JP4902438B2 - 電動モータ - Google Patents

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Description

本発明は、電気部品の端子が接続される電気接続端子を用いた電動モータに関する。
電動モータ等の電気機器において、電気部品に形成された線状端子が接続される電気接続端子としては、図7(a)に示すように、基部191の先端部に、電気部品Cの線状端子C2が保持される接続部192が形成された電気接続端子190がある(例えば、特許文献1参照)。この電気接続端子190では、接続部192に凹設された接続溝193の底部に、線状端子C2が入り込む保持部193aが形成されている。
前記した従来の電気接続端子190では、図7(b)に示すように、保持部193a内に線状端子C2が入り込んだ状態で、接続部192を幅方向の両側から一対の電極Eで挟み込み、この電極Eによって接続部192を幅方向から押し込んで接続溝193を閉じることにより、保持部193a内に線状端子C2を保持させる。そして、電極Eに通電して接続部192と線状端子C2とを抵抗溶接することで、電気接続端子190と線状端子C2とを電気的に接続している。
特開平8−219127号公報
前記した電気接続端子190では、接続溝193を閉じるときに、接続溝193の保持部193aの中心位置よりも先端側で接続部192を幅方向から押し込んでいるので、接続部192全体を幅方向から押し込む場合よりも小さな荷重で接続溝193を閉じることができるが、電極Eによって接続部192を挟み難くなるため、電気接続端子190と線状端子C2とを接続するときの作業性が低くなってしまうという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、電極や工具による接続部の挟み込み量を大きくしても、接続部を変形させるための荷重が必要以上に大きくなることなく、電気部品の線状端子を接続するときの作業性を向上させることができる電気接続端子を用いた電動モータを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、モータハウジングと、モータハウジング内に嵌め込まれるブラシホルダと、ブラシホルダに取り付けられた電気部品と、ブラシホルダに立設され、電気部品に形成された線状端子が接続される電気接続端子と、を備え、電気接続端子は、基部と、基部の先端部に突設された接続部と、を備え、接続部には、線状端子が挟み込まれる接続溝が凹設され、接続溝の底部には、線状端子が入り込む保持部が形成され、保持部の底部から基部に向けてスリットが凹設されており、ブラシホルダの周壁部には、電気接続端子に対応させて先端部に凹部が形成され、接続部は、凹部の底面よりも先端側に配置されていることを特徴としている。
この構成では、接続溝の底部に形成された保持部にスリットが凹設されており、接続溝の保持部よりも基部側に溝状の空間が形成されている。このような電気接続端子では、接続部の先端部から基端部に亘って溝状の空間が形成され、接続部の剛性が低くなるため、接続部全体を挟み込んで接続溝及びスリットを閉じたとしても、接続部を変形させるための荷重が必要以上に大きくなることがない。そして、電極や工具が接続部を挟み込む量を大きくすると、電極や工具によって接続部を挟み易くなるため、電気接続端子と線状端子とを接続するときの作業性を向上させることができる。
また、電極や工具によって接続部全体を挟み込むため、接続部において保持部よりも先端側の部位が小さくても、電極や工具によって接続部を挟み易くなっている。したがって、接続部に線状端子を接続したときに、線状端子よりも先端側に突出する部位を小さくすることができる。
本発明では、電動モータの製造工程において、電気接続端子と線状端子とを接続するときの作業性を向上させることができるため、電動モータの製造効率を向上させることができる。
また、電気接続端子に線状端子を接続したときに、線状端子よりも先端側に突出する部位が小さくなるため、電動モータを小型化することができる。
前記した電気接続端子において、接続部は基部よりも剛性が低く設定されていることが望ましい。
この構成では、接続部は基部よりも剛性が低く設定されており、接続部が変形し易くなっているため、接続溝を容易に閉じることができる。
ここで、保持部内に線状端子を係止させるために、接続溝において保持部よりも先端側の溝幅を線状端子の直径よりも狭くした場合には、線状端子を保持部内に入り込ませるときに、線状端子は接続溝を押し広げながら、接続溝内で移動することになる。このとき、接続部の剛性が高いと、線状端子を接続溝内に強く押し込む必要があり、大きな押圧力が接続部から基部に作用して、基部が変形してしまう場合がある。
