JP4892131B2 - 癌の症状を緩和する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の背景)
癌は、全世界中でも主要な死因である。癌の特有の特徴は、外部シグナルによって調節されない細胞増殖である。癌細胞はまた、別の部位に転移し、そして定着する能力を発達させ得る。一般的に、HARRISON’S PRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE,505(Fauciら編,第14版,1998)を参照のこと。癌は、比較的迅速な細胞代謝回転速度を有する組織において最も普通である。大部分の場合、2つの型の細胞が、これらの組織型に存在する:分裂している前駆細胞および分裂していない分化細胞。用語癌とは、細胞が制御なしで分裂するが転移できない良性の増殖、および細胞が制御なしで分裂しかつ転移し得る悪性の増殖の両方をいう。
【0002】
疾患(例えば、癌)または外傷の非存在下では、一旦、細胞が特定の分化状態を獲得したら、その運命は代表的には不可逆的である。モルフォゲンは、多数の組織における前駆細胞の増殖および分化を誘導することが公知である。モルフォゲンとしては、異所性の、軟骨性骨形態形成を誘導する能力によって同定される骨モルフォゲン性タンパク質(BMP)のファミリーのメンバーが挙げられる。骨形成性タンパク質とも呼ばれるモルフォゲンは一般に、TGF−βスーパーファミリーの増殖因子のサブグループとして分類される。Hogan,Genes & Development 10:1580−1594(1996)。そのスーパーファミリーのメンバーとしては、哺乳動物骨形成性タンパク質−1(BMP−7としても公知であるOP−1、およびDrosophilaホモログ60A)、骨形成性タンパク質−2(BMP−8としても公知のOP−2)、骨形成性タンパク質−3(OP−3)、BMP−2(BMP−2AまたはCBMP−2Aとしても公知の、およびDrosophilaホモログDPP)、BMP−3、BMP−4(BMP−2BまたはCBMP−2Bとしても公知)、BMP−5、BMP−6およびそのマウスホモログVgr−1、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、GDF3(Vgr2としても公知)、GDF8、GDF9、GDF10、GDF11、GDF12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、GDF−5(CDMP−1またはMP52としても公知)、GDF−6(CDMP−2としても公知)、GDF−7(CDMP−3としても公知)、XenopusホモログVglおよびNODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、ならびにNEURALが挙げられる。
【0003】
モルフォゲンは、共通の構造的特徴を共有する。成熟形態は、約97〜106アミノ酸のカルボキシル末端の活性なドメインを含む成熟ポリペプチドを生じる「プロ形態」を通したプロセシングから生じる。全てのモルフォゲンは、保存されたパターンのシステインをそのドメインにおいて共有する。この活性な形態は、単一のスーパーファミリーのメンバーのジスルフィド結合したホモダイマーまたは2つの異なるメンバーのヘテロダイマーのいずれかである。例えば、Massague,Annu.Rev.Cell Biol.6:597(1990);Sampathら,J.Biol.Chem.265:13198(1990)を参照のこと。
【0004】
全体的または部分的に癌の症状を緩和する試みは、しばしば、癌組織の物理的切除、癌組織の放射線誘導破壊、および癌組織の化学誘導破壊に焦点をあててきた。これらの形態の処置は癌に罹患したものに希望を与えてきたが、これらは、侵襲性(物理的切除の場合)、細胞傷害性、処置された被験体における重篤な副作用の生成、制限された治療時間(limited therapeutic window)および癌組織を完全に破壊する制限された能力を含めて、多くの例において欠点を有する。さらに、癌細胞に対して応答する、宿主自体の生物学的機構を調節する生物学的薬剤を開発するために、いくつかのあまり伝統的でない試みが行われた。さらに、全ての抗癌剤が、全ての細胞型に対して等しく有効なわけではない。従って、癌の症状を緩和し得る、より広範な範囲の細胞型で(あるいは、新たなまたは異なったサブセットの細胞型に)有効でかつ現行の抗癌剤よりもその使用に関連した問題の少ない、抗癌剤についての必要性が存在する。
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、癌細胞のチェックされていない増殖を阻害もしくは防止するかまたは癌細胞の分化を刺激する、組成物および方法を提供する。多くの癌は、身体全体のさらなる部位に転移する能力を有するかまたは有さない、制御されない増殖を示す細胞によって特徴付けられる。癌の症状を緩和するために癌を処置する1つの方法は、癌細胞の調節されていない増殖を阻害することである。モルフォゲン(骨モルフォゲン性タンパク質、「BMP」または「モルフォゲン性タンパク質」としても公知である)は、多くの異なる細胞型において細胞の表現型を変更し得るタンパク質のファミリーである。特に、モルフォゲンは、分化した細胞表現型を刺激、維持または再生し得る。癌細胞をモルフォゲンに暴露することが、癌細胞増殖を阻害し、そしてこのような細胞が癌表現型から分化することを引き起こすことがここで発見された。従って、モルフォゲンを投与することは、癌細胞の運命に影響を与え得、次いで癌の症状を緩和し得る。
【0006】
本発明は、癌を処置し、そしてこれらの疾患の症状を緩和するために現在用いられている方法に対する別のアプローチである。本発明の方法はまた、癌を処置するための従来の化学療法に伴って代表的に観察される副作用を減少させる。
【0007】
従って、本発明の好ましい実施形態は、癌を有する患者にモルフォゲンを投与することにより、癌を処置して癌の症状を緩和する方法である。モルフォゲンは、配列番号2の残基330〜431を含むヒトOP−1のC末端7システイン骨格と少なくとも70%相同性のアミノ酸配列、またはヒトOP−1のこのC末端7システイン骨格と少なくとも60%同一性を有するアミノ酸配列、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号7のいずれかのアミノ酸配列を有する、癌細胞の増殖を阻害する、ダイマータンパク質である。本発明において有用なモルフォゲンとしては、OP−1、OP−2、OP−3、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−14、BMP−15、DPP、Vgl、Vgr−1、60Aタンパク質、CDMP−1、CDMP−2(BMP−13)、CDMP−3(BMP−12)、GDF−1、GDF−3、GDF−5、GDF6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、NODAL、UNTVIN、SCREW、ADMP、NEURAL、およびモルフォゲンとして活性なそれらのアミノ酸配列改変体が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の別の局面では、このモルフォゲンは、OP−1、OP−2、60A、GDF−1、BMP−2A、BMP−2B、DPP、Vgl、Vgr−1、BMP−3、BMP−5、およびBMP−6のプロドメインより選択される少なくとも1つのプロドメインポリペプチドと非共有結合的に会合している。本発明の別の局面では、このモルフォゲンは、本明細書中に記載される組成物および方法において有用なモルフォゲンの1より多くのプロドメインポリペプチドと非共有結合的に会合している。
【0008】
本発明の別の局面では、このモルフォゲンは、薬学的に受容可能なキャリアまたはビヒクルを介して投与される。このキャリアまたはビヒクルは、生理学的に受容可能な水溶液(例えば、生理食塩水または緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水溶液))であり得る。このキャリアまたはビヒクルは、生体適合性、生分解性および/または生体腐食性(bioerodable)である、リポソームまたはミクロスフェアを含む。あるいは、このキャリアまたはビヒクルは、生分解性または生体腐食性である、生体適合性マトリックスを含む。本発明においてマトリックスとして有用な化合物および物質としては、タンパク質性物質(例えば、コラーゲン)、単糖および多糖ならびにそれらの誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースおよびヒアルロン酸)、合成ポリマー(例えば、ポリグリコール酸およびポリ乳酸のポリマーまたはコポリマー)、カルシウム含有化合物(例えば、ヒドロキシアパタイトまたはリン酸三カルシウム)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0009】
本発明の別の局面では、モルフォゲンを投与する工程は、モルフォゲンを発現し得る細胞を癌細胞に送達することを含む。本発明の別の局面では、モルフォゲンを投与する工程は、特定の組織の細胞におけるモルフォゲンの発現を指向するプロモーターに作動可能に連結された、モルフォゲンをコードする非感染性の非組込み型DNAを提供することを含む。本発明の別の局面では、エンハンサーエレメントは、このプロモーターと作動可能に会合している。なお別の実施形態では、モルフォゲンをコードするDNAは、プロモーターに作動可能に連結される。このDNAは、DNAの取り込みおよび癌細胞または隣接する非癌細胞によるこのモルフォゲンの発現を促進する、リポソーム、ミクロスフェアまたはウイルス粒子と会合している。モルフォゲンをコードするDNAを、癌細胞または隣接する非癌細胞に形質導入する際に有用なウイルス粒子としては、アデノ随伴ウイルス粒子が挙げられる。
【0010】
好ましい実施形態では、癌の症状は、副腎癌、肛門癌、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、頸癌、結腸癌、癌体(corpus cancer)、内分泌癌、食道癌、ファローピウス管癌、脂肪細胞癌、胆嚢癌、胃腸管癌、生殖細胞腫瘍、腎臓癌、白血病、肝臓癌、リンパ腫、肺癌、筋肉癌、神経系癌、眼組織癌、口腔癌(例えば、舌、口腔の上皮組織)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌(アンドロゲン依存性および非依存性)、直腸癌、皮膚癌、小腸癌、軟組織癌、胃癌、奇形癌(奇形腫)、精巣癌、甲状腺癌、尿管癌、泌尿癌(urinary cancer)、子宮癌、および未知の原発部位の癌のそれらの転移形態において緩和される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、癌は、モルフォゲンを癌患者に投与して、癌細胞の調節されていない増殖を阻害することにより、または癌表現型からの癌細胞の分化を刺激することにより、処置される。本発明の別の局面では、モルフォゲンは、癌を処置して、以下を含む癌の他の症状を緩和するために用いられる:異常な出血、異常な身体機能、異常な細胞形態、異常な酵素レベル、異常なホルモンレベル、異常な腫瘍胎児抗原レベル、異常な組織増殖、異常な組織重量、異常な腫瘍関連タンパク質レベル、変化した神経機能、変化した神経学的構造、新脈管形成、下痢、滲出、疲労、発熱、病変、栄養失調、転移、悪心、身体通路(bodily passageway)の閉塞、日和見感染、疼痛、乏しいカルノフスキー性能状態、細胞表面マーカーの存在、組織学的癌マーカーの存在、細胞内マーカーの存在、分子マーカーの存在、腫瘍浸潤、尿の頻度、体重減少およびそれらの組み合わせ。増殖の阻害は、例えば、生存率の増加、減少した腫瘍サイズまたは腫瘍の後退によって測定され得る。
