JP4899674B2 - スケジューラ - Google Patents

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Description

本発明は、スケジューラに関し、例えば、無線移動通信システムの無線基地局装置に用いて好適な技術に関する。
パケット通信を行なう無線移動通信システムでは、通信品質を監視し、通信品質に適した伝送速度や変調方式を適応的に選択するように制御している。通信品質が変動する原因は無線伝搬環境の変動であり、移動通信システムでは、瞬間的に所要無線品質を下回ってしまうことがよくある。
無線伝搬環境が劣化すると、無線区間の誤り率が高くなるので、無線レイヤでは、伝送情報量を減らし、誤り訂正情報を増やしたり、または、誤り耐性能力の高い変調方式を用いたりすることで、誤り率が低くなるような方法が用いられる。また、無線区間の誤り率が高くなると、結果として受信側での異常受信を示すNACKの送信機会が増えたり、パケットのターンアラウンドが長くなったりする。そこで、上位レイヤでは、ACK/NACK数の測定や、パケットのターンアラウンドタイムの測定などを行ない、通信品質を監視し、所要品質を満たすように無線リソース(サブキャリア周波数等)の割り当て制御を行なっている。
また、MAC(Media Access Control)または物理レイヤでは、無線リソースの割り当てを行なうスケジューラを用いて、無線品質を考慮した優先度を計算し、優先度に従って無線リソースをユーザに割り当てる制御を行ない、システム利用効率(無線リソースの利用効率)を向上させている。以下では、優先度を計算する関数を評価式と呼ぶ。
無線リソースの割り当てを行なうスケジューリングとして、従来から知られている代表的なアルゴリズムにMaximum Carrier-to-Interference-Ratio(MaxCIR)法がある(例えば、後記特許文献1の段落0006参照)。MaxCIR法は、スケジューリング時に瞬時無線品質〔CIRやSINR(Signal-to-Interference-plus-Noise-power-Ratio)〕が最も良いユーザに対して無線リソースを割り当てる方式である。このMaxCIR法では、常に無線品質の良いユーザに無線リソースが割り当てられるので、無線区間での誤り率が低く、システムスループットが最大になる特徴をもつ。システムの利用効率という点ではMaxCIR法が最もシステムスループットが高くなる。そのため、無線システムのオペレータにとっては最もメリットのある方式である。
しかし、MaxCIR法では、セルエッジのような無線品質が悪い場所にいるユーザには無線リソースが割り当てられず、通信ができない不感地帯が生じる。よって、セルラーシステムのように面的なサービスを必要とする場合には、不感地帯を補償するための基地局が余分に必要になってしまう。
また、Proportional Fairness(PF)法も良く知られているスケジューリングアルゴリズムである(例えば、特許文献1の段落0007及び後記非特許文献1参照)。このPF法では、平均の無線品質に対して瞬時無線品質の良いユーザに無線リソースを割り当てる。よって、瞬時無線品質の大きさにかかわらず全ユーザに同様に無線リソースの割り当てが行なわれるので、ユーザ間の公平性が高いという特徴をもつ。そのため、セルエッジのユーザにも無線リソースが割り当てられるので、不感地帯は少なくなり、MaxCIRよりも少ない基地局で面的サービスを展開することができる。
さらに、Generalized PF(GPF)法(例えば、後記非特許文献2参照)と呼ばれるアルゴリズムも知られている。このGPF法では、以下の評価式(1)を用いて、評価式の結果が最も高いユーザに無線リソースを割り当てる。
Figure 0004899674
ここで、Sins=瞬時無線品質、Save=平均無線品質を表す。α=1,β=0の場合はMaxCIR法、α=β=1の場合はPF法となる。つまり、GPF法は、PF法を元に、システム利用効率の向上と公平性のバランスをパラメータα,βで変更できるようにした方法である。例えば、αよりもβの値を大きくすることで、平均無線品質の小さいユーザほど割り当て確率が上がるので、品質の悪いユーザでも割り当てされる確率が増え、ユーザ間のユーザスループットの公平性が向上する。
ただし、公平性を確保する場合、無線品質の悪いユーザほど優先度が上がるようになっているため、低スループットで公平性が確保されてしまい、システム利用効率が悪くなってしまう。
特開2003−152630号公報 A.Jalali,R.Padovani,R.Pankaj,"Data Throughput of CDMA-HDR a High Efficiency-High Data Rate Personal Communication Wireless System",VTC2000 Spring,May 2000 Nortel Networks,"Nortel Networks' reference simulation methodology for the performance evaluation of OFDM/WCDMA in UTRAN",R1-03-0785,3GPP TSG RAN WG1#33,August 2003
無線リソースを有効に活用するために、通信品質を監視して適切な伝送速度、変調方式を用いて送信を行なう制御は重要であるが、瞬時変動により、所定の誤り率を超えるような瞬時無線品質になることもある。上述した従来の方法では、瞬時変動が所要無線品質を下回った場合でも、スケジューラが計算した無線リソース割り当ての優先度(以下、評価値という)が高い場合は無線リソースが割り当てられる。その場合でも、上位レイヤが通信品質を監視し制御しているので、平均的には通信品質は安定する。しかし、上位レイヤで制御しているため、制御遅延が大きいという課題がある。制御遅延が大きいと、無線品質の瞬時変動に追従できず、制御遅延の間は無線リソースが無駄に使用され、また、NACKが多く発生するためにトラヒックを圧迫してしまうという課題が生じる。
また、面的サービスの実現のためには、なるべくカバレッジの広いスケジューリング方式を採用する必要がある。PF法は、無線品質の低いユーザにも無線リソースを割り当てるため、システムスループットは低くなってしまうが、オペレータはセルのカバレッジを確保するためにPF法を採用せざるを得ない状況となっている。
本発明は、上記の課題に鑑み創案されたもので、無線品質の瞬時変動に追従した無線リソースの有効活用とセルのカバレッジの確保との両立を実現できるようにすることを目的とする。
(1)第1の案として、例えば、無線移動通信システムの移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段と、前記瞬時無線品質に対する評価値の分布特性として、最大値をもつ領域とその分散とを制御するパラメータを前記評価式に与える評価値分布制御手段とをそなえた、スケジューラを用いることができる。
)また、該評価値分布制御手段は、前記瞬時無線品質に対する評価値の分布特性を、前記無線移動通信システム内の移動端末についての前記瞬時無線品質の統計的分布に応じて制御すべく構成されていてもよい。
)さらに、上記スケジューラは、該移動端末の過去の瞬時無線品質から当該移動端末への送信を行なう時点の瞬時無線品質を予測し、その予測値を該評価値計算手段に前記評価式の前記無線品質情報として与える瞬時無線品質予測手段をそなえていてもよい。
