JP4894231B2 - 金属被覆方法および発泡体 - Google Patents

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本発明は、金属被覆方法および気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体に関する。さらに詳しくは、本発明は、ケイ素含有重合体を利用して、連続気泡性成形物の表面および内部の連通気孔表面の所望部分に選択的に金属を被覆して気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体を得る方法に関する。
連通気孔をその内部に有する気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体は、通常の金属成形体よりも軽量で、かつ合成樹脂よりも機械的強度が高く、さらに、電気伝導性、熱伝導性、耐食性、耐熱性、防音性、防振性その他の諸特性に優れることから、多くの産業分野で応用研究がなされている。たとえば、飛行機、船舶、自動車などの輸送機器において不慮の衝突時などに衝撃を吸収する衝撃吸収材、触媒材料、フィルタ材、伝熱材、放熱材、燃料電池部品材料、医療分野における人工骨など、金属被覆された発泡体の応用分野は多岐にわたっている。
従来から、金属被覆された発泡体の製造方法の1つとして、合成樹脂、ガラス、セラミックス、紙、これらの2種以上を含む複合材料などからなる非導電性の連続気泡性成形物において、表面およびその内部に存在する連通気孔表面に金属層を形成する方法が知られている。
この方法においては、合成樹脂からなる連続気泡性成形物を用いるのが一般的である。連続気泡性成形物とは、その内部に連続気泡からなる連通気孔を有する発泡体である。そして、連続気泡性樹脂成形物内部の連通気孔表面に金属層を形成する場合は、めっき技術を利用するのが一般的である。たとえば、連続気泡性樹脂成形物の連通気孔表面に、グラファイト、カーボンブラックその他の導電性物質を含む導電層を化学めっきなどの無電解めっきにより形成した後、この連続気泡性樹脂成形物を電解めっき浴に浸漬し、電解めっきを行って金属層を形成する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
また、連続気泡性樹脂成形物の連通気孔表面に、特許文献1と同様にして導電層を形成し、次いで該連通気孔内に少なくとも表面が導電性を有する微小中空体または樹脂粒子を充填した後、この連続気泡性樹脂成形物を電解めっき浴に浸漬して電解めっきを行い、連通気孔表面および微小中空体または樹脂粒子の表面に金属層を形成し、さらに微小中空体または樹脂粒子を熱分解させることによって、連通気孔内に金属層を形成する方法が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
これらの方法では、連続気泡性樹脂成形体の表面および連通気孔表面の全面に金属層が形成されるので、連続気泡性樹脂成形物が本来有する柔軟性、絶縁性などの好ましい特性が損なわれるという欠点がある。その結果、これらの方法で製造される金属被覆された発泡体の適用範囲が限定される。表面および連通気孔表面の所望部分のみに選択的に金属層を形成するには、たとえば、金属層を形成しない部分にレジスト層を形成するという工程を付加する必要がある。また、これらの方法では、金属層の形成を電解めっきによって行うので、ほぼ一定の膜厚を有する金属層の形成が困難であり、得られる金属被覆された発泡体の特性が不均一になるという欠点がある。特に、連通気孔の表面は凹凸が入り混じった複雑な形状を呈することから、金属層の層厚を均一に制御するのは電解めっきでは非常に困難である。さらに、電解めっきは、通電条件、温度条件、めっき浴中の成分濃度管理などを厳格に行う必要があり、それ自体が煩雑な工程である。
上記のようなめっき技術を利用する方法以外にも、合成樹脂、ガラス、セラミックス、紙、これらの2種以上を含む複合材料などからなる非導電性成形物の表面に、金属層を形成する方法が多く知られている。
たとえば、ジュール効果を利用する方法、電子衝撃を利用する方法、陰極スパッター法などの加熱方法により、真空下で液体金属を蒸発させて非導電性基体または支持体表面に付着させる金属蒸着法が知られている。たとえば、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂からなるフィルム上にアルミニウム層を形成するには、この方法が汎用される。
また、プラズマを用いる気相成長法(以後「PCVD法」と称す)により金属層を形成することもできる。
しかしながら、金属蒸着法、PCVD法などによれば、電解めっきを行う場合と同様に非導電性基体の全面に金属層が形成されるので、金属層を形成しない部分へのレジスト層の形成および金属層形成後のレジスト層の除去といった余分な工程が必要になる。また、これらの方法は基体表面に金属層を形成するのには適するが、数十〜数百μm程度の口径を有する連通気孔表面に金属層を形成する場合には、連通気孔表面の凸部によって該凸部後方の凹所における金属層の形成が不充分になるなどの不都合を生じるおそれがある。
特開昭57−174484号公報 特公昭47−010524号公報
本発明の目的は、めっき、レジスト層形成といった煩雑な方法を用いることなく、連続気泡性成形物の表面およびその内部の連通気孔表面の所望部分に、膜厚がほぼ均一な金属層を選択的に形成できる金属被覆方法および該金属被覆方法によって得られる気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体を提供することである。
