に配置された被成膜基板表面と気相−固相界面で接触する。この時、該有機分子は、被成膜基板表面と化学吸着(以下、単に化学結合または結合ともいう)し得る官能基を有していることから、この官能基と被成膜基板表面との間に化学結合が形成され、該有機分子は被成膜基板表面に結合する。
一方、有機分子が被成膜基板表面と接触した気相−固相界面において、化学結合を生じない場合には、有機分子は自身の持つ運動エネルギーもしくは、基板表面や気相中からの熱エネルギーを受けて、被成膜基板表面から再脱離して気相中へ戻る場合と、ファンデルワールス力等の弱く、可逆的な結合によって被成膜基板表面に物理吸着する場合とが考えられる。
有機分子が再脱離した被成膜基板表面には気相中より有機分子が再度供給されることから、前記の化学吸着、物理吸着、再脱離のいずれかを生じることとなる。
したがって、本発明の第2の工程において、被成膜基板表面には化学吸着した有機分子による自己組織化単分子膜が形成された領域と、前記有機分子が物理吸着している領域、および有機分子が存在しない領域がそれぞれ形成される。
続く本発明の第3の工程において、反応室内の気体を排気して減圧状態とすることにより、まず気相中に存在する有機分子が反応室外へ排出される。さらに、被成膜基板表面に物理吸着している前記有機分子は、非常に弱い結合により可逆的に吸着されていることから、反応室内の圧力が減圧されることによって、容易に基板表面から脱離して反応室外へと排出される。この時、物理吸着した有機分子の排出を促進する目的で被成膜基板もしくは反応室内の温度を制御しても良い。
一方、被成膜基板表面に化学吸着された有機分子は、被成膜基板表面との間に強固で不可逆な化学結合を形成していることから、減圧状態においても被成膜基板表面から再脱離することはない。
したがって、本発明の第3の工程によって、被成膜基板表面には化学吸着により有機分子が結合された自己組織化単分子膜が形成された領域と、該有機分子が存在しない領域とが形成される。
この様な被成膜基板に対して、再度本発明の第1の工程を行なうことにより、反応室内の気相中に有機分子を含む気体を導入する。
次に、再度本発明の第2の工程を行なうことにより、気相中の有機分子は被成膜基板表面と気相−固相界面で接触する。この時、先の第1から第3の工程において、被成膜基板表面と化学吸着により有機分子が結合されている領域では、気相中から接触した有機分子は被成膜基板表面の有機分子を接触することになるため、化学吸着により、結合されることはなく、弱い物理吸着で有機分子が吸着するか、もしくは有機分子が気相中へ再脱離することとなる。
一方、先の第1から第3の工程において被成膜基板表面に有機分子が存在していない領域では、同様に気相−固相界面において有機分子と被成膜基板表面とが接触することにより、化学吸着により有機分子が化学結合される領域と、有機分子が存在しない、もしくは弱い物理吸着によって有機分子が吸着している領域とが形成されることとなる。
続いて、再度本発明の第3の工程を行なうことにより、物理吸着している有機分子は被成膜基板上より再脱離し、基板表面と化学吸着により結合された自己組織化単分子膜が形成された領域と有機分子が存在しない領域が再度形成されることとなる。これにより、第2回目の本発明の第1の工程から第3の工程を行なった場合には、第1回目の一連の工程において被成膜基板表面に対して、化学吸着による自己組織化単分子膜が形成されていない領域に対してのみ新たな自己組織化単分子膜が形成されることとなる。この様にして、本発明の第1の工程から第3の工程を1回以上繰り返して行なうことにより、有機分子の自己組織化単分子膜による有機薄膜が形成されていない領域を減少させることが可能となり、より欠陥の少ない高品質な有機薄膜を形成することが可能となる。
本発明の有機薄膜の形成装置は、反応室と反応室内に設けられた前記被成膜基板を保持するための手段と、反応室を排気するための排気手段と、反応室内に有機分子を含む気体を導入するための有機分子ガス供給手段および前記被成膜基板および反応室内を所定の温度に調整可能な温調手段とを含む。
さらに本発明の有機薄膜の形成装置は、前記被成膜基板の有機薄膜が形成される表面と同じ材料表面が水晶振動子の表面に形成されたセンサを用いた成膜工程のモニタリング手段を有している。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有する物には同一符号を付け、その繰返しの説明は省略する。
まず、第1図(a)〜(g)を用いて、本発明の有機薄膜の形成方法について説明する。
まず、第1図(a)に示すように、反応室101内に有機薄膜を形成するための被成膜基板102を配置する。
被成膜基板102表面は有機薄膜を形成する有機分子が持つ官能基と化学結合が可能な材質の表面を有しており、例えば有機分子の持つ官能基がチオール系であれば金(Au)からなる基板表面を有し、官能基がシロキサン基を形成するような、いわゆるシランカップリング剤が有する基である場合には基板表面に水酸基(OH基)終端を有するような酸化物材料からなる基板表面が選択される。
