JP4908721B2 - 生理活性を有するリガンドのスクリーニング方法 - Google Patents

生理活性を有するリガンドのスクリーニング方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、生理活性物質の受容体に結合する物質を効率的に見出すためのスクリーニング方法に関する。
背景技術
エリスロポエチン(EPO)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)に代表される造血因子は既に医薬品として開発され、種々の疾患の治療剤として用いられている。また、インターフェロンに代表されるサイトカインや、インスリンや成長ホルモンに代表されるホルモンも医薬品として販売されている。医薬品として用いられている生理活性タンパク質の多くは、遺伝子組換え技術により生産されている。これら生理活性タンパク質医薬品の次世代の医薬品として、これらの生理活性タンパク質の生理活性を代替する低分子化合物の探索が進められている。例えば、生理活性タンパク質と同様の生理活性を有し、経口投与が可能な低分子化合物を見出すことができれば、医薬品として有用である。従って、天然のリガンドと同様の生理活性を有する代替低分子化合物を効率的にスクリーニングする方法が求められている。
これまでに、幾つかのスクリーニング方法が知られている。例えば、アミノ酸配列や機能が明らかになっている受容体に対するリガンドを探索する場合には、機能が既知の受容体の細胞内領域を有し、目的とする受容体の細胞外領域を有するキメラ受容体を作製し、当該キメラ受容体を用いて、目的とする受容体に対するリガンドを探索する方法が知られている(Ishizaka−ikeda,E.,Pro.Natl.Acd.Sci.USA(1993)90,p123−127、またはUS 4859609、US 5030576)。当該米国特許では、細胞外領域としてインスリン受容体を、細胞内領域としてEGF受容体を用いたキメラ受容体を用いて、リガンド結合によって誘導される受容体のリン酸化を無細胞系で測定する方法が報告されている。また、EGF受容体の細胞外領域とEPO受容体の細胞内領域とのキメラ受容体を用いる方法も知られている(WO94−29458)。さらに、天然のリガンドが明らかになっていない受容体(orphan receptor)に対するリガンドの探索にも利用可能と考えられている。
これらのスクリーニング方法では、いずれの場合も、目的とする受容体は一種類しか用いられておらず、一回の試験では、当該一種類の受容体に対する被検物質の作用を検出できるにすぎない。従って、複数の受容体に対する被検物質の活性を測定しようとする場合、目的とする受容体の数と同じ回数の実験操作が必要になる。また、化学構造が多岐にわたり、かつ、活性も未確認である大量の被検物質を対象とする初期スクリーニングでは、多くの被検物質において何らの活性も検出することができない場合が多く、効率的でない。従って、効率的且つ迅速に大量の被検物質をスクリーニングできる方法が望まれている。
発明の開示
本発明は、生理活性物質の受容体に結合する物質を効率的に見出す為のスクリーニング方法を提供する。
本発明者らは鋭意研究の結果、目的とする生理活性が2種以上存在し、2種以上の生理活性のうち少なくともひとつ以上を有する化合物を同定する場合において、それぞれの生理活性について、当該生理活性の有無を検出する指標を同一のものに揃えた試験方法を準備し、少なくともひとつ以上の被検物質を前記試験方法にて同時に測定することで、2種以上の生理活性のうち少なくともひとつ以上を有する化合物を効率的かつ簡便に検出することができることを見出し、本発明の完成に至った。さらに、当該方法で陽性結果の出た被検物質について、目的とする生理活性を個別に検出することが可能な個別試験にて被検物質の有する生理活性を特定する方法を組み合わせることで、目的とする特定の生理活性を有する被検物質を効率的且つ簡便にスクリーニングすることが可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1) 異なる2種以上の活性を同時に測定する方法であって、(1)これら活性の共通の検出指標を予め設定する工程、(2)前記異なる2種以上の活性の各々について前記共通の検出指標を用いて測定できる試験方法を準備する工程、(3)前記試験方法により前記活性を同時に測定する工程、を含む方法、
(2) 異なる2種以上の生理活性の少なくともひとつ以上を有する物質を選択する方法であって、(1)これら活性の共通の検出指標を予め設定する工程、(2)前記異なる2種以上の生理活性の各々について前記共通の検出指標を用いて測定できる試験方法を準備する工程、(3)少なくともひとつ以上の被検物質の生理活性を前記試験方法にて同時に測定する工程、を含む方法、
(3) 2種以上の受容体のいずれかに結合し得るリガンドをスクリーニングする方法であって、(1)共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域を含有する受容体を2種以上得る工程、(2)該2種以上の受容体と被検物質を接触させる工程、(3)該被検物質の生理活性を測定する工程を含有する方法、
(4) 前記(1)の工程が、(1)共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域を含有する受容体を2種以上発現した細胞を得る工程である(3)に記載の方法、
(5) 前記(1)の工程が、(1)共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域を含有する受容体を発現した2種以上の細胞を得る工程である(3)に記載の方法、
(6) 前記シグナル伝達領域及び/又はシグナル伝達領域以外の領域が、細胞膜受容体由来である(3)から(5)のいずれか1項に記載の方法、
(7) 前記シグナル伝達領域及び/又はシグナル伝達領域以外の領域が、核内受容体由来である(3)から(5)のいずれか1項に記載の方法、
(8) シグナル伝達領域以外の領域が、細胞膜受容体の細胞外領域またはその一部である(6)に記載の方法、
(9) シグナル伝達領域以外の領域が、細胞膜受容体のリガンド結合領域である(6)に記載の方法、
(10) 前記シグナル伝達領域及び/又はシグナル伝達領域以外の領域が、造血因子受容体ファミリー、サイトカイン受容体ファミリー、チロシンキナーゼ型受容体ファミリー、セリン/スレオニンキナーゼ型受容体ファミリー、TNF受容体ファミリー、G蛋白質共役型受容体ファミリー、GPIアンカー型受容体ファミリー、チロシンホスファターゼ型受容体ファミリー、接着因子ファミリー、ホルモン受容体ファミリーからなる群から選ばれる1の受容体ファミリーに属する受容体由来である(6)に記載の方法、
(11) 前記シグナル伝達領域及び/又はシグナル伝達領域以外の領域が、ヒト又はマウスエリスロポエチン(EPO)受容体、ヒト又はマウス顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)受容体、ヒト又はマウストロンポエチン(TPO)受容体、ヒト又はマウスインスリン受容体、ヒト又はマウスFlt−3受容体、ヒト又はマウス血小板由来増殖因子(PDGF)受容体、ヒト又はマウスインターフェロン(IFN)−α、β受容体、ヒト又はマウスレプチン受容体、ヒト又はマウス成長ホルモン(GH)受容体、ヒト又はマウスインターロイキン(IL)−10受容体、ヒト又はマウスインスリン様増殖因子(IGF)−I受容体、ヒト又はマウス白血病抑制因子(LIF)受容体、ヒト又はマウス毛様体神経栄養因子(CNTF)受容体由来である(6)に記載の方法、
(12) 前記シグナル伝達領域が、マウスG−CSF受容体由来である(11)に記載の方法、
(13) 前記(2)の工程が、受容体を発現した2種以上の細胞を混合し被検物質と接触させる工程、である(3)に記載の方法、
(14) 前記細胞が、形質転換細胞である(4)から(13)のいずれか1項に記載の方法、
(15) 前記細胞が、サイトカイン依存性細胞由来である(14)に記載の方法、
(16) 形質転換細胞がBa/F3細胞又はFDC−P1細胞由来である(15)に記載の方法、
(17) 前記(3)の工程が、(3)該被検物質のアゴニスト活性又はアンタゴニスト活性を測定する工程である(2)または(3)に記載の方法、
(18) 前記(3)の工程が、(3)該被検物質の生理活性を無細胞系で測定する工程である(2)または(3)に記載の方法、
(19) 前記(3)の工程が、(3)該被検物質の生理活性を細胞系で測定する工程である(2)または(3)に記載の方法、
(20) 前記(3)の工程が、(3)該被検物質の生理活性を細胞の表現型の変化で測定する工程である(19)に記載の方法、
(21) 前記細胞の表現型の変化が細胞表面抗原の量的及び/又は質的変化である(20)に記載の方法、
(22) 前記細胞の表現型の変化が細胞の増殖活性の変化である(21)に記載の方法、
(23) さらに、(4)被検物質の受容体に対する特異性を検出するために(1)で得た2種以上の受容体のうち1種類の受容体と接触させて生理活性を測定する工程を含有する(3)に記載の方法、
(24) 共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域とを含有する2種以上の受容体を発現する細胞、
(25) 2種以上の受容体のいずれかに結合し得る物質またはリガンドをスクリーニングするためのキットであって、下記(a)から(e)のいずれかを含むキット、
(a) 共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域とを含有する2種以上の受容体
(b) 共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域とを含有する2種以上の受容体をコードするDNA
(c) 共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域とを含有する2種以上の受容体を発現する細胞
(26) (2)または(3)に記載のスクリーニングにより単離される物質またはリガンド、
(27) (26)に記載の物質またはリガンドを含有する医薬組成物、を提供するものである。
本発明の方法は、異なる検出指標を用いて測定されていた活性の試験方法を、予め定めた検出指標を用いて測定できる試験方法に変換し、このことにより同一の検出指標を有する2種以上の活性の試験方法を準備し、2種以上の活性を同時に検出する方法に係わる。2種以上の活性とは、異なる複数の活性である限り特に限定されるものではないが、好ましくは生理活性(biological activity)である。生理活性とは、生体、組織、細胞、タンパク質、DNA、RNA等に量的及び又は質的な変化、影響をもたらすことが可能な活性である。目的とする2種以上の生理活性は、同一の検出指標を用いて検出することが可能である限り、どのような生理活性の組み合わせであってもよい。生理活性としては、サイトカイン活性、酵素活性、転写活性、膜輸送活性、結合活性等を用いることができる。酵素活性としては、例えば、蛋白質分解活性、リン酸化/脱リン酸化活性、酸化還元活性、転移活性、核酸分解活性、脱水活性がある。また、結合活性としては、例えば、抗原と抗体との反応、細胞接着因子どうしの結合及び/または活性化がある。同一の指標を有する試験方法が構築しやすい点で、同種の生理活性を2種以上用いることが好ましい。