本発明者らは、ケイ素含有重合体に関する研究の過程で、遷移金属還元性を有しないと考えられていたケイ素含有重合体が、遷移金属塩のアニオンを選択することにより好適な遷移金属還元性を示し、その表面および/または内部に遷移金属微粒子を析出させることができ、さらに、紫外線を照射した後のケイ素含有重合体が、遷移金属塩のアニオンを選択しても遷移金属還元性を示さないという知見を得た。
本発明者らは、この知見を気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体の製造に応用することに着目し、鋭意研究を重ねた結果、ケイ素含有重合体と遷移金属塩とを用いることによって、めっき、レジスト層形成などの余分な工程を実施することなく、連続気泡性成形物の表面および連通気孔表面の所望の部分のみに選択的に金属層を形成できることを見出した。
本発明は、連続気泡性成形物の表面および内部の連通気孔表面に金属層を形成する金属被覆方法であって、
連続気泡性成形物の表面および内部の連通気孔表面にケイ素含有重合体層を形成し、金属層を形成しようとする部分を除くケイ素含有重合体層に紫外線を照射し、次いで遷移金属の酢酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物塩、アルコラート塩、シュウ酸塩およびカルボン酸塩から選ばれる1種または2種以上を含む溶液または懸濁液をケイ素含有重合体層に接触させて、ケイ素含有重合体層の紫外線が照射されない部分のみに選択的に遷移金属を還元析出させることを特徴とする金属被覆方法である。
また本発明は、前述のいずれか1つの金属被覆方法により得られる気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体である。
本発明によれば、めっき、レジスト層形成それに伴うレジスト層除去などの煩雑な工程を行うことなく、連続気泡性成形物の表面および内部の連通気孔表面の所望部分のみに金属層を選択的に形成できる金属被覆法が提供される。
該金属被覆法においては、ケイ素含有重合体層および金属層は液相中の反応で形成することが可能であるため、連通気孔表面の凹凸に関係なく、連通気孔表面のほぼ全面にほぼ均一な膜厚を有する金属層を形成できる。したがって、得られる気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体は、特性が部分的に変化することなく、気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体に要求される諸特性を高水準で満たし、たとえば、機械的強度、電気伝導性、熱伝導性などに優れた金属被覆された成形物になる。
本発明の金属被覆方法は、1)連続気泡性成形物の表面およびその内部に存在する連通気孔表面にケイ素含有重合体層を形成し、2)金属層を形成しようとする部分を除くケイ素含有重合体層に紫外線を照射し、3)遷移金属の酢酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物塩、アルコラート塩、シュウ酸塩およびカルボン酸塩から選ばれる1種または2種以上を含む溶液または懸濁液をケイ素含有重合体層に接触させて、ケイ素含有重合体層の紫外線を照射しない部分のみに選択的に遷移金属を還元析出させることを特徴とする。
連続気泡性成形物(連続気泡性発泡体)としては、内部に連通気孔を有する発泡性成形物であればその材質は特に制限されず、たとえば、合成樹脂、ガラス、セラミックス、紙、これらの2種以上を含む複合体などの連続気泡性成形物が挙げられる。これらの中でも、合成樹脂の連続気泡性成形物が好ましい。合成樹脂としては発泡可能なものであれば特に制限されず、たとえば、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂が挙げられ、得ようとする気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体の用途に応じて樹脂種を選択できる。また、該成形物の形状も特に制限されず、たとえば、直方体、立方体、板状物またはシート状物、球状物などの種々の形状を採ることができる。さらに、2またはそれ以上の任意形状の部品を組み合わせてなる組成品の形態を採ることもできる。
また本発明の金属被覆方法は、ケイ素含有重合体は公知のものを使用することができるが、ケイ素含有重合体がその分子中にSi−H結合および/またはSi−Si結合を少なくとも1個含有するケイ素含有重合体であることが好ましい。このようなケイ素含有重合体は溶媒に対する溶解度が比較的小さく、溶媒に少量溶解する溶解特性を有するので、標準的な形状および寸法を有する連続発泡性成形物の表面およびその内部の連通気孔表面にケイ素含有重合体の薄層を形成するのに有利であり、ケイ素含有重合体層の薄層を操作性良くかつ効率的に形成できる。この点ではSi−H結合および/またはSi−Si結合を有するポリシランおよびポリカルボシランがより好ましい。
これらの中でもポリシランが好ましく、その具体例としては、一般式
(RSi)n …(1)
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を示す。nは5〜100,000の整数を示す。)で表されるポリシラン(以後「ポリシラン(1)」と称す)が挙げられる。ポリシラン(1)においても、RおよびRのいずれかまたは両方が水素原子であるものが特に好ましい。このようなポリシランおよびポリカルボシランは、紫外線照射前後で遷移金属還元性が顕著に変化するので、連通気孔表面のみに選択的に遷移金属層を析出させる上では特に好ましい。