被成膜基板102は反応室101内に設けられた基板ステージ103上に配置される。基板ステージ103は被成膜基板を保持する機能の他、ヒータ等により基板を加熱する機能を有していても良い。
被成膜基板102が配置された後、反応室101内は、有機薄膜形成装置の排気手段によって、反応室内の排気が行なわれる。この時、反応室内壁や基板表面に吸着している不要成分は排気手段により反応室内を減圧しただけでは排出されない場合もあることから、装置内に配置された(図示せず)ヒータ等により、適宜、温度調整を行ないながら排気工程を行い、例えば反応室101内を1×10-5Pa以下の真空度に達するまで真空排気する。
次に、有機薄膜形成装置に設けられた気体供給手段104によって、被成膜基板表面に対して結合性有機分子105を含む気体を気体導入手段により反応室101内へと導入する。
例えば、有機分子105を気化温度以上に加熱して得られた気体状の有機分子105を窒素やアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスをキャリアガスとして気体状の有機分子105を反応室101内に導入する。この様にして、本発明の第1の工程として、反応室101内の排気と有機薄膜を形成するための有機分子105の導入が行なわれる。
次に反応室101内に導入された結合性有機分子105と反応室内の被成膜基板102表面とが、加熱下に接触することにより、本発明の第2の工程である化学吸着による自己組織化単分子膜の形成が行なわれる。
自己組織化単分子膜の形成を促進するために、例えば水蒸気などを微量添加して反応を促進させても良い。この時、被成膜基板102表面には、第1図(b)に示すように、秩序性を持ち、被成膜基板102表面と化学結合した有機分子105からなる自己組織化単分子膜を有する領域Aが形成されるが、同時に、化学吸着では無く、ファンデルワールス力等の弱い結合で基板表面に有機分子105が物理吸着している領域Bや、有機分子105が基板表面には結合せずに、再脱離によって被成膜基板102の表面が露出している領域C等が形成されることとなる。
被成膜基板102表面に対する有機分子105の被覆状況は、反応開始後の時間経過と基板上の膜厚との相関を評価することによって、実験的に必要な処理時間を設定することが可能である。
本発明の有機薄膜形成装置では、反応室101内部での有機薄膜の成膜状況をモニタリングする目的で、反応室101内に、被成膜基板102表面と同じ材料で被覆された表面を有する水晶振動子を有するセンサ106を配置している。
本発明の第2の工程においてセンサ106の有する水晶振動子表面へも、被成膜基板102表面と同様に有機分子105による化学吸着や物理吸着が起こることにより、有機分子層が堆積する。
この時、センサ106の有する水晶振動子を共振周波数F0で振動させていたとすると、有機分子105の化学吸着、物理吸着による水晶振動子の振動周波数変化ΔF (Hz)と吸着した有機分子の質量 Δm (kg)とすれば、Sauerbreyの式によって以下のように表される。
[式中、F0は水晶振動子の共振周波数(Hz)を意味し、Aは電極断面積(m2)を意味し、μqは水晶の剪断応力(2.947×1010 (kg/ms2))を意味し、ρqは水晶の密度(2648kg/m3)を意味する]
ここで、被処理基板102表面、もしくはセンサ106の水晶振動子表面に理想的な自己組織化単分子膜が形成されたと仮定した場合、有機分子105が化学吸着可能な前記表面の反応サイトの密度をDp(個/m2),有機分子105の1分子の質量をMw(kg)とすれば、単位面積当たりの質量増加ΔMは次式で表される。
ΔM=Dp×Mw 式(2)
結合性有機分子105の化学吸着による自己組織化単分子膜の形成は、理想的にはこの質量増加分ΔMを上限として処理時間に対して飽和特性を示す。
したがって、上記理想的な質量増加ΔMとセンサ106によりモニタされる有機分子105の吸着による質量増加Δmとを比較することによって、本発明の有機薄膜形成装置では、有機分子105による自己組織化単分子膜の形成状況をモニタすることが可能となる。
次に、前記センサ106でモニタリングを行いながら所定の反応時間が経過した後に、第1図(c)に示すように、本発明の第3の工程として、有機分子105の供給を停止し、反応室101内の気体を排気することにより化学吸着による該有機分子105の被成膜基板表面への自己組織化単分子膜の形成を停止させ、気相中の未反応の結合性有機分子105を反応室101外へ排出する。
同時に、反応室101内を排気して反応室内を減圧することにより、被成膜基板102表面に物理吸着していた未反応の上記有機分子105は、再び気相中へと再脱離することにより、被成膜基板102表面から除去される。
一方、被成膜基板102表面に化学吸着して自己組織化単分子膜を形成している有機分子105は、基板表面に対して化学結合していることから、基板表面より再脱離することはない。
したがって、この第3の工程である、反応室101内の排気工程を行うことにより、第1図(d)に示すように、被成膜基板102上には化学吸着により形成された自己組織化単分子膜が形成された領域Aと上記有機分子105が吸着していない領域Cが形成される。
