JP4908885B2 - 半導体装置の特性予測方法及び特性予測装置 - Google Patents

半導体装置の特性予測方法及び特性予測装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体に含まれる欠陥による半導体装置の特性への影響を予測する半導体装置の特性予測方法及び特性予測装置に関する。
半導体装置は半導体基板の表面領域に形成される。したがって、半導体基板の表面領域に結晶欠陥が存在すると半導体装置の特性が劣化する。劣化が生ずるか否かは各特性に寄与するデバイス領域に結晶欠陥が存在するか否かによって決定されるため、半導体装置の特性への影響を正確に把握するためにはデバイス領域に結晶欠陥が存在するか否かを正確に知る必要がある。
従来、Secco液やWright液等を用いた選択エッチングにより結晶欠陥をエッチピットとして顕在化させ、結晶欠陥の密度を評価する方法が知られている。また、斜入射散乱法や90°散乱法等の近赤外線を用いた結晶欠陥評価法も知られている。これらの方法では、透過率の高い近赤外線域のレーザ光を基板に入射させ、結晶欠陥からの散乱光を測定することによって結晶欠陥の密度やその深さ方向の分布を評価する。
また、特許文献1には、基板内又は所定の半導体層内に含まれる結晶欠陥に対して高選択比の異方性エッチングを施し、結晶欠陥を頂点とする円錐状エッチング残渣を基板又は半導体層の表面に露出させ、円錐状エッチング残渣に基づいて結晶欠陥を評価する方法が開示されている。
特許第3451955号公報
デバイス領域に結晶欠陥が存在するか否かは、密度、サイズ及び形状等の結晶欠陥の特性とデバイス領域の体積(面積と深さ)に依存する。しかしながら、上記薬液エッチング法や光散乱法では、結晶欠陥のサイズ及び形状を正確に把握することができないため、半導体装置の特性に与える影響を正確に予測することができない。
例えば、薬液エッチング法では、100nm以上の結晶欠陥のみを評価することが可能であり、感度不足のためにより小さいサイズの結晶欠陥を見落とす問題がある。さらに、結晶欠陥のサイズの情報を得ることができない。
また、光散乱を用いた斜入射散乱法や90°散乱法では、40〜60nm以上の結晶欠陥のみを評価することが可能であり、薬液エッチング法と同様に、感度不足のためにより小さいサイズの結晶欠陥を見落とす問題がある。また、結晶欠陥のサイズや形状の情報を得ることができない。また、欠陥の基板深さ方向への分布に対する分解能が低く、さらに、90°散乱法では、低密度の欠陥を評価できないことや表面から5μm以内の欠陥の情報を得ることができない等の問題もある。
その一方では、半導体装置の微細化に伴い、より微小な結晶欠陥であっても半導体装置の特性に影響を及ぼすため、微小な結晶欠陥の密度、サイズ及び形状を正確に把握できる技術が必要となっている。
本発明は、上記従来技術の問題を鑑み、半導体装置の特性をより正確に予測することを可能とする半導体装置の特性予測方法及び特性予測装置を提供することを目的とする。
本発明は、基板内又は所定層内に含まれる結晶欠陥に対して高選択比の異方性エッチングによって、該基板又は所定層をエッチングして、空洞欠陥及び酸素析出欠陥を頂点として形成される錐体状のエッチング残渣を前記基板又は層の表面に顕在化させるエッチング工程と、エッチング残渣を観察して、エッチング残渣の要因である空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方について密度、形状及びサイズの少なくとも1つを評価する欠陥評価工程と、前記欠陥評価工程において得られた空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方の密度、形状及びサイズの少なくとも1つに基づいて、空洞欠陥及び酸素析出欠陥について各々区別して前記基板又は所定層と同等の基板又は層に形成されるデバイスの特性を予測することを特徴とする半導体装置の特性予測方法である。
