JP4893078B2 - シミュレーションモデル定義システム - Google Patents

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Description

本発明は、経済や社会等をシステムとしてとらえ、その構成要素間の現象や事象の関係を因果関係で表したモデルを定義し、挙動をシミュレーションする際のモデル定義方法に関する。
新製品の価格をいくらにするか、あるいは、業務システムを導入するか否かといったような意思決定を早くする為には、シミュレーションによる素早い効果予測が重要である。例えば、新製品の価格決定の場では、製品に設定した価格によって注文数がどのように変化し、最終的に売上にどのように影響するのかといった予測をしたい。このような価格、注文数、売上といった因果関係の連鎖が伝播して変化するような現象のモデル化では、因果関係の構造をそのままモデル化できることが望ましい。
従来より、因果関係の構造を用いて社会現象などの挙動をシミュレーションする方法としてMITのフォレスタによって創案されたシステムダイナミクス(例えば非特許文献1参照)が知られている。
システムダイナミクスのシミュレーション言語としてDYNAMOが知られている。単位時間当たりにモノの流れた量を表すレート変数と、流れの蓄積量を表すレベル変数を利用し、それらの変数に方程式を設定することでシミュレーションプログラムを構築していく。原因と結果の関係を、レート変数とレベル変数の関係に見立てることで因果関係を表現することができる。
小林秀徳著:「政策研究の動学的展開」、 白桃書房、2002
シミュレーションのモデル化において、従来、人間が理解しやすい因果関係の構造を従来のシミュレーション言語に翻訳しながら方程式を設定していた。そのためシミュレーションプログラムの開発に時間を要していた。また、シミュレーションプログラムは、可読性が悪いため、再利用や改造が難しかった。
上記課題を解決するために、本発明のシミュレーションモデル定義システムは、
現象や目標の具体的項目をノードとして書きだし、各ノードにアークをつなぐことで因果関係を作成し、前記ノードに程度の量を定量的に表すメトリクスを設定することで因果関係図を記述する因果関係図定義手段と、
前記ノード毎にノード名称や描画座標を記憶するノードテーブルと、
前記アーク毎につながっているノード情報を記憶するアークテーブルと、
前記因果関係図の因果関係の構造を継承したシミュレーション基本モデルに、前記メトリクスの計算に必要な変数を追加し、前記メトリクスと前記変数にリンクを張ることで情報の流れの向きを明記し、メトリクスと変数に計算式を設定することでシミュレーションモデルを定義するシミュレーションモデル定義手段と、
前記メトリクスや変数毎に変数名、変数タイプ、設定する計算式を識別する計算モデル、計算式の情報を記憶する変数テーブルと、
前記リンク毎につながっている変数情報を記憶するリンクテーブルと、
各テーブルのデータを記憶し、一元管理するデータベースと、
前記データベースに登録されたデータを元にシミュレーションプログラムを自動生成するシミュレーションプログラム生成手段と
を構成要素とすることを特徴とするシミュレーションモデル定義システムを提供する。
本発明によれば、人間が理解しやすい因果関係の構造に基づいてシミュレーションモデルを定義することができるのでシミュレーションプログラム開発期間を大幅に短縮することができる。また、システムダイナミクスの知識を持たない非専門家でもシミュレーションモデルを作成し、シミュレーションすることができる。
以下、本発明のシミュレーションモデル定義システムの一実施形態について図面を用いて説明する。本実施例では、商品の盗難で困っている店舗が、商品タグ
管理システムや、店内監視システムを導入すると、盗難件数にどのように影響するのかのシミュレーションをすることを想定し、最終的にシミュレーションプログラムを自動生成するまでの過程を述べる。なお、本実施形態では、DYNAMOのシミュレーションプログラムを自動生成する例であるが、必ずしもDYNAMOに特化しなくてもよい。
まず、本発明のシミュレーションモデル定義システムの全体構成を説明する。
図1は、本発明のシミュレーションモデル定義システムを実現する情報処理システムの一実施形態を示すブロック図である。
