しかし、定電流制御時の放電灯電流が大きいために放電灯の電極が溶けるという問題が発生する可能性がある。その対策として、定電流制御時の放電灯電流を制限するという手段をとることも可能であるが、放電灯電流を制限し過ぎると放電灯が消灯するという問題があり、放電灯電流を大幅に低減することができない。
一方、放電灯の寿命を長期化するために、放電灯の両電極に均等に電流が流れるように交流電流により放電灯を駆動することが行われる。従来、図7(B)に示すように駆動周波数は常に一定の周波数になるように制御されていたが、放電灯電流の極性の切り替わり時に生じる大きな電流変化により放電灯の電極が損傷しやすいため、駆動周波数が必要以上に高ければ電極の劣化を早め、放電灯の寿命を短縮する原因となる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、起動時の定電流制御時における放電灯の電極溶けを防止し、放電灯の長寿命化を実現する放電灯点灯制御装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る放電灯点灯制御装置は、放電灯の点灯を制御する放電灯点灯制御装置であって、所与の駆動周波数を有する交流電流を出力して前記放電灯を駆動する放電灯駆動部と、前記放電灯が点灯を開始した後、前記放電灯の両電極間にかかる放電灯電圧が所定の第1の電圧値よりも低い場合は前記放電灯の両電極間に流れる放電灯電流が一定になるように定電流制御を行い、前記放電灯電圧が前記第1の電圧値以上の場合は前記放電灯に供給される電力が一定になるように定電力制御を行う放電灯駆動制御部とを含み、前記放電灯駆動制御部は、前記放電灯電圧が前記第1の電圧値以下の所定の第2の電圧値よりも低い場合の前記駆動周波数と、前記放電灯電圧が前記第2の電圧値よりも高い場合の前記駆動周波数が異なる周波数となるように制御する放電灯駆動周波数制御部を含むことを特徴とする。
放電灯は交流駆動の放電灯であればよい。例えば、プロジェクタの光源等に使用される高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等であってもよい。
所与の駆動周波数を有する交流電流は放電灯の両電極間に供給されて放電灯電流となる。所与の駆動周波数を有する交流電流は、例えば、正弦波であってもよいし矩形波であってもよい。交流電流が矩形波の場合等は基本波に加えて奇数次の高調波を含むが、この場合の駆動周波数は基本波の周波数である。駆動周波数は、例えば、数十Hzから数百Hz程度であってもよいし、さらに高い周波数であってもよい。
所定の第1の電圧値は、放電灯が点灯を開始した後、定電流制御から定電力制御に切り替える電圧値であり、例えば、定電力制御時の一定の電力値を定電流制御時の一定の電流値で割った電圧値であってもよい。放電灯の寿命を長くするためには、第1の電圧値は定格電圧付近の電圧値にすることが好ましい。
第1の電圧値以下の所定の第2の電圧値は、定電流制御が行われる範囲の放電灯電圧値であればよいが、第1の電圧値の近傍付近であることが好ましい。第2の電圧値は第1の電圧値と一致していてもよく、この場合、定電流制御時の駆動周波数と定電力制御時の駆動周波数は常に異なる周波数となる。
駆動周波数が異なる周波数となる場合としては、放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数が一定であり、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の駆動周波数も一定である場合に、両駆動周波数が異なる場合であってもよい。また、放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数は変化するが、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の一定の駆動周波数とは常に異なる周波数であるような場合であってもよい。
本発明に係る放電灯点灯制御装置は、例えば、前記放電灯電圧を検出する放電灯電圧検出部と、前記放電灯電流を検出する放電灯電流検出部とを含み、放電灯駆動制御部は、前記放電灯電圧検出部が検出する電圧値及び前記放電灯電流検出部が検出する電流値に基づいて前記放電灯駆動部を制御するようにしてもよい。この場合、放電灯電圧検出部は、放電灯電圧として、放電灯の両電極間にかかる電圧を直接的に検出してもよいし、間接的に検出してもよい。放電灯電流検出部は、放電灯電流として、放電灯の両電極間に流れる電流を直接的に検出してもよいし、間接的に検出してもよい。また、放電灯電流検出部は、放電灯電流として、例えば、放電灯電流が矩形波の場合は放電灯電流の振幅値を検出してもよいし、放電灯電流が正弦波の場合は放電灯電流の振幅値や実効値を検出してもよい。
本発明によれば、第2の電圧値が第1の電圧値の近傍にある場合は、定電流制御時の大部分の駆動周波数と定電力制御時の駆動周波数が異なる周波数となるように制御するので、目的に応じて種々の制御が可能になる。例えば、定電流制御時の駆動周波数をより高くすることにより、放電灯の起動時間を短縮することができる。また、定電流制御時の駆動周波数をより低くすることにより、放電灯電流の極性が変化する回数を低減することができるので、定電流制御時における放電灯電極の損傷を低減することができる。