前記した構成では、接続部が変形し易くなっており、線状端子を接続溝に挿入したときに、接続溝を小さい力で押し広げることができる。したがって、線状端子を保持部内に容易に入り込ませることができ、先端部から基部に作用する押圧力が小さくなるため、基部の変形を防ぐことができる。
また、接続部の側部において基部との境界部には切り欠き溝が形成されているように構成することができる。
この構成では、接続部を幅方向から押し込んだときに、接続部の基端部に応力が集中するため、接続部を変形し易くすることができる。
また、切り欠き溝によって、接続部と基部との境界部が明確に示されているため、接続部を幅方向から押し込むときに、電極や工具によって接続部を確実に挟むことができる。
また、電気部品は、チョークコイルであり、コイル部の両端から延びている線状端子電気接続端子に接続してもよい。
本発明の電動モータでは、その製造工程において、電気接続端子と線状端子とを接続するときの作業性を向上させることができるため、電動モータの製造効率を向上させることができる。
また、電気接続端子に線状端子を接続したときに、線状端子よりも先端側に突出する部位が小さくなるため、電動モータを小型化することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、車両用ブレーキ液圧制御装置に使用される電動モータにおいて、チョークコイルの端子が接続される電気接続端子を例として説明する。
以下の説明では、車両用ブレーキ液圧制御装置及び電動モータの概略を説明した後に、電気接続端子について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動モータMは、車両用ブレーキ液圧制御装置Uの基体100に装着される往復動ポンプPの動力源であり、基体100の一面に取り付けられるものである。
基体100には、電動モータMのほか、往復動ポンプP、常開型の電磁弁101、常閉型の電磁弁102、圧力センサ103、リザーバ104、コントロールハウジング105などが取り付けられる。
コントロールハウジング105には、図2に示すように、電動モータMや電磁弁101,102を制御する制御基板106のほか、電動モータMに電力を供給するための接続端子107や電磁弁101,102を駆動させるための電磁コイル108などが収容されている。
電動モータMは、モータハウジング10、固定子20、回転軸30、回転子40、コンミュテータ(整流子)50、ブラシ60、ブラシホルダ70、ブラシ収容部73、コイルばね73b、ストッパ74、ピッグテール80(図3(a)参照)、チョークコイルC、電気接続端子90などを備えている。
モータハウジング10は、有底円筒状に形成されたヨーク11と、このヨーク11の開口部に覆設されるカバー12とから構成されている。ヨーク11の底部には、ボールベアリング11bが固定されている。また、カバー12の内側には、ボールベアリング12aが固定されている。
回転軸30は、ボールベアリング11b,12aに回転自在に支持される主軸部31と、この主軸部31の端面に突設された偏心軸部32と、この偏心軸部32の端面に突設された先端軸部33とを備えている。
偏心軸部32には、往復動ポンプP(図1参照)のプランジャ(図示せず)に当接するボールベアリング32aが嵌め込まれており、偏心軸部32とボールベアリング32aとによって、プランジャを往復動させるための偏心カムが構成されている。
なお、先端軸部33は、主軸部31と同軸で、基体100の装着穴110の底部に固定されたボールベアリング33aに回転自在に支持される。なお、基体100と電動モータMとの間にはシール部材111が介設される。
回転子40は、回転軸30の主軸部31に嵌め込まれたコア41と、このコア41を覆うインシュレータ42と、コア41に形成されたスロットに巻き付けられたマグネットワイヤ(電機子巻線)43とを備えている。なお、回転子40は、固定子20の内周側に位置している。
コンミュテータ50は、回転子40とボールベアリング12aの間において主軸部31に嵌め込まれており、主軸部31とともに回転し、その外周面にはブラシ60が接触するように構成されている。
ブラシ60は、ブラシスプリングとしてのコイルばね73bによってコンミュテータ50側に付勢された状態でブラシ収容部73に移動可能に収容されており、コイルばね73bの付勢力によって、ブラシ60の先端面がコンミュテータ50の外周面に接触するように構成されている。
また、ブラシ60には、その一面(ヨーク11の周方向に向く面)の後端部に、給電用のピッグテール80が接続されている。
