実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて図示しない遊技店の設置枠台に固定される外枠11の開口前面側に、遊技盤18を保持した中枠12が開閉および着脱可能に組付けられている。この中枠12の前面側には、前記中枠12に保持した遊技盤18(図9参照)を透視保護するガラス板13a,13a(図9参照)を備えた前枠13が開閉可能に組付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球S(図14または図15参照)を貯留する下球皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球Sを貯留する上球皿14が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球皿14も一体的に開閉するよう構成されている。また、中枠12における下球皿15の右側には、回動操作可能なハンドル部材16が配設されており、該ハンドル部材16の回動操作により上球皿14に貯留したパチンコ球Sが遊技盤18の盤面に向けて打出されるようになっている。また、図2または図3に示すように、前記中枠12の裏側には、前記遊技盤18の裏側(具体的には図柄表示装置20の裏側)を覆う保護カバー110が枢支手段24a,24b,116を介して開閉可能に枢支されている。
ここで、図9に示すように、前記遊技盤18には、裏側に配設した保持手段19に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示部20aを有する図柄表示装置(遊技部品)20が取付部20bを介して配設されると共に、該図柄表示装置20の図柄表示部20aに対応する位置に前後に開口する開口部18aが開設されている。但し、前記開口部18aには、所要の装飾を施したセンター役物とも称される装飾部材(図示せず)が臨むようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置20における前記取付部20bを含む装置全体が、遊技盤18の左右端部近傍まで延在する大型の液晶表示装置を採用している。また、遊技盤18の所要位置には、パチンコ球Sの入賞により図柄表示装置20の図柄を変動開始させる始動入賞装置や、大当りの発生時に開放する特別入賞装置(何れも図示せず)等を配設してある。なお、前記遊技盤18の裏側における前記図柄表示装置20の下方位置には、スピーカや電飾装置を制御するサブ制御装置104が配設されている。前記サブ制御装置104には、メイン制御装置105(後述)やスピーカ、電飾装置が配線接続されて、該メイン制御装置105からの制御信号に基づいてスピーカや電飾装置を制御することで、効果音や発光による演出を行ない得るようになっている。
前記中枠12は、図5に示すように、上縁をなす上枠部材21と、下縁をなし、スピーカや打球発射装置等を設置する設置部材として機能する下枠部材22と、左側縁をなす左枠部材(左の側枠部材)23と、右側縁をなす右枠部材(右の側枠部材)24とから構成されて、これら上下左右の枠部材21,22,23,24を組付けた際に、全体が前記外枠11の開口領域に整合する大きさに形成される。ここで、実施例では、前記上下の枠部材21,22は合成樹脂成形されると共に、左右の枠部材23,24はアルミ等の金属材により成形されて、中枠12全体としての剛性を確保しつつ軽量化が図られている。そして、前記上下左右の枠部材21,22,23,24を組付けた際に前後に開口する開口領域12a(図5参照)に、前記遊技盤18を設置するよう構成されている。このとき、上下左右の枠部材21,22,23,24が、遊技盤18における上下左右の対応する端面に対して所要のクリアランスを介して対向するようになっている。但し、下枠部材22の左右両側における上端面の一部に遊技盤18の下端面が当接して、該遊技盤18の下方の位置決めがなされる。
また、図4に示すように、前記右枠部材24の後端部には、上下方向に離間する3箇所に、前記保護カバー110を開閉可能に枢支する軸受部(枢支手段)24aが形成されている。前記各軸受部24aは、前記右枠部材24の後端部から後方へ向けて略水平に突設された突出片に、上下方向に貫通する軸孔(枢支手段)24bを穿設して形成されて、該軸孔24bに保護カバー110の支軸116(後述)を挿通させるようになっている。更に、前記右枠部材24における前記各軸受部24aの下方には、後方へ突出する第1位置規制突片(開放制限手段)24cが形成されており、保護カバー110に形成した第2位置規制突片114a(後述)が第1位置規制突片24cに当接して保護カバー110の開閉(回動)規制を行なうよう構成される。また、前記右枠部材24には、中枠12の前面側に臨む鍵操作部25aと、前記外枠11に設けた係止片(図示せず)に対して係脱可能な第1施錠片25bと、前記前枠13に設けた係止片(図示せず)に対して係脱可能な第2施錠片25cとを備えた施錠手段25を配設してある(図5参照)。なお、前記第1施錠片25bおよび第2施錠片25cは、前記鍵操作部25aに施錠鍵(図示せず)を前側から差込んで回動方向に応じて独立して作動するようになっており、前記中枠12および前枠13を任意に開閉し得るよう構成されている。なお、図3においては、右枠部材24の施錠手段25を省略して示してある。
〔球タンクおよびタンクレールについて〕
また、前記上枠部材21の本体の裏側には、パチンコ球Sを貯留可能な球タンク26や、該球タンク26に貯留したパチンコ球Sを一列に整列するタンクレール34が設けられると共に、前記下枠部材22の本体の裏側には、前記上下の球皿14,15に連通する第1球流通路44(図18参照)、および設置枠台に設けられる球回収樋(図示せず)にパチンコ球Sを排出する第2球流通路45(図18参照)が形成された機能部材43を配設してある。そして、前記タンクレール34と機能部材43の第1および第2球流通路44,45とを、球通路ユニット50(後述)により連通接続するよう構成される。すなわち、前記設置枠台に設けられた球供給設備から前記球タンク26に供給されたパチンコ球Sは、前記タンクレール34および球通路ユニット50を介して前記機能部材43まで到来して、上下の球皿14,15に給出されるようになっている。なお、前記機能部材43には、パチンコ機10の全体を制御するメイン制御装置105や、外部から供給された電源を各制御装置104,105や各種装置20,101に分配供給する電源制御装置106、その他の各種中継基板107が配設されている。
前記球タンク26およびタンクレール34は、図5〜図8に示すように、前記開口領域12aより後方に位置するよう前記上枠部材21の本体と一体成形されると共に、その一部が開口領域12aの後方に重なるように臨んでいる。すなわち、前記上枠部材21の本体の上下方向の厚みは中枠12の剛性を維持し得る最小限の寸法に設定され、開口領域12aに設置した遊技盤18と、球タンク26およびタンクレール34とが前後に重なり合うよう構成される。
次に、球タンク26とタンクレール34との関係につき説明する。図6〜図8に示すように、前記球タンク26は、右枠部材24側から左枠部材23側に向けて下方傾斜するタンク底面27と、該タンク底面27の外周縁に沿って上方へ立ち上がる前後左右の壁部28,29,30,31とから上方開口する略矩形箱状に形成され、当該タンク底面27および各壁部28,29,30,31により画成される貯留空間32にパチンコ球Sを貯留するようになっている。そして、前記球タンク26(タンク底面27)の傾斜下端側に前記タンクレール34が設けられ、該球タンク26における左枠部材23側(タンクレール34側)の壁部30に形成した連通口26aを介してタンクレール34が貯留空間32に連通するよう構成されている。また、前記球タンク26における左枠部材23側(タンクレール34側)の壁部30には、貯留空間32に臨む面に、パチンコ球Sを前記連通口26aへ誘導する球誘導手段としての球誘導面30aを形成してある。ここで、前記球誘導面30aは、凹面状に形成されて、球タンク26のタンク底面27に沿って球誘導面30aに流下したパチンコ球Sの球圧を吸収しつつ連通口26aへ速やかに誘導し得るようになっている。