)また、第2の案として、例えば、無線移動通信システムの受信信号について再送合成を行なう移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段と、前記所要無線品質を前記再送合成により得られるゲインに応じた分だけ低下する方向に制御する再送時所要品質制御手段とをそなえた、スケジューラを用いることができる
)さらに、第3の案として、例えば、移動端末への送信信号について繰り返し符号化を用いる無線移動通信システムの前記移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段と、前記所要無線品質を前記繰り返し符号化により得られるゲインに応じた分だけ低下する方向に制御する繰り返し符号化時所要品質制御手段とをそなえた、スケジューラを用いることができる
)また、該評価値分布制御手段は、前記統計的分布の変化を検出する分布検出部と、該分布検出部により前記変化が検出されると、前記評価値の計算に関連するパラメータを前記変化後の統計的分布の特性に合わせて動的に再設定するパラメータ再設定部とをそなえて構成されていてもよい。
)さらに、第4の案として、例えば、無線移動通信システムの移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段と、該移動端末からの異常受信を示す信号が受信されると、前記所要無線品質を低下する方向に制御する異常受信時所要品質制御手段とをそなえた、スケジューラを用いることができる
)また、本発明に関連する技術の無線基地局装置は、上記(1)〜()のいずれか1項に記載のスケジューラと、該スケジューラにより割り当てられた無線リソースにより該移動端末への送信を行なう送信手段とをそなえたことを特徴としている。
)さらに、本発明に関連する技術のスケジューリング方法は、無線移動通信システムの移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューリング方法であって、該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算過程と、前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定過程と、該無線品質判定過程で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御過程とを有することを特徴としている。
上述した本発明によれば、少なくとも以下に示すいずれかの効果ないし利点が得られる。
(1)瞬時無線品質が所要無線品質未満である移動端末(ユーザ)への無線リソースの割り当てを抑えることができるので、誤り率の低い通信が多くなり、無線サービスのカバー地域(カバレッジ)の確保とシステム利用効率の向上とを両立することが可能となる。また、通信品質の判定に瞬時無線品質と所要無線品質とを用いて、物理レイヤで所要無線品質を満たすように制御することができるため、制御遅延が小さいという効果もある。
(2)また、前記評価値が最大値になる領域とその分散とを設定することによって、瞬時無線品質が高い領域に評価値のピークを設定した場合、スループットの高いユーザへ割り当てが優先的に行なわれることになり、無線リソースの利用効率の向上を図ることができる。逆に、瞬時無線品質が低い領域に評価値のピークを設定した場合、スループットの低いユーザを中心に割り当てが行なわれることになる。スループットの低いユーザは割り当て回数が多くなり、逆にスループットが高いユーザは割り当て回数が少なくなることで、各ユーザが送信するデータ量は平均化され、ユーザスループットの平均化を行なうことができる。このとき、所要無線品質未満のユーザへの割り当てを制限しているので、パケットロスが頻発することはなく、システムスループットも確保される。
(3)評価値分布に無線移動通信システム内のユーザの瞬時無線品質分布を用いることで、ユーザの瞬時無線品質分布(統計的分布)に合わせて評価値が分布するので、システム内で平均的な環境に位置するユーザへの割り当て回数が増え、平均的な環境のユーザのユーザスループットが向上する。良い無線環境に位置するユーザは一回に送れるデータ量は大きいので、割り当て回数が少なくなるが平均ユーザスループットは平均的な無線環境にいるユーザと同程度になり、システム内のユーザスループットが平均化される。
(4)ユーザの瞬時無線品質を計算した時点から実際に送信が行なわれるまでのスケジューリング遅延を考慮して割り当てを行なうことができるので、スケジューリング遅延時間の間に瞬時無線品質が所要品質より低くなるようなユーザへの割り当てを防ぐことができ、無線リソースを有効活用できる。
(5)再送時の無線品質が所要品質より低くても、移動端末での再送合成によるゲインにより誤り率が低くなることを利用して、評価式の前記所要無線品質を元の品質よりも低くなる方向に制御することができる。この場合、より瞬時無線品質の低いユーザの通信が可能となり、カバレッジを拡大することが可能となる。
(6)繰り返し符号を用いることによるゲインを利用し、評価式の所要無線品質を元の品質よりも低くなる方向に制御することができる。この場合も、より瞬時無線品質の低いユーザの通信が可能となり、カバレッジを拡大することが可能となる。
(7)システム内の瞬時無線品質分布(統計的分布)の変化に合わせて前記評価値の計算に関連するパラメータを動的に再設定することができるので、常に最適な評価値分布をもって無線リソースの割り当てを行なうことができるようになり、ユーザの移動などによる無線環境の変化に対応(追従)することができる。
(8)ユーザ(移動端末)からの異常受信を示す信号が受信されると、前記所要無線品質を低下する方向に制御することにより、より瞬時無線品質の低いユーザの通信が可能となり、カバレッジを拡大することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔A〕一実施形態の説明
図1は本発明の一実施形態に係る無線基地局装置(以下、単に「基地局」という)の要部構成を示すブロック図で、この図1に示す基地局1は、1台以上の移動端末(移動局:MS)2と無線リンク(基地局1からMS2方向への下りリンク及びその逆方向である上りリンク)により通信するもので、例えば、上位レイヤ処理部11、データフレーム処理部12、ユーザデータ選択部13、送信データ生成部14、無線リソースマッピング部15、送信部16、送信アンテナ17、受信アンテナ21、受信部22、受信回路23、NACK受信判定部24、無線品質情報計算部25、及び、スケジューラ30をそなえて構成され、送信データ部14は、さらに、符号化部141、繰り返し符号化部142及び変調部143をそなえて構成され、スケジューラ30は、評価値計算部31、送信無線リソース/ユーザ決定部32、評価式設定部33、所要品質決定部34及び評価値分布決定部35をそなえて構成されている。
ここで、上位レイヤ処理部11は、フロー制御や再送制御、呼の設定/解放、MS2の位置管理などの既知の上位レイヤ処理機能を具備するものであり、データフレーム処理部12は、上位レイヤ処理部11で処理されたMS2に送信すべき下りリンクのデータをユーザデータ選択部13から取り出されるまで保存する一方、MS2から受信された上りリンクのデータを上位レイヤに適したデータフォーマットで上位レイヤ処理部11に伝送する機能を具備するものである。
ユーザデータ選択部13は、データフレーム処理部12に保存されている複数のユーザデータのうち、スケジューラ30から指定される送信対象のユーザデータを選択するものであり、送信データ生成部14は、ユーザデータ選択部13で選択されたユーザデータから送信データを生成するもので、例えば、選択ユーザデータを、符号化部141にてターボ符号等の誤り訂正符号に符号化し、繰り返し符号化部142にてレートマッチングのためのレペテション処理(ビット繰り返し符号化)し、変調部143にてQPSKや16QAM等の多値直交変調方式により変調することで、送信データを生成できるようになっている。
