JP4893699B2 - 耐摩環付きピストンおよびその製造方法 - Google Patents

耐摩環付きピストンおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車用エンジンなどの内燃機関に適用され、耐摩環が一体的に鋳込まれた耐摩環付きピストンおよびその製造方法に係る。特に、本発明は、冷却媒体(例えばオイル)の流通路を形成するための部材が一体化されて成る耐摩環が鋳込まれたピストンに対し、その冷却性能の改善を図るための対策に関する。
近年のエンジン(例えば自動車用エンジン)は、軽量化を図り且つ放熱性を高める目的から、アルミニウム合金製の部品が多く用いられており、ピストンもアルミニウム合金製となっている。一方、近年、エンジンは低燃費化および高出力化の傾向にあり、燃焼室内の温度環境は非常に高温になってきている。また、燃焼圧力も高圧になってきている。このため、ピストンに装着されるピストンリングには高い耐摩耗性が要求されており、高硬度のピストンリングが使用される。この場合、上記アルミニウム合金製のピストンに形成されているピストンリング溝の内壁には、高硬度のピストンリングが衝突する状況となるため、ピストンリング溝の内壁の摩耗や変形が懸念される。特に、燃焼温度の高いディーゼルエンジンに適用されるトップリングにあっては、高い燃焼圧が直接作用するので、トップリング溝の内壁にはトップリングからの衝撃が繰り返し作用し、摩耗や変形が発生する可能性がある。このようにトップリング溝に摩耗や変形が発生してしまうと、ガス漏れやオイル漏れが生じ、エンジンの出力低下などを招いてしまい好ましくない。
これを改善するため、アルミニウム合金製のピストンのトップリング装着部分に、アルミニウム合金よりも高硬度の材料であって高温時においても高い耐摩耗性を有するニレジスト材からなる耐摩環を鋳込んでおくことが提案されている。つまり、ピストンに鋳込まれた高硬度の耐摩環の外周面にトップリング溝を形成しておき、このトップリング溝にトップリングを装着することで、ピストン本体(アルミニウム合金の部分)とトップリングとの直接接触を回避する構成である。
一方、上記トップリング装着部分の周辺は、燃料の圧縮、爆発による熱エネルギにより高温に曝されるため、冷却を必要とする。そのため、従来から、ピストンの上部肉厚部におけるトップリング装着部分近傍には環状(ドーナツ状)の冷却用空洞(以下、冷却媒体流通路と呼ぶ場合もある)が設けられ、潤滑油などの冷却媒体を循環させて冷却する構成が採用されている。
そして、上述したような耐摩環が鋳込まれているピストンにあっては、この耐摩環の内周側に環状の冷却媒体流通路を配置しておくことで、耐摩環を直接冷却すると共にピストン上部を冷却する構造が検討されている。
例えば、下記の特許文献1および特許文献2には、リング溝を有する耐摩環本体の内周面に断面が略コ字状に形成された流通路形成体(この特許文献では中空金属環と称している)を溶接により一体的に接合し、これら耐摩環本体と流通路形成体との間で冷却媒体流通路を形成した構成が開示されている。具体的には、板金の折り曲げ成形によって外周側に開放する断面略コ字状に形成された流通路形成体の各開放側先端部を耐摩環本体の内周面に溶接することで、これらを一体化させた構成となっている。つまり、耐摩環本体の内周面と流通路形成体の外周縁とを互いに当接させた状態で、周方向に亘ってその全周囲を連続して溶接した構成となっている。
特開平11−82738号公報 特開平5−231539号公報
ところで、上述したような耐摩環本体と流通路形成体とが一体的に溶接されて成る耐摩環を鋳込んでピストンを成形した場合、上記冷却媒体流通路(円環状の冷却媒体流通路)に均一に冷却媒体を流したとしても、その周方向の一部の領域にあっては、冷却媒体によるピストンからの熱回収量が極端に少なくなっていることを本発明の発明者は見出し、その理由について検討した。そして、以下の結論に至った。
上述した如く、耐摩環本体と流通路形成体とを溶接して耐摩環を作製した場合、溶接されている全周囲のうち、溶接開始箇所や溶接終了箇所にあっては、その他の箇所に比べて溶接欠陥としてのブローホールが存在している可能性が高い。
また、一般に、上記ピストンの鋳造加工にあっては、その前処理としてアルフィン処理が行われることが多い。このアルフィン処理とは、鋳込み性改善のために、ピストンの鋳造加工前に耐摩環をアルミニウムの溶湯内に浸漬させておくことで、アルミニウムとの間のぬれ性を改善する処理である。
そして、上述した如くブローホールが存在している場合に上記アルフィン処理を行うと、このブローホール内に存在している空気が耐摩環本体と流通路形成体との当接部周辺に噴き出されることになり、この空気の層が、耐摩環本体と流通路形成体との当接部分を覆ってしまって、この部分に対して十分なアルフィン処理が行えなくなることを本発明の発明者は見出した。
