JP4890011B2 - 放電加工用電極線 - Google Patents

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本発明は、ワイヤ放電加工においてワイヤ電極として使用される電極線、特に、鋼線を芯材とし、該芯材の表面に真鍮メッキを施した放電加工用電極線に関するものである。
放電加工用電極線として使用されているワイヤとしては、黄銅線、タングステン線やモリブデン線、鋼線を銅や黄銅で被覆したもの、鋼線を銅や黄銅で被覆し更に最表面に亜鉛層を設けたもの等が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特公昭57−5648号公報 特開平6−238523号公報
ワイヤ放電加工は、放電現象により発生した熱で被加工物を溶解切断する加工法であって、加工速度を高めるためには、電極線の放電特性を改善し、また、発熱による強度低下を少なくし、放電時間を長くできるようにする必要がある。そして、その放電加工用の電極線は、線径が0.2mm程度のものが一般的であるが、微細な加工の場合には0.01〜0.1mmといった細線径の電極線を使用する必要がある。
しかし、黄銅線は、導電率が高いため放電時の発熱が小さく、放電特性も優れているが、強度(引張り強さ)が大きくないため、線径が小さい電極線には使用することができない。タングステン線やモリブデン線は、高温での強度(引張り強さ)が高いが、価格および製造上の問題がある。また、鋼線の表面を銅や黄銅で被覆した複合線は、強度(引張り強さ)が大きいが、放電時の発熱が大きく、加工速度等の点で満足できるものではない。また、鋼線を銅や黄銅で被覆し最表面に亜鉛層を設けたものは、放電特性は改善できるが、その効果は限定的で、加工速度を満足できる程度に改善することができない。
本発明は、放電特性が良好で加工速度を大幅に改善することができ、且つ、強度が大きく、細線領域においても十分に使用可能な放電加工用電極線を提供することを目的としている。
本発明の放電加工用電極線は、鋼線(特にピアノ線等の高抗張力鋼線)を芯材とし、該芯材の表面に真鍮(黄銅)メッキ層を設け、最表面に酸化亜鉛層を設けた放電加工用電極線であって線径が0.02〜0.1mmで、前記真鍮メッキ層と前記酸化亜鉛層とを合わせた全メッキ層の厚さが0.7〜4.6μmで、前記酸化亜鉛層の厚さの前記全メッキ層の厚さに対する比率が0.12〜0.38であることを特徴とする。
鋼線を芯材として、その表面に真鍮メッキを施した放電加工用電極線(真鍮メッキワイヤ)は、従来、湿式伸線加工における液体潤滑材中に防錆材を入れたり、最終仕上がり後のワイヤ表面に酸化防止剤(油系)を塗布して、表面の酸化を防止している。本発明は、そうした従来は表面の酸化を防止していた真鍮メッキワイヤの最表面に強制的に酸化亜鉛層を設けることで、放電が安定し、また、放電集中が防止でき有効放電回数が増加し、その結果、加工速度が高まり、加工面もが粗くならないことを見いだしたものである。
真鍮メッキワイヤの最表面に強制的に酸化亜鉛層を設けるには、例えば、最終伸線加工後に強度が低下しない程度の酸化雰囲気の炉中を通過させる方法や、最終伸線加工後、防錆剤等を塗布することなく高温高湿槽内で一定時間放置する方法がある。
こうして最表面に強制的に酸化亜鉛層を設けることにより放電特性を改善し加工速度が高まるようにした放電加工用電極線は、従来の真鍮メッキワイヤよりも加工速度を高めることができ、加工面を粗くすることもない。そして、この放電加工用電極線は、鋼線を芯材とするものであるため、強度(引張り強さ)を大きくして細線領域においても十分に使用可能なものとすることができる。
この放電加工用電極線は、線径が0.01〜0.1mmの場合に、酸化亜鉛層の厚さ(ZnO厚)の全メッキ層の厚さ(メッキ厚)に対する比率(ZnO率)が0.1〜0.4であるようにするのがよい。そうすることで、線径が0.01〜0.1mmの細線領域において加工面を粗くすることなく加工速度を顕著に高めることができる。ZnO率の測定には、例えばAUGER(オージェ電子分光装置)を用いればよい。
メッキ厚およびZnO厚、ZnO率は、次に示す手順で測定できる。すなわち、ワイヤ周方向の任意の3点を選択し、ワイヤ径の1/4の面積部分について、表面よりワイヤ内側へArエッチングを行いながら、酸素の存在を示すOKLL 、亜鉛の存在を示すZnLMM ピークを測定する。そして、酸素が存在する部分をZnO厚、Znのピークがなくなる箇所をメッキ厚とし、その比率をZnO率とする。各々の値は3点の平均値にて示される。
なお、AUGERとしては、例えば、アルバック・ファイ製「PHI700」を用いることができる。
このように、本発明の放電加工用電極線は、加工面を粗くすることなく従来の真鍮メッキワイヤよりも加工速度を高めることができ、また、強度(引張り強さ)を大きくして細線領域においても十分に使用可能なものとすることができる。
そして、この放電加工用電極線は、特に、線径が0.01〜0.1mmの場合、酸化亜鉛層の厚さの全メッキ層の厚さに対する比率を0.1〜0.4とすることで、加工面粗さを損なうことなく加工速度を顕著に高めることができる。