本発明の特性予測方法は、基板内又は所定層内に含まれる結晶欠陥に対して高選択比の異方性エッチングによって該基板又は所定層をエッチングして空洞欠陥及び酸素析出欠陥を頂点として形成され前記基板又は層の表面に顕在化した錐体状のエッチング残渣、を観察する観察手段と、前記観察手段によって得られた空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方の密度、形状及びサイズの少なくとも1つに基づいて、空洞欠陥及び酸素析出欠陥について各々区別して前記基板又は所定層と同等の基板又は層に形成されるデバイスの特性を予測する予測手段と、を備えることを特徴とする半導体装置の特性予測装置として実現することができる。
ここで、前記基板又は所定層の酸化膜の膜厚T、空洞欠陥及び酸素析出欠陥の基板の体積当りの欠陥密度M、面積N、結晶欠陥の酸化膜の膜厚方向へサイズL、形状因子αとして、E=M×N×(0.45T+L×α)×100の関係式から空洞欠陥及び酸素析出欠陥について各々区別して前記酸化膜の不良率Eを求めることが好適である。
また、前記形状因子は、空洞欠陥及び酸素析出欠陥において異なることが好適である。
また、空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方の密度及びサイズと前記所定層の絶縁耐圧特性との関係を実測したデータベースを参照して、前記欠陥評価工程において得られた空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方の密度及びサイズに基づいて、空洞欠陥及び酸素析出欠陥について各々区別して前記所定層の絶縁耐圧特性を予測することが好適である。

本発明によれば、結晶欠陥の密度、サイズ及び形状の少なくとも1つを正確に把握することによって、半導体装置の特性をより正確に予測することができる。
本発明の実施の形態では、半導体基板に対して高異方性エッチングを施した後に半導体装置のデバイス領域に相当する領域の結晶欠陥の密度、形状及びサイズの少なくとも1つを把握し、その結果に基づいて同等の半導体基板に形成された半導体装置の特性を予測する。そこで、まずエッチング方法及び欠陥評価方法について説明したうえで、半導体装置の特性予測方法について説明する。
<エッチング方法及び欠陥評価方法>
基板内又は所定層内に含まれる結晶欠陥に対して高選択比の異方性エッチングによって該基板又は所定層をエッチングし、結晶欠陥を頂点として形成されていくエッチング残渣を基板又は層の表面に露出させ、エッチング残渣に基づいて結晶欠陥を評価する。
本実施の形態では、シリコン基板内に存在する空洞欠陥及び酸素析出欠陥を対象として説明する。図1は、高選択比異方性エッチングによるシリコン基板内の結晶欠陥検出の原理を示している。
具体的な結晶欠陥の評価は、図2に示すフローチャートに沿って行われる。まず、試料表面に形成された自然酸化膜を除去するために、洗浄装置により試料の自然酸化膜を除去する(S10)。自然酸化膜が除去された後、エッチング装置により試料表面をエッチングする(S12)。なお、自然酸化膜は、上述のように洗浄によって除去する方法だけでなく、その他、高選択比異方性エッチングの前に同一或いはその他のエッチング装置内でエッチングしてもよい。
例えば、シリコン基板又はシリコン膜中の欠陥を評価する場合にはドライエッチングを用いて行われる。エッチング方法としては、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)が好適である。エッチング装置内には、ガス供給装置からエッチングガスが供給される。エッチングガスとしては、例えば、シリコン基板中の結晶欠陥に対して、一般的なマグネトロンRIE装置(例えば、Applied Materials社製、Precision 5000ETCH)を用いてエッチングを行う場合、ハロゲン系混合ガス(例えば、HBr/NF3 /He+O2 混合ガス)を用いる。このとき、エッチング条件(ガス種、ガス流量、ガス圧力、RFパワー)を調整することによって、結晶欠陥の形状が維持されるようにエッチングを行う。