図1に示すように、シミュレーションモデル定義システム1は、商品の盗難で困っている店舗をシステムとしてとらえ、その構成要素を現象、事象、目標といったような概念の具体的項目をノードとして書き出し、ノード同士をアークでつなぐことで因果関係を作成し、各ノードに状態を定量的に表現するためのメトリクスを設定する因果関係図定義手段11と、因果関係図の構造を継承し、メトリクスの計算に必要な変数の追加と計算式を設定するシミュレーションモデル定義手段12と、定義したシミュレーションモデルからシミュレーションプログラムを自動生成するシミュレーションプログラム生成手段13と、各手段の実行結果を記憶するテータベース2を有している。シミュレータ4は、シミュレーションプログラムを実行する。
次に、シミュレーションモデル定義システム1のハードウェア構成について説明する。
図2は、シミュレーションモデル定義システム1の一実施形態におけるハードウェア構成を示したものである。シミュレーションモデル定義システム1は、シミュレーションモデル定義システムのサーバ3に示す電子計算機にて稼動する。シミュレーションモデル定義システム1のサーバ3は、CPU31、メモリ32、通信制御部33、補助記憶装置20を有している。
図1で説明した各手段は、シミュレーションモデル定義システムのプログラムとして補助記憶装置20に格納され、必要に応じてメモリ32に読み出され、CPU31によって処理される。
同様に、図1で説明したデータベース2は、例えば、リレーショナルデータベースやファイルとして補助記憶装置20に格納され、必要に応じてメモリ32にデータが読み出され、プログラムにて利用される。
また、シミュレーションモデル定義システムのプログラムのサーバ3で必要なデータをシミュレーションモデル定義システムのプログラムのクライアント6に示す電子計算機にて作成し、ネットワーク5を経由して補助記憶装置20に登録することができる。なお、シミュレーションモデル定義システムのクライアント6とネットワーク5を利用しない、シミュレーションモデル定義システムのサーバ3単体の構成でも良い。
図3は、図1で説明したシミュレーションモデル定義システム1の各手段とデータベース2とのやり取りを時系列的に示した図である。また、図4から図26は、図3で記した各手段での入出力データや画面、各種アルゴリズムを表した図である。以下、図3及び図4から図26までの図を用いて説明する。
初めに、シミュレーションプログラム生成に必要なデータをデータベース2に登録するまでの図3のAに記した因果関係図定義手段11とシミュレーションモデル定義手段12のシーケンスついて説明する。
因果関係図定義手段11は、現象や事象などの項目をノードとして書き出し、ノード同士をアークで結び因果関係を作り、各ノードにメトリクスを設定することで因果関係図を記述する機能である。図4は、因果関係図定義手段11の画面のイメージ図である。図中のキャンバス112は、因果関係図を定義する領域である。画面左側には、ノード1111とアーク1112のオブジェクトが配置されたパレット111がある。これらのオブジェクトをマウスにてキャンバス112へドラッグ&ドロップすることで、因果関係図を記述していく。例えば、図中のAに記したような「客の盗難を減らす」ノードを作成する場合は、パレット111上のノードオブジェクトをAの位置へドラッグ&ドロップする。ドラッグ&ドロップされると、ノード設定画面が表示される。図5は、ノード設定画面のイメージ図である。ノード名称とメトリクスの項目に、「客の盗難を減らす」と「盗難件数」を設定することで、図4のAに記した図が描画される。
このようなことを繰り返し、ノード1111間の因果関係をアーク1112で結ぶことで、因果関係図を作成していく。
図6は、作成した因果関係図の一例である。ここで、あるアーク1112に対して、矢印が向いている方に接しているノード1111を結果ノード、逆側に接しているノード1111を原因ノードと呼ぶ。
また、ノードをマウスでダブルクリックすると、そのノードに対応するノード設定画面が表示される。これにより、一度設定したノードやメトリクスの名称を変更することができる。
登録ボタン115を押下すると、現在まで作成してきたデータをデータベース2に保存することができる。図7は、登録ボタン115が押下されたときに表示される登録確認画面のイメージ図である。モデル名を入力しOKボタンを押下することで、システムは、作成してきたデータを、図8と図9に示すテーブルに格納する。
図8は、因果関係図のノード情報を格納するノードテーブル201のイメージ図である。テーブルのフィールドとしては、登録時のモデル名、ノード名称、ノードの描画時の座標、幅、高さからなる。