本発明の第3の工程においては、反応室101の排気工程によって、物理吸着した有機分子の再脱離・排出を促進する目的で、被成膜基板102を適切な温度に加熱してもよい。
また、この第3の工程においては、前記センサ106の有する水晶振動子上に物理吸着した有機分子105も同様に再脱離によって排出され、前述の質量変化Δmの減少として確認できることから、先程と同様にセンサ106による質量変化をモニタすることによって、本発明の有機薄膜の形成工程をモニタすることが可能となる。
この様にして、本発明の有機薄膜の形成方法である、第1〜第3の工程によって、被成膜基板102上には結合性有機分子105からなる有機薄膜が形成される。
しかしながら、第1図(d)に示している様に、被成膜基板102表面には有機薄膜が形成されていない領域Cが存在しており、この様な領域は有機薄膜の存在しない欠陥領域となり、特性劣化の要因となる。
そこで、上記の被成膜基板102上に有機薄膜が形成されていない領域Cへの有機薄膜形成を目的として前記の第1〜第3の工程を、再度繰り返す。
すなわち、第1回目の第3工程に続いて、第2回目の本発明の第1〜第3の工程を繰り返す。以下に、第2回目の有機薄膜の形成を、第1図(e)〜(g)を用いて説明する。
第1図(e)に示すように、排気された反応室101内に結合性有機分子105を含む気体を導入することによって、第2回目の第1の工程を行う。
この時、前記第3の工程において反応室101内は既に排気されており、この第1の工程において改めて排気を行なう必要は無い。
次に、反応室101内に導入された有機分子105と被成膜基板102表面とが、加熱下に接触することにより、第2回目の第2の工程である有機分子105の化学吸着による有機薄膜の形成が開始される。この時、先程の第1回目の工程により被成膜基板102表面に形成された自己組織化単分子膜の領域Aの表面には、結合性有機分子105が化学吸着可能な反応サイトが存在しないことから、この領域に対して有機分子105は物理吸着でのみ表面に吸着が可能となる。
一方、有機薄膜が形成されていない領域Cに対しては、結合性有機分子105は化学吸着および物理吸着のいずれも可能であることから、それぞれの吸着速度に従って被成膜基板102表面の欠陥領域である領域Cに結合性有機分子105が化学吸着または物理吸着される。
次に、前記と同様にして、第1図(f)に示すように、第2回目の第3の工程によって、反応室101内から気相中の有機分子105を含む気体を排出すると共に、被成膜基板102表面へ物理吸着した有機分子105を再脱離によって排出する。
本発明の第2回目の第1から第3の工程においては、前述のように結合性有機分子105が化学吸着により有機薄膜を形成できる領域は、前述の欠陥となる領域Cのみとなる。
したがって、化学吸着および物理吸着が同様の確率で領域Cに対して形成されることにより、結果的に領域Cに対してのみ選択的に結合性有機分子105が化学吸着されることによって、第1図(g)に示したように、有機分子105からなる有機薄膜110が形成されていない欠陥領域Cを減少させることが可能となる。
この様にして、本発明の有機薄膜の形成方法では、前記第1〜第3の工程を1回以上繰り返すことによって、欠陥領域Cが少ない高品質な有機薄膜を提供することが可能となる。
また、全ての成膜反応は反応室101内部で行うことが可能であり、1連の工程が終わった後にも、基板を反応室外へ取り出す必要が無いことから、パーティクル等の影響による欠陥発生を抑制することも出来るという特徴もある。
したがって、本発明の有機薄膜の形成方法では、この様な欠陥領域を減少させ、高品質な有機薄膜を提供するために、前記第1〜第3の工程を1回以上繰り返すことを特徴としている。
以下に本発明に係る有機薄膜の形成法の具体的な実施例について説明するが、本実施例によって本発明が限定される物ではない。
実施例1
本発明の実施例1として、本発明の有機薄膜の形成方法により形成された緻密な自己組織化単分子膜の作製について、第1図を用いて説明する。
本実施例1では有機薄膜を形成するための被成膜基板102としてシリコン基板を、結合性有機分子105として、第4図(a)に示すような、アミノフェニルトリメトキシシラン(以下、APhSと略す)を用いた。
被成膜基板102であるシリコン基板は、有機溶媒による脱脂洗浄、および酸・アルカリ溶液による、いわゆるRCA洗浄等を行った後、硫酸・過酸化水素水(1:1)混合溶液を用いて、液温90℃,30分の浸漬による処理を行った。この処理によって、シリコン基板表面の有機物が除去されると同時に、酸化皮膜が形成されることにより、シリコン基板表面に水酸基(OH基)が導入されることとなる。
この時の酸化皮膜膜厚はエリプソメトリー法による膜厚測定から、1.6nm程度であった。
次に、第1図(a)に示すように、被成膜基板102を反応室101内にある基板ステージ103上に導入し、排気手段によって反応室101内を排気する、本発明の有機薄膜の形成方法における第1の工程を実施する。この時、被成膜基板102の温度は室温(制御なし)とし、反応室101内の圧力が1×10-5Paになるまで排気を行った。