さらに本発明に用いるケイ素含有重合体の重量平均分子量は、該重合体が溶媒に可溶であって、基体である連続気泡性成形物の表面およびその内部の連通気孔表面に薄膜を形成できれば特に限定されないが、合成の容易さ、溶媒への溶解性、成膜性などを考慮すると、500〜6,000,000の範囲が好ましい。
上記一般式(1)において、ケイ素原子に結合するRおよびRで示されるアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素数1〜6程度の直鎖または分岐鎖状アルキル基が挙げられ、炭素数1〜4のものが好ましい。アルキル基の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルケニル基としては、たとえば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基などの炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖状アルケニル基が挙げられ、炭素数2〜4のものが好ましい。アルキニル基としては、たとえば、エチニル基、プロパルギル基、1−ペンチニル基などの炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖状アルキニル基が挙げられる。アリール基としては、たとえば、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。複素環基としては、たとえば、置換あるいは無置換のチエニル基、置換あるいは無置換のピロール基、キノリル基、フラニル基、ピラニル基などが挙げられる。
ポリシラン(1)のnで示される重合度は5〜10,000であり、好ましくは10〜5000である。ポリシラン(1)は、重合度が異なる2種以上のポリシラン(1)の混合物であってもよい。
ケイ素含有重合体は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ケイ素含有重合体は、ウルツ(Wurtz)法、メタロセン法などの既知の合成法で合成できるが、高純度の窒素雰囲気下で製造するのが望ましい。
ケイ素含有重合体の溶液または懸濁液を調製するための溶媒としては、ケイ素含有重合体を溶解または懸濁し得る溶媒であれば特に制限なく公知のものをいずれも使用できるが、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの置換あるいは無置換の芳香族溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。また、ケイ素含有重合体の溶液または懸濁液におけるケイ素含有量重合体の含有量も特に制限されず、ケイ素含有重合体の種類、溶媒の種類、連続気泡性成形物の材質、連通気孔の孔径、作業性など応じて適宜選択すればよいが、たとえば、溶液または懸濁液全量の0.1〜20重量%程度にすればよい。
本発明において、連続気泡性成形物の表面およびその内部の連通気孔表面にケイ素含有重合体層を形成する方法としては特に制限はないが、たとえば、ケイ素含有重合体の溶液または懸濁液中に連続気泡性成形物を浸漬し、連続気泡性成形物にケイ素含有重合体の溶液または懸濁液を付着させ、これを常圧または減圧下で、常温または加熱下に溶媒を揮散させ、ケイ素含有重合体層を形成する方法が挙げられる。ケイ素含有重合体層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05〜5μm程度にすればよい。
このようにして、連続気泡性成形物の表面およびその内部の連通気孔表面に、ケイ素含有重合体の薄層が形成される。
本発明の方法では、このケイ素含有重合体層が形成された連続気泡性成形物に、紫外線を照射する。紫外線の照射は、たとえば、任意のパターンが形成されたフォトマスクを用いて行われる。フォトマスクにより紫外線が照射されなかった部分(非照射部)では、ケイ素原子に遷移金属塩のカウンターアニオンが配位するので金属層が形成され、フォトマスクにより紫外線が遮られず、照射された部分(照射部)ではケイ素原子へのアニオンの配位が起こらないので金属層が形成されない。紫外線の光源としては常用のものをいずれも使用でき、たとえば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ハロゲンランプなどが挙げられる。紫外線の波長、紫外線の強度、照射時間などは、ケイ素含有重合体の種類、連続気泡性成形物の材質などに応じて適宜選択すればよい。
次に、ケイ素含有重合体層が形成され、さらに紫外線を照射した後の連続気泡性成形物に、遷移金属塩の溶液または懸濁液を接触させる。ここで使用する遷移金属は、遷移金属の酢酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物塩、アルコラート塩、シュウ酸塩およびカルボン酸塩から選ばれる1種または2種以上であり、ケイ素含有重合体のケイ素原子に配位し得るカウンターアニオンを有する遷移金属塩である。ケイ素原子に配位しうる遷移金属塩のカウンターアニオンは、アニオン中心の原子のポーリング(Pauling)電気陰性度が好ましくはBr(臭素)の値を超えるものである。このようなカウンターアニオンを含む遷移金属塩を用いることによって、金属層の形成、金属層の膜厚調整などが一層容易になる。遷移金属塩の中でも、酢酸塩などのカルボン酸塩、アルコラート塩、フッ化物塩などが好ましい。また遷移金属としては特に制限はないが、たとえば、銅、ニッケル、鉄、コバルト、チタン、クロムなどが挙げられ、入手容易性、価格などの点から、銅、ニッケル、コバルト、クロムなどが好ましい。遷移金属塩は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
