JP4893615B2 - 雨水取水装置 - Google Patents

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Description

本願発明は竪樋同士を接続する竪樋継手に雨水取水機能を付加した雨水取水装置に係り、特に、例えば冬季等において、取水しないときに、雨水取出筒を栓で止水するようにした雨水取水装置に関するものである。
従来の雨水利用装置において、特開2006−226085号公報には、雨水取出筒の外部に露出した取水口をネジ蓋で止水した技術が開示されている。
特開2006−226085号公報
上記従来の雨水利用装置において、雨水取出筒は露出した外部から、ネジ蓋で止水されるから、ネジ蓋が風雨や日光等の原因による経年劣化を起こし、ネジ蓋の開閉が困難になったり、終には劣化破損することがあった。
また、雪国等において、厳冬下で、雨水取水装置を長期間使用しないとき、雨水取出筒が外方に突出露出しているので、雨水取出筒内に溜まっていた雨水が凍結膨張し、雨水取出筒と該雨水取出筒を外部から止水した蓋を破壊するということがあった。
勿論、該雨水取出筒を外部から蓋で止水するときは、雨水取出筒内部の雨水を十分に出した後に被蓋するのであるが、竪樋と連通している雨水取水体内には竪樋を流下する雨水の一部が必ず溜まり、また、例え雨が降らない場合でも雨水取水体の結露が解けて該雨水取出筒に溜まるので、この雨水取出筒の破損の問題は解決されていなかった。
一方、上記問題を解決するためには、雨水取出筒の出口に蓋をしなければよいのであるが、このときは、雨水取出筒から取水が垂れ流しになり、また、雨が降らないときは、外部から虫やゴミが雨水取水体内に侵入し、非衛生であるという問題があった。
本願は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冬季等においても雨水取出筒内の雨水による凍結膨張破損を防止でき且つ衛生的な雨水取水装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の雨水取水装置は、竪樋継手と雨水取水体とが一体に形成された雨水取出継手であって、竪樋を流下する雨水の一部を竪樋継手を介して雨水取水体のフィルター収納空間に取り込み、雨水取水体の底部に形成した下方に突出する雨水取出筒を介して取水する雨水取水装置において、雨水取水体の上部を蓋体で開閉自在に被蓋するとともに、該雨水取水体の内部から雨水取出筒の水上側開口部を栓で開閉自在に止水するとともに、栓で上記雨水取出筒の水上側開口部を止水したとき、栓の上端部がフィルター収納空間の満水時の水位よりも上方に位置するよう該栓を細長形状にしたことを特徴とするものである。

本願請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の雨水取水装置において、上記栓の上端部と雨水取水体内部の上端係合部とを紐で連結したことを特徴とするものである。
本願請求項記載の発明は、上記請求項1記載の雨水取水装置において、上記雨水取出筒及びフィルター収納空間を蓋体の直下に形成したことを特徴とするものである。

本願請求項1記載の雨水取水装置は、上記のとおりであり、特に、雨水取水体の内部から雨水取出筒の水上側開口部を栓で開閉自在に止水しているから、雨水取水装置内に雨水が滞留することがなく、従って、冬季に雨水取水装置で取水しない場合でも該雨水取出筒が雨水の凍結膨張によって破損することを防止できる。
雨水取出筒の水上側開口部を止水する栓は雨水取水体内に存在するから、該栓が風雨や日光等の原因による経年劣化を起こしにくいのである。
更に、雨水取出筒は栓で止水されているから、虫やゴミ等が雨水取水体内に進入しにくく、衛生的である。
特に、栓を細長形状にして雨水取出筒の水上側開口部を止水したとき、栓の上端部がフィルター収納空間の満水時の水位よりも上方に位置するようにしているから、再び取水を行うとき、雨水取水体の蓋体を開けると栓の上端部が直ぐ目の前に存在し、栓を外し易いのである。

また、栓を雨水取出筒から外すとき、例え雨水取水体のフィルター収納空間内いっぱいに雨水が溜まっていた場合でも、手を濡らさずに且つ上方に起立露出した栓の上端部を確り認知した状態で該栓を抜くことができる。
本願請求項記載の雨水取水装置においては、特に、上記栓の上端部と雨水取水体内部の上端係合部とを紐で連結しているから、蓋体を開けて栓を雨水取出筒から外すとき、該紐を手繰りよせることにより簡単に栓をぬくことができる。

このとき、雨水取水体内に雨水が滞留しているか否かないかかわらず、手を濡らすことなく、栓を抜くことができる。
本願請求項記載の雨水取水装置においては、特に、上記雨水取出筒及びフィルター収納空間を蓋体の直下に形成しているから、蓋体を開けて行うフィルターの交換や雨水取水体の栓による開閉作業が容易となる。

