JP4897954B2 - 面発光レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、面発光レーザ素子及びその製造方法に関し、更に詳しくは、電流もしくは光の狭窄を行うための狭窄構造を有する面発光レーザ素子及びその製造方法に関するものである。
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser. 以下、単に面発光レーザ素子と称する。)は、基板に対して直交方向に光を出射させる半導体レーザ素子である。面発光レーザ素子は、同じ基板上に2次元アレイ状に多数の面発光レーザ素子を配列することが可能であり、通信用光源として、或いは、その他の様々なアプリケーション用デバイスとして注目されている。特に、光インターコネクション等の並列光情報処理や並列光伝送の用途を中心に、面発光レーザ素子のニーズが高まっている。
面発光レーザ素子は、GaAsやInPといった半導体基板上に1対の半導体多層膜反射鏡(DBR:Distributed Bragg Reflector。)を形成し、その対の1対の半導体多層膜反射鏡の間に、発光領域となる活性層を有するレーザ構造部を備えている。例えばGaAs系面発光レーザ素子では、AlGaAs系材料が多層膜反射鏡に用いられる。
GaAs系面発光レーザ素子は、特にGaAs基板上に形成でき、しかも、熱伝導率が良好で、反射率の高いAlGaAs系多層膜反射鏡を用いることができるので、0.8μm〜1.0μm帯のレーザ光を発光できるレーザ素子として有望視されている。また、活性層にGaInNAs系材料を用いた面発光レーザ素子は、1.2μm〜1.6μm帯の長波長域の光を発光できる面発光レーザ素子として有望視されている。これらの面発光レーザ素子では、電流注入効率を高め、閾値電流値を下げるために、AlAs酸化層で電流注入領域を狭窄する構造を構成する、酸化狭窄型の面発光半導体レーザ素子が提案されている(特許文献1)。
ここで、図5及び図6を参照して、従来の発振波長が長波長、具体的には1.3μm帯の面発光レーザ素子の構成を説明する。 発振波長1.3μm帯の従来の面発光半導体レーザ素子10は、膜厚約100μmのp−GaAs基板12上に、順次、形成されたp−Al0.9Ga0.1As/p−GaAsの35.5ペアからなる下部反射鏡14、ノンドープGaAs下部クラッド層18、活性層20、ノンドープGaAs上部クラッド層22、n−Al0.9Ga0.1As/n−GaAsの30ペアからなる上部反射鏡24、及びn−GaAsキャップ層26からなる積層構造を備えている。 p−Al0.9Ga0.1As/p−GaAsの35.5ペアからなる下部反射鏡14の最上層は、図5に示すように、p−Al0.9Ga0.1As膜に代えて、膜厚20nmのAl酸化層16/p−AlAs層17が成膜されている。
積層構造のうち、n−GaAsキャップ層26、n−Al0.9Ga0.1As/n−GaAsの30ペアからなる上部反射鏡24、ノンドープGaAs上部クラッド層22、活性層20、ノンドープGaAs下部クラッド層18、及びAl酸化層16/AlAs層17は、円筒状溝28によって、直径40から45μmのメサポスト構造30として形成されている。
p−Al0.9Ga0.1As/p−GaAsの35.5ペアからなる下部反射鏡14は、図6に示すように、膜厚110nmのp−Al0.9Ga0.1As膜50と膜厚94nmのp−GaAs膜46とが組成傾斜層を介して積層された35.5ペアの多層膜によって構成されている。
Al酸化層16は、AlAs層を酸化することによってメサポスト構造30の側壁に沿って形成され、電気抵抗の高い電流狭窄領域を構成し、AlAs層17は中央部に円形領域として形成され、電流注入経路を構成している。
活性層20は、GaInAsNを井戸層としている。
上部反射鏡24は膜厚110nmのn−Al0.9Ga0.1As膜54と膜厚94nmのn−GaAs膜56とが組成傾斜層を介して積層された30ペアの多層膜によって構成されている。
円筒状溝28の溝壁、メサポスト構造30上を含めて、全面にシリコン窒化膜32が成膜されている。そして、メサポスト構造30上面のシリコン窒化膜32は、直径30μmの円形状に除去されて、n−GaAsキャップ層26を露出させている。
そこには、内径20μm、外形30μmのリング状のAuGeNi/Au金属積層膜がn側電極34として形成されている。更に、中央に円形開口を有するようにしてn側電極34を覆って接続したTi/Pt/Au積層金属パッドが、n側電極34の引き出し用電極36として形成されている。
また、p−GaAs基板12の裏面には、AuZn膜がp側電極38として形成されている。
なお、p−GaAs基板12に替えて、n型半導体基板を用いp型半導体層とn型半導体層の位置関係が逆になるよう構成された面発光レーザ素子も、従来開発されている。その場合には、酸化狭窄層は上部DBRミラー内であって、活性層20近傍に形成される。