(2)本発明に係る放電灯点灯制御装置は、前記放電灯駆動周波数制御部は、前記放電灯電圧が前記第2の電圧値よりも低い場合の前記駆動周波数が、前記放電灯電圧が前記第2の電圧値よりも高い場合の前記駆動周波数よりも低くなるように制御することを特徴とする。
放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数が、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の駆動周波数よりも低くなる場合としては、放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数が一定であり、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の駆動周波数も一定である場合に、前者の駆動周波数が低くなる場合であってもよい。また、放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数は変化するが、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の一定の駆動周波数よりも常に低い周波数であるような場合であってもよい。
放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数は、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の駆動周波数の少なくとも1/2程度まで低くしてもよい。例えば、放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数を100Hz〜150Hz程度とし、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の駆動周波数を200Hz〜300Hz程度にしてもよい。
本発明によれば、第2の電圧値が第1の電圧値の近傍にある場合は、定電流制御時の大部分の駆動周波数が定電力制御時の駆動周波数よりも低くなるように制御するので、定電流制御時において放電灯電流の極性が変化する回数を低減することができる。その結果、定電流制御時に放電灯の電極間に比較的大きな電流を流したとしても放電灯の電極溶けを防止することができる。従って、放電灯の長寿命化を実現することができる。
(3)本発明に係る放電灯点灯制御装置は、前記放電灯駆動周波数制御部は、前記放電灯電圧が前記第2の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値である場合は、前記放電灯電圧が前記第2の電圧値と一致する前後において前記駆動周波数が略連続的に変化するように前記放電灯電圧の上昇に応じて前記駆動周波数を上昇させるように制御することを特徴とする。
放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い所定の範囲とは、第2の電圧値よりも低い所定の電圧値以上第2の電圧値未満の範囲であってもよいし、当該範囲を含む複数の所定の範囲を含む場合であってもよい。
放電灯電圧が第2の電圧値と一致する前後において駆動周波数が略連続的に変化するとは、第2の電圧値の前後における駆動周波数の急激な変化により駆動周波数が不連続になる場合を除く意味であり、第2の電圧値の前後において駆動周波数が緩やかに連続的に変化するのが好ましい。
放電灯電圧の上昇に応じて駆動周波数を上昇させるとは、放電灯電圧が上昇すると駆動周波数も必ず上昇する関係にある場合であればよく、例えば、駆動周波数が放電灯電圧に対して線形に上昇する場合であってもよいし、非線形に上昇する場合であってもよい。
本発明によれば、第2の電圧値が第1の電圧値の近傍にある場合は、定電流制御から定電力制御に移行する瞬間に駆動周波数が急激に高くなることを防止することができる。その結果、放電灯の電極に加わる負荷を低減することができるので、放電灯の長寿命化を実現することができる。
(4)本発明に係る放電灯点灯制御装置は、前記第1の電圧値と前記第2の電圧値が一致することを特徴とする。
本発明によれば、定電流制御時の駆動周波数が定電力制御時の駆動周波数よりも低くなるように制御するので、定電流制御時において放電灯電流の極性が変化する回数を低減することができる。その結果、定電流制御時に放電灯の電極間に比較的大きな電流を流したとしても放電灯の電極溶けを防止することができる。従って、放電灯の長寿命化を実現することができる。
(5)本発明に係る放電灯点灯制御装置は、前記放電灯駆動制御部は、前記放電灯電圧が前記第1の電圧値以下の所定の第3の電圧値よりも低い場合の前記放電灯電流が、前記放電灯電圧が前記第1の電圧値と一致する場合の前記放電灯電流よりも小さくなるように補正する制御を行う定電流制御補正部を含むことを特徴とする。
第1の電圧値以下の所定の第3の電圧値は、定電流制御が行われる範囲の放電灯電圧値であればよいが、第1の電圧値の近傍付近であることが好ましい。第3の電圧値は第1の電圧値と一致していてもよい。