【0012】
本発明の別の局面では、標的化された癌細胞における骨モルフォゲン性タンパク質レセプター(BMPR)の発現は、モルフォゲン処置に応答するようである組織を決定するための手段を提供する。好ましい実施形態では、患者における標的化された悪性細胞は、BMPRの発現について予めスクリーニングされて、所定のBMP処置に応答する高い可能性を有する患者の選択を可能にする。
【0013】
本発明の別の局面では、モルフォゲンは、例えば、インビトロアッセイにおける[3H]−チミジンの細胞取り込み、腫瘍サイズの縮みまたは癌関連抗原の発現の減少によって測定した場合に細胞増殖を阻害する。本発明の別の局面では、モルフォゲンは、例えば、癌関連抗原の減少した発現、細胞形態の変化、または分化した好ましい細胞表現型と関連した、抗原性マーカーもしくは生化学的マーカーの増加した発現によって示されるように、癌細胞が癌表現型から分化するのを刺激する。本発明の別の局面では、モルフォゲンを投与する前に、罹患組織は宿主から取り出される。モルフォゲンをエキソビボプロトコルで投与した後、この罹患組織をこの宿主に戻す。本発明の方法では、モルフォゲンは、1以上の非モルフォゲン性薬剤(例えば、公知の抗癌剤、鎮痛剤または抗炎症化合物)と組み合わせて投与され得る。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態は、天然に存在するモルフォゲンの、モルフォゲンとして活性なアミノ酸改変体を投与することにより、癌を処置して、癌の1以上の症状を緩和する方法を含む。このような改変体としては、癌細胞増殖を阻害する、天然に存在する対立遺伝子改変体、保存的アミノ酸置換改変体、ペプチドフラグメント改変体、およびこのペプチドフラグメントの保存的アミノ酸置換改変体が挙げられる。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態は、インビトロアッセイにおいて[3H]−チミジンの細胞取り込みを阻害する、以下のいずれかのアミノ酸配列を有するダイマータンパク質であるモルフォゲンを投与することにより、癌の症状を緩和する方法を含む:配列番号2の残基330〜431を含むヒトOP−1のC末端7システイン骨格と少なくとも70%相同性を有する配列、ヒトOP−1のこのC末端7システイン骨格と少なくとも60%同一性を有するアミノ酸配列、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号7。本発明の別の局面は、骨モルフォゲン性タンパク質または骨モルフォゲン性タンパク質のモルフォゲンとして活性なアミノ酸改変体である物質を投与する工程を含む。改変体としては、骨モルフォゲン性タンパク質の天然に存在する対立遺伝子改変体、骨モルフォゲン性タンパク質の保存的アミノ酸置換改変体、骨モルフォゲン性タンパク質のペプチドフラグメント改変体、およびペプチドフラグメント改変体の保存的アミノ酸置換改変体が挙げられる。
【0016】
本発明は、以下の図面、説明および特許請求の範囲からさらに理解される。
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明は、抑制されない癌細胞の増殖を阻害するか、それらの特定の癌表現型から離れた癌細胞の分化を刺激するか、または癌の種々の他の症状を軽減する、組成物および方法を提供する。多くの癌は、全身のさらなる部位へ転移する能力を伴うかまたは伴わない、調節されない増殖を示す細胞によって特徴付けられる。癌の症状を軽減するための1つの方法は、癌性細胞の増殖および分裂を停止することである。モルフォゲンは、前駆細胞(すなわち、分裂細胞)を分化させ得る。モルフォゲンへの曝露は、癌細胞の増殖を阻害する。従って、モルフォゲンを投与することは、癌細胞の運命に影響を与え、次いで、癌の種々の特徴的症状を軽減する。
【0018】
BMPシグナル伝達は、TGF−βシグナル伝達によって確立される系列に従う。TGF−βと同様に、BMPは、膜レセプター(I型およびII型)のヘテロマー複合体との相互作用を介してシグナル伝達する。詳細には、リガンド結合が、II型レセプターによるI型レセプターの交差リン酸化(cross−phosphorylation)を生じ;次いで、II型レセプターが、BMPシグナル伝達を伝搬する。Yamashitaら、Bone 19;569−574(1996)を参照のこと。インビトロ実験は、TGF−βスーパーファミリーに属するBMPの全てのメンバーが、BMPR−IAまたはIBとの組み合わせのBMPR−IIに結合することを示した。Yamashitaら、前出を参照のこと。従って、BMPR−IA、BMPR−IBおよびBMPR−IIは、BMP特異的レセプターであるようであり、そして癌細胞増殖のモルフォゲン阻害を媒介するようである。
【0019】
(I.有用なモルフォゲン)
その成熟の、ネイティブ形態において、天然起源のモルフォゲンは、グリコシル化されたダイマーであり、SDS−PAGEによって決定されるように、代表的に、約30〜36kDaの見かけの分子量を有する。還元された場合、この30kDaのタンパク質は、約16kDaおよび18kDaの見かけの分子量を有する、2つのグリコシル化ペプチドサブユニットを生じる。還元状態において、このタンパク質は、検出可能な骨形成活性を有さない。非グリコシル化タンパク質(これもまた、骨形成活性を有する)は、約27kDaの見かけの分子量を有する。還元された場合、この27kDaのタンパク質は、約14kDa〜16kDaの見かけの分子量を有する、2つの非グリコシル化ポリペプチド鎖を生じる。代表的に、天然に存在する骨形成タンパク質は、前駆体として翻訳され、この前駆体は、代表的に約30残基未満のN末端シグナルペプチド配列、それに続く「プロ」ドメイン(これは、切断されて成熟C末端ドメインを生じる)を有する。このシグナルペプチドは、翻訳の際に迅速に切断部位で切断され、この切断部位は、Von Heijne,Nucleic Acids Res.14:4683−4691(1986)の方法を使用して所定の配列において予測され得る。プロドメインは、代表的に、完全に(frilly)プロセシングされた成熟C末端ドメインより、約3倍大きい。
【0020】
本発明の方法において有用なモルフォゲンは、ヒトOP−1のC末端の7システイン骨格(配列番号2の残基330〜431)との少なくとも70%の相同性を有するか、またはヒトOP−1のこのC末端の7システイン骨格との少なくとも60%の同一性を有し、そしてSampathおよびReddi(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:6591−6595(1983)および米国特許第4,968,590号)(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)によって記載されるバイオアッセイにおいて、軟骨内性骨形成を刺激する能力を有する、アミノ酸配列によって定義される。モルフォゲンとしてはまた、モルフォゲンレセプターを結合し得る物質、他のモルフォゲンを誘導し得る物質、およびモルフォゲンレセプターにアゴニスト型活性を示し得る物質が挙げられる。これらの物質は、当該分野で公知の方法によって、モルフォゲン性能力についてアッセイされ得る。
【0021】
好ましいモルフォゲンとしては、以下に記載のタンパク質のC末端の96アミノ酸配列または102アミノ酸配列を含むモルフォゲンが挙げられる:DPP(Drosophila由来)、Vg1(Xenopus由来)、Vgr−1(マウス由来)、OP−1およびOP−2タンパク質(米国特許第5,011,691号およびOppermannらを参照のこと)、ならびにBMP−2、BMP−3、BMP−4(WO88/00205、米国特許第5,013,649号およびWO91/18098を参照のこと)、BMP−5およびBMP−6(WO90/11366、PCT/US90/01630を参照のこと)、BMP−8およびBMP−9と称するタンパク質。本発明の実施において有用な他のタンパク質としては、OP−1、OP−2、OP−3、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、GDF−5、GDF−6、GDF−7、DPP、Vg1、Vgr、60Aタンパク質、CDMP−1、CDMP−2(BMP−13)、CDMP−3(BMP−12)、GDF−1、GDF−3、GDF−5、GDF6、GDF−7、EMP−10、BMP−11、BMP−15、UNIVIN、NODAL、SCREW、ADMPまたはNEURALならびにこれらのアミノ酸配列改変体の活性形態が挙げられる。現在好ましい実施形態において、骨形成タンパク質としては、OP−1、OP−2、OP−3、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、ならびにこれらのアミノ酸配列改変体およびホモログ(これらの種ホモログを含む)の任意の1つが挙げられる。OP−1配列およびOP−2配列、ならびにその化学的特性および物理的特性を開示する刊行物としては、米国特許第5,011,691号および同第5,266,683号(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)が挙げられる。
【0022】
