JP4904182B2 - カドミウム、鉛、又は3価クロムの免疫学的定量方法及びそれらの免疫学的定量装置、並びに、それらに用いるカドミウム、鉛、又は3価クロム錯体固定化膜 - Google Patents

カドミウム、鉛、又は3価クロムの免疫学的定量方法及びそれらの免疫学的定量装置、並びに、それらに用いるカドミウム、鉛、又は3価クロム錯体固定化膜 Download PDF

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Description

本発明は、金属の免疫学的定量方法に関し、特に、金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体を用いた金属の免疫学的定量方法、及びこの定量法に用いられる免疫学的定量装置、並びに、それらに用いる金属錯体固定化膜に関する。
近年、環境保全などの社会的な環境意識や健康に対する影響への関心の高まりから、産業や生活に伴う様々な場面における環境汚染物質の排出・蓄積の動向が注視されている。環境汚染物質の中でも環境汚染が問題となっているカドミウム、水銀、鉛、6価クロム、ヒ素などの金属については公的機関により飲料水や地下水における水質基準、土壌における環境基準、環境への排出基準が設けられている。さらに、平成15年2月に土壌汚染対策法が施行され、水質汚濁防止法と併せて、土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがある他の金属についても法的規準が設けられつつある。
これら土壌や水などに対する金属についての汚染調査の公定法分析には、従来、原子吸光度計や質量分析法などが用いられている。しかしながら、公定法分析には、多大な時間と費用を要する。一方で、汚染調査が必要とされる土壌などの大幅な増加が見込まれることから分析時間と費用の削減のためには、特定物質が環境基準値以上存在している高濃度エリアを絞り込んだ後に、該高濃度エリアのみを公定法分析することが望ましく、高濃度エリアを絞り込むための簡易分析法が望まれる。
これに対し、試料中の被検物質の存在を判別する簡便かつ迅速な分析方法として、抗原抗体反応を利用した免疫学的定量方法(イムノアッセイ)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、前記カドミウム、水銀、鉛、6価クロム、ヒ素などの金属の場合、金属元素またはそのイオン単独では抗原性を持たない。そのため、前記金属の存在の判別対象である試料中に、前記金属をキレートして金属錯体を形成するキレート剤を混合し、前記試料中に前記金属が含まれる場合に、前記キレート剤が前記金属をキレートして形成される金属錯体を抗原とし、抗体に認識させる。このような、金属錯体に対して特異的に反応する抗体として、例えば、カドミウム錯体及び水銀錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体や(例えば、特許文献1参照)、鉛錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体や(例えば、非特許文献2参照)、亜鉛錯体及び銅錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体や(例えば、特許文献2参照)、3価クロム錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
イムノアッセイのうち、最も一般的な測定方法は、酵素免疫測定法(ELISA)である。前記ELISA法としては、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA、ELISA)などが知られている。
しかしながら、前記ELISA法では、被検物質の検出に特殊な機器を必要としたり、試料の前処理や測定に長時間を要したりするなどの問題点がある。このため、操作が簡単なイムノクロマト法が提案されている。
しかし、前記ELISA法、及び前記イムノクロマト法においては、検出に根本的な問題がある。両法において、最も高感度な検出感度が得るには、被検物質を担体上で2分子の抗体で挟み込む、いわゆる一般に知られるサンドイッチ法を用いるが、被検物質が金属の場合は、サンドイッチ法が成立しない。これは、被検物質が金属である場合、キレート剤が前記金属をキレートして形成される金属錯体を抗原として抗体に反応させるが、前記金属錯体が低分子であるため、生体高分子である抗体が前記金属錯体に結合すると、抗体の結合部位に前記金属錯体が埋もれてしまい、他の抗体が結合することができなくなるためである。
このため、前記ELISA法、及び前記イムノクロマト法を代表とするイムノアッセイの殆どの場合が、サンドイッチ法ではなく、競合法を採用している。
前記競合法は、前記被検物質を検出する際に、被検物質である前記低分子化合物と、前記低分子化合物又は前記低分子化合物に対する類似化合物とを、抗体に対する結合において競合させる方法である。しかし、この競合法は、抗体に対して試料中の被検物質と被検物質の類似化合物が競合的に結合する結果、本来の抗体の有する結合能力までの検出感度が得られにくいという原理的な短所がある。
さらに、前記ELISA法、及び前記イムノクロマト法において、被検物質を含む試料中に前記被検物質に対する抗体を混合し、前記被検物質と前記抗体とを反応させた後、前記抗体の捕捉物質(前記被検物質又は前記被検物質に対する類似化合物)を固定化した担体上に前記混合試料を供給し、前記混合試料中において前記被検物質を結合していないフリーの前記抗体を前記担体に結合させ、前記担体に結合した前記抗体の量を検出することにより、前記試料中の前記被検物質の定量を行う方法が提案されている(例えば、非特許文献3参照)。しかし、前記ELISA法、及び前記イムノクロマト法では、前記混合試料中において前記被検物質を結合していないフリーの前記抗体を前記担体に結合させるために、前記混合試料と前記担体との接触時間が長く、そのため、混合試料中の被検物質に結合していた抗体が、前記担体に転移する確率が高くなり、試料中の被検物質の定量感度が低下するという短所がある。
特開2004−138550号公報 特開2005−214670号公報 特開2006−290811号公報 イムノアッセイによる絶縁油中のポリ塩化ビフェニルのスクリーニング/大村直也;Thomas R.Glass;佐々木和裕 他 Khosraviani, M., Blake, R.C., II, Pavlov, A.R., Lorbach,S.C., Yu, H., Delehanty, J.B.,Brechbiel M.W. and Blake, D.A.,(2000) Binding properties of a monoclonal antibody directed toward lead−chelate complex.,Bioconjug Chem,11:267−277. N.Ohmura, Y.Tsukidate, H.Shinozaki, S.J.Lackie, H.Saiki, Anal Chem,75,104,2003
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、抗原抗体反応を利用した免疫学的定量方法を用い、金属について、簡便に、かつ最小限の誤差で高感度に定量可能な方法、及び該定量方法に用いられる免疫学的定量装置、並びに、それらに用いる金属錯体固定化膜を提供することを目的とする。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 金属の存在の判別対象である試料中に、前記金属をキレートして金属錯体を形成するキレート剤と、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記金属が含まれる場合に、前記キレート剤が前記金属をキレートして形成される前記金属錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させる混合試料調製工程と、
前記混合試料を、前記金属錯体を固定化した金属錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記金属錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記金属錯体固定化膜に固定化された前記金属錯体に結合させる通液工程と、
前記金属を含まない前記混合試料を前記金属錯体固定化膜に通液させた場合に、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記金属錯体固定化膜に固定化された前記金属錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる金属を定量する定量工程と
を含むことを特徴とする金属の免疫学的定量方法である。
<2> モノクローナル抗体が標識物質により標識され、定量工程が、前記金属を含まない前記混合試料を前記金属錯体固定化膜に通液させた場合に、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量に対応する前記標識物質による光の吸収量と、前記通液工程において、前記金属錯体固定化膜に固定化された前記金属錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量に対応する前期標識物質による光の吸収量とに基づき、前記試料中に含まれる金属を定量する前記<1>に記載の金属の免疫学的定量方法である。