ハロゲン系のエッチングガスは、シリコン中の結晶欠陥に対して、F、Cl、Brの順でそのエッチング選択比が高くなる。一般的には、検出感度を高めるため、すなわち、異方性エッチングによってより多くの錐体状のエッチング残渣を発生させるためには、Br系ガスが最も好ましく、以下Cl、Fの順となる。なお、エッチング条件によっては、Cl、Fを用いることが好ましい場合もある。
図1(a)に示すように結晶欠陥12(酸素析出欠陥や空洞欠陥)を含む試料10(例えば、Siウエハ)を対SiO2 選択比の大きい条件で異方性エッチングを行うと、図1(b)に示すように、エッチングされにくい酸素析出欠陥と空洞欠陥を頂点とする錐体状の突起物14がエッチング残渣として形成される。すなわち、シリコン中の酸素析出物はエッチングされ難いので、酸素析出物を頂点とした円錐状の突起物として試料10の表面に残る。また、空洞欠陥の内壁にも数nm程度の厚さを有する酸化膜が形成されるので、その酸化膜を頂点として錐体状の突起物が試料10の表面に残る。
図3に、検出可能な最小欠陥サイズと異方性エッチングの選択比との関係を示す。エッチングの選択比に応じて検出可能な欠陥のサイズは変化する。具体的には、エッチングの選択比が大きいと(S2)、選択比が小さい場合(S1)に検出可能な結晶欠陥サイズ(d1)よりも微小な結晶欠陥(d2)を検出することができる。例えば、シリコン結晶材料中の酸素析出欠陥を検出する場合に、エッチングガスとしてBr系ガスを用いると、他のハロゲン系(Cl系、F系)ガスを用いた場合よりも選択比が高く、より微小なエッチング残渣を検出することが可能となる。
また、RIEによるエッチングにおいては、エッチング残渣の側面に反応生成物が付着する事がある。異方性エッチングにおいては、エッチング残渣の側面に付着する反応生成物が保護膜となって錐体状の突起物14の形状の維持に寄与すると考えられているが、突起物14の形状及びサイズの測定に際しては、測定精度に悪影響を与える可能性がある。そこで、本実施形態では、異方性エッチング実行後、エッチング残渣の観察に先だって、試料10を希フッ酸等に浸すことでエッチング残渣の側面に付着している保護膜を除去する(S14)。但し、この側面保護膜除去工程は必ずしも必要ではなく、省略することもできる。
エッチング後、光学顕微鏡、電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)等により錐体状のエッチング残渣の形状及びサイズの評価を行う(S16)。例えば、上記RIE装置により異方性エッチングしたシリコン基板の表面をエッチング方向からSEMで観察した場合、図4に示すように、その結晶欠陥の種類に応じて先端形状が異なるエッチング残渣として観察することかできる。
図4(a)は、シリコン基板内に存在する空洞欠陥に起因する典型的な錐体状の突起物の先端形状を示す電子顕微鏡写真である。空洞欠陥は{111}面で囲まれた八面体構造が2つ対となって存在するため、(110)方向を各辺とする矩形が対となって観察される。図4(b)は、シリコン基板内に存在する酸素析出欠陥に起因する典型的な錐体状の突起物の先端形状を示す電子顕微鏡写真である。酸素析出欠陥は、(100)面上の板状又は{111}面で囲まれた八面体構造として存在する。エッチングを(100)面から行うと、図4(b)に示すように、いずれの場合も(110)方向を各辺とする矩形として観察される。
以上のように、異方性エッチングを施した試料10の表面を観察することによって、各エッチング残渣の突起部の先端形状に基づいて各エッチング残渣の起因となった欠陥の種類を特定することができる。また、各エッチング残渣の突起部の先端部分の大きさを測定することによって、各結晶欠陥のサイズを求めることができる。
また、錐体状のエッチング残渣は、結晶欠陥が存在すれば、その密度によらず発生する。そこで、データ処理装置やパーティクルカウンタ等により得られた錐体状のエッチング残渣の数を数えれば、エッチングしたSi試料中にあった結晶欠陥の密度を求めることができる。