2種以上の活性は、それぞれ異なる検出指標を用いて測定することができるが、本発明の方法で用いる予め定めた検出指標は、当該2種以上の異なる検出指標のうちのひとつと同じであってもよいし、あるいは本来用いられていた2種以上の異なる検出指標とは異なる検出指標であってもよい。本発明の方法に用いる検出指標としては、量的および/又は質的な変化が測定可能である限り使用することができる。例えば、無細胞系(cell free assay)の指標、細胞系(cell−based assay)の指標、組織系の指標、生体系の指標を用いることができる。無細胞系の指標としては、酵素反応やタンパク質、DNA、RNAの量的および/又は質的な変化を用いることができる。酵素反応としては、例えば、アミノ酸転移反応、糖転移反応、脱水反応、脱水素反応、基質切断反応等を用いることができる。また、タンパク質のリン酸化、脱リン酸化、二量化、多量化、分解、乖離等や、DNA、RNAの増幅、切断、伸長を用いることができる。例えばシグナル伝達経路の下流に存在するタンパク質のリン酸化を検出指標とすることができる。細胞系の指標としては、細胞の表現型の変化、例えば、産生物質の量的及び/又は質的変化、増殖活性の変化、形態の変化、特性の変化等を用いることができる。産生物質としては、分泌タンパク質、表面抗原、細胞内タンパク質、mRNA等を用いることができる。形態の変化としては、突起形成及び/又は突起の数の変化、偏平度の変化、伸長度/縦横比の変化、細胞の大きさの変化、内部構造の変化、細胞集団としての異形性/均一性、細胞密度の変化等を用いることができる。これらの形態の変化は検鏡下での観察で確認することができる。特性の変化としては、足場依存性、サイトカイン依存応答性、ホルモン依存性、薬剤耐性、細胞運動性、細胞遊走活性、拍動性、細胞内物質の変化等を用いることができる。細胞運動性としては、細胞浸潤活性、細胞遊走活性がある。また、細胞内物質の変化としては例えば、酵素活性、mRNA量、Ca2+やcAMP等の細胞内情報伝達物質量、細胞内蛋白質量等を用いることができる。また、細胞膜受容体に対するアゴニスト活性を有する化合物を選択したい場合、受容体の刺激によって誘導される細胞の増殖活性の変化を指標とすることができる。組織系の指標としては、使用する組織に応じた機能変化を検出指標とすることができる。生体系の指標としては組織重量変化、血液系の変化、例えば血球細胞数の変化、タンパク質量や、酵素活性、電解質量の変化、また、循環器系の変化、例えば、血圧、心拍数の変化等を用いることができる。
これらの検出指標を測定する方法としては、特に制限はなく、発光、発色、蛍光、放射活性、蛍光偏光度、表面プラズモン共鳴シグナル、時間分解蛍光度、質量、吸収スペクトル、光散乱、蛍光共鳴エネルギー移動等を用いることができる。これらの測定方法は当業者にとっては周知であり、目的に応じて、適宜選択することができる。例えば、吸収スペクトルは一般的に用いられるフォトメータやプレートリーダ等、発光はルミノメータ等、蛍光はフルオロメータ等で測定することができる。質量は質量分析計を用いて測定することができる。放射活性は、放射線の種類に応じてガンマカウンターなどの測定機器を用いて、蛍光偏光度はBEACON(宝酒造)、表面プラズモン共鳴シグナルはBIACORE、時間分解蛍光、蛍光共鳴エネルギー移動などはARVOなどにより測定できる。さらに、フローサイトメータなども測定に用いることができる。これらの測定方法は、一つの測定方法で2種以上の検出指標を測定しても良く、簡便であれば、2種以上の測定を同時および/または連続して測定することによりさらに多数の検出指標を測定することも可能である。例えば、蛍光と蛍光共鳴エネルギー移動を同時にフルオロメータで測定することができる。
本発明の方法のひとつの態様は、2種以上の生理活性のいずれかひとつ以上の活性を有する化合物を選択するスクリーニング方法である。例えば、目的とする2種以上の受容体のいずれかひとつに結合し得るリガンドを選択する方法に用いることができる。
本発明において「リガンド」とは、受容体に結合する活性を有し、かつ当該受容体を介して生理活性を誘導することができる物質を意味する。リガンドのうち、生体自身が産生し、生体内において生理活性を有する物質を天然リガンドと称する。
本発明の方法に用いる被検物質としては、生理活性を検出したい所望の物質を用いることができる。例示すれば、細胞抽出物、細胞培養上清、発酵微生物産生物、海洋生物抽出物、植物抽出物、精製若しくは粗精製蛋白質、ペプチド、非ペプチド性化合物、合成低分子化合物、天然化合物が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
本発明の方法に用いる受容体は、リガンドの結合によって検出指標の変化が誘導される限りどのような受容体でも使用することができる。例えば、細胞膜受容体、核内受容体、細胞内受容体等を使用することができる。細胞膜受容体とは、細胞膜表面に発現し、細胞外領域にリガンドが結合すると、細胞内にシグナルが伝達され、何らかの生理的変化を誘導する受容体である。具体的には、造血因子受容体ファミリー、サイトカイン受容体ファミリー、チロシンキナーゼ型受容体ファミリー、セリン/スレオニンキナーゼ型受容体ファミリー、TNF受容体ファミリー、G蛋白質共役型受容体ファミリー、GPIアンカー型受容体ファミリー、チロシンホスファターゼ型受容体ファミリー、接着因子ファミリー、ホルモン受容体ファミリー、等の受容体ファミリーに属する受容体を用いることができる。
これら受容体ファミリーに属する受容体及びその特徴に関しては多数の文献が存在し、例えば、Cooke BA.,King RJB.,van der Molen HJ.ed.New Comprehesive Biochemistry Vol.18B ”Hormones and their Actions Part II”pp.1−46(1988)Elsevier Science Publishers BV.,New York,USA、Patthy L.(1990)Cell,61:13−14.、Ullrich A.,et al.(1990)Cell,61:203−212.、Massagul J.(1992)Cell,69:1067−1070.、Miyajima A.,et al.(1992)Annu.Rev.Immunol.,10:295−331.、Taga T.and Kishimoto T.(1992)FASEB J.,7:3387−3396.、Fantl WI.,et al.(1993)Annu.Rev.Biochem.,62:453−481.、Smith CA.,et al.(1994)Cell,76:959−962.、Flower DR.(1999)Biochim.Biophys.Acta,1422:207−234.、宮坂昌之監修,細胞工学別冊ハンドブックシリーズ「接着因子ハンドブック」(1994)秀潤社,東京,日本、等が挙げられる。上記受容体ファミリーに属する具体的な受容体としては、例えば、ヒト又はマウスエリスロポエチン(EPO)受容体、ヒト又はマウス顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)受容体、ヒト又はマウストロンポエチン(TPO)受容体、ヒト又はマウスインスリン受容体、ヒト又はマウスFlt−3リガンド受容体、ヒト又はマウス血小板由来増殖因子(PDGF)受容体、ヒト又はマウスインターフェロン(IFN)−α、β受容体、ヒト又はマウスレプチン受容体、ヒト又はマウス成長ホルモン(GH)受容体、ヒト又はマウスインターロイキン(IL)−10受容体、ヒト又はマウスインスリン様増殖因子(IGF)−I受容体、ヒト又はマウス白血病抑制因子(LIF)受容体、ヒト又はマウス毛様体神経栄養因子(CNTF)受容体等を例示することができ、本発明においてはこれら受容体を好適に使用することができる。これらの受容体の配列は公知である(hEPOR:Simon,S.et al.(1990)Blood 76,31−35.;mEPOR:D’Andrea,AD.Et al.(1989)Cell 57,277−285.;hG−CSFR:Fukunaga,R.et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.87,8702−8706.;mG−CSFR:Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350.;hTPOR:Vigon,.et al.(1992)89,5640−5644.;mTPOR:Skoda,RC.Et al.(1993)12,2645−2653.;hInsR:Ullrich,A.et al.(1985)Nature 313,756−761.;hFlt−3:Small,D.et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.91,459−463.;hPDGFR:Gronwald,RGK.Et al.(1988)Proc.Natl.acad.Sci.USA.85,3435−3439.;hIFNα/βR:Uze,G.et al.(1990)Cell 60,225−234.及びNovick,D.at al.(1994)Cell 77,391−400.)。核内受容体とは、リガンドの結合により特定のDNA配列に結合し、mRNAの転写活性の増減を誘導する活性を有する受容体であり、ステロイド受容体ファミリー、レチノイドX受容体ファミリー等を使用することができる。ステロイド受容体ファミリーには、グルココルチコイド受容体、ミネラルコルチコイド受容体、プロゲステロン受容体、アンドロゲン受容体、エストロゲン受容体が含まれる。また、レチノイドX受容体ファミリーには、レチノイン酸受容体、甲状腺ホルモン受容体、ビタミンD3受容体が含まれる。細胞内受容体は、細胞内に存在し、種々のリガンドが結合し、生理活性を誘導する受容体を意味する。
目的とする2種以上の受容体のいずれかひとつに結合し得る物質またはリガンドを選択する方法においては、同一の検出指標を用いて測定できる試験方法を準備する方法として、共通の機能領域を用いることができる。機能領域とは、リガンドの結合によって、何らかの生理活性を誘導するのに必要な受容体の領域であり、通常、リガンド結合領域とは異なる。受容体が、サイトカイン、造血因子等の分泌タンパク質に結合する細胞膜受容体である場合、機能領域としては受容体の細胞内領域、好ましくはシグナル伝達領域を用いることができる。従って、シグナル伝達領域のアミノ酸配列が共通で、細胞外領域が異なるキメラ受容体を作製することで、検出指標が同一な試験方法を準備することができる。無細胞系の指標としては、受容体の多量体好ましくは二量体形成を指標とすることができる。サイトカイン受容体の場合、受容体がリガンドを介して二量体あるいは多量体を形成することでシグナル伝達が誘導されることが明らかになっている。従って、受容体の二量化、あるいは多量化を検出指標として用いることができる。例えば、イムノプレートに直接受容体を固相化する、あるいはアビジンを一旦プレートに固相化した後ビオチン化受容体を固相化し、放射性同位元素で標識した受容体と被検物質を混合し、SPA法(Scintillitant Proximal Assay)を用いて固相化した受容体と放射性同位元素で標識した受容体との結合を促進する被検物質を検出すればよい(WO99−53313、またはQureshi,SA,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1999)96,p12156−12161)。また、受容体のタンパク分子のリン酸化、脱リン酸化、分解等を適宜検出指標として用いることができる。リン酸化、脱リン酸化の反応は当業者によく知られた通常の方法あるいは市販のキットを用いて測定することができる。細胞系の検出指標としては、細胞増殖活性の変化を検出指標とすることができる。細胞の増殖活性の変化は、MTT法やトリチウム標識チミジン法を用いて測定することができる。表面抗原の量的及び/又は質的な変化は、フローサイトメーターや蛍光顕微鏡を用いて、蛍光標識された特異抗体の結合量の変化により検出することができる。また、受容体下流のシグナルに応じて、基質タンパク質のリン酸化、cAMP産生やCa2+濃度変化などのセカンドメッセンジャーを検出指標として測定することができる。これらの測定方法は既に良く知られた方法であり、通常の方法や測定キットを用いて測定すればよい。また、キメラ受容体の下流で発現する遺伝子の発現制御領域により、例えばルシフェラーゼやクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼなどを発現させてその活性を検出指標するレポータージーンアッセイも用いることができる。前述したように、これらの複数の検出指標を同時におよび/または連続的に測定してスクリーニングを行うことも、本発明の提供する効率的且つ簡便なスクリーニング法の一態様である。さらに、検出が容易である点で、細胞系の検出指標が好ましく、特に好ましくは、細胞の増殖活性の変化を検出指標として用いる方法である。