<3> 通液工程における、金属錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の、送液量が1ml〜10mlであり、かつ送液速度が5ml/min〜0.5ml/minである前記<1>から<2>のいずれかに記載の金属の免疫学的定量方法である。
<4> 金属がカドミウムである前記<1>から<3>のいずれかに記載の金属の免疫学的定量方法である。
<5> モノクローナル抗体が、受託番号FERM P−19703として寄託されているハイブリドーマから産生された前記<4>に記載の金属の免疫学的定量方法である。
<6> 金属が鉛である前記<1>から<3>のいずれかに記載の金属の免疫学的定量方法である。
<7> モノクローナル抗体が、受託番号FERM P−20745として受領されているハイブリドーマ、及び受託番号FERM P−20746として受領されているハイブリドーマのいずれかから産生された前記<6>に記載の金属の免疫学的定量方法である。
<8> 金属が3価クロムである前記<1>から<3>のいずれかに記載の金属の免疫学的定量方法である。
<9> モノクローナル抗体が、受領番号FERM AP−20379として受領されているハイブリドーマから産生された前記<8>に記載の金属の免疫学的定量方法である。
<10> 金属の存在の判別対象である試料中に、前記金属をキレートして金属錯体を形成するキレート剤と、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記金属が含まれる場合に、前記キレート剤が前記金属をキレートして形成される前記金属錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させた前記混合試料を、前記金属錯体を固定化した金属錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記金属錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記膜状担体に固定化された前記金属錯体に結合させる通液手段と、
前記金属を含まない前記混合試料を前記金属錯体固定化膜に通液させた場合に、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記金属錯体固定化膜に固定化された前記金属錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる金属を定量する定量手段と
を有することを特徴とする金属の免疫学的定量装置である。
<11> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の金属の免疫学的定量方法に用いられる金属錯体固定化膜であって、通液可能な膜状担体に金属錯体が固定化されてなることを特徴とする金属錯体固定化膜である。
<12> 金属が、カドミウム、3価クロム及び鉛のいずれかである前記<11>に記載の金属錯体固定化膜である。
本発明によると、金属について、抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法を用い、簡便に、かつ最小限の誤差で高感度に定量することができる。
(金属の免疫学的定量方法)
本発明の金属の免疫学的定量方法は、抗原抗体反応を利用するものであり、混合試料調製工程と、通液工程と、定量工程とを含む金属の免疫学的定量方法である。
前記混合試料調製工程では、金属の存在の判別対象である試料中に、前記金属をキレートして金属錯体を形成するキレート剤と、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記金属が含まれる場合に、前記キレート剤が前記金属をキレートして形成される前記金属錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させる。
前記通液工程では、前記混合試料を、前記金属錯体を固定化した金属錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記金属錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記金属錯体固定化膜に固定化された前記金属錯体に結合させる。
前記定量工程では、前記金属を含まない前記混合試料を前記金属錯体固定化膜に通液させた場合に、前記金属錯体固定化膜に固定された金属錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記金属錯体固定化膜に固定化された前記金属錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる金属を定量する。
<被検物質>
被検物質である金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カドミウム、水銀、鉛、3価クロム、水銀、亜鉛、銅、鉄、アルミ、ヒ素、マンガン、ウラン、プルトニウム、ポロニウム、セレン、オスミウム、スズ、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム及びモリブデンなどが挙げられる。
<混合試料調製工程>
前記混合試料調製工程では、前記金属の存在の判別対象である試料中に、前記金属をキレートして金属錯体を形成するキレート剤を混合し、前記試料中に前記金属が含まれる場合に、前記キレート剤が前記金属をキレートして形成される前記金属錯体を抗原とし、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体に認識させる。
前記混合試料調製工程で用いられる前記キレート剤としては、金属をキレートしうるものであれば任意のキレート剤を用いることができるが、例えば、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、テトラエチレントリアミン(TET)、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、クエン酸、シュウ酸、クラウンエーテル、ニトリロテトラ酢酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、ペニシラミン、ペンテテートカルシウム三ナトリウム、ペンテト酸、スクシメル及びエデト酸トリエンチンを挙げることができる。
なお、カドミウム及び3価クロムに対しては前記EDTAが好ましく、鉛に対しては前記DTPAが好ましい。
前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体は、前記金属錯体に対して特異的に反応し、キレート剤に対しては反応しない。
前記モノクローナル抗体としては、金属錯体に対して特異的に反応するものであれば、特に制限はなく、適宜作製したものであってもよく、市販品であってもよい。また、樹立されたモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを培養し、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体を調製してもよい。また、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体は、例えば、前記金属錯体を用いてマウスなどの動物を免疫し、免疫した前記動物の脾臓細胞を回収し、該脾臓細胞とミエローマ細胞とを融合して得たハイブリドーマを培養して作製することができる。
また、前記金属錯体に特異的に反応するモノクローナル抗体を標識物質により標識することにより、後の定量工程において、前記モノクローナル抗体を標識する標識物質による光の吸収量、蛍光量、発光量などに基づき、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に結合した前記モノクローナル抗体量を測定することができる。
なお、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体を無標識の一次抗体とし、前記一次抗体に特異的に結合する標識物質により標識された抗体を二次抗体として用い、前記二次抗体の標識物質による光の吸収量、蛍光量、発光量などに基づき、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に結合した前記モノクローナル抗体量を測定してもよい。
前記抗体の標識物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペルオキシダーゼ、ビオチン、色素粒子(金コロイド、ラテックス)、蛍光物質(FITC、Cy3、Cy5、FITC、DyLight 547、DyLight 647など)などが挙げられる。
前記標識物質で前記モノクローナル抗体を標識する方法としては、特に制限はなく、公知の方法から適宜選択することができる。
<通液工程>
前記通液工程では、前記混合試料を前記金属錯体固定化膜に通液するにあたり、送液量を1ml〜10ml、かつ、送液速度を5ml/min〜0.5ml/minとする。
好ましくは、送液量3ml、かつ送液速度0.5ml/minである。
前記混合試料と前記金属錯体固定化膜との接触時間が長い場合、混合試料中の前記金属錯体に結合していたモノクローナル抗体が、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に転移する確率が高くなり、試料中の前記重金属の定量感度が低下する。