ブラシホルダ70は、ヨーク11の開口部に嵌め込まれる部材であり、コンミュテータ50を取り囲むように略円筒状のホルダ本体70Aが形成されている。このホルダ本体70Aにおいて図2の上部には、棒状部70Bがヨーク11の外側(基体100側)に向けて突設されている。
棒状部70Bは、電動モータMを基体100に組み付けたときに、基体100に形成された挿通孔109に挿通され、その先端部がコントロールハウジング105側に突出するように構成されている。
また、棒状部70Bには、導電体からなる給電路78が二つ内包されている(図2においては一つだけを図示している)。給電路78は、棒状部70Bの全長に亘って配置されており、その先端部は、電動モータMを基体100に組み付けたときに、コントロールハウジング105の接続端子107に接続される。
ホルダ本体70Aは、図3(a)に示すように、コンミュテータ50(図2参照)が挿通される円形の開口部71aを備えた環状部71と、この環状部71の外周縁に所定間隔を置いて立設された周壁部72と、環状部71の開口部71aを取り囲んで放射状に配置された複数(本実施形態では四つ)のブラシ収容部73・・・と、ブラシ収容部73と同数のターミナル75・・・とを備えている。
環状部71は、ブラシ収容部73が配置される部分の周縁部(周壁部72が立設されていない部分)が、それぞれ凹状に切り欠かれており、この切り欠かれた各切欠部71bの空間に、ブラシ収容部73の後端面の挿入口が露出するように構成されている。
周壁部72は、環状部71の内面(図2に示す回転子40と対向する面)に形成されており、その外周面がヨーク11の内周面に固着されることにより、ホルダ本体70Aがヨーク11の開口部に固定される(図2参照)。
ブラシ収容部73は、ブラシ60を摺動自在に保持するものであり、本実施形態では、環状部71の内面側に形成されている。
このブラシ収容部73は、四角筒状を呈しており、開口部71aに臨む先端面(コンミュテータ50側の面、図2参照)が開口して、ブラシ60が突出可能であり、また、切欠部71bの空間に臨む後端面(ヨーク11の周壁部側の面、図2参照)が開口して、ブラシ60をコンミュテータ50側に付勢するブラシスプリングとしてのコイルばね73bが挿入可能となっている。
なお、ブラシ収容部73の一方の側面(ヨーク11の周方向に向く面)には、ブラシ60の後端部に接続されたピッグテール80を挿通するための案内溝(図示せず)がブラシ60の摺動方向に沿って形成されている。
ブラシ収容部73内には、コイルばね73bが伸縮可能に収容されている。コイルばね73bは、その先端部がブラシ60の後端面に当接して、ブラシ60をコンミュテータ50の外周面に向けて押圧するように構成されている。
ストッパ74は、ブラシ収容部73に挿入されたブラシ60及びコイルばね73bの抜け止め用の部材であり、ブラシ収容部73の後端面(ヨーク11の内周面、図2参照)側に係止されており、ブラシ収容部73の後端面に形成された挿入口を塞いでいる。
ストッパ74には、円弧状に湾曲した板状の基部74aと、この基部74aの両端部からブラシ収容部73側に向けて突設された爪部74b,74bと、基部74aの中央部からブラシ収容部73側に向けて突設された保持部74cと、が形成されている。
爪部74b,74bは、その先端部がブラシ収容部73の後端部の両側部にそれぞれ設けられた段部73h,73hに係止されるように構成されている。
保持部74cは、コイルばね73bの後端部に挿通可能な円柱形状となっている。この保持部74cは、ストッパ74をブラシ収容部73の挿入口に挿入するときに、コイルばね73bの後端部に挿入されることにより、コイルばね73bの後端部を保持し、コイルばね73bの後端部をブラシ収容部73内の所定位置に位置決めするように構成されている。
ターミナル75は、環状部71の内面側に露出しており、ブラシ収容部73に近接した部位に配置されている。各ターミナル75・・・には、ピッグテール80の端部が接続されている。
なお、ターミナル75の一部は図示しない端子を介してホルダ本体70Aの内面側から外面側へ貫通しており、ホルダ本体70Aの外面側で棒状部70Bの給電路78に接続されている。
ピッグテール80は、その一端部がブラシ60の後端部の側方に接続されており、他端部はターミナル75に接続されている。このピッグテール80は、複数の導線を編み込んで形成したものであり、ブラシ60の動きに追従し得る程度の可撓性を有している。
チョークコイルCは、電動モータM(図2参照)の駆動時に、各ブラシ60・・・の先端面と、コンミュテータ50の外周面との摺動によって生じる電気ノイズが、電動モータMの外部に伝わるのを防ぐための部材であり、本実施形態では二体のチョークコイルC,Cがホルダ本体70Aの内面側に取り付けられている。なお、このチョークコイルCが特許請求の範囲における「電気部品」に相当するものである。
