JP4892911B2 - 交通渋滞計測システムおよび交通渋滞計測方法 - Google Patents

交通渋滞計測システムおよび交通渋滞計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、交通渋滞計測システムに関し、特に、道路上の不連続な複数の計測領域の計測結果を利用して、当該道路上の渋滞領域を決定する、交通渋滞計測システムおよび交通渋滞計測方法に関する。
従来から、道路を撮影した映像を解析することにより、道路の渋滞状況を計測する技術が種々開示されている。
たとえば、特許文献1では、複数の撮影装置のそれぞれに、異なる区間の道路の画像を撮影させ、各画像を解析することにより、各区間について、交通流の渋滞状況(通常の態様で交通が流れているのか、渋滞しているのか、または、停滞しているのか)を判定する技術が開示されている。
また、比較的広い範囲についての渋滞状況を判定するための技術として、特許文献2では、1つのカメラで所定の区間(150m)の道路の画像を撮影し、当該画像を解析することにより、道路上の渋滞長を計測する技術が開示されている。
特開2002−288786号公報 国際公開WO97/25700号パンフレット
特許文献2に記載の技術では、1台のカメラで、150mという比較的長い区間を連続的に撮影することにより、道路の渋滞長の計測が行なわれている。
このような方法によると、車両同士の重なりの影響を軽減するために、カメラを10mという高さに設置する必要があるため、設置や保守(レンズ清掃等)に煩雑な作業が必要とされた。10mの高さへのカメラの設置や、そのような高さに設置されたカメラの保守には、特別なバケット車が必要とされる等の理由からである。
本発明は上述した実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、比較的広い範囲における渋滞状況を判定可能であり、かつ、設置や保守の容易な、交通渋滞計測システムおよび交通渋滞計測方法を提供することである。
本発明の或る局面に従った交通渋滞計測システムは、道路上の第1の領域および第2の領域を含む判定領域における渋滞領域を検出する交通渋滞計測システムであって、前記第1の領域における渋滞領域を決定する第1の決定部と、前記第2の領域における渋滞領域を決定する第2の決定部と、前記第1の領域における渋滞領域と前記第2の領域における渋滞領域に基づいて、前記判定領域における渋滞領域を決定する第3の決定部とを含み、前記第2の領域は、前記第1の領域と、第3の領域を挟んで隣接し、かつ、車両の進行方向について前記第1の領域よりも上流側に位置し、前記第1の決定部が前記第2の領域と対向する側の端部を含むように前記第1の領域における渋滞領域を決定し、かつ、前記第2の決定部が前記第1の領域と対向する側の端部を含まないように前記第2の領域における渋滞領域を決定した場合には、前記第3の決定部は、前記第1の決定部が決定した渋滞領域またはそれに前記第3の領域の中の車両の進行方向についての所定の長さの領域を接続させた領域を前記判定領域における渋滞領域に決定することを特徴とする。
また、本発明に従った交通渋滞計測システムでは、前記所定の長さは、直前に前記第1の決定部が決定した前記第1の領域における渋滞領域の前記第2の領域側の端部の位置と、前記第1の決定部が決定した前記第1の領域における前記第2の領域側の端部の単位時間当たりの変化量に基づいて決定される長さであることが好ましい。
また、本発明に従った交通渋滞計測システムでは、前記第3の決定部は、前記第2の領域の前記第1の領域側の端部を通過した車両が前記第1の領域における渋滞領域の第2の領域と対向する側の端部に到達すると考えられるタイミングで、前記第1の決定部が決定した渋滞領域に前記所定の長さの領域を接続させた領域を前記判定領域における渋滞領域に決定し、前記所定の長さは、前記車両の長さであることが好ましい。
また、本発明に従った交通渋滞計測システムでは、前記タイミングは、前記第2の領域の前記第1の領域側の端部を通過した車両の速度を計測することによって求められることが好ましい。
また、本発明に従った交通渋滞計測システムでは、前記タイミングは、前記第2の領域の前記第1の領域側の端部を通過した車両の速度に対して予め定められた値を利用することによって決定されることが好ましい。
発明の他の局面に従った交通渋滞計測システムは、道路上の第1の領域および第2の領域を含む判定領域における渋滞領域を検出する交通渋滞計測システムであって、前記第1の領域における渋滞領域を決定する第1の決定部と、前記第2の領域における渋滞領域を決定する第2の決定部と、前記第1の領域における渋滞領域と前記第2の領域における渋滞領域に基づいて、前記判定領域における渋滞領域を決定する第3の決定部とを含み、前記第2の領域は、前記第1の領域と、第3の領域を挟んで隣接し、かつ、車両の進行方向について前記第1の領域よりも上流側に位置し、前記第3の決定部は、前記第2の決定部が前記第1の領域と対向する側の端部を含むように前記第2の領域における渋滞領域を決定し、かつ、前記第1の決定部が前記第2の領域と対向する側の端部を含まないように前記第1の領域における渋滞領域を決定した場合には、前記第2の決定部が決定した渋滞領域またはそれに前記第3の領域の中の車両の進行方向についての所定の長さの領域を接続させた領域を前記判定領域における渋滞領域に決定することを特徴とする。
また、本発明に従った交通渋滞計測システムでは、前記所定の長さは、直前に前記第2の決定部が決定した前記第2の領域における渋滞領域の前記第1の領域側の端部の位置と、前記第2の決定部が決定した前記第2の領域における前記第1の領域側の端部の単位時間当たりの変化量に基づいて決定される長さであることが好ましい。
また、本発明に従った交通渋滞計測システムでは、前記所定の長さは、前記第3の領域の車両の進行方向についての長さから、前記第1の領域の前記第2の領域と対向する側の端部を通過した車両の長さを差し引いた長さであることが好ましい。
また、本発明に従った交通渋滞計測システムでは、前記所定の長さは、予め定められた長さであることが好ましい。