一方、前記タンクレール34は、図7または図8に示すように、前記球タンク26の連通口26aに連接し、該球タンク26の長手方向に沿う方向に延在する第1球経路35と、該第1球経路35の終端に反対方向へ折返すよう連接する第2球経路36とから基本的に構成される。ここで、前記第1および第2球経路35,36の夫々は、その通路幅がパチンコ球Sの球径と略同一に設定され、前記連通口26aから到来したパチンコ球Sが一列状態で流下し得るようになっている。なお、前記第1球経路35におけるレール底面35aは、球タンク26におけるタンク底面27の傾斜角度と略同等で傾斜するように設定されて、左枠部材23に向かうにつれて下方傾斜するよう形成される。ここで、前記第1球経路35のレール底面35aは、前記球タンク26のタンク底面27より下方に位置するよう形成されて、両底面27,35aの間に段差dが生ずるよう設定してある。なお、実施例では、前記段差dの高さ寸法は、パチンコ球Sの球径と略同等に設定されると共に、該段差部位におけるタンクレール34(第1球経路35)に臨む面を、断面円弧状に凹むよう形成して、球タンク26から第1球経路35にパチンコ球Sが流下する際に、上下に重なり合うパチンコ球Sを崩して整列し易くしている。
また、前記第2球経路36は、前記第1球経路35の前側に形成されて、球タンク26の近傍まで延在すると共に、該第2球経路36のレール底面36aにおける下流端部に、下方に開口する球排出口36b(図7参照)が開設されている。なお、前記第2球経路36のレール底面36aは、第1球経路35におけるレール底面35a(球タンク26におけるタンク底面27)の傾斜角度と略同等の傾斜角度で、右枠部材24に向かうにつれて下方傾斜するようになっている。また、図6または図8に示すように、前記上枠部材21の本体の前端部には、中枠12の閉成時に外枠11の前端面に当接するフランジ部21aが上方へ延出するよう形成されて、中枠12と外枠11との間からの異物挿入による不正行為を阻止すると共に、該上枠部材21の剛性を向上するようになっている。
前記上枠部材21における球タンク26およびタンクレール34の後面を画成する壁部29における前記タンクレール34側には、前記球通路ユニット50の上端部を支持する上支持部38が形成されている。前記上支持部38は、前記後壁部29より後方に突出するよう形成されて、その略中央位置に前後に貫通する上部係合孔(第2上係合手段)39が開設される(図19参照)。また、タンクレール34の下面側には、下方に延出する支持壁部40,40(図6、図8または図19参照)が前記タンクレール34の球排出口36bを挟んで左右方向に離間する位置に形成されると共に、両支持壁部40,40の間に、下方に突出する位置決め突部(図示せず)が突設されて、これら支持壁部40,40および位置決め突部により、前記球通路ユニット50における上部位置の左右方向の位置決めを行なうよう構成されている。また、前記後壁部29には、前記上支持部38の近接位置(すなわち後壁部29における左枠部材23側の端部近傍)に、後方に開口する係止筒部(固定手段)29aが形成されており、前記保護カバー110に設けた固定具119(後述)を着脱可能に固定するようになっている。
また、図5に示すように、前記機能部材43は、前記下枠部材22の裏側に概ね隠れる大きさに形成されて、該機能部材43が下枠部材22より上方に大きく突出しないよう設定してある。前記機能部材43における前記上支持部38の下方位置には、前記球通路ユニット50の下端部を支持する下支持部46が形成される。前記下支持部46は、前記機能部材43の上端面より上方に延出するよう形成されると共に、該下支持部46に前記第1および第2球流通路44,45の一部が形成されている。なお、図18において、第1球流通路44は右側に位置し、第2球流通路45は左側に位置すると共に、両球流通路44,45は、上方に開口している。
また、前記下支持部46には、上端部近傍に上方および前方に開口する下部係合孔(第2下係合手段)47が形成されており、前記球通路ユニット50に形成される後述の突出部(第1下係合手段)70を、該下部係合孔47に対して挿脱し得るようになっている。更に、前記下支持部46における上端部の左右側部には、前記球通路ユニット50に形成される後述の枢軸71を回転可能に支持する軸支部48,48を上方に開口するよう形成してある。
〔球通路ユニットについて〕
次に、前記タンクレール34と、前記機能部材43の球流通路とを連通接続する球通路ユニット50について説明する。図10に示すように、前記球通路ユニット50は、上下方向に延在する矩形状に形成されたユニット本体51と、該ユニット本体51に対して着脱可能に配設されて、パチンコ球Sの払出し動作を行なうカセット形態とされる電動制御式の球払出装置101とからなり、前記上枠部材21(具体的には上支持部38)および下枠部材22(具体的には機能部材43に形成した下支持部46)の間に架設される。すなわち、前記球通路ユニット50は、前記上枠部材21および機能部材43に対して前記左枠部材23側に偏った位置に設けられている。
前記ユニット本体51は、図10〜図12に示すように、前記タンクレール34および機能部材43を連通接続する球通路を形成した通路形成部52と、該通路形成部52の経路途中に設けられて、後方に開口する開口部55aを介して前記球払出装置101を着脱自在に配設し得る設置部55と、該設置部55の開口部55aを開閉可能に閉成するカバー部材90と、通路形成部52の前側に画成されて前記遊技盤18の裏側に設けた図柄表示装置20を臨ませ得る空間部57とを有している。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、前記設置部55に球払出装置101を配設すると共に、球通路ユニット50を上枠部材21(上支持部38)および下枠部材22(下支持部46)に架設した状態を基準として説明する。
ここで、前記球払出装置101は、図10に示すように、後端部に上下に延在する球払出通路102が形成されており、該球払出通路102の上部開口(以下、球取込口102aと云う)に流入するパチンコ球Sを、球払出通路102の下部開口(以下、球排出口102bと云う)から1個ずつ排出する装置である。また、前記球払出装置101の後端面(設置部55の開口部55aから外側に臨む位置)には、棒状部材や針金等を差込むことで操作可能な球抜操作部103(図10参照)が設けられており、棒状部材や針金等の差込みにより球抜操作部103を操作することで、球払出通路102に流入したパチンコ球Sを球排出口102bから無条件で排出させ得るようになっている。なお、払出制御基板に電気的に接続された配線(図示せず)は、前記設置部55の下面側に後方に開口するよう形成したスリット状の配線挿入口55b(図10参照)に臨ませるよう構成されており、該配線を球払出装置101に接続した状態で、設置部55への球払出装置101の着脱を行ない得るようになっている。
図10〜図12に示すように、前記通路形成部52には、前記タンクレール34を設置部55に連通接続する第1の球通路53と、該設置部55を機能部材43の第1球流通路44に連通接続する第2の球通路54とが形成される。すなわち、前記第1の球通路53の球入口(以下、第1の球入口53aという)が前記タンクレール34における第2球経路36の球排出口36bに連通し、第1の球通路53の球出口(以下、第1の球出口53bという)が前記球払出装置101の球取込口102aに連通すると共に、前記第2の球通路54の球入口(以下、第2の球入口54aという)が前記球払出装置101の球排出口102bに連通し、第2の球通路54の球出口(以下、第2の球出口54bという)が機能部材43の第1球流通路44に連通するようになっている。また、前記通路形成部52には、後方に開口する係止筒部(固定手段)52bが形成されており、前記保護カバー110に設けた固定具119を着脱可能に固定し得るよう構成されている。
ここで、前記第1の球入口53aは、ユニット本体51の上側前端部に上方で開口すると共に、第1の球出口53bは、前記設置部55の後部位置で開口している。すなわち、前記第1の球通路53は、球通路ユニット50を側面から視た状態(図11に示す状態)では、前記第1の球入口53aから下方に向かうにつれて後方へ延在し、球通路ユニット50の後端部において鉛直方向に延在した後に前記第1の球出口53bを介して設置部55に連通するよう形成される。このように、前記第1の球通路53を設置部55の後端部側に連通するよう形成することで、該第1の球通路53(通路形成部52)の前側に前記空間部57が位置するようになっている。また、前記第1の球通路53における前記第1の球出口53bの近傍には、後述する収納部62に連通するスリット65(図14または図16参照)が形成されており、該スリット65を介して、ストッパ部材63の規制片63aが第1の球通路53内に臨み得るよう構成される。なお、前記第1の球通路53は、左右方向に蛇行するよう形成され(図12参照)、前記タンクレール34の第2球経路36から到来するパチンコ球Sを減勢させつつ流下させるよう構成されている。
また、前記ユニット本体51における前記左枠部材23側の端部には、前記通路形成部52および設置部55の対応する端部に連接する画壁56が設けられており、該通路形成部52、設置部55および画壁56により、前記空間部57が前側および右枠部材24側(球通路ユニット50が偏る側とは反対側)に開放するよう画成される(図9参照)。これにより、前記遊技盤18の裏側に配設した前記大型の図柄表示装置20を空間部57に臨ませ得るようになっている。
