JP4906905B2 - 電極アセンブリ - Google Patents

Description

本発明は医療用の電極アセンブリに関し、特に体外除細動器と共に使用される電極アセンブリに関する。

電極は医学分野で幅広く応用されている。例えば、電極は患者に除細動ショックを提供するために体外除細動器と共に使用される。
一般に、除細動処置のために、２つの分離した電極が患者に貼り付けられる。除細動ショックを効果的にするためには、一方の電極から他方まで流れる電流が、患者の心臓を横切るか心臓付近を通過する（理想的には心室を通過する）直線に沿って通過するように、電極が配置されることが重要である。電極と患者の皮膚との間で皮膚接触が良好になされることも必要である。

救急処置中に電極を正確に配置することは、一般の介護者にとっても熟練した介護者にとっても難しい。また皮膚接触を良好にすることも困難であり、特に電極が患者の身体の外形に十分に一致していない場合に困難である。除細動器の電極の正確な配置の遅れは心停止の犠牲者の生死を分かつ可能性がある。

本発明の特徴は、救急処置中に患者に速く正確に配置が可能で使用中に皮膚への良好な接触を提供する電極アセンブリである。該電極アセンブリは使いやすく、殆どの一般の介護者が使用できる。加えて、本発明の電極アセンブリは、単一の大きさの電極アセンブリを用いて、様々な胸部の大きさを有する患者を効果的に処置できるように構成されている。実施形態によっては、電極アセンブリは保管が便利で小型になるように折り畳まれることもある。

一般の介護者にとっても熟練した介護者にとっても本発明の電極アセンブリを体格および体型の異なる患者に、速く正確に配置することは簡単である。異なる個体において、人体の胸部中心線と側面の中腋窩線との間の間隔（人間の胴回りの大きさ）の変動は約２０．３２センチメートル（８インチ）以上になる可能性がある。好ましい実施形態では、上記変動を補償するため電極アセンブリが分離可能な電極を有する。

１つの態様では、本発明の特徴は、除細動器と共に使用される電極アセンブリであって、患者の心臓の律動を表すデータを取得し、適切な場合に除細動ショックを提供するために、前記患者の胸部に取り付けられるように構成された一対の電極と、前記電極を連結している中央部材とを備え、前記電極は前記中央部材の周囲に折り畳まれている。

実施形態には以下の特徴を１つ以上有するものもある。前記電極が規定されたヒンジ領域に沿って折り畳まれる。除細動処置を提供するために前記電極の胸部における最適な位置への配置を容易にするように前記電極が前記中央部材の周囲に配置される。前記電極の少なくとも一方が柔軟な材料のウェブにより前記中央部材に連結されている。前記中央部材が、互いの上に折り畳み可能な２つの部分を含む。前記電極同士は、離間された関係で、前記中央部材の両側からほぼ横方向に延びている。

前記アセンブリは、前記中央部材に取り付けられたＣＰＲパッドを更に含んでもよい。
望ましくは、前記ＣＰＲパッドが、ＣＰＲ胸部圧迫を加える間に介護者により押しつけられるように構成され、前記アセンブリが患者の胸骨下部に配置される際に前記除細動電極が除細動処置を提供するのに適切に配置されるように、前記ＣＰＲパッドが前記アセンブリに配置される。前記ＣＰＲパッドは、ＣＰＲ圧迫の深さ及び速度を表すデータを取得するように構成されているセンサを有していてもよい。

大柄な患者に対応するために、前記電極の一方が前記中央部材から分離可能であってもよい。前記分離可能な電極が、分離可能で柔軟な留め具、例えば、分離可能なヒンジや面テープにより、分離可能に前記中央部材に連結されてもよい。

電極アセンブリは前記電極アセンブリの露出面の目印を更に含んでもよく、前記目印は第１の部分と第２の部分を含む。前記目印は、前記第１の部分を患者の乳頭と整合させ、かつ前記第２の部分と前記患者の胸骨とを整合させることにより、除細動処置を効果的にするために、前記電極を前記患者の胸部に正確に配置されるように、配置されている。前記目印は十字線の形状でよく、また、前記中央部材に取り付けられたＣＰＲパッドに配置されてもよいし、前記中央部材の表面に直接配置されてもよい。

