本発明は、ファインダー光学系及びそれを用いた撮像装置に関し、特にファインダー光学系の観察倍率が大きくファインダー像を良好に観察することができる、例えば一眼レフカメラ等の撮像装置に好適なものである。
一眼レフカメラのファインダー光学系では撮影レンズによって、焦点板上に形成した被写体像(ファインダー像)を観察している。このファインダー光学系は、焦点板上に形成された被写体像をペンタプリズム等の像反転手段で正立像とした後、接眼レンズを介して拡大して観察するように構成されている。
このようなファインダー光学系には、高い観察倍率を有すること、光学系全体が小型で軽量であること、そして高い光学性能を有すること等が求められている。
この他、ファインダー視野内に光学系全体の小型化を図りつつ、表示情報を効果的に表示すること等が求められている。
ファインダー光学系の軽量化を図るため像反転手段としてペンタプリズムの替りに反射鏡を組み合わせた、所謂ペンタダハミラーを用いたファインダー光学系が種々と提案されている。
このようなペンタダハミラーと、共軸光学系より成り、ファインダー倍率の高倍率化を図ったファインダー光学系が提案されている。(特許文献1参照)。
またペンタダハミラーを用いたファインダー光学系において、該ペンタダハミラーを構成する反射鏡の一部に集光性のパワーを持たせて高い観察倍率を得るようにしたファインダー光学系が提案されている(特許文献2参照)。
又、4つの光学面から成るプリズム体を用い、このうち屈折面と反射面の2面が偏心した曲率を有する形状より成り、偏心した面より発生する偏心収差を補正した小型のファインダー光学系が提案されている(特許文献3参照)。
特開2001−311881号公報
特開2000−356799号公報
特開2004−126613号公報
一般に一眼レフカメラ用のファインダー光学系において、ファインダー倍率は撮影レンズと接眼レンズの焦点距離の比で求められる。このため観察倍率を大きくする為には、接眼レンズの焦点距離を短くすることが必要となる。
像反転手段として、ペンタダハプリズムを用いると、ペンタダハミラーを用いた場合に比べ、光路長が長くなるため、ファインダー倍率を高倍率にするのが容易となるが、ファインダー光学系が高重量化してくる。
一方、像反転手段として反射面に曲率を有するペンタダハミラーを用いると、ファインダー光学系は軽量化されるが、ファインダー倍率を高めることが難しくなってくる。
また、ペンタダハミラーの反射面に集光性のパワー(屈折力)を持たせるとコマ収差や非点収差そしてキーストン歪等の偏心収差が発生し、これらを良好に補正して高い光学性能を得るのが大変難しくなってくる。
このことは、ペンタダハプリズムの反射面に集光性のパワーを持たせて、ファインダー倍率の更なる高倍率化を図るときも同様であり、この曲率のある反射面から偏心収差が多く発生し、これを補正するのが大変難しくなってくる。
このため、曲率のある反射面を有するペンタダハプリズムやペンタダハミラーを用いるファインダー光学系では、この曲率のある反射面から生ずる諸収差をいかに補正するかが大きな課題となっている。
本発明は高い光学性能を保ちつつ観察倍率が大きく、大きなファインダー像の観察ができるファインダー光学系及びそれを用いた撮像装置の提供を目的とする。
本発明のファインダー光学系は、
撮影レンズによって形成された物体像を観察側より観察するファインダー光学系において、
該ファインダー光学系は、該物体像に基づく光束を該物体像側へ反射する屋根型形状の第1の反射面と、該第1の反射面で反射した光束を観察側に反射する第2の反射面と、該第2の反射面からの光束が入射する接眼レンズ部と、を有し、
該第2の反射面は回転非対称面であり、該接眼レンズ部は回転非対称面を少なくとも1面有し、
該第2の反射面の回転非対称面は、1つの面を対称面とする面対称な形状より成り、
該1つの面内のパワーをφ02、
該1つの面と垂直な面内のパワーをφ20とするとき、
φ20<φ02
であることを特徴とするファインダー光学系としている。
この他、本発明のファインダー光学系は、
撮影レンズによって形成された物体像を観察側より観察するファインダー光学系において、
該ファインダー光学系は、該物体像に基づく光束を該物体像側へ反射する屋根型形状の第1の反射面と、該第1の反射面で反射した光束を観察側に反射する第2の反射面と、該第2の反射面からの光束が入射する、複数のレンズより構成される接眼レンズ部と、を有し、
該第2の反射面は回転非対称面であり、該接眼レンズ部は回転非対称面を少なくとも1面有し、
該第2の反射面の回転非対称面は、
1つの面を対称面とする面対称な形状より成り、
該1つの面内のパワーをφ02、
該ファインダー光学系の該1つの面内のパワーをφ、
該接眼レンズ部のレンズ全長をL、
該物体像の有効径を2Y、
とするとき、
0.05<φ02/φ・Y/L<0.8
なる条件を満足することを特徴とするファインダー光学系としている。
本発明によれば、
高い光学性能を保ちつつ観察倍率が大きく、大きなファインダー像の観察ができるファインダー光学系が得られる。
図1は本発明のファインダー光学系を撮像装置としてのデジタル一眼レフカメラに適用したときの実施例1の要部断面図である。
図1において、1はカメラ本体(不図示)に固定または着脱可能な撮影レンズである。2はクイックリターンミラー(QRミラー)であり、回転軸2aを中心に回動可能となっており、撮影レンズ1からの光束を上方に反射させている。3は焦点板(フレネルレンズ)である。M1は、1次結像面としてのマット面であり、その面上には撮影レンズ1によって物体像(ファインダー像)が形成されている。
4は像反転手段であり、ペンタダハミラーより成っている。
ペンタダハミラー4は、ダハ反射面(屋根型形状の第1反射面)(第1の反射面)11と回転非対称形状の反射面(第2反射面)(第2の反射面)12を有しており、マット面M1上に形成された物体像を正立像としている。