好ましい実施形態において、本発明の方法における使用のためのモルフォゲンとしては、ヒトOP−1(配列番号2)のC末端の7システイン骨格のアミノ酸配列との少なくとも70%の相同性を有し、そしてReddiおよびSampathアッセイにおいて、軟骨内性骨形成を誘導する能力を有するタンパク質が挙げられる。これらの要件を満たす化合物は、公知の応答モルフォゲンと機能的に等価であると考えられる。候補ペプチドが、参照モルフォゲンと機能的に等価であるか否かを決定するために、候補アミノ酸配列および参照モルフォゲンアミノ酸配列を整列する。整列を実行するための第1工程は、整列ツール(例えば、Needlemanら、J.Mol.Biol.48:443(1970)に記載の動的プログラミングアルゴリズム、およびAlign Program(DNAstar,Inc.によって生産される市販のソフトウェアパッケージ)(これらの教示は、本明細書中に参考として援用される))を使用することである。最初の整列が行われた後、次いで、これは、関連タンパク質のファミリー(例えば、図1A〜図1Mに示されるような)の複数配列整列に対する比較によって精錬される。この複数配列整列は、hOP−1を含む、公知のモルフォゲンのファミリーの複数配列整列である。一旦、候補配列および参照配列との間の整列が行われ、そして改良されると、パーセント相同性スコアが計算される。各配列の個々のアミノ酸は、それらの類似性に従って、順次互いに比較される。類似性因子としては、類似のサイズ、形状および電荷が挙げられる。アミノ酸類似性を決定する1つの特に好ましい方法は、Dayhoffら、5 Atlas of Protein Sequence And Structure 345−352(1978および補遺)(本明細書中に参考として援用される)に記載される、PAM25Oマトリクスである。類似性スコアは、整列された対アミノ酸の類似性スコアの合計としてまず計算される。挿入および欠失は、パーセント相同性およびパーセント同一性の目的のために無視される。従って、ギャップペナルティーは、この計算においては使用されない。次いで、生のスコアが、候補化合物およびhOP−1の7システイン骨格のスコアの相乗平均で、この生のスコアを除算することによって正規化される。この相乗平均は、これらのスコアの積の平方根である。この正規化された生のスコアが、パーセント相同性である。
【0023】
代替的な好ましい実施形態において、参照モルフォゲンに機能的に等価である候補ペプチドは、その参照配列との少なくとも60%の同一性を有し、そしてReddiおよびSampathアッセイにおいて、軟骨内性骨形成を誘導する能力を有するアミノ酸配列を有する。60%のアミノ酸同一性とは、候補ペプチドの任意の60%のアミノ酸が、参照配列における対応するアミノ酸と整列された場合に、同一であることを意味する。本明細書中に開示される任意の1以上の、天然に存在するモルフォゲンまたは合成モルフォゲンは、候補配列が、そのモルフォゲンファミリーに属するか否かを決定するための、参照配列として使用され得る。好ましい実施形態において、この参照配列は、配列番号2に示されるような、ヒトOP−1のC末端の7システイン骨格の配列である。上記計算における使用のための保存的置換の例としては、あるアミノ酸の、類似の特性を有する別のアミノ酸についての置換が挙げられ、例えば、以下の群内での置換が、周知である:(a)バリン、グリシン;(b)グリシン、アラニン;(c)バリン、イソロイシン、ロイシン;(d)アスパラギン酸、グルタミン酸;(e)アスパラギン、グルタミン;(f)セリン、トレオニン;(g)リジン、アルギニン、メチオニン;および(h)フェニルアラニン、チロシン。用語「保存的改変体」または「保存的改変」もまた、その生じる置換ポリペプチド鎖に対して結合特異性を有する抗体もまた、置換されていない、すなわち親ポリペプチドとの結合特異性を有する(すなわち、「交差反応」または「免疫反応」する)限り、所定のポリペプチド鎖における、置換されていない親アミノ酸に代わる置換アミノ酸の使用を含む。
【0024】
好ましい実施形態において、本発明において有用なモルフォゲンは、公知のモルフォゲンにおけるバリエーションを示す、包括的アミノ酸配列によって定義される。例えば、配列番号4および5は、好ましいモルフォゲン(OP−1、OP−2、OP−3、CBMP−2A、CBMP−2B、BMP−3、60A、DPP、Vg1、BMP−5、BMP−6、Vgr−1およびGDF−1を含む)の間で観察されるバリエーションを包含する。配列番号5は、配列番号4の全てを含み、そしてそのN末端で、配列番号8の5アミノ酸配列を含む。この包括的配列は、6および7システイン骨格(それぞれ、配列番号4および5)に定義される、C末端ドメインにおけるこれらの配列によって共有されるアミノ酸同一性、ならびにその配列内の可変位置についての代替的アミノ酸の両方を含む。代替的アミノ酸を許容する位置は、「Xaa」によって示される。図2は、配列番号4、5および8における各「Xaa」の位置についての代替的アミノ酸を示す。例えば、配列番号4および図2Aを参照して、2位の「Xaa」は、チロシンまたはリジンであり得る。この包括的配列は、分子間または分子内ジスルフィド結合のための適切なシステイン骨格を提供し、そしてこのタンパク質の三次構造に影響を与えるような特定の重要なアミノ酸を含む。さらに、配列番号4における36位、または配列番号5における41位での「Xaa」は、さらなるシステインであり得、これによって、OP−2およびOP−3のモルフォゲンとして活性な配列を含む。
【0025】
別の実施形態において、有用なモルフォゲンとして、配列番号6または7によって定義されるモルフォゲンが挙げられ、これは、以下のモルフォゲンの複合型のアミノ酸配列である:ヒトOP−1、ヒトOP−2、ヒトOP−3、ヒトBMP−2、ヒトBMP−3、ヒトBMP−4、ヒトBMP−5、ヒトBMP−6、ヒトBMP−8、ヒトBMP−9、ヒトBMP−10、ヒトBMP−11、Drosophila 60A、Xenopus Vg−1、ウニUNIVIN、ヒトCDMP−1(マウスGDF−5、MP52)、ヒトCDMP−2(マウスGDF−6、ヒトBMP−13)、ヒトCDMP−3(マウスGDF−7、ヒトBMP−12)、マウスGDF−3、ヒトGDF−1、マウスGDF−1、ニワトリDORSALIN、Drosophila dpp、Drosophila SCREW、マウスNODAL、マウスGDF−8、ヒトGDF−8、マウスGDF−9、マウスGDF−10、ヒトGDF−11、マウスGDF−11、ヒトBMP−15、およびラットBMP−3b。配列番号7は、配列番号6の全てを含み、そしてそのN末端で、配列番号9の5アミノ酸配列を含む。配列番号6は、そのC末端の6システイン骨格に適応し、そして配列番号7は、その7システイン骨格に適応する。代替的アミノ酸を許容する位置は、「Xaa」によって示される。図3A〜3Cは、配列番号6、7および9における各「Xaa」の位置についての代替的アミノ酸を示す。
【0026】
上記のように、本発明において有用な特定の好ましいモルフォゲン配列は、hOP−1の好ましい参照配列を定義するアミノ酸配列との、60%を超える同一性、より好ましくは、65%を超える同一性を有する。これらの特に好ましい配列は、OP−1タンパク質およびOP−2タンパク質の対立遺伝子改変体および系統学的改変体(Drosophila 60Aタンパク質、ならびに密接に関連するタンパク質BMP−5、BMP−6およびVgr−1を含む)を含む。従って、特定の特に好ましい実施形態において、有用なモルフォゲンとしては、包括的アミノ酸配列である配列番号3(本明細書中で「OPX」と称される)を含むタンパク質が挙げられ、この配列は、7システイン骨格を定義し、そしてOP−1およびOP−2のいくつかの同定された改変体の間の相同性に適応する。代替的アミノ酸を許容する位置は、「Xaa」によって示される。図4は、配列番号3における各「Xaa」の位置についての代替的アミノ酸を示す。なお別の好ましい実施形態において、有用なモルフォゲンとして、参照モルフォゲンをコードするDNAまたはRNAと、高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を有するモルフォゲンが挙げられる。標準的なストリンジェンシー条件は、標準的な分子生物学テキストによく特徴付けられている。一般的に、Molecular Cloning A Laboratory Manual、(Sambrookら編、1989);DNA Cloning,第I巻および第II巻(D.N.Glover編、1985);OLIGONUCULEOTIDE SYNTHESIS(M.J.Gait編、1984);Nucleic Acid Hybridization (B.D.HamesおよびS.J.Higgins編、1984);B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984)を参照のこと。
【0027】
別の実施形態において、本発明において有用なモルフォゲンとして、モルフォゲンプロドメインまたはその可溶性増強フラグメントに結合された成熟モルフォゲンダイマーを含む、可溶性複合体形態が挙げられる。可溶性増強フラグメントは、モルフォゲンプロドメインの任意のN末端またはC末端フラグメントであり、このフラグメントは、その成熟モルフォゲンダイマーと複合体を形成し、そしてこのモルフォゲンダイマーの可溶性を増加させる。好ましくは、この可溶性複合体は、モルフォゲンダイマーおよび2つのプロドメインペプチドを含む。モルフォゲン可溶性複合体は、公開出願WO94/03600(本明細書中に参考として援用される)に記載される。
【0028】
さらに別の実施形態において、有用なモルフォゲンとして、生物学的に活性な生合成構築物が挙げられ、これらには、新規な生合成モルフォゲンおよび2以上の公知のモルフォゲン由来の配列を使用して設計されたキメラタンパク質が挙げられる。米国特許第5,011,691号(本明細書中に参考として援用される)(例えば、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7およびCOP−16)を参照のこと。
【0029】
(II.処方および処置の考慮)
一般的問題として、本発明の組成物および方法は、癌に罹患した任意の哺乳動物被験体の処置に適用され得る。医学または獣医学分野の当業者は、哺乳動物が、癌に罹患しているか否かを認識するように訓練されている。例えば、慣用的な試験、および/または臨床診断もしくは獣医学診断の評価によって、その哺乳動物が、癌の任意の症状を有するか否かが明らかにされる。癌の症状は、調節されない細胞増殖、および/または癌細胞表現型を有する細胞の増殖を含む。他の一般的な癌の症状としては、以下が挙げられる:異常な身体機能、異常な細胞形態、異常な酵素レベル、異常なホルモンレベル、異常な腫瘍胎児抗原レベル、異常な組織増殖、異常な組織重量、異常な組織関連タンパク質レベル、変化した神経機能、変化した神経構造、腫瘍に血液供給を提供する所望でない脈管形成、異常な出血、下痢、滲出、疲労、発熱、病変、栄養失調、転移、悪心、身体の通路の閉塞、日和見感染、疼痛、乏しいカルノフスキー性能状態、癌関連細胞表面マーカーの存在、癌関連組織学的マーカーの存在、癌関連細胞内マーカーの存在、癌関連分子マーカーの存在、腫瘍浸潤、尿の頻度、および体重減少。一般的には、Harrison’s Principles of Internal Medicine 493−627(Fauciら編、第14版、1998)を参照のこと。
【0030】
癌は、体内の任意の組織で罹り得る。しかし、上記のように、いくつかの組織部位は、より癌に罹り易いようである。本発明の組成物および方法が処置することが予測される、いくつかのより一般的な癌としては、以下が挙げられる:副腎癌、肛門癌、膀胱癌、骨癌、脳の癌、乳癌、頸癌、結腸癌、癌体(corpus cancer)、内分泌癌、食道癌、ファローピウス管癌、脂肪細胞癌、胆嚢癌、胃腸管癌、生殖細胞腫瘍、腎臓癌、白血病、肝臓癌、リンパ腫、肺癌、筋肉の癌、神経系の癌、眼組織の癌、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、皮膚癌、小腸癌、軟組織の癌、胃癌、奇形癌腫(奇形腫)、精巣癌、甲状腺癌、尿管癌、泌尿器系(urinary)の癌、子宮癌、および未知の原発部位の転移性の癌。一般的には、Harrison’s Principles of Internal Medicine 493−627(Fauciら編、第14版、1998)を参照のこと。