このようにしてアルフィン処理が十分に行えない箇所が存在すると、ピストンの鋳造加工時に、この領域にピストンの成形材料であるアルミニウムと耐摩環との密着性が十分に得られなくなって、この部分では、冷却媒体による冷却性能が十分に得られなくなってしまう。
このような現象はアルフィン処理を実行することなしにピストンの鋳造加工を行う場合にも同様に発生する。つまり、ピストンの鋳造加工時に、ブローホール内に存在している空気が耐摩環本体と流通路形成体との当接部周辺に噴き出し、この空気の層が、耐摩環本体と流通路形成体との当接部分を覆ってしまって、この部分に対してアルミニウム材料の流れ込み不良が発生し、アルミニウムと耐摩環との密着性が十分に得られなくなってしまい、これが冷却性能の悪化に繋がってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却媒体流通路を形成するための部材が一体化されて成る耐摩環が鋳込まれたピストンに対し、冷却性能の悪化を回避できる耐摩環付きピストンおよびその製造方法を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、耐摩環を構成する耐摩環本体と流通路形成体との接合(溶接)部位における接合開始点の位置を特定することにより、この接合開始点で冷却性能が低くなっていることによる悪影響(上記ブローホールの存在による悪影響)の度合いを軽減できるようにしている。つまり、高い冷却性能が要求される部位を除いた部分に、この接合開始点を位置させるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、外周面にピストンリング溝を備えた環状の耐摩環本体と、この耐摩環本体に沿う環状に形成され且つ耐摩環本体に溶接またはロウ付けにより接合されて略環状の冷却媒体流通路を形成する流通路形成体とを備えて成る耐摩環が、一体的に鋳込まれて構成される耐摩環付きピストンを前提とする。この耐摩環付きピストンに対し、上記ピストン外周側に配設されるシリンダブロックの冷却水通路は、気筒列方向に対して直交する方向の一方側であるピストンスラスト方向側および他方側であるピストン反スラスト方向側にそれぞれ配設され、冷却水入口通路から導入された冷却水が、上記気筒列方向に沿って上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路及び上記ピストン反スラスト方向側の冷却水通路をそれぞれ流れるようになっており、上記耐摩環本体と上記流通路形成体との間の周方向に亘る上記接合部位のうち、その接合開始点を、上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路またはピストン反スラスト方向側の冷却水通路に対向するように配置している。
この特定事項により、耐摩環本体と流通路形成体との間で周方向に延びる接合部位のうち接合開始点では、上記ブローホールの影響によってピストン成形材料(例えばアルミニウム)と耐摩環との密着性が十分に得られておらず、それに起因して、冷却媒体流通路内に冷却媒体を流通させた場合に冷却性能が十分に得られない可能性がある。本解決手段では、この冷却性能が十分に得られない可能性がある部位を、シリンダブロックの冷却水通路に対向する位置、つまり、本来的に十分な冷却性能が得られている領域に配置している。このため、上記ブローホールの影響によって冷却性能が十分に得られていなくても、この部分ではシリンダブロックの冷却水通路を流れている冷却水によって十分に冷却されているので、上記冷却性能の低下による悪影響は殆ど生じない。言い換えると、本解決手段では、上記シリンダブロックの冷却水通路を流れる冷却水による冷却性能が十分に得難い領域では、冷却媒体流通路を流れる冷却媒体による冷却性能が高く得られるようにし、逆に、冷却媒体流通路を流れる冷却媒体による冷却性能が十分に得難い領域を、シリンダブロックの冷却水通路を流れる冷却水による冷却性能が高く得られている領域に設定している。このため、冷却水通路を流れる冷却水および冷却媒体流通路を流れる冷却媒体により全体の冷却効果としては、ピストンに対して略均等に且つ十分に発揮されることになり、上記ブローホールの存在による悪影響を殆ど無くすことができる。
また、上記耐摩環本体と上記流通路形成体との間の周方向に亘る上記接合部位のうち、その接合終了点も上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路またはピストン反スラスト方向側の冷却水通路に対向するように配置させている。