第1反射面11と第2反射面12は、図1の紙面内でチルトしている。
以下、第1、第2反射面11、12を第1、第2反射鏡11、12ともいう。
13は複数のレンズを有する接眼レンズ部であり、第2の反射鏡12側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ131、正の屈折力を有する第2レンズ132、そして正又は負の屈折力を有する第3レンズ133を有している。本実施例では第3レンズ133は負の屈折力である。
接眼レンズ部13は、回転非対称面を少なくとも1つ有している。
本実施例では、第3レンズ131の両面が回転非対称形状より成っている。
本実施例では第2レンズ132を接眼レンズ部13の光軸上を移動させることで視度調節を行っている。
Sは観察眼が位置するアイポイントの位置を表している。
9は撮影レンズ1の像面であり、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(撮像手段)の撮像面またはフィルム(撮像手段)等の感光面に相当する。
本実施例におけるファインダー光学系は撮影レンズ1による物体像をクイックリターンミラー2で反射させて焦点板3上のマット面M1上に形成している。そしてマット面M1に形成した物体像を第1、第2の反射鏡11、12で正立像とし、該正立像を接眼レンズ部13を介して観察側のアイポイントSより観察している。
また撮像手段に像を形成するときは、クイックリターンミラー2は回動して撮影レンズ1からの光束が像面9に入射するようにしている。そして像面9に配置された撮像手段によってマット面M1に形成された物体像に相当する像(物体像の一部または全部またはそれよりも大きな部分の像)を光電変換(受光)している。
本実施例では第2の反射鏡12を図1の紙面を対称面とする面対称形状の回転非対称面として、集光性のパワーを持たせることで、ファインダー倍率を大きくしている。
また第2の反射鏡12への入射光束は斜入射光束であるため偏心収差が発生するが、上記の如く該第2の反射鏡12を回転非対称面とすることで偏心収差の発生を低減している。
又、接眼レンズ部13は、回転非対称面を少なくとも1面有するようにしている。
本実施例では第1レンズ131の両面を回転非対称面より構成し、第2の反射鏡12での残存偏心収差を良好に補正し、且つ該第1レンズ131を射出した後の光束を共軸系に戻している。これにより第2レンズ132を接眼レンズ部13の光軸に沿って移動させることで高い光学性能を維持したまま視度調節を可能としている。
第2の反射面12の回転非対称面は、1つの面(図1の紙面内)を対称面とする面対称な形状より成っている。このとき、第2の反射面12は、1つの面内におけるパワーが該1つの面と垂直な面内におけるパワーよりも大きい形状より成っている。
即ち1つの面内のパワーをφ02、とする。
1つの面と垂直な面内のパワーをφ20、とする。このとき、
φ20<φ02
である。
特に、第2の反射面12は、
1<φ02/φ20<3 ・・・(1)
なる条件を満足している。
ファインダー光学系の該1つの面内のパワーをφ、とする。
接眼レンズ部13のレンズ全長(第2の反射面12側のレンズ面からアイポイント側のレンズ面までの長さ)をLとする。
マットM1上の物体像の有効径を2Yとする。
ここで有効径2Yは、撮影レンズ1によってマット面M1上に形成されるファインダー像の有効径(最大像高の2倍の値)である。
このとき、
0.05<φ02/φ・Y/L<0.8 ・・・(2)
なる条件を満足している。
接眼レンズ部13の第2レンズ132は、接眼レンズ部13の光軸方向に沿って移動して視度調節を行っており、このときの第2レンズ132の視度調節による移動量をΔzとする。このとき、
0.08<Δz/L<0.6 ・・・(3)
なる条件を満足している。
以下に、本実施例において上記の構成をとる技術的な理由について説明する。
本実施例のようなファインダー光学系では第1、第2の反射面11、12のチルト面内(図1の紙面内で1つの面に相当)において、1次結像面M1、第1の反射面11、第2の反射面12、接眼光学系13が干渉しないように光学系を構成しなければならない。第2の反射面12のパワーが強くなると1次結像面M1からの光束が小さくなり、同じ構成のペンタダハミラーを用いた光学系の大きさでもファインダー倍率の高倍率化が容易となる。一方、チルト面と垂直な面内では光学部材間の干渉の制約はないため、パワーを弱くすることで良好に収差を補償することができる。このため、第2の反射面12はチルト面内のパワーをチルト面と垂直な面内のパワーよりも大きくしている。
だたし、球面をチルトさせた場合に、子午面内のパワーが球欠面内のパワーよりも強くなることからも理解されるように、チルト面内のパワーをチルト面と垂直な面内のパワーよりも強くしすぎると、非点収差が大きく発生してくる。そこで、第2の反射面12の形状が条件式(1)を満足するようにしている。
条件式(1)の上限を上回ると、チルト面内のパワーが強くなりすぎ、非点収差が大きくなってしまう。また、下限を下回ると光学面が干渉してくる。又、ディストーションが大きくなってファインダー倍率の高倍化が困難になる。
なお、条件式(1)の値は以下の範囲にあることが更に好ましい。
1.2<φ02/φ20<2.6 ・・・(1a)
さらに、好ましくは以下の範囲にあるのが良い。
1.5<φ02/φ20<2.2 ・・・(1b)
非点収差を抑えつつファインダー倍率の高倍率化を達成するために、以下のような構成をとることが望ましい。まず、曲率を有した反射面を1次結像面M1に近い位置に配置する。こうすることで、非点収差の影響を抑えながら光束の広がりを効果的に小さくすることができる。さらに、チルト面内において曲率を有した反射面は軸外に向かってパワーが強くなる形状とすることが望ましい。こうすることで、さらに非点収差の影響を抑えながら光束の広がりを効果的に小さくすることができる。また、反射面で発生した非点収差を打ち消すように回転非対称な屈折面はチルト面内とチルト面に垂直な面内でパワーが異なることが望ましい。
