JP4905407B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感光体ドラムと露光部材を近接配置した画像形成装置に関する。
一般に、感光体ドラムや現像カートリッジなどを支持するフレームを、装置本体から水平方向に引き出し可能に構成した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような画像形成装置は、装置本体からフレームを簡単に引き出すことができるので、現像カートリッジや感光体ドラムを容易に交換することができる。また、ユーザが装置を操作する側からフレームを引き出し可能に構成することで、現像カートリッジや感光体ドラムの交換時の利便性を向上させることができる。
特開2003−15378号公報(図2)
ところで、前記した構成を、LEDヘッドのような露光部材を備える画像形成装置(LEDプリンタなど)に適用する場合、感光体ドラムに近接配置されるLEDヘッドを、感光体ドラムの近傍から退避させる必要があった。従来の方式では、一般的に、LEDヘッドを装置本体に設けられたトップカバーに取り付け、トップカバーを開くことで感光体ドラムの近傍からLEDヘッドを退避させていた。
しかしながら、このような従来の方式では、トップカバーにLEDヘッドを支持させるので、トップカバーやその開閉機構などの強度を向上させる必要があり、トップカバー周辺の構造が複雑化するという問題を有している。また、トップカバーに支持されたLEDヘッドと、フレームに支持された感光体ドラムの双方が装置本体に対して動くことになるので、LEDヘッドと感光体ドラムの位置を正確に決めることが難しくなり、位置決め機構が複雑化するという問題を有している。さらに、各部の構成が複雑になることで、コストが増大するという問題も有する。
そこで、本発明は、露光部材を退避させることなく、感光体ドラムを支持する保持部材を装置本体から引き出すことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、装置本体と、略水平方向に並列配置された複数の感光体ドラムと、複数の前記感光体ドラムを支持し、前記装置本体から複数の前記感光体ドラムの配列方向に引き出し可能に構成された保持部材と、前記感光体ドラムの軸方向に対向して配置された前記装置本体の一部としての一対のサイドフレームと、前記一対のサイドフレームに支持され、前記感光体ドラムを露光する複数の露光部材とを備え、前記露光部材は、前記感光体ドラムの回転中心を含む前記保持部材の引き出し方向に延びる面よりも上側の領域であって、かつ、前記感光体ドラムの回転中心よりも前記保持部材の引き出し方向における奥側の領域で前記感光体ドラムに対向して配置され、前記保持部材は、前記装置本体に収容された収容位置と、前記収容位置から引き出し方向における手前側に所定距離移動された第1中間位置と、前記第1中間位置から前記感光体ドラムおよび前記保持部材の最下部が前記露光部材の最上部よりも鉛直方向の上方に移動された第2中間位置と、前記第2中間位置から引き出し方向における最も奥側に配置された前記感光体ドラムが前記装置本体の外部に引き出された引出位置との間を移動可能に構成されたことを特徴とする。
このように構成された画像形成装置によれば、露光部材が、感光体ドラムの回転中心を含む保持部材の引き出し方向に延びる面よりも上側の領域、かつ、感光体ドラムの回転中心よりも保持部材の引き出し方向における奥側の領域に配置されているので、保持部材を収容位置から引き出し方向における手前側に所定距離移動させることが可能となる。
これにより、感光体ドラムの上方近傍から露光部材がなくなることになるので、感光体ドラムを配列された露光部材の間を通して、露光部材の上に移動させることが可能となり、感光体ドラムおよび保持部材の最下部を露光部材の最上部よりも上に移動させることが可能となる。
その結果として、露光部材の上方を通して保持部材および感光体ドラム(最も奥側に配置された感光体ドラム)を装置本体の外部に引き出すことが可能となる。
すなわち、上述のように構成された画像形成装置によれば、露光部材を避けるように保持部材および感光体ドラムを移動させることができる。
本発明の画像形成装置によれば、露光部材を避けるように保持部材および感光体ドラムを移動させることができるので、露光部材を退避させることなく、感光体ドラムを支持する保持部材を装置本体から引き出すことができる。
<カラープリンタの全体構成>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す断面図であり、図2はLEDユニットおよびプロセスユニットの拡大図である。
