JP4906634B2 - 電力系統の安定度診断装置および方法 - Google Patents

電力系統の安定度診断装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の安定度診断方法および装置に係り、特に観測データのみに基づいた最大エントロピー法と自己回帰モデルを利用した信号処理技術に関する。
電力系統は多くの発電機、負荷、送配電機器及び制御装置から構成されている。定常状態においては、常時の負荷変動、及び、系統切替などによる微小な外乱が加えられている。系統の地絡や短絡のような事故時には、大きな外乱が加えられる。これらの変動により、複数のモードの電力動揺が発生する。
この動揺成分が小さい場合又は高速に減衰する場合には、系統は元の状態に復帰し安定度は保たれる。しかし動揺が大きくなったり、減衰が収束せず持続や発散する場合は、系統が不安定化し、発電機が停止したり、広域な停電が発生したりして、安定運用が出来なくなる可能性がある。
系の安定性を診断する方法としては本願発明者等による特許文献1がある。ここでは、電力系統の時系列観測データに対し、自己回帰モデルを適用して各モデル次数の固有値を演算し、それらを周波数スクリーニング手段でスクリーニングし、残った複数の固有値の中から優勢モード抽出手法を適用して優勢固有値を抽出する。また非特許文献1に記載のように、自己回帰移動平均モデルを用い、系統の波形をいくつかの減衰成分に分解し、これを再合成して原波形と比較することにより、どの固有値が優勢固有値かを判定する方法がある。
一方、観測信号のスペクトル解析手法には、非特許文献2に記載されているように、フーリエ解析や最大エントロピー法などいくつかの手法がある。また、スペクトル解析手法に類似の手法として、非特許文献3に記載されているように、プローニー解析手法を用いて、観測波形の自己相関関数を複数の減衰性単一周波数成分に分解して、各周波数成分毎の動揺波形の面積で評価する方法もある。
特開2006−101619号公報 R.W. Wies、J.W. Pierre、and D.J.Trudnowski、"Use of ARMA Block Processing for Estimating Stationary Low-Frequency Electromechanical Modes of Power Systems"IEEE TRANSACTIONS ON POWER SYSTEMS、VOL.18、NO.1、FEBRUARY 2003 日野幹雄著「スペクトル解析」朝倉書店 1977年 天野雅彦・世古口雅宏・禰里勝義・河田謙一:「プローニー解析法による電力系統実測データの動揺モード検出」、電気学会論文誌B、120、No.2、pp.141−147(2000/2)
本発明者等は、実系統の電力潮流データから電力系統の固有値のうち連系系統間に生じる長周期の優勢固有値、いわゆる「系統間動揺モード」相当の固有値を推定する手法を開発しており、その実測データに対する妥当性・感度を検証してきた。しかし、得られた推定固有値の精度が時間帯によっては不十分になるという問題があり、以下のような理由が考えられた。
(1)比較的短時間のデータを使用すると、推定された固有値実部(動揺モードの減衰率)の時間帯による変動が大きい。長時間のデータを使用すると精度の問題はないが、追従感度が低下する。
(2)オンライン監視への適用を考えると、追従感度を上げるため使用データ長は短い方がよい。
(3)推定された固有値実部の変動原因は、白色雑音ではなく特定の低周波ノイズ成分である。
電力系統の固有値には次のような特徴がある。
(イ)負荷変動はシステムへの入力となるが、多数あるため全部を把握できない。このため、合成すれば白色雑音であると仮定して、システムの出力である潮流データから固有値を推定する。なお、システム固有値は多数あるため、優勢モードを選択する必要がある。
(ロ)実際の電力系統の制御系は非線形要素を多く含んでおり、電気量の時系列データから求めた固有値と系統を状態関数で表現し、この状態関数から求めた固有値とは異なると思われるが、定常状態での微小外乱では差異は小さいと考える。
(ハ)電力系統の需要と供給は時々刻々変化し、作業などのため系統構成も時々変更される。このため、システム固有値も時々刻々変化していると考えられるため、電力系統から観測される時系列データからその時々の固有値を求める必要がある。