別の態様では、本発明の特徴は除細動器と共に使用される電極アセンブリであって、患者の心臓の律動を表すデータを取得し、適切な場合に除細動ショックを提供するために、前記患者の胸部に取り付けられるように構成された一対の電極と、前記電極を連結している中央部材と、前記中央部材に取り付けられたＣＰＲパッドとを有し、前記ＣＰＲパッドは、前記介護者が前記患者に胸部圧迫を加える際に介護者の手を受容するような外形に形成されている。

実施形態には以下の特徴を１つ以上有するものもある。前記ＣＰＲパッドが、前記介護者の手による配置を容易にするような形状に形成された凹状の上面を有する。前記ＣＰＲパッドが、前記患者の胸骨切痕領域に一致するような形状に形成された凸状の下面を有する。前記ＣＰＲパッドはＣＰＲ圧迫の深さ及び／又は速度を表すデータを取得するように構成されているセンサを有する。

更なる態様では、本発明の特徴は除細動器と共に使用される電極アセンブリであって、（ａ）患者の心臓の律動を表すデータを取得し、適切な場合に除細動ショックを提供するために前記患者の胸部に取り付けられるように構成された一対の電極と、（ｂ）前記電極を連結している中央部材と、（ｃ）前記電極アセンブリの露出面の目印とを含み、前記目印は第１の部分と第２の部分を含み、前記第１の部分と患者の乳頭とを整合させ、かつ前記第２の部分と前記患者の胸骨とを整合させることによって、除細動処置を効果的にするために前記患者の胸部に正確に前記電極が配置されるように前記目印が配置されている。

実施形態には以下の特徴を１つ以上有するものもある。前記目印が前記乳頭及び胸骨と整合されると、該目印がＣＰＲ胸部圧迫を加える間に介護者の手が置かれるべき場所を前記介護者に示すように、前記目印は位置していてもよい。前記目印は、前記中央部材に配置されていてもよいし、代案として、前記中央部材に取り付けられたＣＰＲパッドに配置されていてもよい。

本発明の更なる特徴は除細動器と共に使用される電極アセンブリであって、（ａ）心尖電極及び胸骨電極と、前記電極は患者の心臓の律動を表すデータを取得し、適切な場合に除細動ショックを提供するために、前記患者の胸部に取り付けられるように構成されることと、（ｂ）前記電極を連結している中央部材とを備え、
前記電極のうち一方は分離可能に前記中央部材に連結されている。

実施形態には以下の特徴を１つ以上有するものもある。前記分離可能に連結されている電極が前記心尖電極である。前記分離可能に連結される電極が、前記中央部材からの分離後は、電気コネクタによってのみ前記中央部材に連結されている。前記分離可能に連結される電極が、分離可能で柔軟な留め具、例えば、分離可能なヒンジや面テープにより分離可能に前記中央部材に連結される。前記分離可能なヒンジが、前記ヒンジを分離するために介護者により取り外されるように構成されたロックピンを含む。

更なる別の態様では、本発明の特徴は除細動器と共に使用される電極アセンブリであって、（ａ）心尖電極及び胸骨電極と、前記電極は患者の心臓の律動を表すデータを取得し、適切な場合に除細動ショックを提供するために、前記患者の胸部に取り付けられるように構成されることと、（ｂ）前記電極を連結している中央部材とを備え、前記電極が離間した関係で前記中央部材の両側からほぼ横方向に延びている。

実施形態には以下の特徴を１つ以上有するものもある。前記電極を胸部において除細動処置を提供するのに最適な位置へ配置することを容易にするように、前記電極が前記中央部材の周囲に配置される。前記電極と前記患者の乳房組織との接触を最小にするよう前記電極が前記中央部材の周囲に配置される。前記心尖電極がヒンジにより前記中央部材に連結され、前記心尖電極が乳房組織の周囲で操作可能になる。前記中央部材が延長する。前記電極は合わせて少なくとも１５０ｃｍ^２の作用面積を有する。各電極が少なくとも５０ｃｍ^２、例えば、少なくとも７５ｃｍ^２の作用面積を有する。前記電極及び中央部材が「階段様」形状を規定する。前記中央部材が前記患者の前記乳房間の谷間に合う大きさである。前記電極は前記中央部材に対してほぼ直交して延びる。

