JP4908252B2 - 割当方法およびそれを利用した基地局装置 - Google Patents

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Description

本発明は、割当技術に関し、特に端末装置にタイムスロットを割り当てる割当方法およびそれを利用した基地局装置に関する。
無線通信システムにおいて、基地局装置が複数の端末装置を接続する場合がある。基地局装置が複数の端末装置を接続する際の形態のひとつが、TDMA/TDDである。TDMA/TDDでは、複数のタイムスロットによってフレームが形成されており、さらに複数のフレームが連続して配置される。また、ひとつのフレームに含まれた複数のタイムスロットの一部が上り回線のために使用され、残りのタイムスロットが下り回線のために使用される。このようなTDMA/TDDを使用した先行技術では、ひとつのフレームのうちの上り回線のために使用されるタイムスロットの数と、下り回線のために使用されるタイムスロットの数とが、トラヒックの違いに応じて設定される(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−186533号公報
一般的に、無線通信において、限りある周波数資源の有効利用が望まれている。特に、通信速度の高速化に伴い、その要請はさらに高まっている。この要請に応えるための技術のひとつが、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式であり、これは、前述のTDMA/TDDと組合せ可能である。OFDMAとは、OFDMを利用しながら複数の端末装置を周波数多重する技術である。
このようなOFDMAでは、複数のサブキャリアによってサブチャネルが形成されており、複数のサブチャネルによってマルチキャリア信号が形成されている。また、基地局装置は、少なくともひとつのサブチャネルを端末装置に割り当てることによって、端末装置との通信を実行する。このような状況下において、端末装置が高速に移動している場合、当該端末装置からの信号のドップラー周波数が大きくなる。ドップラー周波数が大きくなると、サブチャネル間の直交性が成立しなくなるので、他のサブチャネルへの干渉が大きくなる。干渉が大きくなると、当該端末装置に対する受信特性が悪化するだけでなく、干渉の影響を受けたサブチャネルが割り当てられた端末装置に対する受信特性も悪化する。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速に移動する端末装置の影響を小さくする割当技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の基地局装置は、複数のサブチャネルの周波数多重によってタイムスロットを形成しながら、複数のタイムスロットの時間多重によってフレームを形成する基地局装置であって、端末装置との間の無線伝送路の変動の程度を検出する検出部と、検出部において検出した変動の程度に応じて、フレームを形成している複数のタイムスロットのうちのいずれかを特定する特定部と、特定部において特定したタイムスロットを形成している複数のサブチャネルのうちの少なくともひとつを端末装置に割り当てる割当部とを備える。
「端末装置との間の無線伝送路の変動の程度」とは、無線伝送路が時間的に変化する程度であり、端末装置の移動速度やドップラー周波数によって示される。この態様によると、検出した変動の程度に応じてタイムスロットを特定した後に、タイムスロットに含まれたサブチャネルを割り当てるので、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。
特定部は、変動の程度がしきい値よりも大きい端末装置を集約すべきタイムスロットを予め規定しており、検出部において検出した変動の程度がしきい値よりも大きい場合に、当該タイムスロットを特定してもよい。この場合、変動の程度がしきい値よりも大きい端末装置を所定のタイムスロットに集約するので、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。
特定部は、複数のタイムスロットのそれぞれに対して変動の程度の範囲を予め規定しており、検出部において検出した変動の程度が含まれる範囲を特定した後に、特定した範囲に対応づけられたタイムスロットを特定してもよい。この場合、変動の程度の範囲のそれぞれに対してタイムスロットを対応づけるので、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。