また、1次結像面M1の中心からアイポイントSの中心に至る光線の通る光路を後述する基準軸としたとき、基準軸を交差させることで光学系を折りたたんでコンパクトな光学系を実現することができる。また、アイポイントSと1次結像面M1の高さずれを小さく抑えることで、撮影レンズで結像している物体像と接眼レンズ部13で瞳S1に導かれる像のずれを少なくすることができる。
また、ファインダー光学系内に中間結像面を有さず、1次結像として結像するように形成することで、光路長が短くなりコンパクトなファインダー光学系を実現することができる。
また、ファインダー光学系が共軸系の場合には接眼レンズ部13のパワーを強くすることでファインダー倍率を上げることができる。接眼レンズ部13の最も1次結像面M1に近い面から最もアイポイントSに近い面までの距離Lを短縮することで接眼レンズ部13のパワーを強くすることができる。一方、接眼レンズ部13のパワーを一定とした場合には第2の反射面12のパワーφ02を強くすることでファインダー光学系全系のパワーを強くすることができる。ただし、カメラ本体の厚みを考慮すると距離Lの短縮には限界がある。第2の反射面12のパワーを強くすると反射面にパワーを与えたことにより発生する、非点収差、コマ収差、キーストン歪等の偏心収差が大きくなる。本実施例では、この偏心収差を打ち消すために、接眼レンズ部13の少なくとも1面の屈折面を回転非対称な形状とし、さらにシフト、チルトさせて偏心収差を補償している。偏心収差の補償を効果的に行うためには、2面以上の屈折面を回転非対称面とすることが望ましい。
このため、第2の反射面12のチルト面内におけるパワーφ02と距離Lは条件式(2)の関係にあることが望ましい。
条件式(2)の上限値を上回ると、第2の反射面12における偏心収差が大きく発生し、良好な像を観察できなくなる。また、下限値を下回ると偏心収差の発生は抑えられるがファインダー倍率が上がらなくなる。
なお、条件式(2)の値は以下の範囲にあるのが好ましい。
0.07<φ02/φ・Y/L<0.6 ・・・(2a)
さらに、好ましくは以下の範囲にあることが良い。
0.1<φ02/φ・Y/L<0.4 ・・・(2b)
また、接眼レンズ部13の屈折面(第2レンズ132)を移動させることにより視度調節を行うときのレンズの移動量を条件式(3)の範囲に抑えると、良好に視度調節を行うことができる。
条件式(3)の値が下限値を下回ると視度調整用のレンズのパワーが強くなりすぎ、良好な観察像を得られなくなる。また、調整の際に位置敏感度が高くなり機構的な制御が難しくなる。一方、上限を上回ると、レンズの移動長が長くなるため接眼レンズ部13の最も1次結像面M1に近い面から最もアイポイントSに近い面までの距離を短くすることができず、ファインダー倍率の高倍率化が難しくなる。
次に、実施例1及び後述する各実施例では回転非対称の光学部材を用いているために各光学部材の構成諸元の表し方および各実施例に共通する事項について説明する。
図36は各実施例の光学系(光学素子)の構成データを定義する座標系の説明図である。各実施例では、物体側OBから像面(アイポイントS側)に進む1つの光線(図36中の一点鎖線で示すもので、後述するように中心主光線又は基準軸光線と称する)に沿ってi番目の面を第i面とする。
図36において、第1面R1は絞り、第2面R2は第1面R1と共軸である屈折面である。第3面R3は第2面R2に対してチルトした反射面である。第4面R4、第5面R5は各々の前の面(光の入射側の面)に対してシフト、チルトした反射面である。第6面R6は第5面R5に対してシフト、チルトした屈折面である。第2面R2から第6面R6までの各々の面はガラス、プラスチック等の媒質で構成される1つの光学素子B1上に構成されている。
従って、図36の構成では、物体面OBから第2面R2までの媒質は空気、第2面R2から第6面R6まではある共通の媒質、第6面R6から第7面R7までの媒質は空気で構成されている。光学素子B1を中空構成とするときは第2面R2、第6面R6は存在せず、第3面R3〜第5面R5は反射鏡より成る。
各実施例にて説明する光学系は、非共軸な偏心光学系であるため、光学系を構成する各面は共通の光軸を持っていない。そこで、各実施例においては、光学系を説明しやすいように、物体面と光学系の間に基準となる原点を有する面(基準面)を導入し、第1面R1の中心点を原点とし、その原点からの位置関係で面の配置を説明する。
各実施例では、第1面R1の中心を通り、第1面R1から垂直方向(z軸方向)に至る1つの光線(図36中の一点鎖線で示す光線)を中心主光線又は基準軸光線とする。又、基準軸光線は原点と最終結像面R7の中心を通る光線である。この基準軸光線が辿る経路を基準軸と称する。この基準軸は方向(向き)を持っている。その方向は中心主光線又は基準軸光線が結像に際して進行する方向である。また、原点は基準面における中心主光線(基準軸光線)の位置であり、基準面の原点からの法線は中心主光線(基準軸光線)(z軸
)と一致している。
また、各実施例においては、1次結像面M1の中心を通りアイポイントSの中心に至る光線(基準軸光線)が各屈折面及び反射面によって屈折・反射する経路を基準軸に設定している。各面の順番は基準軸光線が屈折・反射を受ける順番に設定している。したがって、基準軸は、設定された各面の順番で、屈折若しくは反射の法則に従ってその方向を変化させつつ、アイポイントSの中心に到達する。