電力系統における常時の負荷変動等による系統動揺実測値から系統の安定度を評価する方式において、従来は系統の変化に対する推定値の追従感度を上げるため、解析データ長を短くすると、固有値実部(ダンピング)の推定値が時間帯によっては大きく変動する。このため、電力系統を監視する観点で、実際よりダンピングが良いように判定してしまうと、不安全サイドの判定となるという問題点があることが判明した。このような場合には送電線潮流などに含まれるノイズ成分が時間帯によっては白色雑音でなくなることが分かった。この非白色のノイズ成分は低周波のノイズ成分が主要なもので、発電機の励磁系や中央給電指令所の潮流制御などに起因するものと考えられる。
自己回帰モデル(以下、ARモデルと称す)は、現実の観測データに近似する理論線形モデルに含まれるパラメータを、観測データに基づいて算出推定する方法である。現実の観測値とモデルとの誤差幅(残差)がトータルとして白色雑音とみなしうるときに、その想定モデルを正しいとし、その波形再現に従って現実の観測データ解析を行うとともに、将来の変動予測を行うことができる。
ARモデル自体の正当性は、多くの研究成果において実証されているが、より複雑な挙動を呈するランダム変動データにおけるモデル化をする場合、最初に存在するモデルを現実値に接近させる方法では、現実のデータを説明しきれない場合が数多く発生する。従って、観測波形にARモデルを適用し、ノイズ成分が白色とみなせても、低周波の負荷変動に起因する低周波ノイズ成分が検出固有値に影響を与える場合が生じる。またARモデル次数を大きくすることにより、残差が所定の閾値を下回って白色雑音に接近すれば、実在しないモードが出現して現実のデータと想定モデルとの間に矛盾が生じても、その想定モデル自体は正しい場合もある。従ってARモデルの次数として大きめの値を使用すればよい、ということにはならない。これはARモデルに固有の問題ではなく、線形システムモデルに基礎を置く多くのシステム同定手法に共通する、回避し得ない原理的問題である。
観測信号に当てはめるARモデルは、一般に(1)式で与えられる。
Figure 0004906634
但し、y(n)は観測信号の時系列データ、e(n)はy(k)(k<n)とは独立な定常白色雑音、mはARモデルの次数、amiは次数mにおける自己回帰係数である。
固有値推定のために用いたARモデルでは、大量の観測データy(n)の自己相関関数Ci(ラグiΔt)を推定して、(2)式による連立一次方程式を最小自乗法を用いて解いている。(2)式は(1)式で示したARモデルを元にして導いている。
Figure 0004906634
次に最大エントロピー法における予測誤差フィルタの項数m(ARモデルの次数に相当)と、予測誤差の期待値FPEについて簡単に説明する。MEM法において、時系列データy(n)の自己相関関数を(3)式で求める。
Figure 0004906634
ここで、E{ }:期待値、N:観測データ総数、Δt:観測データ取得の時間刻み、Ci:ラグiΔtの自己相関関数である。
(1)式の両辺にそれぞれy(n)を掛けて期待値をとることにより(4)式が得られる。
Figure 0004906634
ここで、e(n)はy(k)(k<n)とは独立な定常白色雑音である。同様に、(1)式の両辺にy(n−1)、y(n−2)、y(n−m)を掛けて期待値をとることにより、(5)式の行列方程式が得られる。
Figure 0004906634
但し、Pは定常白色雑音の分散である。また、Wiener-Khintchineの公式を用いることで、(6)式によりパワースペクトルP(f)が得られる。
Figure 0004906634
これにより、自己回帰モデル{ami}とパワースペクトルP(f)の関係が得られる。従って、観測信号波形から自己相関関数C0、C1、C・・・Cを求め、これを(5)式に代入することで自己回帰係数amiとPが推定できる。これらを(6)式に代入すれば、観測信号のパワースペクトルP(f)が得られる。
しかしながら、項数mにより推定スペクトルは大きく変化するため、項数mをどのように決定するかが極めて重要となる。次数決定法はいくつか提案されており、その一つとしてFPE(予測誤差の期待値)による決定法がある。FPEとは、時系列y(n)から予測誤差フィルタの項数mで推定した自己回帰係数に基づく推定値y'(n)に対し、(7)式で定義される統計量である。
Figure 0004906634
この推定値は、(8)、(9)式で与えられる。
Figure 0004906634
このFPEを最小にする項数mを予測誤差フィルタの項数mとする。このFPEによる判定は多くの場合に有効である。しかし、鋭い周波数スペクトルラインを持つランダム変動では、FPEがはっきりとした極小値を示さないので、項数mを全データ数の半分以下で打ち切る必要がある。最適mの見積は(10)式の範囲内とする。
Figure 0004906634
要するに、予測誤差フィルタの項数mを必要以上に大きくしてはならないが、ランダム変動に対し最適な項数mを決定する合理的な根拠が乏しいと言える。従って、自己回帰モデルを用いた電力系統の固有値推定において、自己回帰モデルの最適次数を高速に決定しなけばならない課題がある。