一方、前記第2の球入口54aは、前記第1の球出口53bと上下に整列する位置に設けられると共に、前記第2の球出口54bは、前記ユニット本体51の下側前端部で下方に開口するよう設けられている。すなわち、前記第2の球通路54は、球通路ユニット50を側面から視た状態(図11に示す状態)では、前記第2の球入口54aから下方に向かうにつれて前方へ延在している。
なお、前記ユニット本体51には、前記第1の球通路53の下流端部近傍(第1の球出口53bの近傍)から分岐する球抜き通路59が形成されている。前記球抜き通路59は、前記画壁56および設置部55の側部(左枠部材23側。図12または図13における右側)に設けられて、ユニット本体51の下側前端部で下方に開口させた第3の球出口59aを介して前記機能部材43に形成した第2球流通路45に連通接続するようになっている。ここで、前記第1の球通路53と、球抜き通路59との分岐位置には、前記タンクレール34から到来するパチンコ球Sの流下方向を変更する球抜規制部材60が配設されている(図12または図13参照)。実施例では、前記ユニット本体51に形成した長孔52aを介して前記球抜規制部材60の操作片60aがユニット本体51の外方に突出するよう構成されて、該操作片60aが下方にある状態では球抜規制部材60の球止片60bが前記球抜き通路59を閉成してパチンコ球Sを設置部55(球払出装置101)へ案内し、操作片60aを上方へ引き上げることで、該球止片60bが退避してパチンコ球Sが球抜き通路59へ案内されるようになっている。なお、図12または図13では、前記球抜規制部材60の球止片60bが前記球抜き通路59を閉成して、第1の球通路53を流下するパチンコ球Sを設置部55(球払出装置101)へ案内する状態を示している。
また、図14〜図17に示すように、前記ユニット本体51には、前記第1の球出口53bの近傍に、後方に開口する収納部62が形成されており、該収納部62に、第1の球出口53bからのパチンコ球Sの通過を規制可能なストッパ部材63が配設されている。前記ストッパ部材63は、前記収納部62内を前後に移動可能な丸棒状に形成されて、前記第1の球出口53bの近傍に形成した前記スリット65に臨ませ得る規制片63aを前端部側に設けてある。そして、前記規制片63aが前記スリット65を介して第1の球通路53内に突出してパチンコ球Sの通過を規制する球通過規制位置(図14または図15参照)と、規制片63aが第1の球通路53から退避してパチンコ球Sの通過を許容する球通過許容位置(図16または図17参照)との間を、前記ストッパ部材63が変位するようになっている。ここで、前記ストッパ部材63は、前記収納部62に設けたバネ部材(付勢手段)64により、常には球通過規制位置へ向けて付勢されている(図14または図15参照)。なお、前記ストッパ部材63を球通過規制位置に保持した状態では、該ストッパ部材63の後端部が収納部62(ユニット本体51)の後方へ突出するようになっている(図10参照)。
図10に示すように、前記ユニット本体51の裏側には、前記設置部55の直上方位置に、前記カバー部材90の上部を固定する略円形台状の固定台67が形成される。ここで、前記固定台67には、その略中央位置にネジ孔67aが形成されて、該ネジ孔67aを挟む左右両側に、後方に突出する突起部67bを夫々形成してある。また、前記ユニット本体51の裏側における前記設置部55の直下方位置には、後方へ向けて突出する支持片68,68が左右方向に離間して形成されて、両支持片68,68の間に、前記カバー部材90の下部を枢支する軸部69を形成してある。
ここで、前記球通路ユニット50は、ユニット本体51の下部に設けられる突出部(第1下係合手段)70と、ユニット本体51の上部に設けられる回転式係合部材(第1上係合手段)79とを介して、前記上枠部材21(上支持部38)と下枠部材22(下支持部46)との間に着脱可能に架設される。前記突出部70は、図11に示すように、前記ユニット本体51の下側前端部に、前記機能部材43の下支持部46に形成した前記下部係合孔47に挿脱し得るよう下方へ突設され、該突出部70を下部係合孔47に挿入することで、球通路ユニット50の下部を位置決めしている。なお、前記ユニット本体51の下側前端部には、ユニット本体51の左右側面から突出する枢軸71,71(図10〜図13参照)が形成されており、該枢軸71,71を前記下支持部46に形成した前記軸支部48,48で軸支するようになっている(図18参照)。すなわち、前記球通路ユニット50は、前記枢軸71,71を中心として上部側を所要角度だけ後方へ傾倒させ得るようになっている。
一方、前記回転式係合部材79は、図19に示すように、円板部80と、該円板部80の後面側に形成されて作業者が摘み操作可能な把持部81と、円板部80の前面側に形成されて、前記上枠部材21に形成した上支持部38の上部係合孔39に係脱自在に係合し得る一対の係合突部82,82とから構成されている。そして、前記ユニット本体51の上側後端部に、上方へ向けて突出する突出板部78を形成すると共に、該突出板部78に前後に貫通するよう挿通孔78aを形成して、該挿通孔78aに前記係合突部82,82を後方から挿入することにより、前記回転式係合部材79が突出板部78(ユニット本体51)に回転可能に組付けられる。なお、前記突出板部78の挿通孔78aと、前記上支持部38の上部係合孔39とは、前後に整列する位置関係に形成されて、挿通孔78aに挿入されている前記回転式係合部材79の係合突部82,82を上部係合孔39に挿入し得るよう構成されている。
すなわち、前記回転式係合部材79の係合突部82,82を上部係合孔39に挿入した状態で、該回転式係合部材79を略90°だけ回転操作すると、係合突部82,82が上部係合孔39の縁部に係合して、球通路ユニット50の上部が位置決め固定され、更に回転式係合部材79を略90°だけ回転操作すると、係合突部82,82と上部係合孔39との係合が解除され、球通路ユニット50の上部を上枠部材21から離脱させ得るようになっている。なお、前記ユニット本体51の上部には、前記第1の球入口53aの側部位置に、上方および前方に開口する凹部84(図10または図19参照)が形成されており、該凹部84に前記上枠部材21に形成した位置決め突部が臨むよう構成されている。すなわち、前記凹部84を画成する左右側壁(位置決め片)85,85が前記位置決め突部に当接して、球通路ユニット50の左右方向の位置決めを行なっている。
なお、前記ユニット本体51の裏側における上部位置(突出板部78の下方位置)には、基板取付部73が形成されており、該基板取付部73に中継基板75を着脱自在に配設し得るようになっている。また、図12に示すように、前記ユニット本体51における前記基板取付部73の下方近傍には、球検出センサ(図示せず)を着脱可能なセンサ取付部76が形成されており、該センサ取付部76に取付けた球検出センサにより、前記第1の球通路53内のパチンコ球Sの有無を検出している。なお、前記ユニット本体51には、所要位置に配線係止部87が形成され、前記中継基板75に接続する配線やその他の配線を所定位置に保持し得るよう構成されている。
次に、前記設置部55の開口部55aを開閉するカバー部材90について、該開口部55aをカバー部材90で閉成した状態を基準にして説明する。前記カバー部材90は、図10〜図13に示すように、前記設置部55の開口部55aに略整合する大きさに形成された被覆面部91と、該被覆面部91の下端部に形成されて前記ユニット本体51に形成した軸部69に回転可能に係合する係合フック92と、被覆面部91の上端部に形成されて、ユニット本体51の固定台67に当接して固定される当接部93とを備えている。なお、前記被覆面部91には、その外周縁から前側に延出する周壁91aが形成されており、カバー部材90の閉成時に前記設置部55に設置した球払出装置101を囲繞するようになっている。
また、前記当接部93には、前記固定台67に形成したネジ孔67aと前後に整列する位置に、前後に貫通する通孔93aが穿設されると共に、前記突起部67b,67bの夫々に対応する位置には、該突起部67b,67bを挿入可能な位置決め孔93b,93bが夫々穿設されている。すなわち、前記カバー部材90の閉成時に、前記固定台67の突起部67b,67bが対応の位置決め孔93b,93bに挿入されることで、カバー部材90が位置決めされて、この状態でカバー部材90(当接部93)の通孔93aを介して固定台67のネジ孔67aにネジを螺挿することで、カバー部材90が閉成状態で固定されるようになっている。