ここで、ピストンスラスト方向側およびピストン反スラスト方向側とは、多気筒内燃機関における気筒列方向に対して直交する方向(クランクシャフトの軸心およびシリンダボアの軸心それぞれに対して直交する方向)であって、燃焼室内からの燃焼圧力の分力の作用方向がピストンスラスト方向であって、その反対方向がピストン反スラスト方向である。
これら特定事項により、ピストンに鋳込まれた耐摩環の姿勢(接合開始点や接合終了点を規定する姿勢)と、シリンダブロックの冷却水通路の位置との関係を明確に特定でき、本発明の実用性の向上を図ることができる。
より好ましい構成としては以下のものが挙げられる。上記流通路形成体を、外周側に向けて開放する断面略コ字状に形成し、その外周側の各端縁部を耐摩環本体にそれぞれ接合する。そして、上記流通路形成体における各端縁部のうち一方の端縁部と耐摩環本体との間の接合部位における接合開始点および接合終了点ピストンスラスト方向側の冷却水通路に対向し、他方の端縁部と耐摩環本体との間の接合部位における接合開始点および接合終了点ピストン反スラスト方向側の冷却水通路に対向するようにそれぞれ配置させている。
これによれば、流通路形成体の一方の端縁部(例えば流通路形成体の上側の端縁部)である冷却性能が低くなっている部分と、流通路形成体の他方の端縁部(例えば流通路形成体の下側の端縁部)である冷却性能が低くなっている部分とを周方向で重なり合わない位置に設定できる。つまり、この冷却性能が低くなっている部分の分散化を図ることにより、特定の一部分のみが特に冷却性能が低くなるといった状況を回避することができて、ピストンに対して略均等に冷却性能が発揮されることになる。
上述の如く構成された耐摩環付きピストンの製造方法としては、上記耐摩環本体と上記流通路形成体とを溶接またはロウ付けにより接合して耐摩環を作製する接合工程と、上記シリンダブロックのボア内にピストンが収容された状態で、上記接合工程における接合開始点が、ピストン外周側に配設されるシリンダブロックの上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路またはピストン反スラスト方向側の冷却水通路に対向する位置となるように、ピストン成形型内に耐摩環を配置して、このピストン成形型内にピストン成形材料の溶湯を注入するピストン鋳造工程とを有することになる。
この製造方法によって製造された耐摩環付きピストンにおいても、上述した各解決手段と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、耐摩環を構成する耐摩環本体と流通路形成体との接合部位における接合開始点の位置をシリンダブロックの冷却水通路に対向する位置に設定している。これにより、上記接合開始点で冷却性能が低くなっていることによる悪影響を軽減でき、ピストンに対する冷却性能を略均等に且つ十分に発揮させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車用ディーゼルエンジンのピストンに本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本実施形態に係るピストン1がシリンダボア21内に配置された状態を示す側面図である。また、図2は、ピストン1の断面図である。本実施形態に係るエンジンは、燃料直接噴射式のディーゼルエンジンであって、シリンダボア21を有するシリンダブロック2と、そのシリンダボア21内に往復移動自在に挿入されたピストン1とを備えている。ピストン1は、鋳造加工により作製された鋳造ピストンであり、アルミニウム合金によって形成されたピストン本体11を備えている。シリンダブロック2は、例えば、鋳鉄やアルミニウム合金により形成されている。
上記ピストン本体11は、ヘッド部3と、このヘッド部3に連なり且つ図示しないコネクティングロッドに連結されるスカート部4とを備えている。ヘッド部3は、図示しないシリンダヘッドに対向する頂面31を有している。このヘッド部3には、頂面31の中央部分を凹陥して成り且つ燃焼室を構成するリップ部(凹陥部)32が形成されている。ピストン1は、膨張行程時に燃焼室で発生した燃焼圧を受けることによって、シリンダボア21内を往復運動する。そして、この往復運動がコネクティングロッドによって回転運動に変換されて、エンジンの出力軸であるクランクシャフトに出力されるようになっている。
(耐摩環)
本実施形態に係るピストン1は、上記ヘッド部3におけるトップリング装着部分の近傍に耐摩環5が配設されている。以下、この耐摩環5およびその周辺部の構成について説明する。