ここで、以下の説明において方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側をユーザがカラープリンタを操作する側である「手前」側、紙面に向かって右側を「奥」側とし、紙面に向かって奥側を「左」側、紙面に向かって手前側を「右」側とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下」方向とする。
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体の一部を構成する本体筐体10内に、用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90とを主に備えている。
本体筐体10の手前側にはフロントカバー11が下方を支点として前後(手前・奥側)に回動自在に設けられ、本体筐体10の上部にはトップカバー12が奥側に設けられたヒンジ部(符号省略)を支点として上下に回動自在に設けられている(図5(a)参照)。トップカバー12の上面は本体筐体10から排出された用紙Pを蓄積する排紙トレイ13となっている。
給紙部20は、本体筐体10内の下部に設けられ、本体筐体10に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙供給機構22を主に備えている。用紙供給機構22は、給紙トレイ21の手前側に設けられ、給紙ローラ23、分離ローラ24および分離パッド25を主に備えている。
このように構成される給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Pが、用紙供給機構22により一枚ずつ分離されて上方へ送られ、紙粉取りローラ26とピンチローラ27の間を通過する過程で紙粉が除去された後、搬送経路28を通って奥側へ方向転換され、画像形成部30(搬送ベルト73上)に供給される。
画像形成部30は、露光部材の一例としての4つのLEDユニット40と、4つのプロセスユニット50と、転写ユニット70と、定着ユニット80と、プロセスユニット50(感光体ドラム53)を着脱自在に収容・支持する保持部材の一例としての保持フレーム100とから主に構成されている。なお、保持フレーム100の詳細な構成については後述する。
図2に示すように、LEDユニット40は、感光体ドラム53の上方に対向して配置され、後述する発光部からLED光を照射して感光体ドラム53の表面を露光する。このLEDユニット40の詳細な構成については後述する。
プロセスユニット50は、トップカバー12と給紙部20との間で手前・奥側の方向(以下、前後方向という。)に並んで配置され、ドラムユニット51と、ドラムユニット51に対して着脱自在に装着される現像ユニット61とを備えている。なお、各プロセスユニット50は、現像ユニット61のトナー収容室66に収容されるトナー(現像剤)の色が相違するのみであり、構成については同一である。
ドラムユニット51は、ドラムユニット51の枠体を構成するドラムフレーム52と、ドラムフレーム52に回転可能に支持される感光体ドラム53と、帯電器54とを主に備えている。
現像ユニット61は、現像ユニット61の筐体を構成する現像フレーム62と、現像フレーム62に回転可能に支持される現像ローラ63および供給ローラ64と、層厚規制ブレード65とを備え、トナーを収容するトナー収容室66を有している。
このように構成される現像ユニット61では、トナー収容室66内のトナーが、供給ローラ64の回転により現像ローラ63に供給され、現像ローラ63の回転により現像ローラ63と層厚規制ブレード65との間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ63上に担持される。
図1に戻って、転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスユニット50との間に配置され、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73、転写ローラ74およびクリーニング部75を主に備えている。
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間に無端状の搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、外側の面が各感光体ドラム53に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光体ドラム53との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光体ドラム53に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
クリーニング部75は、搬送ベルト73の下方に配置され、搬送ベルト73に付着したトナーを除去し、その下方に配置されたトナー貯留部76に除去したトナーを落下させるように構成されている。