本発明の目的は上記の問題点を解決し、自己回帰モデルの最適次数を高速に決定することにより、電力系統固有の優勢固有値をリアルタイム処理に適した電力系統の安定度診断方法及び装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は電力系統の電気量の時系列観測データから系統の安定状態を調べる電力系統安定度診断装置において、電力系統の有効電力潮流、電圧、電流、周波数または発電機の内部相差角の時系列観測データを用いてスペクトル解析し、得られたスペクトルにより優勢モードスペクトル強度と低周波ノイズスペクトル強度を評価するスペクトル解析手段と、自己回帰モデルにより電力系統の固有値を計算する固有値解析手段と、計算した固有値の周波数成分が所定範囲内にあるものを検出するスクリーニング手段と、スクリーニングされた固有値から電力系統に固有な振動モードに対応する優勢固有値を抽出する優勢固有値抽出手段と、前記優勢固有値を基に系統の安定度を診断する安定度判別手段とを備えたことを特徴とする。
前記優勢固有値抽出手段は前記優勢モードスペクトル強度と低周波ノイズスペクトル強度の大小に応じて自己回帰モデルの最大次数を選択し、優勢固有値を抽出するための優勢モード抽出ルールを切り替えることを特徴とする。
前記スペクトル解析手段はスペクトル解析手法として最大エントロピー法を用い、各時刻の一定の時間長の時系列データから得られる離散的な周波数スペクトルのうち、優勢モード周波数帯域におけるスペクトル強度の積算値を算出し、低周波ノイズモード周波数帯域におけるスペクトル強度の積算値を算出し、前記優勢固有値抽出手段は得られた両スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定して、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする。
また、前記スペクトル解析手段は、スペクトル解析手法としてフーリエ解析法を用い、各時刻の一定の時間長の時系列データから得られる離散的な周波数スペクトルのうち、優勢モード周波数帯域における周波数スペクトルの積算値と低周波ノイズ周波数帯域における周波数スペクトルの積算値を算出し、前記優勢固有値抽出手段は、得られた両周波数スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定することにより、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする。
また、前記スペクトル解析手段は、スペクトル解析手法としてプローニー解析法を用い、各時刻の一定の時間長の時系列データから得られる自己相関関数を複数の減衰性単一周波数成分へ分解して各々の動揺成分を求め、優勢モード周波数帯域における動揺成分の積算値と低周波ノイズ周波数帯域における動揺成分の積算値を算出し、前記優勢固有値抽出手段は、得られた両周波数スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定することにより、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする。
本発明によれば、電力系統の観測データを基にして、時々刻々変化する系統の安定度の診断情報をリアルタイムでオペレータに提供できる。また、系統運用に対する判断や指令及び系統安定化装置のオンラインチューニングや整定値の確認に利用できる。またリアルタイム性を必要としない用途として、年間にわたる系統断面の固有値取得により、その後の系統監視に固有値を比較データとして活用できる。系統の固有値の長時間にわたる変動を統計的に処理すれば、適応型制御装置に応用できる。
本発明の実施形態である電力系統安定度診断装置は、観測信号のスペクトル解析により優勢モードスペクトル強度と低周波ノイズスペクトル強度を評価する手段によって、低周波ノイズの相対的な量に応じて、固有値抽出ルールを切り替えることを特徴としている。
電力系統安定度診断装置は、電力系統の時系列観測データに対し、最大エントロピー法等を利用した周波数パワースペクトル解析を実施し、優勢モードスペクトル強度と低周波ノイズモードスペクトル強度を測定する。自己回帰モデルを適用し、最小自乗法を用いて自己回帰モデルから得られる行列式の係数を決定し、特性方程式を解いてから固有値を演算する。このとき、低周波ノイズモードのスペクトル量が大きい場合には、低周波ノイズモードを識別して検出するまで自己回帰モデルの次数を大きくする。その結果に周波数スクリーニング手法と優勢モード抽出手法を適用して優勢固有値を抽出する。