遷移金属塩の溶液または懸濁液は、遷移金属塩を溶媒に溶解または懸濁させることにより調製できる。ここで使用される溶媒としては特に制限されないが、遷移金属塩を溶解しかつケイ素含有重合体をできるだけ溶解しない溶媒が好ましく、たとえば、アセトニトリルなどのニトリル類、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの低級アルコール類などが挙げられる。溶媒は必要に応じて2種以上を併用できる。遷移金属塩の溶液または懸濁液中の遷移金属塩含有量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは溶液または懸濁液全量の0.01〜10重量%である。
連続気泡性成形物と遷移金属塩の溶液または懸濁液との接触は、たとえば、遷移金属塩の溶液または懸濁液中に連続気泡性成形物を浸漬することにより行われ、非照射部には遷移金属層が形成される。金属層の膜厚は、たとえば、遷移金属塩の種類(特にカウンターアニオンの種類)、遷移金属塩含有量、浸漬時間などを適宜変更することによって調整できる。なお、この接触操作は、窒素ガス、アルゴンガスなどの非酸化性雰囲気中で行うのが好ましい。浸漬終了後、連続気泡性成形物を遷移金属塩の溶液または懸濁液中から取り出し、必要に応じて溶媒などで洗浄し、乾燥させることにより、気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体が得られる。ここで用いる溶媒は、遷移金属塩を溶解または懸濁させるのと同じ溶媒でも良い。
この気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体は、たとえば、内部の連通気孔表面の全面のみに選択的に金属層が形成されたものでもよく、表面の一部と連通気孔表面の全面に金属層が形成されたものでもよく、連通気孔表面の一部のみに金属層を形成したものでもよい。金属層を形成する部分は、得ようとする気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体の用途などに応じて適宜選択すればよい。
本発明の金属被覆方法により得られる気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体は、その内部の連通気孔表面の所望部分に、連通気孔表面の凹凸に関係なく、ほぼ均一な膜厚の金属層が形成されることから、特性のばらつきがほとんどなく、良好な機械的強度、熱伝導性、電気伝導性などを有し、軽量であり、広範な産業分野において種々の用途に適用し得る。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」は「重量部」を意味する。
(実施例1)
連通気孔を有する乾燥したポリウレタン発泡体シートを、ポリ(ヒドロフェニル)シラン(CSiH)m(式(1)においてR=C、R=H、m=30〜100すなわち重合度30〜100のポリ(ヒドロフェニル)シランの混合物)1部のトルエン(9部)溶液に浸漬した後、60℃で3時間減圧乾燥し、該ポリウレタン発泡体の表面および連通気孔表面にポリシラン層を形成した。
このポリシラン層形成ポリウレタン発泡体の表裏両表面の一部のみに、フォトマスクを用いて254nmの紫外線を1.2J照射した。紫外線照射後のポリウレタン発泡体を、窒素雰囲気下に、酢酸銅(I)0.3部をアセトニトリル99.7部に懸濁させた懸濁液に72時間浸漬し、懸濁液中から取り出してアセトニトリルで60秒間洗浄し、減圧下60℃で24時間乾燥して、表面の紫外線非照射部および非照射部の連通気孔表面と照射部表面から0.5mm以上の深部の連通気孔表面に厚さ約0.1μmの銅層が形成された気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体を得た。
本発明の金属被覆方法により得られる気孔表面に金属被覆された多孔質発泡体は、たとえば、飛行機、船舶、自動車などの輸送機器分野における衝撃吸収材、エンジン構成部品材料、電気・電子機器分野における触媒材料、電極材料、セパレータ材料などの電池関連材料、医療分野における人工骨材料などに使用でき、さらに分野を問わず、フィルタ材料、伝熱材料、放熱材料などとして使用できる。

Claims (2)

  1. 連続気泡性成形物の表面および内部の連通気孔表面に金属層を形成する金属被覆方法であって、
    連続気泡性成形物の表面および内部の連通気孔表面にケイ素含有重合体層を形成し、金属層を形成しようとする部分を除くケイ素含有重合体層に紫外線を照射し、次いで遷移金属の酢酸塩、フッ化物塩、塩化物塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物塩、アルコラート塩、シュウ酸塩およびカルボン酸塩から選ばれる1種または2種以上を含む溶液または懸濁液をケイ素含有重合体層に接触させて、ケイ素含有重合体層の紫外線が照射されない部分のみに選択的に遷移金属を還元析出させることを特徴とする金属被覆方法。
  2. 請求項1の金属被覆方法により得られる発泡体。
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