【0031】
癌細胞増殖は、細胞外シグナルに対する一般的な非応答性によって代表される。しかし、本発明に従って、現在、モルフォゲンが癌細胞増殖を調節し得ることが発見された。上記のように、BMPRは、BMPシグナル伝達を媒介する。例えば、前立腺癌において、BMP−2が、LNCaP細胞の増殖速度を減少させることが示されている(ten Dikjeら、J.Biol.Chem.269:16985−988(1994)を参照のこと)。前立腺は、非常に高レベルのBMPR−IBを発現することもまた実証されている(Ideら、Oncogene 14:1377−382(1997);Autzenら,Br.J.Cancer 78:1219−223(1998)を参照のこと)。本発明に従って、現在、BMP−6が、BMPRの3つの型全てを発現する、マウス前立腺腫瘍異種移植片の増殖を阻害することが示された(実施例7、下記)。それゆえ、標的化された悪性細胞上でのBMPR発現の決定は、所定のモルフォゲンに応答する高い可能性を有する被験体の選択を可能にする、被験体のプレスクリーニングの新規な方法を表す。標的化された細胞は、患者から得られ得、そして特異的BMPRの発現が、例えば、メッセンジャーRNA単離およびノーザンブロット分析によって決定され得る。次いで、この標的化された細胞におけるBMPR発現に基づいて、効果的な処置を提供する可能性が最も高い、適切なモルフォゲンが選択される。あるいは、標的化された組織上での必須要件のBMPR発現の非存在に基づく、モルフォゲン処置に対して応答する可能性が低い患者が、代替的治療に参照され得る。
【0032】
モルフォゲンまたは本発明の1以上の他の薬剤と組み合わせたモルフォゲンは、任意の適合性の経路によって投与され得る。任意の適切な手段(例えば、直接的(例えば、組織部位への注射、移植または局所的投与によるように、局所的に)、全身的(例えば、非経口的または経口的)、外在的(例えば、i.v.バック)または内在的(例えば、生体腐食(bioerodable)移植片、または移植された、モルフォゲン産生細胞のコロニー))が、癌細胞増殖を阻害し得、そして/または癌細胞表現型を有する細胞の分化を刺激し得るモルフォゲン送達を達成し得る。好ましい実施形態において、モルフォゲンの腫瘍組織への直接注射が、腫瘍の壊死およびびまん性炎症を生じる。この薬剤は、好ましくは、以下のような非経口投与のための、水性または生理学的に適合性の液体懸濁物あるいは溶液の一部を含む:静脈内投与、皮下投与、分子内投与、眼内投与、腹腔内投与、筋内投与、口腔投与、直腸投与、膣内投与、眼窩内投与、大脳内投与、頭蓋内投与、脊椎内投与、脳室内投与、髄腔内投与、槽内投与、嚢内投与、鼻内投与またはエアロゾル投与。モルフォゲンのキャリアまたはビヒクルは、生理学的に受容可能であり、その結果、所望の薬剤の患者への送達に加えて、患者の電解質および/または容積のバランスに他の異常な影響を及ぼさない。従って、この薬剤のための液体媒体は、通常の生理学的生理食塩水(例えば、9.85% NaCl水溶液、0.15M、pH7〜7.4)を含み得る。当業者は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science(Gennaro,A.編、Mack Pub.、1990)に記載のような、任意の型の非経口投与のための有用な溶液を調製し得る。例えば、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤または石鹸のような皮膚科学的に受容可能なキャリアでのモルフォゲンの分散は、皮膚表面への局所適用に適切な処方であり、皮膚癌を処置するために特に有用である。
【0033】
モルフォゲンプロドメインとの成熟モルフォゲンダイマーの結合は、代表的に、生理学的な溶液において、その対応する成熟形態よりも、可溶性であるプロ形態のモルフォゲンを生じる。実際、内因性モルフォゲンは、この形態で哺乳動物体内で輸送(例えば、分泌および循環)されると考えられる。モルフォゲンを分泌する哺乳動物細胞(例えば、モルフォゲンをコードする核酸でトランスフェクトされた細胞、およびモルフォゲンを発現する能力を有する細胞)のための培養培地は、この可溶性形態のタンパク質の1つの供給源である。あるいは、モルフォゲンプロドメインポリペプチドまたはその可溶性増強フラグメントとの、モルフォゲンとして活性な成熟ポリペプチドダイマー(またはその活性フラグメント)の複合体化は、可溶性種を作製する。可溶性増強プロドメインフラグメントは、モルフォゲンファミリーのメンバーのプロ領域の、任意のN末端、C末端または内部フラグメントであり得、これは、成熟ポリペプチドダイマーと複合体化して、生じる非共有結合性複合体または共有結合性複合体の安定性および/または溶解性を増強する。代表的に、タンパク質分解性部位Arg−Xaa−Xaa−Argで切断されたフラグメントが、有用である。モルフォゲン性タンパク質の可溶性複合体形態の詳細な説明(それらを作製、試験および使用する方法を含む)は、WO94/03600(PCT US 93/07189)に記載される。OP−1の場合、有用なプロドメインポリペプチドフラグメントとしては、インタクトなプロドメインポリペプチド(残基30〜292)、ならびにフラグメント48〜292および158〜292(全て、配列番号2の残基)が挙げられる。さらに、他の分子が、可溶性を増強し、そして経口投与に特に有用である。例えば、0.2%カゼインの添加は成熟活性形態のOP−1の可溶性を、80%増加する。乳汁および/または種々の血清タンパク質に見出される他の成分もまた、有用であり得る。
【0034】
モルフォゲンはまた、経口投与され得る。タンパク質の経口投与は、一般的に、首尾よくない。なぜなら、哺乳動物の消化系における消化酵素および酸が、タンパク質が血流内に吸収される前に、ほとんどのタンパク質を分解するからである。しかし、ほとんどのタンパク質とは異なり、モルフォゲンは、代表的に、酸安定性かつプロテアーゼ耐性である。例えば、米国特許第4,968,590号を参照のこと。さらに、乳腺抽出物、初乳、および57日目の乳汁は、少なくとも1つのモルフォゲン、OP−1を含む。乳腺抽出物から精製されたOP−1は、モルフォゲンとして活性であり、そして血流中に検出される。従って、摂取された乳汁を介する母系の投与は、OP−1および他のモルフォゲンタンパク質の自然な送達経路であり得る。例えば、Letterioら、Science 264:1936−1938(1994)を参照のこと。さらに、乳汁中に見出されるモルフォゲン(および乳腺抽出物および初乳)は、容易に可溶性であり、これは、おそらく、プロドメインおよび/または別の乳汁成分との会合による。
【0035】
あるいは、またはさらに、胃腸系を介する輸送に適応性の送達ビヒクルが、経口投与されるモルフォゲンに有用である。例えば、このモルフォゲンは、胃腸内層と相互作用し、そしてこの内層を介して吸収される、生物学的に腐食性のミクロスフェアの一部であり得る。有用なポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリラクチド(polyactide)および/またはポリグリコリドおよび/またはポリシアノアクリレートポリマー、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0036】
本発明のモルフォゲンは、中枢神経系(CNS)適用において、血液脳関門(多くの物質がCNSへ侵入するのを防御する脳の毛細管構造)を越えなければならない。当該分野で周知の方法によるモルフォゲンのCNSへの直接注入は、血液脳関門を回避するための1つの様式である。あるいは、改変されたモルフォゲンが、血液脳関門を横切る輸送の増強を示し得る。例えば、短縮化形態のモルフォゲンが、最も首尾よくあり得る。あるいは、当業者は、本発明のモルフォゲンを改変して、親油性部分または血液脳関門を横切って活発に輸送される物質に誘導体化または結合体化させ得る。例えば、Pardridge、Endocrine Reviews 7:314−330(1986)および米国特許第4,801,575号を参照のこと。
【0037】
所望の組織へモルフォゲンを標的化し得る分子の、本発明のモルフォゲンとの会合が、可能である。例えば、抗体、抗体フラグメント、または所望の組織の細胞上の表面分子と特異的に相互作用する他の結合タンパク質が、モルフォゲンを標的化するために適切である。米国特許第5,091,513号に開示される単鎖結合部位技術が、標的化分子を設計するために有用である。
【0038】
インビトロ、インビボまたはエキソビボでの適用が、罹患組織をモルフォゲンに曝露させるために有用である。罹患組織をモルフォゲンに曝露させることに加えて、モルフォゲンを発現し得る細胞が、その罹患組織に送達され得る。当業者は、標準的な手段を使用して、モルフォゲンを発現し得るような細胞を構築し得る。生体適合性、生分解性、生体腐食性のマトリクス(例えば、コラーゲンまたはヒドロキシアパタイト)は、細胞が分化の間に、そのマトリクス物質内へ浸潤および増殖することを可能にするために有用である。さらに、当業者は、宿主から罹患組織を取り出し、その組織を本明細書中に記載の任意の種々のモルフォゲンに曝露させて、次いでその組織を宿主に戻し得る。これらのインビトロ、インビボ、またはエキソビボのいずれかでの適用が、癌細胞増殖を阻害し、そして/または癌細胞表現型を有する細胞を、その癌細胞表現型から離れるような分化を刺激するのに有用である。本発明の1つの局面において、NG108−15細胞、胚性癌腫NTERA−Z CL.D1細胞、LNCaP細胞、MCF−7細胞、骨肉腫細胞、ヒト肺癌A−549細胞、および神経膠細胞腫A−172細胞の増殖が、阻害される。
【0039】
当業者に理解されるように、処方された組成物は、治療有効量のモルフォゲンを含む。有効な用量および投薬ストラテジーは、以下を含む多くの因子に依存して変化する:選択された薬剤の生物学的効力、特定の薬剤の化学的特性(例えば、疎水性)、薬剤の処方、投薬経路、標的位置、薬剤の薬物動態、疾患組織の状態、および特定の哺乳動物の全体的な健康状態。例えば、約200μLの100ng/mLのBMP−6の腫瘍内投与は、マウスにおける腫瘍増殖を阻害した(実施例7、下記を参照のこと)。
【0040】
本発明のモルフォゲンは、単独で、または癌の処置に有益であることが公知の他の分子と組み合わせて投与され得る。例えば、モルフォゲンと共に、種々の周知の抗腫瘍剤、鎮痛薬または抗炎症化合物を投与し得る。さらに、モルフォゲンと共に、種々の周知の増殖因子、ホルモン、酵素、治療組成物、抗生物質または他の生物活性薬剤を投与し得る。
【0041】
(III.実施例)