また、本発明の方法では、目的とする2種類以上の受容体のうちのひとつのシグナル伝達領域をそのまま用いることができる。その他の受容体は、当該シグナル伝達領域を有し、細胞外領域の異なるキメラ受容体を作製すればよい。キメラ受容体とは、異なる2種類以上の受容体の一部を同一分子内に有する受容体である。キメラ受容体は、異なる2種類以上の受容体の部分配列を有するものであってもよいし、異なる2種類の受容体のうちの1つの全体を有し、かつ全く異なる受容体の全体又は一部を有していてもよい。例えば、細胞膜受容体の細胞外領域と異なる細胞膜受容体の細胞内領域を含むキメラ受容体であってもよいし、核内受容体のリガンド結合領域と異なる核内受容体のDNA結合領域を含むキメラ受容体であってもよい。かかる場合は、DNA結合領域が同一で、リガンド結合領域が異なる複数のキメラ受容体を用いることで、複数の受容体に対する作用を同時に検出することが可能となる。また、細胞膜受容体の全体又は細胞内領域と細胞内受容体の全体又はリガンド結合領域とのキメラ受容体であってもよい。この場合、当該キメラ受容体の細胞内領域は細胞膜受容体に由来し、細胞外領域は細胞内受容体に由来するため、細胞内受容体に結合してキメラ受容体の多量化、好ましくは2量化を誘導するリガンドは、使用した細胞膜受容体の多量化や2量化によって誘導される検出指標を用いて測定することが可能である。
細胞膜受容体のキメラ受容体に使用する細胞外領域としては、受容体のシグナル伝達領域以外の領域であればよく、細胞外領域全体であってもよいし、その一部であってもよい。生理活性を適切に反映できる点で細胞外領域全体を用いることが好ましい。受容体の細胞外領域の一部を用いる場合、リガンド結合部位であってもよいし、細胞膜近傍領域の20アミノ酸以上、好ましくは50アミノ酸以上、さらに好ましくは100アミノ酸以上の部分配列を用いることができる。また、キメラ受容体に用いる細胞外領域は、シグナル伝達領域の多量化、好ましくは二量化によりシグナル伝達が誘導され、検出指標の変化が誘導される限りどのような部分構造部分配列であってもよく、細胞外領域を構成するアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加があってもよい。ある蛋白質と機能的に同等な蛋白質を調製するための、当業者によく知られた方法としては、蛋白質に変異を導入する方法が知られている。例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Hashimoto−Gotoh,T.et al.(1995)Gene 152,271−275、Zoller,MJ,and Smith,M.(1983)Methods Enzymol.100,468−500、Kramer,W.et al.(1984)Nucleic Acids Res.12,9441−9456、Kramer W,and Fritz HJ(1987)Methods.Enzymol.154,350−367、Kunkel,TA(1985)Proc Natl Acad Sci USA.82,488−492、Kunkel(1988)Methods Enzymol.85,2763−2766)などを用いて作製することができる。
このような変異体における、変異するアミノ酸数は、通常、50アミノ酸以内であり、好ましくは、30アミノ酸以内であり、さらに好ましくは20アミノ酸以内であり、さらに好ましくは10アミノ酸以内であり、さらに好ましくは5アミノ酸以内、さらに好ましくは3アミノ酸以内であると考えられる。
変異するアミノ酸残基においては、アミノ酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に変異されることが望ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ離(R、K、H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げることができる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を表す)。
あるアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有する蛋白質がその生物学的活性を維持することはすでに知られている(Mark,D.F.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)81,5662−5666、Zoller,M.J.& Smith,M.Nucleic Acids Research(1982)10,6487−6500、Wang,A.et al.,Science 224,1431−1433、Dalbadie−McFarland,G.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1982)79,6409−6413)。
キメラ受容体に使用する膜貫通領域は、キメラ受容体の細胞外領域に使用した受容体由来でもよいし、細胞内領域に使用した受容体由来であってもよい。また、膜貫通領域が双方に由来したものであってもよいし、全く別の細胞膜受容体に由来したものであってもよい。複数のキメラ受容体を簡便に作製できる点で、キメラ受容体の膜貫通領域としては、細胞内領域に使用した受容体に由来する膜貫通領域を使用することが好ましい。
本発明に用いることができるキメラ受容体の細胞内領域としては、リガンドが結合することによって誘導される表現型の変化が検出し得る限り制限はない。例えばG−CSF受容体、EPO受容体、EGF受容体、TPO受容体の細胞内領域を用い、これらの受容体の刺激によって誘導される細胞増殖活性を検出指標とすることができる。例えば、成長ホルモン受容体の細胞外領域とG−CSF受容体の細胞内領域とを有するキメラ受容体では、成長ホルモン依存性の細胞増殖が誘導されることが示されている(Fuh,G.Science(1992)256,1677−1680)。
構造と機能が詳細に検討されている点で、キメラ受容体のシグナル伝達領域としては、マウスG−CSF受容体を用いることが好ましい。マウスG−CSF受容体は813個のアミノ酸からなり、単一の膜貫通領域によって細胞外領域と細胞内領域に分けられている(Fukunaga,R.Cell(1990)61,341−350)。また、G−CSF受容体遺伝子を骨髄球前駆細胞株であるFDC−P1やpro−B細胞株であるBa/F3細胞にG−CSF受容体を発現させると、発現されたG−CSF受容体が細胞増殖シグナルを伝達し、G−CSF依存性の増殖活性が認められることも示されている。さらに、増殖シグナルの伝達には細胞内領域の76アミノ酸からなる領域が必須であることが明らかになっている(Fukunaga,R.EMBO J.(1991)10,2855−2865)。従って、当該76アミノ酸をシグナル伝達領域として含有するキメラ受容体を作製し、Ba/F3細胞に発現することで、検出指標を細胞増殖活性とすることが可能である。
ヒトG−CSF受容体では、716番目以降のアミノ酸を欠失変異させることで、受容体の内在化が抑制され、細胞表面に発現するG−CSF受容体数が増加するために、G−CSF刺激時のシグナル伝達効率が著しく促進されることが示されている(Melissa G.,Blood(1999)93,440−446)。欠失領域には、内在化に必要なモチーフと想定される配列を含むBox3と呼ばれる領域が含まれており、一方、シグナル伝達に必要なbox1、box2は保存されている。したがって、マウスG−CSF受容体においても当該領域すなわちbox2を含まず、box3を含む領域を欠失させることによりG−CSF受容体刺激時のシグナル伝達効率を高めることが可能であることは容易に予想される。
キメラ受容体を発現した細胞株を用いる場合、キメラ受容体を発現していない状態では目的とするリガンドに対して表現型の変化を起こさず、キメラ受容体を発現させた場合にリガンドに対する反応性を示す細胞である限り使用することができる。また、細胞増殖活性を検出指標として測定する場合、検出感度を上げることを目的として、リガンドの非存在下では死滅する細胞株が好ましく、特に、継代が容易である点でサイトカイン依存性細胞株が好ましい。例えば、IL−2依存性細胞株であるCTLL−2細胞や、IL−3依存性細胞株である32D細胞、FDC−P1細胞、Ba/F3細胞を用いることができる。これらの細胞株は、IL−2あるいはIL−3等の増殖に必要なサイトカインを培養液から除去することで、培養開始2日目か3日目には細胞が死滅する特徴を有する。マウスG−CSF受容体細胞内領域を有するキメラ受容体を発現させたFDC−P1細胞やBa/F3細胞を用いることが好ましい。また、宿主としては、動物細胞株だけでなく、酵母や大腸菌を用いることが可能である。例えばリガンドを介した受容体の2量化を検出指標とする場合、キメラ受容体を用いたtwo−hybrid法を用いることができる。具体的には、GAL4のactivation domainと受容体からなるキメラ受容体、およびGAL4のbinding domainと受容体とからなるキメラ受容体をコードする遺伝子を作成し、酵母に発現させ、被検物質との培養によりレポーター遺伝子の発現量を測定することができる。受容体の異なる複数のキメラ受容体を作成し、同時に測定することで、複数の受容体に対する被検物質の活性を簡便に測定することができる。
また、本発明の細胞株は、スクリーニングの感度の向上を目的として加工して用いることができる。細胞の高感度化の方法としては、例えば、キメラ受容体が高発現するように適切な発現制御領域およびポリA付加シグナルを用いてキメラ受容体遺伝子を発現させたり、mRNA不安定化シグナルを除去して安定なものに置換する等である。また、開始コドンの周辺をKozakのコンセンサス配列(CCACC)に改変したキメラ受容体遺伝子を用いることができる。また、適切な選択マーカーと組み合わせることで、高発現細胞株の取得を容易に行うことも可能である。例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)欠損細胞株では、DHFRを選択マーカーとして用いることにより、メトトレキセートでDHFRを阻害して目的の遺伝子を高発現する細胞株を取得する方法や、プロモーターを欠いたチミジンキナーゼ遺伝子を選択マーカーとすることで、目的の遺伝子を高発現する細胞株を効率的に選択する方法が知られている。また、蛍光抗体標識抗受容体抗体やGFP(green fluorescence protein)の共発現などを用いてセルソーターなどにより高発現細胞株を選別することなどが可能である。さらに、受容体の代謝機構に改良を加えることで高感度の検出系にすることができる。例えば、マウスG−CSF受容体ではC末端を欠失させた受容体は細胞内への取り込みが減少し、発現量が増加することが知られている。また、一般に、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニンの含有率の高いタンパク質は分解が速いとされており、このようなアミノ酸の偏りを減少させるようにアミノ酸に変異をくわえることも可能である。
本発明に使用するキメラ受容体発現細胞株は、細胞内領域が同一である限り、または、同一の表現型の変化を惹起するものである限り、細胞外領域の異なる複数種類のキメラ受容体を細胞膜上に発現した細胞を用いることができる。当該細胞は、接触させた複数種のリガンドに対して表現型の変化を誘導することができる。当該細胞を被検物質と培養し、細胞の表現型の変化(例えば、細胞増殖活性)を測定すればよい。当該測定において、細胞の表現型に変化が生じれば、被検物質は、発現された複数種の細胞外領域を構成する受容体の少なくともひとつに対するリガンドであることがわかる。被検物質は複数種を混合して一度に測定してもよく、また、天然物などの混合物を一度に測定できる
本発明の方法は、目的とする2種以上の受容体のそれぞれについて共通の細胞内領域を有するキメラ受容体を作製し、ついで各々のキメラ受容体を個別に発現した細胞をそれぞれ作製し、これらの細胞を測定時に混合して試験することができる。混合する細胞数は、リガンドに対する反応性が適性に観察される細胞数である限り問題はないが、天然のリガンドが明らかである場合には、当該天然リガンドを用いてアッセイ系の適否を検定することができる。用いる細胞数としては、好ましくは10個以上/ウエル、さらに好ましくは100個以上/ウエル以上さらに好ましくは1000個以上/ウエルの細胞である。細胞濃度が高いと増殖活性の検出感度が低下することから、1X10個/ml以下が好ましく、さらに好ましくは1X10個/ml以下である。細胞増殖活性の測定には、通常の24ウエルプレートや96ウエルプレートを用いることができ、細胞増殖活性の測定はプレートのウエル数には制限されない。また、384ウエルプレートを用いて測定することも可能である。384プレートを用いる場合には、96ウエルプレートの1/4量程度の細胞を用いればよい。培養日数は1日以上であれば検出可能であり、好ましくは2〜4日、さらに好ましくは3日である。混合培養する細胞の種類は、それぞれにリガンドが結合した場合に、検出指標が検出可能である限り問題ではないが、好ましくは2種類以上、更に好ましくは3種類以上、さらに好ましくは5種類、最も好ましくは10種類以上の種類の細胞を混合培養する。目的とする受容体の数に応じて、被検物質の特異性の測定は、リガンド依存性細胞を用いて検出してもよいし、個別培養により1種類のキメラ受容体を発現した細胞株に対する反応性を検出すればよい。