定着ユニット80は、各プロセスユニット50および転写ユニット70の奥側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
以上のように構成される画像形成部30では、まず、各感光体ドラム53の表面が、帯電器54により一様に帯電された後、各LEDユニット40から照射されるLED光により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光体ドラム53上に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ63上に担持されたトナーが、現像ローラ63から感光体ドラム53上の静電潜像に供給されることで、静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。
そして、搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光体ドラム53と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光体ドラム53上に形成されたトナー像が用紙P上に順次重ね合わせて転写される。その後、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、手前側に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Pを搬送する複数対の搬送ローラ92を主に備えている。トナー像が熱定着された用紙Pは、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、本体筐体10の外部に排出されて排紙トレイ13に蓄積される。
次に、本発明の特徴部分である、LEDユニット40を退避させることなく保持フレーム100を本体筐体10から引き出すための構成について説明する。図3はLEDユニットおよびサイドフレームの配置を示す模式図であり、図4はLEDユニットの断面図である。
<LEDユニットの構成>
図3に示すように、本体筐体10の左右(感光体ドラム53の軸方向)の両側壁の内面には、装置本体の一部である対向して配置された金属製のサイドフレーム14,14が設けられている。各LEDユニット40は、前後方向に所定の間隔をあけて、一対のサイドフレーム14,14に架け渡されたような状態で支持されている。
図4に示すように、LEDユニット40は、LEDヘッド41、支持フレーム42、コイルバネ43、位置規制ローラ44およびガイドローラ45を主に備えている。
LEDヘッド41は、下側にLED(発光ダイオード)からなる複数の発光部(図示せず)が左右方向に一列に配列されている。より詳細には、LEDヘッド41は、所定の画素ピッチに応じて配列され、選択的に駆動されて感光体ドラム53の表面を露光する複数のLEDを支持体で支持したヘッド構造を有している。各発光部は、形成すべき画像のデータに基づいて、図示しない制御装置により信号が入力されて発光し、感光体ドラム53の表面を露光する。
支持フレーム42は、断面視略U形状をなす左右方向に長い部材であり、左右の両端がサイドフレーム14に支持されている。この支持フレーム42にはLEDヘッド41が上下方向に遊びを有した状態で係合され、支持フレーム42とLEDヘッド41との間にコイルバネ43が配設されている。これにより、LEDヘッド41は、位置規制ローラ44を介し、感光体ドラム53に向けて付勢されつつ、上下方向に移動可能となっている。
位置規制ローラ44は、感光体ドラム53の表面に接して転がることで、LEDユニット40と感光体ドラム53との位置関係を規定するローラである。より詳細には、LEDヘッド41の発光部と感光体ドラム53の表面との間隔、すなわち、LEDヘッド41の感光体ドラム53に対する上下方向の位置を決めるものである。この位置規制ローラ44は、LEDヘッド41の左右方向の両側であって、感光体ドラム53の表面のうち、静電潜像が形成される画像形成範囲の外側に配置されている。位置規制ローラ44を構成する材料は特に限定されないが、感光体ドラム53の表面との間で適度な摩擦係数を有し、耐摩耗性に優れた材料を使用するのが望ましい。
なお、LEDユニット40は、位置規制ローラ44が感光体ドラム53の表面と接した場合に、LEDヘッド41が上方へ若干押し上げられ、コイルバネ43が押し縮められるように構成されている。これにより、前記したようにLEDヘッド41が感光体ドラム53に向けて付勢されるので、LEDヘッド41の感光体ドラム53に対する位置を確実に、かつ、精度よく決めることができる。