無線リソースマッピング部15は、送信データ生成部14にて生成された送信データをスケジューラ30から指定される(割り当てられる)無線リソース(サブキャリア周波数等)にマッピングするものであり、送信部16は、無線リソースマッピング部15からの送信データに対して、D/A変換、無線周波数(RF)への周波数変換(アップコンバート)、送信電力制御等の所要の無線送信処理を施す機能を具備するものであり、送信アンテナ17は、この送信部16により得られたRF信号をMS2に向けて空間に放射するものである。
つまり、上記のユーザデータ選択部13、送信データ生成部14、無線リソースマッピング部15及び送信部16から成るブロックは、スケジューラ30により割り当てられた無線リソースによりユーザ(MS2)への送信を行なう送信手段としての機能を果たしている。
一方、受信アンテナ21は、MS2からの上りリンクのRF信号を受信するものであり、受信部22は、受信アンテナ21で受信された受信RF信号に対して、ベースバンド信号への周波数変換(ダウンコンバート)や、A/D変換等の所要の無線受信処理を施す機能を具備するものであり、受信回路23は、受信部22からの受信信号について、チャネル推定、チャネル補償、復調、復号(誤り訂正復号)、CRCチェック等の所要の受信信号処理(ディジタル信号処理)を施す機能を具備するものである。
NACK受信判定部24は、受信回路23で受信された信号がNACK信号か否かを判定するもので、本例では、NACK信号の受信によってスケジューラ30でのスケジューリング処理を適応的に制御できるようになっている。なお、その詳細については後述する。
無線品質情報計算部25は、MS2から受信され受信回路23で得られた下りリンクの無線品質情報(瞬時値:以下、瞬時無線品質情報ともいう)を基に、特定期間の平均値(平均無線品質情報)やスケジューリング遅延を考慮した無線品質の予測値(以下、予測無線品質情報ともいう)をユーザ(MS2)毎に計算することができるものである。
なお、前記瞬時無線品質情報は、MS2での受信SINRやCQI(Channel Quality Indicator)等のMS2から上りリンクによりフィードバックされた無線品質に関する指標を受信回路23で復号することによって得られるが、時分割多重の場合は受信回路23で上りリンクの受信SINRを測定することによっても得ることができる。当該無線品質情報計算部25は、図1ではスケジューラ30の外部にそなえられているが、内部にそなえられていてもよく、MS2との間の無線品質を取得する無線品質取得手段として機能する。
そして、スケジューラ30は、所定のスケジューリングタイミング毎に、無線フレーム単位で、無線リソースの割り当てユーザ及び割り当て無線リソースを所定の評価式に基づいて決定して、その決定情報(スケジューリング情報)をユーザデータ選択部13及び無線リソースマッピング部15に与えるもので、本例では、瞬時無線品質が所要無線品質よりも低いユーザについては、瞬時無線品質が所要無線品質よりも高いユーザよりも、評価値(無線リソース割り当ての優先度)が低くなるようにスケジューリング処理を実施するようになっている。
なお、「所要無線品質」は、例えば、システムのもつ最低スループットになる送信パラメータ(変調方式、符号化率等)の組み合わせにおける無線品質対スループット特性を計算したときに、スループットが0になる無線品質でもよいし、最低スループットになる送信パラメータの組み合わせにおける無線品質対誤り率特性において、システムで設定した目標誤り率となる無線品質でもよい。
そのために、本スケジューラ30には、前記各部31〜35がそなえられており、評価値計算部31は、前記無線品質情報計算部25により得られたユーザ毎の下りリンクの瞬時無線品質情報又は平均無線品質情報を入力パラメータとして評価式設定部33によって設定された評価式に与えることにより、ユーザ毎に評価値を計算するものであり、送信無線リソース/ユーザ決定部32は、この評価値計算部31で計算された各評価値の中で最大の評価値のユーザを、無線リソースを割り当てるユーザとして決定し、そのユーザに割り当てる無線リソースを決定して、それらの情報をスケジューリング情報としてユーザデータ選択部13及び無線リソースマッピング部15に与えるものである。
ただし、この評価値計算部31は、後に詳述するように、瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段としての機能、および、瞬時無線品質が所要無線品質未満であると判定されたユーザについて評価値を、所要無線品質以上であると判定されたユーザについての評価値よりも低い値に制御する制御手段としての機能も兼ね備えている。
評価式設定部33は、評価値計算部31で用いる前記評価式を設定するもので、本例では、所要品質決定部34で決定された所要無線品質や、評価値分布決定部35で決定された分布パラメータを評価式に設定することができるようになっている。なお、評価式、分布パラメータの具体例については後述する。
所要品質決定部34は、前記所要無線品質を決定するもので、本例では、繰り返し符号化部142でのレペテション数やNACK受信判定部24でNACKの受信検出によって当該所要無線品質が適応的に制御(変更)され得るようになっている。
評価値分布決定部(評価値分布制御手段)35は、前記分布パラメータを決定(制御)するもので、例えば、システム内の瞬時無線品質情報を集計した分布(統計的分布)を用いて、システム内の瞬時無線品質の変動に応じて動的に前記分布パラメータを決定(制御)することができるようになっている。
以下、上述のごとく構成された本実施形態の基地局1の動作の概要について説明すると、IP(Internet Protocol)ネットワーク等の所要のネットワークから受信され上位レイヤ処理部11で処理された各MS2宛の下りリンクのデータ(ユーザデータ)は、データフレーム処理部12で無線リソースの割り当てがあるまで保存された後、無線リソース割り当て後、ユーザデータ選択部13にて、スケジューラ30から前記スケジューリング情報により指定されるユーザデータが送信対象のデータとして選択される。
選択されたユーザデータは、送信データ生成部14において、符号化部141により、ターボ符号等の誤り訂正符号に符号化され、繰り返し符号化部142により、繰り返し符号化され、さらに、変調部143により、QPSKや16QAM等で直交変調される。これにより得られた送信データは、無線リソースマッピング部15にて、前記スケジューリング情報により指定される無線リソースにマッピングされ、送信部16にて、D/A変換やRF信号へのアップコンバート等を含む無線送信処理を施された後、送信アンテナ17からMS2に向けて空間に放射される。
一方、MS2から送信された上りリンクのRF信号は、受信アンテナ21で受信され、受信部22にて、ベースバンド信号へのダウンコンバートやA/D変換等を含む無線受信処理を施され、受信回路23にて、チャネル推定、チャネル補償、復調、復号等のディジタル信号処理を施される。これにより得られた受信信号(復号データ)は、データフレーム処理部12にて、上位レイヤに適したデータフォーマットに変換された上で、上位レイヤ処理部11へ伝送されて、IPネットワーク等の所要のネットワークへ伝送される。
ところで、スケジューラ30では、所定のスケジューリングタイミングになると、評価値計算部31により、所要品質決定部34で決定され評価式設定部33により所要無線品質を設定された評価式を用いて評価値計算を対象ユーザ毎に行ない、送信無線リソース/ユーザ決定部32により、得られた対象ユーザ毎の評価値が高いユーザから順に、割り当てユーザ、割り当て無線リソースをそれぞれ決定する。