なお、各実施例では、光学系の基準となる基準軸を上記の様に設定したが、光学系の基準となる軸の決め方は、光学設計上、収差の取り纏め上、若しくは光学系を構成する各面形状を表現する上で都合の良い軸を採用すればよい。但し、一般的には、像面の中心と、絞り又は入射瞳又は射出瞳又は光学系の第1面の中心若しくは最終面の中心のいずれかを通る光線の経路を光学系の基準となる基準軸に設定する。
また、各実施例の光学系を構成するチルト面は、すべてが同一面内でチルトしている。そこで、絶対座標系の各軸を以下のように定める。
Z軸:原点と物体面中心を通る直線。物体面から第1面R1に向かう方向を正とする。
Y軸:原点を通りチルト面内(図36の紙面内)でZ軸に対して反時計回りに90゜をなす直線
X軸:原点を通り、Z、Y各軸に垂直な直線(図36の紙面に垂直な直線)。
また、光学系を構成する第i面の面形状を表すには、絶対座標系にてその面の形状を表記するより、基準軸と第i面が交差する点を原点とするローカル座標系を設定して、ローカル座標系でその面の面形状を表した方が形状を認識する上で理解し易い。このため、各実施例の構成データを表示する数値実施例では、第i面の面形状をローカル座標系で表す。
また、第i面のYZ面内でのチルト角は、絶対座標系のZ軸に対して反時計回り方向を正とした角度θi(単位°)で表す。よって、各実施例では、各面のローカル座標の原点は図36中のYZ面上にある。また、XZ面内およびXY面内での面の偏心はない。さらに、第i面のローカル座標(x,y,z)のy,z軸は絶対座標系(X,Y,Z)に対してYZ面内で角度θi傾いており、具体的には以下のように設定する。
z軸:ローカル座標の原点を通り、絶対座標系のZ方向に対しYZ面内において反時計回り方向に角度θiをなす直線。
y軸:ローカル座標の原点を通り、z方向に対しYZ面内において反時計回り方向に90゜をなす直線。
x軸:ローカル座標の原点を通り、YZ面に対し垂直な直線。
また、各実施例では、数値実施例として各構成面の数値データを示す。ここで、Diは第i面と第(i+1)面とのローカル座標の原点間の間隔を表すスカラー量、Ndi、νdiは第i面と第(i+1)面間の媒質の屈折率とアッベ数である。
球面は以下の式で表される形状である。
また、回転対称非球面の形状は以下の式のように表す。
さらに、以下の各実施例の光学系は、回転非対称な非球面を1面以上有し、その形状は以下の式による表す。
上記曲面式はxに関して偶数次の項のみであるため、上記曲面式により規定される曲面はyz面を対称面とする面対称な形状である。
また、以下の条件が満たされる場合はxz面に対して対称な形状を表す。
が満たされる場合は回転対称な形状を表す。以上の条件を満たさない場合は回転非対称な形状である。
さらに、
が満たされる場合は回転対称な形状を表す。以上の条件を満たさない場合は回転非対称な形状である。
なお、各数値実施例において、垂直半画角uYとは、図36のYZ面内において第1面R1に入射する光束の最大画角、水平半画角uXとは、XZ面内において第1面R1に入射する光束の最大画角である。また、絞りの直径は絞り径として示す。これは光学系の明るさに関係する。
また、各数値実施例の横収差図も示す。各横収差図では、第1面R1への水平入射角、垂直入射角がそれぞれ(0,uY),(0,0),(0,−uY),(uX,uY),(uX,0),(uX,−uY)となる入射角の光束の横収差を示す。また、横収差図においては、横軸は瞳への入射高さを表し、縦軸は収差量を表している。
各数値実施例とも、各面がyz面を対称面とする面対称の形状となっているため、横収差図においても垂直画角のプラス、マイナス方向は同一となる。したがって、図の簡略化のために、マイナス方向の横収差図は省略している。
図1の実施例1において、像反転手段4を構成する第2の反射面12及び接眼レンズ部13の第1レンズ131の両面は回転非対称形状である。これらの回転非対称面はyz面を対称面とする面対称な形状となっている。これらの構成により、第2の反射面12により発生するコマ収差、非点収差、キーストン歪等の偏心に起因する収差を第1レンズ131の2つの屈折面により補償している。さらに、接眼レンズ部13の第1レンズ131をチルトさせ、上側のパワーを下側のパワーよりも強くなるような形状とすることで、諸収差の補正をより効率的に行っている。また、本実施例では接眼レンズ部13のレンズの材料に樹脂材料を使用することで製造を容易にしている。
また、1次結像面M1の中心からアイポイントSの中心に至る基準軸光線は1次結像面M1と第1反射面11間と、第2反射面12と接眼レンズ部13間で1回交差している。このとき中間結像を有していないため、光路長を短くしてコンパクトな光学系を実現している。
尚実施例1においては、射出基準軸が1次結像面M1と垂直となるように射出している。この光束は第1の反射面11により左右の像が反転し、第2の反射面12で正の屈折力を受けながら反射され、上下の像を反転させて正立像として接眼レンズ部13に入射している。
以下、図1に示した実施例1の数値実施例を表1に示す。尚以下の数値実施例では光路の近径を実際とは逆方向にとっている。即ち、図1に示したファインダー光学系はアイポイントSの中心を絶対座標系の原点としている。接眼レンズ部13の第3レンズ133の屈折面をアイポイントSから仮にR1面、R2面とする。さらに第2レンズ132の屈折面をアイポイントSから順にR3面、R4面、第1レンズ131の屈折面をアイポイントSから順にR5面、R6面としている。そして第2の反射面12をR7面、第1の反射面11をR8面とし、1次結像面M1を像面として表記している。
実施例1のファインダー光学系における横収差図を図2に、ディストーションの様子を図3に示す。
実施例1では、条件式(1)の値は1.99である。これにより、非点収差を抑えながらファインダー倍率が高倍率なファインダー光学系を実現している。また、第2の反射面12は各画角の光線がばらけた面であり、チルト面内で軸外の曲率が強いことからも効率的に高倍化していることわかる。