なお、前記金属錯体固定化膜に混合試料を通液後、前記金属錯体固定化膜に結合した抗体量を測定する前に、前記金属錯体固定化膜を洗浄し、前記金属錯体固定化膜に結合していないモノクローナル抗体を洗い除くことが望ましい。洗浄は、前記金属錯体固定化膜に水、生理食塩水及びPBS緩衝液のいずれかを送液して行う、または、前記金属錯体固定化膜を前記水、生理的食塩水及びPBS緩衝液のいずれかの中で濯ぐなどして行う。
なお、続く定量工程において、前記金属錯体固定化膜に結合した抗体量の測定は、前記金属錯体固定化膜が濡れた状態で測定しても、前記金属錯体固定化膜を乾燥後に測定してもよい。
<定量工程>
前記混合試料調製工程において、重金属錯体に特異的に反応するモノクローナル抗体を金コロイドで標識した場合、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量を、前記金コロイドによる光の吸収量に基づき定量することができる。例えば、前記金コロイドの吸収波長である530nmのLEDを用いて前記金属錯体固定化膜を照射すると、照射された光は前記金属錯体固定化膜に固定化されている金属錯体に結合した抗体を標識する金コロイドに吸収される。そして、この透過光を、検出セル背面に設置されたフォトダイオードによって光電変換して電気信号(電圧V)として測定し、その電気信号の強度(信号強度)に基づき、前記金属錯体固定化膜に結合した抗体量を測定する。
また、前記抗体を蛍光物質で標識した場合、蛍光光度計などにより測定した蛍光量に基づいて定量することができ、前記抗体を化学発光物質で標識した場合、化学発光測定器などにより測定した発光量に基づいて定量することができる。
このような測定方法では、まず実際の試料測定に先立ち、ある濃度の標識抗体溶液を前記金属錯体固定化膜に通液させた場合の信号強度(ブランク)を測定し、この値を例えば、検出値Fとする。次に、金属の存在の判別対象である試料中に、前記ブランク測定時と同濃度の標識抗体溶液とキレート剤とを混合した混合試料を調製し、その後、前記ブランク測定時と同一送液量及び同一送液速度によって、前記混合試料を金属錯体固定化膜に通液した場合の信号強度を測定し、この値を例えば、検出値Fとする。
ここで、試料中に金属が存在するならば、前記金属をキレートして金属錯体を形成するキレート剤と、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合する混合試料調製工程において、前記キレート剤が前記金属をキレートして形成される前記金属錯体と、前記モノクローナル抗体とが結合する。この混合試料中の金属錯体と結合したモノクローナル抗体は、続く通液工程において、金属錯体固定化膜に固定化されている金属錯体と結合できず、前記混合試料中に遊離状態で残ることとなるため、その結果が前記検出値Fにおける信号強度の低下となって示される。従って、検出値Fが検出値Fに比べ小さい場合(F<F)、前記試料中に金属が存在すると判断でき、さらに、FのFに比べた低下の割合が、試料中に含まれる金属の量と比例することから、既知の濃度の金属を用いて予め検量線などを作成することにより、Fの低下の割合に応じて前記試料中に含まれる金属の定量を行うこともできる。
(免疫学的定量装置)
本発明の金属の免疫学的定量装置は、金属の存在の判別対象である試料中に、前記金属をキレートして金属錯体を形成するキレート剤と、前記金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記金属が含まれる場合に、前記キレート剤が前記金属をキレートして形成される前記金属錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させた前記混合試料を、前記金属錯体を固定化した金属錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記金属錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記膜状担体に固定化された前記金属錯体に結合させる通液手段と、前記金属を含まない前記混合試料を前記金属錯体固定化膜に通液させた場合に、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記金属錯体固定化膜に固定化された前記金属錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる金属を定量する定量手段とを有する。
<通液手段>
前記通液手段は、前記金属錯体固定化膜に対する前記混合試料の送液量と送液速度とを制御する。前記送液速度を0.01ml/min〜50ml/min、前記送液量を0.05ml〜50mlの範囲で制御できるように構成することが好ましい。
例えば、前記混合試料調製工程で調製した混合試料を、シリンジ内に吸い取ったのち、前記シリンジの先端に、金属錯体固定化膜を保持した検出セルを取り付け、マイクロフィーダー(kd サイエンティフィック、 シリンジポンプ、 10−315−00)を用いて、送液速度を制御しながら前記シリンジ内の混合試料を前記検出セル内の金属錯体固定化膜に通液することにより、送液量と送液速度とを制御する。
前記検出セルとしては、前記金属錯体固定化膜を内部に保持し、かつ前記金属錯体固定化膜に固定化されている前記金属錯体と結合したモノクローナル抗体の標識物質による光の吸収量などの測定を阻害しないために、透明な材質からなることが好ましく、例えば、ガラス製、プラスチック製であることが好ましい。
前記検出セルは、底部が解放され、導入される試料が通液可能(いわゆるフロー式の検出セル)であるため、金属錯体固定化膜に対して前記試料を連続的に導入することができ、検出容器中に検出対象の抗金属モノクローナル抗体が蓄積・濃縮され、感度を向上させることができる。
また液相と固相の接触時間が極端に短く、液中の数パーセントにあたる抗体をフローにより連続的に捕捉するため、液相中の結合平衡状態を乱すことなく解析が可能であると同時に、連続捕捉が可能なため、液相中の結合が抗体の親和性支配になるまで抗体の結合部位濃度を低下させることができる。
<定量手段>
前記定量手段は、前記金属錯体固定化膜を対象とし、抗体標識に用いた標識物質によって吸収される光の吸収量を透過光または反射光を用いて測定する。
例えば、非特許文献1に記載の携帯型の透過光量測定器(柴田科学社製、イムニー)を用いて、前記金属錯体固定化膜に結合した抗体量を測定できる。前記イムニーでは、抗体を標識する金コロイドの吸収波長である530nmのLEDを金属錯体固定化膜に照射する。前記金属錯体固定化膜に照射された光は、前記金属錯体固定化膜に結合した前記抗体を標識する金コロイドに吸収され、この透過光が、検出セル背面に設置されたフォトダイオードによって光電変換されて電気信号(電圧V)として測定される。その電気信号の強度(信号強度)に基づき、前記金属錯体固定化膜に結合した抗体量を測定する。
(金属錯体固定化膜)
本発明の金属の免疫学的定量方法及び装置に用いられる金属錯体固定化膜は、金属錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体を捕捉するために用いられ、通液可能な膜状担体に、前記金属錯体が固定化されている。
なお、前記金属錯体は、前記膜状担体の膜表面だけでなく膜内部にも固定化され、前記金属錯体固定化膜には前記金属錯体が高密度に保持されている。
前記膜状担体としては、通液する混合試料との均一な接触が可能であれば、形状や材質に特に制限はなく、セルロース、綿、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなど、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、繊維体からなるものが好ましく、多数の繊維を高密度に有するものがより好ましい。このような繊維体としては、例えば、ろ紙、吸湿紙、織物、編物、不織布などが挙げられる。具体的には、FC50N、FC400及びH8010(日本バイリーン製の不織布)、51B(アドバンテック社製の濾紙)、並びに903(NIPPNのイムノクロマトグラフィー用吸収紙)を挙げることができるが、イムノクロマトグラフィー用吸収紙(NIPPN 903)である。前記イムノクロマトグラフィー用吸収紙は、金属錯体の吸着及び固定に優れる。
前記金属錯体固定化膜は、前記繊維を所望の形状に成形して調製してもよく、シート状の繊維体を所望のサイズ及び形状に公知の方法で裁断や打抜することにより調製してもよい。
前記膜状担体への金属錯体の固定化方法は、物理吸着でも化学的な結合でも良い。また、前記膜状担体に対して金属錯体を直接に固定化してもよいし、タンパク質などの高分子を介して固定化してもよい。また、膜状担体として、金属をキレートする性質の素材を用い、該膜状担体に金属をキレートさせることにより固定化してもよい。
なお、本発明による金属の免疫学的定量方法は、前記金属錯体固定化膜に固定化された金属錯体に結合した抗体の量を定量するため、膜状担体に対する金属錯体の固着強度が大きいことが好ましい。例えば、標識抗体溶液(金属を含まない試料)を通液させた場合の前記金属錯体固定化膜の信号強度(ブランク)が、通液前の前記金属錯体固定化膜の信号強度における誤差(標準偏差)の20倍以上を維持できる程度に、前記金属錯体が膜状担体に固定化されていることが好ましい。
(カドミウムの免疫学的定量方法)