二体のチョークコイルC,Cは、環状部71の内面において図3(a)の左右領域にそれぞれ配置されている。チョークコイルCは、環状部71の左右縁部に形成された周壁部72の内側(ホルダ本体70Aの中心側)に配設されたコイル部C1と、このコイル部C1の上下端部から環状部71の周縁部に沿うように延びている線状端子C2,C2とから構成されている。
チョークコイルCのコイル部C1は、図3(b)に示すように、環状部71の内面側に設けられた円柱状の支持ピン76の外周面に螺旋状に巻き付けられた導線によって構成されている。
支持ピン76は、軸方向が上下に配置されており、環状部71の内面に突設された支持部77,77の間に保持されている。一対の支持部77,77は、上下方向に所定間隔を離して配設されており、互いに対向する面には支持溝77aが凹設されている。そして、支持ピン76の両端部が各支持部77,77の支持溝77a,77aにそれぞれ嵌め込まれることで、支持ピン76は環状部71の内面から離れた位置に支持されている。
チョークコイルCの線状端子C2,C2は、図3(a)に示すように、コイル部C1を構成する導線が、環状部71の周縁部に沿うように、図3(a)の上下方向に延ばされたものである。各線状端子C2,C2は、環状部71の上部及び下部に形成された周壁部72,72の内側となる領域では、左右方向の中央に向けて直線状に延びている。
また、環状部71の内面の上部及び下部において左右方向の中央には、樹脂製の絶縁壁79,79が突設されている。この絶縁壁79は四角柱状に形成されており、その左右両側には、左右の線状端子C2,C2の先端部が配置されている。
この樹脂製の絶縁壁79,79が左右のチョークコイルC,Cの間に介設されることで、左右のチョークコイルC,Cは絶縁されている。
また、ホルダ本体70AにチョークコイルCを組み付けるときには、各線状端子C2,C2の先端部を上下の絶縁壁79,79の左右両側にそれぞれ配置することにより、各線状端子C2,C2の先端部を位置決めすることができる。
環状部71の内面において位置決め部79の左右両側には、電気接続端子90,90がそれぞれ立設されている。この電気接続端子90は金属製の端子であり、チョークコイルCの線状端子C2が抵抗溶接によって接続される。
電気接続端子90は、図4に示すように、ホルダ本体70Aに挿通されている基部91と、この基部91の先端部に突設された接続部92と、を備えている略長方形の板状部材である。
基部91は、電気接続端子90の両側部に形成された切り欠き溝95,95よりも基端側(図4(a)の線分Aよりも基端側)の部位である。この基部91は、その基端部がホルダ本体70Aの内面側から外面側へ貫通している。
接続部92には、チョークコイルCの線状端子C2が挟み込まれる接続溝93と、接続溝93の底部から基部91に向けて延びるスリット94とが設けられている。すなわち、接続部92は、接続溝93及びスリット94となる空間を開けて対峙する一対の突片によって構成されている。
接続溝93及びスリット94は、接続部92の幅方向に開いたU字状の溝であり、接続溝93は接続部92の先端縁に凹設され、スリット94は接続溝93の底部に凹設されている。スリット94は、接続溝93の底部よりも狭い溝幅となっており、接続部92の基端部(図4(a)の線分A)まで延びている。
接続部92において、各突片の内側面(他の突片に対向する面)には、接続溝93を閉じたときに、線状端子C2の外周面に沿うように略円弧状の窪みが形成されている(図5参照)。この窪みは各突片の長手方向の中間部、具体的には接続溝93の底部となる位置に形成されており、窪みに囲まれた空間は、線状端子C2が入り込む保持部93aを形成している。したがって、スリット94は保持部93aの底部から基部91に向けて形成されていることになる。
また、接続溝93において開口部から保持部93aまでの挿入部93bでは、開口部から保持部93aに向かうに連れて溝幅が狭くなっており、挿入部93bと保持部93aとの境界部分の溝幅は、チョークコイルCの線状端子C2の直径よりも狭く設定されている。これにより、保持部93a内に嵌め込まれた線状端子C2は、挿入部93bと保持部93aとの連通部に係止されることになり、線状端子C2の抜け止めが構成されている。
また、接続部92の両側部において基部91との境界部には、半円形状の切り欠き溝95,95が形成されている。したがって、接続部92を幅方向から押し込んだときに、接続部92の基端部に応力が集中することになり、接続部92が変形し易くなっている。
なお、ホルダ本体70Aに形成された上下の周壁部72,72では、各電気接続端子90・・・に対応させて先端縁に凹部72aが形成されている(図3参照)。そして、接続部92の切り欠き溝95,95は、凹部72aの底面よりも先端側に配置される位置に形成されている。したがって、接続部92は周壁部72の凹部72aの底面よりも先端側に配置されていることになる。