次に、第1図(b)に示すように、気体供給手段104を用いて、APhSからなる結合性有機分子105を反応室101内へ導入する。気体供給手段としては種々の方法を用いることが可能であるが、本実施例1においては、APhSからなる有機分子材料を入れた容器をヒータによって加熱することにより、APhSの蒸気を発生させ、気体供給装置104と反応室101との圧力勾配によってAPhSからなる気体分子105を反応室内へ導入した。この時のAPhSの加熱温度は90℃とした。
この様にして、APhSからなる結合性有機分子105が反応室101内に導入されることにより、本発明の有機薄膜の形成方法における第2の工程が開始される。
上記のAPhSからなる結合性有機分子105が導入された反応室101内の圧力は、例えば、10〜100Paとなるように調整される。本実施例1では反応室の内の圧力が20PaとなるようにAPhSからなる気体を導入し、反応室内に封入した。
反応室101内に導入されたAPhS分子は、気相中から被成膜基板102であるシリコン基板表面に供給される。APhS分子は第4図(a)に示すように、フェニル基の対向する部位(パラ位)にアミノ基401とトリメトキシシラン基402をそれぞれ有している。このトリメトキシシリル基402が加水分解された後に、シリコン基板表面に導入されているOH基(図示せず)と脱水縮合反応することにより、シロキサン結合(-Si-O-Si-)が形成される。このようにして、第1図(b)に示す領域Aのようにシリコン基板表面に化学結合したAPhS分子からなる自己組織化単分子膜が形成される。
一方、この様な化学吸着以外にも、ファンデルワールス力のような弱い力により被成膜基板102表面に物理吸着している領域Bや、基板表面に有機分子105が存在していない領域Cなども同時に形成される(例えば、第1図(b)参照)。
本実施例1においては、反応室101内部へのAPhS分子からなる有機分子105の導入後、第1図(b)に示されたセンサ106によって、有機分子105の基板表面への吸着の状況をモニタすることにより、加熱反応時間を90分間に設定して、第2の工程における、有機分子105と被成膜基板102表面との反応を行った。
続いて、前記の第3の工程として、第1図(c)に示すように、反応室101内部の気体の排気処理を行うことにより、気相中の有機分子105および被成膜基板102表面の領域Bに物理吸着している有機分子を再脱離させ被成膜基板102表面から排出することにより、被成膜基板102表面と化学吸着により結合されたAPhS分子からなる自己組織化単分子膜が形成された領域Aと該単分子膜が形成されていない領域Cだけが残る。
以上のようにして、本実施例1における第1回目の有機薄膜の形成工程が完了する。
この様にして被成膜基板102表面に形成された有機薄膜を評価するために、以下のような実験を行った。
第5図(a)に、上記と同様な工程によって、石英基板上に作製したAPhSからなる有機薄膜の紫外-可視光吸収スペクトルを示す。石英基板表面は被成膜基板102であるシリコン基板と同様の前処理を行うことにより、同様に酸化シリコン表面にOH基を導入することが可能であり、評価用のサンプルとして用いた。
第5図(a)の吸収スペクトルにおいて、波長λ=245nmを中心とした吸収ピークがAPhS分子の吸収に相当する。この吸収スペクトルを用いることにより、基板上に形成された有機薄膜におけるAPhS分子の単位面積当たりの密度を評価することによって、形成された有機薄膜の欠陥密度の評価を以下のようにして行なった。
まず、第5図(b)に示すように、APhS分子が基板表面上に理想的な分子配列として六方最密充填の形で秩序性のある自己組織化単分子膜を形成していると仮定する。前記のように、APhS分子は第4図(a)に示すように、一方の末端基であるトリメトキシシリル基402によって形成されたシロキサン結合によって基板に結合されていることから、分子軌道計算法によって計算されるAPhS分子の分子短軸方向の大きさ約0.67nmを直径とした円形が、第5図(a)における吸収スペクトルを測定した場合のAPhS分子一つの吸収断面積に相当する。このことから、第5図(b)に示す理想的な六方最密充填でAPhS分子が存在している場合の理想的な分子密度は、2.6[分子/nm2]となる。
一方、APhS分子のモル吸光係数ε(cm2/mol)と吸光度Aとの間には次のような関係が成り立っている。
A=ε・c・l 式(3)
[式中、cは有機薄膜のモル濃度(mol/L)を表し、lは吸収層長(cm)を表す]
したがって、上記式(3)は、
c・l=A/ε(10-3mol/cm2) 式(4)
と書き換えることができ、c・lは単位面積当たりの分子密度:A/εで表される。
APhS分子のモル吸光係数εは、APhS溶液による吸収スペクトルの濃度依存性の評価を行ない、実験的に得られたモル吸光係数εは1.41×107[cm2/mol]であった。
これを用いて、第5図(a)の透過吸収スペクトルより、APhS分子の吸光度である波長245nmの吸光度を用いて計算された基板表面上のAPhS分子密度は、1.9(分子/nm2)であり、前述の理想的な分子密度に対して、約73%の割合でAPhS分子による有機薄膜が被成膜基板102上に形成されていることを確認した。