また、条件式(2)の値は0.29である。これにより、高倍率ながら、偏心収差を抑えて良好なファインダー像を観察できるファインダー光学系を実現している。
さらに、第2の反射面12から観察側の接眼レンズ部13に向かう光線に対して、軸外光線の主光線が収束するように射出している。これにより、(0(uX),uY)と(0(uX),−uY)の軸外光線の第2の反射面12における反射角を略等しくしてコマ収差とキーストン歪みを抑制している。
一方、第2の反射面12で生じる偏心収差を補正するための回転非対称の屈折面は接眼レンズ部13の第1レンズ131である。(0(uX),−uY)の光線は(0(uX),uY)の光線に対して面間隔が長くなるのでパワーが弱くなりやすい。これを防ぐために、接眼レンズ部13の第1レンズ131は上側が第2の反射面12に近づくようにチルトするとともに上側のパワーを下側のパワーよりも強くなるような形状としている。ただし、チルト量が多くなっても、パワーが強くなりすぎても偏心による収差が大きくなりすぎる。また、傾きによるプリズム効果のために色収差が大きく発生してしまう。
なお、実施例1では接眼レンズ部13の第1レンズ131をチルトさせているが、第1レンズ131をシフトさせても偏心収差を効率的に補正することができる。
接眼レンズ部13の第2レンズ132は正の屈折力を有した共軸レンズであり、この第2レンズ132を可動にすることにより、効果的に視度調整を行っている。このとき、条件式(3)の値は0.14である。条件式(3)を満たすことで収差の変動の少ない視度調整を行っている。図4、図5はファインダー光学系の視度調整の様子を図示したものである。実施例1の接眼レンズ部13の第2レンズ132をそれぞれ、遠側と近側に直線移動させたものである。また、図6、図7は遠側と近側の視度調節時における横収差図を表している。
表2は実施例1において直線移動して視度調整を行う場合のZ座標を表している。Y座標は変化していないが、このことからも分かるように第2レンズ132はZ軸に沿って直線的に移動している。回転非対称な偏心光学系の場合には基準軸に沿って移動させることで、視度調節を行うことができる。尚、dptはデイオプターである。
図8は本発明の実施例2のファインダー光学系のYZ面内での要部断面図である。
図8においてファインダー光学系は1次結像面M1から順にダハ面より成る第1の反射面21、第2の反射面22、3つの光学素子からなる接眼レンズ部23から構成されている。接眼レンズ部23は負の屈折率を有する第1レンズ231、正の屈折率を有する第2レンズ232、負の屈折率を有する第3レンズ233により構成されている。
実施例2において、実施例1との差異は接眼レンズ部23における回転非対称な屈折面が接眼レンズ部23の第1レンズ131の第1面であり、回転非対称な屈折面の数が異なる点である。したがって、実施例2で得られる効果は実施例1で得られる効果と全く同じであり、上記の条件式(1)〜(3)も満たすし、第2の反射面22による効果も全く同じである。ただし、1面で偏心収差を補償するとこの面の負担が大きいため、2面以上の回転非対称屈折面で補償することが望ましい。実施例2では、接眼レンズ部23の第1レンズ231は第2の反射面22側にチルトしているが、下側のパワーが上側のパワーよりも強くなってしまい、収差補正のバランスが難しくなっている。
以下、図8に示した実施例2の数値実施例を表3に示す。図8に示したファインダー光学系はアイポイントSの中心を絶対座標系の原点としている。接眼レンズ部23の第3レンズ233の屈折面をアイポイントS側(観察側)からR1面、R2面とする。さらに第2レンズ232の屈折面をアイポイントS側からR3面、R4面、第1レンズ231の屈折面アイポイントS側からR5面、R6面としている。第2の反射面22をR7面、第1の反射面21をR8面とし、1次結像面M1を像面として表記している。
実施例2のファインダー光学系における横収差図を図9に、ディストーションの様子を図10に示す。
実施例2では、条件式(1)の値は1.36である。これにより、非点収差を抑えながらファインダー倍率が高倍率なファインダー光学系を実現している。また、第2の反射面22は各画角の光線がばらけた面であり、チルト面内で軸外の曲率が強いことからも効率的に高倍化していることわかる。
また、条件式(2)の値は0.33である。これにより、高倍率ながら、偏心収差を抑えて良好なファインダー像を観察できるファインダー光学系を実現している。
さらに、第2の反射面22から接眼レンズ部23に向かう光線に対して、軸外光線の主光線が収束するように射出している。これにより(0(uX),uY)と(0(uX),−uY)の軸外光線の第2の反射面22における反射角を略等しくしてコマ収差とキーストン歪みを抑制している。
一方、第2の反射面22で生じる偏心収差を補正するための回転非対称の屈折面は接眼レンズ23の第1レンズ231であり、(0(uX),−uY)の光線は(0(uX),uY)の光線に対して面間隔が長くなるのでパワーが弱くなりやすい。これを防ぐために、接眼レンズ部23の第1レンズ231は上側が第2の反射面22に近づくようにチルトしている。ただし、チルト量が多くなると偏心による収差が大きくなりすぎる。また、傾きによるプリズム効果のために色収差が大きく発生してしまう。
なお、実施例2では接眼レンズ部23の第1レンズ231をチルトさせているが、第1レンズ231をシフトさせても偏心収差を効率的に補正することができる。
接眼レンズ部23の第2レンズ232は正の屈折力を有した共軸レンズであり、この第2レンズ232を可動にすることにより、効果的に視度調整を行っている。このとき、条件式(3)の値は0.14である。条件式(3)を満たすことで収差の変動の少ない視度調整を行っている。図11、図12はファインダー光学系の視度調整の様子を図示したものである。実施例2の接眼レンズ23部内の第2レンズ232をそれぞれ、遠側と近側に直線移動させたものである。また、図13、図14は遠側と近側の視度調節時における横収差図を表している。