放電灯電圧が第1の電圧値と一致する場合の放電灯電流は、定電力制御時において放電灯に供給される一定の電力値を第1の電圧値で割ることにより算出される電流値である。
本発明によれば、第3の電圧値が第1の電圧値の近傍にある場合は、定電流制御時の大部分の放電灯電流が定電力制御に移行した直後の放電灯電流よりも小さくなるように制御するので、定電流制御時における放電灯電極に加わる負荷を低減することができる。その結果、放電灯の電極溶けを防止することができるので、放電灯の長寿命化を実現することができる。
(6)本発明に係る放電灯点灯制御装置は、前記定電流制御補正部は、前記放電灯電圧が前記第3の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値である場合は、前記放電灯電圧が前記第3の電圧値と一致する前後において前記放電灯電流が略連続的に変化するように前記放電灯電圧の上昇に応じて前記放電灯電流を増加させるように補正する制御を行うことを特徴とする。
放電灯電圧が第3の電圧値よりも低い所定の範囲とは、第3の電圧値よりも低い所定の電圧値以上第3の電圧値未満の範囲であってもよいし、当該範囲を含む複数の所定の範囲を含む場合であってもよい。
放電灯電圧が第3の電圧値と一致する前後において放電灯電流が略連続的に変化するとは、第3の電圧値の前後における放電灯電流の急激な変化により放電灯電流が不連続になる場合を除く意味であり、第3の電圧値の前後において放電灯電流が緩やかに連続的に変化するのが好ましい。
放電灯電圧の上昇に応じて放電灯電流を増加させるとは、放電灯電圧が上昇すると放電灯電流も必ず増加する関係にある場合であればよく、例えば、放電灯電流が放電灯電圧に対して線形に増加する場合であってもよいし、非線形に増加する場合であってもよい。
本発明によれば、第3の電圧値が第1の電圧値の近傍にある場合は、定電流制御から定電力制御に移行する瞬間に放電灯電流が急激に増加することを防止することができる。その結果、放電灯の電極に加わる負荷を低減することができるので、放電灯の長寿命化を実現することができる。
(7)本発明に係る放電灯点灯制御装置は、前記第1の電圧値と前記第3の電圧値が一致することを特徴とする。
本発明によれば、定電流制御時の放電灯電流が定電力制御に移行した直後の放電灯電流よりも小さくなるように制御するので、定電流制御時における放電灯電極に加わる負荷を低減することができる。その結果、放電灯の電極溶けを防止することができるので、放電灯の長寿命化を実現することができる。
(8)本発明に係る放電灯点灯制御装置は、プロジェクタの光源となる放電灯の点灯を制御することを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタ用の放電灯を長寿命化する放電灯点灯制御装置を提供することができる。
(9)本発明は、上記のいずれかに記載された放電灯点灯制御装置と、放電灯と、画像信号を入力する手段と、画像信号を出力する手段とを含むプロジェクタである。
本発明によれば、放電灯を長期間交換する必要のないプロジェクタを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.放電灯点灯制御装置
図1は、本実施の形態の放電灯点灯制御装置の機能ブロック図である。放電灯点灯制御装置10は、ランプ20(放電灯)の点灯を制御する。放電灯点灯制御装置10は、放電灯駆動部100を含む。放電灯駆動部100は、所与の駆動周波数を有する交流電流(放電灯電流)142を出力してランプ20(放電灯)を駆動する。放電灯駆動部100は、入力フィルター110、ダウンコンバータ(DC/DC変換回路)120、インバータ(DC/AC変換回路)130及び高圧発生回路(イグナイタ)140を含んで構成される。入力フィルター110は、直流入力信号12に含まれる高周波のノイズ成分を除去する。ダウンコンバータ120は、入力フィルター110が出力する直流信号112(例えば、380Vの直流信号)の電圧を降圧して直流信号122(例えば、50V〜130Vの直流信号)に変換する。インバータ130は、ダウンコンバータ120が出力する直流信号122を交流信号132(例えば、数十Hz〜数百Hzの交流矩形波)に変換する。高圧発生回路140は、ランプ20の点灯始動時にランプ20の電極間を絶縁破壊して放電路を形成するためにランプ20の電極間に数十kVの高電圧を発生させる。ランプ20が点灯を開始した後は、高圧発生回路140は動作を停止し、交流信号132が放電灯電流142としてランプ20の電極間に供給される。なお、入力フィルター110、ダウンコンバータ120、インバータ130及び高圧発生回路140は、放電灯駆動部100の必須の構成要素ではなく、放電灯駆動部100は他の構成としてもよい。
放電灯点灯制御装置10は、電流検出回路200を含むようにしてもよい。電流検出回路200は、ランプ20(放電灯)の両電極間に流れる放電灯電流を検出する放電灯電流検出部として機能する。電流検出回路200は、例えば、ダウンコンバータ120が出力する直流電流122を検出し、検出した電流値202をシステムコントローラ410に供給する。電流検出回路200は、ランプ20の両電極間に流れる放電灯電流を直接検出してもよいし、間接的に検出してもよい。