このような酸化狭窄層は、メサポストに加工した積層構造を水蒸気雰囲気中にて、約400℃の温度で酸化処理を行い、メサポストの外側からAlAs層17のAlを選択的に酸化させることにより、Al酸化層16からなる電流狭窄層が形成されている。
このような酸化狭窄層では、電流注入領域となる非酸化領域に比べ、酸化領域の屈折率が低く、非酸化領域のコア部と酸化領域のクラッド部が形成され、光閉じ込めの機能も有している。酸化領域と非酸化領域の等価屈折率の差は約0.005であり、シングルモード動作を得るためには、レーザ光の経路(オプティカルアパーチャ)となる非酸化領域の面積を20〜30μm程度以下にする必要がある。
そこで、電流を狭窄するための酸化狭窄層とは別に、光閉じ込め機能を有する光狭窄構造を設けた面発光レーザ素子の開発も行われている。
例えば、非酸化領域の径の異なる酸化狭窄層を2種類設け、各々電流狭窄および光狭窄の機能を果たすような面発光レーザ素子の開発が行われている。(特許文献2)
あるいは、多層膜反射鏡を構成する半導体の周辺部に高濃度の不純物をドープすることによって不純物がドープされた領域の半導体の屈折率を低くし光狭窄をおこなう面発光レーザ素子の開発が行われている。(特許文献3)
一方、材料の異なる薄い半導体層を交互に積層した超格子構造に不純物ドープをおこない、その領域の超格子層の無秩序化をおこない半導体の屈折率を制御するという方法が従来の端面発光型の半導体レーザにおいて検討されている。(特許文献4)
特開2003−179308号公報 特開2005−93634号公報 特開2003−124570号公報 特開平2−106986号公報
上述のように、酸化狭窄型の面発光レーザ素子では、酸化狭窄層の電流注入領域となる非酸化領域の面積を小さくすることによって、シングルモード動作が得られる。しかしながら、電流注入領域の面積と光出力とは比例関係にあり、電流注入領域の面積を小さくすることによって光出力は小さくなる。
また、酸化狭窄型の面発光レーザ素子では、メサポストを形成し、酸化工程により、特定半導体層の一部を酸化させる際に、多層膜反射鏡や活性層などのメサポスト側面に露出した半導体層の端面部についても、強い酸化条件に曝されるので、その露出した端面部が酸化されることがある。このような端面部の酸化は体積の収縮による応力の発生や活性層へのダメージの要因となり、面発光レーザ素子の信頼性を低下させる。
一方、電流狭窄構造と光狭窄構造を各々設ける面発光レーザ素子では製造工程が複雑になり製造コストの増大を招く。
また、材料の異なる薄い半導体層を交互に積層した超格子構造に不純物ドープをおこなうことによって、その領域の超格子層が無秩序化する方法では、不純物の種類による拡散定数に応じ、ドープ量や熱処理温度および熱処理時間を制御し超格子の無秩序領域および得られる屈折率の制御が困難であった。
上記に鑑み、本発明は、基板上に下部半導体多層膜反射鏡と活性層と上部半導体多層膜反射鏡を有する面発光レーザ素子において、電流狭窄と光狭窄の機能を持つ狭窄構造を有する面発光レーザ素子、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の面発光レーザ素子は、基板上に半導体層を多層積層し、少なくとも下部半導体多層膜反射鏡と活性層と上部半導体多層膜反射鏡を構成する面発光レーザ素子において、該上部又は下部半導体多層膜反射鏡のいずれか一方は、p型不純物がドープされたp型半導体層からなる超格子構造を含んでおり、該超格子構造と同じ層であって、超格子構造の外周領域はn型不純物がドープされてなるn型半導体で構成され、前記超格子構造と前記n型半導体は、前記超格子構造を構成するp型半導体層の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有するp型半導体層の間に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザ素子の製造方法は、基板上に、n型半導体多層膜反射鏡を構成する半導体層と、活性層と、p型半導体多層膜反射鏡を構成する半導体層とを順次に積層して積層構造を形成する積層工程と、
前記p型半導体多層膜反射鏡を構成する一部の半導体層に環状にn型不純物をイオン注入する工程と、熱処理を施して前記n型不純物が注入された領域を無秩序化する工程とを順次に有することを特徴とする。
本発明の面発光レーザ素子及び本発明方法によって製造された面発光レーザ素子では、光狭窄と電流狭窄の機能を有し、信頼性の高い面発光レーザ素子を提供することができる。
面発光レーザ素子の多層膜反射鏡の構成材料として用いられるAlGaAs半導体のAl組成比を変えた薄い層を交互に積層した超格子構造に不純物をドープし、500℃〜900℃で熱処理を行うと、不純物がドープされた領域でのみ、混晶化が促進され、超格子構造が無秩序化することが知られている。不純物としてイオン注入した原子が拡散することによりAlGaAs/AlGaAs超格子構造のAl原子とGa原子の相互拡散は、下記のような方程式で起きるとされている。