更に、図10、図14または図16に示すように、前記カバー部材90には、前記ユニット本体51に設けた前記ストッパ部材63に当接し得る位置に押え部94が形成されている。ここで、前記押え部94は、カバー部材90の閉成時には前記ユニット本体51の裏側に当接するよう構成される。従って、前記カバー部材90の閉成時には、前記押え部94がストッパ部材63に当接して、該ストッパ部材63を前記バネ部材64の付勢力に抗して前記球通過許容位置(図16参照)に保持するようになっている。一方、前記カバー部材90を開放した場合には、前記押え部94とストッパ部材63との当接が解除されるから、該ストッパ部材63はバネ部材64の付勢力により前記球通過規制位置(図14参照)へ変位される。すなわち、前記カバー部材90の開閉により、前記ストッパ部材63が球通過許容位置と球通過規制位置との間で変位するようになっている。
図13に示すように、前記被覆面部91には、前記球払出装置101に設けた前記球抜操作部103と前後に整列する位置に、前記設置部55内に連通可能な差込み口(窓部)95が前後に貫通するように形成されると共に、該差込み口95の近傍(図13における左側)には、後方に突出する位置規制片96を形成してある。すなわち、前記差込み口95に棒状部材や針金等を挿入することで、前記カバー部材90を閉成した状態で球払出通路102の球抜操作部103を操作し得るようになっている。また、前記被覆面部91には、左右方向に延在するガイド孔97,97が上下に離間する位置に形成されて、該ガイド孔97,97に遮蔽部材98が、差込み口95を挟んでスライド移動可能に配設してある。ここで、前記遮蔽部材98は、前記差込み口95を開放する位置(図13または図20(a)参照)から、該差込み口95を閉成する位置(図20(b)参照)に移動し得るようになっている。なお、前記被覆面部91における前記設置部55に臨む面には、前記ガイド孔97,97における前記差込み口95に近接する端縁側に、該ガイド孔97,97に向けて傾斜する傾斜案内部91b,91b(図20(a),(b)に一方の傾斜案内部91bを図示)を形成してある。
前記遮蔽部材98には、図20(a),(b)に示すように、前記差込み口95を開放する位置に保持した際に、前記傾斜案内部91b,91b側を指向するL字状の案内片98a,98a(図20(a),(b)には一方の案内片98aのみ図示)が形成されており、該案内片98a,98aを対応のガイド孔97,97に臨ませてある。従って、前記差込み口95を開放する位置から閉成する位置へ前記遮蔽部材98を移動させると、前記各案内片98aが前記被覆面部91に形成した傾斜案内部91bに沿って移動することで、遮蔽部材98の本体部分が被覆面部91に近接する方向に変位するようになっている。
また、前記遮蔽部材98における前記被覆面部91と対向する面には、前記差込み口95側に所要の厚さ寸法に設定されたシート状部材99(図20(a),(b)参照)を貼着してある。すなわち、前記差込み口95を開放する位置から閉成する位置へ前記遮蔽部材98を移動させることで、該遮蔽部材98の本体部が被覆面部91に近接する方向へ変位すると、前記シート状部材99が遮蔽部材98と被覆面部91との間に噛み込まれて、該遮蔽部材98の移動が困難となるよう構成されている。すなわち、実施例では、前記差込み口95を閉成する位置へ前記遮蔽部材98を一旦移動させた後は、該差込み口95を開放する位置への遮蔽部材98の移動が困難となる。
〔保護カバーについて〕
次に、前記遊技盤18の裏側を保護する保護カバー110について説明する。前記保護カバー110は、図2、図3または図21に示すように、前記図柄表示装置20の後方を保護するカバー本体111と、遊技盤18に対する不正行為を防止する不正行為防止部123とからなり、該カバー本体111および不正行為防止部123を前記中枠12の右枠部材24に枢支するよう構成されている。前記カバー本体111は、前記図柄表示装置20の背面と対向する背面部112と、前記中枠12の上枠部材21に当接する上面部113と、前記右枠部材24に枢支される第1側面部114(図21における左側の側面部)と、前記球通路ユニット50に当接する第2側面部115(図21における右側の側面部)とから、前方および下方へ開口するボックス状に形成されて、該保護カバー110により右枠部材24から球通路ユニット50までに亘り遊技盤18の裏側を覆うようになっている。また、前記カバー本体111は、遊技盤18の裏側の上側半分を覆う大きさに設定されて、該カバー本体111より下方に前記サブ制御装置104が位置して(図2参照)、保護カバー110を閉成した状態でサブ制御装置104に対する配線接続を行ない得るようになっている。
なお、前記上面部113、第1側面部114および第2側面部115の夫々には適宜の勾配が付与されて、背面部112から遊技盤18に向かって拡開する形状を呈して、特に上面部113へ落下したパチンコ球Sの停留を防止するようになっている。また、前記保護カバー110は、前記遊技盤18から後方へ突出する図柄表示装置20を収容し得る奥行き(深さ)寸法に設定される(図9参照)。なお、前記カバー本体111の背面部112には、パチンコ球Sが通過し得ない大きさ・形状に設定された横長スリット状の放熱孔112aが複数設けられており、保護カバー110の内側に配置した図柄表示装置20から発生する熱を外部へ排出し得るよう構成される。
図3または図22に示すように、前記カバー本体111における第1側面部114の前端部には、外方(左方向)へ向けて延出する第2位置規制突片(開放制限手段)114aが形成されて、該第2位置規制突片114aにおける上下方向に離間する2箇所に形成した切欠部114bに、保護カバー110を枢支する支軸(枢支手段)116を下方へ向けて突設してある。なお、図22は、前記カバー本体111の上部側に形成した第2位置規制突片114a、切欠部114bおよび支軸116を図示している。すなわち、前記各支軸116を、前記中枠12の右枠部材24に形成した軸受部24aの軸孔24bに上方から挿入することで、前記保護カバー110を開閉可能に枢支するようになっている。ここで、前記第2位置規制突片114aは、保護カバー110を開放した際に第1位置規制突片24cに当接して保護カバー110の開放方向への変位を規制するようになっている。なお、前記第2位置規制突片114aは、保護カバー110の回動角度が略100°〜110°となるよう形成してあるが、これに限らず任意に設定することができ、例えば第2位置規制突片114aの左端部を前方あるいは後方に位置するよう第2位置規制突片114aが傾斜することで、保護カバー110の回動角度を変更し得る。
また、前記第2側面部115の前側下端部近傍および上面部113の前側左端部近傍には、外方に突出する固定具取付部118が形成されており、該固定具取付部118に出没式の固定具(固定手段)119が配設されている。前記固定具119は、前記固定具取付部118の後側に操作部119aが位置すると共に、該固定具取付部118の前側に図示しない係止部が位置して、後方から操作部119aを押圧操作すると、係止部が拡開する固定位置へ変位し、操作部119aを引っ張り操作により係止部が縮小する固定解除位置へ変位するタイプの部材である。そして、前記固定具119を固定解除位置に保持した状態で前記上枠部材21および球通路ユニット50に形成した係止筒部29a,52bに係止部を挿入し、この状態で固定具119の操作部119aを押圧操作して係止部を固定位置へ変位させることで、係止部と係止筒部29a,52bとが係合して保護カバー110が閉成状態で固定される。反対に、前記固定具119の操作部119aを引っ張り操作して係止部を固定解除位置へ変位させることで、係止部と係止筒部29a,52bとの係合が解除されて保護カバー110を開放し得るようになっている。すなわち、固定具119を操作して係止筒部29a,52bと係脱することで、保護カバー110を閉成状態で保持し、あるいは開放し得るよう構成されている。
前記第2側面部115の前端部には、外方(球通路ユニット50側)へ突出する第1位置決め片120が形成されると共に、前記上面部113の前端部には、上方へ突出する第2位置決め片121が該上面部113の左右方向の略全長に亘って形成されている。ここで、前記第1位置決め片120は、前記保護カバー110を閉成した際に前記球通路ユニット50のユニット本体51の背面に当接し、前記第2位置決め片121は、保護カバー110を閉成した際に前記球タンク26およびタンクレール34の後壁部29に当接するよう設定される。すなわち、前記第1および第2位置決め片120,121が、対応する球通路ユニット50のユニット本体51および後壁部29の夫々に当接することで、保護カバー110を閉成した際に、該保護カバー110を閉成位置で位置規制し得るようになっている。