以下の実施例は、種々の細胞型における細胞分化および細胞増殖に対する、種々のモルフォゲンの効果の実験的証拠を提供する。これらの癌細胞株の各々は、調節されていない増殖のいくつかの形態により、特徴付けられる。種々の実施例において以下に示すように、モルフォゲンに曝露された癌細胞の細胞増殖が、阻害された。さらに、いくつかの実施例においては、細胞分化の形態学的特徴が観察された。これらの実験データは、恐らく癌細胞の細胞増殖を阻害することおよび/または細胞分化を刺激することによって、モルフォゲンが癌の症状を軽減し得ることのポジティブな証拠を提供する。
【0042】
(実施例1 NG108−15神経芽腫/神経膠腫細胞株の、モルフォゲン誘導細胞分化)
モルフォゲン誘導細胞分化の1例として、神経細胞の分化に対するOP−1の効果を、培養物中で試験した。具体的には、NG108−15神経芽腫×神経膠腫ハイブリッドクローン細胞株に対するOP−1の効果を評価した。NG108−15細胞株(単に「NG108」とも呼ばれる)は、培養物中で、線維芽細胞型の形態を示す。この細胞株は、0.5mMブチレート、1%DM50または500mM Forskolinを使用して、化学的に分化を誘導され得、培養される一次ニューロンの実質的に全ての重要な神経特性の発現を誘導する。しかし、これらの細胞の化学的な誘導はまた、細胞分裂の停止を誘導する。
【0043】
本実験において、NG108−15細胞を、ポリ−L−リジンで被覆した6ウェルのプレート上で継代培養した。各ウェルは、化学的に規定された2.5mlの培地中に、40,000〜50,000個の細胞を含んだ。この化学的に規定された培地は、ダルベッコ改変イーグル培地:Ham’s F−12(3:1)、NaHCO3(3.7g/リットル)、微量元素(0.5nM Mo、0.5nM Mn、5nM Cd、15nM Se、25nM Sn、0.25nM Ni、および0.25nM Si)、25mM HEPES、10:g脂肪酸なしアルブミンと複合体形成したオレイン酸、50μg/mlトランスフェリン、25μg/mlインスリン、2mMグルタミン、ならびに25nM Na3VO4を含有した。Chamessら、J.Biol.Chem.261:3164〜3169(1986);Peridesら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10326〜30(1992)(本明細書中に参考として援用する)を参照のこと。3日目に、2.5:1の、0.025%トリフルオロ酢酸を含有する60%エタノール中のOP−1を、各ウェルに添加した。0、1、10、40および100ng/mlの濃度のOP−1を試験した。培地を毎日、新しいOP−1のアリコートで交換した。4日後、40ngおよび100ng/mlのOP−1濃度で、OP−1は、NG108細胞の分化を誘導した。図5は、生じる形態学的変化を示す。OP−1は、細胞の集塊化(clumping)および円形化(rounding)、ならびに神経表現型に特有の軸索成長の生成を誘導した(図5A(ナイーブNG108細胞)と図5B(OP−1で処理された細胞の効果を示す)とを比較のこと)。従って、OP−1は、細胞の、神経細胞形態への分化を誘導し得る。成長のいくつかは、シナプス型接合に連結することがわかった。この効果は、1〜100ng/mlの濃度のTGF−β1と共にインキュベートした細胞においては、見られなかった。OP−1の神経保護効果は、NG108細胞での化学的分化剤との比較によって、実証された。50,000個の細胞を6ウェルのプレートにプレートし、そしてブチレート、DMSO、ForskolinまたはOP−1で4日間処理した。細胞計数は、化学試薬を含有する培養物においては分化に細胞分裂の停止が付随することを実証した。対照的に、細胞は、[3H]−チミジン取り込みにより決定されるように、OP−1によって分化が誘導されて分裂を続けた。これらのデータは、OP−1が、分化後の培養物において細胞の安定性を維持し得ることを示唆する。
【0044】
(実施例2 ヒト奇形癌細胞株の増殖の、モルフォゲン誘導性の分化および阻害)
別の関連する実施例は、本発明のモルフォゲンが、形質転換された細胞の「再分化」を誘導する能力を実証する。ヒト胎生期癌(EC)細胞株NTERA−2CL.D1(「NTERA2」)を、ヒト奇形癌から誘導した。Andrewsら、Lab.Invest.50:147〜167(1984)を参照のこと。外部刺激の非存在下では、これらの細胞は、分化していない幹細胞として維持され得、そして無血清培地(SFM)内での増殖を誘導し得る。モルフォゲン処置の非存在下では、細胞は激しく、そして足場非依存的に増殖する。モルフォゲン処置の効果は、図6A〜Dに見られる。図6Aおよび6Bは、OP−1の存在下(25ng/ml、6A)またはモルフォゲンの非存在下(6B)での、SFM中での4日間の増殖を示す。図6Cおよび6Dは、10ng/ml OP−1の存在下(6C)またはモルフォゲンなし(6D)での、5日間の増殖である。図6Cおよび6Dは、図6Aおよび6Bと比較して10倍および20倍の拡大である。容易に見られ得るように、OP−1の存在下では、EC細胞は平坦化細胞として増殖し、足場依存性になった。さらに、増殖速度は約10倍減少した。最終的に、これらの細胞は、分化を誘導された。これらの結果は、奇形癌細胞株において、モルフォゲンが細胞を分化させ、そして細胞の増殖を阻害することを示す。
【0045】
(実施例3 アンドロゲン応答性前立腺癌細胞株LNCaPの増殖のモルフォゲン阻害)
55歳を超える全ての男性の約25%が、何らかの形態の前立腺疾患に悩んでいる。アンドロゲンは、前立腺癌細胞の増殖を刺激することが公知である。代表的に、前立腺癌細胞は、最終的にその増殖のためのアンドロゲンへの依存を失い、そしてこの癌は、より悪性のアンドロゲン非依存状態に進行する。アンドロゲン応答性の欠損はまた、前立腺癌の転移性形態に特有である。従って、前立腺癌を処置する従来の方法は、何らかの形態のアンドロゲン制御または剥離を利用して、アンドロゲンにより刺激される増殖および前立腺癌のより悪性の転移性形態への最終的な進行を防止する。
【0046】
前立腺癌の早期の検出は、前立腺癌診断上の循環抗原についての高感度試験の開発により、より最近に可能になった。このような抗原としては、前立腺血清抗原(PSA)、前立腺酸ホスファターゼ(PAP)、および前立腺インヒビン(PIP)が挙げられる。早期の検出は、早期の処置の機会を与える。現在、前立腺癌を処置する最も通常利用可能な方法は、癌性前立腺の除去のための外科手術または放射線治療を包含する。さらに、ホルモン治療(例えば、アンドロゲンの剥離または制御)の様々な方法が、固形の転移性の前立腺癌の発達を遅くするために、通常利用される。しかし、前立腺癌の処置のためのこれらの現在利用可能な治療に供される患者はまた、様々な所望でない副作用(特に、失禁および不能症)の危険がある。従って、このような所望でない副作用を付随しない治療の必要性が存在する。
【0047】
Schneyerおよび共同研究者らは、以前に、タンパク質アクチビン(TGF−βスーパーファミリーの非モルフォゲンメンバー)の、前立腺癌の処置のための治療試薬としての効果を研究した。例えばWangら、Endocrinology 137:5476〜5483(1996)を参照のこと。しかし、高い腎臓毒性が、有効な治療用抗癌剤としてのアクチビンのさらなる開発を、妨害した。本明細書中に記載のように、モルフォゲン(OP−1およびBMP−6など)が、アンドロゲン依存性前立腺癌細胞およびアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞の両方の増殖を阻害し得ることが、現在見出されている。アクチビンとは対照的に、OP−1およびBMP−6などのモルフォゲンは、骨組織、腎臓機能、および身体の他の軟組織と適合性であることが公知である。従って、本発明は、OP−1およびBMP−6などのモルフォゲンを前立腺癌患者に投与する工程を包含する、前立腺癌を処置する方法を提供する。一旦、モルフォゲンが患者に投与されると、前立腺癌細胞増殖のモルフォゲン媒介阻害が、様々な標準的方法(組織サイズおよび構造の減少を検出するための試験、循環抗原(PSAなど)のレベルの測定、ならびに患者の不快感および尿生殖器管機能のモニタリングが挙げられる)を使用して臨床医によりモニタされ得る。
【0048】
本明細書中に示すように、BMP−6およびOP−1などのモルフォゲンは、アンドロゲン応答性LNCaP細胞株(アンドロゲン応答性前立腺癌の樹立されたインビトロモデル)を使用して実証されるように、前立腺癌細胞の増殖を阻害する。LNCaP前立腺癌モデルは、3つの実験で利用される。第一に、BMP−6、OP−1(BMP−7)、アクチビン、またはTGF−β1の、外因性アンドロゲンの非存在下でのLNCaP細胞の細胞増殖に対する効果を試験した。第二に、BMP−6、OP−1(BMP−7)、アクチビン、またはTGF−β1の、アンドロゲンに曝露されたLNCaP細胞の細胞増殖に対する効果を試験した。第三に、LNCaP細胞におけるBMP−6、OP−1(BMP−7)、およびアクチビンの生物活性に対する、フォリスタチン、アクチビンおよびモルフォゲン結合タンパク質の効果を試験した。
【0049】
LNCaP細胞を、American Type Culture Collection(Rockville、MD)から入手し、そして75cmのフラスコ内で、10%ウシ胎仔血清を含有するRPME−1640(RPMI/10%FBS)で、5%CO2:95%空気の加湿した大気中で増殖させた。培養培地を3日ごとに交換した。アクチビンおよびBMPのアッセイのために、トリプシン化した細胞の懸濁液を96ウェルのプレート上に再プレートすることにより、ストック培養物を継代培養した。この目的で、LNCaP細胞を、0.5mLのRPMI/10%FBS中3×104細胞/ウェルで、24ウェルのプレート内にプレートし、そして48時間インキュベートして、研究用のサブコンフルエントな培養物を樹立した。予備インキュベーション期間の後に、培地を穏やかに吸引し、細胞を温RPMLで1回洗浄し、そして細胞を、細胞増殖速度(例えば、細胞増殖)に対する処置効果の研究のために、0.5mlの2%FBS含有RPMI中で引き続き培養した。様々な用量のアクチビン、BMP、DHT、またはFSを、単独でまたは組み合わせて、三連ウェルに添加し、そしてインキュベーションをさらに48時間継続した。細胞への[3H]−チミジンの取り込みの後に、細胞をRPMIで1回洗浄し、そして0.5mLの10%冷トリクロロ酢酸(TCA)で20分間4℃で沈殿させた。2回のメタノール洗浄の後に、沈殿物を0.5mLの1N水酸化ナトリウム中に可溶化し、そして放射性の量を、液体シンチレーションカウンター中で計数した。[3H]−チミジンの取り込みは、cpm/ウェルで表現され、そして細胞増殖速度の定量的測定を表す。第一の実験例において、LNCaP細胞(外因性アンドロゲンの非存在下)を、示したように、様々な濃度のBMP−6、OP−1(BMP−7)、アクチビン、またはTGF−β1に曝露した。これらの物質のLNCaP細胞に対する効果を、[3H]−チミジン取り込みアッセイを使用して評価した。図7は、アクチビンおよびモルフォゲン(BMP−6およびOP−1(BMP−7))が、用量に依存する様式で、細胞増殖を阻害することを示す。BMP−6は、OP−1(BMP−7)より高い効力を有した。第二の実験例において、LNCaP細胞(10nM DHTアンドロゲンに曝露)を、アンドロゲン(10nM DHT)の存在下で、様々な濃度のBMP−6、OP−1(BMP−7)、アクチビンまたはTGF−β1に曝露し、そしてこれらの物質の効果を、[3H]−チミジン取り込みアッセイを使用して評価した。図8は、アクチビンおよびモルフォゲン(BMP−6およびOP−1(BMP−7))が、用量に依存する様式で、アンドロゲンで刺激されたLNCaP細胞の増殖を阻害したことを示す。BMP−6は、OP−1(BMP−7)より高い効力を有した。