図9は、ノード間をつないだアーク情報を格納するアークテーブル202のイメージ図である。テーブルのフィールドとしては、アークを一意に識別するアークID、原因ノード名称、結果ノード名称からなる。ここで、例えば、アークIDが「1」のレコードは、図6の因果関係図において、「盗難を思いとどまらせる」ノードから「客の盗難を減らす」ノードに向かうアークに対応する。
次に、図3におけるシミュレーションモデル定義手段12について説明する。シミュレーションモデル定義手段12は、因果関係図定義手段11で記述した因果関係図の構造を継承したモデルに対し、メトリクスの計算に必要な変数を追加し、それらに対して計算式を設定する機能である。
図10は、シミュレーションモデル定義手段12の画面のイメージ図である。キャンバス119は、シミュレーションモデルを記述する領域である。この領域は、因果関係図定義手段11で記述したノード1111とアーク1111の因果関係と、ノード1111に設定したメトリクス1113の項目が、デフォルトで描画される。
画面左には、メトリクス1113の計算に必要な変数を追加するためのパレット118がある。パレット118には、単位時間当たりにモノや情報などが流れた量を表すレイト変数1182、流れの蓄積量を表すレベル変数1181、定数1183、補助変数1184といったタイプの変数オブジェクトと、情報の流れの向きを表すリンク1185オブジェクトがある。これらのオブジェクトをマウスにてキャンバス119へドラッグ&ドロップすることで、メトリクスの計算に必要な変数を追加していく。例えば、図中のAに記したような「盗難率」定数1183を追加する場合は、パレット118上の定数1183をAの位置へドラッグ&ドロップする。ドラッグ&ドロップされると、計算モデル定義画面が表示される。
図11は、計算モデル定義画面のイメージ図である。本画面には、変数名、当該変数のタイプ(レベル変数1181、レイト変数1182、定数1183、補助変数1184、メトリクス1113)、当該変数の計算方法を決める計算モデル、当該変数の具体的な計算式を設定する定義内容、原因変数一覧の項目がある。
計算モデルの「計算式」とは、当該変数に計算式か数値を設定する場合に用いる。この際の計算式や数値は、定義内容の項目に設定する。例えば、盗難率の値を「1.0」としたい場合は、図示のように変数名の項目に「盗難率」、定義内容の項目に「1.0」と設定することで、図10のAに記した「盗難率」定数1183が描画される。また、例えば、「盗難件数」メトリクス1113を計算するために、「盗難率」定数1183が必要な場合は、「盗難率」から「盗難件数」に向かう矢印のリンク1185を張る。ここで、リンク1185に対して、矢印が向いている方に接している変数を結果変数、逆側に接している変数を原因変数と呼ぶ。
図10において、登録ボタン115が押下された際、定義されたシミュレーションモデルの情報は、図12と図13に示すテーブルに格納する。
図12は、シミュレーションモデルの変数情報を格納する変数テーブル203のイメージ図である。テーブルのフィールドとしては、登録時のモデル名、変数名、変数タイプ、描画位置の座標、幅、高さ、当該変数を所有しているノード名称、計算モデル、定義内容からなる。例えば、図10における「盗難率」定数1183に関するデータは、Aに記したレコードに対応する。
図13は、変数間に張られたリンク情報を格納するリンクテーブル204のイメージ図である。テーブルのフィールドとしては、登録時のモデル名、リンクを一意に識別するリンクID、原因変数名、結果変数名からなる。例えば、図10における「盗難率」定数1183から「盗難件数」メトリクス1113に張られたリンクに対応するデータは、リンクIDフィールドが「3」のレコードに対応する。
図14は、図10に記したシミュレーションモデルに「来客数」定数1183や「累積盗難件数」レイト変数1181、「レイト1」レイト変数1182や各種リンク1185を追加した例である。なお、各変数のオブジェクトをダブルクリックすることで、それに対応した計算モデル定義画面が表示される。
図15は、「盗難件数」メトリクス1113を例とした計算モデル定義画面である。当該メトリクスに向かってリンクが張られた原因変数「盗難抑止率」、「来客数」、「盗難率」は、原因変数一覧の項目に表示される。なお、定義内容の項目において、原意変数一覧の項目にある変数が計算式に全て盛り込まれていない場合は、エラーとなる。また、原因変数一覧の項目に含まれていない変数が計算式に盛り込まれていてもエラーとなる。
次に、計算式や数値として定義することが難しいが、傾向として定義できる場合に用いるグラフ関数の計算モデルについて図16を用いて説明する。