従って、被成膜基板102表面の約27%の領域が、前述の第1図(b)に示したような物理吸着領域Bもしくは、再脱離によってAPhS分子が存在していない領域Cに相当する、いわゆる欠陥領域であると考えられる。
本発明の有機薄膜の形成方法は、この様な欠陥領域を低減して高品質な有機薄膜を提供するために、前記第1の工程から第3の工程を1回以上繰り返すことを特徴としている。
本実施例1においては、前記第3の工程によって、反応室101内部の排気が終了した後に、再度、気体供給手段104を用いてAPhS分子からなる気体分子105を反応室101内に導入することによって、第2回目の有機薄膜の形成工程である、第1の工程を開始した。
第1図(e)に示すように、有機分子105を再度反応室101内へ導入することによって、2回目の第2の工程が行われる。被成膜基板102表面では、APhS分子が存在していない欠陥領域Cに対しては、結合性有機分子105の化学吸着または物理吸着もしくは再脱離(図示せず)が行われる。
一方、第1回目の有機薄膜の形成工程によって有機分子105が化学吸着によって被成膜基板102上に結合されている領域に対しては、有機分子105の物理吸着もしくは再脱離のみが行われることとなる。
続いて、前記と同様に第3の工程として反応室101内の排気を行うことにより、新たに化学吸着によって有機分子105が結合された領域以外の有機分子105は反応室101外へ排出されることとなり、結果的に、第1図(g)に示すように、第1回目の有機薄膜の形成工程における欠陥領域に対して選択的に、化学吸着による自己組織化単分子膜が形成される。
前記の有機薄膜の欠陥密度の評価と同様にして、紫外-可視光吸収スペクトルの評価によって、第2回目の有機薄膜の形成工程後における基板上のAPhS分子の単位面積当たりの密度は約2.3(分子/nm2)の結果が得られ、本発明の有機薄膜の形成方法を1回以上行うことにより、欠陥領域の低減が可能であり、欠陥密度が減少したことを確認した。
本実施例1においては、有機薄膜の形成工程を5回繰り返すことによって、約2.5(分子/nm2)の分子密度を有する、APhS分子からなる有機薄膜110を作製した。
本実施例1で作製されたAPhS分子からなる有機薄膜は、官能基であるアミノ基401が高密度に配列した表面を形成しており、例えば、このアミノ基401に対して、アミド結合等の化学結合によって、次の分子層を積層する用途等に対して、好適に用いることが可能である。
実施例2
本発明の実施例2として、樹脂基板のような耐熱性の低い絶縁性基板上に形成された、有機薄膜トランジスタ(Organic Thin Film Transistor :OTFT)の作製について、第2図を用いて説明する。
まず、第2図(a)に示すように、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone:PES)からなる絶縁性樹脂基板301上に、チッ化アルミニウム(AlN)からなる金属薄膜302をスパッタ法により、基板温度150℃、膜厚100nmで成膜した。PES基板は樹脂材料の中でも比較的熱安定性が高く、ガラス転移点温度(Tg)は180℃程度である。
次に、第2図(b)に示すように、この金属薄膜302表面の一部分に対して、保護膜303を形成し、絶縁性樹脂基板301を化成液304中に浸漬した後、同様に化成液中に浸漬された対向電極305を陰極側、金属薄膜302を陽極側として直流電源306に接続することにより、陽極酸化法による化成処理を行なった。
この時、保護膜303の材質としては化成処理液に耐性のある材料が望ましく、本実施例2においては、化成液としてリン酸アンモニウムもしくはホウ酸アンモニウム溶液を用い、保護膜303として、通常のフォトリソグラフィーで用いられるポジ型フォトレジストを用いて形成した。
この化成処理によって、保護膜303で保護された領域以外の化成液と接触している金属薄膜302は、陽極酸化によって、保護膜303で覆われた領域下部を除いて酸化アルミ(アルミナ:Al2O3)からなる酸化膜へと陽極酸化される。これによって、アルミナからなる絶縁膜307中に埋め込まれた、AlNからなるゲート電極308が形成される。
続いて、第2図(c)に示すように、絶縁性樹脂基板表面のゲート電極308が形成されている表面に対して、オゾン雰囲気中での紫外線照射処理(UV-O3処理)を行い、アルミナ絶縁膜307およびゲート電極308表面に付着している有機物の除去を行なうと同時に、ゲート電極308表面に膜厚1nm程度の極薄酸化アルミ膜からなる酸化層309を形成する。
次に、本発明の有機薄膜の形成方法を用いて、ゲート電極308上にゲート絶縁膜を形成する。
まず、第2図(d)に示すように、第1の工程として、前記反応室101内に本実施例の絶縁性樹脂基板301を導入し、反応室101内の排気を行った後、有機分子316を含む気体を反応室101中に導入することによって本発明の有機薄膜の形成方法である第1の工程を行なった。本実施例2では有機分子316として第4図(b)に示すようなアルキル鎖403と末端の官能基404としてトリクロロシラン基を有しているようなアルキルシラン材料であるオクタデシルトリクロロシラン分子(n-Octadecyltrichlorosilane:OTS)を用いた。