決定した情報は前記スケジューリング情報としてユーザデータ選択部13及び無線リソースマッピング部15に与えられ、これにより、上述したごとく、ユーザデータ選択部13にて送信対象のユーザデータが選択され、当該ユーザデータが、送信データ生成部14にて符号化、変調された上で、無線リソースマッピング部15にて無線リソースにマッピングされる。そして、全ての無線リソース、または送信データの処理が終了すると、送信部16及び送信アンテナ17を通じてMS2に向けて下りリンクの送信データが送信される。
(A1)スケジューリング処理の第1態様
次に、上記スケジューラ30によるスケジューリング処理の具体例について、図2を参照しながら詳述する。
まず、スケジューラ30(評価値計算部31)は、無線品質情報計算部25から、スケジューリング対象の或るMS2について、その瞬時無線品質情報、平均無線品質情報を取得し(ステップS1)、瞬時無線品質情報と、所要品質決定部34で決定され評価式設定部33により設定された所要無線品質情報とを比較して、瞬時無線品質が既述の所要無線品質以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
その結果、瞬時無線品質が所要無線品質以上であれば(ステップS2でyesと判定されれば)、評価値計算部31は、フレーム単位の瞬時無線品質情報と平均無線品質情報とに基づいて所定の評価式により評価値を計算する(ステップS3)。なお、ここでの評価式には、全ユーザに対して割当機会がある評価式、例えば、PF法等の既存の手法における評価式を適用することができる。
一方、瞬時無線品質が所要無線品質未満であれば(ステップS2でnoと判定されれば)、評価値計算部31は、前記評価式による評価値の計算は行なわない。つまり、この場合、瞬時無線品質が所要無線品質未満であるユーザ(MS2)については、評価値計算を行なわないことで、その評価値を、所要無線品質以上であると判定されたユーザについての評価値よりも低い値(0、つまりは割り当て優先度を最低)に制御していることになる。
さて、上記評価式による計算により得られた評価値は、図示しない内蔵メモリやレジスタ等の記憶媒体に保存され、最大の評価値に、逐次、更新されてゆく(ステップS4)。即ち、評価値計算部31は、評価値を計算すると、当該評価値を前記記憶媒体における暫定最大評価値と比較し、今回計算した現在の評価値の方が大きい場合は暫定最大評価値を今回計算した評価値の値に置き換える(更新する)とともに、現在のユーザを暫定割り当てユーザとして登録する。
そして、送信無線リソース/ユーザ決定部(以下、単に「決定部」ともいう)32は、全てのユーザについての評価値計算が完了したか否かを判定し(ステップS5)、完了していなければ(ステップS5でnoと判定されれば)、全ての対象ユーザについての評価値計算が完了するまで(ステップS5でyesと判定されるまで)、上記ステップS1以降の処理を繰り返し、全ユーザに対して評価値計算が終了すれば、最終的に暫定割り当てユーザとして登録されているユーザ(最終的に前記記憶媒体に保存されている最大評価値をもつユーザ)を無線リソースの割り当てユーザとして決定する(ステップS5のyesルートからステップS6)。なお、スケジューリング対象ユーザ数は、ユーザデータ選択部13を通してデータフレーム処理部12に保存されているユーザデータを認識できるので、決定部32は、ユーザデータ選択部13からその情報を受けて特定することが可能である(以下、同じ)。
以上のスケジューリング処理により、瞬時無線品質が所要品質以上であるユーザについて、評価値の高い順に無線リソースが順に割り当てられてゆき、瞬時無線品質が所要品質未満であるユーザには無線リソースは割り当てられないか割り当てられにくくなる。
このように、本例では、従来上位レイヤが行なっていた通信品質の監視を、通信品質として瞬時無線品質を監視し、それをスケジューラ30で行なうためにスケジューラ30に所要無線品質という瞬時無線品質に関する情報〔パラメータ(閾値)〕をもたせることを1つの特徴としている。
そして、PF法等の全ユーザに割当機会のある評価式を用いるので、瞬時無線品質に関係なく、セルエッジのユーザも通信が可能であり、所要カバレッジの確保が可能である。その上で、本例のスケジューリング方式では、瞬時無線品質が所要品質未満のユーザへの無線リソースの割り当てを抑えることができるので、誤り率の低い通信を多くして、所要カバレッジの確保とシステム利用効率の向上とを両立できるという効果が得られる。
また、通信品質の判定に瞬時無線品質と所要品質とを用い、物理レイヤで所要品質を満たすように制御することができるため、制御遅延が小さいという効果もある。一般に、同じ割り当て回数を与えられたとき、瞬時無線品質が高いほどスループットが高く、逆に瞬時無線品質が低いほどスループットが低くなる。
(A2)スケジューリング処理の第2態様
次に、スケジューラ30によるスケジューリング処理の第2態様について、図3(A)及び図3(B)を参照しながら詳述する。
本例のスケジューリング方式では、まず、評価式設定部33が、図3(A)に示すように、所要品質決定部34で決定された所要無線品質(以下、単に「所要品質」ともいう)を取得し(ステップS11)、当該所要品質を閾値として評価値計算部31で用いるスケジューリング評価式に登録(設定)する(ステップS12)。ここでのスケジューリング評価式は、所要品質以下の瞬時無線品質では評価値を小さくし、所要無線品質以上の瞬時無線品質では算出される評価値が大きくなるような評価式である。例えば、以下に示すようなPF法を変形した式(2)で表される評価式を適用することができる。なお、もちろん、この評価式以外のものを用いることもできる。
Figure 0004899674
ここで、上記の式(2)において、valueは評価値、Sinsは瞬時無線品質、Saveは平均無線品質、Sthrは所要無線品質(以下、単に「所要品質」ともいう)を表す。つまり、この評価式(2)では、瞬時無線品質が所要品質以下の場合は、評価値が0となり、割り当て優先度が最低になることを示している。
次に、スケジューラ30は、スケジューリングタイミングになると、スケジューリング対象の各ユーザに対して評価値計算ループを開始する。即ち、図3(B)に示すように、まず、評価値計算部31は、無線品質情報計算部25から、スケジューリング対象の或るMS2について、その瞬時無線品質情報、平均無線品質情報を取得し(ステップS21)、上記評価式(2)を用いて評価値を計算し(ステップS22)、得られた評価値により暫定最大評価値の更新を行なう(ステップS23)。即ち、今回計算した評価値が現在の暫定最大評価値よりも大きい場合は、暫定最大評価値を今回計算した評価値に更新する。また、暫定割り当てユーザとして今回評価値計算したユーザを登録する。
そして、決定部32は、全てのユーザについての評価値計算が完了したか否かを判定し(ステップS24)、完了していなければ(ステップS24でnoと判定されれば)、全ての対象ユーザについての評価値計算が完了するまで(ステップS24でyesと判定されるまで)、上記ステップS21以降の処理を繰り返し、全ユーザに対して評価値計算が終了すれば、最終的に暫定割り当てユーザとして登録されているユーザを無線リソースの割り当てユーザとして決定する(ステップS24のyesルートからステップS25)。
このように、本例のスケジューリング処理では、瞬時無線品質が所要無線品質未満のユーザは、瞬時無線品質が所要無線品質以上のユーザよりも、評価値が低くなるように計算されて、無線リソースの割り当て優先度が低く設定されるので、前記第1態様のスケジューリング処理と同等の作用効果が得られる。