本発明の受容体DNAは、当業者に公知の方法により調製することができる。例えば、本発明の蛋白質を発現している細胞よりcDNAライブラリーを作製し、目的とする文献既知のDNA配列の一部をプローブにしてハイブリダイゼーションを行うことにより調製できる。cDNAライブラリーは、例えばSambrook,J.et al.,Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に記載の方法により調製してもよいし、市販のDNAライブラリーを用いてもよい。また、本発明の蛋白質を発現している細胞よりRNAを調製し、逆転写酵素によりcDNAを合成した後、目的とするDNAの配列に基づいてオリゴDNAを合成し、これをプライマーとして用いてPCR反応を行い、受容体をコードするcDNAを増幅させることにより調製することも可能である。
得られたPCR産物から目的とするDNA断片を調製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。DNA断片を保持するためのベクターDNAには、公知のもの(例えば、pUC19、pBluescript等)を用いることができる。また、大腸菌は公知のもの(例えばDH5α、JM109等)を用いることができる。目的とするDNAの塩基配列は、公知の方法、例えば、ジデオキシヌクレオチドチェインターミネーション法(Sambrook,J.et al.,Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989))により確認することができる。本発明では、自動塩基配列決定装置(DNA Sequencer PRISM 377もしくはDNA Sequencer PRISM 310,Perkin−Elmer)などを用いることができる。 また、本発明のDNAにおいては、発現に使用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率の高い塩基配列を設計することができる(Grantham,R.et al.,Nucelic Acids Research(1981)9,r43−74)。また、本発明のDNAは、市販のキットや公知の方法によって改変することができる。改変としては、例えば、制限酵素による消化、合成オリゴヌクレオチドや適当なDNAフラグメントの挿入、リンカーの付加、開始コドン(ATG)及び/又は終止コドン(TAA、TGA、又はTAG)の挿入等が挙げられる。
キメラ受容体発現のためには、エンハンサー/プロモーターのごとき発現制御領域のもとでキメラ受容体をコードするDNAを含む発現ベクターを作製する。この発現ベクターにより宿主細胞を同時形質転換して細胞にキメラ受容体を発現させる。ヘテロダイマーを形成するような受容体については、サブユニットそれぞれの発現ベクターで同時形質転換することもできるが、複数種のサブユニットを発現するような発現ベクターを作製して形質転換することもできる。
哺乳動物細胞で発現のために有用な常用のプロモーターを用いることができる。例えば、ヒト・ポリペプチドチェーン・エロンゲーションファクター1α(HEF−1α)を使用するのが好ましい。HEF−1αプロモーターを含有する発現ベクターの例にはpEF−BOS(Mizushima,S.et al.(1990)Nuc.Acid Res.18,5322)が含まれる。また、その他に本発明のために用いることのできる遺伝子プロモーターとしては、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、シミアンウィルス40(SV40)等のウィルスプロモーターや、哺乳動物細胞由来のプロモーターがある。例えば、SV40のプロモーターを使用する場合は、Mulliganらの方法(Nature(1990)277,108)に従えば容易に実施することができる。
宿主細胞系中への遺伝子導入のため、発現ベクターは選択マーカー遺伝子(例えば、ホスホトランスフェラーゼAPH(3’)IIまたはI(neo)遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、大腸菌キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子等)を含むことができる。
遺伝子導入には公知の方法、例えばリン酸カルシウム法(Chen,C.et al.(1987)Mol.Cell.Biol.7,2745−272)、リポフェクション法(Felgner,PL.et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,7413−)、エレクトロポーレーション法(Potter,H.(1988)Anal.Biochem.174,361−373)等を用いることができる。本発明ではエレクトロポーレーション法による遺伝子導入装置(Gene Pulser,Bio−Rad)を用いることができる。
本発明の方法においては、被検物質の受容体に対する特異性を検出するために、スクリーニングに用いた2種以上の受容体のうち1種類の受容体と接触させて生理活性を測定する工程をさらに含有していてもよい。
本発明には、さらに、上記スクリーニングに用いられるキットを提供する。本発明のキットは、その要素として、(a) 共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域とを含有する2種以上の受容体、(b) 共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域とを含有する2種以上の受容体をコードするDNA、あるいは(c) 共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域とを含有する2種以上の受容体を発現する細胞、を含むことができる。本発明のキットを利用して上記スクリーニング系を構築すれば、リガンドの効率的なスクリーニングを行なうことができる。
本発明のスクリーニングにより単離される物質(リガンド含む)は、その生理活性に応じて、各種疾患の治療や予防のための医薬として用いることが考えられる。例えば、EPO受容体のリガンドであれば貧血治療のための医薬として、G−CSF受容体のリガンドであれば好中球減少症治療のための医薬として、TPO受容体のリガンドであれば血小板減少症治療のための医薬として、インスリン受容体のリガンドであれば糖尿病治療のための医薬として、Flt−3リガンド受容体のリガンドであれば免疫賦活治療のための医薬として、PDGF受容体のリガンドであれば創傷治癒促進のための医薬として、IFN−α/β受容体のリガンドであればウイルス性疾患治療のための医薬として、レプチン受容体のリガンドであれば肥満治療のための医薬として、成長ホルモン(GH)受容体のリガンドであれば低身長症治療のための医薬として、インターロイキン(IL)−10受容体のリガンドであれば免疫抑制薬(例えば、炎症性消化器疾患や慢性関節リウマチの治療のための医薬)として、インスリン様増殖因子(IGF)−I受容体のリガンドであれば低身長症治療のための医薬として、白血病抑制因子(LIF)受容体のリガンドであれば白血病の治療のための医薬として、毛様体神経栄養因子(CNTF)受容体のリガンドであれば肥満治療(もしくは筋萎縮性側索硬化症治療)のための医薬としての利用が考えられる。
これら物質やリガンドをヒトや哺乳動物、例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、サル、マントヒヒ、チンパンジーの医薬として使用する場合には、それ自体を直接患者に投与する以外に、公知の製剤学的方法により製剤化して投与を行うことも可能である。例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤として経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することが考えられる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤に混和することができる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖又はサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油又はチェリーのような香味剤が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記の材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
患者への投与は、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射などのほか、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、経皮的、または経口的に当業者に公知の方法により行いうる。投与量は、患者の体重や年齢、投与方法などにより変動するが、当業者であれば適当な投与量を適宜選択することが可能である。
投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、1日あたり約0.1から500mg、好ましくは約1.0から100mg、より好ましくは約1.0から20mgであると考えられる。
非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば注射剤の形では通常成人(体重60kgとして)においては、通常、1日当り約0.01から30mg、好ましくは約0.1から20mg、より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であると考えられる。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量、あるいは体表面積あたりに換算した量を投与することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
[実施例1] キメラ受容体発現細胞株の樹立
(1−1) 哺乳動物細胞発現プラスミドベクターpCOS−G、pCOS2ならびにpCVの構築
哺乳動物細胞発現プラスミドベクターpCOS−Gは、pCOS1(国際公開番号WO98/13388「Antibody against human parathormone related peptides」参照)のpoly(A)付加シグナルをヒトG−CSF由来のものに置換し構築した。pEF−BOS(Mizushima S.et al.(1990)Nuc.Acid Res.18,5322)をXho I及びPvu IIで切断し、ヒトG−CSFのpoly(A)付加シグナル断片を得た。この断片をpCOS1のXho I/Aor51H I部位でpoly(A)付加シグナル部分を置換し、これをpCOS−Gとした。
哺乳動物細胞発現プラスミドベクターpCOS2は、pCOS1のBam HI/Aor51H I部位をpEGFP−N1(CLONTECH)のBamHI/Aor51HI部位で置換することにより作製した。
哺乳動物細胞発現プラスミドベクターpCVは、pCOS1のpoly(A)付加シグナルをヒトG−CSF由来のものに置換し構築した。pEF−BOSをEco RI及びXba Iで切断し、ヒトG−CSFのpoly(A)付加シグナル断片を得た。この断片の3’端側を平滑化し、5’端側にBam HI部位を付したのち、pCOS1のBam HI/Aor51H I部位でpoly(A)付加シグナル部分を置換し、これをpCVとした。
(1−2) エリスロポエチン(以下、EPOと称す)受容体