パーティクルカウンタによってエッチング残渣の数を計測する場合には、予めパーティクルカウンタに対して校正を行っておくことが好ましい。この校正は、例えば、ある大きさのエッチング残渣を作成してその大きさ(例えば、底面の平均径d)を予め測定し、また他の異なる大きさのエッチング残渣を作成してその大きさを測定し、これらを記憶しておくことで実現する。この様な校正を行っておけば、実際に結晶欠陥を評価した際に、パーティクルカウンタが計数したものがどの程度の大きさの残渣なのかを(計測したものが円錐状残渣であるかどうかの判定も含めて)知ることができる。更に、このようなパーティクルカウンタを用いることで、エッチング残渣の数を大きさ別に知ることが容易となり、例えば、残渣の数を底角の平均径d別に知ることができれば、下記の方法により結晶欠陥の試料深さ方向での分布をより容易に評価することができる。
エッチング条件が同じであれば、錐体状のエッチング残渣の底角は錐体の大きさによらず一定であるため、図5に示すように、錐体状の突起物14の大きさ(底面の平均径)に基づいて、数式(1)により、結晶欠陥の表面からの位置XDを求めることができる(S18)。よって、試料の欠陥密度の深さ方向の分布も求めることも可能である。なお、数式(1)において、Dは表面からのエッチング深さ、dは突起物14の底面の平均径、θは突起物14の底角である。
(数1)
D=D−(d/2)tanθ ・・・(1)
電子顕微鏡を用いれば、各エッチング残渣をより詳細に観察することができるため、錐体状の突起物14を側面から観察することで正確な底面の平均径dの測定に加え、底角θの測定も可能となる。なお、異方性エッチングの条件が同じであれば、突起物14の底角θは突起物14の大きさによらずほぼ一定となるから、行われた異方性エッチング条件に対応する突起物14の底角θが既知の場合には、底角θの測定及び算出処理は必ずしも必要ではない。
異方性エッチング前の試料の表面からエッチング後の表面までの距離、すなわちエッチング深さDは、異方性エッチングの際に試料10の少なくとも一部表面をマスキングし、エッチング後に残ったマスキング領域とエッチングされた試料表面との段差(エッチング深さD)を触針式の段差測定装置(例えば、テンコール社製の触針式表面形状測定装置等、或いは多少手間がかかるが走査型トンネル顕微鏡等)を用いて測定することができる。但し、この段差測定は、エッチング深さを異方性エッチングのエッチングスピード及びエッチング時間等から求めることができる場合には省略することもできる。
以上のように、光学顕微鏡、電子顕微鏡、段差測定装置等から得られた画像やデータから、エッチング残渣数、底面の平均径d及び底角θ、エッチング深さD等を測定し、得られた値に基づいて各結晶欠陥の試料表面からの位置XDを求めることができる。さらに、試料深さ方向における結晶欠陥の分布が求められる。
ここで、錐体状の突起物14の形状が相似でなくても、結晶欠陥が存在する深さが同じ場合には突起物14の形状は同じになるので、平均径dと突起物14の高さの関係について予め校正を行えば、平均径dのみから結晶欠陥の深さ方向への分布を求めることもできる。
なお、エッチング表面に露出する錐体状の突起物14の底角θが大きくなるにつれて、平面内でより多くのエッチング残渣が得られるが、錐体状の突起物14の底面の面積は微小となる。このため、光学顕微鏡により突起物14の底面の平均径dを求めることが困難になる。また、反対に、エッチング残渣の底角θが小さくなると、錐体状の突起物14の底面の面積が大きくなってエッチング残渣の検出及び平均径dの測定は容易となるが、エッチング方向の平面内で複数のエッチング残渣が重なってしまい、検出した残渣数が実際の結晶欠陥密度に対して誤差を多く含む。従って、エッチング残渣の底角θが、光学顕微鏡による検出及び測定が容易で、かつ、試料10内で想定される結晶欠陥密度に対して適切となるように、エッチング条件を設定することが好ましい。
また、写真撮影装置および画像処理装置等を組み合わせることにより欠陥密度およびその深さ方向の分布を自動で求めることもできる。例えば、観察装置や段差測定装置等で得られた画像データをCPUなどのデータ処理装置に送出し、この処理装置で画像データを処理し(例えば、二値化や輪郭強調、輪郭抽出など)、自動的に突起物14の底面の平均径d、底角θ、エッチング深さDを求めることができる。また、同様な試料に対してパーティクルカウンタを用いれば、エッチング残渣の数を自動カウントすることもできる。