図3は、図2において2点鎖線IIIで囲まれた領域を拡大して示す断面図である。また、図4は、耐摩環5の一部を断面で示す斜視図である。
図1〜図4に示すように、上記ヘッド部3は、シリンダボア21の内壁に対向して延在する外周面33を有している。
耐摩環5は、外径寸法が上記ヘッド部3の外径寸法に略一致する円環状の部材であって、上記リップ部32の外周側を取り囲むように、ピストン本体11の内部に鋳込まれている。
そして、本実施形態に係る耐摩環5は、外周側に位置する耐摩環本体6と、この耐摩環本体6の内周面に溶接された流通路形成体7とを備えた構成となっている。
耐摩環本体6は、耐磨耗性に優れた材料から形成された略リング形状の部材であって、例えば、ニレジスト(Ni−resist:高ニッケルオーステナイト鋳鉄)によって形成されている。
この耐摩環本体6は、外径寸法が上記ヘッド部3の外径寸法に略一致しており、その外周面における高さ方向の中央部にはトップリング溝(ピストンリング溝)61が全周に亘って形成されている。そして、このトップリング溝61に、コンプレッションリングとしてのトップリング(ピストンリング)81が装着されている(図1参照)。
尚、上記ピストン1のヘッド部3には、上記耐摩環5の配設位置よりもスカート部4側の位置にセカンドリング溝34およびオイルリング溝35がそれぞれ形成されている。
上記セカンドリング溝34にはコンプレッションリングとしてのセカンドリング82が、また、オイルリング溝35にはオイルリング83がそれぞれ装着されている。
上記コンプレッションリングとしてのトップリング81およびセカンドリング82は、例えば高炭素鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼等により形成されており、周方向の一箇所に合い口が形成された平面視略C形の平板状部材からなっている。
オイルリング83の具体構成としては、それぞれ周方向の一箇所に合い口が形成された平面視略C形の平板状のアッパーリングおよびロアリングを備え、これらリングの間にセンターリングを介装して組み立てられた3ピース構造になっている。尚、このオイルリング83の構成としては3ピース構造に限られるものではない。
また、図3および図4に示すように、上記耐摩環本体6の内周面62は凹凸の無い円筒面で形成されている。更に、耐摩環本体6の上面63および下面64は平坦面で形成されている。
一方、上記流通路形成体7は、図5(流通路形成体7の一部を省略して示す斜視図)に示すように、ステンレス(例えばオーステナイト系ステンレス)製の板材が折り曲げ等の加工によって略円環状に形成された部材として形成されている。具体的には、図3に示すように、この流通路形成体7は、ピストン1の内部に鋳込まれた状態で、耐摩環本体6の内周面62との間に所定間隔を存して略平行に配設された内周壁71と、この内周壁71の上端縁から耐摩環本体6の内周面62に向かって水平方向に延びる第1壁72と、内周壁71の下端縁から耐摩環本体6の内周面62に向かって水平方向に延びる第2壁73とを備えている。
上記内周壁71の高さ寸法は上記耐摩環本体6の高さ寸法に略一致している。このため、図3に示すように、耐摩環本体6の内周面62に流通路形成体7が溶接された状態では、上記第1壁72の上面72aと上記耐摩環本体6の上面63とが略面一(略同一高さ位置)となり、また、上記第2壁73の下面73aと上記耐摩環本体6の下面64とが略面一(略同一高さ位置)となっている。
そして、上記第1壁72の外周端72bは、耐摩環本体6の内周面62の上端部に当接されてプラズマ溶接によって接合されている。同様に、上記第2壁73の外周端73bは、耐摩環本体6の内周面62の下端部に当接されてプラズマ溶接によって接合されている。これらの溶接手法としては、第1壁72の外周端72bを耐摩環本体6の内周面62に当接させた状態で、この当接部分を周方向に亘って順に溶接していき、その全周囲を接合する。同様に、第2壁73の外周端73bを耐摩環本体6の内周面62に当接させた状態で、この当接部分を周方向に亘って順に溶接していき、その全周囲を接合する。具体的な溶接開始点および溶接終了点については後述する。
これにより、上記耐摩環本体6の内周面62と、流通路形成体7の各壁71,72,73とによって囲まれた空間が、冷却用のエンジンオイル(冷却媒体)を流通させるためのオイル流通路(冷却媒体流通路)51として形成されている。