放電灯点灯制御装置10は、電圧検出回路300を含むようにしてもよい。電圧検出回路300は、ランプ20(放電灯)の両電極間にかかる放電灯電圧を検出する放電灯電圧検出部として機能する。電圧検出回路300は、例えば、インバータ130が出力する交流電圧132を検出し、検出した電圧値302をシステムコントローラ410に供給する。電圧検出回路300は、ランプ20の両電極間にかかる放電灯電圧を直接検出してもよいし、間接的に検出してもよい。
放電灯点灯制御装置10は、放電灯駆動制御部400を含む。放電灯駆動制御部400は、ランプ20(放電灯)が点灯を開始した後、放電灯電圧が第1の電圧値よりも低い場合は放電灯電流142が一定になるように定電流制御を行い、放電灯電圧が第1の電圧値以上の場合はランプ20(放電灯)に供給される電力が一定になるように定電力制御を行う。放電灯駆動制御部400は、システムコントローラ410、電力制御回路420、コントローラ430、周波数設定回路440を含んで構成される。
システムコントローラ410は、制御信号30に従い、電力制御回路420、コントローラ430、周波数設定回路440に指示を行い、放電灯駆動部100が出力する放電灯電流142を制御する。例えば、制御信号30に従い、電源投入直後の起動時にはランプ20の電極間を絶縁破壊させて放電路を形成するために、ランプ20の電極間に高電圧を発生させるように高圧発生回路140に対して指示する。
また、システムコントローラ410は、ランプ20の点灯開始後は、電圧検出回路300が検出する電圧値302から現在の放電灯電圧を計算し、放電灯電圧が第1の電圧値よりも低いと判断した場合は定電流制御を行い、放電灯電圧が第1の電圧値以上であると判断した場合は定電力制御を行う。定電流制御を行う場合、システムコントローラ410は、電流検出回路200が検出する電流値202から現在の放電灯電流を計算し、コントローラ430に対して放電灯電流を一定に保つための制御信号432を生成するように指示し、ダウンコンバータ120が出力する直流信号122の電圧(又は電流)を制御する。すなわち、現在の放電灯電流が一定の電流値よりも小さい場合は直流信号122の電圧(又は電流)を上昇させる方向に制御し、現在の放電灯電流が一定の電流値よりも大きい場合は直流信号122の電圧(又は電流)を低下させる方向に制御する。一方、定電力制御を行う場合、システムコントローラ410はランプ20に供給される現在の電力(すなわち、放電灯電流と放電灯電圧の積)を計算し、電力制御回路420に現在の電力値の情報を供給する。電力制御回路420は、コントローラ430に対して、ランプ20に供給される電力を一定に保つための制御信号432を生成するように指示し、ダウンコンバータ120が出力する直流信号122の電圧(又は電流)を制御する。すなわち、ランプ20に供給される現在の電力が一定の電力値よりも小さい場合は直流信号122の電圧(又は電流)を増加させる方向に制御し、ランプ20に供給される現在の電力が一定の電力値よりも大きい場合は直流信号122の電圧(又は電流)を減少させる方向に制御する。
システムコントローラ410及び周波数設定回路440は、放電灯電圧が第1の電圧値以下の所定の第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数と、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の駆動周波数が異なる周波数となるように制御する放電灯駆動周波数制御部としても機能する。また、システムコントローラ410及び周波数設定回路440は、放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い場合の駆動周波数が、放電灯電圧が第2の電圧値よりも高い場合の駆動周波数よりも低くなるように制御する放電灯駆動周波数制御部として機能してもよい。システムコントローラ410は、例えば、第1の電圧値と第2の電圧値が一致する場合には、定電流制御時においてインバータ130が出力する交流信号132の周波数(放電灯電流142の駆動周波数)が定電力制御時における周波数よりも低くなるように周波数設定回路440に所定の設定値を供給し、周波数設定回路440は設定値に従い制御信号442を生成してインバータ130を制御するようにしてもよい。また、システムコントローラ410及び周波数設定回路440は、放電灯電圧が第2の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値である場合は、放電灯電圧が第2の電圧値と一致する前後において駆動周波数が略連続的に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて駆動周波数を上昇させるように制御する放電灯駆動周波数制御部として機能してもよい。