ヒトEPO受容体の細胞外領域(アミノ酸番号−1〜249(Jones,SS.et al.(1990)76,31−35))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAを連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これを哺乳動物細胞用発現ベクターpCOS−GのEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターEG/pCOS−Gを構築した。EG/pCOS−GをPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現ベクターをマウスFDC−P1細胞(ATCC No.CRL−12103)に導入した。FDC−P1細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状発現ベクターDNAを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.35kV、250μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を1ng/mLのヒトEPO(遺伝子組換えCHO細胞により製造)を含む培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で約6時間培養し、これに1ng/mLのEPOと1mg/mLのGENETICIN(GIBCO)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(GIBCO)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、1ng/mLのヒトEPOを含む培地Aで継代培養した。尚、本実施例で用いたヒトEPOの力価は、270,000IU/mgである。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、2×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトEPOを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトEPO 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で24時間培養した。培養後、WST−8試薬(Cell Counting Kit−8:同仁化学研究所)を10μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で5時間インキュベートし、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの吸光度を測定した。5時間後の吸光度を縦軸に、ヒトEPO濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトEPOに感受性の高い細胞株F#14を選択した(図2)。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞(理化学研究所より購入:Cell No.RCB0805)に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にした発現ベクターDNAを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を1ng/mLのヒトEPOを含む培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で約5時間培養し、これに1ng/mLのヒトEPOと1mg/mLのGENETICIN(GIBCO)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(GIBCO)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、1ng/mLのヒトEPOを含む培地Aで継代培養した。細胞を培地Aで2回洗浄したのち、2×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトEPOを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したEPO 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で24時間培養した。培養後、WST−8試薬(Cell Counting Kit−8:同仁化学研究所)を10μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で5時間インキュベートし、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの吸光度を測定した。5時間後の吸光度を縦軸に、ヒトEPO濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトEPOに感受性の高い細胞株(B#20)を選択し、これをキメラEPO受容体発現細胞株EPGとした(図3)。FDC−P1細胞を宿主とした場合も、Ba/F3細胞を宿主とした場合も、同程度のヒトEPOに対する増殖反応性が観察された。
(1−3) トロンボポエチン(以下、TPOと称す)受容体
ヒトTPO受容体の細胞外領域(アミノ酸番号1〜491(Vigon,I.et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89,5640−5644))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAを連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これを哺乳動物細胞用発現ベクターpCOS−GのEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターTG/pCOS−Gを構築した。TG/pCOS−GをPvuI(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser :Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞(理化学研究より購入:Cell No.RCB0805)に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状発現ベクターDNAを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。これに2ng/mLのヒトTPO(R&D Systems)ならびに1mg/mLのGENETICIN(GIBCO)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(GIBCO)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、1ng/mLのヒトTPOを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトTPO(R&D Systems)を培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したTPO 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートした。モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて、2時間後の測定波長450nm、対照波長655nmの吸光度を測定した。2時後の吸光度を縦軸に、ヒトTPO濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトTPOに感受性の高い細胞株(TPG#219)を選択し、これをキメラTPO受容体発現細胞株TPGとした(図4)。
(1−4) 顆粒球コロニー刺激因子(以下、G−CSFと称す)受容体
ヒトG−CSF受容体の細胞外領域(アミノ酸番号−23〜604(Fukunaga,R.et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,8702−8706))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAを連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これを哺乳動物細胞用発現ベクターpCOS−GのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターGG/pCOS−Gを構築した。GG/pCOS−GをPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状発現ベクターDNAを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。これに2ng/mLのヒトG−CSFを含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、10ng/mLのヒトG−CSFを含む培地Aで継代培養した。尚、本実施例で用いたヒトG−CSFは組換えCHO細胞により製造したもので、その力価は、1.2x10IU/mgである。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトG−CSF(組換えCHO細胞により製造)を培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したG−CSF 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で70時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトG−CSF濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトG−CSFに感受性の高い細胞株(GFG#342)を選択し、これをキメラG−CSF受容体発現細胞株GFGとした(図5)。
(1−5) Flt−3/Flk−2リガンド(以下、Flt−3リガンドと称す)受容体
ヒトFlt−3の細胞外領域(アミノ酸番号1〜541(Small,D.et al.(1994)91,459−463))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAを連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これを哺乳動物細胞用発現ベクターpCOS2のEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターFLG/pCOS2を構築した。FLG/pCOS2をHpa I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にした発現ベクターDNAを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。これに10ng/mLのヒトFlt−3リガンド(Genzyme)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、5ng/mLのヒトFlt−3リガンドを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトFlt−3リガンドを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトFlt−3リガンド50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で74時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%、湿度:99.9%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトFlt−3リガンド濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトFlt−3リガンドに感受性の高い細胞株(FLG#102)を選択し、これをキメラFlt−3リガンド受容体発現細胞株FLGとした(図6)。
(1−6) インスリン受容体
ヒトインスリン受容体の細胞外領域(アミノ酸番号−27〜917(Ullrich,A.et al.(1985)Nature 313,756−761))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAを連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これを哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターING/pCVを構築した。ING/pCVをPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状DNAを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。これに10μg/mLのヒトインスリン(SIGMA)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、10μg/mLのヒトインスリンを含む培地Aで継代培養した。