本発明のさらに他の局面に従った交通渋滞計測方法は、道路上の第1の領域および第2の領域を含む判定領域における渋滞領域を検出する交通渋滞計測方法であって、前記第1の領域における渋滞領域を決定するステップと、前記第2の領域における渋滞領域を決定するステップと、前記第1の領域における渋滞領域と前記第2の領域における渋滞領域に基づいて、前記判定領域における渋滞領域を決定するステップとを含み、前記第2の領域は、前記第1の領域と、第3の領域を挟んで隣接し、かつ、車両の進行方向について前記第1の領域よりも上流側に位置し、前記第1の領域における渋滞領域が前記第2の領域と対向する側の端部を含むように決定され、かつ、前記第2の領域における渋滞領域が前記第1の領域と対向する側の端部を含まないように決定された場合には、前記第1の領域における渋滞領域またはそれに前記第3の領域の中の車両の進行方向についての所定の長さの領域を接続させた領域を、前記判定領域における渋滞領域に決定することを特徴とする。
本発明の別の局面に従った交通渋滞計測方法は、道路上の第1の領域および第2の領域を含む判定領域における渋滞領域を検出する交通渋滞計測方法であって、前記第1の領域における渋滞領域を決定するステップと、前記第2の領域における渋滞領域を決定するステップと、前記第1の領域における渋滞領域と前記第2の領域における渋滞領域に基づいて、前記判定領域における渋滞領域を決定するステップとを含み、前記第2の領域は、前記第1の領域と、第3の領域を挟んで隣接し、かつ、車両の進行方向について前記第1の領域よりも上流側に位置し、前記第2の領域における渋滞領域が前記第1の領域と対向する側の端部を含むように決定され、かつ、前記第1の領域における渋滞領域が前記第2の領域と対向する側の端部を含まないように決定された場合には、前記第2の領域における渋滞領域またはそれに前記第3の領域の中の車両の進行方向についての所定の長さの領域を接続させた領域を前記判定領域における渋滞領域に決定することを特徴とする。
本発明によると、第1の領域と第2の領域における渋滞領域を検出することによって、これらの領域およびこれらの領域に挟まれる領域を含む判定領域についての渋滞領域を検出できる。
これにより、判定領域全体を1つのカメラで撮影することによって渋滞領域を検出する場合に比べ、第1の領域および第2の領域をそれぞれが別のカメラで撮影することができ、このことから、判定領域全体の渋滞領域を決定する場合に、1つのカメラで撮影する範囲を狭くすることができる。つまり、比較的広い範囲における渋滞状況を判定でき、かつ、カメラの設置および保守を容易にできる。
また、本発明によれば、第1の領域と第2の領域において決定された渋滞領域に基づいて、容易に、これらの領域以外の領域も含む判定領域についての渋滞領域を検出できる。
また、本発明によれば、判定領域についての渋滞領域の検出の結果を、第1の領域において決定された渋滞領域の結果および第2の領域において決定された渋滞領域の結果に忠実なものとすることができる。
また、本発明によれば、第3の決定部によって、第3の領域を挟んだ、つまり、離れて位置する2つの領域において決定された渋滞領域に基づいて、これらの2つの領域を含む判定領域における渋滞領域を決定できる。
また、本発明によれば、直接的に渋滞領域の決定を行なった結果に基づいて、直接的には渋滞領域の決定を行なわない領域に対しても、渋滞の有無を推定し、その推定の結果を判定領域についての渋滞領域の検出の結果に反映できる。
また、本発明によれば、より容易に渋滞領域の決定を行なうことができる。
また、本発明によれば、直接的に渋滞領域の決定を行なった結果に基づいて、直接的には渋滞領域の決定を行なわない領域に対しても、渋滞の有無を予測し、その予測の結果を判定領域についての渋滞領域の検出の結果に反映できる。
また、本発明によれば、直接的に車両の通過を検出した結果に基づいて、直接的には渋滞領域の決定を行なわない領域に対しても、渋滞の態様を予測し、その予測の結果を判定領域についての渋滞領域の検出の結果に反映できる。
また、本発明によれば、車両の通過の検出に基づいた渋滞態様の予測を、より正確なものとすることができる。
また、本発明によれば、車両の速度に対して予め定められた値が利用されることによって、渋滞領域の検出のための処理をより容易なものとすることができる。
また、本発明によれば、直接的に渋滞領域の決定を行なった結果に基づいて、直接的には渋滞領域の決定を行なわない領域に対しても、渋滞の有無を推定し、その推定の結果を判定領域についての渋滞領域の検出の結果に反映できる。
また、本発明によれば、所定の長さに対して予め定められた値が利用されることによって、渋滞領域の検出のための処理をより容易なものとすることができる。
また、本発明によれば、直接的に車両の通過を検出した結果に基づいて、直接的には渋滞領域の決定を行なわない領域に対しても、渋滞の態様を予測し、その予測の結果を判定領域についての渋滞領域の検出の結果に反映できる。
また、本発明によれば、直接的に検出した車両の長さに基づいて、直接的には渋滞領域の決定を行なわない領域に対しても、渋滞の態様を予測し、その予測の結果を判定領域についての渋滞領域の検出の結果に反映できる。
また、本発明によれば、直接的に車両の通過を検出した結果に基づいて、直接的には渋滞領域の決定を行なわない第3の領域の全域に対しても、渋滞の態様を予測し、その予測の結果を判定領域についての渋滞領域の検出の結果に反映できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の交通渋滞計測システムの一実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態の交通渋滞計測システムのブロック構成を示す図である。
図1を参照して、本実施の形態の交通渋滞計測システムは、道路上の第1の領域(後述する撮影領域1A)と第1の領域とは異なる第2の領域(後述する撮影領域2A)の画像に基づいて、第1の領域、第2の領域、および、第1の領域と第2の領域の間にある領域(領域3A)を合わせた領域、つまり、判定領域3Xについての渋滞状況を判定する。