前記不正行為防止部123は、背面部124、側面部125および下面部(図示せず)から構成されて、該不正行為防止部123の背面部124および側面部125が、前記カバー本体111における対応する背面部112および第1側面部114と同一平面上に位置するようネジ126を介してカバー本体111にネジ止め固定される。すなわち、前記不正行為防止部123は、前方、上方および左枠部材23側へ開口するよう形成されて、該不正行為防止部123の内側に各種部材を配置し得るよう構成されている。なお、実施例では、前記不正行為防止部123は、前記保護カバー110の下端から遊技盤18の下端部より下方(実施例では、機能部材43の上下方向の略1/3)まで延在する大きさに寸法設定されており、該不正行為防止部123の内側に、機能部材43に配置した中継基板107の一部が臨むようになっている。
前記不正行為防止部123の側面部には、前記カバー本体111の第1側面部114と同様に、外方(左方向)へ向けて延出する第2位置規制突片114aが形成されると共に、該第2位置規制突片114aに形成した切欠部114bに、保護カバー110を枢支する支軸116が下方へ向けて突設されている。なお、不正行為防止部123の第2位置規制突片114a、切欠部114bおよび支軸116は、図2、図3および図21において前記カバー本体111に設けた第2位置規制突片114a、切欠部114bおよび支軸116と同一の符号を付してある。そして、前記各支軸116を、前記中枠12の右枠部材24に形成した軸受部24aの軸孔24bに上方から挿入することで、不正行為防止部123を開閉可能に枢支している。従って、前記カバー本体111を開閉操作することで、該カバー本体111に合わせて不正行為防止部123も一体で開閉する、すなわち保護カバー110全体が開閉するようになっている。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。
実施例に係るパチンコ機10では、中枠12を上枠部材21、下枠部材22、左枠部材23および右枠部材24から構成して各枠部材21,22,23,24を別部材とすると共に、該上枠部材21に、球タンク26およびタンクレール34の夫々を一体成形するよう構成してある。すなわち、前記球タンク26やタンクレール34を別途取付ける必要がないから、組付け作業の簡略化を図り得る。また、従来のように、球タンク26およびタンクレール34を取付けるために、中枠12の上方位置まで機能部材43を延在させる必要がない。すなわち、中枠12の上方位置に機能部材43を設置固定する設置領域を確保する必要がないから、遊技盤設置用の開口領域12aを中枠12の上方に拡げることが可能となる。従って、上下方向の寸法の大きな遊技盤18を中枠12に組付けることができると共に、遊技盤18に大型の図柄表示装置20を配設することで、遊技演出の多様化やインパクト、迫力の向上が図られ、遊技の興趣を増大することができる。
ところで、前記球タンク26に貯留したパチンコ球Sは、パチンコ機の前側における遊技盤18の下方に配置した上下の球皿14,15に給出する必要があり、また場合によっては第1の球通路53に流入したパチンコ球Sを設置枠台の回収樋に回収する必要がある。このような場合に、従来と同様、機能部材43を中枠12の上方位置まで延在させて、該機能部材43の第1および第2球流通路44,45をタンクレール34に連通接続するよう構成する場合には、中枠12の側部に機能部材43の設置領域を確保する必要があるため、中枠12に占める遊技盤設置用の開口領域12aの大きさが制限されることとなる。
これに対し、実施例では、前記タンクレール34と、機能部材43に設けた第1および第2球流通路44,45とを、別途設けた球通路ユニット50を介して連通接続するよう構成したから、タンクレール34(球タンク26)のパチンコ球Sを上下の球皿14,15に確実に給出し得ると共に、必要に応じてパチンコ球Sを設置枠台の回収樋に回収することができる。このように、球通路ユニット50を設けたことで、機能部材43をタンクレール34の近傍まで延在させることなくタンクレール34(球タンク26)のパチンコ球Sを上下の球皿14,15に給出し得るから、機能部材43を下枠部材22の裏側に対応する大きさに形成することができる。すなわち、中枠12の側部に前記機能部材43の設置領域を確保する必要がないから、遊技盤設置用の開口領域12aを左右方向に拡げることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤18を中枠12に組付けることが可能となる。従って、左右方向に大きな図柄表示装置20を前記遊技盤18に配設することが可能となるから、遊技演出の多様化やインパクト、迫力の向上が図られ、遊技の興趣を増大することができる。
ここで、前記球通路ユニット50は、球払出装置101を設置する設置部55の後端部側に通路形成部52(第1の球通路53)が形成されて、通路形成部52、設置部55および画壁56により空間部57を画成するようになっている。すなわち、前記通路形成部52(第1の球通路53)と、遊技盤18の裏面とが離間するから、遊技盤18に設けた図柄表示装置20を前記空間部57に臨ませることが可能となる。このように、前記空間部57に図柄表示装置20を臨ませることで、遊技盤18に左右方向に大型の図柄表示装置20を配設したとしても、図柄表示装置20が球通路ユニット50に干渉する等の不都合を防止できる。また、前記空間部57は、前側および遊技盤18の中心側(球通路ユニット50を偏って配置した側とは反対側)に開放するから、図柄表示装置20のように空間部57内に収まらない大型の部品の一部を、該空間部57に臨ませることができる。なお、実施例では、前記空間部57の開口方向から図柄表示装置20を臨ませ得るから、球通路ユニット50を取付けた状態で、図柄表示装置20を遊技盤18(保持手段19)に着脱することが可能となる。また、球通路ユニット50に画壁56を設けたことで、該球通路ユニット50の全体的な剛性を図り得る。従って、実施例のように、前記上枠部材21(上支持部38)と下枠部材22(下支持部46)との間に球通路ユニット50を架設することで、球通路ユニット50に対して直接負荷が掛る場合であっても、該球通路ユニット50の損傷を防止することができる。
ところで、前記タンクレール34は、第1球経路35の前側に第2球経路36が位置し、該第2球経路36に球排出口36bが開設されている。すなわち、タンクレール34の球排出口36bは、遊技盤18の裏面に近接した位置に設けられていることから、球通路ユニット50の第1の球通路53を、球排出口36bから鉛直方向に延在するよう構成した場合には、前記空間部57の前後方向の確保が困難となり、図柄表示装置20と球通路ユニット50とが干渉する虞がある。そこで、実施例では、前記タンクレール34の球排出口36bに接続する第1の球入口53aを球通路ユニット50(ユニット本体51)の前側に形成し、該第1の球入口53aから下方に向かうにつれて後方へ延在させた後に鉛直方向に延在するよう前記第1の球通路53を形成したから、前記空間部57の前後方向の寸法を大きくでき、大型の図柄表示装置20をユニット本体51に干渉することなく空間部57に臨ませ得る。
更に、実施例では、前記ユニット本体51に形成した第2の球通路54を、下方に向かうにつれて前側に傾斜させると共に、第2の球出口54bをユニット本体51の前端部側に位置するよう形成してある。このため、前記第2の球通路54に連通する機能部材43の第1球流通路44を必要以上に後方まで延在させる必要がないから、該機能部材43の後方への突出を抑制することが可能となる。従って、パチンコ機10を遊技店における所定の設置枠台に設置した場合に、該設置枠台に設けられた各種設備と機能部材43との干渉を防止することができる。
また、球払出装置101を着脱する設置部55の開口部55aを、カバー部材90で開閉すると共に、該カバー部材90を1本のネジで固定して開口部55aを閉成するよう構成したことで、このネジの取外しおよび締め付けを行なうだけで球払出装置101を着脱することができ、着脱作業を容易に行ない得る。更に、前記カバー部材90は、下部側に設けた係合フック92を介してユニット本体51に枢支されているから、前記ネジを取外した際に、作業者がカバー部材90を開放状態で保持することなく開放させておくことができる。従って、作業者は両手を用いて作業を行なうことができ、作業性が向上する利点がある。
また、前記カバー部材90には、設置部55に配設した球払出装置101の球抜操作部103と対応する位置に、差込み口95を形成してある。従って、前記カバー部材90で設置部55の開口部55aを閉成した状態であっても、カバー部材90の差込み口95を介して球抜操作部103を操作することができるから、球抜作業の作業性向上を図り得る。殊に、パチンコ機製造過程においては、パチンコ機10の出荷前に、球通路ユニット50内に残留するパチンコ球Sを完全に排出する必要性があるため、前記球抜操作部103の操作の必要性が高い。このような場合には、前記カバー部材90をその都度開放することなく差込み口95を介して球抜操作部103を操作すればよいから、作業性を効果的に向上し得る利点がある。