細胞をヒトインスリンを含まない培地(以下、培地Bと称す)で2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Bに懸濁した。培地Bはヒトインスリンを加えずに調製したCHO−S−SFM II培地(GIBCO)を用いた。ヒトインスリンを0.1%ウシ血清アルブミン(SIGMA)を含む10mM塩酸溶液で適当に希釈し、細胞懸濁液100μL/穴、培地B80μL/穴及び希釈したヒトインスリン20μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を20μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトインスリン濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトインスリンに感受性の高い細胞株(ING#139)を選択し、これをキメラインスリン受容体発現細胞株ING(図7)とした。
(1−7) 血小板由来増殖因子(以下、PDGFと称す)受容体
ヒトPDGF受容体のβ鎖(アミノ酸番号1〜531(Gronwald,RGK.et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.85,3435−3439))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAをそれぞれ連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これらを哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターpCV−cPDGFRを構築した。pCV−cPDGFRをそれぞれPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にした発現ベクターDNAを20μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。これに40ng/mLのヒトPDGF−BB(Genzyme)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、20ng/mLのヒトPDGF−BBを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトPDGF−BBを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトPDGF−BB 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で70時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトPDGF−BB濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトPDGF−BBに感受性の高い細胞株(PDG#35)を選択し、これをキメラPDGF受容体発現細胞株PDGとした(図8)。
(1−8) インターフェロン(以下、IFNと称す)α/β受容体
ヒトIFNα/β受容体のα(AR1)鎖(アミノ酸番号1〜436(Uze,G.et al.(1990)Cell 60,225−234))ならびにα/β(AR2;β)鎖細胞外領域(アミノ酸番号1〜243(Novick,D.et al.(1994)Cell 77,391−400))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAをそれぞれ連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これらをそれぞれ哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターIFGα/pCV及びIFGβ/pCVを構築した。IFGα/pCV及びIFGβ/pCVをそれぞれPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にしたIFGα/pCV及びIFGβ/pCVをそれぞれ10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。これに1,000U/mLのヒトIFNα(CARBIOCHEM)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPHI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、1,000U/mLのIFNαを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトIFNαを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトIFNα50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトIFNα濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトIFNα感受性の高い細胞株(IFG#A01)を選択し、これをキメラIFNα受容体発現細胞株IFGとした。
IFNα/β受容体では、ホモダイマーではなく、ヘテロダイマー形成によってシグナルが入ることが知られているが、本実験において、ヘテロダイマー形成性の受容体においても、当該受容体の細胞内領域を、G−CSF受容体に代表されるホモダイマー形成性受容体の細胞内領域に置換した場合でも、キメラ受容体はシグナル伝達を誘導し、細胞増殖活性としてリガンドの反応性を検出することができた(図9)。
(1−9) レプチン受容体
ヒトレプチン受容体の細胞外領域(アミノ酸番号1〜839(Tartaglia,LA.et al.(1995)Cell,83,1263−1271))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell,61,341−350))のcDNAを連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これを哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターpCV−cLepRを構築した。pCV−cLepRをPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞(理化学研究所より購入:Cell No.RCB0805)に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にした発現ベクターDNAを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を50mLの培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように5プレートに播種した。これに10ng/mLのヒトレプチン(Genzyme)を含む培地Aを100μL/穴添加して、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、10ng/mLのヒトレプチンを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトレプチンを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したレプチン50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトレプチン濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトレプチンに感受性の高い細胞株(LPG#51)を選択し、これをキメラレプチン受容体発現細胞株LPGとした。この細胞の継代培養は1ng/mLのヒトレプチンで行うものとした。0.2ng/mL以上の濃度でヒトレプチンに対する明らかな増殖反応性が観察された(図11)。
(1−10) 成長ホルモン(以下、GHと称す)受容体
ヒトGH受容体の細胞外領域(アミノ酸番号−18〜246(Leung,DW.et al.(1987)Nature 330,537−543))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAを連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これを哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターGHG/pCVを構築した。GHG/pCVをPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞(理化学研究より購入:Cell No.RCB0805)に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状発現ベクターDNAを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を50mLの培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように5プレートに播種した。これに200μIU/mLのヒトGH(Genotropin(R):Pharmacia&Upjohn)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(HyClone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、500μIU/mLのヒトGHを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトGHを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したGH 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時後の吸光度変化量を縦軸に、ヒトGH濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトGHに感受性の高い細胞株(GHG#11)を選択し、これをキメラGH受容体発現細胞株GHGとした。この細胞の継代培養は20μIU/mLのヒトGHで行うものとした。0.3μIU/mL以上の濃度でヒトGHに対する明らかな増殖反応性が観察された(図12)。
(1−11) インターロイキン10(以下、IL−10と称す)受容体
ヒトIL−10受容体α鎖(IL−10Rα)(アミノ酸番号1〜235(Liu,Y.et al.(1994)152,1821−1829))ならびにhIL−10Rサブユニット(CRFB4;IL−10Rβ)細胞外領域(アミノ酸番号1〜220(Lutfalla,G.et al.(1993)Genomics 16,366−373))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAをそれぞれ連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これらをそれぞれ哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターpCV−cIL10Rα及びpCV−cIL10Rβを構築した。pCV−cIL10Rα及びpCV−cIL10RβをそれぞれPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にした発現ベクターDNA、pCV−cIL10Rα及びpCV−cIL10Rβをそれぞれ10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を50mLの培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように5プレートに播種した。これに10ng/mLのヒトIL−10(Genzyme)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、5ng/mLのヒトIL−10を含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトIL−10リガンドを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトIL−10 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトIL−10濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトIL−10に感受性の高い細胞株(10G#10)を選択し、これをキメラIL−10受容体発現細胞株10Gとした。この細胞の継代培養は1ng/mLのヒトIL−10で行うものとした。0.5ng/mL以上の濃度でヒトIL−10に対する明らかな増殖反応性が観察された(図13)。