特定部は、制御信号に対して、最も小さい変動の程度の範囲に対応づけられたタイムスロットを特定してもよい。この場合、最も小さい変動の程度の範囲に対応づけられたタイムスロットに、制御信号を割り当てるので、制御信号に対して、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。
本発明の別の態様は、割当方法である。この方法は、複数のサブチャネルの周波数多重によってタイムスロットを形成しながら、複数のタイムスロットの時間多重によってフレームを形成しており、端末装置との間の無線伝送路の変動の程度を検出すると、検出した変動の程度に応じて、フレームを形成している複数のタイムスロットのうちのいずれかを特定し、特定したタイムスロットを形成している複数のサブチャネルのうちの少なくともひとつを端末装置に割り当てる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例は、基地局装置と、少なくともひとつの端末装置によって構成される通信システムに関する。通信システムにおいて、各フレームは、複数のタイムスロットが時間分割多重されることによって形成され、各タイムスロットは、複数のサブチャネルが周波数分割多重されることによって形成されている。また、各サブチャネルは、マルチキャリア信号によって形成されている。ここで、マルチキャリア信号としてOFDM信号が使用されており、周波数分割多重としてOFDMAが使用されている。
基地局装置は、各タイムスロットに含まれた複数のサブチャネルのそれぞれを端末装置に割り当てることによって、複数の端末装置との通信を実行する。前述のごとく、複数のサブチャネルのそれぞれには、OFDMAがなされているので、複数のサブチャネル間には、直交性が要求される。上り回線の所定のタイムスロットに含まれた信号は、複数の端末装置から送信されている。しかしながら、複数の端末装置のそれぞれに対して、上り回線の状況、例えばドップラー周波数は、一般的に異なっている。特に所定の端末装置からの信号におけるドップラー周波数が大きければ、当該信号は、他のサブチャネルに対して干渉を与える。その結果、他のサブチャネルでの受信特性が悪化してしまう。これに対応するために、本実施例に係る基地局装置は、以下の処理を実行する。
基地局装置は、端末装置の移動速度を推定する。また、基地局装置は、移動速度の速い端末装置に対して、特定のタイムスロットに含まれたサブチャネルを割り当てる。一方、移動速度の遅い端末装置は、別のタイムスロットに含まれたサブチャネルに割り当てられる。その結果、移動速度の速い端末装置は、互いに干渉を与えるが、移動速度の遅い端末装置が受ける干渉の影響は低減される。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、基地局装置10、端末装置12と総称される第1端末装置12a、第2端末装置12b、第3端末装置12cを含む。
基地局装置10は、一端に無線ネットワークを介して端末装置12を接続し、他端に図示しない有線ネットワークを接続する。また、端末装置12は、無線ネットワークを介して基地局装置10に接続する。基地局装置10は、複数の端末装置12に対して通信チャネルを割り当てることによって、複数の端末装置12との通信を実行する。具体的には、端末装置12が基地局装置10に対してチャネル割当の要求信号を送信し、基地局装置10は、受信した要求信号に応答して、端末装置12に通信チャネルを割り当てる。
また、基地局装置10は、端末装置12に割り当てた通信チャネルに関する情報を送信し、端末装置12は、割り当てられた通信チャネルを使用しながら、基地局装置10との通信を実行する。その結果、端末装置12から送信されたデータは、基地局装置10を介して、有線ネットワークに出力され、最終的に有線ネットワークに接続された図示しない通信装置に受信される。また、通信装置から端末装置12への方向にもデータは伝送される。ここで、複数の端末装置12のそれぞれは、異なった方向へ異なった速度にて移動する。つまり、基地局装置10は、複数の端末装置12からの信号を受信するが、各信号におけるドップラー周波数は異なっている。
以上の説明において、通信チャネルは、前述のサブチャネルとタイムスロットの組合せによって特定される。また、基地局装置10は、複数のタイムスロットと、複数のサブチャネルを有しているので、複数のタイムスロットによってTDMAを実行しつつ、複数のサブチャネルによってOFDMAを実行する。