次に、第2図(e)に示すように、第2の工程として、このアルキルシランからなる有機分子316と被成膜基板表面であるアルミナ絶縁膜307および極薄酸化アルミ膜からなる酸化層309とが接触する。アルミナ絶縁膜307および酸化層309表面には、前述のUV-O3処理によってヒドロキシル基(OH基:図示せず)が存在しており、このヒドロキシル基とトリクロロシラン基404とが脱水縮合反応により、共有結合を形成することによって、有機分子316がアルミナ絶縁膜307および酸化層309表面に化学吸着する。
有機分子316を構成するアルキル鎖403は、σ結合によって連結されていることから、分子長軸方向に対して高い絶縁性を示すことが知られている。有機分子316は前述のように、アルキル鎖403の分子長軸の一方の末端基であるトリクロロシラン基404が形成する化学結合によって、アルミナ絶縁膜307および酸化層309表面に化学吸着していることから、これによって有機分子316のアルキル鎖の分子長軸方向が前記表面の法線方向に配列した、いわゆる自己組織化単分子膜からなる有機薄膜310が形成されることとなる。
この有機薄膜310は、前述のように絶縁性の高いアルキル鎖403の分子長軸方向が膜厚方向と一致していることから、例えば同様な有機分子をスピン塗布法等により、分子方向の揃っていない、いわゆるアモルファス状態で薄膜化した場合に比較して、より高い絶縁性を得ることが可能になる。
前記の反応室101中に設けたセンサ106を用いて、第2の工程における有機分子膜形成のモニタリングを行い、本実施例2の第2の工程である有機分子316の基板表面への化学吸着または物理吸着に相当する前記の質量変化が飽和傾向を示すことを確認した後、第3の工程として反応室101内の排気処理を行う。
この第3の工程により、反応室101内の気相に存在する有機分子316は排出されて、有機薄膜の堆積が停止すると同時に、絶縁性樹脂基板301上に物理吸着している有機分子316も基板表面から再脱離することによって、アルミナ絶縁膜307および酸化層309表面には、化学結合により表面に結合された有機分子316からなる自己組織化単分子膜310だけが形成される。
以上のようにして本実施例2における第1回目の有機薄膜の形成工程が終了する。
本実施例2の有機薄膜形成の形成工程では、第2図(f)に示すように、化学吸着された自己組織化単分子膜からなる有機薄膜310が形成されると共に、前述の第2の工程において有機分子316が化学吸着または物理吸着のどちらによっても吸着していない領域、および前記のように物理吸着によって有機分子316が吸着した後、第3の工程によって有機分子316が脱離した領域のように有機分子316が存在していない、いわゆるピンホールが形成された領域311も同時に形成される。
本実施例2のように有機薄膜を絶縁膜として用いようとした場合には、これらのピンホール領域311は化学結合によって有機分子316が有機薄膜310として形成されている領域に比較して絶縁性が低く、例えばこの有機薄膜を介して電圧を印加した場合には、絶縁性の低い領域に対する電界集中によって絶縁破壊が進行し、これに起因するリーク電流が増加すると言う問題点がある。
本実施例2では、このようなピンホール欠陥を減少させ、絶縁性に優れた高品質な自己組織化単分子膜を形成するために、続けて第2回目の有機薄膜の形成工程を行った。
まず、上記の第1回目の有機薄膜の形成工程を終了した絶縁性樹脂基板301が配置されている反応室101内を排気した後に、前記第1の工程と同様に有機分子316を含む気体を導入して、第2回目の有機薄膜の形成工程を開始する。
続く第2回目の本実施例2の第2の工程では、第2図(g)に示すように、先程の第1回目の有機薄膜の形成工程において化学吸着により形成された有機薄膜310上には、前述の共有結合を形成するための反応基であるヒドロキシル基(図示せず)が存在しないことから、有機薄膜310上に有機分子316が化学吸着により結合されることは無く、物理吸着によってのみ有機分子316が堆積する。一方、前記第1回目の有機薄膜の形成工程において、有機分子316が存在していないピンホール領域311表面には反応基であるヒドロキシル基が存在していることから、このピンホール領域311と有機分子316が本実施例2の第2回目の第2の工程において接触することにより、先程と同様に、脱水縮合反応によって有機分子316を化学吸着させて自己組織化単分子膜からなる有機薄膜310とすることが可能となる。
この第2回目の第2の工程は、先程の第1回目と同様に、反応室101内に設けられたセンサ106によってモニタリングすることによって、吸着分子の質量変化が飽和するタイミングを反応の終点として、第2の工程における基板表面への吸着反応の終了点を決定した。
この様に第2回目の有機薄膜の形成工程を行うことによって、第1回目の有機薄膜の形成工程で生じたピンホール領域311のような欠陥部分に対して有機分子316を選択的に反応させることが可能となる。