さらに、システムコントローラ410及びコントローラ430は、放電灯電圧が第1の電圧値以下の所定の第3の電圧値よりも低い場合の放電灯電流が、放電灯電圧が第1の電圧値と一致する場合の放電灯電流よりも小さくなるように補正する制御を行う定電流制御補正部としても機能するようにしてもよい。システムコントローラ410は、例えば、コントローラ430に対して、第1の電圧値と第3の電圧値が一致する場合には、定電流制御時の放電灯電流が、放電灯電圧が第1の電圧値と一致する場合の放電灯電流よりも小さくなるような制御信号432を生成するように指示し、ダウンコンバータ120が出力する直流信号122の電圧(又は電流)を補正するように制御してもよい。また、システムコントローラ410及びコントローラ430は、放電灯電圧が第3の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値である場合は、放電灯電圧が第3の電圧値と一致する前後において放電灯電流が略連続的に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて放電灯電流を増加させるように補正する制御を行う定電流制御補正部として機能してもよい。
なお、システムコントローラ410、電力制御回路420、コントローラ430及び周波数設定回路440は、放電灯駆動制御部400の必須の構成要素ではなく、放電灯駆動制御部400は他の構成としてもよい。また、放電灯駆動制御部400は、専用回路によるハードウェアとして実現してもよいし、汎用CPUが実行可能な制御プログラムによるソフトウェアとして実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて実現してもよい。
図2は、ダウンコンバータ(DC/DC変換回路)の構成例を説明するための図である。ダウンコンバータ(DC/DC変換回路)120は、NPN形トランジスタT1、ダイオードD1、コイルL1、コンデンサC1を含む降圧チョッパ回路として構成される。トランジスタT1のコレクタ端子は入力端子I1に接続されており、エミッタ端子はダイオードD1のカソード端子及びコイルL1の一端に接続されており、ベース端子は入力端子I3に接続されている。コンデンサC1の一端はコイルL1の他端及び出力端子O1に接続されており、他端はダイオードD1のアノード端子、入力端子I2及び出力端子O2に接続されている。出力端子O1、O2はインバータ130(図1参照)に接続され、出力端子O1から直流信号122(図1参照)が出力される。入力端子I1には入力フィルター110(図1参照)が出力する直流信号112(図1参照)が供給され、入力端子I2には一定の電位(例えば、グランド電位)が供給され、入力端子I1とI2の間には一定の直流電圧(例えば、380V)が印加される。入力端子I3には、トランジスタT1のオン/オフを制御する制御信号432(図1参照)が供給される。
トランジスタT1がオンすると、コイルL1に電流が流れ、コイルL1にエネルギーが蓄えられる。トランジスタT1がオフになると、コイルL1に蓄えられたエネルギーがコンデンサC1とダイオードD1とを通る経路で放出される。その結果、入力端子I1とI2の間に印加される電圧が降圧され、出力端子O1とO2の間にはトランジスタT1がオンしている時間の割合に比例する直流電圧(例えば、50V〜130V)が発生する。
従って、例えば、図1におけるシステムコントローラ410は、コントローラ430が生成する制御信号432のデューティを調整してトランジスタT1のオン/オフを制御することにより、出力端子O1とO2の間に所定の直流電圧が発生するように制御する。すなわち、システムコントローラ410は、定電流制御時には放電灯電流が一定の所望の電流値となるように出力端子O1とO2の間に所定の直流電圧を発生させるように制御し、定電力制御時には放電灯電流に供給される電力(すなわち、放電灯電流と放電灯電圧の積)が一定の所望の電力値となるように出力端子O1とO2の間に所定の直流電圧を発生させるように制御信号432のデューティを調整する。
なお、ダイオードD1のアノード端子と入力端子I2の間に抵抗を挿入し、電流検出回路200(図1参照)は、この抵抗に流れる電流を検出するようにしてもよい。また、出力端子O1とグランドの間に2つの抵抗を直列に接続し、電圧検出回路300(図1参照)は、この両抵抗の抵抗比により分圧される電圧を検出するようにしてもよい。
図3は、インバータ(DC/AC変換回路)の構成例を説明するための図である。インバータ(DC/AC変換回路)130は、4つのNPN形トランジスタT2〜T5、コイルL2、コンデンサC2を含むフルブリッジ形のインバータ回路として構成される。トランジスタT2のコレクタ端子は入力端子I4及びトランジスタT4のコレクタ端子に接続されており、エミッタ端子はトランジスタT3のコレクタ端子及びコイルL2の一端に接続されており、ベース端子は入力端子I6に接続されている。トランジスタT5のエミッタ端子は入力端子I5及びトランジスタT3のエミッタ端子に接続されており、コレクタ端子はトランジスタT4のエミッタ端子、コンデンサC2の一端及び出力端子O4に接続されており、ベース端子は入力端子I9に接続されている。トランジスタT3のベース端子は入力端子I7に接続されており、トランジスタT4のベース端子は入力端子I8に接続されている。コンデンサC2の他端は、コイルL2の他端及び出力端子O3に接続されている。出力端子O3とO4はランプ20(図1参照)の各電極にそれぞれ接続され、出力端子O3、O4から交流信号132(図1参照)が出力される。さらに、出力端子O3とO4の間には高圧発生回路140(図1参照)が接続される。