より具体的には、連系送電線の潮流等の時系列データを入力し、波形を解析することにより、系統の固有値を推定する。推定固有値実数部の値が減衰が大きい方向に大きく変化する状態においては、対象とする減衰の悪い電力動揺周波数の約4/5以下の低周波ノイズモードの量が相対的に多いことが分かった。そこで、低周波ノイズモードの量を定量的に評価して、低周波ノイズ量大の場合には、固有値推定アルゴリズムにおいて低周波ノイズを識別できるまで、自己回帰モデルの次数を大きくする手法を開発した。以下の手順で系統の固有振動モードの分析を行う。
(1)複数の周波数帯域が重畳して現れる時系列データに関し、スペクトル解析に基づき対象時系列データに含まれる周波数スペクトル強度を単位周波数刻みの離散的な値として一定時間間隔で出力する。スペクトル解析手法としては最大エントロピー法のほかにフーリエ解析やプローニー解析を用いることができる。
(2)得られた周波数スペクトル強度を予め想定した優勢モード周波数帯域と2つの低周波ノイズ周波数帯域に分割する。優勢モード周波数の30%以下の極低周波ノイズ周波数帯域では干渉度は小さいがスペクトル強度がfに反比例する特性があるため、fで補正してスペクトルパターンを平滑・白色化する。一方、優勢モード周波数の30〜80%の低周波ノイズ周波数帯域ではモード間の干渉を考慮し、スペクトル強度を周波数による重み係数fで補正する。ここでn<mである。
(3)各時刻の一定の時間長の時系列データから得られる周波数スペクトルは、時々刻々と変化する。優勢モード周波数帯域における離散的なスペクトル強度の区間積算値を面積として算出し、低周波ノイズモード周波数帯域においても同様にスペクトル強度を面積として算出する。このようにして得られた優勢モードスペクトル面積と低周波ノイズモードスペクトル面積の大小によって低周波ノイズ量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定する。
(4)上記時系列データの低周波ノイズモード量の評価結果に基づき、固有値推定のために用いる自己回帰モデルにおける最大次数を決定する。
(5)上記周波数スペクトルにおける周波数の重み係数は以下のように容易に決定できる。長時間にわたり出力された周波数スペクトル強度を周波数毎に積算平均して、平均スペクトル強度とする。得られた平均スペクトル強度を予め想定した優勢モード周波数帯域と低周波ノイズモード周波数帯域に分割し、それぞれの周波数帯域での積算値に基づいて、平均優勢モードスペクトル強度と平均低周波ノイズモードスペクトル強度を面積として算出する。平均優勢モードスペクトル面積と平均低周波ノイズモードスペクトル面積が等しくなるように、スペクトル強度に対する周波数による重み係数を自動決定する。
本発明による電力系統の安定度診断装置は系統中、例えば他電力会社との連系線、主要発電機端、主要幹線などに設置し、運用者に対し表示や警報の発生により系統の安定状態を通知できる。また、優勢固有値に基づいて、電力系統安定化装置に系統の最適整定値を与えたり、大規模系統の縮約系統モデルの作成に寄与できる。以下、図面を参照しながら実施例1から実施例3を説明する。
電力系統の安定度診断装置の一実施例を説明する。図1は安定度診断装置の構成図である。(a)は系統図の一例で、発電機や負荷を接続した系統1と系統2間に安定化診断装置12が接続されている。(b)は安定度診断装置のブロック図である。
安定度診断装置12は演算処理装置1を主要な構成としている。時系列観測データ入力手段9は電力系統から有効電力潮流、電圧、電流、周波数または発電機の内部相差角の入力を行うもので、電流変成器や電圧変成器などである。
演算処理装置1は処理ブロック2〜8を有している。周波数成分解析手段2は最大エントロピー法(以下MEM法)を用いて観測データに含まれる優勢モード領域と低周波ノイズモード成分のパワースペクトルを演算する。低周波ノイズ量判定手段3は優勢モード周波数領域と低周波ノイズモード周波数領域のパワースペクトルを比較することにより、低周波ノイズ成分の相対量を判定する。固有値解析手段4は時系列データから自己回帰式で固有値を求める。周波数スクリーニング手段5は固有値解析手段4の結果に周波数スクリーニングを施す。優勢固有値抽出手段6は低周波ノイズ量判定手段3により低周波ノイズ成分量の大きさを判定して優勢モード抽出ルールを切り替えることにより、電力系統の安定度に最も大きな影響を与えている固有値を優勢モードとして抽出する。安定度判別手段7は優勢固有値から電力系統の安定度を判別する。安定度制御改善演算手段8は制御系に改善指令を出力する。表示・警報装置10は固有値、優勢モードや安定度診断結果等を表示・警報する。通信装置11は制御を改善する場合に対象制御端に指令を伝送する。