図16は、「盗難抑止率」メトリクス1113を例とした計算モデル定義画面のイメージ図である。本画面には、入力変数x(カメラ台数)と出力変数y(盗難抑止率)の関係をプロットしてグラフを記述するグラフ領域と、プロットの座標値として設定できる表がある。x軸のリストには、原因変数の一覧が表示されるので、そこから適する変数を選択し、各xの値に対する各yの値を設定していく。ここで、各xの刻み幅は、ステップの値に従う。また、定義域の設定では下限と上限の項目を、値域の設定ではY下限とY上限の項目に数値を入力することで規定する。ここで、各xに対して設定した各yの値をデータベースに登録する際の形式について、図12のBに記したレコードを用いて説明する。画面で設定した値は、全て定義内容のフィールドに登録する。なお、登録形式は、x軸の変数、定義域の下限、定義域の上限、x軸の刻み幅のステップ、各プロットのY座標の値からなる項目をカンマ区切りで、Y座標の値はスラッシュ区切りである。
ここで各変数に設定された計算モデルが計算式かグラフ関数かをシミュレーションモデル定義画面でも区別できるように、グラフ関数として登録された変数を囲む線を太い線で描画する。
シミュレーションモデル定義画面におけるレベル変数1181とレイト変数1182は、直列につなぐことができる。図17は直列につないだ例である。直列につないだ構造の情報は、図13のリンクテーブル204のモデル名フィールドが「モデル2」のレコードのように登録される。
シミュレーションモデル定義画面と因果関係図定義画面は、定義内容113の「シミュレーションモデル」と「因果関係図」の項目を選択することで自由に切り替えることができる。
また、開くボタン114を押下することで、過去に登録したシミュレーションモデルを読み出すことができる。開くボタン114が押下されると図18に示すような読み出し画面が表示されるので、モデル名のリストから読み出したいモデルを選択し、OKボタンを押下することで行う。なお、モデル名のリストは、ノードテーブル201のモデル名フィールドの重複レコードを集約した結果を表示する。
続いて、図3におけるシミュレーションプログラム生成手段13について説明する。シミュレーションプログラム生成手段13は、データベース2に登録されたデータに基づいてシミュレーションプログラムを自動生成する機能である。
シミュレーションプログラムを生成するための処理手順を図19のフローチャートに従って説明する。
始めに、シミュレーションモデル名、シミュレーション期間、単位期間を表すタイムバケットを得た後、それらをパラメータとしてプログラムテンプレート31に設定し、シミュレーション期間設定用の方程式を生成する(ステップ1、2)。図20は、プログラムテンプレート31のイメージ図である。例えば、シミュレーション期間とタイムバケットのパラメータに「30」と「1」を設定すると、出力の欄に示す方程式を生成する。
次に、図12で示したモデル名、変数名、変数タイプ、計算モデル、定義内容などのフィールドを有する変数テーブル203からモデル名フィールドがステップ1で得たシミュレーションモデル名と一致するレコードを得る(ステップ3)。得たレコードの変数タイプフィールドが、レベル変数だった場合、図13に示したリンクテーブル204から原因変数名が当該変数名と一致するレコードを抽出し、対応する結果変数名を得る(ステップ4、5)。同様に、図13に示したリンクテーブル204から結果変数名が当該変数名と一致するレコードを抽出し、対応する原因変数名を得る(ステップ6)。以上のステップを通して得た原因変数名、結果変数名、定義内容及び、当該変数名をパラメータとしてプログラムテンプレート132に設定し、レベル方程式をシミュレーションプログラム40に追記する。プログラムテンプレート132のイメージ図を図21に示す。このテンプレートは、変数の初期値を設定する方程式(1行目)と、次のシミュレーションタイムステップの値を計算するレベル方程式(2行目)とからなるシミュレーションプログラムの雛形である。このテンプレートを用いて例えば、図17に記した「L1」を初期値「0」としてレベル方程式を生成する場合、当該変数名、定義内容、原因変数名、結果変数名のパラメータ値が、図21の入力欄に示したように「L1」、「0」、「R1」、「R2」となり、出力の欄に記したようなプログラムを自動生成する。