入力端子I4、I5にはそれぞれダウンコンバータ120の出力端子O1、O2(図2参照)が接続される。入力端子I4にはダウンコンバータ120が出力する直流信号122(図1、図2参照)が供給され、入力端子I5には一定の電位(例えば、グランド電位)が供給され、入力端子I4とI5の間には一定の直流電圧(例えば、50V〜130V)が印加される。入力端子I6、I9にはそれぞれトランジスタT2、T5のオン/オフを制御する制御信号442(図1参照)が供給され、入力端子I7、I8にはそれぞれトランジスタT3、T4のオン/オフを制御する制御信号442’(制御信号442の反転信号)が供給される。すなわち、トランジスタT2とT5がオンする時はトランジスタT3とT4はオフし、トランジスタT2とT5がオフする時はトランジスタT3とT4がオンするように制御される。従って、所定の周期でT2及びT5のオン/オフとT3及びT4のオン/オフを排他的に繰り返すことにより、出力端子O3及びO4に接続されるランプ20(図1参照)の電極間には周期的に極性が変わる交流の放電灯電流142(図1参照)が供給される。トランジスタT2〜T5のオン/オフの周波数が駆動周波数になるので、図1におけるシステムコントローラ410は、周波数設定回路440が生成する制御信号442(例えば、矩形波信号)の周波数を調整することにより、出力端子O3とO4を介してランプ20の電極間に所定の駆動周波数を有する放電灯電流142が供給されるように制御する。
図4(A)〜(F)は、放電灯電圧に対する駆動周波数の制御関係を説明するための図である。図4(A)〜(F)において、横軸は放電灯電圧を表し、縦軸は駆動周波数を表す。また、放電灯電圧が電圧値V1(第1の電圧値)よりも低い場合は定電流制御が行われ、放電灯電圧が電圧値V1以上の場合は定電力制御が行われる。図4(A)〜(F)のいずれの場合も、放電灯電圧が電圧値V1以下のV2(第2の電圧値)よりも低い場合の駆動周波数が、放電灯電圧が電圧値V2よりも高い場合の駆動周波数よりも低くなるように制御する。
図4(A)は、放電灯電圧に対する駆動周波数の制御関係の第1の例を説明するための図である。図4(A)では、放電灯電圧が電圧値V2よりも低い場合の駆動周波数は一定値F2になるように制御する。放電灯電圧が電圧値V2よりも高い場合の駆動周波数は一定値F1になるように制御する。
図4(B)は、放電灯電圧に対する駆動周波数の制御関係の第2の例を説明するための図である。図4(B)では、放電灯電圧が電圧値V3よりも低い場合の駆動周波数は一定値F2になるように制御する。放電灯電圧がV3〜V2の範囲の電圧値(第2の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値)である場合は、放電灯電圧がV2(第2の電圧値)と一致する前後において駆動周波数が連続的にF1に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて駆動周波数をF2からF1まで上昇させるように制御する。放電灯電圧が電圧値V2よりも高い場合の駆動周波数は一定値F1になるように制御する。
図4(C)は、放電灯電圧に対する駆動周波数の制御関係の第3の例を説明するための図である。図4(C)では、放電灯電圧がV2よりも低い電圧値(第2の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値)である場合は、放電灯電圧がV2(第2の電圧値)と一致する前後において駆動周波数が連続的にF1に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて駆動周波数をF2からF1まで上昇させるように制御する。放電灯電圧が電圧値V2よりも高い場合の駆動周波数は一定値F1になるように制御する。
図4(A)〜(C)のいずれの制御関係においても、電圧値V1とV2が比較的近い電圧値の場合には、定電流制御時において放電灯電流の極性が切り替わる回数を低減することができる。その結果、定電流制御時に放電灯の電極間に比較的大きな電流を流したとしても放電灯の電極溶けを防止し、放電灯の長寿命化を実現することができる。また、図4(B)又は(C)の制御関係では、定電流制御から定電力制御に移行する前に放電灯電流の周波数が急激に増加することを防止し、放電灯の電極に加わる負荷を低減することができる。
図4(D)は、放電灯電圧に対する駆動周波数の制御関係の第4の例を説明するための図である。図4(D)は、図4(A)の制御関係において、電圧値V1(第1の電圧値)と電圧値V2(第2の電圧値)が一致する場合に対応する。すなわち、放電灯電圧が電圧値V1(=V2)よりも低い場合(定電流制御時)の駆動周波数は一定値F2になるように制御する。放電灯電圧が電圧値V1よりも高い場合(定電力制御時)の駆動周波数は一定値F1になるように制御する。