以下、具体例を説明する。安定度診断装置12は電力系統の送電線に接続し、この例ではそこに流れる潮流データを収集して系統の固有値を検出し安定度を診断する。図1(a)に示すように、安定度診断装置12は送電線に接続された電圧変成器と電流変成器を介して潮流データを入力する。
時系列観測データ入力手段9は入力データを電子回路に適した小さな値に変換し、さらにデジタルデータに変換して時系列データを作成する。
優勢モードと低周波ノイズモードの周波数パワースペクトルを、MEM法により求める手法について説明する。予測誤差フィルタの項数mを最適値より大きくとると、一般的にMEMは双峰を持った偽のスペクトル形を与える傾向がある。そこで、本発明者は項数mの最適値を求めることなく、MEM法によるパワースペクトルから優勢モードスペクトルと低周波ノイズ成分スペクトルの相対的な量を決定する手法を考案した。
図2は単一周波数の減衰性振動波形をMEM法によりスペクトル解析した例を示している。MEM法において項数mを増やすと、実線で示した単一のスペクトルピークの他に、破線で示したように偽のスペクトルピークが出現する場合がある。しかし得られたパワースペクトルを周波数についてfからfまで積分すると、項数mによらず一定のスペクトル積分値が得られる。以上のMEM法によるパワースペクトルの性質を利用して、低周波ノイズ成分と優勢モード成分周波数についてのスペクトル積分値を計算することにより、低周波ノイズ成分の優勢モードスペクトル成分に対する相対的な量を把握できる。
次に低周波ノイズ成分が優勢モード固有値検出値へ与える影響度を考慮して、スペクトル分割により低周波ノイズ成分量の判定を行う手法を説明する。図3は優勢モード成分と低周波ノイズ成分を定量的に評価する方法を示したものである。低周波ノイズ成分の周波数領域を極低周波領域(f〜f)と低周波領域(f〜f)に分割した。
極低周波領域のパワースペクトルは周波数のべき乗に反比例して強度が大きくなる特性があるが、優勢モード検出固有値への影響は比較的小さい。一方、低周波領域ではスペクトル強度は極低周波領域よりは比較的小さいが、周波数が近接しているため検出固有値への影響が相対的に大きい。
優勢モードと低周波ノイズ成分のスペクトル強度を相対的に比較するためには、得られたスペクトル強度のみでなく検出固有値に対する影響度を考慮した重み係数を考慮する必要がある。そこで(11)、(12)式に示すべき補正係数を掛けて、スペクトル強度の補正を実施した。0.15はfから,0.45はf及びモード間の干渉を考慮して決定している。
(1)極低周波領域での補正係数q
Figure 0004906634
(2)低周波領域での補正係数r
Figure 0004906634
(11)、(12)式において、低周波ノイズ成分のスペクトル積分値の長時間にわたる平均値である面積Sと優勢モード成分のスペクトル積分値の長時間平均値Sがバランスし平均的には等しくなるようにsおよびtを決定する。決定の後、この補正係数qおよびrを適用し、以下に述べるスペクトルパターン判定を行う。s及びtは極低周波領域および低周波領域での周波数スペクトルのべき乗特性を補正するため、スペクトルパターンに応じて一定時間毎に更新する。
次にスペクトルパターン判定による固有値推定手法について述べる。図4〜5に観測データスペクトルパターン判定による固有値推定手法の処理フローを示す。この処理フローは図1における周波数成分解析手段2と低周波ノイズ量判定手段3に対応するものである。まずMEM法を用いて実測データのパワースペクトル解析を実施し(ステップs101)、各計算時刻毎に図3における低周波ノイズ成分スペクトル積分値S1と優勢モードスペクトル積分値S2を計算する(ステップs102)。
次に、図1における固有値解析手段4、周波数スクリーニング手段5及び優勢固有値推定手段6の具体的処理を説明する。予め長時間データの解析により優勢モードの個数(=1),平均的な周波数とダンピングは把握していることを前提としている。
ARモデルの指定次数を最小値から一定次数刻みごとに次数を増加させて行き、計算により得られる固有値に基づきARスペクトルパターンを判定する(ステップs104)。低周波ノイズ成分と優勢モードスペクトル積分値の大小を比較し(ステップs105)、以下のようにして固有値抽出ルールの切り替えを行う。
(1)MEMスペクトル分析にて低周波ノイズ成分小と判定されている場合(S≧S
低周波ノイズ成分及び優勢モード周波数領域の動揺モードに対応する固有値がAR解析にて2個以上検出されたら、偽のスペクトルを検出したと判定し、その直前のARモデルの次数を最大次数とする(ステップs106)。
(2)MEMスペクトルにて低周波ノイズ成分大と判定されている場合(S<S