【0050】
第三の実験例において、LNCaP細胞を、1nM BMP−6、3nM OP−1(BMP−7)、または0.1nMアクチビンに曝露し、続いて0.5:1、1:1、2:1、5:1、および10:1のフォリスタチン:リガンドの比で、アクチビン/BMP結合タンパク質フォリスタチン(FS)に曝露した。フォリスタチンおよびリガンドの、LNCaP細胞の増殖に対する効果を、[3H]−チミジン取り込みアッセイを使用して評価した。図9は、フォリスタチンが、両方のモルフォゲン(BMP−6およびOP−1(BMP−7))の生物活性を中和したことを示す。
【0051】
(実施例4 5エストロゲン応答性ヒト乳癌MCF−7細胞の増殖のモルフォゲン阻害および分化のモルフォゲン誘導)
この実施例は、モルフォゲンOP−1が、エストロゲン応答性ヒト乳癌MCF−7細胞の増殖を阻害することを実証する。MCF−7細胞を、5%ウシ胎仔血清(FBS)、2mM L−グルタミン、イーグル(Earle’s)BSS、1mMピルビン酸ナトリウム、抗生物質、および10mg/mlウシインスリンで補充したイーグルMEM中で、単層培養物に増殖させた。フェノールレッド含有培地からの可能なステロイド様人工産物を防止するために、実験処理の前に、細胞を、各々内因性ステロイドをデキストラン被覆チャコールで除去し、5%FBSで補充した、フェノールなしの無血清培地、またはフェノールなしの培地と共にインキュベートした。
【0052】
第一の実験において、MCF−7癌細胞の増殖に対するOP−1およびTGF−βの効果を、血清の存在下および非存在下で試験した。細胞を、24ウェルまたは48ウェルのプレート中で増殖させた。OP−1またはTGF−β1を、示したような様々な濃度で無血清培地に添加するか、あるいは、OP−1またはTGF−β1を、5%血清含有培地に、示したような様々な濃度で添加した。図10Aおよび10Bは、OP−1およびTGF−β1の両方が、[3H]−チミジン取り込みアッセイを使用して、用量に依存する様式で細胞増殖を阻害したことを示す。血清の存在下または非存在下で、OP−1は、細胞増殖を、200ng/mlでコントロールの約80%まで阻害し(図10A、塗りつぶした正方形)、そして5%血清含有培地の存在下、200ng/mlでコントロールの約65%まで阻害した(図10B、塗りつぶした正方形)。TGF−β1は、細胞増殖を、無血清培地中10ng/mlでコントロールの約65%まで阻害し(図10A、塗られていない円)、そして5%血清含有培地中、10ng/mlでコントロールの約55%まで阻害した(図10B、塗られていない円)。
【0053】
関連の実験において、17−βエストラジオールにより刺激されるMCF−7乳癌細胞に対するOP−1またはTGF−β1の効果を試験した。MCF−7細胞を、17−βエストラジオール(1×10-11、10-10、10-9、10-8、10-7、10-6M)で補充した培地中でインキュベートし、次いで200ng/mlのOP−1に曝露した。細胞増殖に対する効果を、[3H]−チミジン取り込みアッセイを使用してアッセイした。図1Aは、17−βエストラジオールに曝露されたがOP−1には曝露されなかったMCF−7細胞が、10-9M 17−βエストラジオールで、細胞増殖をコントロールの約250%に増加させたことを示す(塗られていない正方形)。10-9M 17−βエストラジオールおよびOP−1の両方に曝露されたこれらのMCF−7細胞は、コントロールの約80%の細胞増殖の阻害を示した(塗りつぶした正方形)。すぐ上に記載した同じプロトコルを使用して、10ng/ml TGF−β1を、OP−1で置換した。図11Bは、TGF−β1が、10-11M 17−βエストラジオールで刺激されたMCF−7細胞において、細胞増殖をコントロールの約40%まで阻害したことを示す(塗りつぶした円)。
【0054】
別の実験において、MCF−7細胞の増殖を阻害することが公知であるエストロゲンアンタゴニストであるタモキシフェンを、OP−1との比較において、ならびにOP−1に加えて、その効果について試験した。MCF−7細胞を、1×10-6Mタモキシフェン、100ng/mlのOP−1、または組み合わせたタモキシフェンおよびOP−1に曝露した。細胞増殖を、[3H]−チミジン取り込みアッセイを使用してアッセイした。図12は、これらの濃度のOP−1またはタモキシフェンが、細胞増殖をコントロールの約40%まで阻害したことを示す。共に、OP−1およびタモキシフェンは、細胞増殖をコントロールの約70%まで阻害した。
【0055】
別の関連する実験において、OP−1遺伝子を、標準的なリン酸カルシウム沈殿を使用して、MCF−7細胞へと安定にトランスフェクトした。プラスミドpCDM8(Invitrogen)から単離したCytomegalovirusの主要前初期プロモーター(MIE)を使用して、OP−1 cDNAの転写を指向した。SV40初期領域スプライスシグナルおよびポリ−A付加シグナル(pMAMneo(Clonetech、Inc.)から入手)の両方を、3’プロセシングエレメントとして付加した。イントロンおよびスプライス部位を有さない、同じベクター由来のより短い3’領域もまた、等しい成功で使用された。真核生物選択マーカーネオマイシンもまた、SV40初期プロモーターの転写制御下に、存在した。米国特許第5,712,119号;米国特許第5,614,385号;米国特許第5,585,237号(それぞれを本明細書中に参考として援用する)を参照のこと。
【0056】
トランスフェクションの1日前に、細胞を1×106細胞/100mmペトリ皿の密度でプレートした。OP−1遺伝子を含有するプラスミドから調製した精製DNA(50マイクログラム)を、リン酸カルシウム沈殿法によって、細胞内にトランスフェクトした。トランスフェクションの2日後に、細胞をトリプシン化し、そして400mg/ml G418を含有する選択培地を含む新しいプレート上に、1:3でプレートした。G418耐性コロニーが、約2週間後に見られ、そしてこれらの細胞のいくつかを使用して、ノーザンブロット分析により、OP−1遺伝子を検証した。
【0057】
MCF−7細胞をOP−1遺伝子でトランスフェクトした場合に、形態(線維芽細胞様)の変化が起こった。エストロゲンに対する細胞の応答性もまた、変化した。OP−1でトランスフェクトしたMCF−7細胞を、様々な用量の17−βエストラジオール(10-7〜10-11M 17−βエストラジオール)で3日間処理した。細胞増殖を、[3H]−チミジン取り込みアッセイを使用してアッセイした。17−βエストラジオールは、細胞増殖を刺激しなかった。実際に、OP−1遺伝子でトランスフェクトしたMCF−7細胞は、1×10-7M 17−βエストラジオールで、コントロールの約50%の細胞増殖の用量依存性阻害を示した。
【0058】
これらの知見は、OP−1が、MCF−7乳癌細胞の、基礎増殖およびエストロゲンにより刺激される増殖を阻害することを、集合的に実証する。OP−1はまた、MCF−7細胞の細胞分化を誘導し、これは恐らく、上皮細胞型から間葉への切り替えであり、特定のエストロゲン応答性ヒト乳癌の治療剤としてのOP−1などのモルフォゲンの使用に矛盾しない。
【0059】
(実施例5 ヒト神経膠芽細胞腫A−172細胞の増殖のモルフォゲン阻害)
この実施例は、モルフォゲンOP−1が、ヒト神経膠芽細胞腫A−172細胞の細胞増殖を阻害することを実証する。A−172細胞を、1ウェルあたり5×104細胞で、48ウェルのプレート内で10%FBSを含有するDMEM中にプレートした。24時間後、増殖培地を無血清DMEMと交換した。OP−1(1、10、40、100、200ng/ml)を、この細胞に添加し、そして5%CO2の存在下で24時間、37℃でインキュベートした(これは、1μCi[3H]−チミジンでの6時間のパルスを含んだ)。このインキュベーションの後に、細胞をPBSで洗浄した。TCA(10%)を添加し、そして細胞を15分間インキュベートした。細胞層を蒸留水で3回洗浄し、そして1%SDSで抽出した。組み込まれた放射性を、液体シンチレーションアナライザーで測定した。図13は、モルフォゲンOP−1が、100ng/mlで、A−172癌細胞の増殖をコントロールの約50%まで阻害したことを示す。
【0060】
(実施例6 ヒト肺癌A−549細胞の増殖のモルフォゲン阻害)
この実施例は、モルフォゲンOP−1が、ヒト肺癌A−549細胞の細胞増殖を阻害することを実証する。A−549細胞を、1ウェルあたり5×104細胞で、48ウェルのプレート内で10%FBSを含有するDMEM中にプレートした。24時間後、増殖培地を無血清DMEMと交換した。OP−1(1、10、20、40、100、200ng/ml)をこの細胞に添加し、そして5%CO2の存在下で24時間、37℃でインキュベートした(これは、1μCi[3H]−チミジンでの6時間のパルスを含んだ)。このインキュベーションの後に、細胞をPBSで洗浄した。10% TCAを添加し、そして細胞を15分間インキュベートした。細胞層を蒸留水で3回洗浄し、そして1%SDSで抽出した。組み込まれた放射性を、液体シンチレーションアナライザーで測定した。図14は、OP−1が、A−549 1mg癌細胞の増殖を、用量に依存する様式(200ng/mlで約70%の阻害を達成する)で阻害したことを示す。他方で、TGF−132は、1ng/mlで最大で77%の細胞増殖を阻害した。
【0061】
(実施例7 インビトロでの腫瘍細胞増殖のモルフォゲン誘導阻害)
2つのマウス前立腺癌細胞株の増殖に対するモルフォゲンの効果を、インビトロで試験した。最初に、これらのマウス前立腺癌細胞株におけるBMPレセプター(BMPR)の発現を、ノーザンブロット分析により調査した。これらの結果は、両方の細胞株が3種類のBMPRを発現すること、およびモルフォゲンBMP6がこれらの細胞株の増殖を用量に依存する様式で阻害することを、実証する。
【0062】
(細胞培養)
TRAMP(マウス前立腺のトランスジェニック腺癌)マウスの前立腺癌由来の、E4およびF11と称される、2つの細胞株を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、5μg/mlインクリン(inculin)、および108Mジヒドロレステロンで補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中に維持した(Fosterら、Cancer Res.7:3325〜330(1997)を参照のこと)。全ての細胞を、第20継代から第23継代まで誘導した。
【0063】