なお、本実施の形態では、交通渋滞計測システムは、道路の交差点ISの直前に設定された停止線Lから判定領域3Xまでの領域である判定領域3Yにおける、渋滞領域を判定するものとして利用される。
本実施の形態では、第1の領域は、上記した第1の領域が停止線Lから150m離れた地点およびその近傍を含むように設定され、また、第2の領域が停止線Lから300m離れた地点およびその近傍を含むように設定されている。
150mとは、1回の青信号で交差点を通過できる分の車両が一方向に並んで停止している場合の渋滞長である。また、300mとは、2回の青信号で交差点を通過できる分の車両が一方向に並んで停止している場合の渋滞長である。
ただし、交通渋滞計測システムにおいて、第1の領域および第2の領域が、交差点の停止線からどの程度離れた地点に設定される等、どのように設定されるかについては、発明の本質ではない。つまり、第1の領域と第2の領域は、(第3の領域を挟むように)隣り合うように設定されていれば、交差点に対応した場所等に設定される必要はない。
ここで、1回の青信号で150m分の車両が交差点を通過できる理由について説明する。
交差点では、一般に、100秒のサイクルで、信号が点灯する色を変更する制御が実行されている。なお、1回のサイクルでは、100秒間の約半分の50秒間、青信号が点灯している。つまり、交差点では、100秒ごとに、約50秒ずつ、青信号が点灯していると考えられる。
一方、1台の車両が交差点を通過するには約2秒の時間を要すると考えられる。つまり、青信号が1回点灯する期間、つまり、約50秒間では、25台の車両が交差点を通過すると考えられる。また、車両1台が占有する進行方向の長さは、約6mと考えられる。
このことから、赤信号が点灯している際に、交差点の停止線から150m(6m×25台)以内で停止している車両は、次回の青信号で交差点を通過できる車両であると考えられる。なお、ここで言う、1回の青信号で交差点を通過する車両は、1車線ごとに、停止線から150m以内で停止している車両であることを意味する。
さて、本実施の形態の交通渋滞計測システムでは、カメラ1,2の2台のカメラを用いて道路が撮影される。カメラ1の撮影領域は、道路上の撮影領域1Aを含み、カメラ2の撮影領域は、道路上の撮影領域2Aを含む。カメラ1,2は、それぞれ、地上6mの高さで、設置されている。これにより、カメラ1,2の車両の走行方向についての撮影範囲は、90m程度となる。具体的には、カメラ1の撮影領域は、停止線Lから、110mから200mの範囲(撮影領域1A)を含み、カメラ2の撮影領域は、停止線Lから、210mから300mの範囲(撮影領域2A)を含む。なお、本実施の形態では、カメラ1,2は、同じ1本の支柱に設置されている。
図2は、本実施の形態の交通渋滞計測システムの制御ブロック図である。
交通渋滞計測システムは、カメラ1の撮影した画像を処理する第1の画像処理装置10と、カメラ2の撮影した画像を処理する第2の画像処理装置20と、これらの画像処理装置における画像処理の結果を解析する解析装置30とを含む。
第1の画像処理装置10には、当該第1の画像処理装置10に情報を入力するためのキーボード等の入力部16が接続され、そして、当該第1の画像処理装置10の動作を全体的に制御するCPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)15、ROM(Read Only Memory)14、カメラ1の撮影した画像データを入力される画像メモリ12、および、モニタ17にカメラ1の撮影した画像等を表示させるための表示インターフェイス13が備えられている。
第2の画像処理装置20には、当該第2の画像処理装置20に情報を入力するためのキーボード等の入力部26が接続され、そして、当該第2の画像処理装置20の動作を全体的に制御するCPU21、RAM25、ROM24、カメラ2の撮影した画像データを入力される画像メモリ22、および、モニタ27にカメラ2の撮影した画像等を表示させるための表示インターフェイス23が備えられている。
解析装置30には、当該解析装置30の動作を全体的に制御するCPU31、RAM34、ROM33、および、交通渋滞計測システム以外の装置との情報の送受信に利用される通信インターフェイス32とが備えられている。
本実施の形態の交通渋滞計測システムでは、第1の画像処理装置10において撮影領域1Aの中での渋滞領域が決定され、第2の画像処理装置20において撮影領域2Aの中での渋滞領域が決定され、そして、解析装置30において、第1の画像処理装置10と第2の画像処理装置20から出力される渋滞領域に基づいた判定領域3Xの中での渋滞領域が出力される。
また、解析装置30は、判定領域3X中の渋滞領域に基づいて、判定領域3Yについても、渋滞領域を判定し、判定結果を出力する。
第1の画像処理装置10および第2の画像処理装置20では、それぞれ、たとえば、特許文献2に記載されたような渋滞計測方法を利用して、渋滞領域が決定される。このような渋滞領域の決定の際に実行される処理の概略を、図3を参照して説明する。図3は、第1の画像処理装置10において渋滞領域が決定される際にCPU11が実行する処理のフローチャートである。
ステップS1で、CPU11は、カメラ1によって撮影された画像上に複数のサンプル点を設定する。たとえば、図4に示す画像71がカメラ1によって撮影された場合、CPU11は、当該画像71に対して、図4中に「●」で示すようにサンプル点を設定する。なお、CPU11は、このようなサンプル点の設定の際には、カメラ1の路面上の位置から各車線に沿った各サンプル点までの実際の距離と、各車線に沿った各サンプル点間の実際の距離を、車線毎に、RAM15に作成された距離テーブルに記憶しておく。
次に、CPU11は、ステップS2で、時刻t(n)における画像上の、車両が存在していると推測されるサンプル点を、存在サンプル点として検出する。なお、車両が存在していると推測されるサンプル点とは、たとえば、サンプル点の中の、予め撮影されている背景画像中の対応する点との輝度値の差分が所定の値よりも大きい点とすることができる。