図2(a)−(c)は、通信システム100におけるフレーム構成を示す。図の横方向が時間軸に相当する。フレームは、8つのタイムスロットによって形成されている。また、8つのタイムスロットは、4つの上りタイムスロットと4つの下りタイムスロットから構成されている。ここでは、4つの上りタイムスロットを「第1上りタイムスロット」から「第4上りタイムスロット」として示し、4つの下りタイムスロットを「第1下りタイムスロット」から「第4下りタイムスロット」として示す。また、図示したフレームは、連続して繰り返される。なお、フレームの構成は、図2(a)に限定されず、例えば、4つのタイムスロットや16個のタイムスロットによって構成されてもよいが、ここでは、説明を明瞭にするために、フレームの構成を図2(a)として説明する。また、説明を簡潔にするために、上りのタイムスロットと下りのタイムスロットの構成は、同一であるとする。そのため、上りタイムスロットと下りタイムスロットのいずれかについてのみ説明を行う場合もあるが、他方のタイムスロットも同様の説明が有効である。
図2(b)は、図2(a)のうちのひとつのタイムスロットの構成を示す。図の縦方向が周波数軸に相当する。図示のごとく、ひとつのタイムスロットは、「第1サブチャネル」から「第16サブチャネル」までの「16」個のサブチャネルによって形成される。また、これらの複数のサブチャネルは、周波数分割多重されている。各タイムスロットが図2(b)のように構成されているので、タイムスロットとサブチャネルとの組合せによって、前述の通信チャネルが特定される。また、図2(b)のうちのひとつのサブチャネルに対応したフレーム構成が図2(a)であるとしてもよい。なお、ひとつのタイムスロットに配置されるサブチャネルの数は、「16」個でなくてもよい。
図2(c)は、図2(b)のうちのひとつのサブチャネルの構成を示す。図2(a)や図2(b)と同様に、図の横方向が時間軸に相当し、図の縦方向が周波数軸に相当する。また、周波数軸に対して、「1」から「29」の番号を付与しているが、これらは、サブキャリアの番号を示す。このように、サブチャネルは、マルチキャリア信号によって構成されており、特にOFDM信号によって構成されている。図中の「TS」は、トレーニングシンボルに相当し、既知の値によって構成される。また、「TS」中に制御信号が含まれてもよいものとする。「GS」は、ガードシンボルに相当し、ここに実質的な信号は配置されない。「PS」は、パイロットシンボルに相当し、既知の値によって構成される。「DS」は、データシンボルに相当し、送信すべきデータである。「GT」は、ガードタイムに相当し、ここに実質的な信号は配置されない。
図3は、通信システム100におけるサブチャネルの配置を示す。図3では、横軸に周波数軸が示されており、図2(b)に示したタイムスロットに対するスペクトルが示される。ひとつのタイムスロットには、前述のごとく、第1サブチャネルから第16サブチャネルの16個のサブチャネルが周波数分割多重されている。各サブチャネルは、マルチキャリア信号、ここでは、OFDM信号によって構成されている。
図4は、基地局装置10の構成を示す。基地局装置10は、RF部20と総称される第1RF部20a、第2RF部20b、第NRF部20n、ベースバンド処理部22、変復調部24、IF部26、無線制御部28、記憶部30を含む。また、無線制御部28は、制御チャネル決定部32、通信品質判定部34、タイムスロット特定部36、無線リソース割当部38を含む。
RF部20は、受信処理として、図示しない端末装置12から受信した無線周波数のマルチキャリア信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのマルチキャリア信号を生成する。ここで、マルチキャリア信号は、図3のごとく形成されており、また、図2(a)の上りタイムスロットに相当する。さらに、RF部20は、ベースバンドのマルチキャリア信号をベースバンド処理部22に出力する。一般的に、ベースバンドのマルチキャリア信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線によって伝送されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。また、RF部20には、AGCやA/D変換部も含まれる。
RF部20は、送信処理として、ベースバンド処理部22から入力したベースバンドのマルチキャリア信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のマルチキャリア信号を生成する。さらに、RF部20は、無線周波数のマルチキャリア信号を送信する。なお、RF部20は、受信したマルチキャリア信号と同一の無線周波数帯を使用しながら、マルチキャリア信号を送信する。つまり、図2(a)のごとく、TDD(Time Division Duplex)が使用されているものとする。また、RF部20には、PA(Power Amplifier)、D/A変換部も含まれる。