カドミウムの免疫学的定量方法は、カドミウムの存在の判別対象である試料中に、前記カドミウムをキレートしてカドミウム錯体を形成するキレート剤と、前記カドミウム錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記カドミウムが含まれる場合に、前記キレート剤が前記カドミウムをキレートして形成される前記カドミウム錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させる混合試料調製工程と、前記混合試料を、前記カドミウム錯体を固定化したカドミウム錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記カドミウム錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化された前記カドミウム錯体に結合させる通液工程と、前記カドミウムを含まない前記混合試料を前記カドミウム錯体固定化膜に通液させた場合に、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化されたカドミウム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化された前記カドミウム錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれるカドミウムを定量する定量工程とを含む。
前記混合試料調製工程で用いられる前記キレート剤としては、前記カドミウムをキレートしてカドミウム錯体を形成しうるものであれば任意のキレート剤を用いることができるが、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)が好ましい。
前記混合試料調製工程で用いられる前記モノクローナル抗体としては、前記カドミウム錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体であればいずれの抗体でもよいが、例えば、前記EDTAがカドミウムをキレートして形成されるカドミウム−EDTA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体として、ハイブリドーマNx2C3株(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成16年2月26日付けで受託番号FERM P−19703として寄託されている)により産生されるモノクローナル抗体(以下、「Nx2C3抗体」という)が挙げられる。
前記通液工程で用いられるカドミウム錯体固定化膜としては、前記モノクローナル抗体を捕捉しうるものであれば任意のカドミウム錯体を固定化したカドミウム錯体固定化膜を用いることができるが、前記EDTAと、前記カドミウム−EDTA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体をと混合した混合試料を通液する場合、前記カドミウム−EDTA錯体を固定化したカドミウム錯体固定化膜を用いる。
(鉛の免疫学的定量方法)
鉛の免疫学的定量方法は、鉛の存在の判別対象である試料中に、前記鉛をキレートして鉛錯体を形成するキレート剤と、前記鉛錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記鉛が含まれる場合に、前記キレート剤が前記鉛をキレートして形成される前記鉛錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させる混合試料調製工程と、前記混合試料を、前記鉛錯体を固定化した鉛錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記鉛錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記鉛錯体固定化膜に固定化された前記鉛錯体に結合させる通液工程と、前記鉛を含まない前記混合試料を前記鉛錯体固定化膜に通液させた場合に、前記鉛錯体固定化膜に固定化された鉛錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記鉛錯体固定化膜に固定化された前記鉛錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる鉛を定量する定量工程とを含む。
前記混合試料調製工程で用いられる前記キレート剤としては、前記鉛をキレートして鉛錯体を形成しうるものであれば任意のキレート剤を用いることができるが、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)が好ましい。
前記混合試料調製工程で用いられる前記モノクローナル抗体としては、前記鉛錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体であればいずれの抗体でもよいが、例えば、前記DTPAが鉛をキレートして形成される鉛−DTPA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体として、ハイブリドーマYj1A3株(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成17年12月22日付けで受託番号FERM P−20745として寄託されている)により産生されるモノクローナル抗体(以下、「Yj1A3抗体」という)や、ハイブリドーマYj2H7株(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成17年12月22日付けで受託番号FERM P−20746として寄託されている)により産生されるモノクローナル抗体(以下、「Yj2H7抗体」という)が挙げられる。
前記通液工程で用いられる鉛錯体固定化膜としては、前記モノクローナル抗体を捕捉しうるものであれば任意の鉛錯体を固定化した鉛錯体固定化膜を用いることができるが、前記DTPAと、前記鉛−DTPA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合した混合試料を通液する場合、前記鉛−DTPA錯体を固定化した鉛錯体固定化膜を用いる。
(3価クロムの免疫学的定量方法)
3価クロムの免疫学的定量方法は、3価クロムの存在の判別対象である試料中に、前記3価クロムをキレートして3価クロム錯体を形成するキレート剤と、前記3価クロム錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記3価クロムが含まれる場合に、前記キレート剤が前記3価クロムをキレートして形成される前記3価クロム錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させる混合試料調製工程と、前記混合試料を、前記3価クロム錯体を固定化した3価クロム錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記3価クロム錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された前記3価クロム錯体に結合させる通液工程と、前記3価クロムを含まない前記混合試料を前記3価クロム錯体固定化膜に通液させた場合に、前記3価クロム固定化膜に固定化された3価クロム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された前記3価クロム錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる3価クロムを定量する定量工程とを含む。
前記混合試料調製工程で用いられる前記キレート剤としては、前記3価クロムをキレートして3価クロム錯体を形成しうるものであれば任意のキレート剤を用いることができるが、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)が好ましい。
前記混合試料調製工程で用いられる前記モノクローナル抗体としては、前記3価クロム錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体であればいずれの抗体でもよいが、例えば、前記EDTAが3価クロムをキレートして形成される3価クロム−EDTA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体として、ハイブリドーマGb3G12株(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成17年1月27日付けで受託番号AP−20379として寄託されている)により産生される、3価クロム−EDTA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体(以下、「Gb3G12抗体」という)が挙げられる。
前記通液工程で用いられる3価クロム錯体固定化膜としては、前記モノクローナル抗体を捕捉しうるものであれば任意の3価クロム錯体を固定化したカドミウム錯体固定化膜を用いることができるが、前記EDTAと、前記3価クロム−EDTA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体をと混合した混合試料を通液する場合、前記3価クロム−EDTA錯体を固定化した3価クロム錯体固定化膜を用いる。
以下、本発明の実施例及び実験例について説明するが、本願発明は、これらの実施例及び実験例に何ら限定されるものではない。
(カドミウム−EDTA錯体固定化膜の作製)
Isothiocyanobenzyl−EDTAとニワトリ卵白由来のアルブミンタンパク質(OVA)を50mMホウ酸溶液(pH9.5)中で混合し、前記EDTAと前記OVAの複合体(EDTA−OVA複合体)を調製した。前記EDTA−OVA複合体を含む溶液中にイムノクロマトグラフィー用吸収紙(NIPPN、903)を一晩浸振し、前記イムノクロマトグラフィー用吸収紙に前記EDTA−OVA複合体を吸着させた。ついで、牛血清アルブミン(BSA)溶液を前記BSA濃度が最終的に0.1%になるように加え、膜のブロッキングを行った。その後、前記EDTA−OVA複合体及び前記BSAを含む溶液を除去し、これをPBS(Phosphate−Buffered Saline)緩衝液で洗浄し、EDTA固定化膜型担体とした。なお、前記PBS緩衝液による洗浄操作は前記PBS緩衝液を加えては、除去する操作を5回繰り返すことで行った。