ガイドローラ45は、後述する保持フレーム100の移動に伴い、保持フレーム100に形成された案内溝110,120に接して転がるローラである。このガイドローラ45は、各支持フレーム42の左右方向の両端付近(図3参照)における保持フレーム100の案内溝110,120に対応する位置に回転可能に設けられている。
<保持フレームの構成>
図1に示すように、保持フレーム100は、各プロセスユニット50(感光体ドラム53)を支持する部材であり、左右方向において対向する一対の金属製のサイドパネル100A(片側のみ図示)と、前後に設けられ、一対のサイドパネル100Aを連結する一対のクロスメンバー100Bとを主に備えている。
各サイドパネル100Aには、手前から順に3つの案内溝110と1つの案内溝120が貫通して形成されている。また、各サイドパネル100Aには、奥側にローラ取付部130が一体に形成され、このローラ取付部130の左右方向外側の面に2つの係合ローラ140が回転可能に取り付けられている。
案内溝110は、手前から3つのLEDユニット40のそれぞれに対応して、サイドパネル100Aの前後方向の中央付近に3つ設けられている。この案内溝110は、図2に示すように、前後方向に略水平に所定距離延びた水平部111と、水平部111の奥側端部から奥側の斜め下方へ延びてサイドパネル100Aの下端部に達する傾斜部112とから構成されている。
案内溝120は、最も奥側に配置されるLEDユニット40に対応して、サイドパネル100Aの奥側に1つ設けられている。この案内溝120は、前後方向に略水平に延びてサイドパネル100Aの奥側端部に達する水平部121から構成されている。
なお、サイドパネル100Aの案内溝110,120は同一の金型によって形成することができる。具体的には、例えば、一対のサイドパネル100Aを、それぞれ、同一の金型によりプレス加工することで案内溝110,120を形成することができる。これによれば、案内溝110,120を精度よく形成することができるので、後述する本体筐体10内のLEDユニット40に対して、保持フレーム100に支持された感光体ドラム53の位置を決める際の位置精度を向上させることができる。
係合ローラ140は、一対のサイドフレーム14,14に形成されたガイド溝15に係合されるローラである。この係合ローラ140は、保持フレーム100を本体筐体10から引き出す際や、保持フレーム100を本体筐体10に装着する際に、ガイド溝15内に接して転がる。これにより、保持フレーム100をスムーズに移動させることができる。
なお、ガイド溝15は、図3に示すように、前後方向に略水平に延びた第1ガイド部15Aと、第1ガイド部15Aの奥側端部から奥側斜め下方に延びた第2ガイド部15Bと、第2ガイド部15Bの奥側端部から奥側へ略水平に延びた第3ガイド部15Cとから構成されている。
以上のように構成されたカラープリンタ1の作用効果について説明する。図5(a)は保持フレームが第1中間位置にある状態のカラープリンタを示す図であり、(b)は保持フレームが収容位置から第1中間位置に移動する様子を示す図である。また、図6(a)は保持フレームが第2中間位置にある状態のカラープリンタを示す図であり、(b)は保持フレームが第1中間位置から第2中間位置に移動する様子を示す図であり、(c)は保持フレームが第2中間位置にあるときの保持フレーム、感光体ドラムおよびLEDユニットの位置関係を示す図である。また、図7(a)は保持フレームが引出位置にある状態のカラープリンタを示す図であり、(b)は保持フレームが第2中間位置から引出位置に移動する様子を示す図である。さらに、図8(a)はLEDユニットと第1中間位置から収容位置に移動する保持フレームを示す図であり、(b)は保持フレームとLEDユニットが当接した状態を示す図である。
<保持フレーム引出時の動作>
保持フレーム100を本体筐体10から引き出すときには、まず、図5(a)に示すように、フロントカバー11およびトップカバー12を開いて保持フレーム100を外部に露出させ、手前のクロスメンバー100B(図1参照)などを把持して保持フレーム100を手前側(図5(a)の矢印方向)に引く。
そうすると、係合ローラ140がガイド溝15の第3ガイド部15Cに接して転がりながら、かつ、図5(b)に示すように、案内溝110,120の水平部111,121がLEDユニット40のガイドローラ45を転がしながら、保持フレーム100が手前側へ略水平に移動する(図5(b)では案内溝110のみ図示)。
そして、保持フレーム100は、係合ローラ140が第3ガイド部15Cの手前側端部に達するまで所定距離移動する。このとき、保持フレーム100に支持された感光体ドラム53もLEDユニット40の下方を手前側に所定距離移動する。これにより、感光体ドラム53の上方からLEDユニット40がなくなることになる。
このようにして、保持フレーム100は、まず、本体筐体10に収容された図1に示す収容位置から手前側に所定距離移動された図5(a)に示す第1中間位置に移動する。