ベースバンド処理部22は、受信動作として、複数のRF部20のそれぞれからベースバンドのマルチキャリア信号を入力する。ベースバンドのマルチキャリア信号は、時間領域の信号であるので、ベースバンド処理部22は、FFTによって、時間領域の信号を周波数領域に変換し、周波数領域の信号に対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。また、ベースバンド処理部22は、タイミング同期、つまりFFTのウインドウの設定を実行し、ガードインターバルの削除も実行する。タイミング同期等には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは、説明を省略する。ベースバンド処理部22は、アダプティブアレイ信号処理の結果を変復調部24へ出力する。ベースバンド処理部22は、送信動作として、変復調部24から、周波数領域のマルチキャリア信号を入力し、ウエイトベクトルによる分散処理を実行する。
ベースバンド処理部22は、送信動作として、変復調部24から入力した周波数領域のマルチキャリア信号に対して、IFFTによって、周波数領域の信号を時間領域に変換し、変換した時間領域の信号をRF部20へ出力する。また、ベースバンド処理部22は、ガードインターバルの付加も実行するが、ここでは説明を省略する。ここで、周波数領域の信号は、図2(b)のごとく、複数のサブチャネルを含み、さらにサブチャネルのそれぞれは、図2(c)の縦方向のごとく、複数のサブキャリアを含む。図を明瞭にするために、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に並べられて、シリアル信号を形成しているものとする。
変復調部24は、受信処理として、ベースバンド処理部22からの周波数領域のマルチキャリア信号に対して、復調を実行する。周波数領域に変換したマルチキャリア信号は、図2(b)や(c)のごとく、複数のサブキャリアのそれぞれに対応した成分を有する。また、復調は、サブキャリア単位でなされる。変復調部24は、復調した信号をIF部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、変調を実行する。変復調部24は、変調した信号を周波数領域のマルチキャリア信号としてベースバンド処理部22に出力する。
IF部26は、受信処理として、変復調部24から復調結果を受けつけ、復調結果を端末装置12単位に分離する。つまり、復調結果は、図3のごとく、複数のサブチャネルによって構成されている。そのため、ひとつのサブチャネルがひとつの端末装置12に割り当てられている場合、復調結果には、複数の端末装置12からの信号が含まれている。IF部26は、このような復調結果を端末装置12単位に分離する。IF部26は、分離した復調結果を図示しない有線ネットワークに出力する。その際、IF部26は、宛先を識別するための情報、例えば、IP(Internet Protocol)アドレスにしたがって送信を実行する。
また、IF部26は、送信処理として、図示しない有線ネットワークから複数の端末装置12に対するデータを入力する。IF部26は、データをサブチャネルに割り当て、複数のサブチャネルからマルチキャリア信号を形成する。つまり、IF部26は、図3のごとく、複数のサブチャネルによって構成されるマルチキャリア信号を形成する。なお、データが割り当てられるべきサブチャネルは、図2(c)のごとく予め決められており、それに関する指示は、無線制御部28から受けつけるものとする。IF部26は、マルチキャリア信号を変復調部24に出力する。
通信品質判定部34は、図示しない信号線を介して、ベースバンド処理部22から、周波数領域のマルチキャリア信号を受けつける。ここで、周波数領域のマルチキャリア信号は、アダプティブアレイ信号処理の結果であってもよい。また、通信品質判定部34は、周波数領域のマルチキャリア信号をもとに、端末装置12との間の無線伝送路の変動の程度を導出する。ここで、端末装置12との間の無線伝送路の変動の程度とは、例えば、端末装置12の移動速度やドップラー周波数である。図5は、通信品質判定部34における移動速度の推定技術の概要を示す。図5は、マルチキャリア信号に含まれた複数のサブキャリアのうち、パイロットシンボルに対するコンスタレーションを示す。図示のごとく、横軸に同相(I)成分が示され、縦軸に直交(Q)成分が示される。また、図に示された点は、信号点であり、複数の信号点は、図2(c)の横軸の方向に示されるように、時間軸上の複数のシンボルに相当する。