次に、前記EDTA固定化膜型担体を1μMの塩化カドミウム溶液に浸し、カドミウム−EDTA錯体を形成させた。塩化カドミウム溶液を除去した後、これを水で洗浄し、カドミウム−EDTA錯体固定化膜とした。なお、前記水による洗浄は、水を加えては除去する作業を5回繰り返すことで行った。
(鉛−DTPA錯体固定化膜の作製)
Isothiocyanobenzyl−DTPAとニワトリ卵白由来のアルブミンタンパク質(OVA)を50mMホウ酸溶液(pH9.5)中で混合し、前記DTPAと前記OVAの複合体(DTPA−OVA複合体)を調製した。前記DTPA−OVA複合体を含む溶液中に、イムノクロマトグラフィー用吸収紙(NIPPN、903)を一晩浸振し、前記イムノクロマトグラフィー用吸収紙に前記DTPA−OVA複合体を吸着させた。ついで、牛血清アルブミン(BSA)溶液を前記BSA濃度が最終的に0.1%になるように加え、膜のブロッキングを行った。その後、前記DTPA−OVA複合体及び前記BSAを含む溶液を除去し、これを前記PBS緩衝液で洗浄し、DTPA固定化膜型担体とした。なお、前記PBS緩衝液による洗浄操作は前記PBS緩衝液を加えては、除去する操作を5回繰り返すことで行った。
次に、前記DTPA固定化膜型担体を1μMの塩化鉛溶液に浸し、鉛−DTPA錯体を形成させた。前記塩化鉛溶液を除去した後、これを水で洗浄し、鉛−DTPA錯体固定化膜とした。なお、前記水による洗浄は、水を加えては除去する作業を5回繰り返すことで行った。
(3価クロム−EDTA錯体固定化膜の作製)
カドミウム−EDTA錯体固定化膜の作製時と同様にして、EDTA固定化膜を作製した後、前記EDTA固定化膜型担体を1μMの塩化クロム溶液に浸し、3価クロム−EDTA錯体を形成させた。塩化クロム溶液を除去した後、これを水で洗浄し、3価クロム−EDTA錯体固定化膜とした。なお、水による洗浄操作は、水を加えては、除去する操作を5回繰り返すことで行った。
(免疫学的定量装置)
<通液手段>
金属錯体固定化膜を保持するための検出セルは非特許文献1に記載の検出セルを用いた。前記金コロイド標識抗体溶液を、シリンジ(テルモ製、容量10ml)内に吸い取ったのち、シリンジの先端に、前記金属錯体固定化膜を保持した検出セルを取り付け、マイクロフィーダー(kd サイエンティフィック、シリンジポンプ、 10−315−00)を用いて、送液速度を制御しながら、混合試料を検出セル内の金属錯体固定化膜に送液した。
<定量手段>
前記金属錯体固定化膜に結合した抗体量の光学的な測定は、非特許文献1に記載の携帯型の透過光量測定器(柴田科学社製、Imny)を用いて行った。光源には、金コロイドの吸収波長である530nmのLEDを用いて前記金属錯体固定化膜を照射する。照射された光は前記金属錯体固定化膜に固定化されている金属錯体に結合した抗体を標識する金コロイドに吸収され、透過光は、検出セル背面に設置されたフォトダイオードによって光電変換されて電気信号(電圧V)として計測される。
(金コロイド標識抗体液の調製)
定法に従って直径10nmから20nmの金コロイド粒子を調製し、定法に従ってモノクローナル抗体を金コロイド標識し、金コロイド標識抗体液を調製した。
カドミウム−EDTA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体として、Nx2C3抗体(生産株は、独立行政法人産業総合技術研究所特許生物寄託センター受託番号:FERM P−19703として寄託)を用いた。
鉛−DTPA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体として、Yj1A3抗体(生産株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号:FERM P−20745として寄託)、及びYj2H7抗体(生産株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号:FERM P−20746として寄託)を用いた。
3価クロム−EDTA錯体に対して特異的に反応するモノクローナル抗体として、Gb3G12抗体(生産株は、独立行政法人産業総合技術研究所特許生物寄託センター受託番号:AP−20379として寄託)を用いた。
(金コロイド標識抗体液の抗体濃度)
前記金コロイド標識抗体液、前記金属錯体固定化膜、及び前記免疫学的定量装置を用い、抗体濃度の異なる前記金コロイド標識抗体溶液3mlを、前記金属錯体固定化膜に通液し、金属錯体固定化膜への抗体の結合量を、前記標識物質による光の吸収量に基づき測定した。
前記金属錯体固定化膜への抗体の結合量は、ある抗体濃度までは、直線的に増加するが、やがて結合量は一定の値に達する。
免疫学的定量方法では、前記金属錯体固定化膜に結合する抗体量が直線的に増加する濃度区間の高濃度側の抗体濃度を用いることが好ましい。
(実験例1)
カドミウムを含まない試料中に、前記Nx2C3抗体を金コロイド標識した調製済み金コロイド標識抗体液と、前記EDTAを混合し、混合試料を調製した。なお、前記混合試料1mlに対し、前記調製済み金コロイド標識抗体液2μlの割合で添加した。
前記免疫学的定量装置を用いて、前記混合試料を前記カドミウム−EDTA錯体固定化膜に通液した後、前記カドミウム−EDTA錯体固定化膜に結合した前記Nx2C3抗体の量を測定した。送液量または送液速度を変化させた以外は、同様にし、以下の各測定条件について2回ずつ測定した。結果を図1及び図2に示す。
〔測定条件〕
送液速度:0.5ml/min、1.0ml/min、2.0ml/min、5ml/min
送液量 :1ml、3ml、5ml、10ml
図1において、横軸は送液量を、縦軸は透過光量測定器で測定した信号強度(電圧V)を示しており、図2において、横軸は送液速度を、縦軸は透過光量測定器で測定した信号強度(電圧V)を示している。
図1及び図2に示すように、送液速度0.5ml/min、送液量3mlの条件で測定することにより、前記金属錯体固定化膜に結合した抗体量を測定する際に、十分な信号強度が得られる。したがって、以下の実験例では、少ない抗体量で十分な信号が得られる条件として送液速度0.5ml/min、送液量3mlを採用することにした。
(実験例2)
<Nx2C3抗体を用いたカドミウムの免疫学的定量>
− 混合試料の調製 −
カドミウム濃度0.3nM、1nM、3nM、10nM、30nM、100nM、300nMの各塩化カドミウム溶液に対し、100μMのEDTAと、前記Nx2C3抗体を金コロイド標識した調製済み金コロイド標識抗体液とをそれぞれ混合し、既知カドミウム濃度の混合試料をそれぞれ調製した。なお、前記混合試料1mlに対し、前記調製済み金コロイド標識抗体液2μlの割合で添加した。
− カドミウムの定量 −
前記免疫学的定量装置を用い、前記既知カドミウム濃度の各混合試料について、前記カドミウム−EDTA錯体固定化膜に通液した後、前記カドミウム−EDTA錯体固定化膜に結合した前記Nx2C3抗体の量を測定した。各カドミウム濃度の混合試料について、3回ずつ測定した。結果を図3に示す。
図3において、横軸は測定に用いたカドミウムの濃度を、縦軸は透過光量測定器で測定した信号強度(%)を示している。前記透過光量測定器で測定した信号強度(%)は、カドミウム濃度0nMの混合試料を用いて測定した信号強度を100%とし、相対的に換算した値である。
図3の結果に基づき、例えば、グラフ作成ソフトウェアOrigin version 7.5(OriginLab Corporation製)を用いて検量線を作成することにより、未知濃度のカドミウムについての定量が可能となる。
なお、前記検量線を用いた金属の免疫学的定量方法では、前記検量線において、試料中に含まれる金属の量に比例して信号強度が低下する範囲の上限値が、前記試料中に含まれる金属を正確に定量できる下限値となる。
図3の結果に基づいて作成した検量線では、信号強度85%(y=85%)以下の範囲で、前記試料中に含まれるカドミウムの量に比例して信号強度が低下しており、信号強度85%(y=85%)のときの試料中のカドミウム量(IC85値)は、7.9nM(=0.88ppb)であった。つまり、この実験例による、試料中に存在するカドミウムの検出感度の下限値は、7.9nM(=0.88ppb)である。
なお、前記信号強度50%(y=50%)のときの試料中のカドミウム量(IC50値)は、44nM(=4.9ppb)であった。
(実験例3)
<Yj1A3抗体を用いた鉛の免疫学的定量>
− 混合試料の調製 −
鉛濃度0.1nM、0.3nM、1nM、3nM、10nM、30nM、100nMの各塩化鉛溶液に対し、100μMのDTPAと、前記Yj1A3抗体を金コロイド標識した調製済み金コロイド標識抗体液とをそれぞれ混合し、既知鉛濃度の混合試料をそれぞれ調製した。なお、前記混合試料1mlに対し、前記調製済み金コロイド標識抗体液3μlの割合で添加した。
− 鉛の定量 −
前記免疫学的定量装置を用い、前記既知鉛濃度の各混合試料について、前記鉛−DTPA錯体固定化膜に通液した後、前記鉛−DTPA錯体固定化膜に結合した前記Yj1A3抗体の量を測定した。鉛濃度が異なる混合試料を用いた以外は、同様にし、各条件について、3回ずつ測定した。結果を図4に示す。