図4(E)は、放電灯電圧に対する駆動周波数の制御関係の第5の例を説明するための図である。図4(E)は、図4(B)の制御関係において、電圧値V1(第1の電圧値)と電圧値V2(第2の電圧値)が一致する場合に対応する。すなわち、放電灯電圧が電圧値V3よりも低い場合の駆動周波数は一定値F2になるように制御する。放電灯電圧がV3〜V1(=V2)の範囲の電圧値(第2の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値)である場合は、放電灯電圧がV1(=V2(第2の電圧値))と一致する前後において駆動周波数が連続的にF1に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて駆動周波数をF2からF1まで上昇させるように制御する。放電灯電圧が電圧値V1よりも高い場合(定電力制御時)の駆動周波数は一定値F1になるように制御する。
図4(F)は、放電灯電圧に対する駆動周波数の制御関係の第6の例を説明するための図である。図4(F)は、図4(C)の制御関係において、電圧値V1(第1の電圧値)と電圧値V2(第2の電圧値)が一致する場合に対応する。すなわち、放電灯電圧がV1(=V2)よりも低い電圧値(第2の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値)である場合は、放電灯電圧がV1(=V2(第2の電圧値))と一致する前後において駆動周波数が連続的にF1に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて駆動周波数をF2からF1まで上昇させるように制御する。放電灯電圧が電圧値V1よりも高い場合(定電力制御時)の駆動周波数は一定値F1になるように制御する。
図4(D)〜(F)のいずれの制御関係においても、定電流制御時において放電灯電流の極性が切り替わる回数を低減することができる。その結果、定電流制御時に放電灯の電極間に比較的大きな電流を流したとしても放電灯の電極溶けを防止し、放電灯の長寿命化を実現することができる。また、図4(E)又は(F)の制御関係では、定電流制御から定電力制御に移行する瞬間に放電灯電流の周波数が急激に増加することを防止し、放電灯の電極に加わる負荷を低減することができる。
なお、図4(B)及び(E)の制御関係では、駆動周波数をF2からF1まで非線形に上昇させているが、線形に上昇させてもよい。また、図4(C)及び(F)の制御関係では、駆動周波数をF2からF1まで線形に上昇させているが、非線形に上昇させてもよい。
図5(A)〜(F)は、放電灯電圧に対する放電灯電流の制御関係を説明するための図である。図5(A)〜(F)において、横軸は放電灯電圧を表し、縦軸は放電灯電流を表す。また、放電灯電圧が電圧値V1(第1の電圧値)よりも低い場合は定電流制御が行われ、放電灯電圧が電圧値V1以上の場合は定電力制御が行われる。図5(A)〜(F)のいずれの場合も、放電灯電圧が電圧値V1以下のV2(第3の電圧値)よりも低い場合の放電灯電流が、放電灯電圧が電圧値V1(第1の電圧値)と一致する場合の放電灯電流I1よりも小さくなるように補正する制御を行う。また、図5(A)〜(F)のいずれの場合も、放電灯電圧が電圧値V1よりも高い場合(定電力制御時)は、放電灯に供給される電力が一定になるように、放電灯電圧に対して放電灯電流を反比例させるように制御する。
図5(A)は、放電灯電圧に対する放電灯電流の制御関係の第1の例を説明するための図である。図5(A)では、放電灯電圧が電圧値V2よりも低い場合の放電灯電流は一定値I2になるように制御する。放電灯電圧がV2〜V1の電圧値の場合の放電灯電流は一定値I1になるように補正する制御を行う。
図5(B)は、放電灯電圧に対する放電灯電流の制御関係の第2の例を説明するための図である。図5(B)では、放電灯電圧が電圧値V3よりも低い場合の放電灯電流は一定値I2になるように制御する。放電灯電圧がV3〜V2の範囲の電圧値(第3の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値)である場合は、放電灯電圧がV2(第3の電圧値)と一致する前後において放電灯電流が連続的にI1に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて放電灯電流をI2からI1まで増加させるように補正する制御を行う。放電灯電圧がV2〜V1の電圧値の場合の放電灯電流は一定値I1になるように補正する制御を行う。
図5(C)は、放電灯電圧に対する放電灯電流の制御関係の第3の例を説明するための図である。図5(C)では、放電灯電圧がV2よりも低い電圧値(第3の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値)である場合は、放電灯電圧がV2(第3の電圧値)と一致する前後において放電灯電流が連続的にI1に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて放電灯電流をI2からI1まで増加させるように補正する制御を行う。放電灯電圧がV2〜V1の電圧値の場合の放電灯電流は一定値I1になるように補正する制御を行う。
図5(A)〜(C)のいずれの制御関係においても、電圧値V1とV2が比較的近い電圧値の場合には、定電流制御時における放電灯電流を低減することができる。その結果、定電流制御時における放電灯の電極溶けを防止し、放電灯の長寿命化を実現することができる。また、図5(B)又は(C)の制御関係では、定電流制御から定電力制御に移行する前に放電灯電流が急激に増加することを防止し、放電灯の電極に加わる負荷を低減することができる。