次に、前記した電気接続端子90とチョークコイルCの線状端子C2とを接続するときの手順について説明する。
まず、図3(b)に示すように、チョークコイルCのコイル部C1を支持ピン76に外嵌させ、この支持ピン76をホルダ本体70Aの環状部71の内面側に設けられた支持部77,77の間に保持させることで、コイル部C1をホルダ本体70Aに取り付ける。
このとき、コイル部C1の上下端部から延びている各線状端子C2,C2は、先端部に向かうに連れて環状部71の内面から離れるように、コイル部C1から立ち上げられている。このように、各線状端子C2,C2がコイル部C1から立ち上げられている場合には、環状部71の内面側にコイル部C1を取り付けるときに、各線状端子C2,C2が環状部71の内面に接触しないため、コイル部C1をホルダ本体70Aに取り付けるときの作業性を向上させることができる。
そして、コイル部C1を環状部71の内面に取り付けた後に、線状端子C2,C2を環状部71の内面側に倒し込んで、図4(a)に示すように、線状端子C2を電気接続端子90の接続部92の接続溝93の開口部に挿入する。
また、接続溝93の開口部に挿入した線状端子C2を、基端側の保持部93aに向けて挿入部93b内で移動させる。このとき、挿入部93bは基端側に向かうに連れて溝幅が狭くなっているため、線状端子C2は、挿入部93bを幅方向に押し広げながら移動し、挿入部93bを通過して保持部93a内に入り込む。
このように、環状部71の内面側に倒し込まれることで保持部93a内に入り込んだ線状端子C2では、環状部71の内面から離れる方向に付勢力が生じているが、挿入部93bと保持部93aとの境界部分によって抜け止めされているため、線状端子C2の先端部は保持部93aから外れて浮き上がることなく、保持部93a内に仮置きされる。
続いて、図5に示すように、電気接続端子90の先端側に配置した一対の電極Eによって接続部92を幅方向から挟み込む。そして、電極Eによって接続部92を幅方向から押し込み、接続溝93及びスリット94を閉じることにより、線状端子C2が接続部92の一対の突片によって挟持され、線状端子C2が保持部93a内に保持される。
その後、電極Eに通電することで、接続部92と線状端子C2とが抵抗溶接され、電気接続端子90と線状端子C2とが電気的に接続される。
以上のように構成された電気接続端子90では、図4(a)に示すように、接続溝93の底部に形成された保持部93aにスリット94が凹設されており、接続溝93の保持部93aよりも基部側に溝状の空間が形成されている。このような電気接続端子90では、接続部92の先端部から基端部に亘って溝状の空間が形成され、接続部92の剛性が低くなるため、接続部92全体を挟み込んで接続溝93及びスリット94を閉じたとしても、接続部92を変形させるための荷重が必要以上に大きくなることない。そして、電極Eが接続部92を挟み込む量を大きくすると、電極Eによって接続部92を挟み易くなるため、電気接続端子90と線状端子C2とを接続するときの作業性を向上させることができる。
また、切り欠き溝95,95によって接続部92と基部91との境界部が明確に示されているため、接続部92を幅方向から押し込むときに、電極Eによって接続部92を確実に挟み込むことができる。
さらに、接続部92は、ホルダ本体70Aの周壁部72に形成された凹部72aの底面よりも先端側に配置されており、電極Eによって接続部92を挟み込むときに、電極Eと周壁部72とが干渉しないため、電極Eによって接続部92を挟み易くなっている。
また、接続部92は基部91よりも剛性が低く設定されており、接続部92が変形し易くなっているため、接続溝93を容易に閉じることができる。
なお、接続部92の両側部に切り欠き溝95,95を形成することで、接続部92を幅方向から押し込んだときに、接続部92の基端部に応力が集中するため、接続部92が変形し易くなっている。
また、接続溝93では、挿入部93bと保持部93aとの境界部分の溝幅を、チョークコイルCの線状端子C2の直径よりも狭く設定することで、線状端子C2の抜け止めが構成されている。そのため、線状端子C2を保持部93a内に入り込ませるときには、線状端子C2を接続溝93内に強く押し込む必要がある。このとき、図7(a)に示す従来の電気接続端子190では、接続部92から基部91に大きな押圧力が作用するため、基部91が変形してしまう場合がある。これに対して、図4(a)に示す本実施形態の電気接続端子90では、接続部92が変形し易いことから、線状端子C2を接続溝93に挿入したときに、挿入部93bを小さい力で押し広げることができるため、線状端子C2を保持部93a内に容易に入り込ませることができ、基部91の変形を防ぐことができる。