次に第3の工程として、再度反応室101内を排気することによって、気相中および有機薄膜310上、もしくはピンホール領域311に物理吸着している有機分子316が反応室101外へ排出されることによって、本実施例2の第2回目の有機薄膜の形成工程が終了する。
第2回目の有機薄膜の形成工程においては、第1回目の工程で絶縁性を低下させる要因となっていたピンホール領域311を埋め込むように、有機分子316が化学吸着された有機薄膜310を形成できることから、有機薄膜310の絶縁性をより高めることが可能となる。
一方、有機分子316が再度物理吸着したようなピンホール領域311は、第2回目の有機薄膜の形成工程を経た後でも、ピンホール領域311として存在するが、その数は第1回目の有機薄膜の形成工程後に比較して減少しており、絶縁性に優れた高品質な有機薄膜310が形成されることとなる。
この様にして、本実施例2では、有機薄膜の形成工程における第1から第3の工程を一つのサイクルとして、合計5回の成膜工程を繰り返すことにより、前記のピンホール欠陥をより減少させた有機薄膜310からなる高品質なゲート絶縁膜312をゲート電極308およびアルミナ絶縁膜307上に形成した。
自己組織単分子膜310の膜厚は分光エリプソ法(J.A.Woollam社製、M-2000)による膜厚測定から、膜厚2.3nmであった。
第4図(b)に示したOTS分子の分子長は、分子軌道計算によるモデリングから、分子長軸方向の長さが2.6nm程度であると計算されており、この結果から、有機分子316からなる有機薄膜310は、分子長軸が基板面の法線方向に配列した秩序性を有している自己組織化単分子膜として形成されていることを示している。
次に、第2図(h)に示すように、この自己組織化単分子膜310からなるゲート絶縁膜312が形成された絶縁性樹脂基板301上に有機半導体層313として、第4図(c)に示すペンタセン分子を蒸着して、膜厚60nmの有機半導体層313を形成する。ペンタセン有機半導体膜313の成膜は以下のようにして行なわれた。
まず、真空蒸着装置(図示せず)の成膜室内にゲート絶縁膜312が形成された絶縁性樹脂基板301を導入し、排気処理を行う。この時の成膜室内の到達真空度は6×10-5Paであった。
続けて、タングステンやタンタル等からなる蒸着ボートを用いた抵抗加熱蒸着法によって、ボート上の有機半導体材料であるペンタセンを加熱、蒸発させることによって、ゲート絶縁膜312上に有機半導体層313を形成した。この時の蒸着ボートの加熱温度は210℃、成膜速度は0.2オングストローム/秒とした。
次に、第2図(i)に示すように、ソース・ドレイン電極314、315を形成するために、電極形成部分を開口した蒸着用シャドーマスク(図示せず)を有機半導体層313上に配置し、これを介して金からなる金属膜を真空蒸着法により膜厚100nmで成膜することによってソース・ドレイン電極314、315が形成される。
この様にして、本実施例2に係る、絶縁性樹脂基板301上に形成された有機薄膜トランジスタが形成される。
第3図に本実施例2で形成された自己組織化単分子膜からなるゲート絶縁膜の電流−電圧(I-V)特性を示す。前記のUV-O3処理によりゲート電極上に形成された極薄酸化アルミ膜の膜厚は約2nm程度であり、この膜だけでは、電圧印加に対して大きなリーク電流が流れている。一方、本実施例2の自己組織化単分子膜(膜厚2.4nm)を形成したゲート絶縁膜のI-V特性は、リーク電流が非常に低く抑制されており、電流密度1μA/cm2以下となる電圧値を耐圧Eとすると、E>8(MV/cm)となり、酸化シリコン膜並みの絶縁耐圧を示している。
また、容量−電圧(C-V)測定の結果より、単位面積当たりのゲート絶縁膜容量は、 1μF/cm2と非常に大きい。
薄膜トランジスタの性能指標の一つであるゲート電圧しきい値Vthは、一般的なMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造の場合には、式(5)に示すように、ゲート絶縁膜の電気容量との相関がある。
[式中、Vinsaulatorはゲート絶縁膜に印加される電圧を意味し、ψsは半導体の表面電位を意味し、Qsは表面電荷密度を意味し、Cinsulatorはゲート絶縁膜の静電容量を意味し、ΦBはフェルミ準位と真性フェルミ準位の間の電位差を意味し、qは電荷量を意味し、NAは半導体濃度を意味し、Wmは空乏層の幅を意味し、εoは真空の誘電率を意味し、εsは半導体の誘電率を意味する]
有機半導体であるペンタセンを用いた薄膜トランジスタの動作機構は明らかにはなっていないが、その電気特性はMIS構造のトランジスタと同様に振舞うことが知られていることから、ゲート絶縁膜容量Cinsulatorを大きくすることによって、しきい値電圧の低減が可能となる。
以上のように、本発明の有機薄膜の形成方法を用いることにより、絶縁耐圧に優れ、ゲート電圧しきい値の低減可能な極薄な有機ゲート絶縁膜を有する有機薄膜トランジスタを絶縁性樹脂基板上に作製した。