また、前記カバー部材90には、前記差込み口95を開閉可能に閉成する遮蔽部材98を設けてあるから、前記球払出装置101の球抜操作部103を操作しないときには、該遮蔽部材98により差込み口95を閉成でき、該球抜操作部103の誤操作や不正操作を防止することが可能である。更に、実施例では、前記差込み口95を閉成する位置に前記遮蔽部材98を移動した後は、該差込み口95を開放する位置に遮蔽部材98を移動するのを困難となるよう構成してあるから、前記球抜操作部103の操作頻度が極めて低い遊技店への設置後においては、前記遮蔽部材98で差込み口95を閉成することで、球抜操作部103の誤操作や不正操作を確実に防止することができる。なお、実施例のように、前記差込み口95を開放する位置への遮蔽部材98の移動を困難とした場合であっても、前述したように、前記カバー部材90を開放することで、前記球抜操作部103を操作できるから、遊技店においても球抜操作部103を操作することは可能である。
次に、球通路ユニット50の着脱固定構造について説明する。前記球通路ユニット50を取付けるに際しては、前記ユニット本体51の下端部側に形成した突出部70を、前記機能部材43に形成した下支持部46の下部係合孔47に挿入することで、下部が位置決めされる。このとき、前記下支持部46に形成した軸支部48,48の上方開口を介して、該軸支部48,48に前記ユニット本体51に形成した枢軸71,71が軸支される。この状態で、前記ユニット本体51の上部側を上枠部材21に向けて揺動(近接)すると、ユニット本体51の上部位置に形成した突出板部78が上枠部材21に形成した上支持部38に当接する。このとき、前記突出板部78の挿通孔78aと、前記上支持部38の上部係合孔39とが前後に整列するから、該突出板部78に設けた回転式係合部材79の係合突部82が上部係合孔39に突入する。そして、この状態で前記回転式係合部材79を回転することで、前記係合突部82が上部係合孔39の縁部と係合し、ユニット本体51の上部が位置決め固定される。
一方、前記球通路ユニット50を取外すに際しては、取付ける場合と反対の操作をすればよい。すなわち、前記回転式係合部材79を回転操作して前記係合突部82と上部係合孔39との係合を解除し、ユニット本体51を後方へ揺動(離間)する。その後、ユニット本体51を上方に引き上げて、前記下支持部46の下部係合孔47からユニット本体51の突出部70を抜出すことで、球通路ユニット50を取外すことができる。すなわち、前記球通路ユニット50は、前記下部係合孔47と突出部70、および前記上部係合孔39と回転式係合部材79(係合突部82)とを夫々係脱させることで、前記球通路ユニット50を着脱できるから、該球通路ユニット50の着脱を容易に行ない得る。
更に、前記球通路ユニット50を着脱し得るよう構成したことで、該球通路ユニット50を取外した状態で前記空間部57に臨むよう遊技盤18の裏側に図柄表示装置20を配置し、その後に球通路ユニット50を取付けることができる。反対に、前記空間部57に臨む図柄表示装置20を取外すには、球通路ユニット50を一旦取外した後に作業を行なうことができる。すなわち、前記図柄表示装置20の遊技盤18(保持手段19)への着脱作業や、各種配線の接続作業等を行なうに際して、前記球通路ユニット50が作業を阻害するのを防止し得る利点がある。また、実施例では、前記球通路ユニット50の枢軸71,71を、機能部材43の下支持部46に設けた軸支部48,48で回転可能に支持するようにしてあるから、球通路ユニット50を後方に傾倒するだけで前記図柄表示装置20の着脱を行なうことも可能である。従って、前記図柄表示装置20の着脱作業をより効率的に行なうことが可能となる。殊に、各種配線の接続作業等のように、球通路ユニット50を取外すことなく行なうことが可能な作業に関し、作業性の向上により大きく寄与し得る利点がある。
また、前記ユニット本体51の上部に凹部84を形成し、該凹部84に上枠部材21の上支持部38に形成した位置決め突部が挿入されるよう構成したことで、該ユニット本体51における凹部84を画成する側壁85,85が位置決め突部の左右両側に当接するから、球通路ユニット50の左右方向の位置決めを好適に行ない得る。このとき、前記上枠部材21の上支持部38に形成した支持壁部40,40が前記ユニット本体51の側壁85,85の外側面に当接することで、より確実に球通路ユニット50の左右方向の位置決めをすることができ、前記回転式係合部材79と上部係合孔39との係脱作業を容易になし得る。
また、前記カバー部材90を開放すると、前記設置部55の上方に設けたストッパ部材63がバネ部材64の付勢力により球通過規制位置へ変位する。すなわち、前記ストッパ部材63の規制片63aが前記第1の球通路53に突出して、パチンコ球Sが設置部55(球払出装置101)に到来するのは規制されるから、前記第1の球通路53にあるパチンコ球Sを設置部55内に落下させることなく、球払出装置101を設置部55から取外すことができる。
一方、前記設置部55に球払出装置101を設置して、前記カバー部材90を閉成すると、該カバー部材90に設けた押え部94が前記バネ部材64の弾性力に抗してストッパ部材63を球通過規制位置から球通過許容位置へ変位させる。このため、前記第1の球通路53にあるパチンコ球Sを、前記第1の球出口53bを介して球払出装置101に供給することができるから、該球払出装置101の作動条件に従って、パチンコ球Sを上下の球皿14,15に払出すことが可能である。このように、前記カバー部材90を開閉することでストッパ部材63が球通過規制位置と球通過許容位置との間で変位するよう構成したことで、前記球払出装置101の着脱に際して、作業者が個別にストッパ部材63を操作する必要がないから、球払出装置101の着脱作業の作業性向上を図り得る。
また、実施例では、前記球タンク26のタンク底面27を、右枠部材24から左枠部材23に向けて下方傾斜するよう形成すると共に、該球タンク26の下流端側に、その傾斜に沿う方向に延在するようタンクレール34を連接したことで、パチンコ球Sをスムーズに流下させ得る状態を維持したまま、球タンク26およびタンクレール34の上下方向の大きさをコンパクトにできる。従って、遊技盤18に設けた図柄表示装置20等の遊技部品が球タンク26やタンクレール34に接触し難くなるから、遊技盤18により大型の図柄表示装置20等を配設することが可能となる。これにより、遊技演出の多様化やインパクト、迫力の向上を図り、遊技の興趣の増大が可能となる。
ここで、実施例のように、上枠部材21の本体に、球タンク26およびタンクレール34を一体成形した場合に、上枠部材21の本体の裏側に球タンク26およびタンクレール34が臨む(隠れる)構成では、中枠12の開口領域12aを上方に拡げるために上枠部材21の本体の上下方向の厚みを小さくすると、球タンク26に十分な深さ寸法を確保することは困難となる。このため、球タンク26に十分なパチンコ球Sを貯留できず、大当り等のように多数のパチンコ球Sが排出される場合に球切れ等の不具合が生ずる可能性が高くなる。しかるに、実施例のパチンコ機10では、前記球タンク26およびタンクレール34の一部が前記中枠12の開口領域12aの後方に臨み、中枠12の開口領域12aに遊技盤18を設置した際に、前記球タンク26およびタンクレール34が遊技盤18と前後に重なるよう構成されている。このため、球タンク26の深さ寸法を大きくして貯留空間32の容積を大きくできるから、該球タンク26に多数のパチンコ球Sを貯留し得る。
なお、中枠12の各枠部材21,22,23,24を分離可能な別部材としたことで、球タンク26およびタンクレール34を一体成形する際の成形性が向上し、製造コストの低減を図り得る。また、各枠部材21,22,23,24を別部材とすることで、損傷した枠部材21,22,23,24のみを交換することができ、コストの削減や廃棄物の低減に寄与し得る利点がある。