2個の固有値が検出されても、これら2個の固有値は低周波ノイズ成分と優勢モードスペクトルのピーク点に対応すると解釈し実在するモードと判定する。AR解析にて3個以上の固有値が検出されたら、偽のスペクトルが検出されたと判定し、その直前のARモデルの次数を最大次数とする(ステップS107)。
以上のようにしてAR解析における最小次数から最大次数までの範囲の動揺モードが優勢固有値の候補となる。これらの動揺モード候補の中から、最適優勢モード選択ルールを用いて、観測データに基づいた優勢固有値を選定する(ステップs108)。
図6に低周波ノイズ成分量判定のために使用したMEM法によるパワースペクトル積分値の60分平均値と補正後のパワースペクトル積分値の例を示す。
図7に、図1における周波数成分解析手段2と低周波ノイズ量判定手段3の他の実施例を示す。周波数成分解析手段2の実現手段として、MEM法の代わりにフーリエ解析法を使用している。ステップs201−s202は図4のs101−s102に対応している。
図8はフーリエ解析により得られた周波数スペクトル強度に基づいて、優勢モード成分と低周波ノイズ成分を定量的に評価する方法を示したものである。低周波ノイズ成分を3つの周波数領域に分割した。すなわち周波数領域1(f0〜f1)、周波数領域2(f〜f)及び周波数領域3(f〜f)に分割した。
優勢モードと低周波ノイズ成分のスペクトル強度を相対的に比較するためには、得られたスペクトル強度のみでなく検出固有値に対する影響度を考慮した重み係数を考慮する必要がある。そこで(13)式に示す補正係数を掛けて、スペクトル強度の補正を実施した。
Figure 0004906634
ここで、SN1:補正前の周波数領域1のスペクトル積分値、K:周波数領域1での補正係数、SN2:補正前の周波数領域2のスペクトル積分値、K:周波数領域2での補正係数、SN3:補正前の周波数領域3のスペクトル積分値、K:周波数領域3での補正係数である。
図8に示したように、各計算時刻毎に周波数領域f〜fの範囲にある減衰性周波数成分を集計し、優勢モードスペクトル積分値S2を計算する。また低周波ノイズ成分についてはf〜fの範囲にある減衰性周波数成分を集計し、(13)式に基づき低周波ノイズモードスペクトル積分値S1を計算する(図7のステップs202)。
図9に、図1における周波数成分解析手段2と低周波ノイズ量判定手段3の更に他の実施例を示す。周波数成分解析手段2の実現手段として最大エントロピー法の代わりにプローニー解析法を使用している。
図10はプローニー解析法を用いて観測波形の自己相関関数を複数の単一周波数減衰性波形(動揺モード)に分解した例を示している。各モードが観測波形の波形にどれだけ寄与しているかを、区間内の包絡線の面積で表し、動揺面積Jiとした。
図11は低周波ノイズ成分を定量的に評価する方法を示したものである。低周波ノイズ成分を3つの周波数領域に分割し、周波数領域1(f0〜f1)、周波数領域2(f1〜f2)及び周波数領域3(f2〜f3)に分割して重み関数を設定した。
優勢モードと低周波ノイズ成分の動揺面積を相対的に比較するためには、得られた動揺面積のみでなく検出固有値に対する影響度を考慮した重み係数を考慮する必要がある。そこで(14)式に示す補正係数を掛けて、動揺面積の補正を実施した。
Figure 0004906634
ここで、SN1:補正前の周波数領域1の動揺面積Jiの集計値、W(f):周波数領域1での補正係数、SN2:補正前の周波数領域2の動揺面積Jiの集計値、W(f):周波数領域2での補正係数、SN3:補正前の周波数領域3の動揺面積Jiの集計値、W(f):周波数領域3での補正係数である。
各計算時刻毎に周波数領域f〜fの範囲にある減衰性周波数成分を集計し優勢モード動揺面積集計値S2を計算する(s302)。また低周波ノイズ成分についてはf〜fの範囲にある減衰性周波数成分を集計し、(14)式に基づき低周波ノイズ成分動揺面積集計値S1を計算する(図9のステップs303)。
本発明は最大エントロピー法等と自己回帰モデルを用いた電力系統の安定度診断装置に係り、特に複数の周波数帯域の重畳として現れる時系列データから、観測波形の減衰率を検出し、当該電力システムに発生するであろう当該電力システムの電圧、潮流など通常の監視項目には直接現れない系統安定度にかかわる状態変化を検出する装置に適用される。
安定度監視以外の用途として縮約系統のモデル作成の場合に、系統構成やパラメータのより最適なチューニング等に適用できる。系統試験データ等の計測結果を基にして発電プラント、送電線、調相設備及び負荷等の制御系を含めたモデル/パラメータの同定に使用できる。この結果をオフラインのシミュレーションと比較することにより、モデリング精度や解析精度の向上を計れる。