更なる態様では、本発明の特徴は除細動器と共に使用される電極アセンブリであって、（ａ）患者の心臓の律動を表すデータを取得し、適切な場合に除細動ショックを提供するために、前記患者の胸部に取り付けられるように構成された一対の電極と、（ｂ）前記電極を連結している中央部材と、（ｃ）前記中央部材に取り付けられたＣＰＲパッドとを有し、前記ＣＰＲパッドが最上部にあり、前記電極アセンブリを展開するために、介護者により把持され得るような方法で、前記電極が前記中央部材の周囲に折り畳まれている。

望ましくは、前記ＣＰＲパッドがユーザにより把持されると、前記電極は害電極が前記患者に貼り付けられるべき一般的な位置に開放した状態になるような方法で、前記電極は折り畳まれている。

本発明の更なる特徴は除細動器と共に使用される電極アセンブリであって、（ａ）患者の心臓の律動を表すデータを取得し、適切な場合に除細動ショックを提供するために、前記患者の胸部に取り付けられるように構成された一対の電極と、（ｂ）前記電極を連結している中央部材とを備え、前記電極は前記中央部材の周囲に折り畳まれ、前記電極アセンブリは、介護者が前記電極アセンブリを展開し、前記電極アセンブリを患者に貼り付ける方法を示すラベル表示を更に有する。

前記ラベル表示が、前記電極アセンブリの貼り付けの適切な順序を図示するように構成された一連の図を有していてもよい。
上述した本発明のどの態様においても、前記電極を前記除細動器に電気的に接続するように構成されたリードワイヤを更に含んでいてもよく、この場合には、使用前は前記リードワイヤが実質上完全に前記電極アセンブリ内部に封入されていることが好ましい。前記電極を保護するために各電極の表面に取り付けられた剥離シートを更に含んでいてもよく、前記剥離シートは、前記電極が前記患者の皮膚に隣接して配置される際に取り外せるように構成されている。

上述した本発明のどの態様も、上述した特徴を任意の組み合わせで有していてよい。
本発明の他の特徴及び利点は、説明及び図面から、また請求の範囲から明白になる。

本発明の１つの実施の形態に従う電極アセンブリの展開されている状態の平面図。 折り畳まれた状態の図１の電極アセンブリの平面図。 心尖電極が分離され延長されている状態の展開されている図１の電極アセンブリの平面図。 電極アセンブリの内部構造を点線で示している、図３とほぼ同じ図。 介護者により患者に配置された図１の電極アセンブリを示す透視図。 介護者により患者に配置された図１の電極アセンブリを示す透視図。 心尖電極が分離され延長されている状態の患者の所定位置にある電極アセンブリを示す透視図。 女性患者に配置された図１の電極アセンブリを示す図。 本発明の１つの実施の形態に従う電極パッドの断面図。 剥離シートの取り外しを図示する同様な断面図。 剥離シートの取り外しを図示する同様な断面図。 図１の電極アセンブリを貼り付ける工程の適切な順序を示すラベルの例を示す図。 ＣＰＲパッドの拡大透視図。 パッドの側面図。 パッドの側断面図。

（電極アセンブリ構造）
図１を参照すると、体外除細動器と共に使用される電極アセンブリ１０は、胸骨電極１２と、心尖電極１４と、これら２つの電極を連結する中央部材１６とを備える。中央部材１６は、上中央部１８と下中央部２０とを有する。ＣＰＲパッド２２は上中央部１８に取り付けられる。ＣＰＲパッド２２の機能については後述する。電極アセンブリを除細動器のコントロールボックスに接続するためにケーブル２３が設けられている。（除細動電流を供給するためや、ＥＣＧモニタリングのための）リードワイヤ（図示せず）がケーブルから胸骨電極へと、またケーブルから中央部材を経て心尖電極へと延びている。ケーブルからのワイヤは更に、ＣＰＲ圧迫モニタリング装置としてのＣＰＲパッドの使用を援助するために、中央部材を経てＣＰＲパッドへと延びていてもよい。リードワイヤのルーティング及び電極の配置の例は図３Ｂに示されている。