BMP−6での処置の前に、培地を1%FBSで補充したDMEMに切り替えた。次いで、BMP−6を以下の濃度で添加した:1、10、および100μg/ml。この培地を1日おきに交換した。6日間周期の終了時に、細胞を収集し、そして血球計を使用して計数した。全てのアッセイを3回行い、そして各回に、類似の結果を得た。
【0064】
(メッセンジャーRNAの単離およびノーザンブロット分析)
E4細胞およびF11細胞におけるBMPRの発現を、ノーザンブロット分析により検証した。細胞を収集した後に、mRNAを、市販のキット(Ribosep、Collaborative Biomolecules、Bedford、MA)を使用して、製造業者の推奨するプロトコルに従って単離した。ノーザンブロット分析のために、2μgのポリA RNAを、1%ホルムアルデヒド−アガロースゲル中で電気泳動により分離し、そしてナイロン膜(Zeta−Probe GT膜、Bio−Red Laboratories、Hercules、CA)に移した。続いて、この膜を2×SSC(1×SSC=0.15Mクエン酸Na、pH7.0)中でリンスした。次いで、分離したRNAを、紫外光架橋剤を使用して、ナイロン膜に架橋させた。プレハイブリダイゼーションを、50%ホルムアミド、0.12M Na2HPO4(pH7.2)、0.25M NaCl、7%(wt/vol)SDS、および250μg/ml熱変性ニシン精子DNA(Promega Corp.Madison、WI)中42℃で2時間実施した。ハイブリダイゼーションを、ランダムオリゴヌクレオチドプライミングキット(Random Primers DNA標識システム、Life Technologies)を使用して、[32P]−デオキシ−CTP(Amersham Corp.、Arlington Heights、IL)で標識されたプローブを含有する、プレハイブリダイゼーション溶液中で、42℃で一晩実施した。膜をSSCの段階希釈物中で洗浄した後に、オートラジオグラフィーを、増感スクリーンを用いて、Kodak X−Moat ARフィルム(Eastman Kodak、Rochester、NY)を使用して、−70℃で実施した。
【0065】
図15に示すように、両方の細胞株が、3種類のBMPR(BMPR−IA、BMPR−IB、およびBMPR−II)を発現した。以前に報告されたように、BMPR−IIについて3つのスプライス改変体が存在する。Rosenzweigら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:7632〜636(1995)を参照のこと。
【0066】
(増殖の阻害)
組織培養物中のこれらの細胞株へのBMP−6の添加は、用量に依存する様式で、増殖の速度を劇的に減少させた(図16を参照のこと)。具体的には、100ng/ml BMP−6の存在下では、E4細胞およびF11細胞の細胞計数は、コントロール(BMP−6なし)の細胞計数の約60%であった。これら2つの細胞株は、3種類全てのBMPRを発現し、そしてBMP−6に感受性であったので、E4細胞株を、BMP−6のインビボでの治療効力を考慮する引き続く分析のために、無作為に選択した。
【0067】
(実施例8 インビボでの腫瘍増殖のモルフォゲン誘導阻害)
モルフォゲンがインビボで癌の増殖を阻害する能力を、実施例7に記載したように、マウス前立腺癌細胞株E4を使用して、試験した。成体雄性C57BL/6マウスを購入し、そしてGuidelines for the Care and Use of Experimental Animalsに確立されるNH標準に従って、維持した。30匹のマウスに、107個の細胞を皮下に接種した。6週間で、21匹のマウスが触知可能な腫瘍を有した。これらの動物を各7匹の3つのグループに分けた。実験グループは、200μlの100ng/ml BMP−6を受け、一方でコントロールグループは、ビヒクル(20mMアセテートおよび5%マンニトール、pH4.5)を受けたか、または処置を受けなかった。注射を、3週間にわたって1日おきに腫瘍に直接送達した。これらの動物を、治療の開始後10週間にわたって観察し、そして各動物の腫瘍容積を毎週測定した。
【0068】
10週間の期間の終了時に、全ての腫瘍を収集し、そしてホルマリン中に貯蔵し、そしてパラフィンに埋包した。続いて、5μm切片を各腫瘍から得、そしてヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。
【0069】
(腫瘍増殖の阻害)
処置の開始後の10週間の期間の終了時に、BMP−6で処置した7匹のマウスのうち5匹は生存していたが、他のグループの全ての動物は死亡していた(表1)。5匹のマウスのうち2匹が、触知可能でない腫瘍を有した。
【0070】
生存率に加えて、BMP−6処置はまた、腫瘍増殖率を減少させた。この結果(図17に示す)は、BMP−6で処置したマウスの平均の腫瘍は、ビヒクルのみを与えたマウスの平均の腫瘍の約3分の1であったことを示す。ビヒクルを受けたグループと、処置を受けなかった動物との間では、腫瘍増殖の速度間に有意な差異がなかった(データは示さない)。
【0071】
【表1】
Figure 0004892131
(データ分析)
処置に対して応答性であったマウスに対するモルフォゲン処置の効果を決定する試みとして、2つの非生存動物(これらはBMP−6処置に応答性ではなかった)からのデータを除いた後に、データの再分析を実施した(図18)。全ての統計をχ2検定により評価し、そして0.05未満のPを統計的に有意であるとみなした。新たなデータ分析は、処置に対して応答性であった動物へのBMP−6の注射の2週間後に、腫瘍容積が実際に減少し始めたことを示す。BMP−6投与の開始後4週間の終了時に、応答性のマウスの平均腫瘍サイズは、ビヒクルのみを受けたコントロールグループの平均腫瘍サイズの約5%であった。
【0072】
本研究に見られるモルフォゲン誘導腫瘍後退の基底にある機構を決定する最初の試みとして、腫瘍を収集し、そして顕微鏡用にH&Eで染色した。図19Aおよび19Bに示すように、BMP−6で処置した腫瘍は、重篤な壊死および拡散性の炎症を示した。
【0073】
(他の実施形態)
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施され得る。従って、本実施形態は、全てに関して、上述の説明によってよりむしろ添付の特許請求の範囲によって示される本発明の範囲の例示であって限定ではないとみなされるべきであり、従って特許請求の範囲の均等物の意味および範囲に入る全ての変更は本発明に包含されることが意図される。
【0074】
本発明の他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1B】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1C】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1D】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1E】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1F】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1G】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1H】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1I】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1J】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1K】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1L】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図1M】 図1A〜1Mは、種々の天然に存在するモルフォゲンのアミノ酸配列と、ヒトOP−1の好ましい参照配列である配列番号2の残基330〜431との、表としての整列である。
【図2A】 図2A〜2Bは、公知のモルフォゲンにおけるアミノ酸のバリエーションを示す、包括的配列である配列番号4、5および8における「Xaa」位についての代替アミノ酸の、表としての提示である。
【図2B】 図2A〜2Bは、公知のモルフォゲンにおけるアミノ酸のバリエーションを示す、包括的配列である配列番号4、5および8における「Xaa」位についての代替アミノ酸の、表としての提示である。
【図3A】 図3A〜3Cは、公知のモルフォゲンにおけるアミノ酸のバリエーションを示す、包括的配列である配列番号6、7および9における「Xaa」位についての代替アミノ酸の、表としての提示である。
【図3B】 図3A〜3Cは、公知のモルフォゲンにおけるアミノ酸のバリエーションを示す、包括的配列である配列番号6、7および9における「Xaa」位についての代替アミノ酸の、表としての提示である。
【図3C】 図3A〜3Cは、公知のモルフォゲンにおけるアミノ酸のバリエーションを示す、包括的配列である配列番号6、7および9における「Xaa」位についての代替アミノ酸の、表としての提示である。
【図4】 図4は、OP−1およびOP−2のいくつかの同定された対立遺伝子および系統的改変体におけるアミノ酸のバリエーションを示す、包括的配列である配列番号3における「Xaa」位についての代替アミノ酸の、表としての提示である。
【図5】 図5A〜5Bは、モルフォゲン(OP−1)が分化していないNG108細胞(図5A)が、神経の形態の(図5B)分化を受けるのを誘導する能力を例示する。
【図6】 図6A〜6Dは、ヒト胚癌細胞再分化に対するモルフォゲン(OP−1)の効果を示す。
【図7】 図7は、刺激していないアンドロゲン応答性前立腺癌LNCaP細胞の細胞増殖に対するモルフォゲン(BMP6またはOP−1(BMP7))、アクチビンまたはTGF−β1の効果を示す。
【図8】 図8は、刺激したアンドロゲン応答性前立腺癌LNCaP細胞の細胞増殖に対するモルフォゲン(BMP6またはOP−1(BMP7))、アクチビンまたはTGF−β1の効果を示す。
【図9】 図9は、アンドロゲン応答性前立腺癌LNCaP細胞におけるモルフォゲン(BMP−6またはOP−1(BMP−7))またはアクチビンの生体活性に対するフォリスタチンの効果を示す。
【図10】 図10A〜10Bは、5%血清含有培地の非存在下(図10A)または存在下(図10B)におけるエストロゲン応答性ヒト乳癌MCF−7細胞の細胞増殖に対するモルフォゲン(OP−1)またはTGF−β1の効果を示す。
【図11】 図11A〜11Bは、17−βエストラジオールで刺激したかまたは刺激していない、エストロゲン応答性ヒト乳癌MCF−7細胞の細胞増殖に対するモルフォゲン(OP−1)の効果(図11A)、および17−βエストラジオールで刺激したかまたは刺激していないエストロゲン応答性ヒト乳癌MCF−7細胞の細胞増殖に対するTGF−β1の効果(図11B)を示す。