本発明の一実施例による電力系統安定度診断装置の構成図。 最大エントロピー法において予測誤差フィルタの項数を変化させたときの周波数パワースペクトルパターンの特性を示す説明図。 MEM法による優勢モード成分と低周波ノイズモード成分を定量的に評価する方法の説明図。 実施例1(MEM法)によるパワースペクトル解析手法の処理フロー。 実施例1(MEM法)による自己回帰モデルによる固有値推定手法の処理フロー図。 MEM法によるパワースペクトル積分値の60分平均値と補正後のパワースペクトル積分値を示す特性例の説明図。 実施例2(フーリエ解析法)による周波数スペクトル解析手法の処理フロー図。 フーリエ解析法による優勢モード成分と低周波ノイズモード成分を定量的に評価する方法の説明図。 実施例3(ブローニー解析法)による波形分析手法の処理フロー図。 ブローニー解析法により、観測波形の自己相関関数を複数の単一周波数減衰性波形に分解した例を示す説明図。 ブローニー解析法により、低周波ノイズ成分を定量的に評価する手法の説明図。
符号の説明
1…演算処理装置、2…周波数成分解析手段、3…低周波ノイズ量判定手段、4…固有値解析手段、5…周波数スクリーニング手段、6…優勢固有値抽出手段、7…安定度判別手段、8…安定度制御改善演算手段、9…時系列観測データ入力手段、10…表示・警報装置、11…通信装置、12…安定度診断装置。

Claims (12)

  1. 電力系統の電気量の時系列観測データから系統の安定状態を調べる安定度診断装置において、
    電力系統の時系列観測データを用いてスペクトル解析し、得られたスペクトルにより優勢モードスペクトル強度と低周波ノイズスペクトル強度を評価するスペクトル解析手段と、
    自己回帰モデルにより電力系統の固有値を計算する固有値解析手段と、計算した固有値の周波数成分が所定範囲内にあるものを検出するスクリーニング手段と、
    スクリーニングされた固有値から電力系統に固有な振動モードを持つ優勢固有値を抽出する優勢固有値抽出手段と、
    前記優勢固有値を基に系統の安定度を診断する安定度判別手段とを備えたことを特徴とする電力系統の安定度診断装置。
  2. 請求項1において、
    前記優勢固有値抽出手段は前記優勢モードスペクトル強度と低周波ノイズスペクトル強度の大小に応じて自己回帰モデルの最大次数を選択し、優勢固有値を抽出するための優勢モード抽出ルールを切り替えることを特徴とする電力系統の安定度診断装置。
  3. 請求項1において、
    前記スペクトル解析手段はスペクトル解析手法として最大エントロピー法を用い、各時刻の所定の時間長の時系列データから得られる離散的な周波数スペクトルのうち、優勢モード周波数帯域におけるスペクトル強度の積算値を算出し、低周波ノイズモード周波数帯域におけるスペクトル強度の積算値を算出し、
    前記優勢固有値抽出手段は得られた両スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定して、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする電力系統の安定度診断装置。
  4. 請求項1において、
    前記スペクトル解析手段は、スペクトル解析手法としてフーリエ解析法を用い、各時刻の所定の時間長の時系列データから得られる離散的な周波数スペクトルのうち、優勢モード周波数帯域における周波数スペクトルの積算値と低周波ノイズ周波数帯域における周波数スペクトルの積算値を算出し、
    前記優勢固有値抽出手段は、得られた両周波数スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定することにより、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする電力系統の安定度診断装置。
  5. 請求項1において、
    前記スペクトル解析手段は、スペクトル解析手法としてプローニー解析法を用い、各時刻の所定の時間長の時系列データから得られる自己相関関数を複数の減衰性単一周波数成分へ分解して各々の動揺成分を求め、優勢モード周波数帯域における動揺成分の積算値と低周波ノイズ周波数帯域における動揺成分の積算値を算出し、
    前記優勢固有値抽出手段は、得られた両周波数スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定することにより、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする電力系統の安定度診断装置。
  6. 請求項1において、