ステップ4において変数タイプがレベル変数ではなかった場合、計算モデルの値が「計算式」と一致するか否かをチェックする(ステップ8)。一致する場合、当該変数名、定義内容、当該変数の変数タイプからなるパラメータをプログラムテンプレート133に設定し、計算式用の方程式をシミュレーションプログラム40に追記する(ステップ9)。プログラムテンプレート133のイメージ図を図22に示す。このテンプレートは、定義内容のパラメータとして設定された計算式もしくは数値をシミュレーションプログラムに変換する雛形である。例えば、当該変数名、定義内容、変数タイプのパラメータ値が、「R1」、「3」、「レイト変数」だった場合、当該変数名と定義内容の値をプログラムテンプレート133に設定する。また、方程式タイプと添え字のパラメータ値は、図23の変数タイプ対応テーブルから変数タイプが一致するレコードの方程式タイプと添え字の値を得る。変換タイプが「レイト変数」となる本例では、方程式タイプと添え字の値は、「R」と「.KL」となる。そして、図22の出力の欄に示すシミュレーションプログラムを生成する。
ステップ8において、計算モデルが「計算式」と一致しない場合、即ち、「グラフ関数」であった場合、図12に示した変数テーブル203のBに記したレコードのように、まず、定義内容の値を「x軸の変数」、「定義域下限」、「定義域上限」、x軸の刻み幅を表す「ステップ」、「各Y座標の値」からなるパラメータとしてデコードする(ステップ10)。そして、これらのパラメータと当該変数名をプログラムテンプレート134に設定し、グラフ関数用の方程式を追記する(ステップ11)。プログラムテンプレート134のイメージ図を図24に示す。このプログラムテンプレート134は、入力xに対して出力yを計算式で表現することが難しい場合に、各xの値に対して各yの値を直接設定することでxとyの関係を定義するプログラムの雛形である。xとyの関係定義では、DYNAMOの組み込み関数であるTABLE関数を用いることで実現する。例えば、図示の入力欄のようなパラメータ値の場合は、出力欄に示すプログラムを生成する。
最後のステップ12では、ステップ3の条件に合致するデータに次のレコードがあれば、ステップ3の処理に戻り、次レコードが無い場合は、終了する。
以上の処理手順に従うことで、シミュレーションプログラムを自動生成することができる。
次に、自動生成したシミュレーションプログラムの例について説明する。
自動生成対象のシミュレーションモデルを図14に示した構造で、各変数に設定した内容が、図12の変数テーブル203と図13のリンクテーブル204の「モデル1」のレコードのように登録されているものとする。これに対応するシミュレーションプログラム40の例を図25に示す。
また、自動生成対象のシミュレーションモデルを図17に示した構造で、各変数に設定した内容が、図12の変数テーブル203と図13のリンクテーブル204の「モデル2」のレコードのように登録されているものとする。これに対応するシミュレーションプログラム40の例を図26に示す。
最後に、シミュレーションモデル定義画面のシミュレーションボタン117を押下すると、図3のシミュレーションプログラム生成手段13によって自動生成したシミュレーションプログラム40をシミュレータ4が実行し、シミュレーション結果を出力する。
本実施形態においては、以上説明したように、因果関係の構造を定義し、これを継承したシミュレーションモデルにメトリクスの計算に必要な変数とそれらの計算式を定義することによってシミュレーションプログラムを自動生成することで、シミュレーションすることができる。
これにより、人間が理解しやすい因果関係の構造に基づいてシミュレーションモデルを定義することができるのでシミュレーションプログラム開発期間を大幅に短縮することができる。また、システムダイナミクスの知識を持たない非専門家でもシミュレーションモデルを作成し、シミュレーションすることができる。
本発明のシミュレーションモデル定義システムを実現する情報処理システムの一実施形態を示すブロック図である。 シミュレーションモデル定義システムの一実施形態におけるハードウェア構成を示したものである。 シミュレーションモデル定義システムの各手段、データベース、シミュレータとのやり取りを時系列的に示した図である。 因果関係図定義手段の画面のイメージ図である。 ノード設定画面の画面のイメージ図である。 因果関係図定義手段の画面での入力イメージ図である。 登録確認画面のイメージ図である。 ノードテーブルのイメージ図である。 アークテーブルのイメージ図である。 シミュレーションモデル定義手段の画面のイメージ図である。 計算モデルが計算式の場合に関する計算モデル定義画面のイメージ図である。 変数テーブルのイメージ図である。 リンクテーブルのイメージ図である。 シミュレーションモデル定義画面での入力イメージ図である。 計算モデルが計算式の場合に関する計算モデル定義画面の入力イメージ図である。 