【図12】 図12は、エストロゲン応答性ヒト乳癌MCF−7細胞の細胞増殖に対する、モルフォゲン(OP−1)、タモキシフェン、またはモルフォゲン(OP−1)とタモキシフェンとの両方の組み合わせの効果を示す。
【図13】 図13は、ヒト神経膠芽腫A−172細胞の細胞増殖に対するモルフォゲン(OP−1)の効果を示す。
【図14】 図14は、ヒト肺癌A−549細胞の細胞増殖に対するモルフォゲン(OP−1)またはTGF−β2の効果を示す。
【図15】 図15は、マウス前立腺癌細胞株E4およびF11における3つのBMPRの発現を示す。
【図16】 図16は、マウス前立腺癌細胞株E4およびF11の細胞増殖に対するモルフォゲン(BMP−6)の効果を示す。
【図17】 図17は、前立腺癌異種移植片を有するマウスにおける腫瘍容積に対するモルフォゲン(BMP−6)の効果を示す。
【図18】 図18は、生存動物について修正した、前立腺癌異種移植片を有するマウスにおける、腫瘍容積に対するモルフォゲン(BMP−6)の効果を示す。
【図19】 図19A〜19Bは、コントロール腫瘍と比較した場合の、モルフォゲン(BMP−6)で処置した腫瘍における壊死およびびまん性炎症を示す。
【配列表】
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Claims (50)

  1. 前立腺癌の症状を緩和するための組成物であって、該組成物は、ダイマータンパク質を含むモルフォゲンを含み、ここで該モルフォゲンがOP−1およびBMP−から選択され、そして、該モルフォゲンが前立腺癌細胞の増殖を阻害し得る、組成物。
  2. 乳癌または肺癌の症状を緩和するための組成物であって、該組成物は、ダイマータンパク質を含むモルフォゲンを含み、ここで該モルフォゲンがOP−1であり、そして、該モルフォゲンが乳癌細胞または肺癌細胞の増殖を阻害し得る、組成物。
  3. 前記モルフォゲンが、OP−1である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記モルフォゲンが、BMP−6である、請求項1に記載の組成物。
  5. 乳癌の症状を緩和する、請求項2に記載の組成物。
  6. 肺癌の症状を緩和する、請求項2に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、薬学的に受容可能なビヒクルを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記ビヒクルが、生体適合性ミクロスフェア、生分解性ミクロスフェア、および生体腐食性ミクロスフェアからなる群より選択される、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記ビヒクルが、生体適合性マトリックス、生分解性マトリックス、および生体腐食性マトリックスからなる群より選択される、請求項7に記載の組成物。
  10. 前記ビヒクルが、水溶液である、請求項7に記載の組成物。
  11. 前記組成物が、前記癌細胞に対して前記モルフォゲンを発現し得る細胞を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記組成物が、前記モルフォゲンをコードする、プロモーターに作動可能に連結された非感染性の非組込み型DNAを含み、ここで、該DNAが、トランスフェクション促進タンパク質、ウイルス粒子、リポソーム処方物、荷電した脂質およびリン酸カルシウム沈澱剤と会合しておらず、それにより、該DNAが発現される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記モルフォゲンをコードする、プロモーターに作動可能に連結された前記非感染性の非組込み型DNAが、該プロモーターと作動可能に連結したエンハンサーエレメントをさらに含む、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記症状が、新脈管形成、出血、下痢、滲出、疲労、発熱、栄養失調、転移、悪心、日和見感染、疼痛および体重減少からなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記モルフォゲンが、インビトロアッセイにおける[H]−チミジンの細胞取り込みを阻害し得る、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 前記組成物が、前記モルフォゲンと組み合わせて1以上の物質をさらに含み、該1以上の物質が、抗癌剤、鎮痛剤、抗炎症化合物、増殖因子、ホルモン、酵素、治療組成物および抗生物質からなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 前記1以上の物質が抗癌剤である、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記癌細胞が、前記モルフォゲンに特異的な少なくとも1つの骨モルフォゲン性タンパク質レセプター(BMPR)を発現する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 前記BMPRが、BMPR−IA、BMPR−IB、BMPR−IIおよびそれらのスプライス改変体からなる群より選択される、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記モルフォゲンが、腫瘍のサイズまたは発生を減少させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  21. 前記モルフォゲンが、生存率を増加させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 前記モルフォゲンが、腫瘍壊死およびびまん性炎症をもたらす、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 前立腺癌の症状を緩和するための医薬の製造のためのダイマータンパク質を含むモルフォゲンの使用であって、該モルフォゲンはOP−1およびBMP−6から選択され;ここで該モルフォゲンが、前立腺癌細胞の増殖を阻害し得る、使用。
  24. 乳癌または肺癌の症状を緩和するための医薬の製造のためのダイマータンパク質を含むモルフォゲンの使用であって、該モルフォゲンはOP−1であり;ここで、該モルフォゲンが、乳癌細胞または肺癌細胞の増殖を阻害し得る、使用。
  25. 前記モルフォゲンが、OP−1である、請求項23に記載の使用。
  26. 前記モルフォゲンが、BMP−6である、請求項23に記載の使用。
  27. 前記医薬が乳癌の症状を緩和するためのものである、請求項24に記載の使用。
  28. 前記医薬が肺癌の症状を緩和するためのものである、請求項24に記載の使用。
  29. 前記医薬が、薬学的に受容可能なビヒクルを含む、請求項23〜28のいずれか1項に記載の使用。
  30. 前記ビヒクルが、生体適合性ミクロスフェア、生分解性ミクロスフェア、および生体腐食性ミクロスフェアからなる群より選択される、請求項29に記載の使用。
  31. 前記ビヒクルが、生体適合性マトリックス、生分解性マトリックス、および生体腐食性マトリックスからなる群より選択される、請求項29に記載の使用。
  32. 前記ビヒクルが、水溶液である、請求項29に記載の使用。
  33. 前記医薬が、前記モルフォゲンを発現し得る細胞を、前記癌細胞に送達することによって投与するために適切である、請求項23〜28のいずれか1項に記載の使用。
  34. 前記医薬が、前記モルフォゲンをコードする、プロモーターに作動可能に連結された非感染性の非組込み型DNAを提供することによって投与するために適切であり、ここで、該DNAが、トランスフェクション促進タンパク質、ウイルス粒子、リポソーム処方物、荷電した脂質およびリン酸カルシウム沈澱剤と会合しておらず、それにより、該DNAが発現される、請求項23〜28のいずれか1項に記載の使用。
  35. 前記モルフォゲンをコードする、プロモーターに作動可能に連結された前記非感染性の非組込み型DNAが、該プロモーターと作動可能に連結したエンハンサーエレメントをさらに含む、請求項34に記載の使用。
  36. 前記症状が、新脈管形成、出血、下痢、滲出、疲労、発熱、栄養失調、転移、悪心、日和見感染、疼痛および体重減少からなる群より選択される、請求項23〜28のいずれか1項に記載の使用。
  37. 前記モルフォゲンが、インビトロアッセイにおける[H]−チミジンの細胞取り込みを阻害する、請求項23〜28のいずれか1項に記載の使用。
  38. 前立腺癌細胞の集団における前立腺癌細胞の数を減少させるための医薬の製造のためのダイマータンパク質を含むモルフォゲンの使用であって、該モルフォゲンはOP−1およびBMP−6から選択され、ここで、該モルフォゲンが、インビトロアッセイにおける[H]−チミジンの細胞取り込みを阻害し得る、使用。
  39. 乳癌細胞の集団における乳癌細胞の数を減少させるため、または、肺癌細胞の集団における肺癌細胞の数を減少させるための医薬の製造のためのダイマータンパク質を含むモルフォゲンの使用であって、該モルフォゲンがOP−1であり、ここで、該モルフォゲンが、インビトロアッセイにおける[H]−チミジンの細胞取り込みを阻害し得る、使用。
  40. 前記モルフォゲンが、OP−1である、請求項38に記載の使用。
  41. 前記モルフォゲンが、BMP−6である、請求項38に記載の使用。
  42. 前記医薬が乳癌細胞減少させるためのものである、請求項39に記載の使用。
  43. 前記医薬が肺癌細胞減少させるためのものである、請求項39に記載の使用。
  44. 前記医薬が、前記モルフォゲンと組み合わせて1以上の物質をさらに含み、該1以上の物質が、抗癌剤、鎮痛剤、抗炎症化合物、増殖因子、ホルモン、酵素、治療組成物および抗生物質からなる群より選択される、請求項23〜28または38〜43のいずれか1項に記載の使用。
  45. 前記1以上の物質が抗癌剤である、請求項44に記載の使用。
  46. 前記癌細胞が、前記モルフォゲンに特異的な少なくとも1つの骨モルフォゲン性タンパク質レセプター(BMPR)を発現する、請求項23〜28または38〜43のいずれか1項に記載の使用。
  47. 前記BMPRが、BMPR−IA、BMPR−IB、BMPR−IIおよびそれらのスプライス改変体からなる群より選択される、請求項46に記載の使用。
  48. 前記モルフォゲンが、腫瘍のサイズまたは発生を減少させる、請求項23〜28または38〜43のいずれか1項に記載の使用。
  49. 前記モルフォゲンが、生存率を増加させる、請求項23〜28または38〜43のいずれか1項に記載の使用。
  50. 前記モルフォゲンの投与が、腫瘍壊死およびびまん性炎症をもたらす、請求項23〜28または38〜43のいずれか1項に記載の使用。
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