次に、CPU11は、ステップS3で、時刻t(n)における画像上の、移動中の車両が存在していると推測されるサンプル点を、移動サンプル点として検出する。なお、移動サンプル点とは、たとえば、時刻t(n)における画像上の各サンプル点について、時刻t(n)から第1の時間だけ前の輝度値との差分を第1の差分値として算出し、時刻t(n)から第2の時間だけ後の輝度値との差分を第2の差分値として算出し、第1の差分値と第2の差分値をそれぞれ2値化し、そして、2つの2値化したデータの積が「1」となったサンプル点とすることができる。
次に、CPU11は、ステップS4で、所定の割合以上の移動サンプル点を含む、互いに隣接する複数のサンプル点から構成される矩形のブロックを、移動ブロックとして検出する。
次に、CPU11は、ステップS5で、移動ブロックから外れた存在サンプル点を、渋滞サンプル点として検出する。
次に、CPU11は、ステップS6で、所定の割合以上の渋滞サンプル点を含む互いに隣接する複数のサンプル点から構成される矩形のブロックを、渋滞ブロックとして検出する。
次に、CPU11は、ステップS7で、渋滞ブロックに基づいて、時刻t(n)における計測領域内の交通渋滞の状況を計測する。具体的には、渋滞ブロックの最も停止線Lに近い位置を渋滞の開始位置とし、渋滞ブロックの最も停止線Lから離れた位置を渋滞の終端位置として、RAM34に出力する。
そして、CPU11は、ステップS8で、nを1加算更新して、ステップS2に処理を戻す。
以上のように、図3を用いて説明した渋滞領域の決定処理では、「n」は、正の整数であり、|t(n+1)−t(n)|は一定である。したがって、上記したステップS2〜ステップS7の各手順は、一定の時間間隔で繰り返される。
ここで、図5に、ステップS7の処理のサブルーチンのフローチャートを示し、図5を参照して、当該処理の内容を詳細に説明する。
時間t(n)における計測領域の交通渋滞の状況を計測する処理では、CPU11は、まずS7aで、車線毎に渋滞ブロックが存在するエリアを渋滞範囲と検出する。各渋滞ブロックエリアには、単独の渋滞ブロック、互いに連結あるいは互いに重なり合う複数の渋滞ブロックが存在する。なお、2車線に跨った渋滞ブロックがあるときは、CPU11は、その渋滞ブロックを、存在する範囲の大きい方の車線に存在するものと判定する。
次に、ステップS7bで、CPU11は、各車線にて検出した渋滞範囲を、前述の距離テーブルを参照して、実際の道路上の距離に変換する。
そして、ステップS7cで、過去の渋滞位置のプロファイルから、急激な渋滞位置の変動をノイズとして除去し、渋滞位置を平滑化する補正処理を行なうことにより、渋滞範囲を補正して、渋滞状況の最終的な計測結果として出力し、リターンする。なお、ステップS7cでは、CPU11は、渋滞ブロックが存在するエリアの中で、最も停止線Lに近い位置を、渋滞の開始位置としてRAM34に送信し、最も停止線Lから離れた位置を、渋滞の後端位置としてRAM34に送信する。
以上のように、第1の画像処理装置10では、撮影領域1Aの画像を入力されることにより、CPU11は、撮影領域1Aの範囲内での車両の渋滞の開始位置および後端位置を決定し、RAM34に送信する。また、CPU11は、撮影領域1Aにおいて渋滞が検出されなかった場合には、その旨の情報をRAM34に送信する。
また、第2の画像処理装置20でも、CPU21は、上記のCPU11と同様に、カメラ2の撮影した撮影領域2Aの画像を入力されることにより、撮影領域2Aの範囲内での車両の渋滞の開始位置および後端位置を決定し、RAM34に送信する。また、CPU21は、撮影領域2Aにおいて渋滞が検出されなかった場合には、その旨の情報をRAM34に送信する。
なお、CPU11およびCPU21は、特開平05−307695号公報に開示されるように、上記した各サンプル点の輝度情報に基づく空間微分処理を行ない、微分信号を所定のしきい値により二値化し、二値化して得られた二値化画像に対して、車幅と同程度の幅を持つマスクを掛け、そして、マスク内のエッジを構成する信号の数が基準の数よりも多い場合に、そのマスク内のエッジを構成する信号の分布から車頭候補点を捜し出し、これらの車頭候補点相互の位置関係から、車頭の位置を決定することができる。
また、CPU11およびCPU21は、利用するマスクの、車両の進行方向についての長さを変更することによって、撮影領域1Aおよび2A内に存在する車両の車種(車長)を決定することができる。そして、CPU11およびCPU21は、決定した車種をRAM34に送信する。
さらに、CPU11およびCPU21は、車頭の位置の単位時間あたりの移動距離を検出することにより、車両の速度を検出することができる。そして、CPU11およびCPU21は、検出した車両の速度についての情報をRAM34に送信する。
CPU31は、RAM34に送信された情報に基づいて、道路における、渋滞領域(渋滞が発生している領域)を決定し、そして、通信インターフェイス32を介して、決定したこれらの値を外部の装置へと送信する。
ここで、解析装置30のCPU31がどのように渋滞領域を決定するかについて、図6〜図17を参照し、撮影領域1Aおよび撮影領域2Aにおける渋滞の検出態様に基づいて場合分けをして説明する。なお、図6〜図17は、道路における実際の渋滞の状況を模式的に示す図である。また、図6〜図17の各図では、ハッチングを施した領域は、車両の渋滞が発生している領域を示している。
1) 撮影領域1Aおよび撮影領域2Aにおいて渋滞が検出されなかった場合
RAM34に、撮影領域1Aおよび撮影領域2Aの双方で渋滞が検出されなかった情報が入力された場合には、CPU31は、撮影領域1A、撮影領域2A、および、これらに挟まれた領域3Aにおいて渋滞が発生していないと判断する。つまり、判定領域3Xにおいて渋滞が発生していないと判断し、通信インターフェイス32を介してそのような情報を出力する。