次いで、図6(a)に示すように、第1中間位置から保持フレーム100をさらに手前側に引くことで、係合ローラ140がガイド溝15の第2ガイド部15Bに接して転がりながら、かつ、図6(b)に示すように、案内溝110の傾斜部112がガイドローラ45を転がしながら、保持フレーム100が手前側斜め上方(図6(a)の矢印方向)に移動する。このとき、感光体ドラム53は、配列されたLEDユニット40の間を通って手前側斜め上方に移動する。なお、この途中で、最も奥側に配置されたLEDユニット40は案内溝120から外れる。
そして、係合ローラ140が第2ガイド部15Bの上端部に達すると、図6(c)に示すように、手前から3つのLEDユニット40が傾斜部112(案内溝110)から外れる。このとき、保持フレーム100の最下部、詳細には保持フレーム100の底部から露出した感光体ドラム53の下部53Aは、LEDユニット40の最上部であるガイドローラ45の上部45Aよりも上に位置することになる。
このようにして、保持フレーム100は、図5(a)に示す第1中間位置から感光体ドラム53の下部53Aがガイドローラ45の上部45Aよりも上に移動された図6(a)に示す第2中間位置に移動する。
最後に、図7(a)に示すように、第2中間位置から保持フレーム100をさらに手前側(図7(a)の矢印方向)に引くことで、保持フレーム100は、係合ローラ140がガイド溝15の第1ガイド部15Aに接して転がりながら手前側へ略水平に移動する。そして、保持フレーム100は、最も奥側に配置された感光体ドラム53が本体筐体10の外部に引き出されたら、係合ローラ140が第1ガイド部15Aの手前側端部に当接して移動が規制される。
前記したように、第2中間位置では感光体ドラム53の下部53Aがガイドローラ45の上部45Aよりも上に位置しているので、保持フレーム100および感光体ドラム53は、図7(b)に示すように、LEDユニット40の上方を通って、手前側へ略水平に移動する。
このようにして、保持フレーム100は、図6(a)に示す第2中間位置から最も奥側に配置された感光体ドラム53が本体筐体10の外部に引き出された図7(a)に示す引出位置に移動し、本体筐体10から引き出される。そして、この引出位置でプロセスユニット50(感光体ドラム53)を適宜交換する。
以上のように、本実施形態によれば、LEDユニット40が、感光体ドラム53の上方に配置されているので、保持フレーム100を収容位置から手前側に略水平に所定距離移動させることが可能となる。これにより、感光体ドラム53の上方からLEDユニット40がなくなることになるので、感光体ドラム53の下部53Aをガイドローラ45の上部45Aよりも上に移動させることが可能となる。そして、LEDユニット40の上方を通して、保持フレーム100および感光体ドラム53(最も奥側に配置された感光体ドラム53)を本体筐体10の外部に略水平に引き出すことが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、LEDユニット40を避けるように保持フレーム100および感光体ドラム53を移動させることができるので、LEDユニット40を退避させることなく、感光体ドラム53を支持する保持フレームを本体筐体10から引き出すことができる。
これによれば、本体筐体10から保持フレーム100を簡単に引き出すことができるので、プロセスユニット50を容易に交換することができる。また、ユーザがカラープリンタ1を操作する側である手前側から保持フレーム100を引き出し可能に構成したので、プロセスユニット50の交換時の利便性を向上させることができる。さらに、LEDユニット40を退避させるための構成が不要となるので、本体筐体10の小型化を実現することができ、結果としてカラープリンタ1の小型化を実現することができる。
また、LEDユニット40が、装置本体の一部としての一対のサイドフレーム14,14に支持されているので、LEDユニット40が装置本体に対して大きく動くことがない。これにより、LEDユニット40と装置本体との位置関係を精度よく保つことができるとともに、露光部材と感光体ドラムの双方が装置本体に対して動く構成と比較して、LEDユニット40と感光体ドラム53との位置を正確に決めることが容易となる。
また、保持フレーム100に、収容位置から第1中間位置までLEDユニット40に当接して保持フレーム100自身の移動経路を規定する案内溝110,120を形成するとともに、LEDユニット40に案内溝110,120に接して転がるガイドローラ45を設けたので、保持フレーム100をスムーズに移動させることができる。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、フロントカバー11およびトップカバー12は、閉じた状態で保持フレーム100またはプロセスユニット50に近接しているので、開いたときに、移動する保持フレーム100と接触しないようにその開き具合、例えば、開いた状態のトップカバー12の角度などが設定されている。すなわち、フロントカバー11およびトップカバー12は、開扉時において第1中間位置および第2中間位置にある保持フレーム100と干渉しないように構成されている。