表4は実施例2において直線移動して視度調整を行う場合のZ座標を表している。Y座標は変化していないが、このことからも分かるように第2レンズ232はZ軸に沿って直線的に移動している。回転非対称な偏心光学系の場合には基準軸に沿って移動させることで、視度調節を行うことができる。
図15は本発明の実施例3のファインダー光学系のYZ面内での要部断面図である。
図15においてファインダー光学系は1次結像面M1から順にダハ面より成る第1の反射面31、第2の反射面32、3つの光学素子からなる接眼レンズ部33から構成されている。接眼レンズ部33は負の屈折率を有する第1レンズ331、正の屈折率を有する第2レンズ332、正の屈折率を有する第3レンズ333により構成されている。
実施例3において、実施例1との差異は第1の反射面31、第2の反射面32を含む光学素子が1つの透明体で形成されている点である。透明体中では光路長が短くなるのでファインダー倍率の高倍率化が容易であり、実施例3では、さらにファインダー倍率を上げることが容易である。したがって、実施例3で得られる効果は実施例1で得られる効果と全く同じであり、上記の条件式(1)〜(3)も満たすし、第2の反射面32による効果も全く同じである。また、光路長を稼ぐ必要が無いためレトロ比が小さくなり、第3レンズ333が正の屈折力となっている点も異なる。
以下、図15に示した実施例3の数値実施例を表5に示す。図15に示したファインダー光学系はアイポイントSの中心を絶対座標系の原点としている。接眼レンズ部33の第3レンズ333の屈折面をアイポイントS側からR1面、R2面とする。さらに第2レンズ332の屈折面をアイポイントS側からR3面、R4面、第1レンズ331の屈折面をアイポイントS側からR5面、R6面としている。透明体の射出面をR7、第2の反射面32をR8面、第1の反射面31をR9面、透明体の入射面をR10とし、1次結像面M1を像面として表記している。
実施例3のファインダー光学系における横収差図を図16に、ディストーションの様子を図17に示す。
実施例3では、条件式(1)の値は2.60である。これにより、非点収差を抑えながらファインダー倍率が高倍率なファインダー光学系を実現している。また、第2の反射面32は各画角の光線がばらけた面であり、チルト面内で軸外の曲率が強いことからも効率的に高倍化していることわかる。
また、条件式(2)の値は0.60である。これにより、高倍率ながら、偏心収差を抑えて良好なファインダー像を観察できるファインダー光学系を実現している。
さらに、第2の反射面32から接眼レンズ部33に向かう光線に対して、軸外光線の主光線が収束するように射出している。これにより、(0(uX),uY)と(0(uX),−uY)の軸外光線の第2の反射面32における反射角を略等しくしてコマ収差とキーストン歪みを抑制している。
一方、第2の反射面32で生じる偏心収差を補正するための回転非対称の屈折面は接眼レンズ部33の第1レンズ331である。(0(uX),−uY)の光線は(0(uX),uY)の光線に対して面間隔が長くなるのでパワーが弱くなりやすい。これを防ぐために、接眼レンズ部33の第1レンズ331は下側にシフトすることで接眼レンズ部33として上記のようなパワー配置を取っている。ただし、シフト量が多くなると偏心による収差が大きくなりすぎる。また、プリズム効果のために色収差が大きく発生してしまう。
なお、実施例3では接眼レンズ部33の第1レンズ331をシフトさせているが、前述のような第1レンズ331のチルトを組み合わせても偏心収差を効率的に補正することができる。
接眼レンズ部33の第2レンズ332は正の屈折力を有した共軸レンズであり、この第2レンズ332を可動にすることにより、効果的に視度調整を行っている。このとき、条件式(3)は0.11である。条件式(3)を満たすことで収差の変動の少ない視度調整を行っている。図18、図19はファインダー光学系の視度調整の様子を図示したものである。実施例3の接眼レンズ部33内の第2レンズ332をそれぞれ、遠側と近側に直線移動させたものである。また、図20、図21は遠側と近側の視度調節時における横収差図を表している。
表6は実施例3において直線移動して視度調整を行う場合のZ座標を表している。Y座標は変化していないが、このことからも分かるように第2レンズ332はZ軸に沿って直線的に移動している。回転非対称な偏心光学系の場合には基準軸に沿って移動させることで、視度調節を行うことができる。
図22は本発明の実施例4のファインダー光学系のYZ面内での要部断面図である。
図22においてファインダー光学系は1次結像面M1から順にダハ面より成る第1の反射面41、第2の反射面42、3つの光学素子からなる接眼レンズ部43から構成されている。接眼レンズ部43は負の屈折率を有する第1レンズ431、正の屈折率を有する第2レンズ432、負の屈折率を有する第3レンズ433により構成されている。
実施例4において、実施例1との差異は接眼レンズ部43において第1レンズ431のシフトにより偏心収差を補正している点である。したがって、実施例4で得られる効果は実施例1で得られる効果と全く同じであり、上記の条件式(1)〜(3)も満たすし、第2の反射面42による効果も全く同じである。
以下、図22に示した実施例4の数値実施例を表7に示す。図22に示したファインダー光学系はアイポイントSの中心を絶対座標系の原点とし、接眼レンズ部43の第3レンズ433の屈折面をアイポイントS側からR1面、R2面とする。さらに第2レンズ432の屈折面をアイポイントS側からR3面、R4面、第1レンズ431の屈折面をアイポイントS側からR5面、R6面としている。第2の反射面42をR7面、第1の反射面41をR8面とし、1次結像面M1を像面として表記している。