ＣＰＲパッド２２は、その上面に印刷ないしエンボス加工された十字線１９を有し、上記十字線１９は電極を正確に配置するために使用される。十字線１９は更に、電極取り付け後にＣＰＲパッドの上面を圧迫することによりＣＰＲ圧迫が加えられる胸骨下部にＣＰＲパッドを配置するのを助けるために使用される場合もある。ＣＰＲパッドは、電極アセンブリが患者に正確に配置される際に水平な十字線が患者の乳頭と整合され、垂直な十字線が患者の胸骨の中心線と整合されるように、中央部材１６に配置される。

各電極は電極粘着剤及びゲルを保護する剥離シート（図示せず）を備える。剥離シートはプルタブ４０を有し、患者の皮膚に電極が配置される間に取り外されるように構成されている。上記のように取り外される適切な剥離シートについては、「剥離シート」の節で後述する。プルタブ４０は、図４及び図４Ａに関連して以下で説明するような、電極を貼り付け、剥離シートを電極から取り外すための適切な順序を、適切な包装の説明書き及び／又は電極ラベル表示（図７）と連携して、介護者に示す数字を有する。

胸骨電極１２は柔軟なウェブ２４により上中央部１８に連結されている。同様に、上中央部１８は柔軟なウェブ２６により下中央部２０に連結されている。心尖電極１４は分離可能なヒンジ２８により下中央部に連結されている。

分離可能なヒンジ２８により、ロックピン３０を下方に引っ張ることで心尖電極は下中央部２０から分離可能となる。図３に示すように、ロックピン３０を取り外すことにより、分離可能なヒンジは２つの分割体２８ａ，２８ｂに分離される。この結果、心尖電極１４はリードワイヤ３２によってのみ下中央部に接続される。余分なリードワイヤが設けられる（心尖電極の分離前には下中央部２０の内側に巻き付けられている）ことで、胸部の大きい患者に対応するよう心尖電極は延長可能である。一般に約１０〜１５ｃｍの長さが余分に備えられる。

ＣＰＲパッドは図８〜８Ｂにより詳細に示される。図示のように、ＣＰＲパッド２２は、患者の胸骨切痕領域に一致する凸状の下面１３と、ＣＰＲパッドを介してＣＰＲ圧迫が加えられる際の手の配置を容易にする凹状の上面１５とを備えることが望ましい。ＣＰＲパッド２２は、ＣＰＲ圧迫の深さ及び速度をモニタするためにパッド内に封入された電子部材を含む。例えば、図８Ｂに示されるように、加速度計２１と回路基板２３とがＣＰＲパッド２２の内側に配置され例えば、ケーブル１９（図８）によって、除細動器のコントロールボックスに接続され得る。コントロールボックスは、例えばマイクロプロセッサなどの電子部材を含み、上記電子部材は加速度計によって得られたデータを分析し、ＣＰＲ圧迫の速度及び深さが十分か不十分かを介護者に知らせる音声及び／又は画像のプロンプトを生成する。例えば、胸部圧迫中に更に大きい力がかけられなくてはならないことを介護者に知らせるために、音声のプロンプトが提供され得る。

（折り畳み可能な構造）
柔軟なウェブ２４，２６と分離可能なヒンジ２８とによって、電極アセンブリは図２に示されるように折り畳むことが可能である。電極アセンブリを折り畳むことによって、電極アセンブリは、例えば除細動器のケースの内部などに、容易に都合よく保管可能となる。更に分離可能なヒンジにより、大柄な個体に適切に配置するため、心尖電極１４は図３を参照し以下に述べるように延長可能となる。