これによれば、閉じた状態のフロントカバー11やトップカバー12を、保持フレーム100やプロセスユニット50に近接させることが可能となるので、本体筐体10の小型化を実現することができ、結果としてカラープリンタ1の小型化を実現することができる。また、トップカバーに露光部材を取り付ける構成の場合、露光部材の位置決め精度を向上させるために、トップカバーの開閉精度を向上させる必要があるが、本実施形態ではトップカバー12に露光部材を取り付けないので、トップカバー12の開閉精度を向上させる必要がない。そのため、トップカバー12を低コストで設けることができる。
<保持フレーム装着時の動作>
保持フレーム100を本体筐体10に装着するときには、まず、図7(a)に示す引出位置から保持フレーム100を奥側に押し込む。そうすると、保持フレーム100は、係合ローラ140がガイド溝15の第1ガイド部15Aに接して転がりながら奥側へ略水平に移動する。
このとき、保持フレーム100の最下部である感光体ドラム53の下部53Aが、LEDユニット40の最上部であるガイドローラ45の上部45Aよりも上に位置しているので、保持フレーム100および感光体ドラム53は、LEDユニット40の上方を通って奥側へ略水平に移動する。
このようにして、保持フレーム100は、まず図7(a)に示す引出位置から図6(a)に示す第2中間位置に移動する。
そして、保持フレーム100が、図6(a)に示す第2中間位置に達すると、係合ローラ140がガイド溝15の第2ガイド部15Bに接して転がりながら奥側斜め下方に移動する。このとき、手前から3つのLEDユニット40は、案内溝110(傾斜部112)に挿入され、傾斜部112がガイドローラ45を転がしながら、保持フレーム100がさらに奥側斜め下方に移動する。このとき、感光体ドラム53は、配列されたLEDユニット40の間を通って奥側斜め下方に移動する。この途中で、最も奥側に配置されたLEDユニット40は案内溝120に挿入される。
係合ローラ140が第2ガイド部15Bの下端部に達すると、手前から3つのLEDユニット40が図5(b)に示す傾斜部112の上端部付近に位置することになる。
このようにして、保持フレーム100は、図6(a)に示す第2中間位置から図5(a)に示す第1中間位置に移動する。
図5(a)に示す第1中間位置から保持フレーム100をさらに奥側に押し込むことで、係合ローラ140がガイド溝15の第3ガイド部15Cに接して転がりながら、かつ、図8(a)に示すように、案内溝110,120の水平部111,121がガイドローラ45を転がしながら、保持フレーム100および感光体ドラム53が奥側へ略水平に移動する(図8(a)では案内溝120のみ図示)。
そして、図8(b)に示すように、案内溝120(水平部121)の端部122が、最も奥側に配置されたLEDユニット40の前面46と当接することで、保持フレーム100の移動が規制されるとともに、保持フレーム100が本体筐体10に対して位置決めされる。すなわち、最も奥側に配置されたLEDユニット40の前面46は、本発明の位置決め部の一例である。これにより、保持フレーム100に支持された各感光体ドラム53と、本体筐体10内の一対のサイドフレーム14,14に支持された各LEDユニット40との位置を決めることができ、カラープリンタ1の画像品質を向上させることができる。
このようにして、保持フレーム100は、図5(a)に示す第1中間位置から図1に示す収容位置に移動し、本体筐体10に装着される。その後、トップカバー12およびフロントカバー11を閉じることで、カラープリンタ1は画像形成可能な状態となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記した実施形態では、露光部材の一例としてのLEDユニット40を感光体ドラム53の上方に配置した例を示したが、本発明において露光部材の配置位置は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明において露光部材を配置可能な位置は、図9に示すように、感光体ドラム53の回転中心53Cを含む保持部材(保持フレーム100)の引き出し方向、すなわち前後方向に延びる面PLよりも上側の領域であって、かつ、回転中心53Cよりも保持部材の引き出し方向における奥側の領域である。
当該領域、例えば、二点鎖線で示すLEDユニット40Aの位置に露光部材を配置することで、保持部材を収容位置から手前側に所定距離移動させることが可能となる。なお、本発明の露光部材を配置可能な位置は、感光体ドラム53の奥側、すなわち二点鎖線で示すLEDユニット40Bの位置(面PL上)であってもよい。