次に、遊技盤18の裏側を保護する保護カバー110の作用について説明する。前記保護カバー110(カバー本体111および不正行為防止部123)の各支軸116を、前記中枠12の右枠部材24に形成した軸受部24aの軸孔24bに上方から挿入することで、該保護カバー110が開閉可能に組付けられる。この状態で、前記保護カバー110を閉成して上面部113および第2側面部115に設けた各固定具119の係止部を、前記上枠部材21の後壁部29および球通路ユニット50における通路形成部52に形成した係止筒部29a,52bに挿入し、該固定具119を固定解除位置から固定位置へ押圧操作することで、保護カバー110を閉成状態で保持し得る。ここで、前記保護カバー110を閉成した際には、保護カバー110の上面部113および第2側面部115に形成した第1および第2位置決め片120,121が、前記後壁部29および球通路ユニット50の通路形成部52に当接して保護カバー110の回動が規制される。すなわち、前記固定具119の位置合わせを容易に行ない得るから、該保護カバー110の固定作業を容易に行ない得る。
一方、前記保護カバー110を開放するに際しては、前記各固定具119を引っ張り操作して、各固定具119の係止部と対応する係止筒部29a,52bとの係合を夫々解除するだけでよいから、保護カバー110の開閉を簡単に行なうことができる。従って、前記保護カバー110(カバー本体111)の内側に配置される図柄表示装置20の交換作業やメンテナンス作業等を容易に行なうことが可能である。ここで、固定具119と係止筒部29a,52bとの係合を解除して前記保護カバー110を開放した際には、該保護カバー110に形成した第2位置規制突片114aが前記右枠部材24に形成した前記第1位置規制突片24cに当接して開放規制される。このように、前記第1および第2位置規制突片24c,114aを設けて保護カバー110の開放範囲を制限することで、保護カバー110を開放した際に保護カバー110が不用意に他部材に接触するのを防止でき、当該保護カバー110や他部材の損傷等を防ぐことができる。
また、遊技店の設置枠台にパチンコ機10を設置した状態においては、前記保護カバー110を開放するには、外枠11に対して中枠12を開放した状態で該中枠12に対して保護カバー110を開放する必要がある。外枠11に対して中枠12を枢支する左枠部材23とは反対側の右枠部材24に保護カバー110を枢支してあるから、保護カバー110の開放を制限しないと、保護カバー110が遊技店内の通路側に大きく飛び出ることとなり、該通路の通行に支障を来たすと共に、通行時に保護カバー110に接触して損傷等する殊も考えられる。これに対して、実施例では、前述のように前記第1および第2位置規制突片24c,114aにより保護カバー110の開放範囲を制限し得るから、保護カバー110を開放した際に、該保護カバー110が遊技店内の通路に大きく飛び出すのを防止でき、該通路の通行時に保護カバー110に接触して損傷するのを防ぐことが可能となる。
また、外枠11に対して中枠12を枢支する左枠部材23に保護カバー110を枢支した場合には、保護カバー110を開放するに際して、中枠12を外枠11に対して大きく開放させる必要があり作業性が劣る問題を有する。これに対して、実施例では、外枠11に対して中枠12を枢支する左枠部材23とは反対側の右枠部材24に保護カバー110を枢支するよう構成したことで、保護カバー110を開放するに際して中枠12を大きく開放する必要はないから、該保護カバー110の開閉の利便性が向上する利点がある。
ここで、前記遊技盤18に配設した図柄表示装置20の後方は、前記保護カバー110で覆われると共に、前記球通路ユニット50の空間部57に臨む部位については該球通路ユニット50で覆われて保護される。すなわち、前記球タンク26やタンクレール34からパチンコ球Sが落下しても、該パチンコ球Sが保護カバー110の内側に進入することはないから、前記図柄表示装置20にパチンコ球Sが接触して損傷等の不具合を生ずることはない。なお、前記保護カバー110の上面部113を傾斜させてあるから、前述の如く落下したパチンコ球Sが上面部113に停留するのを防止し得る。なお、前記上面部113の左右方向の略全長に亘って前記第2位置決め片121を形成し、該第2位置決め片121を上枠部材21の後壁部29に当接するよう構成してあるから、球タンク26やタンクレール34から落下したパチンコ球Sが、該上面部113と後壁部29との間から保護カバー110の内側に進入するのを確実に防止できる。
また、実施例では、前記保護カバー110を中枠12の右枠部材24に枢支すると共に、保護カバー110の固定具119を前記球通路ユニット50および上枠部材21の夫々に形成した係止筒部29a,52bに対して係合させるよう構成したことで、該保護カバー110を枢支する部材や、固定具119を固定する部材を中枠12に別途配置する必要がない。更に、前述のように、前記球通路ユニット50は、前記遊技盤18と前後に重なるよう前記上枠部材21および下枠部材22に架設してある。従って、前記中枠12の開口領域12aを左右の枠部材23,24側に最大限拡げて、左右方向に大型化した遊技盤18を設けることができ、遊技演出の多様化やインパクト、迫力の向上を図り、遊技の面白みを増大させることが可能となる。また、前記球通路ユニット50を、前記保護カバー110を枢支する右枠部材24とは反対側に位置する左枠部材23側に偏った位置に架設してあるから、該球通路ユニット50に保護カバー110を固定するよう構成したとしても、遊技盤18に配置した大型の図柄表示装置20を確実に保護することができる。
そして、前記中枠12は、前記遊技盤18や、前枠13等の各種の遊技機構成部品の設置部材として機能するため、パチンコ機10における各種の遊技機構成部品において非常に高い剛性を備えるよう形成される。すなわち、実施例のように、前記保護カバー110を前記中枠12の右枠部材24に枢支して、該保護カバー110の荷重を右枠部材24で支持するよう構成することで、保護カバー110を固定した前記球通路ユニット50に必要以上の負荷が掛かるのを防止できる。ここで、前述したように、前記球通路ユニット50は、前記上枠部材21および下枠部材22の間に着脱可能に架設されることから、該球通路ユニット50に対する負荷軽減が求められる。そこで、実施例では、前記保護カバー110の上端部に設けた固定具119を、前記中枠12の上枠部材21に設けた係止筒部29aに対して着脱自在に固定するよう構成してあるから、該保護カバー110を分散して支持することができ、前記球通路ユニット50に掛かる負荷を軽減し得ると共に、保護カバー110の安定性が向上する。
ところで、パチンコ機10は前述したように外枠11を遊技店の設置枠台に固定することで、複数台のパチンコ機10を並設するよう構成される。この場合に、隣接するパチンコ機10の間には、若干の隙間が生ずることがある。すなわち、このような隙間が生ずると、該隙間から挿入した針金等の異物を遊技盤18側まで侵入させて不正行為が行なわれる可能性がある。そこで、実施例では、右枠部材24側に保護カバー110(カバー本体111および不正行為防止部123)を設けて、右枠部材24と外枠11との間に生じた隙間から仮に異物を挿入されたとしても、該異物が遊技盤18側まで侵入するのを阻止し得るから、不正行為を効果的に防ぐことができる。
また、遊技盤18の裏側に配設したサブ制御装置104に対する配線接続や交換・メンテナンス作業等を容易に行ない得るようするためには、該サブ制御装置104の後方はカバー本体111で覆わず、開放させることが好ましい。この場合に、実施例のように不正行為防止部123を別途設けることで、前記遊技盤18におけるサブ制御装置104に対応する箇所への異物の侵入を防止し得ると共に、サブ制御装置104に対する配線接続や交換・メンテナンス作業等の利便性を確保することができる。なお、前記不正行為防止部123を前方、後方および左枠部材23側に開放するよう形成したことで、前記遊技盤18や機能部材に配設した部材を不正行為防止部123の内側に臨ませることができ、スペースの有効利用を図り得る利点もある。
〔変更例〕
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。例えば、実施例では、保護カバーをカバー本体と不正行為防止部とから構成するようにしたが、カバー本体のみから構成するようにしてもよい。また、カバー本体と不正行為防止部とを独立して開閉し得るよう構成することも可能である。更に、保護カバーの形状・大きさに関しては、実施例にものに限定されるものではなく、遊技盤の裏側に突出する図柄表示装置やその他の遊技部材を保護し得る形状・大きさに設定するようにすればよい。なお、前記遊技盤に配設して保護カバーで保護する遊技部品としては、実施例の図柄表示装置に限定されるものではなく、可動部材を動作させてパチンコ球を入賞させる形式の電動式入賞装置や各種制御装置等、その他遊技盤の裏側に配設される各種部品を採用し得る。
実施例では、保護カバーを球通路ユニットと中枠の上枠部材に着脱可能に固定するようにしたが、球通路ユニットにのみ固定するようにしてもよい。また、保護カバーを着脱固定する固定手段として、実施例では、出没式の固定具を用いるようにしたが、これに限定されるものではなく、従来公知の各種固定手段を採用することが可能である。同様に、保護カバーを枢支する枢支手段についても、実施例のものに限られるものではなく、従来公知の枢支手段を任意に選択して採用することができる。