実施例4のファインダー光学系における横収差図を図23に、ディストーションの様子を図24に示す。
実施例4では、条件式(1)の値は2.40である。これにより、非点収差を抑えながらファインダー倍率が高倍率なファインダー光学系を実現している。また、第2の反射面42は各画角の光線がばらけた面であり、チルト面内で軸外の曲率が強いことからも効率的に高倍化していることわかる。
また、条件式(2)の値は0.50である。これにより、高倍率ながら、偏心収差を抑えて良好なファインダー像を観察できるファインダー光学系を実現している。
さらに、第2の反射面42から接眼レンズ部43に向かう光線に対して、軸外光線の主光線が収束するように射出している。これにより(0(uX),uY)と(0(uX),−uY)の軸外光線の第2の反射面42における反射角を略等しくしてコマ収差とキーストン歪みを抑制している。
一方、第2の反射面42で生じる偏心収差を補正するための回転非対称の屈折面は接眼レンズ部43の第1レンズ431である。、(0(uX),−uY)の光線は(0(uX),uY)の光線に対して面間隔が長くなるのでパワーが弱くなりやすい。これを防ぐために、接眼レンズ部43の第1レンズ431は下側にシフトすることで接眼レンズ部43として上記のようなパワー配置を取っている。ただし、シフト量が多くなると偏心による収差が大きくなりすぎる。また、プリズム効果のために色収差が大きく発生してしまう。
なお、実施例4では接眼レンズ43の第1レンズ431をシフトさせているが、前述のような第1レンズ431のチルトを組み合わせても偏心収差を効率的に補正することができる。
接眼レンズ部43の第2レンズ432は正の屈折力を有した共軸レンズであり、この第2レンズ432を可動にすることにより、効果的に視度調整を行っている。このとき、条件式(3)の値は0.18である。条件式(3)を満たすことで収差の変動の少ない視度調整を行っている。図25、図26はファインダー光学系の視度調整の様子を図示したものである。実施例4の接眼レンズ部43内の第2レンズ432をそれぞれ、遠側と近側に直線移動させたものである。また、図27、図28は遠側と近側の視度調節時における横収差図を表している。
表8は実施例4において直線移動して視度調整を行う場合のZ座標を表している。Y座標は変化していないが、このことからも分かるように第2レンズ432はZ軸に沿って直線的に移動している。回転非対称な偏心光学系の場合には基準軸に沿って移動させることで、視度調節を行うことができる。
図29は本発明の第施例5のファインダー光学系のYZ面内での要部断面図である。
図29においてファインダー光学系は1次結像面M1から順にダハ面より成る第1の反射面51、第2の反射面52、3つの光学素子からなる接眼レンズ部53から構成されている。接眼レンズ部53は正の屈折率を有する第1レンズ531、負の屈折率を有する第2レンズ532により構成されている。
実施例5において、実施例1との差異は接眼レンズ部53を構成するレンズの枚数が2枚という点である。ファインダー倍率を高倍率化したときの収差補正上または視度調節の性能上、接眼レンズ部53のレンズ枚数は多いほうが良い。しかしながら、接眼レンズ部53の最も1次結像面M1側(物体像側)の面から最もアイポイントS側(観察側)の面までの距離が大きくなる。このため、これらを加味した枚数の選択が必要となる。しかし、接眼レンズ部53の枚数が変わっても、実施例5で得られる効果は実施例1で得られる効果と全く同じであり、上記の条件式(1)〜(3)も満たすし、第2の反射面52による効果も全く同じである。
以下、図29に示した実施例5の数値実施例を表9に示す。図29に示したファインダー光学系はアイポイントSの中心を絶対座標系の原点とし、接眼レンズ部53の第2レンズ532の屈折面をアイポイントS側からR1面、R2面とする。さらに第1レンズ531の屈折面をアイポイントS側からR3面、R4面としている。第2の反射面52をR5面、第1の反射面51をR6面としている。1次結像面M1を像面として表記している。
実施例5のファインダー光学系における横収差図を図30に、ディストーションの様子を図31に示す。
実施例5では、条件式(1)の値は1.20である。これにより、非点収差を抑えながらファインダー倍率が高倍率なファインダー光学系を実現している。また、第2の反射面52は各画角の光線がばらけた面であり、チルト面内で軸外の曲率が強いことからも効率的に高倍化していることわかる。
また、条件式(2)の値は0.09である。これにより、高倍率ながら、偏心収差を抑えて良好なファインダー像を観察できるファインダー光学系を実現している。
さらに、第2の反射面52から接眼レンズ部53に向かう光線に対して、軸外光線の主光線が収束するように射出している。これにより、(0(uX),uY)と(0(uX),−uY)の軸外光線の第2の反射面52における反射角を略等しくしてコマ収差とキーストン歪みを抑制している。
一方、第2の反射面52で生じる偏心収差を補正するための回転非対称の屈折面は接眼レンズ部53の第1レンズ531である。(0(uX),−uY)の光線は(0(uX),uY)の光線に対して面間隔が長くなるのでパワーが弱くなりやすい。これを防ぐために、接眼レンズ部53の第1レンズ531は上側が第2の反射面52に近づくようにチルトしている。ただし、チルト量が多くなると偏心による収差が大きくなりすぎる。また、傾きによるプリズム効果のために色収差が大きく発生してしまう。
なお、実施例5では接眼レンズ部53の第1レンズ部531をチルトさせているが、第1レンズ531をシフトさせても偏心収差を効率的に補正することができる。