望ましくは、ウェブ２４及び２６の幅はそれぞれ少なくとも約１ｃｍはあり、電極アセンブリの構成要素が容易に折り畳まれるのに十分なたるみを提供する。柔軟なウェブは任意の破れにくい柔軟なシート材料、例えば、布、エラストマーシート材料、プラスチックシート材料、またはＴＹＶＥＫ（登録商標）シート材料等の複合シート材料などから形成可能である。

図２に示されるように、電極アセンブリは望ましくはＣＰＲパッド２２が最上部に置かれるように折り畳まれる。本構成によって一般に最も小型となり、更に本構成により介護者がＣＰＲパッド２２を把持することができ、また電極アセンブリを静かに振り動かして電極を広げることで電極アセンブリを簡単に展開することができる。

（電極アセンブリ形状）
電極アセンブリの形状により、パックを正確に配置する際に、一般の介護者と熟練した介護者のどちらもが迅速かつ正確に配置することが容易となる。胸骨電極及び心尖電極は中央部材１６に対してほぼ直交するように延びている。電極同士は、中央部材の全長に沿って、離間して配置されているので、胸骨電極１２が患者の上胸部に正確に配置される際、胸部の大きさが比較的標準的な患者の場合には胸骨電極と心尖電極との間に引かれた対角線が心臓の心室領域を通過する。（胸部の大きさが並外れて大きい患者には、以下に述
べるように心尖電極を延長することで対応する。）
上記「階段様」形状の電極アセンブリは、乳房組織や胸部のしこりなどの身体の外形により生じる配置の問題を回避する。例えば、図５に示すように、乳房の大きい患者の場合にも、心尖電極は簡単に乳房組織の下に配置され、電極アセンブリの残りの部分の配置は妨害されない。

電極アセンブリの構成要素同士間の柔軟な接続によってもまた、身体の外形への配置は容易になる。例えば、電極アセンブリをがっしりした胸の個体に貼り付ける際には、電極と中央部材との間の柔軟な接続により電極アセンブリは患者の身体の湾曲に一致することになる。

望ましくは、上中央部１８は比較的細く、そのため狭い間隔の乳房同士間の谷間に適合する。上中央部１８の幅Ｗは約９ｃｍ未満、一般に約６ｃｍから約９ｃｍまでであることが望ましい。下中央部２０は、使用中は下中央部２０が乳房領域の下にあるので幅広でよく、また一般に内部のリードワイヤを収容するため幅広である必要もある。下中央部の幅は一般に約７ｃｍから約１１ｃｍまでである。電極の大きさは、ＡＡＭＩ ＤＦ‐２やＤＦ‐３９などの医療機器規格の最小作用面積の要求条件によりある程度決定される。上記の要求条件のため、各電極の面積は一般に約７５ｃｍ^２（１電極当たり最小で５０ｃｍ^２、両電極の最小延べ面積１５０ｃｍ^２）である。

（患者への電極アセンブリの貼り付け）
電極アセンブリは図４及び図４Ａに示されるように患者に貼り付けられる。上述のように、介護者は、例えば、ＣＰＲパッド２２を把持し、電極を広げることにより、まず電極アセンブリを展開する。次に、十字線１９を用いて、上述のように、水平な十字線を患者の乳頭と整合させ、垂直な十字線を患者の胸骨の中心と整合させることにより、介護者は電極アセンブリ１０を位置合わせする。電極アセンブリに印刷されているか、または包装に（例えば、図７に示されるように）施されているラベル表示が、電極アセンブリを患者に配置する場所についての視覚的な目印を介護者に提供する。数字を用いて、電極を貼り付ける際に介護者が従うべき工程の推奨手順を示している。電極が適切に位置合わせされた後、介護者は胸骨電極を保護している剥離紙のプルタブ４０を引っ張ると同時にＣＰＲパッド２２を軽く押す（図４）。介護者はその後、胸骨電極を静かに押して患者の皮膚と接触させ、心尖電極についても上記工程を繰り返す（図４Ａ）。この時点で、電極アセンブリの使用準備が完了する。