図4において、横軸は測定に用いた鉛の濃度を、縦軸は前記透過光量測定器で測定した信号強度(%)を示している。前記透過光量測定器で測定した信号強度(%)は、鉛濃度0nMの混合試料を用いて測定した信号強度を100%とし、相対的に換算した値である。
図4の結果に基づき、例えば、グラフ作成ソフトウェアOrigin version 7.5(OriginLab Corporation製)を用いて検量線を作成することにより、未知濃度の鉛についての定量が可能となる。
図4の結果に基づいて作成した検量線では、信号強度85%(y=85%)以下の範囲で、前記試料中に含まれる鉛の量に比例して信号強度が低下しており、信号強度85%(y=85%)のときの試料中の鉛量(IC85値)は、1.4nM(=0.35ppb)であった。つまり、この実験例による鉛の免疫学的定量方法では、試料中に存在する鉛の検出感度の下限値は、1.4nM(=0.35ppb)である。
なお、前記信号強度50%(y=50%)のときの試料中の鉛量(IC50値)は、3.7nM(=0.77ppb)であった。
(実験例4)
<Yj2H7抗体を用いた鉛の免疫学的定量>
鉛濃度1nM、3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、1000nMの各塩化鉛溶液に対し、100μMのDTPAと、前記Yj2H7抗体を金コロイド標識した調製済み金コロイド標識抗体液とをそれぞれ混合した、既知鉛濃度の混合試料をそれぞれ調製した後、前記実験例3と同様にして、鉛の定量を行った。結果を図5に示す。なお、前記混合試料1mlに対し、前記調製済み金コロイド標識抗体液3μlの割合で添加した。
図5の結果に基づいて作成した検量線では、信号強度85%(y=85%)以下の範囲で、前記試料中に含まれる鉛の量に比例して信号強度が低下しており、信号強度85%(y=85%)のときの試料中の鉛量(IC85値)は、1.4nM(=0.35ppb)であった。つまり、この実験例による鉛の免疫学的定量方法では、試料中に存在する鉛の検出感度の下限値は、1.4nM(=0.35ppb)である。
なお、前記信号強度50%(y=50%)のときの試料中の鉛量(IC50値)は、7.7nM(=1.6ppb)であった。
(実験例5)
<Gb3G12抗体を用いた3価クロムの免疫学的定量>
− 混合試料の調製 −
3価クロム濃度0.03μM、0.1μM、0.3μM、1μM、3μM、10μM、30μM、100μMの各塩化クロム溶液に、100μMのEDTAと、前記Gb3G12抗体を金コロイド標識した調製済み金コロイド標識抗体液とを混合し、既知3価クロム濃度の混合試料をそれぞれ調製した。なお、前記混合試料1mlに対し、前記調製済み金コロイド標識抗体液3μlの割合で添加した。
− 3価クロムの定量 −
前記免疫学的定量装置を用い、前記既知3価クロム濃度の各混合試料について、前記3価クロム−EDTA錯体固定化膜に通液した後、前記3価クロム−EDTA錯体固定化膜に結合した前記Gb3G12抗体の量を測定した。各3価クロム濃度の混合試料について、3回ずつ測定した。結果を図6に示す。
図6において、横軸は測定に用いた3価クロムの濃度を、縦軸は前記透過光測定器で測定した信号強度(%)を示している。前記透過光量測定器で測定した信号強度(%)は、3価クロム濃度0μMの混合試料を用いて測定した透過光量を100%とし、相対的に換算した値である。
例えば、図6の結果に基づき、グラフ作成ソフトウェアOrigin version 7.5(OriginLab Corporation製)を用いて検量線を作成することにより、未知濃度の鉛についての定量が可能となる。
図6の結果に基づいて作成した検量線では、信号強度85%(y=85%)以下の範囲で、前記試料中に含まれる3価クロムの量に比例して信号強度が低下しており、信号強度85%(y=85%)のときの試料中の3価クロム量(IC85値)は、0.4μM(=83ppb)であった。つまり、この実験例による3価クロムの免疫学的定量方法では、試料中に存在する鉛の検出感度の下限値は、0.4μM(=83ppb)である。
なお、前記信号強度50%(y=50%)のときの試料中の鉛量(IC50値)は、2.3μM(=480ppb)であった。
(実験例6)
前記金コロイド標識したNx2C3抗体、前記カドミウム−EDTA錯体固定化膜、及び前記免疫学的定量装置を用いてカドミウムの検量線を作成した後、500nMの塩化カドミウム溶液について、前記カドミウムの検量線を用いた本発明の免疫学的定量方法によりカドミウムの定量を行った。
−カドミウムの検量線の作成−
カドミウム濃度0nM、10nM、30nM、100nM、300nM、1000nM、3000nMの塩化カドミウム溶液に対し、1μMのEDTAを含む調製済み金コロイド標識抗体液を1対9の割合で混合し、既知カドミウム濃度の混合試料をそれぞれ調製した。なお、前記混合試料1mlに対し、前記調製済み金コロイド標識抗体液2μlの割合で添加した。
前記既知カドミウム濃度の各混合試料3mlについて、カドミウム−EDTA錯体固定化膜に対し、送液速度0.5ml/minの一定流速で通液させ、その後、前記透過光量測定器(柴田科学社製、Imny)を用いて、前記カドミウム−EDTA錯体固定化膜に結合したNx2C3抗体の量を測定した。なお、各カドミウム濃度の混合試料について、3回ずつ測定した。
上記測定結果について、平均値と標準偏差を求めグラフを作成した後(図7)、該グラフのプロットに対して近似値を求め、検量線を作成した(図8)。
図7は、各塩化カドミウム溶液を測定した際に得られた信号強度の平均をプロットしたグラフであり、横軸は測定に用いた塩化カドミウム溶液のカドミウム濃度を、縦軸は前記透過光量測定器で測定した信号強度(電圧V)を示している。
図8は、グラフ作成ソフトウェアOrigin version 7.5(OriginLab Corporation製)を用いて、図7のプロットに対応するフィッティング曲線を加え、検量線を作成したグラフであり、横軸は測定に用いた塩化カドミウム溶液のカドミウム濃度を、縦軸は前記透過光量測定器で測定した信号強度(電圧V)を示している。
なお、図8に示す検量線は下記の検量線式(1)にて表される。

前記式(1)中、yは、透過光量測定器で測定した信号強度(電圧V)を表し、xは、カドミウム濃度(nM)を表す。
― 検量線を用いたカドミウムの定量 ―
上記検量線の作成時と同様に、カドミウム濃度500nMの塩化カドミウム溶液を用いて調製した混合試料をカドミウム−EDTA錯体固定化膜に通液した後、前記透過光量測定器(柴田科学社製、Imny)を用いて、前記カドミウム−EDTA錯体固定化膜に結合したNx2C3抗体の量を測定した。測定は3回行い、それぞれ信号強度(y)を求めた。
この測定結果について、それぞれ上記の検量線式(1)に代入することにより、該試料のカドミウム濃度(x)を求めた。この結果を表1に示す。
なお、図8に示す検量線上に、前記透過光量測定器による測定結果(信号強度(y))をブロットすることにより、該試料のカドミウム濃度(x)を求めてもよい。
検量線式(1)に基づき算出した値x(3回)を平均すると、前記透過光量測定器で測定した信号強度(測定値y)から、前記検量線式(1)に基づき算出される試料中のカドミウム濃度は511±104(nM)である。
つまり本発明の免疫学的定量方法では、カドミウム濃度500nMの塩化カドミウム溶液について、407〜615nMの範囲で定量できた。この検量線式(1)に基づく定量結果の範囲は、真のカドミウム濃度を含み、かつ、変動係数(CV、標準偏差/平均値)が約20%と実用的な測定法の目安とされる30%を下回っていた。
(実験例7)
前記金コロイド標識したYj2H3抗体、前記鉛−DTPA錯体固定化膜、及び前記免疫学的定量装置を用いて鉛の検量線を作成した後、50nMの塩化鉛溶液について、前記鉛の検量線を用いた本発明の免疫学的定量方法により、試料中に含まれる鉛の定量を行った。
−鉛の検量線の作成−
鉛濃度0nM、10nM、30nM、100nM、300nMの各塩化鉛溶液に対し、1μMのDTPAを含む調製済み金コロイド標識抗体液を1対9の割合で混合し、既知鉛濃度の混合試料をそれぞれ調製した。なお、前記混合試料1mlに対し、前記調製済み金コロイド標識抗体液3μlの割合で添加した。
前記既知鉛濃度の各混合試料3mlについて、鉛−DTPA錯体固定化膜に対して、送液速度0.5ml/minの一定流速で通液させ、その後、前記透過光量測定器(柴田科学社製、Imny)を用いて、前記鉛−DTPA錯体固定化膜に結合したYj2H7抗体の量を測定した。なお、各鉛濃度の混合試料について、3回ずつ測定した。
上記測定結果について、平均値と標準偏差を求めグラフを作成した後(図9)、該グラフのプロットに対して近似値を求め、検量線を作成した(図10)。
図9は、各塩化鉛溶液を測定した際に得られた信号強度の平均をプロットしたグラフであり、横軸は測定に用いた塩化鉛溶液の鉛濃度を、縦軸は前記透過光量測定器で測定した+信号強度(%)を示している。前記透過光量測定器で測定した信号強度(%)は、鉛濃度0nMの混合試料を用いて測定した信号強度を100%とし、相対的に換算した値である。
図10は、グラフ作成ソフトウェアOrigin version 7.5(OriginLab Corporation製)を用いて、図9のプロットに対応するフィッティング曲線を加え、検量線を作成したグラフであり、横軸は測定に用いた塩化鉛溶液の鉛濃度を、縦軸は前記透過光量測定器で測定した信号強度(%)を示している。
なお、図10に示す検量線は下記の検量線式(2)にて表される。

前記式(2)中、yは、透過光量測定器で測定した信号強度(%)を表し、xは、鉛濃度(nM)を表す。
― 検量線を用いた鉛の定量 ―