尚、図2に示すように、上記ピストン本体11には、ピストン本体11の内部空間Sと上記オイル流通路51とを連通するオイル供給孔12が形成されている。また、ピストン本体11には、図2中に示す断面とは異なる断面においてピストン本体11の内部空間Sとオイル流通路51とを連通する図示しないオイル排出孔が形成されている。つまり、図示しないオイル噴射ノズルから噴射されて上記オイル供給孔12からオイル流通路51に導入されたオイルが、このオイル流通路51を流れながらピストン1上部の熱を奪った後に、オイル排出孔を経てオイルパンへ回収されるようになっている。これにより、トップリング装着部分の周辺が冷却されるようになっている。
(耐摩環5の溶接部分の構成)
次に、本実施形態の特徴として、上記耐摩環本体6と流通路形成体7との間の溶接部位(特に、溶接開始点および溶接終了点)と、シリンダブロック2内に形成されているウォータジャケット(冷却水通路)との関係について説明する。
図6は、上述したピストン1,1,…が挿入される複数のシリンダボア21,21,…を備えた直列4気筒ディーゼルエンジンのシリンダブロック2の平面図であって、シリンダヘッドとの合わせ面、シリンダ列、ウォータジャケット22などを示している。
尚、以下の説明では、図6において左端に位置する気筒を第1番気筒♯1、その右側に位置する気筒を第2番気筒♯2、更に、その右側に位置する気筒を第3番気筒♯3、そして、右端に位置する気筒を第4番気筒♯4として説明する。また、図6における上側を吸気側とし、下側を排気側として説明する。尚、図6における上側をピストンスラスト方向側と呼び、下側をピストン反スラスト方向側と呼ぶ場合もある。気筒番号や吸排気系の形態はこれに限るものではない。
本実施形態に係る直列4気筒エンジンの構成部材であるシリンダブロック2は、例えばアルミニウム合金製であって、図6に示すように、直列状態で配置された4個のシリンダバレル23a,23a,…が一体成形されて成るサイアミーズシリンダバレル23を備えている。そして、各シリンダバレル23a,23a,…の内面にはシリンダボア21,21,…の内面を形成するシリンダライナがそれぞれ鋳込まれている。
また、シリンダブロック2はオープンデッキ型に構成されている。つまり、シリンダヘッドの組み付け面であるシリンダブロック2の頂面にウォータジャケット22が開放されている。また、このウォータジャケット22は、上記サイアミーズシリンダバレル23の略全周囲を囲むようにシリンダブロック2の外壁とサイアミーズシリンダバレル23との間に形成されている。
また、シリンダブロック2には、ウォータポンプからの冷却水をウォータジャケット22に導入するための冷却水入口通路22aがシリンダ列方向の一端側(図6における左端側)、つまり、第1番気筒♯1の近傍に形成されている。
そして、このシリンダブロック2のウォータジャケット22における冷却水の主な流れとしては、上記冷却水入口通路22aから導入された冷却水が各シリンダバレル23a,23a,…の配列方向に沿って略水平方向に流れていき、これによってシリンダブロック2の冷却を行う。具体的には、冷却水入口通路22aから流入した冷却水が、サイアミーズシリンダバレル23の一方側(図6における上側である吸気側:ピストンスラスト方向側)および他方側(図6における下側である排気側:ピストン反スラスト方向側)に分流されて、それぞれが第1番気筒♯1から第4番気筒♯4に向かって略水平方向に流れ(図6における矢印参照)、これによってシリンダブロック2が冷却されるようになっている。
尚、このシリンダブロック2の複数箇所には、シリンダヘッドガスケットおよびシリンダヘッドを一体的に組み付けるためのヘッドボルトが挿通されるヘッドボルト孔24,24,…が形成されている。
以上のように構成されたシリンダブロック2の各シリンダボア21,21,…内にピストン1,1,…は収容されている。
そして、本実施形態の特徴は、シリンダボア21内にピストン1が収容された状態で、上記耐摩環本体6と流通路形成体7との溶接部位のうちの溶接開始点および溶接終了点が規定されていることにある。以下、具体的に説明する。
図7は、第2番気筒♯2のシリンダボア21内に挿入されるピストン1の平面図であって、耐摩環5を実線で示し、ピストン本体11を仮想線で示している。この図における上下方向は上記図6における上下方向と一致している。つまり、この図7における上側および下側には上記ウォータジャケット22が配設されており、上側がピストンスラスト方向側であって、下側がピストン反スラスト方向側である。また、左右方向の両側には他の気筒(第1番気筒♯1および第3番気筒♯3)が配設されている。
そして、本実施形態では、耐摩環本体6と流通路形成体7との間の周方向に亘る溶接部位のうち、その溶接開始点および溶接終了点が、上記ウォータジャケット22に対向する位置となるよう設定されている。具体的には、上記溶接開始点および溶接終了点が、ピストンスラスト方向側の位置に設定されており、このピストンスラスト方向側に位置しているウォータジャケット22に対向するようになっている。