このような領域以外、例えば、二点鎖線で示すLEDユニット40Cの位置では、保持部材を収容位置から手前側に移動させることができないので好ましくない。また、面PLよりも下側の領域であって、かつ、回転中心53Cよりも奥側の領域、例えば、二点鎖線で示すLEDユニット40Dの位置には、帯電器やクリーニング部材などを配置するためのスペースを確保する必要があるのであまり好ましくない。
前記した実施形態では、位置決め部の一例としての前面46を、最も奥側に配置されたLEDユニット40(露光部材)が有する構成を示したが、位置決め部を有する露光部材は、これに限定されるものではない。すなわち、複数の露光部材のうち少なくとも1つが、位置決め部を有していればよい。なお、本発明の位置決め部は、支持フレーム42の手前側の面(前面46)に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で構成は適宜変更が可能である。
ここで、最も奥側に配置されたLEDユニット40は、保持フレーム100が第1中間位置から第2中間位置に移動する途中で案内溝120から外れるので、他のLEDユニット40と比較して、大きくかつ頑丈に形成しても他の部材の配置などにはほとんど影響を与えない。すなわち、最も奥側に配置された露光部材が位置決め部を有する構成とすることで、位置決め部の強度を向上させることができる。
前記した実施形態では、露光部材の一例として複数の発光部を左右方向に一列に配列したLEDユニット40を採用した例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、複数の発光部の列を前後方向に複数列並べた構成としてもよい。また、発光素子はLEDに限定されず、例えば、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子や蛍光体などであってもよい。
前記した実施形態では、複数の発光部の一例としてLED(発光素子)を複数有する構成を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、複数の発光部を構成するのに発光素子は一つであってもよい。例えば、蛍光灯などのバックライトを一つ用意し、バックライトの外側に、左右方向に一列に配列された液晶素子やPLZT素子などの光学シャッタを設けてもよい。すなわち、一つの発光素子と一列の光学シャッタとを組み合わせることで複数の発光部を形成することができる。なお、このような構成において、発光素子が複数であってもよい。
前記した実施形態では、奥側に設けられたヒンジ部を支点として上下に回動自在なトップカバー12を設けた構成を示したが、本発明のトップカバーは、これに限定されるものではない。例えば、トップカバーは上下に平行移動可能な構成であってもよい。また、装置本体内に、保持部材を第1中間位置から第2中間位置まで移動させることができるスペースがあるのであれば、開扉できるトップカバーを設けない構成であってもよい。
前記した実施形態では、手動で保持フレーム100の引き出し・装着を行う構成を示したが、これに限定されず。例えば、収容位置から引出位置までの全工程または一部の工程を機械的に行う構成としてもよい。例えば、保持部材の第1中間位置から第2中間位置までの移動を機械的に行う構成としてもよい。これによれば、保持部材を真上に移動させることも可能となるので、装置本体の前後の寸法を小さくすることができ、画像形成装置の小型化を図ることができる。
前記した実施形態では、プロセスユニット50、すなわち感光体ドラム53が保持フレーム100に着脱自在に支持された構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、感光体ドラムが保持部材に着脱不能に支持されている構成、すなわち、前記した実施形態のドラムユニット51が保持フレーム100に固定され、現像ユニット61が保持フレーム100に着脱自在に支持されている構成であってもよい。また、前記した実施形態のプロセスユニット50が保持フレーム100に固定され、保持フレーム100全体を本体筐体10から引き出して交換する構成であってもよい。
前記した実施形態では、本体筐体10の左右の両側壁の内面に設けられたサイドフレーム14,14を示したが、本発明のサイドフレームは、これに限定されず、例えば、前記した実施形態の本体筐体10の左右の両側壁を、露光部材を支持する一対のサイドフレームとしてもよい。
前記した実施形態では、画像形成装置の一例としてカラープリンタ1を例示したが、本発明の画像形成装置は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、カラー複写機やカラー複合機などにも適用することができる。また、本発明は、1つの感光体ドラムを備える画像形成装置、例えば、モノクロプリンタ、モノクロ複写機、モノクロ複合機などにも適用することができる。