また、試料の厚さ方向の結晶欠陥分布をより簡易に検出するためには、試料の断面を露出させ、この断面に対して上述の高選択比異方性エッチングを施してもよい。これにより、試料断面方向の露出面に錐体状のエッチング残渣が発生することとなり、光学顕微鏡等を用いてその残渣の数を計測すれば、上式(1)を演算せずとも、試料厚さ方向への結晶欠陥分布を容易に評価することができる。
また、結晶欠陥検出の対象となる試料は、シリコン基板には限られず他の材料基板でもよい。更に、基板上に形成されたシリコン層でもよい。また、シリコン材料中の酸素析出欠陥(SiO2)に限らず、エッチングガス及びエッチング条件を材料に応じて適切なものとすることで、シリコン材料中の窒素析出欠陥(SiN)、炭素析出欠陥(SiC)を本発明の高選択比異方性エッチングにより検出する構成も採用可能である。なお、この場合、窒素析出欠陥、炭素析出欠陥に対するエッチング材料としては、酸素析出欠陥と同様にフッ素系のガスを用いることが可能であり、これら窒素析出欠陥、炭素析出欠陥に対して例えばフッ素系ガス材料でエッチングすることで上記と同様の効果が得られる。また、SiO2材料中のSi、SiN材料中のSi、SiC材料中のSiを評価することも可能である。
このように、高選択性異方性エッチングによれば、少なくとも十数nm程度の結晶欠陥を評価することが可能である。これは、赤外レーザを用いた欠陥評価法において検出可能な欠陥の大きさ(30nm)と同程度あるいはそれ以上の感度である。その上、赤外レーザでは2μm程度しか得られない試料深さ方向の分解能についても、本発明の手法では、0.1μm程度の深さ方向分解能が得られる。
図6及び図7に、2種類のシリコン基板(ウェハA,B)に対して結晶欠陥の評価を行った具体例について示す。図6は、ウェハA,Bにおける空洞欠陥及び酸素析出欠陥の体積密度を評価した結果を示す。ウェハA,Bでは、一般的な半導体基板が示すように、試料の深さ方向への密度が均一であった。また、図7は、ウェハA,Bにおける空洞欠陥及び酸素析出欠陥のサイズの分布を評価した結果を示す。空洞欠陥は、ウェハAでは平均径が150nm程度で110nmから200nmの範囲に分布しており、ウェハBでは平均径が200nm程度で140nmから250nmの範囲に分布していた。また、酸素析出欠陥は、ウェハA,B共に平均径が25nm程度であり、そのサイズのばらつきは殆どみられなかった。
<欠陥評価結果に基づく半導体装置の特性予測方法>
以下、欠陥評価の結果に基づいて半導体装置の特性を予測する方法について説明する。本実施の形態では、シリコン基板中に存在する空洞欠陥及び酸素析出欠陥がシリコン酸化膜中に取り込まれた場合におけるシリコン酸化膜の耐圧特性への影響を評価する場合について説明する。
図8に示すように、シリコン酸化膜が形成された領域(膜厚方向の領域)に結晶欠陥の少なくとも一部が含まれる確率は、膜厚Tの酸化膜となるシリコン層の厚さ0.45T(熱酸化膜の場合、厚さTの酸化膜は厚さ0.45Tのシリコンが酸化されて形成される)と結晶欠陥の酸化膜の膜厚方向へのサイズLとの和に比例する。したがって、結晶欠陥の基板深さ方向への分布が均一であると仮定すると、シリコン基板に形成されたシリコン酸化膜中に結晶欠陥が取り込まれる確率Pは数式(2)で表すことができる。ここで、Mは基板の体積当りの欠陥密度、Nは面積、Tは酸化膜の膜厚、Lは結晶欠陥の酸化膜の膜厚方向へサイズである。なお、結晶欠陥の酸化膜の膜厚方向へサイズLは、シリコン基板中の結晶欠陥の存在状態に応じた形状因子αで補正した値とする。
(数2)
P=M×N×(0.45T+L×α)・・・・・(2)
図9に、シリコン基板中の空洞欠陥の存在状態を表した模式図を示す。上記のように、空洞欠陥は{111}面で囲まれた八面体構造が2つ対となって存在する。そこで、対となっている八面体構造の体積比を考慮して形状因子αを求める。例えば、対となっている八面体構造の一方が他方の半分程度の体積を有する場合、空洞欠陥の対が酸化膜中に取り込まれる確率は八面体構造が1つの場合に対して1.5倍と見積もることができる。このような場合には、シリコン基板中の空洞欠陥の場合、上記欠陥評価によって得られた空洞欠陥のサイズに対して形状因子αは1.5とする。