Figure 0004897954




但し、
Xo: AlGaAsのAl組成の初期値
X(z):相互拡散後の距離zにおけるAlGaAsのAl組成
Lz: AlGaAs層厚
Ld: Al原子の相互拡散距離

LdはAl原子の相互拡散距離であるが、イオン注入した原子種による拡散定数や注入量、そして再成長温度や熱処理温度および処理時間による制御できる。
しかしながら、面発光レーザ素子のコア部とクラッド部との等価屈折率の差を良好に制御し光狭窄構造を形成するためには、上述のようなイオン注入した原子種による拡散定数や注入量、そして再成長温度や熱処理温度および処理時間による制御をおこなっても必ずしも安定して良好な光狭窄構造を形成できないことが分かった。イオン注入した原子種や注入量を適切に選択し、再成長温度や熱処理温度および処理時間を最適化すればAlGaAs/AlGaAs超格子構造を無秩序化することはできるが、イオン注入した原子の拡散を抑制は非常に困難である。不純物の拡散が制御できないために、光狭窄構造を形成するコア部とクラッド部との等価屈折率の差が所定の値よりもずれるという問題が生ずる。また、活性層まで不純物が拡散した場合には、レーザの発光特性に影響するという問題がある。
不純物の拡散を抑制するために、他の元素を高濃度にドープした層によって超格子構造を挟んだ構成とすることにより、他の元素を高濃度にドープした層が拡散抑制層として機能し、超格子構造以外の層に不純物が拡散することを抑制できる。例えば、AlGaAs/AlGaAs超格子構造にSiイオンを注入する場合、Si原子の拡散抑制層として高濃度炭素(C)又はベリリウム(Be)ドープした層を用いることができる。
このような方法で形成した光狭窄構造ではコア部とクラッド部の屈折率差を0.005程度と小さくすることができ、オプティカルアパーチャを大きくしてもレーザ光をシングルモード発振させることができる。
通常、面発光レーザ素子の静電気耐圧は図1に示すように、電流狭窄の開口部の面積と相関があるが、本発明の面発光レーザ素子の光狭窄構造は電流狭窄構造の機能も兼ねており、電流狭窄の開口部面積も大きくすることができるため、面発光レーザ素子の静電気耐圧も向上させることができる。
以下に、実施形態を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
[実施形態1]
図2に示す本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザ素子の半導体層の積層の様子を例示する断面図である。本実施形態の面発光半導体レーザ素子110は、図5で示した従来の面発光レーザ素子10とはp型半導体層とn型半導体層の位置関係が逆になっている。n−GaAs基板112上に、それぞれの層の厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のn−Al0.9Ga0.1As/n−Al0.2 Ga0.8Asの35ペアからなる下部多層膜反射鏡114、下部クラッド層118、GaAsの井戸層とAl0.2 Ga0.8Asのバリア層からなる量子井戸活性層120、上部クラッド層122、及び、それぞれの層の厚さがλ/4n(λは発振波長、nは屈折率)のp−Al0.9Ga0.1As/p−Al0.2Ga0.8Asの30ペアからなる上部多層膜反射鏡124A、Bの積層構造を備えている。
上部多層膜反射鏡上には、リング状のp側電極138が形成されている。また、n−GaAs基板の裏面には、n側電極134として形成されている。
本実施形態の面発光レーザ素子が従来の面発光レーザ素子と異なるところは、酸化狭窄層はなく替わりにp型多層膜反射鏡内に各々厚さ6nmのAl0.3Ga0.7As/p−Al0.18Ga0.82Asを交互に8周期積層した超格子構造160を有することである。超格子構造160の上下の層は、p型不純物であるCを高濃度にドープした層150となっている。p型の上部多層膜反射鏡124A、Bおよび超格子構造160を構成するp型半導体のp型不純物濃度は1×1018〜1×1019cm−3であることが好ましい。また、Cを高濃度にドープした層150では不純物濃度は1×1019〜1×1020cm−3であることが好ましい。
また、Cを高濃度にドープした層150に挟まれた超格子構造160の同じ層内であって、オプティカルアパーチャ領域となる領域を環状に取り囲む外周領域は、n型不純物であるSiをドーズ量2×1014cm−2がドープされ超格子層が無秩序化したAlGaAs半導体170で構成されている。オプティカルアパーチャ領域の面積は約40μmである。
オプティカルアパーチャ領域に対し外周領域では、Siドープと無秩序化により屈折率が異なっているため、光狭窄構造を形成することができる。また、外周領域ではSiがドープされたn型半導体をp型半導体層が挟んだ構成となっているため、電流が流れにくく電流狭窄の機能も有する構造となっている。