また、このような場合、実際の渋滞状況としては、たとえば図6に示すように、停止線Lから伸びる渋滞が、撮影領域1Aに入らないほど短い状況が考えられる。
CPU31は、撮影領域1Aの停止線Lに近い側の端部において渋滞が検出されなかった場合には、停止線Lから当該端部までも渋滞が発生していないと判断する。そして、図6に示したような場合、CPU31は、判定領域3Yにおいて渋滞が発生していないと判断し、通信インターフェイス32を介してそのような情報を出力する。
2) 撮影領域1Aか撮影領域2Aのいずれかで渋滞が検出された場合
2−1) 一方の領域で、他方の領域と対向する端部では渋滞が検出されなかった場合
RAM34に、撮影領域1Aか撮影領域2Aのいずれか一方だけで渋滞が検出され、さらに、撮影領域1Aの中の撮影領域2Aと対向する側の端部以外の場所または撮影領域2Aの中の撮影領域1Aと対応する側の端部以外の場所で渋滞が検出された旨の情報が入力された場合には、CPU31は、一方の領域のみで渋滞が発生したもの、つまり、他方の領域では渋滞が発生していないものと判断する。
このような場合、CPU31は、判定領域3Xの中では、実際に渋滞が検出されている領域においてのみ渋滞が発生していると判断し、通信インターフェイス32を介してそのような情報を出力する。
なお、このような場合、実際の渋滞状況としては、図7〜図9に示すような状況が考えられる。
図7は、撮影領域1Aにおいて、停止線Lから110〜150mにおいて渋滞の発生が検出されている状態を示す。なお、停止線Lから110mの地点は、撮影領域1Aにおいて、撮影領域2Aと対向する側と反対側の端部である。そして、図7に示されるような状態では、撮影領域1Aにおいて、撮影領域2Aと対向する側の端部である停止線Lから200mの地点では、渋滞は検出されていない。
このような場合、CPU31は、判定領域3Yに対しては、領域3Bでも渋滞が発生していると判断し、そのような情報を通信インターフェイス32を介して出力する。撮影領域1Aにおいて停止線Lから110mの地点において渋滞が検出されているためである。
図8は、撮影領域1Aにおいて、撮影領域2A側の端部でも停止線L側の端部でも渋滞が検出されていない状態を示す。このような場合、CPU31は、判定領域3Xにおいても、判定領域3Yにおいても、撮影領域1Aにおいて渋滞が検出された領域にのみ渋滞が発生していると判断し、そのような情報を通信インターフェイス32を介して出力する。
図9は、撮影領域2Aにおいて、両端以外の領域で渋滞が検出されている状態を示す。このような場合、CPU31は、判定領域3Xにおいても、判定領域3Yにおいても、撮影領域1Aにおいて渋滞が検出された領域にのみ渋滞が発生していると判断し、そのような情報を通信インターフェイス32を介して出力する。
2−2) 一方の領域で、他方の領域と対向する端部で渋滞が検出された場合
RAM34に、撮影領域1Aか撮影領域2Aのいずれか一方だけで渋滞が検出され、さらに、撮影領域1Aの中の撮影領域2Aと対向する側の端部または撮影領域2Aの中の撮影領域1Aと対応する側の端部で渋滞が検出された旨の情報が入力された場合には、CPU31は、以下に示すA〜Cの3通りのいずれかで、渋滞領域を決定する。
このような場合の実際の渋滞状況は、図10〜図12に示されたようなものであると考えられる。そして、以下の説明では、これらの図面を適宜参照する。
なお、図10は、撮影領域1Aにおいて、停止線Lから110〜200mにおいて渋滞の発生が検出されている状態を示す。
また、図11は、撮影領域1Aにおいて、停止線Lから125〜200mにおいて渋滞の発生が検出されている状態を示す。
また、図12は、撮影領域2Aにおいて、停止線Lから210〜250mにおいて渋滞の発生が検出されている状態を示す。
A) 領域3A内の一定の領域を渋滞領域の端部とする
A−1) 一定の領域→領域3Aの半分
このような場合、図10に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから110〜205mにおいて渋滞が発生していると判断する。
また、図11に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから125〜205mにおいて渋滞が発生していると判断する。
また、図12に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから205〜250mにおいて渋滞が発生していると判断する。
A−2) 一定の領域→撮影領域A1の、撮影領域A2に対向する側の端部
このような場合、図10に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから110〜200mにおいて渋滞が発生していると判断する。
また、図11に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから125〜200mにおいて渋滞が発生していると判断する。
また、図12に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから200〜250mにおいて渋滞が発生していると判断する。
A−3) 一定の領域→撮影領域A2の、撮影領域A1に対向する側の端部
このような場合、図10に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから110〜210mにおいて渋滞が発生していると判断する。
また、図11に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから125〜210mにおいて渋滞が発生していると判断する。
また、図12に示された例では、CPU31は、判定領域3Xにおいて、停止線Lから210〜250mにおいて渋滞が発生していると判断する。
B) それまでの渋滞の変化に従ったものとする
渋滞領域の終端位置が撮影領域1Aの端部または領域3A内にあると考えられる場合、つまり、図10または図11に示すような場合には、過去の、渋滞領域の終端位置の変化に基づいて、渋滞領域の終端位置を決定する。