また、電極Eよって接続部92全体を挟み込むため、接続部92において保持部93aよりも先端側の部位が小さくても、電極Eによって接続部92を挟み易くなっている。したがって、接続部92に線状端子C2を接続したときに、線状端子C2よりも先端側に突出する部位を小さくすることができるため、この電気接続端子90を使用した電動モータM(図2参照)を小型化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。例えば、本実施形態では、図4(a)に示すように、接続部92の両側部に切り欠き溝95,95を形成することで接続部92を変形し易くしているが、図6(a)に示す電気接続端子90Aのように、接続部92Aの幅を基部91の幅よりも狭くすることで、接続部92Aを変形し易くすることもできる。
また、図6(b)に示す電気接続端子90Bのように、接続部92Bの厚みを基部91の厚みよりも薄くすることで、接続部92Bを変形し易くすることもできる。
本実施形態では、図2に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置U(図1参照)に使用される電動モータMにおいて、チョークコイルCの線状端子C2が接続される電気接続端子90を例として説明したが、本発明は、各種電気部品の端子が接続される電気接続端子に適用することができる。
本実施形態の電動モータが使用された車両用ブレーキ液圧制御装置を示した分解斜視図である。 本実施形態の電動モータが使用された車両用ブレーキ液圧制御装置を示した分解側断面図である。 本実施形態の電動モータを示した図で、(a)はブラシホルダの内面を示した図、(b)はチョークコイルのコイル部を示した側面図である。 本実施形態の電気接続端子を示した図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本実施形態の電気接続端子の接続部を電極によって挟み込んだときの態様を示した図である。 他の実施形態の電気接続端子を示した図で、(a)は接続部の幅を狭くした構成を示した図、(b)は接続部の厚みを薄くした構成を示した図である。 従来の電気接続端子を示した図で、(a)は正面図、(b)は接続部を電極によって挟み込んだときの態様を示した図である。
符号の説明
10 モータハウジング
20 固定子
30 回転軸
40 回転子
50 コンミュテータ
60 ブラシ
70 ブラシホルダ
70A ホルダ本体
71 環状部
72 周壁部
72a 凹部
74 ストッパ
76 支持ピン
77 支持部
79 絶縁壁
80 ピッグテール
90 電気接続端子
91 基部
92 接続部
93 接続溝
93a 保持部
93b 挿入部
94 スリット
95 切り欠き溝
100 基体
101 電磁弁
102 電磁弁
103 圧力センサ
104 リザーバ
105 コントロールハウジング
C チョークコイル
C1 コイル部
C2 線状端子
E 電極
M 電動モータ
U 車両用ブレーキ液圧制御装置

Claims (4)

  1. モータハウジングと、前記モータハウジング内に嵌め込まれるブラシホルダと、前記ブラシホルダに取り付けられた電気部品と、前記ブラシホルダに立設され、前記電気部品に形成された線状端子が接続される電気接続端子と、を備え、
    前記電気接続端子は、
    基部と、前記基部の先端部に突設された接続部と、を備え、
    前記接続部には、前記線状端子が挟み込まれる接続溝が凹設され、
    前記接続溝の底部には、前記線状端子が入り込む保持部が形成され、前記保持部の底部から前記基部に向けてスリットが凹設されており、
    前記ブラシホルダの周壁部には、前記電気接続端子に対応させて先端部に凹部が形成され、
    前記接続部は、前記凹部の底面よりも先端側に配置されていることを特徴とする電動モータ。
  2. 前記接続部は前記基部よりも剛性が低く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ
  3. 前記接続部の側部において前記基部との境界部には切り欠き溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電動モータ
  4. 前記電気部品は、チョークコイルであり、コイル部の両端から延びている前記線状端子が前記電気接続端子に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動モータ。
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