接眼レンズ部53の第1レンズ531は正の屈折力を有した共軸レンズであり、この第1レンズ531を可動にすることにより、効果的に視度調整を行っている。このとき、条件式(3)の値は0.44である。条件式(3)を満たすことで収差の変動の少ない視度調整を行っている。図32、図33はファインダー光学系の視度調整の様子を図示したものである。実施例5の接眼レンズ部53内の第1レンズ531をそれぞれ、遠側と近側に直線移動させたものである。また、図34、図35は遠側と近側の視度調節時における横収差図を表している。
表10は実施例5において直線移動して視度調整を行う場合のZ座標を表している。Y座標は変化していないが、このことからも分かるように第1レンズ531はZ軸に沿って直線的に移動している。回転非対称な偏心光学系の場合には基準軸に沿って移動させることで、視度調節を行うことができる。
次に前述した実施例1〜5における条件式(1)〜(3)の値を表11に示す。
以上のように各実施例によれば、1次結像面M1からの光束を反射する、ダハ形状の第1反射面、回転非対称な形状の第2反射面、回転非対称な屈折面を少なくとも1面有する接眼レンズ部を備えている。そして、第2反射面のチルト面内のパワーをチルト面と垂直な面内のパワーよりも強くすることで、高倍率ながらも良好なファインダー像を観察することができるファインダー光学系を実現することができる。
本発明の実施例1のファインダー光学系の光学断面図。
実施例1のファインダー光学系における横収差を示す説明図。
実施例1のファインダー光学系におけるディストーションを示す説明図。
実施例1のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(遠側)。
実施例1のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(近側)。
実施例1の視度補正時(遠側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
実施例1の視度補正時(近側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
本発明の実施例2のファインダー光学系の光学断面図。
実施例2のファインダー光学系における横収差を示す説明図。
実施例2のファインダー光学系におけるディストーションを示す説明図。
実施例2のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(遠側)。
実施例2のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(近側)。
実施例2の視度補正時(遠側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
実施例2の視度補正時(近側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
本発明の実施例3のファインダー光学系の光学断面図。
実施例3のファインダー光学系における横収差を示す説明図。
実施例3のファインダー光学系におけるディストーションを示す説明図。
実施例3のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(遠側)。
実施例3のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(近側)。
実施例3の視度補正時(遠側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
実施例3の視度補正時(近側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
本発明の実施例4のファインダー光学系の光学断面図。
実施例4のファインダー光学系における横収差を示す説明図。
実施例4のファインダー光学系におけるディストーションを示す説明図。
実施例4のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(遠側)。
実施例4のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(近側)。
実施例4の視度補正時(遠側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
実施例4の視度補正時(近側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
本発明の実施例5のファインダー光学系の光学断面図。
実施例5のファインダー光学系における横収差を示す説明図。
実施例5のファインダー光学系におけるディストーションを示す説明図。
実施例5のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(遠側)。
実施例5のファインダー光学系における視度補正を示す説明図(近側)。
実施例5の視度補正時(遠側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
実施例5の視度補正時(近側)におけるファインダー光学系の横収差を示す説明図。
本発明に係わる光学系を説明するための座標系の説明図。
符号の説明
11、21,31,41,51 第1の反射面(ダハ面形状)
12、22、32、42、52 第2の反射面(回転非対称形状)
13、23、33、43、53 接眼レンズ部
131、231、331、431、531 接眼レンズ部の第1レンズ
132、232、332、432、532 接眼レンズ部の第2レンズ
133、233、333、433 接眼レンズ部の第3レンズ
S アイポイント
M1 1次結像面
1 撮影レンズ
2 クイックリターンミラー
3 焦点版(フレネルレンズ)
M1 マット面
4 像反転手段
9 像面