(1−12) インスリン様増殖因子I(以下、IGF−Iと称す)受容体
ヒトIGF−I受容体の細胞外領域(アミノ酸番号1−931(Ullrich,A.et al.(1986)EMBO J.,5,2503−2512))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAを連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これを哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターpCV−cIGF1Rを構築した。pCV−cIGF1RをPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状DNAを20μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を40mLの培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように4プレートに播種した。これに40ng/mLのヒトIGF−I(Genzyme)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、20〜50ng/mLのヒトIGF−Iを含む培地Aで継代培養した。
細胞をヒトインスリンを含まない培地(以下、培地Bと称す)で2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Bに懸濁した。培地Bはヒトインスリンを加えずに調製したCHO−S−SFM II培地(GIBCO)を用いた。ヒトIGF−Iを培地Bで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトIGF−I 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトIGF−I濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトIGF−Iに感受性の高い細胞株(IGG#06)を選択し、これをキメラインスリン受容体発現細胞株IGGとした。この細胞の継代培養は50ng/mLのヒトIGF−Iで行うものとした。10ng/mL以上の濃度でヒトIGF−Iに対する明らかな増殖反応性が観察された(図14)。
(1−13) 白血病抑制因子受容体(以下、LIFと称す)受容体
ヒトLIF受容体(アミノ酸番号1〜833(Gearing,DP.et al.(1988)EMBO J.,10,2839−2848))及びヒトgp130(アミノ酸番号1〜619(Hibi,M.et al.(1990)Cell,63,1149−1157))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAをそれぞれ連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これらをそれぞれ哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターpCV−cLIFR及びpCV−cgp130を構築した。pCV−cLIFR及びpCV−cgp130をそれぞれPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にした発現ベクターDNA、すなわちpCV−cLIFR及びpCV−cgp130をそれぞれ20μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を40mLの培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように4プレートに播種した。これに10ng/mLのヒトLIF(Genzyme)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、5ng/mLのヒトLIFを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトLIF及びCNTFを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトLIF 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトLIF濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトLIFに感受性の高い細胞株(LIG#47)を選択し、これをキメラLIF受容体発現細胞株LIGとした。この細胞の継代培養は1ng/mLのヒトLIFで行うものとした。0.4ng/mL以上の濃度でヒトLIFに対する明らかな増殖反応性が観察された(図15)。
(1−14) 毛様体神経栄養因子(以下、CNTFと称す)受容体
ヒトCNTF受容体(アミノ酸番号1〜372(Davis,S.et al.(1991)Science,253,59−63))のcDNAを哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのHEF1αプロモーターの下流に挿入し、CNTF受容体(CNTFR)発現ベクターpCV−CNTFRを構築した。pCV−CNTFRをPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをキメラLIF受容体発現細胞株LIG(前項参照)に導入した。LIG細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にしたpCV−CNTFRを10μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。
室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を40mLの培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように4プレートに播種した。これに1ng/mLのヒトCNTF(Genzyme)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、0.5〜1ng/mLのCNTFを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトCNTFを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトCNTF 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。2時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトCTNF濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトCNTF感受性の高い細胞株(CNG#203)を選択し、これをキメラCNTF受容体発現細胞株CNGとした。この細胞の継代培養は1ng/mLのヒトCNTFで行うものとした。0.3ng/mL以上の濃度でヒトCNTFに対する明らかな増殖反応性が観察された(図16)。
CNTF受容体では、ホモダイマーではなく、ヘテロトライマー形成によってシグナルが入ることが知られているが、本実験において、ヘテロトライマー形成性の受容体においても、当該受容体の細胞内領域を、G−CSF受容体に代表されるホモダイマー形成性受容体の細胞内領域に置換した場合でも、キメラ受容体はシグナル伝達を誘導し、細胞増殖活性としてリガンドの反応性を検出することができた。
(1−15) 血小板由来増殖因子(以下、PDGFと称す)受容体
ヒトPDGF受容体のβ鎖(アミノ酸番号1〜531(Gronwald,RGK.et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.85,3435−3439))とマウスG−CSF受容体の膜貫通領域ならびに細胞内領域(アミノ酸番号602〜813(Fukunaga,R.et al.(1990)Cell 61,341−350))のcDNAをそれぞれ連結し、キメラ受容体cDNAを作製した。これらを哺乳動物細胞用発現ベクターpCVのEF1αプロモーターの下流に挿入し、キメラ受容体発現ベクターpCV−cPDGFRを構築した。pCV−cPDGFRをそれぞれPvu I(宝酒造)で直鎖状にしたのち、フェノール及びクロロフォルム抽出し、エタノール沈殿により精製した。
エレクトロポーレーション装置(Gene Pulser:Bio Rad)により、直鎖状にした発現遺伝子ベクターをマウスBa/F3細胞に導入した。Ba/F3細胞をダルベッコPBS(以下、PBSと称す)で2回洗浄したのち、PBSに約1×10細胞/mLの細胞密度になるように懸濁した。この懸濁液0.8mLに直鎖状にした発現ベクターDNAを20μg加えてエレクトロポーレーションキュベット(Bio Rad)に移した。0.33kV、960μFの静電容量にてパルスを与えた。室温にて約10分間静置したのち、エレクトロポーレーション処理した細胞を培地Aに懸濁し、96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に100μL/穴となるように播種した。これに20ng/mLのヒトPDGF−BB(Genzyme)を含む培地Aを100μL/穴加え、COインキュベーター(CO濃度:5%)で培養した。培地Aは10vol%ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン100単位/mLならびにストレプトマイシン0.1mg/mL(GIBCO)を含むRPMI1640培地(GIBCO)を用いた。培養開始から約1週間後に検鏡し、単コロニーの穴から細胞を回収し、5ng/mLのヒトPDGF−BBを含む培地Aで継代培養した。
細胞を培地Aで2回洗浄したのち、5×10細胞/mLの細胞密度になるように培地Aに懸濁した。ヒトPDGF−BBを培地Aで適当に希釈し、細胞懸濁液50μL/穴、希釈したヒトPDGF−BB 50μL/穴を96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に分注し、COインキュベーター(CO濃度:5%)で72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴加え、モデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で4時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。4時間の吸光度変化量を縦軸に、ヒトPDGF−BB濃度を横軸にとり、生細胞数を指標にした細胞増殖活性をもとに、ヒトPDGF−BBに感受性の高い細胞株(PDG#10)を選択し、これをキメラPDGF受容体発現細胞株PDGとした(図17)。
[実施例2] 混合培養によるサイトカイン反応性の検討
ヒトG−CSF、ヒトEPO、ならびにヒトTPO受容体のキメラ受容体を発現する細胞株GFG、EPG、TPG及び親株のBa/F3細胞を用いて混合培養を行い、各種サイトカインに対する反応性を検討した。