図5(D)は、放電灯電圧に対する放電灯電流の制御関係の第4の例を説明するための図である。図5(D)は、図5(A)の制御関係において、電圧値V1(第1の電圧値)と電圧値V2(第3の電圧値)が一致する場合に対応する。すなわち、放電灯電圧が電圧値V1(=V2)よりも低い場合(定電流制御時)の放電灯電流は一定値I2になるように制御する。
図5(E)は、放電灯電圧に対する放電灯電流の制御関係の第5の例を説明するための図である。図5(E)は、図5(B)の制御関係において、電圧値V1(第1の電圧値)と電圧値V2(第3の電圧値)が一致する場合に対応する。すなわち、放電灯電圧が電圧値V3よりも低い場合の放電灯電流は一定値I2になるように制御する。放電灯電圧がV3〜V1(=V2)の範囲の電圧値(第3の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値)である場合は、放電灯電圧がV1(=V2(第3の電圧値))と一致する前後において放電灯電流が連続的にI1に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて放電灯電流をI2からI1まで増加させるように補正する制御を行う。
図5(F)は、放電灯電圧に対する放電灯電流の制御関係の第6の例を説明するための図である。図5(F)は、図5(C)の制御関係において、電圧値V1(第1の電圧値)と電圧値V2(第3の電圧値)が一致する場合に対応する。すなわち、放電灯電圧がV1(=V2)よりも低い電圧値(第3の電圧値よりも低い所定の範囲の電圧値)である場合は、放電灯電圧がV1(=V2(第3の電圧値))と一致する前後において放電灯電流が連続的にI1に変化するように放電灯電圧の上昇に応じて電灯電流をI2からI1まで増加させるように補正する制御を行う。
図5(D)〜(F)のいずれの制御関係においても、定電流制御時において放電灯電流を低減することができる。その結果、定電流制御時における放電灯の電極溶けを防止し、放電灯の長寿命化を実現することができる。また、図5(E)又は(F)の制御関係では、定電流制御から定電力制御に移行する瞬間に放電灯電流が急激に増加することを防止し、放電灯の電極に加わる負荷を低減することができる。
なお、図5(B)及び(E)の制御関係では、放電灯電流をI2からI1まで非線形に増加させているが、線形に増加させてもよい。また、図5(C)及び(F)の制御関係では、放電灯電流をI2からI1まで線形に増加させているが、非線形に増加させてもよい。
なお、図4(A)〜(F)で説明した放電灯電圧に対する駆動周波数の制御関係と、図5(A)〜(F)で説明した放電灯電圧に対する放電灯電流の制御関係を組み合わせることにより、より高い効果を得ることができる。例えば、図4(E)と図5(E)の制御関係を組み合わせて、定電流制御時において、放電灯が不点灯にならない範囲で放電灯電流を低減し、かつ、駆動周波数も低減するように制御することにより、駆動周波数又は放電灯電流のいずれか一方のみを低減する場合と比較して、放電灯の電極溶けの防止及び放電灯の長寿命化の効果を向上することができる。
2.プロジェクタ
図6に、本実施の形態のプロジェクタの構成例を示す。プロジェクタ500は、画像信号変換部510、電源供給装置520、放電灯点灯制御装置530、ランプ540、ミラー群550、液晶パネル560R、560G、560B、画像処理装置570含む。画像信号変換部510は、外部から入力された画像信号502(輝度-色差信号やデジタルRGB信号など)をアナログのRGB信号に変換して画像信号512R、512G、512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。画像処理装置570は、3つの画像信号512R、512G、512Bに対してそれぞれ画像処理を行い、液晶パネル560R、560G、560Bをそれぞれ駆動するための駆動信号572R、572G、572Bを出力する。
電源供給装置520は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧に変換し、トランス(図示しないが、電源供給装置520に含まれる)の2次側にある画像信号変換部510、画像処理装置570及びトランスの1次側にある放電灯点灯制御装置530に直流電圧を供給する。放電灯点灯制御装置530は、起動時にランプ540の電極間に高電圧を発生して絶縁破壊させて放電路を形成し、以後ランプ540が放電を維持するためのランプ電流(放電灯電流)を供給する。ランプ540が発する光線は、ミラー群550に含まれる2つのダイクロイックミラーを通してそれぞれR、G、Bのみの3つの光線に分離され、その他のミラーで反射されて、それぞれ液晶パネル560R、560G、560Bに透過される。液晶パネル560R、560G、560Bには、それぞれ駆動信号572R、572G、572Bによる画像が表示されており、それぞれR、G、Bのみの3つの光線が透過された後プリズムで合成された画像がスクリーン700に表示される。
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。