CPU31は、時刻T1における渋滞の終端位置を求める場合、RAM34に入力された情報に基づいて、時刻T1の直前までの渋滞の終端位置の時間変化(単位時間あたりに変化した車両進行方向についての長さ)をたとえば図18(A)または図18(B)に示すようにグラフ化できる。
そして、CPU31は、時刻T1の渋滞の終端位置D1を、グラフにおける直前の値と変化率から求めることができる。
なお、このような態様で渋滞領域の終端位置を判断する場合、CPU31は、終端位置が、停止線Lから210m未満となるように決定する。停止線Lから210m以上となる場合には、撮影領域2Aにおいて渋滞が検出されているはずであるからである。
また、渋滞領域の開始位置が撮影領域2Aの端部または領域3A内にあると考えられる場合、つまり、図12に示すような場合であれば、図18(A)および図18(B)と同様に過去の渋滞の領域の開始位置の変化を求め、当該変化に基づいて、渋滞領域の開始位置を決定する。
なお、このような態様で渋滞領域の開始位置を判断する場合、CPU31は、開始位置が、停止線Lから200mを越えるように決定する。停止線Lから200m以下となる場合には、撮影領域1Aにおいて渋滞が検出されているはずであるからである。
C) 撮影領域2Aを通過した車両の情報に基づいて決定する
渋滞領域の終端位置が撮影領域1Aの端部または領域3A内にあると考えられる場合、つまり、図10または図11に示すような場合には、撮影領域2Aの撮影領域1Aと対向する側の端部を通過した車両の情報を利用して、渋滞領域の終端位置を決定する。
具体的には、たとえば、図19に(A)として示すように、ある時刻Tで撮影領域1Aの端部まで渋滞が検出されたとする。撮影領域1Aにおいて検出された渋滞領域が領域A0で示されている。
このとき、上記した撮影領域2Aの端部を車長5mの車両が秒速1mで通過したとする。この場合、当該車両が撮影領域1Aの端部に到達するのはその10秒後である。撮影領域1Aと撮影領域2Aの端部の距離が10mだからである。図19に(B)として、撮影領域1Aの端部に到達した車両が領域A1で示されている。
したがって、CPU31は、時刻Tの10秒後(時刻「T+10」)に、判定領域3Xの渋滞領域の終端位置を、停止線Lから205mであると判断する。
また、時刻T+10において、さらに、車両4mの車両が秒速1mで通過したとする。この車両が、図7に(C)として示されるように渋滞の後端に位置するのは、時刻T+10のさらに5秒後である。撮影領域1Aと撮影領域2Aの端部の距離が10mであるが、そのうちの5mが、領域A1で示した車両に占領されているからである。なお、このように渋滞領域の後端に位置した2台目の車両が、図19に(C)として、領域A2で示されている。
そして、CPU31は、時刻T+15に、判定領域3Xの渋滞領域の終端位置を、停止線Lから209mであると判断する。
なお、このような態様で渋滞領域の終端位置を判断する場合、CPU31は、終端位置が、停止線Lから210m未満となるように決定する。停止線Lから210m以上となる場合には、撮影領域2Aにおいて渋滞が検出されているはずであるからである。
また、このような態様で渋滞領域の終端位置を判断する場合、車両の速度は、その都度計測されたものを利用しても良いし、適当であると考えられる値であって予め定められた値が利用されても良い。
D) 撮影領域1Aを通過した車両の情報に基づいて決定する
渋滞領域が図13(A)〜図13(D)に示すように変化した場合には、CPU31は、図13(C)の状態であるか図13(D)の状態であるかを、撮影領域1Aの、撮影領域2Aと対向する側の端部を通過した車両の情報を利用して決定する。なお、図13(D)は、図12と同じ状態を示す図である。
図13(A)〜図13(D)は、停止線Lから撮影領域2Aまで延びた渋滞が、停止線L側から徐々に解消していく状態を示す図である。
図13(C)または図13(D)に示されるように、或る時刻Tで、撮影領域1Aでは渋滞は検出されないが、撮影領域2Aでは、撮影領域1Aと対向する部分を含む領域で渋滞が検出された場合、CPU31は、たとえば以下のようにして渋滞領域の開始位置を決定する。
すなわち、CPU31は、撮影領域1Aにおいて渋滞が検出されなくなってから、撮影領域1Aの撮影領域2Aと対向する側の端部に車両が通過したか否かを判断する。車両が通過するまでは、CPU31は、図13(C)に示されるように、撮影領域1Aの撮影領域2Aと対向する側の端部、つまり、停止線Lから200mの地点を、渋滞領域の開始位置と決定する。
一方、CPU31は、撮影領域1Aにおいて上記した端部に車両が通過したと判断した場合には、図13(D)に示されるように、当該通過した車両の車長分だけ渋滞が解消したように、渋滞領域を決定する。具体的には、通過した車両の車長をLC(m)とすると、CPU31は、停止線Lから(200+LC)mの地点を、渋滞領域の開始位置と決定する。
なお、撮影領域2Aの、撮影領域1Aと対応する側の端部において渋滞が検出されている間は、(200+LC)mが210mを越えても、CPU31は、渋滞領域の開始位置を停止線Lから210mとする。
3) 撮影領域1Aと撮影領域2Aの双方で渋滞が検出された場合
3−1) 各領域で、相手の領域と対向する端部で渋滞が検出された場合
RAM34に、撮影領域1Aの撮影領域2Aと対向する側の端部で渋滞が検出され、さらに、撮影領域2Aの撮影領域1Aと対向する側の端部で渋滞が検出された旨の情報が入力された場合には、CPU31は、領域3Aにも渋滞が発生していると判断する。
なお、このような場合、実際の渋滞状況としては、図14〜図16に示すような状況が考えられる。
図14は、撮影領域1Aにおいて停止線Lから110〜200mにおいて渋滞の発生が検出され、さらに、撮影領域2Aにおいて停止線Lから210〜250mにおいて渋滞が検出されている状態を示す。
このような場合、CPU31は、撮影領域1Aおよび撮影領域2Aにおいて検出された渋滞領域および領域3Aの全域において、つまり、停止線Lから110〜250mにおいて、渋滞が発生していると判断し、そのような情報を通信インターフェイス32を介して出力する。