(A3)スケジューリング処理の第3態様
本態様では、前記の第1及び第2態様のスケジューリング処理の評価式において、例えば図4に示すように、無線品質(横軸)に対して評価値(縦軸)の最大値(瞬時無線品質のピーク)をもつ領域とその分散とを設定(制御)するパラメータ(分布パラメータ)を評価式の中に与えることを特徴とする。ここで、当該パラメータは、評価値分布決定部35により決定され、評価式設定部33により設定される。また、評価値のピークの数は1つでもよいし複数でもよい。
例えば、評価式として以下の式(3)を用いることができる。
Figure 0004899674
この評価式(3)では、α<βとすることで、平均無線品質に対する瞬時無線品質の大きさを計算するため、瞬時無線品質の大きさに関係なく全ユーザに割り当て機会が与えられる。平均無線品質の小さいユーザをより優先したい場合は、βを大きくする。また、δ、γ、εによって、評価値分布のピーク位置、幅を与えることができる。
このように、評価値が最大値になる領域とその分散とをパラメータδ,γ,εを用いて設定(制御)することによって、瞬時無線品質の高い領域に評価値のピークを設定すれば、スループットの高いユーザへ無線リソースの割り当てが優先的に行なわれることになり、システム利用効率の向上を図ることができる。逆に、瞬時無線品質の低い領域に評価値のピークを設定すれば、スループットの低いユーザを中心に無線リソースの割り当てが行なわれることになる。スループットの低いユーザは割り当て回数が多くなり、逆にスループットが高いユーザは割り当て回数が少なくなることで、各ユーザが送信するデータ量は平均化され、ユーザスループットの平均化を行なうことができるようになる。このとき、所要品質以下のユーザへの割り当ては制限されるので、パケットロスが頻発することはなく、システムスループットも確保される。
システムレベルシミュレーションを行なった結果を以下に示す。
α=1,β=2,γ=ε=1.25,δ=0.01、Sins=Saveとしたときの評価値の分布例を図5に示す。
本シミュレーションでは、適応変調を行なっており、適用したMCS(Modulation and Coding Scheme)の最低所要品質(SINR)は約1.5dBである。評価式(3)では、それ以下の領域の評価値分布が小さくなるようにパラメータγ、δ、εが設定されている。
シミュレーション諸元を次表1に示す。
Figure 0004899674
MaxCIR法、PF法、GPF法(α=1,β=2)、本例の提案方式のそれぞれについてユーザスループット及びセクタスループットを取得した。基地局からの距離に対するユーザスループットの分布を図6に、PFのセクタスループットを1としたときの正規化セクタスループットを図7にそれぞれ示す。なお、これらの図6及び図7において、符号51がMaxCIR法、符号52がPF法、符号53がGPF法、符号54が本提案方式でのシミュレーション結果をそれぞれ示している。
図6より、本提案方式を用いた場合、平均的に高いユーザスループットを実現し、セル端でのユーザスループットはPF法(符号52参照)と同等の値を実現している。また、ユーザスループット≧1Mbpsとなる最大距離を比較すると、MaxCIR法では距離1までに対し、本提案方式では1.35でありPFと同等であることが分かる。
さらに、図7より、本提案方式の評価式(3)を用いた場合、PF法よりも1.5倍程度高いセクタスループットを実現できることが分かる。
(A4)スケジューリング処理の第4態様
次に、本態様では、項目(A3)で用いた前記スケジューリング評価式(3)において、瞬時無線品質に対する評価値分布をシステム内のユーザの瞬時無線品質分布に合わせて設定(制御)することを特徴とする。例えば図8に示すように、システム内のユーザの瞬時無線品質の統計を基地局1(評価値分布決定部35)で測定し、確率密度分布を作成し、所要品質以下の領域の評価値が低くなるように、所要品質以下の分布を0(あるいは、所要の窓関数を掛けてもよい)とし、所要品質以上の部分をそのまま評価値として用いることができる。
つまり、この場合の評価値分布決定部35は、瞬時無線品質に対する評価値の分布特性を、システム内のユーザについての瞬時無線品質の統計的分布に応じて制御すべく構成されていることになる。
このようにすれば、ユーザの瞬時無線品質分布に合わせて評価値が分布するので、システム内で平均的な無線品質環境に位置するユーザへの割り当て回数が増え、平均的な無線品質環境に位置するユーザのユーザスループットが向上するという効果が得られる。また、良い無線環境に位置するユーザは、一回に送れるデータ量が大きいので、無線リソースの割り当て回数は少なくなるものの、平均ユーザスループットは平均的な無線品質環境にいるユーザと同程度になり、システム内のユーザスループットが平均化されるという効果もある。
(A5)スケジューリング処理の第5態様
本態様では、上述した第1〜第4態様のスケジューリング処理において、過去に取得したユーザの瞬時無線品質から送信を行なう時点の瞬時無線品質を予測し、予測した値を評価式で用いる瞬時無線品質とすることを特徴とする。予測の方法としては、例えば、外挿補間を用いる方法がある。
例えば図9に示すように、基地局1は、無線品質情報計算部25にて、現在時刻におけるユーザの瞬時無線品質情報を計算し取得すると、図示しない内蔵のメモリやレジスタ等の記憶媒体に保存し、過去の瞬時無線品質情報を更新する(ステップS31)。
次に、無線品質情報計算部25は、取得した現在時刻における瞬時無線品質情報を含む過去の瞬時無線品質情報を用いて、スケジューリング遅延後の瞬時無線品質を線形補間等の予測式により計算し(ステップS32)、計算した瞬時無線品質情報をスケジューラ30(評価値計算部31及び/又は評価値分布決定部35)での評価値の計算及び/又は評価値の分布決定に用いる瞬時無線品質として入力する(ステップS33)。
つまり、本例の無線品質情報計算部25は、MS2の過去の瞬時無線品質から当該MS2への送信を行なう時点の瞬時無線品質を予測し、その予測値を評価値計算部31に前記評価式の無線品質情報として与える瞬時無線品質予測手段としての機能を果たしている。
これにより、ユーザの瞬時無線品質を計算した時点から実際に送信が行なわれるまでのスケジューリング遅延を考慮した無線リソース割り当てを行なうことができる。したがって、スケジューリング遅延時間の間に瞬時無線品質が所要品質よりも低くなるようなユーザへの無線リソース割り当てを防ぐことができるので、無線リソースを有効活用できる効果がある。
(A6)スケジューリング処理の第6態様
本態様では、HARQ(Hybrid Automatic Request)に基づく再送制御を行なうことを前提とし、前記の第1〜第5態様におけるスケジューリング処理(評価式)で用いる所要品質(閾値)を、当該再送制御による受信側(MS2)での再送合成によって得られるゲイン(以下、HARQゲインという)分だけ低い値に設定することを特徴とする。
例えば図10に、無線方式の誤り率特性と本態様での評価値の所要品質との関係を示す。元の所要品質(矢印61参照)は、当該誤り率特性において、所要(目標)誤り率から決定することができる。所要品質決定部34は、その元の所要品質からHARQゲイン分だけ低い無線品質(矢印62参照)を、評価式における新しい所要品質として決定する。
つまり、この場合の所要品質決定部34は、前記所要品質をHARQゲインに応じた分だけ低下する方向に制御する再送時所要品質制御手段としての機能を果たしていることになる。