実施例では、球通路ユニットの下方位置に、球払出装置の設置部を設けるよう構成したが、これに限られるものではなく、設置部を球通路ユニットの上方位置に設けるようにしてもよい。すなわち、前記設置部は、球通路に形成される球通路の経路途中に形成するよう構成すればよい。なお、本発明において、「球通路の経路途中」とは、球通路ユニットにおけるタンクレールに接続する球入口(実施例における第1の球入口53a)、および機能部材の球流通路に接続する球出口(実施例における第2の球出口54b)の間を示すものである。従って、球通路ユニットにおけるタンクレールに接続する球入口(実施例における第1の球入口53a)を設置部に開口させたり、機能部材の球流通路に接続する球出口(実施例における第2の球出口54b)を設置部に開口させることも可能である。
実施例では、球通路ユニットを、前記上枠部材および下枠部材(機能部材)に対して左枠部材側に偏った位置に架設したが、これに限られるものではなく、タンクレールや機能部材の球流通路の形成位置に応じて、上枠部材および下枠部材(機能部材)の任意位置に架設することができる。ここで、実施例では、保護カバーを中枠の右枠部材に枢支するよう構成したが、前記球通路ユニットを上枠部材および下枠部材(機能部材)における中枠の右枠部材に偏った位置に架設することもできる。但し、この場合には前記保護カバーを中枠の左枠部材に枢支することが好ましい。すなわち、前記球通路ユニットを中枠の右枠部材側に偏る位置で上枠部材および下枠部材の間に架設すると共に、前記保護カバーを中枠の左枠部材に枢支することで、実施例と同様に遊技盤の裏側を保護することができる。このように、前記保護カバーは、前記球通路ユニットを架設する位置に応じて左右の側枠部材の何れかに枢支するよう構成することができる。なお、前記保護カバーは、該保護カバーの開閉の利便性の観点からは、前記球通路ユニットを外枠に対して中枠を枢支する側枠部材に偏った位置で上枠部材および下枠部材の間に架設して、該外枠に対して中枠を枢支する側枠部材とは反対側の側枠部材に保護カバーを枢支するよう構成することが好ましい。
なお、本発明における「球通路ユニットを架設する上枠部材」とは、上枠部材の本体に球通路ユニットを直接取付ける構成に限らず、該上枠部材に設けられる球タンクやタンクレールに球通路ユニットを取付ける構成を含むものである。同様に、本発明における「球通路ユニットを架設する下枠部材」とは、下枠部材の本体に球通路ユニットを直接取付ける構成に限らず、該下枠部材に設けられる機能部材に球通路ユニットを取付ける構成を含むものである。
実施例では、球通路ユニットを左右何れか一方に偏る位置に配設して、前側および該球通路ユニットが偏る側とは反対側に開放するよう前記空間部を画成したが、少なくとも前側に開放するよう構成すれば、該空間部に遊技盤の裏側に設けた遊技部品を臨ませることが可能である。なお、球通路ユニットにおける空間部の左右両側部を開放するよう構成することで、該球通路ユニットを上枠部材および下枠部材(機能部材)の中央近傍に架設した場合でも、空間部に大型の遊技部品を臨ませることができる。
また、実施例では、球通路ユニットに形成した第1の球通路を、その上方位置において前方に傾斜する屈曲状に形成したが、設置部の後方位置から略鉛直方向に延在するようにしてもよい。すなわち、前記第1の球通路の球入口(第1の球入口)をユニット本体の後端部で上方に開口するよう形成し、該球入口と対応する位置に前記タンクレールの球排出口を形成することで、前記空間部の領域を大きく確保することが可能となる。同様に、球通路ユニットに形成した第2の球通路を、その下方位置において前方に傾斜するよう形成したが、設置部の後方位置から略鉛直方向に延在することも可能である。すなわち、前記第2の球通路の球出口(第2の球出口)をユニット本体の後端部で下方に開口するよう形成し、該球出口に連通するように前記機能部材に形成した球流通路の球入口を形成することが可能である。但し、遊技機を設置する設置枠台の設備との関係で、実施例のように、前記第2の球通路の球出口(第2の球出口)を球通路ユニットの前端部側に形成し、機能部材の後方への突出量を抑制するのが好適である。
実施例では、球通路ユニットの上部に回転式係合部材を配設すると共に下部に突出部を形成し、該回転式係合部材を上枠部材の上部係合孔に係合させ、突出部を機能部材の下部係合孔に係合させることで、該球通路ユニットを上枠部材と下枠部材(機能部材)に架設するようにしたが、これに限られるものではない。すなわち、前記球通路ユニットの上端部近傍に第1上係合手段を設けると共に、前記上枠部材に該第1上係合手段と係脱可能に係合する第2上係合手段を設け、前記球通路ユニットの下端部近傍に第1下係合手段を設けると共に、前記機能部材に該第1下係合手段と係脱可能に係合する第2下係合手段を設けるよう構成すれば、従来公知の各種係合手段を採用し得る。従って、例えば、球通路ユニットの上下の端部近傍に係合手段として回転式係合部材を設けると共に、上枠部材および機能部材に該回転式係合部材と係脱可能に係合する係合孔を設けるようにしてもよい。
また、実施例では、球通路ユニットの設置部の開口部を開閉するカバー部材を下端部側で枢支するようにしたが、これに限られず、設置部の上部側あるいは側部側に回転可能に枢支するようにしてもよい。また、カバー部材を閉成状態で保持する固定手段としては、実施例のネジに限られるものではなく、フック等の係合手段により閉成状態に保持することもできる。
なお、実施例では、前記設置部を後方に開口するようにしたが、前方または左右側方に開口するようにしてもよく、開口部を介して設置部に設置した球払出装置を着脱し得るよう構成すればよい。また、カバー部材は、前記設置部の開口部の開設位置に対応して配設することができる。
また、前記カバー部材に形成する窓部の位置は、実施例に示す位置に限られず、球払出装置に形成される球抜操作部と対応する位置に形成すればよい。更に、前記窓部の大きさ・形状は、カバー部材を閉成した状態で前記球払出装置の球抜操作部を操作し得るものであれば、任意に変更することが可能である。
実施例では、前記窓部を開閉する遮蔽部材にシート状部材を貼着することで、該窓部を閉成する位置へ遮蔽部材を一旦移動させた後は、該窓部を開放する位置への遮蔽部材の移動が困難となるよう構成したが、これに限定されるものではない。例えば、遮蔽部材に第1の係合部を形成すると共に、該係合部と分離不能に係合可能な第2の係合部をカバー部材に形成して、前記窓部を閉成する位置に遮蔽部材を移動した際に、該第1の係合部と第2の係合部とが係合するよう構成することも可能である。なお、前記窓部を閉成するだけで、前記球払出装置の球抜操作部の誤操作や不正操作を抑制し得るのであるから、前記遮蔽部材により窓部を繰り返して開閉し得るように構成してもよい。この場合には、遊技店においてもカバー部材を開放することなく球抜操作部を操作し得る利点がある。
実施例では、第1の球通路の球出口近傍に設けたストッパ部材を球通過規制位置へ付勢する付勢手段としてバネ部材を用いたが、ゴム等の弾性部材も好適に採用し得る。また、前記ストッパ部材の配設位置に関しても、実施例のものに限られず、設置部の開口部を閉成したカバー部材に当接する位置に配設することで、該カバー部材の開閉によりストッパ部材を球通過規制位置から球通過許容位置へ変位することができる。
実施例では、中枠を構成する上下左右の各枠部材を個別の部材として形成したが、これに限られるものではなく、少なくとも上枠部材を分離可能に設けるようにすれば、他の枠部材を一体で形成しても、実施例と同様の作用効果を得ることができる。
実施例では、球タンクおよびタンクレールの夫々を上枠部材の本体と一体成形するよう構成したが、球タンクおよびタンクレールの何れか一方または両方を上枠部材と別体に形成して、上枠部材の本体の裏側に組付けるよう構成することも可能である。また、球タンクおよびタンクレールの形状・構成に関しては、実施例のものに限られず、任意に変更することができる。従って、実施例では球タンクの底面を右枠部材側から左枠部材側へ向けて下方傾斜させ、該球タンクの下流側にタンクレールを並設するよう構成したが、反対方向に傾斜するようにしてもよい。また、球タンクは、遊技球を貯留可能な形状・大きさに形成すればよく、タンクレールに関しては球タンクからの遊技球を一列状態で流下させ得るよう形成すれば、従来公知のタンクレールの構成を採用できる。
実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、外郭をなす外枠に開閉可能に組付けられる中枠に遊技盤を保持した遊技機であれば、アレンジボール機等の従来公知の各種遊技機を採用し得る。