通信品質判定部34は、図示のごとく、時間軸上の異なったシンボルでの位相差を導出する。例えば、通信品質判定部34は、時間軸上において隣接したシンボル間での位相差の絶対値を導出し、絶対値を積算する。このような積算値が、最終的な位相差に相当する。図4に戻る。さらに、通信品質判定部34は、別のパイロットシンボルに対しても同様の処理を実行する。通信品質判定部34は、複数のパイロットシンボル間の位相差の誤差を導出する。また、後述の記憶部30には、誤差の値と移動速度との対応がテーブルとして予め記憶されており、通信品質判定部34は、当該テーブルを参照しながら、誤差の値から移動速度を導出する。例えば、テーブルには、誤差が大きくなると、移動速度が大きくなるような関係が規定されている。
なお、新規の端末装置12に対してサブチャネルの割当を実行する場合、通信品質判定部34は、当該端末装置12から受信したチャネル割当要求の信号をもとに、移動速度を導出する。一方、既にサブチャネルを割り当てた端末装置12に対してサブチャネルの切替を実行する場合、通信品質判定部34は、当該端末装置12から受信したデータ信号をもとに、移動速度を導出する。
記憶部30は、フレームに関する情報を記憶する。前述のごとく、フレームは、複数のタイムスロットの時間多重によって形成され、タイムスロットは、複数のサブチャネルの周波数多重によって形成されており、フレームに関する情報とは、例えば、所定のサブチャネルを割り当てた端末装置12に関する情報である。また、記憶部30は、各サブチャネルに対して実行したキャリアセンスの結果を記憶する。ここで、キャリアセンスは、RF部20において、公知の技術によってなされている。さらに、記憶部30は、複数のタイムスロットのそれぞれに対して移動速度の範囲を予め規定する。
図6は、記憶部30に記憶された条件とタイムスロットとの関係を示す。図示のごとく、条件欄200、タイムスロット欄202が記憶されている。条件欄200には、複数のしきい値「a」、「b」、「c」が、「a」<「b」<「c」の関係を有するように規定されている。これらのしきい値によって、移動速度の範囲が規定される。ここで、条件欄200の下段になる程、高速な移動速度の範囲に相当する。タイムスロット欄202には、移動速度の範囲に対応づけられたタイムスロットが規定されている。最も高速な移動速度の範囲が、第4タイムスロットに対応づけられている。図4に戻る。
タイムスロット特定部36は、通信品質判定部34から移動速度の値を受けつける。タイムスロット特定部36は、受けつけた移動速度に応じて、フレームを形成している複数のタイムスロットのうちのいずれかを特定する。つまり、タイムスロット特定部36は、記憶部30に記憶されたテーブルを参照しながら、移動速度が含まれる範囲を特定した後に、特定した範囲に対応づけられたタイムスロットを特定する。タイムスロット特定部36は、特定したタイムスロットを無線リソース割当部38に出力する。
無線リソース割当部38は、タイムスロット特定部36において特定したタイムスロットを形成している複数のサブチャネルのうちの少なくともひとつを端末装置12に割り当てる。その際、無線リソース割当部38は、記憶部30に記憶されたフレームに関する情報を参照しながら、特定したタイムスロットに含まれる空きサブチャネルを抽出する。また、無線リソース割当部38は、記憶部30に記憶されたキャリアセンスの結果を参照しながら、抽出した空きサブチャネルのうち、干渉波レベルの最も低いサブチャネルを特定する。なお、サブチャネルの特定がなされるときに、キャリアセンスが実行されてもよい。無線リソース割当部38は、特定したサブチャネルの割当を決定し、その結果を変復調部24、ベースバンド処理部22、RF部20を介して、端末装置12に割り当て通知として送信する。また、無線リソース割当部38は、割り当てた結果を記憶部30に反映させる。
タイムスロット特定部36において特定したタイムスロットに、空きサブチャネルが存在しない場合、無線リソース割当部38は、当該タイムスロットよりも移動速度の範囲が低くなるように規定されたタイムスロットを再度特定する。また、タイムスロット特定部36は、特定したタイムスロットに含まれた空きサブチャネルを抽出する。ここで、当該タイムスロットよりも移動速度の範囲が低くなるように規定されたタイムスロットとは、「当該タイムスロット」が図6の第4タイムスロットである場合に、第3タイムスロットに相当する。空きサブチャネルが存在すれば、タイムスロット特定部36は、前述のごとく、サブチャネルの割当を実行する。なお、割当が不可能である場合、タイムスロット特定部36は、変復調部24、ベースバンド処理部22、RF部20を介して、端末装置12に割り当て拒否として送信してもよい。