図7の点Aは溶接開始点を示し、点Bは溶接終了点を示している。つまり、耐摩環本体6の内周面62に流通路形成体7の各外周端72b,73bを当接させ、この当接部分を周方向に亘って溶接して耐摩環5を作製する場合に、図7に一点鎖線の矢印で示すように、上記点Aから図7中の時計回り方向に溶接していき、耐摩環本体6と流通路形成体7との当接部分を一周した後、点Bまで溶接を継続して、この点Bを溶接終了点とする。このような溶接作業を、耐摩環5の表裏両側で実施する。つまり、第1壁72の外周端72bと耐摩環本体6の内周面62の上端部とのプラズマ溶接、第2壁73の外周端73bと耐摩環本体6の内周面62の下端部とのプラズマ溶接において実施する。
これにより、上記点A(溶接開始点)および点B(溶接終了点)は共にピストンスラスト方向側の位置に設定されて、このピストンスラスト方向側に位置しているウォータジャケット22に対向することになる。言い換えると、ウォータジャケット22内を流れる冷却水による冷却性能が十分に得られている領域に対向する位置に、上記溶接開始点Aおよび溶接終了点Bが設定されている。
このようにして設定される溶接開始点Aおよび溶接終了点Bの設定範囲について図8(図7と同様のピストン1の平面図であって、耐摩環5を実線で示し、ピストン1を仮想線で示している)を用いて説明する。
上記溶接開始点および溶接終了点の設定範囲は、ピストン1の軸心Oから気筒列の延長方向に対して直交する方向(図8における一点鎖線αを参照)から、時計回り方向および反時計回り方向にそれぞれ45°だけ回転させた範囲(図8における範囲βおよび範囲γ)の内側となっている。
上述した図7の場合には、溶接開始点Aおよび溶接終了点Bが共に範囲βの内側に設定された場合であるが、溶接開始点Aおよび溶接終了点Bを共に範囲γの内側に設定するようにしてもよい。また、溶接開始点Aを範囲βの内側に設定し、溶接終了点Bを範囲γの内側に設定するようにしてもよし、溶接開始点Aを範囲γの内側に設定し、溶接終了点Bを範囲βの内側に設定するようにしてもよい。
更には、図9に示すように、溶接開始点A1,A2を範囲βの内側に設定し、且つ溶接終了点B1,B2を範囲γの内側に設定するようにしてもよい。この図9に示すものでは、溶接工程を2回に分けて実施し、1回目の溶接工程では、溶接開始点A1を上記範囲βとして図中の時計回り方向に溶接を行って溶接終了点B1を範囲γとし、2回目の溶接工程では、溶接開始点A2を上記範囲βとして図中の反時計回り方向に溶接を行って溶接終了点B2を範囲γとしている。
以上の如く、本発明では、耐摩環本体6と流通路形成体7との当接箇所がその全周囲に亘って溶接され、且つその溶接開始点Aおよび溶接終了点Bが上記範囲βの内側または範囲γの内側に存在するといった条件を満たせばよい。
以上の構成によれば、耐摩環本体6と流通路形成体7との間で周方向に延びる溶接部位のうち溶接開始点Aや溶接終了点Bでブローホールが存在し、その影響によって冷却性能が十分に得られない可能性があったとしても、この冷却性能が十分に得られない可能性がある部位を、シリンダブロック2のウォータジャケット22に対向する位置、つまり、本来的に十分な冷却性能が得られている領域に配置することができる。このため、上記ブローホールの影響によって冷却性能が十分に得られていなくても、この部分ではシリンダブロック2のウォータジャケット22を流れている冷却水によって十分に冷却されているので、上記冷却性能の低下による悪影響は殆ど生じない。
言い換えると、本実施形態では、上記シリンダブロック2のウォータジャケット22を流れる冷却水による冷却性能が十分に得難い領域(例えば各気筒間同士が隣り合う方向での隣接部分:サイアミーズ部分)では、溶接部位にブローホールを存在させないようにしてオイル流通路51を流れるオイルによる冷却性能が高く得られるようにする。逆に、オイル流通路51を流れるオイルによる冷却性能が十分に得難い領域を、シリンダブロック2のウォータジャケット22を流れる冷却水による冷却性能が高く得られている領域に設定している。このため、ウォータジャケット22を流れる冷却水およびオイル流通路51を流れるオイルにより全体の冷却効果としては、ピストン1に対して略均等に且つ十分に発揮されることになり、上記ブローホールの存在による悪影響を殆ど無くすことができる。
(製造方法)
次に、上述の如く構成された耐摩環5の製造方法およびピストン1の製造方法について説明する。
上記耐摩環5を構成する流通路形成体7は、図5に示すように金属製板材(ステンレス製板材)が折り曲げ等の加工されて上記内周壁71,第1壁72,第2壁73を備えたリング形状に形成される。