    前記スペクトル解析手段は、前記優勢モードスペクトル強度と前記低周波ノイズスペクトル強度を評価するために、周波数領域を予め想定した優勢モード周波数帯域と2つの低周波ノイズモード周波数帯域に分割し、周波数が優勢モード周波数の30%以下の極低周波ノイズ周波数帯域ではスペクトル強度を周波数のべき乗(f)で補正してスペクトルパターンを平滑・白色化し、周波数が優勢モード周波数の30〜80%の低周波ノイズ周波数帯域ではスペクトル強度を周波数による重み係数(f)で補正して、得られた周波数帯域毎のスペクトル強度面積の大小から低周波ノイズ量を評価することを特徴とする電力系統の安定度診断装置。
  7. 請求項1において、
    前記スペクトル解析手段は、前記優勢モードスペクトル強度と前記低周波ノイズモードスペクトル強度を評価するために、長時間にわたり出力された周波数スペクトル強度を周波数毎に積算平均して平均スペクトル強度とし、得られた平均スペクトル強度を予め想定した優勢モード周波数帯域と低周波ノイズモード周波数帯域に分割し、
    前記優勢固有値抽出手段は、得られたそれぞれの周波数帯域での積算値に基づいて、平均優勢モードスペクトル強度と平均低周波ノイズモードスペクトル強度を面積として算出し、平均優勢モードスペクトル面積と平均低周波ノイズモードスペクトル面積が等しくなるように、スペクトル強度に対する周波数重み係数を決定することを特徴とする電力系統の安定度診断装置。
  8. 請求項1において、
    前記固有値解析手段は前記自己回帰モデルで自己回帰式の次数を変化させ、前記スクリーニング手段はそれぞれの次数において解析された固有値に対し周波数スクリーニングを実施し、
    前記優勢固有値抽出手段は、低周波ノイズモード量が優勢モード量より小さい場合には、固有値が一つしか現れない次数の範囲内における固有値に対し、その実数部から振動の減衰時間が最も長い固有値を優勢固有値として抽出し、低周波ノイズモード量が優勢モード量より大きい場合には、固有値が1つまたは2つしか現れない次数の範囲内における固有値に対し、その実数部から振動の減衰時間が最も長い固有値を優勢固有値として抽出し、さらに固有値の減衰時間について統計処理を施した結果を優勢固有値として抽出することを特徴とする電力系統の安定度診断装置。
  9. 電力系統の電気量の時系列観測データから系統の安定状態を調べる安定度診断方法において、
    電力系統の時系列観測データを用いてスペクトル解析し、得られたスペクトルにより優勢モードスペクトル強度と低周波ノイズスペクトル強度を評価し、自己回帰モデルにより電力系統の固有値を計算し、計算した固有値の周波数成分が所定範囲内にあるものをスクリーニングにより検出し、スクリーニングされた固有値から電力系統に固有な振動モードに対応する優勢固有値を抽出し、前記優勢固有値を基に系統の安定度を診断することを特徴とする電力系統の安定度診断方法。
  10. 請求項9において、
    前記スペクトルの解析手法として最大エントロピー法を用い、各時刻の所定の時間長の時系列データから得られる離散的な周波数スペクトルのうち、優勢モード周波数帯域におけるスペクトル強度の積算値を算出し、低周波ノイズモード周波数帯域におけるスペクトル強度の積算値を算出し、得られた両スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定して、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする電力系統の安定度診断方法。
  11. 請求項9において、
    前記スペクトルの解析手法としてフーリエ解析法を用い、各時刻の所定の時間長の時系列データから得られる離散的な周波数スペクトルのうち、優勢モード周波数帯域における周波数スペクトルの積算値と低周波ノイズ周波数帯域における周波数スペクトルの積算値を算出し、得られた両周波数スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定することにより、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする電力系統の安定度診断方法。
  12. 請求項9において、
    前記スペクトルの解析手法としてプローニー解析法を用い、各時刻の所定の時間長の時系列データから得られる自己相関関数を複数の減衰性単一周波数成分へ分解して各々の動揺成分を求め、優勢モード周波数帯域における動揺成分の積算値と低周波ノイズ周波数帯域における動揺成分の積算値を算出し、得られた両周波数スペクトルの積算値から低周波ノイズモード量を評価し、固有値推定誤差への影響度を判定することにより、前記優勢固有値の抽出方式を最適化することを特徴とする電力系統の安定度診断方法。
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