制御チャネル決定部32は、制御信号をサブチャネルに割り当てる。ここで、制御信号とは、端末装置12との通信を制御するために使用される情報が含まれた信号である。このような制御信号の重要性は、データ信号よりも高いといえる。そのため、制御チャネル決定部32は、記憶部30を参照しながら、制御信号に対して、最も低い移動速度の範囲に対応づけられたタイムスロットを特定し、特定したタイムスロットに含まれた複数のサブチャネルのうちのいずれかを選択する。また、制御チャネル決定部32は、選択したサブチャネルを無線リソース割当部38に通知する。無線リソース割当部38は、無線リソース割当部38からの通知にしたがって、制御信号にサブチャネルを割り当てる。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図7は、通信システム100におけるサブチャネルの割当手順を示すシーケンス図である。第1端末装置12aは、基地局装置10に対して、サブチャネルの割当要求の信号を送信する(S10)。基地局装置10は、割当要求の信号をもとに、第1端末装置12aの移動速度を推定し(S12)、推定した移動速度をもとに、タイムスロットを特定する(S14)。基地局装置10は、特定したタイムスロットの中に含まれたサブチャネルを第1端末装置12aに割り当てる(S16)。基地局装置10は、第1端末装置12aに、割り当てた結果を割当通知を送信する(S18)。その後、基地局装置10と第1端末装置12aとは、割り当てたサブチャネルを使用しながら、通信を実行する。
図8は、基地局装置10におけるサブチャネルの割当手順を示すフローチャートである。通信品質判定部34は、移動速度を推定する(S30)。タイムスロット特定部36は、推定された移動速度をもとに、タイムスロットを特定する(S32)。特定したタイムスロットに空きサブチャネルがあれば(S34のY)、RF部20は、キャリアセンスを実行する(S36)。サブチャネルの割当が可能であれば(S38のY)、無線リソース割当部38は、割当を実行し、その結果を通知する(S40)。一方、特定したタイムスロットに空きサブチャネルがない場合(S34のN)あるいはサブチャネルの割当が可能でない場合(S38のN)、上位のグループがあれば(S42のY)、タイムスロット特定部36は、タイムスロットを特定する(S44)。
ここで、上位のグループとは、現在よりも移動速度の低い範囲に相当する。特定したタイムスロットに空きサブチャネルがあれば(S46のY)、RF部20は、キャリアセンスを実行する(S48)。サブチャネルの割当が可能であれば(S50のY)、無線リソース割当部38は、割当を実行し、その結果を通知する(S52)。特定したタイムスロットに空きサブチャネルがない場合(S46のN)あるいはサブチャネルの割当が可能でない場合(S50のN)、ステップ42に戻る。一方、上位のグループがなければ(S42のN)、無線リソース割当部38は、割当を拒否する(S54)。
以下、本発明の変形例を説明する。実施例において、記憶部30は、移動速度の範囲のそれぞれに対してタイムスロットを対応づける。しかしながら、変形例において、記憶部30は、移動速度がしきい値よりも高い端末装置12を集約すべきタイムスロットを予め規定する。つまり、他の端末装置12に干渉を与える可能性の高い端末装置12だけをひとつのタイムスロットにまとめるような規定がなされている。変形例に係る基地局装置10は、図4と同様のタイプである。
図9は、本発明の変形例に係る記憶部30に記憶された条件とタイムスロットとの関係を示す。図示のごとく、条件欄200、タイムスロット欄202が記憶されている。条件欄200には、ひとつのしきい値「c」が規定されている。タイムスロット欄202には、条件欄200での条件に対応づけられたタイムスロットが規定されている。しきい値よりも移動速度の速い端末装置12に対して、第4タイムスロットが対応づけられている。図5に戻る。タイムスロット特定部36は、推定した移動速度がしきい値よりも高い場合に、第4タイムスロットを特定する。