このようにして形成された流通路形成体7と、予めニレジスト材(ニレジスト鋳鉄)によって所定形状に形成された耐摩環本体6との溶接に際しては、上述した如く、流通路形成体7の第1壁72の外周端72bが耐摩環本体6の内周面62の上端部に当接され、且つ第2壁73の外周端73bが耐摩環本体6の内周面62の下端部に当接され、各箇所が周方向に亘ってプラズマ溶接によって接合されて、流通路形成体7と耐摩環本体6とが一体化されて耐摩環5が作製される。この際の溶接開始点および溶接終了点は上述の如く設定されている(図7または図9を参照)。
そして、この耐摩環5に対してアルフィン処理を行う。つまり、鋳込み性改善のために、ピストン1の鋳造加工前に耐摩環をアルミニウムの溶湯内に浸漬させる(例えば700℃の溶湯内に60sec浸漬させる)処理を行う。この際、溶接開始点や溶接終了点の周辺に存在しているブローホール内の空気が耐摩環本体6と流通路形成体7との当接部周辺に噴き出し、その空気の層が、耐摩環本体6と流通路形成体7との当接部分を覆ってしまって、この部分に対して十分なアルフィン処理が行えなくなる可能性がある。この場合、この部分では冷却性能が低下することになる。
その後、耐摩環5を図示しないピストン鋳造用の金型内の所定位置に保持した状態で、金型のキャビティ内にアルミ系の金属溶湯を注入して鋳造を行う。この場合、上記耐摩環5における溶接開始点Aおよび溶接終了点Bが上記範囲βの内側または範囲γの内側、つまり、鋳造工程において成形されるシリンダブロック2のウォータジャケット22に対向する位置となるように耐摩環5をピストン鋳造用の金型内に設置しておく。
そして、得られた鋳造品を所定のピストン形状に切削することにより、図2に示すように、耐摩環5が一体的に鋳込まれたピストン1が製造されることになる。尚、上記耐摩環本体6に設けられるトップリング溝61は、上記ピストン鋳造加工の前段階で形成しておいてもよいし、ピストン鋳造加工後に行われるピストン形状への切削加工時に形成するようにしてもよい。
このようにして完成したピストン1にあっては、上述した如く、上記ブローホールの影響によって冷却性能が十分に得られない可能性がある部位が、シリンダブロック2のウォータジャケット22に対向する位置、つまり、本来的に十分な冷却性能が得られている領域に配置されることになる。このため、上記ブローホールの影響によって冷却性能が十分に得られていなくても、この部分ではシリンダブロック2のウォータジャケット22を流れている冷却水によって十分に冷却されているので、上記冷却性能の低下による悪影響は殆ど生じないことになる。
(変形例)
上述した実施形態では、溶接開始点Aおよび溶接終了点Bを、耐摩環5の表裏両側で同一の箇所に設定していた。これに代えて、本変形例では、流通路形成体7における各外周端72b,73bのうち一方の外周端72bと耐摩環本体6との間の溶接部位における溶接開始点Aおよび溶接終了点Bをピストンスラスト方向側(上記範囲βの内側)に設定し、他方の外周端73bと耐摩環本体6との間の溶接部位における溶接開始点Aおよび溶接終了点Bをピストン反スラスト方向側(上記範囲γの内側)にそれぞれ配置させている。
これによれば、流通路形成体7の一方の外周端72bである冷却性能が低くなっている部分と、流通路形成体7の他方の外周端73bである冷却性能が低くなっている部分とを周方向で重なり合わない位置に設定できる。つまり、この冷却性能が低くなっている部分の分散化を図ることにより、特定の一部分のみが特に冷却性能が低くなるといった状況を回避することができて、ピストン1に対して略均等に冷却性能が発揮されることになる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態および変形例は、自動車用ディーゼルエンジンのピストン1に本発明を適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンのピストンにも適用可能である。また、エンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン等の別)についても特に限定されるものではない。また、ガソリンエンジンのピストンに対しても本発明は適用可能である。
また、上記実施形態および変形例における耐摩環5は、外周面にトップリング溝61を備えたものであった。本発明はこれに限らず、トップリング溝およびセカンドリング溝を備えさせるようにしてもよい。
また、上記耐摩環5を構成する耐摩環本体6および流通路形成体7の構成材料としては上述したものには限定されず、種々の材料が適用可能である。