この面発光レーザ素子の発光波長は850nmで、スペクトル幅も狭いレーザ光が得られ、変調周波数10Gbpsの高周波でも動作可能であった。
さらには、本実施形態の面発光レーザ素子では、従来の酸化狭窄層を有する面発光レーザ素子に比較してオプティカルアパーチャ面積が広く静電気耐圧特性は1.5倍程度と良好な特性が得られる。
図3に、本実施形態の面発光レーザ素子の光狭窄構造近傍のクラッド部(外周領域)の半導体層の深さ方向の不純物のSIMS(SIMS:Secondury ion mass spectrometry)によるプロファイルを示す。
熱処理後、Siは半導体層の深さ方向に拡散するが高濃度にCをドープした層によって拡散が抑制されることがわかる。
高い不純物濃度を有するp型半導体層(層150)のp型不純物量は、超格子構造160を構成するp型半導体層のp型不純物量の10倍以上であってよい。超格子構造160は厚さが20nm以下の組成比の各々異なる層が交互に積層されていてよい。
次に、本実施形態の面発光レーザ素子110の製造方法について説明する。
本実施形態の面発光レーザ素子110は、図5に示した従来の面発光レーザ素子10とほぼ同様のプロセスによって作製することができる。
ただし、酸化狭窄層の形成の必要が無いため、従来の面発光レーザ素子で必要であったメサポスト形状を形成する工程、および酸化工程は不要となる。
図4−1〜図4−3は、図2に示す面発光レーザ素子110の光狭窄構造の作製方法を説明する図である。
まず、図4−1に示すように、エピ成長によって、n−GaAs基板112上に、下部多層膜反射鏡114、下部クラッド層118、量子井戸活性層120、上部クラッド層122、上部多層膜反射鏡124Bを構成するp-AlGaAs層2ペアを積層し、最上層には高濃度のCをドープし、Cを高濃度にドープした層150を形成する。その後、各々厚さ6nmのAl0.3Ga0.7As/p−Al0.18Ga0.82Asを交互に8周期積層し超格子構造160を形成する。
次に、図4−2に示すようにオプティカルアパーチャとなる部分にSiOマスク180を設け、Siをイオン注入することによって、オプティカルアパーチャを囲む環状領域の半導体にSiがドープされる。
さらに、図4−3に示すように、成長温度700℃で高濃度にCがドープされた層を1層設け、上部多層膜反射鏡124Aとして、p-AlGaAs層を23ペア積層する。上部多層膜反射鏡124Aを成長させる際に、超格子構造160も700℃の熱処理をされることになり、Siがドープされた環状領域では、Siが拡散し、超格子構造160は無秩序化がなされる。
[実施形態2]
つぎに、実施の形態2にかかる面発光レーザ素子について説明する。実施の形態2の面発光レーザ素子が実施形態110の面発光レーザ素子と異なるところは、活性層に、1100nm帯のレーザ光を発振するIn0.3Ga0.7Asの井戸層とGaAsのバリア層からなる量子井戸活性層を用いた点と、超格子構造をAl0.36Ga0.64As(6nm)/GaAs(6nm)を交互に5周期積層した構造としたことである。また、オプティカルアパーチャの面積は50μmとしたが、シングルモードで発振し変調周波数10Gbpsで動作可能である。静電気耐圧も従来の酸化狭窄層を用いた面発光レーザ素子に比べ、約2倍の静電気耐圧が得られた。
[実施形態3]
実施の形態3にかかる面発光レーザ素子について説明する。実施の形態3の面発光レーザ素子が実施形態1の面発光レーザ素子110と異なる点は、活性層に、1300nm帯のレーザ光を発振するInGaAsNの井戸層とGaNAsのバリア層からなる量子井戸活性層を用い、、超格子構造をAl0.36Ga0.64As(6nm)/GaAs(6nm)を交互に5周期積層した構造としたことである。本実施形態の面発光レーザ素子では、オプティカルアパーチャの面積は80μmとしてもシングルモードでレーザ光を発振し、85℃でのシングルモード出力は2mWと、従来の面発光レーザ素子に比較し大幅に向上した。
面発光レーザ素子の電流開口部面積と静電気耐圧の相関を示す図である。 本発明の実施形態1に係る面発光レーザ素子の断面図である。 本発明に係る面発光レーザ素子の光狭窄構造近傍での不純物の拡散の様子を示す図である。 本発明の実施形態1に係る面発光レーザ素子の製造方法を説明するための図である。 従来の酸化狭窄層を有する面発光レーザ素子の形態を示す断面図である。 従来の酸化狭窄層を有する面発光レーザ素子の上部多層膜反射鏡、活性層、下部多層膜反射鏡の形態を示す断面図である。
符号の説明
10 従来の面発光レーザ素子
12 p−GaAs基板
14 p−Al0.9Ga0.1As/p−GaAsの35.5ペアからなる下部反射鏡
16 Al酸化層
17 AlAs層
18 ノンドープGaAs下部クラッド層
20 従来例の活性層