EPG、GFG、TPGならびに遺伝子組換えしていないBa/F3細胞の4種類の細胞は、それぞれヒトEPO 1ng/mL、ヒトG−CSF 10ng/mL、ヒトTPO(R&D Systems)1ng/mLならびにマウスIL−3(R&D Systems)1ng/mLで継代培養した。用いたヒトEPO及びヒトG−CSFはいずれも組換えCHO細胞により製造されたものであり、ヒトEPO及びヒトG−CSFの力価は、それぞれ270,000IU/mg及び1.2x10IU/mgである。これら細胞を2%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地で2回洗浄し、10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地に懸濁した。混合培養は4種類の細胞がそれぞれ4×10細胞/mL(総細胞濃度としては16×10細胞/mL)になるように調整して混合し、単独培養は4×10細胞/mlに調整して、100μL/穴ずつ96穴マイクロウェル平底プレート(Falcon)に播種した。これに適当な濃度に希釈した各種サイトカインを100μL/穴ずつ添加し、COインキュベーター(CO濃度:5%)にて72時間培養した。培養後、WST−8試薬(生細胞数測定試薬SF:ナカライテスク)を10μL/穴ずつ添加してモデル3550マイクロプレートリーダー(Bio Rad)を用いて測定波長450nm、対照波長655nmの反応前吸光度を測定した。COインキュベーター(CO濃度:5%)で2時間インキュベートし、同様にして反応後吸光度を測定した。サイトカイン濃度を横軸に、2時間の吸光度変化量を縦軸にとり、グラフ化した(図18、19、20)。
混合培養においても、単独培養した場合と同程度のサイトカイン濃度から反応し(hEPOでは2pg/mL、hTPOでは200pg/mL、hG−CSFでは2pg/mL)、同程度の増殖活性を検出できた。また、これらのキメラ受容体発現細胞の増殖は対応するリガンドに特異的に誘導された。尚、親株は全てのサイトカインに反応せず、増殖活性は観察されなかった。
産業上の利用の可能性
本発明のスクリーニング方法においては、異なる2種以上の活性を同一の指標で同時に測定することが可能である。従って、目的の生理活性を有する物質の取得を望む場合に、効率的かつ迅速に大量の被検物質をスクリーニングすることが可能である。本発明のスクリーニング方法は、特に、特定の受容体に結合するリガンドのスクリーニングに適しており、新規医薬品の開発において重要な基盤技術となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、用いたキメラ受容体のアミノ酸配列を示した図である。細胞外領域は各種ヒト受容体由来であり、細胞内領域はマウスG−CSF受容体由来(マウスG−CSF受容体のアミノ酸配列中の602番から812番である)である。
図2は、キメラEPO受容体発現FDC−P1細胞株F#14のヒトEPOに対する反応性を示した図である。10pg/mL以上の濃度でヒトEPOに対する明らかな増殖反応が観察された。
図3は、キメラEPO受容体発現Ba/F3細胞株EPGのヒトEPOに対する反応性を示した図である。10pg/mL以上の濃度でヒトEPOに対する明らかな増殖反応が観察された。
図4は、キメラTPO受容体発現Ba/F3細胞株TPGのヒトTPOに対する反応性を示した図である。100pg/mL以上の濃度でヒトTPOに対する明らかな増殖反応が観察された。
図5は、キメラG−CSF受容体発現Ba/F3細胞株GFGのヒトG−CSFに対する反応性を示した図である。10pg/mL以上の濃度でヒトG−CSFに対する明らかな増殖反応が観察された。
図6は、キメラFlt−3受容体発現Ba/F3細胞株FLGのヒトFlt−3リガンドに対する反応性を示した図である。300pg/mL以上の濃度でヒトFlt−3リガンドに対する明らかな増殖反応が観察された。
図7は、キメラインスリン受容体発現細胞株INGのヒトインスリンに対する反応性を示した図である。
図8は、キメラPDGF受容体発現Ba/F3細胞株PDGのヒトPDGF−BBに対する反応性を示した図である。30ng/mL以上の濃度でヒトPDGF−BBに対する明らかな増殖反応が観察された。
図9は、キメラIFNα受容体発現Ba/F3細胞株IFGのヒトIFNαに対する反応性を示した図である。200U/mL以上の濃度でヒトIFNαに対する明らかな増殖反応が観察された。
図10は、用いたキメラ受容体のアミノ酸配列を示した図である。細胞外領域は各種ヒト受容体由来であり、細胞内領域はマウスG−CSF受容体由来(マウスG−CSF受容体のアミノ酸配列中の602番から812番である)である。
図11は、キメラレプチン受容体発現Ba/F3細胞株LPGのヒトレプチンに対する反応性を示した図である。0.2ng/mL以上の濃度でヒトレプチンに対する明らかな増殖反応が観察された。
図12は、キメラGH受容体発現Ba/F3細胞株GHGのヒトGHに対する反応性を示した図である。0.3μIU/mL以上の濃度でヒトGHに対する明らかな増殖反応が観察された。
図13は、キメラIL−10受容体発現Ba/F3細胞株10GのヒトIL−10に対する反応性を示した図である。0.5ng/mL以上の濃度でヒトIL−10に対する明らかな増殖反応が観察された。
図14は、キメラIGF−I受容体発現Ba/F3細胞株IGGのヒトIGF−Iに対する反応性を示した図である。10ng/mL以上の濃度でヒトIGF−Iに対する明らかな増殖反応が観察された。
図15は、キメラLIF受容体発現Ba/F3細胞株LIGのヒトLIFに対する反応性を示した図である。0.4ng/mL以上の濃度でヒトLIFに対する明らかな増殖反応が観察され、10ng/mL以下の濃度でヒトCNTFによる増殖反応は観察されなかった。
図16は、キメラCNTF受容体発現Ba/F3細胞株CNGのヒトCNTFに対する反応性を示した図である。0.3ng/mL以上の濃度でヒトCNTFに対する明らかな増殖反応が観察された。
図17は、キメラPDGF受容体発現Ba/F3細胞株PDGのヒトPDGF−BBに対する反応性を示した図である。0.5ng/mL以上の濃度でヒトPDGF−BBに対する明らかな増殖反応が観察された。
図18は、単独培養系と混合培養系でのヒトEPOに対する反応性を示した図である。白抜きの印は各樹立細胞を単独培養(4×10細胞/ウエル)した際の反応性を、また、黒印は4種の細胞株を混合して培養(各細胞4×10細胞/ウエル、総細胞数は16×10細胞/ウエル)した際の反応性を示している。混合培養した場合(黒丸)、単独培養した場合(白抜き上向き三角)に比較して、ヒトEPO無添加で若干の増殖活性亢進が認められたが、ヒトEPOに対する反応性は、反応の出始める濃度(1〜10pg/mL)においても、最大活性においてもほぼ同程度の増殖活性が観察された。
図19は、単独培養系と混合培養系でのヒトTPOに対する反応性を示した図である。白抜きの印は各樹立細胞を単独培養(4×10細胞/ウエル)した際の反応性を、また、黒印は4種の細胞株を混合して培養(各細胞4×10細胞/ウエル、総細胞数は16×10細胞/ウエル)した際の反応性を示している。混合培養した場合(黒丸)、単独培養した場合(白抜き菱形)に比較して、ヒトTPO無添加で若干の増殖活性亢進が認められたが、ヒトTPOに対する反応性は、反応の出始める濃度(100〜300pg/mL)においても、最大活性においてもほぼ同程度の増殖活性が観察された。
図20は、単独培養系と混合培養系でのヒトG−CSFに対する反応性を示した図である。白抜きの印は各樹立細胞を単独培養(4×10細胞/ウエル)した際の反応性を、また、黒印は4種の細胞株を混合して培養(各細胞4×10細胞/ウエル、総細胞数は16×10細胞/ウエル)した際の反応性を示している。混合培養した場合(黒丸)、単独培養した場合(白抜き下向き三角)に比較して、ヒトG−CSF無添加で若干の増殖活性亢進が認められたが、ヒトG−CSFに対する反応性は、反応の出始める濃度(2〜5pg/mL)においても、最大活性においてもほぼ同程度の増殖活性が観察された。

Claims (21)

  1. 2種以上の受容体のいずれかに結合し得るリガンドをスクリーニングする方法であって、(1)共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域を含有する受容体を2種以上得る工程、(2)該2種以上の受容体と被検物質を接触させる工程、(3)該被検物質の生理活性を測定する工程を含有する方法。
  2. 前記(1)の工程が、(1)共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域を含有する受容体を2種以上発現した細胞を得る工程である請求項1に記載の方法。
  3. 前記(1)の工程が、(1)共通のシグナル伝達領域と、該シグナル伝達領域と同一及び/又は異種である受容体のシグナル伝達領域以外の領域を含有する受容体を発現した2種以上の細胞を得る工程である請求項1に記載の方法。
  4. 前記シグナル伝達領域及び/又はシグナル伝達領域以外の領域が、細胞膜受容体由来である請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記シグナル伝達領域及び/又はシグナル伝達領域以外の領域が、核内受容体由来である請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  6. シグナル伝達領域以外の領域が、細胞膜受容体の細胞外領域またはその一部である請求項4に記載の方法。
  7. シグナル伝達領域以外の領域が、細胞膜受容体のリガンド結合領域である請求項4に記載の方法。
  8. 前記シグナル伝達領域及び/又はシグナル伝達領域以外の領域が、造血因子受容体ファミリー、サイトカイン受容体ファミリー、チロシンキナーゼ型受容体ファミリー、セリン/スレオニンキナーゼ型受容体ファミリー、TNF受容体ファミリー、G蛋白質共役型受容体ファミリー、GPIアンカー型受容体ファミリー、チロシンホスファターゼ型受容体ファミリー、接着因子ファミリー、ホルモン受容体ファミリーからなる群から選ばれる1の受容体ファミリーに属する受容体由来である請求項4に記載の方法。
  9. 前記シグナル伝達領域及び/又はシグナル伝達領域以外の領域が、ヒト又はマウスエリスロポエチン(EPO)受容体、ヒト又はマウス顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)受容体、ヒト又はマウストロンボポエチン(TPO)受容体、ヒト又はマウスインスリン受容体、ヒト又はマウスFlt-3リガンド受容体、ヒト又はマウス血小板由来増殖因子(PDGF)受容体、ヒト又はマウスインターフェロン(IFN)−α、β受容体、ヒト又はマウスレプチン受容体、ヒト又はマウス成長ホルモン(GH)受容体、ヒト又はマウスインターロイキン(IL)-10受容体、ヒト又はマウスインスリン様増殖因子(IGF)-I受容体、ヒト又はマウス白血病抑制因子(LIF)受容体、ヒト又はマウス毛様体神経栄養因子(CNTF)受容体由来である請求項4に記載の方法。
  10. 前記シグナル伝達領域が、マウスG-CSF受容体由来である請求項9に記載の方法。
  11. 前記(2)の工程が、受容体を発現した2種以上の細胞を混合し被検物質と接触させる工程、である請求項1に記載の方法。
  12. 前記細胞が、形質転換細胞である請求項2から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記細胞が、サイトカイン依存性細胞由来である請求項12に記載の方法。
  14. 形質転換細胞がBa/F3細胞又はFDC-P1細胞由来である請求項13に記載の方法。
  15. 前記(3)の工程が、(3)該被検物質のアゴニスト活性又はアンタゴニスト活性を測定する工程である請求項1に記載の方法。
  16. 前記(3)の工程が、(3)該被検物質の生理活性を無細胞系で測定する工程である請求項1に記載の方法。
  17. 前記(3)の工程が、(3)該被検物質の生理活性を細胞系で測定する工程である請求項1に記載の方法。
  18. 前記(3)の工程が、(3)該被検物質の生理活性を細胞の表現型の変化で測定する工程である請求項17に記載の方法。
  19. 前記細胞の表現型の変化が細胞表面抗原の量的及び/又は質的変化である請求項18に記載の方法。
  20. 前記細胞の表現型の変化が細胞の増殖活性の変化である請求項19に記載の方法。
  21. さらに、(4)被検物質の受容体に対する特異性を検出するために(1)で得た2種以上の受容体のうち1種類の受容体と接触させて生理活性を測定する工程を含有する請求項1に記載の方法。
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