図４Ｂに示すように、患者が非常に大柄な人の場合や患者の胸部または胴回りが大きい場合には、上述され図３に示されたように心尖電極を延長させる必要がある。介護者は、胸骨電極の中心と心尖電極の中心との間に引かれた対角線が犠牲者の心臓ないしはその付近を通過し得るかを検討することにより、心尖電極を延長させる必要があるかを決定できる。前記対角線が犠牲者の心臓ないしはその付近を通過しない場合には、心尖電極はロックピン３０を引き抜き下中央部２０から余分のリードワイヤ３２を引き出すことで延長される。延長された心尖電極は上述のように患者に粘着される。

（電極アセンブリ材料）
電極アセンブリの本体は任意の材料で形成されてよい。発泡体シート材料、例えば独立気泡ポリエチレンフォームが、患者の皮膚表面に対し弾力性をもたらし適合させる。

電極は除細動で使用するのに適した任意のタイプの電極でよく、一般に、スズなどの導体、ヒドロゲルなどの電解質、導体をケーブルに接続するリードワイヤを含む。除細動に適した電極は医療用電極の分野では周知である。電極は、例えば米国特許第６，０１９，８７７号に記載されているように、腐食抑制機能を備えてもよく、米国特許第６，０１９
，８７７号の開示は参照により本願に組み込まれる。

分離可能なヒンジは剛性ないしは半剛性の任意の材料から形成されてよく、望ましくは安全性を高めるため非導電性の材料から形成される。成型可能なプラスチックはヒンジの製造を容易にする。適切な成型可能なプラスチックの例はポリカーボネートである。

ウェブ２４，２６に適した材料は折り畳み可能な構造の節で上述した。
ＣＰＲパッドは、胸部圧迫中に介護者の手に耐えるのに十分な剛性を有する任意の材料から形成されてよい。ＣＰＲパッドは安全性を高めるため電気的に非導電性の材料から形成されることが望ましい。適切な材料にはプラスチックやエラストマーがある。

（剥離シート）
好ましい剥離シート構成が図６〜６Ｂに示されている。図６を参照すると、電極１２は、導電性ゲル層１１４と、粘着リング１１５と、剥離シート１１６とを備える。

剥離シート１１６は折り目１２０で折り畳まれて、略Ｕ字型の構造を示し、当初は粘着剤及びゲルに粘着している部分１１７と、自由に折り目１２０を越えて延びている部分１１９とを規定する。剥離シートは、保管中ないしは使用前に剥離シートが有意なほどには展開しないような方法で折り畳まれる。剥離シートは、例えば、後述するプルタブ４０が使用前にはその下に配置されている部分１１７から延びる一対のタブ（図示せず）により所定の位置に保持されてもよいし、使用時までは２つの部分を一緒に粘着させる部分１１７または部分１１９上の同一の共通領域に配置された狭い領域の感圧性接着剤により所定の位置に保持されてもよい。

ゲル層１１４に隣接する剥離シートの端１２２は、一般に電極パッドの縁１２３にほぼ整合される。剥離シートの反対側の端１２４は電極パッドの縁１２３を越えて延長し、ユーザにより把持されるプルタブ４０を提供する。プルタブ４０は、縁１２３を越えて親指と人差し指とで良好に把持するのに十分長く、一般に少なくとも約２．５４センチメートル（約１インチ）は延びていることが望ましい。

電極１２を患者に貼り付けるため、介護者は電極を患者の胸部の所望の位置に配置する。介護者が電極が正確な位置にあることを確認した場合には、介護者は電極を適所にに保持し、プルタブ４０を把持し、図６の矢印Ａで示されるように、電極の下から剥離シート１１６を剥がす。

剥離シート１１６が剥がされるにつれ（図６Ａ及び６Ｂ）、折り目１２０は電極パッドを横断して矢印Ａの方向に移動し、ゲル層１１４が露出され患者の皮膚に接触させられる。ゲル層及び粘着剤が露出すると、電極が患者の皮膚に粘着して電気的接触が確立される。良好な粘着性を確保するために介護者によって電極に弱い圧力が掛けられてもよい。

剥離シートは、剥離コート紙や、プラスチックシート材料（プラスチックの特性を有する非高分子フィルムを含む）や、高分子フィルムや、ゲル層及び粘着剤から剥がせるだけの剥離特性を有する他の任意の適切なシート材料でよい。上述した実施の形態での使用に適したシート材料は折り畳み可能でもある。適切なシート材料の例には、ポリスチレンや、ポリエステルや、紙などがある。