また、耐摩環本体6に対する流通路形成体7の溶接形態としては、耐摩環本体6の内周面62に流通路形成体7の外周端72b,73bを当接させて溶接するものには限定されない。例えば、耐摩環本体6の上面63および下面64に流通路形成体7の第1壁72および第2壁73をそれぞれ重ね合わせて溶接するものであってもよい。
更に、上記耐摩環本体6と流通路形成体7との接合手段としては、プラズマ溶接に限らず他の溶接手法であってもよい。また、ろう付けを適用することも可能である。
また、上記実施形態では、溶接開始点および溶接終了点を共にピストンスラスト方向側またはピストン反スラスト方向に位置させていたが、本発明では、溶接開始点のみをピストンスラスト方向側またはピストン反スラスト方向に位置させる場合も技術的思想の範疇である。
実施形態においてピストンがシリンダボア内に配置された状態を示す側面図である。 ピストンの断面図である。 耐摩環の配設箇所を拡大して示す断面図である。 耐摩環本体と流通路形成体との接合状態を示す斜視図である。 流通路形成体の一部を省略して示す斜視図である。 シリンダブロックの平面図である。 耐摩環の溶接作業を説明するためのピストンの平面図である。 溶接開始点および溶接終了点の設定範囲を説明するためのピストンの平面図である。 変形例において耐摩環の溶接作業を説明するためのピストンの平面図である。
符号の説明
1 ピストン
2 シリンダブロック
22 ウォータジャケット(冷却水通路)
5 耐摩環
51 オイル流通路(冷却媒体流通路)
6 耐摩環本体
61 トップリング溝(ピストンリング溝)
7 流通路形成体
72b,73b 外周端(端縁部)
A 溶接開始点
B 溶接終了点

Claims (4)

  1. 外周面にピストンリング溝を備えた環状の耐摩環本体と、この耐摩環本体に沿う環状に形成され且つ耐摩環本体に溶接またはロウ付けにより接合されて略環状の冷却媒体流通路を形成する流通路形成体とを備えて成る耐摩環が、一体的に鋳込まれて構成される耐摩環付きピストンにおいて、
    上記ピストン外周側に配設されるシリンダブロックの冷却水通路は、気筒列方向に対して直交する方向の一方側であるピストンスラスト方向側および他方側であるピストン反スラスト方向側にそれぞれ配設され、冷却水入口通路から導入された冷却水が、上記気筒列方向に沿って上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路及び上記ピストン反スラスト方向側の冷却水通路をそれぞれ流れるようになっており、
    上記耐摩環本体と上記流通路形成体との間の周方向に亘る上記接合部位のうち、その接合開始点が上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路またはピストン反スラスト方向側の冷却水通路に対向するように配置されていることを特徴とする耐摩環付きピストン。
  2. 請求項1記載の耐摩環付きピストンにおいて、
    上記耐摩環本体と上記流通路形成体との間の周方向に亘る上記接合部位のうち、その接合終了点が上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路またはピストン反スラスト方向側の冷却水通路に対向するように配置されていることを特徴とする耐摩環付きピストン。
  3. 請求項1記載の耐摩環付きピストンにおいて、
    上記流通路形成体は外周側に向けて開放する断面略コ字状に形成され、その外周側の各端縁部が耐摩環本体にそれぞれ接合されており、
    上記流通路形成体における各端縁部のうち一方の端縁部と耐摩環本体との間の接合部位における接合開始点および接合終了点が上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路に対向し、他方の端縁部と耐摩環本体との間の接合部位における接合開始点および接合終了点が上記ピストン反スラスト方向側の冷却水通路に対向するようにそれぞれ配置されていることを特徴とする耐摩環付きピストン。
  4. 請求項1〜3のうち何れか一つに記載の耐摩環付きピストンの製造方法であって、
    上記耐摩環本体と上記流通路形成体とを溶接またはロウ付けにより接合して耐摩環を作製する接合工程と、
    上記シリンダブロックのボア内にピストンが収容された状態で、上記接合工程における接合開始点が、ピストン外周側に配設されるシリンダブロックの上記ピストンスラスト方向側の冷却水通路またはピストン反スラスト方向側の冷却水通路に対向する位置となるように、ピストン成形型内に耐摩環を配置して、このピストン成形型内にピストン成形材料の溶湯を注入するピストン鋳造工程とを有していることを特徴とする耐摩環付きピストンの製造方法。
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