このように、再送時の無線品質が所要品質よりも低くてもHARQゲインにより誤り率が低くなることを利用して、評価式の所要品質パラメータを、所要品質よりも低い値に設定(変更)することができる。したがって、より瞬時無線品質の低いユーザの通信が可能となり、セルのカバレッジが拡大することが可能となる。
(A7)スケジューリング処理の第7態様
次に、本態様では、前記の第1〜第6態様におけるスケジューリング処理での所要品質を、繰り返し符号化部142での繰り返し符号により得られるゲイン向上(以下、繰り返し符号ゲインという)分だけ低い値に設定することを特徴とする。
例えば図11に、無線方式の誤り率特性と本態様での評価値の所要品質との関係を示す。この図11において、特性73は変調方式=QPSK、符号化率R=1/2(繰り返し符号数=0)の場合の無線品質に対する誤り率特性を表し、特性74は同じ変調方式、符号化率Rで、繰り返し符号数=2の場合の無線品質に対する誤り率特性を表している。
この場合も、元の所要品質(矢印71参照)は、当該誤り率特性において、所要(目標)誤り率から決定することができる。所要品質決定部34は、その元の所要品質から繰り返し符号ゲイン分だけ低い無線品質〔矢印72(繰り返し数=2の場合)参照〕を、評価式における新しい所要品質として決定する。
つまり、この場合の所要品質決定部34は、前記所要品質を繰り返し符号ゲインに応じた分だけ低下する方向に制御する繰り返し符号化時所要品質制御手段としての機能を果たしていることになる。
このように、繰り返し符号ゲイン分だけ、評価式の所要品質パラメータを、元の所要品質よりも低い値に設定することで、より瞬時無線品質の低いユーザの通信が可能となり、セルのカバレッジを拡大することが可能となる。
なお、評価式の所要品質パラメータは、MS2への送信信号の変調方式や符号化率、トランスポートブロックサイズ等の他の送信パラメータの変化(制御)に応じて制御するようにしてもよい。
(A8)スケジューリング処理の第8態様
次に、本態様では、前記の第1〜第7態様におけるスケジューリング処理で使用するパラメータを、システム内のユーザの瞬時無線品質分布に合わせて動的に変化させることを特徴とする。
例えば、評価値分布決定部35にて、システム内のユーザの瞬時無線品質分布をモニタし、瞬時無線品質の確率密度分布または累積確率密度分布を作成し、前回のパラメータ作成時の分布(図示しない内蔵メモリ等の記憶媒体に記憶されている)と今回作成した分布とを比較して分布の変化を検出する。評価値分布決定部35は、分布の変化を検出すると、その分布に合うように評価値分布を作成する。なお、これらの機能は、評価値分布決定部35とは別個にそなえてもよい。
そして、例えば、作成した瞬時無線品質の確率密度分布のピーク位置を評価値のピーク位置とし、瞬時無線品質の確率密度分布の最大、最小無線品質を、評価値分布の無線品質方向の最大値、最小値とする。累積確率密度分布を用いるときは、ピーク位置の代わりに50%値をピーク位置として設定してもよい。導出されたパラメータは、評価式設定部33を通じて評価式のパラメータとして設定する。
つまり、この場合の評価値分布決定部35は、瞬時無線品質分布(統計的分布)の変化を検出する分布検出部351としての機能と、当該機能により分布変化が検出されると、評価値計算に関連するパラメータを変化後の統計的分布の特性に合わせて動的に再設定するパラメータ再設定部352としての機能とを兼ね備えていることになる(図1参照)。
なお、上記の分布モニタ(分布計算)、分布比較は、定期的に行なってもよいし、不定期に行なってもよい。また、所定閾値よりも大きく分布が変動したときにだけパラメータを作成(設定)するようにしてもよい。
評価式の具体例として、以下のような評価式(4)を用いる場合について説明する。
Figure 0004899674
この評価式(4)は、δを大きくすると広がりが小さくなり、γを大きくするとピーク位置が大きくなる特性をもつ。
図12に、本態様の分布パラメータ決定フローを示す。
まず、基地局1(評価値分布決定部35)は、無線品質情報計算部25と協働してシステム内の瞬時無線品質をモニタし、瞬時無線品質の分布を作成する(ステップS41)。分布は、確率密度分布でも累積確率密度分布でもよい。
次に、評価値分布決定部35は、モニタの結果作成した分布を、前回のパラメータ設定時の分布と比較し(ステップS42)、比較の結果、分布の変動を検出すれば(ステップS43でyesと判定されれば)、評価値分布が新しい分布と重なるように上記の評価式(4)のパラメータδ、γを導出する(ステップS44)。パラメータγについては、瞬時無線品質分布の確率分布のピーク位置、または累積確率密度分布の50%値としてよい。パラメータδについては、評価値分布の無線品質方向の最大値、最小値が、瞬時無線品質分布の最大値、最小値と重なるように設定する。
評価値分布決定部35は、パラメータを決定すると、評価式設定部33と協働して、そのパラメータを評価式計算部31で用いる前記評価式(4)に設定し(ステップS45)、次回の分布変動検出に備えて、今回の(新しい)無線品質分布を前記内蔵メモリ等の記憶媒体に保存する(ステップS46)。なお、分布変動が検出されない場合は、パラメータの再設定は行なわれず、そのまま処理が終了する(ステップS43のnoルート)。
このように、本態様では、システム内の瞬時無線品質分布の変化に応じて、スケジューリングタイミング毎に評価式(4)のパラメータが適切な値に動的設定(制御)されるので、常に瞬時無線品質分布の変化に応じた最適な評価値分布をもって無線リソース割り当てを行なうことが可能となり、ユーザの移動などによる無線環境の変化に対応(追従)できるという効果が得られる。
(A9)スケジューリング処理の第9態様
本態様では、HARQに基づく再送制御を行なうことを前提とし、前記の第1〜第8態様におけるスケジューリング処理(評価式)で用いる所要品質(閾値)を、NACKの受信有無に応じて動的に変更することを特徴とする。例えば、基地局1(スケジューラ30)は、NACKが受信されない間は、それまでに設定されている元の所要品質を評価式で用い、NACKが受信されると、NACK受信時の規定の所要品質に変更する。
図13に本態様のスケジューリングフローを示す。
まず、スケジューラ30(評価値計算部31)は、無線品質情報計算部25から、スケジューリング対象の或るMS2について、その瞬時無線品質情報、平均無線品質情報を取得する(ステップS51)。また、NACK受信判定部24にて、NACKが受信されているか否かが判定され(ステップS52)、NACKが受信されていなければ(ステップS53でnoと判定されれば)、所要品質決定部34は、評価値計算部31で用いる評価式の所要品質を変更せず元の所要品質をそのまま用い、評価式を作成して評価式設定部33と協働して評価値計算部31に設定する(ステップS55)。このとき作成、設定する評価式としては、既述のいずれの評価式でもよい。
一方、NACK受信判定部24にてNACKが受信されていると判定されれば(ステップS53でyesと判定されれば)、所要品質決定部34は、評価値計算部31で用いる評価式の所要品質として、NACK受信時の規定の所要品質(NACK受信時閾値)を設定するとともに、NACK受信時の評価式を作成して評価式設定部33と協働して評価値計算部31に設定する(ステップS54)。ここで、NACK受信時には、受信側(ユーザ)において既述のようにHARQゲインが得られるので、前記NACK受信時の規定の所要品質は、前記元の所要品質よりも低い品質に設定するのが好ましい。
つまり、この場合の所要品質決定部34は、ユーザからの異常受信を示す信号(NACK)が受信されると、前記所要品質を低下する方向に制御する異常受信時所要品質制御手段としての機能を果たしていることになる。