計算モデルがグラフ関数の場合に関する計算モデル定義画面のイメージ図である。 レベル変数とレイト変数を直列につないだ場合のイメージ図である シミュレーションモデルの読み出し画面のイメージ図である。 シミュレーションプログラム生成フローチャート図である。 シミュレーションテンプレート131のイメージ図である。 シミュレーションテンプレート132のイメージ図である。 シミュレーションテンプレート133のイメージ図である。 変数タイプの対応テーブルのイメージ図である。 シミュレーションテンプレート134のイメージ図である。 自動生成したシミュレーションプログラムの一例である。 自動生成したシミュレーションプログラムの一例である。
符号の説明
1…シミュレーションモデル定義システム、 2…データベース、 3…シミュレーションモデル定義システムのサーバ、 4…シミュレータ、 5…ネットワーク、 6…シミュレーションモデル定義システムのクライアント、
11…因果関係図定義手段、 12…シミュレーションモデル定義手段、
13…シミュレーションプログラム生成手段、 20…補助記憶装置、
31…CPU、 32…メモリ、 33…通信制御部、 111…パレット、 112…キャンバス、 113…定義内容、 114…開くボタン、
115…登録ボタン、 116…シミュレーションプログラム生成ボタン、
117…シミュレーションボタン、 118…パレット、 119…キャンバス、
131…シミュレーション期間設定用プログラムテンプレート、 132…レベル方程式用プログラムテンプレート、 133…計算式用プログラムテンプレート、 134…グラフ関数用プログラムテンプレート、 201…ノードテーブル、 202…アークテーブル、 203…変数テーブル、 204…リンクテーブル、 1111…ノード、 1112…アーク、 1181…レベル変数、
1182…レイト変数、 1183…定数、 1184…補助変数、
1185…リンク。

Claims (1)

  1. 経済や社会をシステムとしてとらえ、その構成要素間の関係を因果関係で表して挙動をシミュレーションするシミュレータのシミュレーションプログラムを自動生成するシミュレーションモデル定義システムであって、
    前記シミュレーションモデル定義システムは、
    前記構成要素を現象、事象、目標といったような概念の具体的項目をノードとして書きだし、各ノードにアークをつなぐことで因果関係を作成し、前記ノードに程度の量を定量的に表すメトリクスを設定することで因果関係図を記述する因果関係図定義手段と、
    前記ノード毎にノード名称や描画座標を記憶するノードテーブルと、
    前記アーク毎につながっているノード情報を記憶するアークテーブルと、
    前記因果関係図の因果関係の構造を継承したシミュレーション基本モデルに、前記メトリクスの計算に必要な変数を追加し、前記メトリクスと前記変数にリンクを張ることで情報の流れの向きを明記し、メトリクスと変数に計算式を設定することでシミュレーションモデルを定義するシミュレーションモデル定義手段と、
    前記メトリクスや変数毎に変数名、変数タイプ、設定する計算式を識別する計算モデル、計算式の情報を記憶する変数テーブルと、
    前記リンク毎につながっている変数情報を記憶するリンクテーブルと、
    各テーブルのデータを記憶し、一元管理するデータベースと、
    前記データベースに登録されたデータを元にシミュレーションプログラムを自動生成するシミュレーションプログラム生成手段と、
    を構成要素とし、
    前記シミュレーションプログラム生成手段では、
    予め「データ蓄積用」、「計算式用」及び「グラフ関数用」からなる3種類のパターンのプログラムテンプレートを準備し、
    前記変数テーブルの変数タイプが、データ蓄積用のレベル変数だった場合に、当該変数の計算式には、データ蓄積用のプログラムテンプレートを適用し、
    前記変数テーブルの変数タイプが、データ蓄積用のレベル変数ではなく、かつ、計算式モデルが「計算式用」であった場合に、当該変数の計算式には、計算式用のプログラムテンプレートを適用し、
    前記変数テーブルの変数タイプが、データ蓄積用のレベル変数ではなく、かつ、計算式モデルが「グラフ関数用」であった場合に、当該変数の計算式には、グラフ関数用のプログラムテンプレートを適用することで、
    シミュレーションプログラムを作成することを特徴とするシミュレーションモデル定義
    システム。
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