画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す断面図である。 LEDユニットおよびプロセスユニットの拡大図である。 LEDユニットおよびサイドフレームの配置を示す模式図である。 LEDユニットの断面図である。 (a)は保持フレームが第1中間位置にある状態のカラープリンタを示す図であり、(b)は保持フレームが収容位置から第1中間位置に移動する様子を示す図である。 (a)は保持フレームが第2中間位置にある状態のカラープリンタを示す図であり、(b)は保持フレームが第1中間位置から第2中間位置に移動する様子を示す図であり、(c)は保持フレームが第2中間位置にあるときの保持フレーム、感光体ドラムおよびLEDユニットの位置関係を示す図である。 (a)は保持フレームが引出位置にある状態のカラープリンタを示す図であり、(b)は保持フレームが第2中間位置から引出位置に移動する様子を示す図である。 (a)はLEDユニットと第1中間位置から収容位置に移動する保持フレームを示す図であり、(b)は保持フレームとLEDユニットが当接した状態を示す図である。 本発明における露光部材を配置可能な位置を説明する図である。
符号の説明
1 カラープリンタ
10 本体筐体
11 フロントカバー
12 トップカバー
14 サイドフレーム
40 LEDユニット
45 ガイドローラ
45A 上部
46 前面
53 感光体ドラム
53A 下部
53C 回転中心
100 保持フレーム
110 案内溝
120 案内溝
PL 面

Claims (7)

  1. 装置本体と、
    略水平方向に並列配置された複数の感光体ドラムと、
    複数の前記感光体ドラムを支持し、前記装置本体から複数の前記感光体ドラムの配列方向に引き出し可能に構成された保持部材と、
    前記感光体ドラムの軸方向に対向して配置された前記装置本体の一部としての一対のサイドフレームと、
    前記一対のサイドフレームに支持され、前記感光体ドラムを露光する複数の露光部材とを備え、
    前記露光部材は、前記感光体ドラムの回転中心を含む前記保持部材の引き出し方向に延びる面よりも上側の領域であって、かつ、前記感光体ドラムの回転中心よりも前記保持部材の引き出し方向における奥側の領域で前記感光体ドラムに対向して配置され、
    前記保持部材は、前記装置本体に収容された収容位置と、前記収容位置から引き出し方向における手前側に所定距離移動された第1中間位置と、前記第1中間位置から前記感光体ドラムおよび前記保持部材の最下部が前記露光部材の最上部よりも鉛直方向の上方に移動された第2中間位置と、前記第2中間位置から引き出し方向における最も奥側に配置された前記感光体ドラムが前記装置本体の外部に引き出された引出位置との間を移動可能に構成されたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 複数の前記露光部材のうち少なくとも1つは、前記保持部材を前記装置本体に対して位置決めするための位置決め部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記位置決め部を有する前記露光部材は、複数の前記露光部材のうち前記保持部材の引出方向における最も奥側に配置されたものであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記保持部材は、前記収容位置から少なくとも前記第1中間位置まで前記露光部材に当接して前記保持部材自身の移動経路を規定する案内溝が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記露光部材は、前記案内溝に接して転がるガイドローラを有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記保持部材の引き出し方向における手前側に設けられた開閉可能なフロントカバーと、
    前記感光体ドラムおよび前記保持部材の上方に設けられた開閉可能なトップカバーとを備え、
    前記フロントカバーおよび前記トップカバーは、開扉時において前記第1中間位置および前記第2中間位置にある前記保持部材と干渉しないように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記露光部材は、配列された複数の発光部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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