本発明の実施例によれば、推定した移動速度に応じてタイムスロットを特定した後に、タイムスロットに含まれたサブチャネルを割り当てるので、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。また、移動速度のそれぞれに対してタイムスロットを対応づけるので、低速に移動する端末装置と高速に移動する端末装置とに対して別のタイムスロットを特定できる。また、低速に移動する端末装置と高速に移動する端末装置とに対して別のタイムスロットを特定するので、低速に移動する端末装置に対して、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。また、移動速度がしきい値よりも大きい端末装置を所定のタイムスロットに集約するので、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。また、最も小さい移動速度に対応づけられたタイムスロットに、制御信号を割り当てるので、制御信号に対して、高速に移動する端末装置の影響を小さくできる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、通信品質判定部34は、無線伝送路の変動の程度として、パイロットシンボルに対する位相の変動を測定する。しかしながらこれに限らず例えば、公知の技術によって、ドップラー周波数のような変動の程度が適用されてもよい。本変形例によれば、設計の自由度を向上できる。
本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 図1の通信システムにおけるフレーム構成を示す図である。 図1の通信システムにおけるフレーム構成を示す図である。 図1の通信システムにおけるフレーム構成を示す図である。 図1の通信システムにおけるサブチャネルの配置を示す図である。 図1の基地局装置の構成を示す図である。 図4の通信品質判定部における移動速度の推定技術の概要を示す図である。 図4の記憶部に記憶された条件とタイムスロットとの関係を示す図である。 図1の通信システムにおけるサブチャネルの割当手順を示すシーケンス図である。 図4の基地局装置におけるサブチャネルの割当手順を示すフローチャートである。 本発明の変形例に係る記憶部に記憶された条件とタイムスロットとの関係を示す図である。
符号の説明
10 基地局装置、 12 端末装置、 20 RF部、 22 ベースバンド処理部、 24 変復調部、 26 IF部、 28 無線制御部、 30 記憶部、 32 制御チャネル決定部、 34 通信品質判定部、 36 タイムスロット特定部、 38 無線リソース割当部、 100 通信システム。

Claims (5)

  1. 複数のサブチャネルの周波数多重によってタイムスロットを形成しながら、複数のタイムスロットの時間多重によってフレームを形成する基地局装置であって、
    端末装置との間の無線伝送路の変動の程度を検出する検出部と、
    前記検出部において検出した変動の程度が同程度の前記端末装置に、同じタイムスロット内のサブチャネル割り当てる制御部とを備え
    前記制御部は、最も小さい変動の程度の前記端末装置が割り当てられているタイムスロット内のサブチャネルを制御信号に割り当てることを特徴とする基地局装置。
  2. 前記制御部は、変動の程度がしきい値よりも大きい端末装置を集約すべきタイムスロットを予め規定しており、前記検出部において検出した変動の程度がしきい値よりも大きい場合に、当該タイムスロット内のサブチャネル前記端末装置に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
  3. 前記制御部は、複数のタイムスロットのそれぞれに対して変動の程度の範囲を予め規定しており、前記検出部において検出した変動の程度が含まれる範囲に対応づけられたタイムスロット内のサブチャネル前記端末装置に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
  4. 複数のサブチャネルの周波数多重によってタイムスロットを形成しながら、複数のタイムスロットの時間多重によってフレームを形成しており、端末装置との間の無線伝送路の変動の程度を検出すると、検出した変動の程度が同程度の前記端末装置に、同じタイムスロット内のサブチャネル割り当て、最も小さい変動の程度の前記端末装置が割り当てられるタイムスロット内のサブチャネルを制御信号に割り当てることを特徴とする割当方法。
  5. 端末装置との間の無線伝送路の変動の程度を検出するステップと、
    複数のサブチャネルの周波数多重によってタイムスロットを形成しながら、複数のタイムスロットの時間多重によってフレームを形成しており、検出した変動の程度が同程度の前記端末装置に、同じタイムスロット内のサブチャネル割り当てるステップと、
    最も小さい変動の程度の前記端末装置が割り当てられるタイムスロット内のサブチャネルを制御信号に割り当てるステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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