図15は、撮影領域1Aおよび撮影領域2Aの全域において渋滞が検出されている状態を示す。
このような場合、CPU31は、撮影領域1A、撮影領域2A、および、領域3Aの全域において、渋滞が発生していると判断し、そのような情報を通信インターフェイス32を介して出力する。
図16は、撮影領域1Aにおいて停止線Lから125〜200mにおいて渋滞の発生が検出され、さらに、撮影領域2Aにおいて停止線Lから210〜250mにおいて渋滞が検出されている状態を示す。
このような場合、CPU31は、撮影領域1Aおよび撮影領域2Aにおいて検出された渋滞領域および領域3Aの全域において、つまり、停止線Lから125〜250mにおいて、渋滞が発生していると判断し、そのような情報を通信インターフェイス32を介して出力する。
3−2) 各領域の、相手の領域と対向する端部以外で渋滞が検出された場合
RAM34に、撮影領域1Aの撮影領域2Aと対向する側の端部以外で渋滞が検出され、さらに、撮影領域2Aの撮影領域1Aと対向する側の端部以外で渋滞が検出された旨の情報が入力された場合には、CPU31は、各領域内のそれぞれで渋滞が発生していると判断する。
なお、このような場合、実際の渋滞状況としては、図17に示すような状況が考えられる。
図17は、撮影領域1Aにおいて停止線Lから125〜190mにおいて渋滞の発生が検出され、さらに、撮影領域2Aにおいて停止線Lから225〜285mにおいて渋滞が検出されている状態を示す。
このような場合、CPU31は、上記したそれぞれの領域で渋滞が発生している、つまり、2つの領域で渋滞が発生していると判断し、そのような情報を通信インターフェイス32を介して出力する。
以上説明した実施の形態では、重なりを持たないように設定された2つのカメラの撮影領域のそれぞれにおいて検出された渋滞領域を用いて、2つのカメラの撮影領域とこれらの領域に挟まれた領域についての渋滞領域が判定された。
従来の交通渋滞計測では、1台のカメラで、車両の進行方向について150mのように比較的長く連続した距離を撮影する必要があったが、本実施の形態では、その必要はない。つまり、本実施の形態では、複数のカメラで数十mずつの範囲を撮影すれば良い。このことから、たとえば、図20に示されるように、湾曲した道路において、渋滞長を計測する場合でも、その湾曲した道路の中の直線部分に区切られた領域を、各カメラ(カメラ1,2)の撮影領域(撮影領域1A,2A)とすることができる。図20は、図1に示されたカメラ1,2の設置態様の変形例を示す図である。
また、本実施の形態では、CPU11が、撮影領域1A内の渋滞ブロックが存在するエリアの中で、最も停止線に近い位置を、渋滞の開始位置としてRAM34に送信し、最も停止線から離れた位置を、渋滞の後端位置としてRAM34に送信した。また、本実施の形態では、CPU21が、撮影領域2A内の渋滞ブロックが存在するエリアの中で、最も停止線に近い位置を、渋滞の開始位置としてRAM34に送信し、最も停止線から離れた位置を、渋滞の後端位置としてRAM34に送信した。
なお、交通渋滞計測システムは、撮影領域1A内の渋滞の開始位置および後端位置、ならびに、撮影領域2A内の渋滞の開始位置および後端位置を、CPU31が決定するように構成されても良い。このような交通渋滞計測システムの変形例におけるブロック構成を図21に示す。
図1に示された交通渋滞計測システムでは、CPU11が、画像メモリ12に入力された撮影領域1Aの画像データに基づいて撮影領域1A内の渋滞の開始位置および後端位置を決定し、かつ、CPU21が、画像メモリ22に入力された撮影領域2Aの画像データに基づいて撮影領域2A内の渋滞の開始位置および後端位置を決定していたのに対し、図21に示された交通渋滞計測システムでは、CPU31が、画像メモリ12に入力された撮影領域1Aの画像データに基づいて撮影領域1A内の渋滞の開始位置および後端位置を決定し、かつ、画像メモリ22に入力された撮影領域2Aの画像データに基づいて撮影領域2A内の渋滞の開始位置および後端位置を決定する。これにより、交通渋滞計測システムの構成の簡略化が可能となる。
また、以上説明した本実施の形態では、図3等を参照して説明したように、撮影領域1Aおよび撮影領域2Aについて渋滞ブロックを求めることにより渋滞領域を決定したが、本発明において、渋滞領域を決定する態様はこれに限定されない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の一実施の形態の交通渋滞計測システムのブロック構成を示す図である。 本発明の一実施の形態の交通渋滞計測システムの制御ブロック図である。 図2の第1の画像処理装置のCPUが渋滞領域の決定の際に実行する処理のフローチャートである。 図2のカメラの撮影する画像の一例を示す図である。 図3中の、時刻t(n)における計測領域内の交通渋滞の状況を計測する処理のサブルーチンのフローチャートである。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 図2の交通渋滞計測システムにおいて、渋滞端部の端部を決定する態様の一例を説明するための図である。 道路における実際の渋滞状況を模式的に示す図である。 図1に示された2台のカメラの設置態様の変形例を示す図である。 図1に示された交通渋滞計測システムのブロック構成の変形例を示す図である。
符号の説明
1,2 カメラ、10 第1の画像処理装置、11,21,31 CPU、12,22 画像メモリ、13,23 表示インターフェイス、14,24,34 RAM、15,25,33 ROM、16,26 入力部、17,27 モニタ、20 第2の画像処理装置、30 解析装置、1A,2A 撮影領域、IS 交差点、L 停止線。

Claims (11)

  1. 道路上の第1の領域および第2の領域を含む判定領域における渋滞領域を検出する交通渋滞計測システムであって、
    前記第1の領域における渋滞領域を決定する第1の決定部と、