22 ノンドープGaAs上部クラッド層
24 n−Al0.9Ga0.1As/n−GaAsの30ペアからなる上部反射鏡
26 n−GaAsキャップ層
28 円筒状溝
30 メサポスト構造
32 シリコン窒化膜
34 n側電極
36 n側電極の引き出し用電極
38 p側電極
46 p−GaAs膜
50 p−Al0.9Ga0.1As膜
54 n−Al0.9Ga0.1As膜
56 n−GaAs膜
110 実施形態1の面発光レーザ素子
112 n−GaAs基板
114 下部多層膜反射鏡
118 下部クラッド層
120 量子井戸活性層
122 上部クラッド層
124A、B 上部多層膜反射鏡
134 n側電極
138 p側電極
150 Cを高濃度にドープした層
160 超格子構造
170 無秩序化したAlGaAs半導体
180 SiOマスク



Claims (10)

  1. 基板上に半導体層を多層積層し、少なくとも下部半導体多層膜反射鏡と活性層と上部半導体多層膜反射鏡を構成する面発光レーザ素子において、
    該上部又は下部半導体多層膜反射鏡のうちのp型多層膜反射鏡は、p型不純物がドープされたp型半導体層からなる超格子構造を含んでおり、
    該超格子構造と同じ層であって、超格子構造を環状に囲む外周領域はn型不純物がドープされてなるn型半導体層で構成され、
    前記超格子構造と前記n型半導体層の上面および下面のそれぞれに隣接して形成され、前記超格子構造を構成するp型半導体層の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有するp型半導体層を含むことを特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 前記高い不純物濃度を有するp型半導体層は、前記超格子構造を構成するp型半導体層よりも前記n型不純物の拡散速度が小さい、前記n型不純物の拡散を抑制する拡散抑制層であることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子。
  3. 前記超格子構造を構成するp型半導体層のp型不純物量は1×1018〜1×1019cm−3であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1に記載の面発光レーザ素子。
  4. 前記高い不純物濃度を有するp型半導体層のp型不純物量は1×1019〜1×1020cm−3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の面発光レーザ素子。
  5. 前記高い不純物濃度を有するp型半導体層のp型不純物量は、前記超格子構造を構成するp型半導体層のp型不純物量の10倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の面発光レーザ素子。
  6. 前記超格子構造または/および前記高い不純物濃度を有するp型半導体層のp型不純物としてドープされる元素はC又はBeから選ばれる1種類を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の面発光レーザ素子。
  7. 前記n型半導体層のn型不純物はSi(シリコン)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の面発光レーザ素子。
  8. 前記n型半導体層はn型不純物とp型不純物がコドープされた半導体層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の面発光レーザ素子。
  9. 前記超格子構造と超格子構造を囲む領域は、AlGa1−xAs(0≦x≦1)からなる半導体材料で構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の面発光レーザ素子。
  10. 基板上に、n型半導体多層膜反射鏡を構成する半導体層と、活性層と、p型半導体多層膜反射鏡を構成する半導体層において、前記p型半導体多層膜反射鏡内に設けられたp型不純物がドープされたp型半導体層からなる超格子構造と、前記超格子構造と同じ層において前記超格子構造を環状に囲んで形成されn型不純物がドープされてなるn型半導体層の外周領域と、前記超格子構造と前記n型半導体層の上面および下面のそれぞれに隣接して形成され、前記超格子構造を構成するp型半導体層の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有するp型半導体層とを積層した積層構造を形成する積層工程と、
    熱処理を施し前記n型不純物が注入された前記外周領域を無秩序化する工程とを順次に有することを特徴とする面発光レーザ素子の製造方法。
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