その後、評価値計算部31は、無線品質情報計算部25から取得した瞬時無線品質情報、平均無線品質情報を基に、上述のごとく評価式設定部33により設定された評価式による評価値の計算を行ない(ステップS56)、その計算結果(評価値)を図示しない内蔵メモリやレジスタ等の記憶媒体に保存し、最大の評価値に、逐次、更新してゆく(ステップS57)。即ち、評価値計算部31は、評価値を計算すると、当該評価値を前記記憶媒体における暫定最大評価値と比較し、今回計算した現在の評価値の方が大きい場合は暫定最大評価値を今回計算した評価値の値に置き換える(更新する)とともに、現在のユーザを暫定割り当てユーザとして登録する。
そして、送信無線リソース/ユーザ決定部32が、全てのユーザについての評価値計算が完了したか否かを判定し(ステップS58)、完了していなければ(ステップS58でnoと判定されれば)、全ての対象ユーザについての評価値計算が完了するまで(ステップS58でyesと判定されるまで)、上記ステップS51以降の処理を繰り返し、全ユーザに対して評価値計算が終了すれば、最終的に暫定割り当てユーザとして登録されているユーザ(最終的に前記記憶媒体に保存されている最大評価値をもつユーザ)を無線リソースの割り当てユーザとして決定する(ステップS58のyesルートからステップS59)。
このように、本態様では、スケジューリング対象のユーザ(MS2)毎に、NACK受信の有無をモニタして、NACKが受信された場合に、評価値計算の所要品質(閾値)を変更(元の所要品質よりも低くなる方向に制御)することができるので、より瞬時無線品質の低いユーザの通信が可能となり、セルのカバレッジを拡大することが可能となる。
〔B〕付記
(付記1)
無線移動通信システムの移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、
該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、
前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、
該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段とをそなえたことを特徴とする、スケジューラ。
(付記2)
前記評価式が、すべての移動端末に対して割り当て機会を与える評価式であることを特徴とする、付記1記載のスケジューラ。
(付記3)
前記瞬時無線品質に対する評価値の分布特性として、最大値をもつ領域とその分散とを制御するパラメータを前記評価式に与える評価値分布制御手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記1又は2に記載のスケジューラ。
(付記4)
該評価値分布制御手段が、
前記瞬時無線品質に対する評価値の分布特性を、前記無線移動通信システム内の移動端末についての前記瞬時無線品質の統計的分布に応じて制御すべく構成されたことを特徴とする、付記3記載のスケジューラ。
(付記5)
該移動端末の過去の瞬時無線品質から当該移動端末への送信を行なう時点の瞬時無線品質を予測し、その予測値を該評価値計算手段に前記評価式の前記無線品質情報として与える瞬時無線品質予測手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載のスケジューラ。
(付記6)
該移動端末が受信信号について再送合成を行なう端末であり、
前記所要無線品質を前記再送合成により得られるゲインに応じた分だけ低下する方向に制御する再送時所要品質制御手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載のスケジューラ。
(付記7)
前記無線移動通信システムが前記移動端末への送信信号について繰り返し符号化を用いるシステムであり、
前記所要無線品質を前記繰り返し符号化により得られるゲインに応じた分だけ低下する方向に制御する繰り返し符号化時所要品質制御手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載のスケジューラ。
(付記8)
該評価値分布制御手段が、
前記統計的分布の変化を検出する分布検出部と、
該分布検出部により前記変化が検出されると、前記評価値の計算に関連するパラメータを前記変化後の統計的分布の特性に合わせて動的に再設定するパラメータ再設定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記4記載のスケジューラ。
(付記9)
該移動端末からの異常受信を示す信号が受信されると、前記所要無線品質を低下する方向に制御する異常受信時所要品質制御手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載のスケジューラ。
(付記10)
付記1〜9のいずれか1項に記載の無線リソースのスケジューラと、
該スケジューラにより割り当てられた無線リソースにより該移動端末への送信を行なう送信手段とをそなえたことを特徴とする、無線基地局装置。
(付記11)
無線移動通信システムの移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューリング方法であって、
該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算過程と、
前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定過程と、
該無線品質判定過程で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御過程とを有することを特徴とする、スケジューリング方法。
(付記12)
前記評価式が、すべての移動端末に対して割り当て機会を与える評価式であることを特徴とする、付記11記載のスケジューリング方法。
(付記13)
前記瞬時無線品質に対する評価値の分布特性として、最大値をもつ領域とその分散とを制御するパラメータを前記評価式に与えることを特徴とする、付記11又は12に記載のスケジューリング方法。
(付記14)
該制御過程において、
前記瞬時無線品質に対する評価値の分布特性を、前記無線移動通信システム内の移動端末についての前記瞬時無線品質の統計的分布に応じて制御することを特徴とする、付記13記載のスケジューリング方法。
(付記15)
該移動端末の過去の瞬時無線品質から当該移動端末への送信を行なう時点の瞬時無線品質を予測し、その予測値を前記評価式の前記無線品質情報として用いることを特徴とする、付記11〜14のいずれか1項に記載のスケジューリング方法。
(付記16)
該移動端末が受信信号について再送合成を行なう端末であり、
前記所要無線品質を前記再送合成により得られるゲインに応じた分だけ低下する方向に制御することを特徴とする、付記11〜15のいずれか1項に記載のスケジューリング方法。
(付記17)
前記無線移動通信システムが前記移動端末への送信信号について繰り返し符号化を用いるシステムであり、
前記所要無線品質を前記繰り返し符号化により得られるゲインに応じた分だけ低下する方向に制御することを特徴とする、付記11〜15のいずれか1項に記載のスケジューリング方法。
(付記18)
該制御過程において、
前記統計的分布の変化を検出すると、前記評価値の計算に関連するパラメータを前記変化後の統計的分布の特性に合わせて動的に再設定することを特徴とする、付記14記載のスケジューリング方法。
(付記19)
該移動端末からの異常受信を示す信号が受信されると、前記所要無線品質を低下する方向に制御することを特徴とする、付記11〜18のいずれか1項に記載のスケジューリング方法。