    前記第2の領域における渋滞領域を決定する第2の決定部と、
    前記第1の領域における渋滞領域と前記第2の領域における渋滞領域に基づいて、前記判定領域における渋滞領域を決定する第3の決定部とを含み、
    前記第2の領域は、前記第1の領域と、第3の領域を挟んで隣接し、かつ、車両の進行方向について前記第1の領域よりも上流側に位置し、
    前記第1の決定部が前記第2の領域と対向する側の端部を含むように前記第1の領域における渋滞領域を決定し、かつ、前記第2の決定部が前記第1の領域と対向する側の端部を含まないように前記第2の領域における渋滞領域を決定した場合には、前記第3の決定部は、前記第1の決定部が決定した渋滞領域またはそれに前記第3の領域の中の車両の進行方向についての所定の長さの領域を接続させた領域を前記判定領域における渋滞領域に決定する、交通渋滞計測システム。
  2. 前記所定の長さは、直前に前記第1の決定部が決定した前記第1の領域における渋滞領域の前記第2の領域側の端部の位置と、前記第1の決定部が決定した前記第1の領域における前記第2の領域側の端部の単位時間当たりの変化量に基づいて決定される長さである、請求項に記載の交通渋滞計測システム。
  3. 前記第3の決定部は、前記第2の領域の前記第1の領域側の端部を通過した車両が前記第1の領域における渋滞領域の第2の領域と対向する側の端部に到達すると考えられるタイミングで、前記第1の決定部が決定した渋滞領域に前記所定の長さの領域を接続させた領域を前記判定領域における渋滞領域に決定し、
    前記所定の長さは、前記車両の長さである、請求項に記載の交通渋滞計測システム。
  4. 前記タイミングは、前記第2の領域の前記第1の領域側の端部を通過した車両の速度を計測することによって求められる、請求項に記載の交通渋滞計測システム。
  5. 前記タイミングは、前記第2の領域の前記第1の領域側の端部を通過した車両の速度に対して予め定められた値を利用することによって決定される、請求項に記載の交通渋滞計測システム。
  6. 道路上の第1の領域および第2の領域を含む判定領域における渋滞領域を検出する交通渋滞計測システムであって、
    前記第1の領域における渋滞領域を決定する第1の決定部と、
    前記第2の領域における渋滞領域を決定する第2の決定部と、
    前記第1の領域における渋滞領域と前記第2の領域における渋滞領域に基づいて、前記判定領域における渋滞領域を決定する第3の決定部とを含み、
    前記第2の領域は、前記第1の領域と、第3の領域を挟んで隣接し、かつ、車両の進行方向について前記第1の領域よりも上流側に位置し、
    前記第3の決定部は、前記第2の決定部が前記第1の領域と対向する側の端部を含むように前記第2の領域における渋滞領域を決定し、かつ、前記第1の決定部が前記第2の領域と対向する側の端部を含まないように前記第1の領域における渋滞領域を決定した場合には、前記第2の決定部が決定した渋滞領域またはそれに前記第3の領域の中の車両の進行方向についての所定の長さの領域を接続させた領域を前記判定領域における渋滞領域に決定する、交通渋滞計測システム。
  7. 前記所定の長さは、直前に前記第2の決定部が決定した前記第2の領域における渋滞領域の前記第1の領域側の端部の位置と、前記第2の決定部が決定した前記第2の領域における前記第1の領域側の端部の単位時間当たりの変化量に基づいて決定される長さである、請求項に記載の交通渋滞計測システム。
  8. 前記所定の長さは、前記第3の領域の車両の進行方向についての長さから、前記第1の領域の前記第2の領域と対向する側の端部を通過した車両の長さを差し引いた長さである、請求項に記載の交通渋滞計測システム。
  9. 前記所定の長さは、予め定められた長さである、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の交通渋滞計測システム。
  10. 道路上の第1の領域および第2の領域を含む判定領域における渋滞領域を検出する交通渋滞計測方法であって、
    前記第1の領域における渋滞領域を決定するステップと、
    前記第2の領域における渋滞領域を決定するステップと、
    前記第1の領域における渋滞領域と前記第2の領域における渋滞領域に基づいて、前記判定領域における渋滞領域を決定するステップとを含み、
    前記第2の領域は、前記第1の領域と、第3の領域を挟んで隣接し、かつ、車両の進行方向について前記第1の領域よりも上流側に位置し、
    前記第1の領域における渋滞領域が前記第2の領域と対向する側の端部を含むように決定され、かつ、前記第2の領域における渋滞領域が前記第1の領域と対向する側の端部を含まないように決定された場合には、前記第1の領域における渋滞領域またはそれに前記第3の領域の中の車両の進行方向についての所定の長さの領域を接続させた領域を、前記判定領域における渋滞領域に決定する、交通渋滞計測方法。
  11. 道路上の第1の領域および第2の領域を含む判定領域における渋滞領域を検出する交通渋滞計測方法であって、
    前記第1の領域における渋滞領域を決定するステップと、
    前記第2の領域における渋滞領域を決定するステップと、
    前記第1の領域における渋滞領域と前記第2の領域における渋滞領域に基づいて、前記判定領域における渋滞領域を決定するステップとを含み、
    前記第2の領域は、前記第1の領域と、第3の領域を挟んで隣接し、かつ、車両の進行方向について前記第1の領域よりも上流側に位置し、
    前記第2の領域における渋滞領域が前記第1の領域と対向する側の端部を含むように決定され、かつ、前記第1の領域における渋滞領域が前記第2の領域と対向する側の端部を含まないように決定された場合には、前記第2の領域における渋滞領域またはそれに前記第3の領域の中の車両の進行方向についての所定の長さの領域を接続させた領域を前記判定領域における渋滞領域に決定する、交通渋滞計測方法。
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