図10に、シリコン基板中の酸素析出欠陥の存在状態を示した模式図を示す。上記のように、酸素析出欠陥は主に(100)面上の板状構造となった存在する。シリコン基板の表面が(100)面である場合、(100)面の板状構造は、図8に示すように、シリコン基板の表面に平行な面を持つ1つの構造X、及び、シリコン基板の表面に垂直な面を持つ2つの構造Y,Zが考えられる。酸素析出欠陥の板状構造の厚さを無視できるとすると、構造Xの酸化膜の膜厚方向への結晶欠陥のサイズは無視することができるので、欠陥評価によって得られた酸素析出欠陥のサイズに対して形状因子αは0.67とする。
上記のように算出された確率Pに基づいてシリコン酸化膜に対する不良率Eを数式(3)のように定義することができる。
(数3)
E=P×100=M×N×(0.45T+L×α)×100・・・・・(3)
図11に、図6及び図7に示した欠陥の評価結果に基づき、上記形状因子αを考慮して、2種類のシリコン基板(ウェハA,B)についてシリコン酸化膜の不良率Eを算出した結果を示す。図11では、ウェハA,Bのそれぞれについて同種の2つのケースについて空洞欠陥及び酸素析出欠陥について不良率Eを算出した結果を示している。また、図11には、ウェハA,Bと同一ロットのウェハを用いて作成したゲート酸化膜のBモード不良率を実際に測定した結果も示している。
図11から明らかなように、空洞欠陥及び酸素析出欠陥の不良率Eの和は実測されたBモード不良率とよく一致する。また、本実施例では、Bモード不良率には、空洞欠陥が主に寄与しており、酸素析出欠陥の寄与は一割以下であることがわかる。
なお、シリコン酸化膜の耐圧の低下の度合いは、結晶欠陥(空洞欠陥及び酸素析出欠陥等)の形状やサイズに依存することが報告されている。シリコン酸化膜の累積破壊分布は、結晶欠陥のサイズが大きい場合(すなわち、酸化膜中に欠陥の一部が含まれる確率が高い場合)には耐圧の低下は大きく、結晶欠陥のサイズが小さい場合(すなわち、酸化膜中に欠陥の一部が含まれる確率が低い場合)には耐圧の低下は小さい。
また、シリコン酸化膜の耐圧の低下の度合いは、結晶欠陥の密度にも影響を受けることが知られている。サイズの大きい結晶欠陥が低密度で存在する場合、図12のラインaで示すように、累積破壊の絶対的な確率は小さく、酸化膜への印加電圧に上昇に伴う累積破壊の確率の上昇も緩やかである。サイズの大きい結晶欠陥が高密度で存在する場合、図12のラインbで示すように、累積破壊の絶対的な確率はラインaよりも高くなるが、酸化膜への印加電圧に上昇に伴う累積破壊の確率の上昇は緩やかである。サイズの小さい結晶欠陥が高密度で存在する場合、図12のラインcで示すように、酸化膜への印加電圧が低いときには累積破壊の確率は極めて小さいが、酸化膜への印加電圧に上昇に伴って累積破壊の確率が急激に上昇する。
したがって、結晶欠陥のサイズ及び密度と酸化膜の累積破壊分布との関係を予め実測により把握しておき、デバイスを作成する基板と同一ロットの基板に高選択比異方性エッチングを施して結晶欠陥のサイズ及び密度を評価することによってシリコン酸化膜の絶縁破壊特性への影響を正確に予測することができる。
なお、本実施の形態では、シリコン酸化膜の絶縁耐圧特性に対する結晶欠陥の影響を例に説明を行ったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、他の対象においても、高選択比異方性エッチングにより結晶欠陥をそれぞれ頂点とした錐体状のエッチング残渣を顕在化させ、エッチング残渣の先端形状観察、先端位置測定により結晶欠陥の種類、サイズ、形状、面内及び深さ方向の密度分布等を評価し、その評価結果に基づいて評価した基板又は所定層と同等の基板又は所定層に形成されたデバイスの特性を予測することができる。
この場合、デバイス特性に影響する結晶欠陥の要因のみを評価するだけでよい。例えば、デバイスの特性が結晶欠陥の種類及び密度のみに依存する場合には、高選択比異方性エッチングにより顕在化されたエッチング残渣からそれらの特徴量を評価し、その評価結果に基づいてデバイス特性を予測することができる。