上記検量線の作成時と同様に、鉛濃度50nMの塩化鉛溶液を用いて調製した混合試料を鉛−DTPA錯体固定化膜に通液した後、前記透過光量測定器(柴田科学社製、Imny)を用いて、前記鉛−DTPA錯体固定化膜に結合したYj2H7抗体の量を測定した。測定は3回行い、それぞれ信号強度(測定値y)を求めた。
この測定結果について、それぞれ上記の検量線式(2)に代入することにより、該試料の鉛濃度(x)を求めた。この結果を表2に示す。
なお、図9に示す検量線上に、前記透過光量測定器で測定した信号強度(測定値y)をブロットすることにより、該試料の鉛濃度(x)を求めてもよい。
検量線式(2)に基づき算出した値x(3回)を平均すると、前記透過光量測定器で測定した信号強度(測定値y)から、前記検量線式(2)に基づき算出される試料中の鉛濃度は53.8±14.8である。
つまり本発明の免疫学的定量方法では、鉛濃度50nMの塩化鉛溶液について、39.0〜68.6nMの範囲で定量できた。この検量線式(2)に基づく定量結果の範囲は、真の鉛濃度を含み、かつ、変動係数(CV、標準偏差/平均値)が約20%と実用的な測定法の目安とされる30%を下回っていた。
本発明の金属の免疫学的定量方法は、試料中の金属の濃度を、抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法を用い、簡便に、かつ最小限の誤差で高感度に定量することができるため、環境中の金属濃度などの検査に好適に用いることができる。
図1は、実験例1において、Nx2C3抗体を用いて測定した各送液速度毎の送液量に対する信号強度(V)のプロットであり、「■」は送液速度5ml/min、「●」は送液速度2ml/min、「▲」は送液速度1ml/min、「▼」は送液速度0.5ml/minの各条件における送液量に対する信号強度(電圧V)の平均値を示す。 図2は、実験例1において、Nx2C3抗体を用いて測定した各送液速量毎の送液速度に対する信号強度(V)のプロットであり、「■」は送液量1ml、「●」は送液量3ml、「▲」は送液量5ml、「▼」は送液量10mlの各条件における送液速度に対する信号強度(電圧V)の平均値を示す。 図3は、実験例2において、Nx2C3抗体を用いて測定した各濃度のカドミウム溶液に対する信号強度(%)のプロットであり、「◆」は平均値を示す。 図4は、実験例3において、Yj1A3抗体を用いて測定した各濃度の鉛溶液に対する信号強度(%)のプロットであり、「◆」は平均値を示す。 図5は、実験例4において、Yj2H7抗体を用いて測定した各濃度の鉛溶液に対する信号強度(%)のプロットであり、「◆」は平均値を示す。 図6は、実験例5において、Gb3G12抗体を用いて測定した各濃度の鉛溶液に対する信号強度(%)のプロットであり、「◆」は平均値を示す。 図7は、実験例6において、Nx2C3抗体を用いて測定した各濃度のカドミウム溶液に対する信号強度(電圧V)のプロットであり、「●」は平均値を示す。 図8は、図7における検量線を示すグラフである。 図9は、実験例7において、Yj2H7抗体を用いて測定した各濃度の鉛溶液に対する信号強度(%)のプロットであり、「●」は平均値を示す。 図10は、図9における検量線を示すグラフである。

Claims (15)

  1. カドミウムの存在の判別対象である試料中に、前記カドミウムをキレートしてカドミウム錯体を形成するキレート剤であるエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)と、前記カドミウム錯体に対して特異的に反応する受託番号FERM P−19703として寄託されているハイブリドーマから産生されたモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記カドミウムが含まれる場合に、前記キレート剤が前記カドミウムをキレートして形成される前記カドミウム錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させる混合試料調製工程と、
    前記混合試料を、前記カドミウム錯体を固定化したカドミウム錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記カドミウム錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化された前記カドミウム錯体に結合させる通液工程と、
    前記カドミウムを含まない前記混合試料を前記カドミウム錯体固定化膜に通液させた場合に、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化されたカドミウム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化された前記カドミウム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれるカドミウムを定量する定量工程と
    を含み、
    前記通液工程における、カドミウム錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の送液量が3ml〜10mlであり、かつ送液速度が0.5ml/min〜1ml/minであることを特徴とするカドミウムの免疫学的定量方法。
  2. モノクローナル抗体が標識物質により標識され、定量工程が、前記カドミウムを含まない前記混合試料を前記カドミウム錯体固定化膜に通液させた場合に、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化されたカドミウム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量に対応する前記標識物質による光の吸収量と、前記通液工程において、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化された前記カドミウム錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量に対応する前記標識物質による光の吸収量とに基づき、前記試料中に含まれるカドミウムを定量する請求項1に記載のカドミウムの免疫学的定量方法。
  3. 通液工程における、カドミウム錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の、送液量が3mlであり、かつ送液速度が0.5ml/minである請求項1から2のいずれかに記載のカドミウムの免疫学的定量方法。
  4. 鉛の存在の判別対象である試料中に、前記鉛をキレートして鉛錯体を形成するキレート剤であるジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)と、前記鉛錯体に対して特異的に反応する受託番号FERM P−20745として受領されているハイブリドーマ、及び受託番号FERM P−20746として受領されているハイブリドーマのいずれかから産生されたモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記鉛が含まれる場合に、前記キレート剤が前記鉛をキレートして形成される前記鉛錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させる混合試料調製工程と、
    前記混合試料を、前記鉛錯体を固定化した鉛錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記鉛錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記鉛錯体固定化膜に固定化された前記鉛錯体に結合させる通液工程と、
    前記鉛を含まない前記混合試料を前記鉛錯体固定化膜に通液させた場合に、前記鉛錯体固定化膜に固定化された鉛錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記鉛錯体固定化膜に固定化された前記鉛錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる鉛を定量する定量工程と
    を含み、
    前記通液工程における、鉛錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の送液量が3ml〜10mlであり、かつ送液速度が0.5ml/min〜1ml/minであることを特徴とする鉛の免疫学的定量方法。
  5. モノクローナル抗体が標識物質により標識され、定量工程が、前記鉛を含まない前記混合試料を前記鉛錯体固定化膜に通液させた場合に、前記鉛錯体固定化膜に固定化された鉛錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量に対応する前記標識物質による光の吸収量と、前記通液工程において、前記鉛錯体固定化膜に固定化された前記鉛錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量に対応する前記標識物質による光の吸収量とに基づき、前記試料中に含まれる鉛を定量する請求項4に記載の鉛の免疫学的定量方法。
  6. 通液工程における、鉛錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の、送液量が3mlであり、かつ送液速度が0.5ml/minである請求項4から5のいずれかに記載の鉛の免疫学的定量方法。