以下、本願発明の雨水取水装置について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本願発明の雨水取水装置の取付状態を模型的に示す説明図、図2は本願発明の雨水取水装置の取付部における斜視図、図3は上記の雨水取水装置の取付部における断面図である。
図1に示すように、竪樋4の中間部に本願の雨水取水装置Aが接続され、その雨水取出筒5と貯水槽11とがホース12で連結されている。軒樋13から集水された雨水は竪樋4を流下する途中でその一部が雨水取出筒5から取水されホース12を介して貯水槽11に貯留される。
図2に示すように、本願雨水取水装置Aは、竪樋4、4を上下に接続する竪樋継手2と、該竪樋継手2と一体に形成された雨水取水体3とからなる雨水取出継手1が主部品である。雨水取水体3の上部は蓋体6で開閉自在に被蓋されており、雨水取水体3の底部に形成した下方に突出する雨水取出筒5が一体に形成されている。蓋体6は雨水取水体3の上部開口部に着脱自在に嵌合されている。
図3に示すように、竪樋継手2の上端部21には上方の竪樋4が接着剤等で接続されその下端部22は下方の竪樋4が接続される。竪樋継手2の下部は内筒23と外筒24とからなり、内筒23と外筒24との間の空間部は雨水貯留部25となっている。内筒23の頂部と同程度の位置から上方に向かって連通開口部26が形成されている。該連通開口部26は竪樋継手2と雨水取水体3とを連通している。
雨水貯留部25の水位が連通開口部26下方の仕切り壁27よりも上がるとその雨水は雨水取水体3のフィルター収納空間31に流出する。このとき雨水取出筒5は栓7で止水されているのでフィルター収納空間31内の雨水は仕切り壁の上縁部まで上がり満水となる。従って、フィルター収納空間31の満水時の水位8は仕切りへ壁の上縁部となる。
図3は、冬季等において取水をしていない場合の状態を示しており、栓7は棒状の細長形状をしており、栓7で上記雨水取出筒5の水上側開口部51を止水したとき、栓7の上端部71がフィルター収納空間31の満水時の水位8よりも上方に位置している。該栓7はゴム等の軟質弾性体からなり、その上端部71には金属キャップ72が嵌着され、該金属キャップ72と雨水取水体内の上部であって蓋体6の下方近傍に形成した上端係合部9との間は紐10で連結されている。紐10は金属製あるいはプラスチック製の鎖が使用される。
雨水取水体3の上端部は略全域が開口されており該開口部を蓋体6が着脱自在に被蓋している。蓋体6の直下には雨水取水体3内のフィルター収納空間31及び雨水取出筒5の水上側開口部51が位置している。
夏季等において、本願雨水取水装置で取水を再開するときは、蓋体6を取り外し、栓7の上端部71を手を濡らすことなく把持しあるいは紐10を引っ張って雨水取出筒5の水上側開口部51から栓7を引き抜くのである。
栓7の長さを短くするときは紐10を長くすることにより、手を濡らさずに栓を引き抜くことができるようにするのが好ましい。
取水するときは、栓7を抜き、フィルター収納空間31にフィルター(図示せず)を納装し、浄化された雨水を雨水取出筒5から取水するのである。
本願発明の雨水取水装置の取付状態を模型的に示す説明図。 本願発明の雨水取水装置の取付部における斜視図。 本願発明の雨水取水装置の取付部における断面図。
符号の説明
A 本願に係る雨水取水装置
1 雨水取出継手
2 竪樋継手
21 竪樋継手の上端部
22 竪樋継手の下端部
23 内筒
24 外筒
25 雨水貯留部
26 連通開口部
27 仕切り壁
3 雨水取水体
31 フィルター収納空間
4 竪樋
5 雨水取出筒
51 雨水取出筒の水上側開口部
6 蓋体
7 栓
71 栓の上端部
72 金属キャップ
8 フィルター収納空間の満水時の水位
9 雨水取水体内の上端係合部
10 紐
11 貯水槽
12 ホース
13 軒樋

Claims (3)

  1. 竪樋継手と雨水取水体とが一体に形成された雨水取出継手であって、竪樋を流下する雨水の一部を竪樋継手を介して雨水取水体のフィルター収納空間取り込み、雨水取水体の底部に形成した下方に突出する雨水取出筒を介して取水する雨水取水装置において、雨水取水体の上部を蓋体で開閉自在に被蓋するとともに、該雨水取水体の内部から雨水取出筒の水上側開口部を栓で開閉自在に止水するとともに、栓で上記雨水取出筒の水上側開口部を止水したとき、栓の上端部がフィルター収納空間の満水時の水位よりも上方に位置するよう該栓を細長形状にしたことを特徴とする雨水取水装置。
  2. 上記栓の上端部と雨水取水体内部の上端係合部とを紐で連結した請求項1記載の雨水取水装置。
  3. 上記雨水取出筒及びフィルター収納空間を蓋体の直下に形成した請求項1記載の雨水取水装置。
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