（他の実施の形態）
他の実施の形態も特許請求の範囲内にある。
重要なことには、上述した特徴の各々、即ち、折り畳み可能な構造や、ＣＰＲパッドや、十字線の配置や、電極の形状や、分離可能なヒンジは、個々にないしは任意の組み合わ
せで使用されてよい。例えば、折り畳み可能な電極アセンブリは他の特徴のどれも伴わずに提供されてもよいし、所望の特徴のみと共に提供されてもよい。

加えて、心尖電極は、図示された分離可能なヒンジの代わりに、所望の方法で中央部材に分離可能に連結されてよく、上記方法には、細長い面テープ式のファスナ材料（ＶＥＬＣＲＯ（登録商標）ファスナ材料など）や、感圧性接着剤で被覆された細片等の協同して固定する他の細片などがある。電極は、切り取り可能な構造、例えば、電極と中央部材との間のミシン目の領域によっても分離可能に連結される。

上述のように、ＣＰＲパッドは省略されてもよい。ＣＰＲパッドが省略された場合、十字線は中央部材１６の表面に（例えば、上述した実施の形態の上中央部１８に）直接印刷ないしエンボス加工されてもよいし、必要に応じて十字線も省略されてよい。

上述したように、大柄な個体に対応するよう調節される必要があるのは一般には心尖電極の配置のみだが、必要に応じて、分離可能なヒンジが胸骨電極と上中央部１８との間に設けられてもよい。

上述したように、折り畳み可能性を最適にするため、一般には中央部材に折り畳み可能な部分があることが好ましいが、中央部材は折り畳み不可能な一体品ないしは必要に応じヒンジのない一体品であってもよい。同様に、上述のように、折り畳み可能な特徴の全てが省略されてもよいし、電極アセンブリが上述した他の特徴を１つ以上有する折り畳み不可能な部分であってもよい。

上述したように、電極が患者の皮膚に対し配置される際に剥離シートが着脱可能なことが好まれるが、所望のタイプの剥離シート構成が用いられてよく、上記構成には電極を患者の皮膚に対し配置する前に取り除かれる剥離シートなどがある。

加えて、上述した実施の形態では直角に交わる２本の点線から成る十字線が示されたが、上述した配置特徴が設けられることが望まれる場合は他の構成が用いられてもよい。

Claims (8)

1. 除細動器と共に使用される電極アセンブリであって、
   患者の心臓の律動を表すデータを取得し、適切な場合に除細動ショックを提供するために、前記患者の胸部に取り付けられるように構成された心尖電極及び胸骨電極と、
   前記電極を連結している中央部材とを備え、
   前記電極のうち一方は、前記中央部材から機械的に分離可能に連結されるが、除細動器との電気的な接続は維持され、該電極が分離された状態において、前記電極アセンブリの前記心尖電極、前記中央部材、及び前記胸骨電極が前記患者の胸部に取り付け可能に構成されており、
   前記電極が、分離可能で柔軟な留め具により分離可能に前記中央部材に連結される電極アセンブリ。
2. 前記分離可能で柔軟な留め具が、分離可能なヒンジを含む請求項１に記載の電極アセンブリ。
3. 前記分離可能なヒンジが、前記ヒンジを分離するために介護者により取り外されるように構成されたロックピンを含む請求項２に記載の電極アセンブリ。
4. 前記分離可能で柔軟な留め具が、面テープを含む請求項１に記載の電極アセンブリ。
5. 前記分離可能で柔軟な留め具が、切り取り可能な細片を含む請求項１に記載の電極アセンブリ。
6. 前記分離可能に連結される電極が前記心尖電極である請求項１に記載の電極アセンブリ。
7. 前記電極が合わせて少なくとも１５０ｃｍ^２の作用面積を有する請求項１に記載の電極アセンブリ。
8. 各電極が少なくとも５０ｃｍ^２の作用面積を有する請求項１に記載の電極アセンブリ。

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