本発明の有機薄膜の形成方法によれば、排気および被成膜基板表面に対して結合性有機分子を含む気体の導入を行う第1の工程、導入された前記有機分子と被成膜基板表面との間に化学結合を形成させる第2の工程、および物理吸着した未反応の有機分子を被成膜基板表面から排出する第3の工程とをこの順序で行い、これら3つの工程を1回以上繰り返して行うことにより、欠陥密度の少ない、高品質な自己組織化単分子膜からなる有機薄膜を提供することが可能となる。
また、本発明の有機薄膜の形成装置によれば、被成膜表面と同じ材料で表面を被覆した水晶振動子をセンサとして用いて、本発明の有機薄膜の形成方法における第2の工程を制御することにより、吸着反応の終了点を容易に観察することが可能で有り、効率的な成膜処理が可能な有機薄膜形成装置を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態および実施例1を示す図であって、(a)〜(g)は、本発明に係る有機薄膜膜の形成方法の概略工程図である。 本発明の実施例2を示す図であって、(a)〜(i)は、本発明に係る有機薄膜トランジスタの作製の概略工程図である。 本発明の実施例2に係る有機薄膜の絶縁特性を示す図である。 本発明の有機薄膜の作製および有機薄膜トランジスタの作製に用いた有機分子を示す図である。 (a)は本発明の実施例1に係る有機薄膜の紫外-可視光吸収スペクトルを示す図であり、(b)は理想的な六法最密充填状態のAPhS分子の模式図である。
符号の説明
101 反応室
102 被成膜基板
103 基板ステージ
104 気体供給手段
105、316 有機分子
106 センサ
110、310 有機薄膜
301 絶縁性樹脂基板
308 ゲート電極
312 ゲート絶縁膜
313 有機半導体層

Claims (13)

  1. 基板上に有機薄膜を形成する方法であって、前記基板表面に水酸基(OH基)を導入した被成膜表面、または前記基板表面に金、銀、銅、白金、パラジウムもしくは鉄のいずれかが導入された被成膜表面を有する被成膜基板が配置された反応室内の気体を排気した後に、基板表面に対して、結合性有機分子を含む気体を導入する第1の工程と、前記反応室内の前記有機分子を基板表面に化学結合させる第2の工程と、
    前記反応室内を排気して、反応室内および前記基板表面上の未反応の前記有機分子を排出させる第3の工程と
    を含み、前記第1の工程から第3の工程を1回以上繰り返すことを特徴とする有機薄膜の形成方法。
  2. 前記基板が、シリコン基板、石英基板、ガラス基板あるいはポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエステル(PE)またはポリエーテルスルホン(PES)等の材料からなる樹脂基板である、請求項1に記載の有機薄膜の形成方法。
  3. 前記基板表面に化学結合した有機分子が、自己組織化単分子膜を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜の形成方法。
  4. 前記結合性有機分子が、少なくとも、被成膜基板の表面と化学結合を形成可能な官能基を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の有機薄膜の形成方法。
  5. 前記官能基が、チオール基、アルコキシシリル基、ハロゲン化シリル基、シアノ基、カルボキシル基、臭素またはホスホン酸基である請求項に記載の有機薄膜の形成方法。
  6. 前記化学結合させる第2の工程が、加熱下に行なわれる請求項1に記載の有機薄膜の形成方法。
  7. 前記反応室内の排気が、減圧排気される請求項1に記載の有機薄膜の形成方法。
  8. 前記減圧排気が、加熱下に行なわれる請求項に記載の有機薄膜の形成方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の有機薄膜の形成方法に用いられる有機薄膜の形成装置であって、
    気密性反応室と、
    前記反応室内に設けられた被成膜基板を保持するための基板ステージと、
    前記反応室内を排気するための排気手段と、
    前記反応室内の前記基板表面に対して結合性有機分子を含む気体を導入するための気体導入手段と、
    前記有機分子を基板表面に化学結合させる手段と、
    有機分子による有機薄膜の成膜状況をモニタするためのセンサとを含む、
    ことを特徴とする有機薄膜の形成装置。
  10. 前記排気手段が、真空ラインまたは真空ポンプによる請求項に記載の有機薄膜形成装置。
  11. 前記化学結合させる手段が、加熱手段である請求項に記載の有機薄膜形成装置。
  12. 前記成膜状況をモニタするためのセンサが、水晶振動子であり、該水晶振動子の前記反応室側に露出する表面に有機薄膜層が形成されることにより成膜状況をモニタする請求項に記載の有機薄膜の形成装置。
  13. 前記水晶振動子表面が、前記被成膜基板表面と同じ材料で被覆されている請求項または12に記載の有機薄膜の形成装置。
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