  7. 3価クロムの存在の判別対象である試料中に、前記3価クロムをキレートして3価クロム錯体を形成するキレート剤であるエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)と、前記3価クロム錯体に対して特異的に反応する受領番号FERM AP−20379として受領されているハイブリドーマから産生されたモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製し、前記試料中に前記3価クロムが含まれる場合に、前記キレート剤が前記3価クロムをキレートして形成される前記3価クロム錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させる混合試料調製工程と、
    前記混合試料を、前記3価クロム錯体を固定化した3価クロム錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記3価クロム錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された前記3価クロム錯体に結合させる通液工程と、
    前記3価クロムを含まない前記混合試料を前記3価クロム錯体固定化膜に通液させた場合に、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された3価クロム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された前記3価クロム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる3価クロムを定量する定量工程と
    を含み、
    前記通液工程における、3価クロム錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の送液量が3ml〜10mlであり、かつ送液速度が0.5ml/min〜1ml/minであることを特徴とする3価クロムの免疫学的定量方法。
  8. モノクローナル抗体が標識物質により標識され、定量工程が、前記3価クロムを含まない前記混合試料を前記3価クロム錯体固定化膜に通液させた場合に、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された3価クロム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量に対応する前記標識物質による光の吸収量と、前記通液工程において、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された前記3価クロム錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量に対応する前記標識物質による光の吸収量とに基づき、前記試料中に含まれる3価クロムを定量する請求項7に記載の3価クロムの免疫学的定量方法。
  9. 通液工程における、3価クロム錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の、送液量が3mlであり、かつ送液速度が0.5ml/minである請求項7から8のいずれかに記載の3価クロムの免疫学的定量方法。
  10. カドミウムの存在の判別対象である試料中に、前記カドミウムをキレートしてカドミウム錯体を形成するキレート剤であるエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)と、前記カドミウム錯体に対して特異的に反応する受託番号FERM P−19703として寄託されているハイブリドーマから産生されたモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製する混合手段と、
    前記試料中に前記カドミウムが含まれる場合に、前記キレート剤が前記カドミウムをキレートして形成される前記カドミウム錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させた前記混合試料を、前記カドミウム錯体を固定化したカドミウム錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記カドミウム錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記膜状担体に固定化された前記カドミウム錯体に結合させる通液手段と、
    前記カドミウムを含まない前記混合試料を前記カドミウム錯体固定化膜に通液させた場合に、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化されたカドミウム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記カドミウム錯体固定化膜に固定化された前記カドミウム錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれるカドミウムを定量する定量手段と
    を有し、
    前記通液手段における、カドミウム錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の送液量が3ml〜10mlであり、かつ送液速度が0.5ml/min〜1ml/minであることを特徴とするカドミウムの免疫学的定量装置。
  11. 鉛の存在の判別対象である試料中に、前記鉛をキレートして鉛錯体を形成するキレート剤であるジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)と、前記鉛錯体に対して特異的に反応する受託番号FERM P−20745として受領されているハイブリドーマ、及び受託番号FERM P−20746として受領されているハイブリドーマのいずれかから産生されたモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製する混合手段と、
    前記試料中に前記鉛が含まれる場合に、前記キレート剤が前記鉛をキレートして形成される前記鉛錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させた前記混合試料を、前記鉛錯体を固定化した鉛錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記鉛錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記膜状担体に固定化された前記鉛錯体に結合させる通液手段と、
    前記鉛を含まない前記混合試料を前記鉛錯体固定化膜に通液させた場合に、前記鉛錯体固定化膜に固定化された鉛錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記鉛錯体固定化膜に固定化された前記鉛錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる鉛を定量する定量手段と
    を有し、
    前記通液工程における、鉛錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の送液量が3ml〜10mlであり、かつ送液速度が0.5ml/min〜1ml/minであることを特徴とする鉛の免疫学的定量装置。
  12. 3価クロムの存在の判別対象である試料中に、前記3価クロムをキレートして鉛錯体を形成するキレート剤であるエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)と、前記3価クロム錯体に対して特異的に反応する受領番号FERM AP−20379として受領されているハイブリドーマから産生されたモノクローナル抗体とを混合して混合試料を調製する混合手段と、
    前記試料中に前記3価クロムが含まれる場合に、前記キレート剤が前記3価クロムをキレートして形成される前記3価クロム錯体を、前記モノクローナル抗体で捕捉させた前記混合試料を、前記3価クロム錯体を固定化した3価クロム錯体固定化膜に通液させ、前記混合試料中に含まれる前記3価クロム錯体を捕捉していない前記モノクローナル抗体を、前記膜状担体に固定化された前記3価クロム錯体に結合させる通液手段と、
    前記3価クロムを含まない前記混合試料を前記3価クロム錯体固定化膜に通液させた場合に、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された3価クロム錯体に結合する前記モノクローナル抗体の量と、前記通液工程において、前記3価クロム錯体固定化膜に固定化された前記3価クロム錯体に結合した前記モノクローナル抗体の量とに基づき、前記試料中に含まれる3価クロムを定量する定量手段と
    を有し、
    前記通液工程における、3価クロム錯体固定化膜に混合試料を通液させる際における、前記混合試料の送液量が3ml〜10mlであり、かつ送液速度が0.5ml/min〜1ml/minであることを特徴とする3価クロムの免疫学的定量装置。
  13. 請求項1から3のいずれかに記載のカドミウムの免疫学的定量方法に用いられるカドミウム錯体固定化膜であって、通液可能な膜状担体にカドミウム錯体が固定化されてなることを特徴とするカドミウム錯体固定化膜。
  14. 請求項4から6のいずれかに記載の鉛の免疫学的定量方法に用いられる鉛錯体固定化膜であって、通液可能な膜状担体に鉛錯体が固定化されてなることを特徴とする鉛錯体固定化膜。
  15. 請求項7から9のいずれかに記載の3価クロムの免疫学的定量方法に用いられる3価クロム錯体固定化膜であって、通液可能な膜状担体に3価クロム錯体が固定化されてなることを特徴とする3価クロム錯体固定化膜。
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