異方性エッチングによるエッチング残渣を説明する模式図である。 本発明の実施の形態における結晶欠陥の評価方法のフローチャートを示す図である。 異方性エッチングの選択比と検出可能な最小の欠陥のサイズとの関係を示す図である。 シリコン基板を異方性エッチングした場合における空洞欠陥及び酸素析出欠陥によるエッチング残渣の観察結果を示す図面代用写真である。 エッチング残渣の評価による欠陥密度分布の算出方法を説明する図である。 シリコン基板中の空洞欠陥及び酸素析出欠陥の密度の評価結果例を示す図である。 シリコン基板中の空洞欠陥及び酸素析出欠陥のサイズの評価結果例を示す図である。 結晶欠陥が酸化膜に含まれる確率を求める方法を説明する図である。 シリコン基板中での空洞欠陥の存在態様を説明する図である。 シリコン基板中での酸素析出欠陥の存在態様を説明する図である。 欠陥評価に基づいて算出された不良率と実際の不良率との関係を示す図である。 シリコン酸化膜への印加電圧と累積破壊との関係を示す図である。
符号の説明
10 試料、12 結晶欠陥、14 突起物、E 不良率、L サイズ、T 膜厚、α 形状因子、θ 底角。

Claims (5)

  1. 基板内又は所定層内に含まれる結晶欠陥に対して高選択比の異方性エッチングによって、該基板又は所定層をエッチングして、空洞欠陥及び酸素析出欠陥を頂点として形成される錐体状のエッチング残渣を前記基板又は層の表面に顕在化させるエッチング工程と、
    エッチング残渣を観察して、エッチング残渣の要因である空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方について密度、形状及びサイズの少なくとも1つを評価する欠陥評価工程と、
    前記欠陥評価工程において得られた空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方の密度、形状及びサイズの少なくとも1つに基づいて、空洞欠陥及び酸素析出欠陥について各々区別して前記基板又は所定層と同等の基板又は層に形成されるデバイスの特性を予測することを特徴とする半導体装置の特性予測方法。
  2. 請求項1に記載の特性予測方法において、
    前記基板又は所定層の酸化膜の膜厚T、
    空洞欠陥及び酸素析出欠陥の基板の体積当りの欠陥密度M、面積N、結晶欠陥の酸化膜の膜厚方向へサイズL、形状因子αとして、
    E=M×N×(0.45T+L×α)×100
    の関係式から空洞欠陥及び酸素析出欠陥について各々区別して前記酸化膜の不良率Eを求めることを特徴とする特性予測方法。
  3. 請求項2に記載の特性予測方法において、
    前記形状因子は、空洞欠陥及び酸素析出欠陥において異なることを特徴とする特性予測方法。
  4. 請求項1に記載の特性予測方法において、
    空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方の密度及びサイズと前記所定層の絶縁耐圧特性との関係を実測したデータベースを参照して、前記欠陥評価工程において得られた空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方の密度及びサイズに基づいて、空洞欠陥及び酸素析出欠陥について各々区別して前記所定層の絶縁耐圧特性を予測することを特徴とする特性予測方法。
  5. 基板内又は所定層内に含まれる結晶欠陥に対して高選択比の異方性エッチングによって該基板又は所定層をエッチングして空洞欠陥及び酸素析出欠陥を頂点として形成され前記基板又は層の表面に顕在化した錐体状のエッチング残渣、を観察する観察手段と、
    前記観察手段によって得られた空洞欠陥及び酸素析出欠陥の両方の密度、形状及びサイズの少なくとも1つに基づいて、空洞欠陥及び酸素析出欠陥について各々区別して前記基板又は所定層と同等の基板又は層に形成されるデバイスの特性を予測する予測手段と、
    を備えることを特徴とする半導体装置の特性予測装置。
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