以上詳述したように、本発明によれば、瞬時無線品質が所要無線品質未満である移動端末(ユーザ)への無線リソースの割り当てを抑えて、無線サービスのカバー地域(カバレッジ)の確保とシステム(無線リソース)利用効率の向上とを両立することが可能となるので、無線通信技術分野に極めて有用と考えられる。
本発明の一実施形態に係る無線基地局装置の要部構成を示すブロック図である。 図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の具体例(第1態様)を説明するためのフローチャートである。 (A)及び(B)はいずれも図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の第2態様を説明するためのフローチャートである。 図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の第3態様を説明すべく瞬時無線品質に対する評価値分布の一例を示す図である。 第3態様のシミュレーション結果である評価値分布を示す図である。 第3態様のスケジューリング処理による効果を従来技術と比較して説明すべく正規化距離対ユーザスループット分布の一例を示す図である。 第3態様のスケジューリング処理による効果を従来技術と比較して説明すべく正規化セクタスループット分布の一例を示す図である。 図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の第4態様を説明すべくシステム内瞬時無線品質の確率密度分布の一例を示す図である。 図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の第5態様を説明するためのフローチャートである。 図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の第6態様を説明すべく瞬時無線品質対目標誤り率特性の一例を示す図である。 図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の第7態様を説明すべく瞬時無線品質対目標誤り率特性の一例を示す図である。 図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の第8態様を説明するためのフローチャートである。 図1に示す無線基地局装置におけるスケジューラによるスケジューリング処理の第9態様を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 基地局装置
11 上位レイヤ処理部
12 データフレーム処理部
13 ユーザデータ選択部
14 送信データ生成部
141 符号化部
142 繰り返し符号化部
143 変調部
15 無線リソースマッピング部
16 送信部
17 送信アンテナ
2 移動端末(移動局:MS)
21 受信アンテナ
22 受信部
23 受信回路
24 NACK受信判定部
25 無線品質情報計算部
30 スケジューラ
31 評価値計算部
32 送信無線リソース/ユーザ決定部
33 評価式設定部
34 所要品質決定部
35 評価値分布決定部
351 分布検出部
352 パラメータ再設定部

Claims (7)

  1. 無線移動通信システムの移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、
    該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、
    前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、
    該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段と
    前記瞬時無線品質に対する評価値の分布特性として、最大値をもつ領域とその分散とを制御するパラメータを前記評価式に与える評価値分布制御手段とをそなえたことを特徴とする、スケジューラ
  2. 該評価値分布制御手段が、
    前記瞬時無線品質に対する評価値の分布特性を、前記無線移動通信システム内の移動端末についての前記瞬時無線品質の統計的分布に応じて制御すべく構成されたことを特徴とする、請求項記載のスケジューラ。
  3. 該移動端末の過去の瞬時無線品質から当該移動端末への送信を行なう時点の瞬時無線品質を予測し、その予測値を該評価値計算手段に前記評価式の前記無線品質情報として与える瞬時無線品質予測手段をさらにそなえたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のスケジューラ。
  4. 無線移動通信システムの受信信号について再送合成を行なう移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、
    該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、
    前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、
    該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段と、
    前記所要無線品質を前記再送合成により得られるゲインに応じた分だけ低下する方向に制御する再送時所要品質制御手段とをそなえたことを特徴とする、スケジューラ。
  5. 移動端末への送信信号について繰り返し符号化を用いる無線移動通信システムの前記移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、
    該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、
    前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、
    該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段と、
    前記所要無線品質を前記繰り返し符号化により得られるゲインに応じた分だけ低下する方向に制御する繰り返し符号化時所要品質制御手段とをそなえたことを特徴とする、スケジューラ。
  6. 該評価値分布制御手段が、
    前記統計的分布の変化を検出する分布検出部と、
    該分布検出部により前記変化が検出されると、前記評価値の計算に関連するパラメータを前記変化後の統計的分布の特性に合わせて動的に再設定するパラメータ再設定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項記載のスケジューラ。
  7. 無線移動通信システムの移動端末に無線リソースを割り当てるスケジューラであって、
    該移動端末との間の無線品質に関する無線品質情報を含む所定の評価式により、前記無線リソースの割り当て優先度に関する評価値をスケジューリング対象の移動端末毎に計算する評価値計算手段と、
    前記無線品質の瞬時値である瞬時無線品質が所要無線品質以上か否かを判定する無線品質判定手段と、
    該無線品質判定手段で前記瞬時無線品質が前記所要無線品質未満であると判定された移動端末についての評価値を、前記所要無線品質以上であると判定された移動端末についての評価値よりも低い値に制御する制御手段と、
    該移動端末からの異常受信を示す信号が受信されると、前記所要無線品質を低下する方向に制御する異常受信時所要品質制御手段とをそなえたことを特徴とする、スケジューラ
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