図1は、本発明の実施の形態の放電加工用電極線の断面構造を模式的に示している。図において、1はピアノ線からなる芯材、2は真鍮メッキ層、3は酸化亜鉛層である。
この電極線は、ピアノ線からなる芯材1の表面に真鍮メッキ層2を設けた線材を伸線加工し、最終伸線加工後に、強度が低下しない程度の酸化雰囲気の炉中を通過させる方法、あるいは、最終伸線加工後、防錆剤等を塗布することなく高温高湿槽内で一定時間放置する方法によって、最表面に強制的に酸化亜鉛層3を設けたものであり、最終線径が0.01〜0.1mmで、酸化亜鉛層3の厚さの、真鍮メッキ層2と酸化亜鉛層3とを合わせた全メッキ層の厚さに対する比率が0.1〜0.4となるようにすることで、放電特性を改善し加工速度が高まるようにしている。
表1は、ピアノ線からなる芯材1の表面に真鍮メッキ層2を設け、最表面に酸化亜鉛層3を設け、線径(最終線径)を0.01〜0.1mmとし、ZnO率(酸化亜鉛層の厚さの全メッキ層の厚さに対する比率)を0.1〜0.4とした本発明の実施例の電極線5種類と、ピアノ線からなる芯材1の表面に真鍮メッキ層2を設け、最表面に酸化亜鉛層3を設け、線径(最終線径)を0.01〜0.1mmとした点は本発明の実施例と同じで、ZnO率が0.1〜0.4から外れるようにした比較例の電極線5種類と、ピアノ線からなる芯材1の表面に真鍮メッキ層2を設けた所謂真鍮メッキワイヤで、線径(最終線径)を0.01〜0.1mmとした従来例5種類の各サンプルを作成し、これらを使用してSKD11の被加工物を放電切断加工し、切断速度(加工速度)および加工面粗さを比較した試験結果を示している。
Figure 0004890011
実施例5種類のサンプルは、線径がそれぞれ、0.02mm、0.03mm、0.05mm、0.07mm、0.1mmで、線径0.02mmのものはメッキ厚(全メッキ層の厚さ)が0.7μmで、ZnO率が0.12、線径0.03mmのものはメッキ厚が1.1μmで、ZnO率が0.19、線径0.05mmのものはメッキ厚が2.2μmで、ZnO率が0.12、線径0.07mmのものはメッキ厚が3.9μmで、ZnO率が0.3、線径0.1mmのものはメッキ厚が4.6μmで、ZnO率が0.38である。
また、比較例5種類のサンプルは、線径が実施例と同様にそれぞれ、0.02mm、0.03mm、0.05mm、0.07mm、0.1mmで、線径0.02mmのものはメッキ厚が0.4μmで、ZnO率が0.08、線径0.03mmのものはメッキ厚が1.6μmで、ZnO率が0.44、線径0.05mmのものはメッキ厚が2.5μmで、ZnO率が0.08、線径0.07mmのものはメッキ厚が3.7μmで、ZnO率が0.42、線径0.1mmのものはメッキ厚が5.6μmで、ZnO率が0.44である。
そして、従来例5種類のサンプルは、線径が実施例と同様にそれぞれ、0.02mm、0.03mm、0.05mm、0.07mm、0.1mmで、線径0.02mmのものはメッキ厚が1.2μm、線径0.03mmのものはメッキ厚が1.9μm、線径0.05mmのものはメッキ厚が3.2μm、線径0.07mmのものはメッキ厚が4.5μm、線径0.1mmのものはメッキ厚が6.4μmである。
各サンプルのZnO率は、AUGER(アルバック・ファイ製「PHI700」)を使用して次に示す手順で計測したものである。そして、ワイヤ周方向の任意の3点を選択し、ワイヤ径の1/4の面積部分について、表面よりワイヤ内側へArエッチングを行いながら、酸素の存在を示すOKLL 、亜鉛の存在を示すZnLMM ピークを測定した。Beam Voltageは10kVとし、OKLL は472〜532eVの間を、ZnLMM は958〜1018eVの間を、1.0eV/stepにて測定を行った。そして、酸素が存在する部分をZnO厚、Znのピークがなくなる箇所をメッキ厚とし、その比率をZnO率とした。各々の値は3点測定の平均値として示している。そして、加工面粗さは、線径別に従来例を100として粗さ度合を比較値で表した(数値が大きい方が粗い)。また、切断速度は、線径別に従来例を100として切断速度の大きさを比較値で表した(数値が大きい方が切断速度が速い)。
この試験結果(表1)から、実施例および比較例の各電極線は、従来例に較べて加工面を粗くすることなく切断速度(加工速度)を大きくすることができ、特に実施例の電極線は、切断速度(加工速度)を顕著に大きくすることができることがわかる。
本発明の実施の形態の放電加工用電極線の断面構造を説明する模式図である。
符号の説明
1 芯材(鋼線)
2 真鍮メッキ層
3 酸化亜鉛層

Claims (1)

  1. 鋼線を芯材とし、該芯材の表面に真鍮メッキ層を設け、最表面に酸化亜鉛層を設けた放電加工用電極線であって線径が0.02〜0.1mmで、前記真鍮メッキ層と前記酸化亜鉛層とを合わせた全メッキ層の厚さが0.7〜4.6μmで、前記酸化亜鉛層の厚さの前記全メッキ層の厚さに対する比率が0.12〜0.38であることを特徴とする放電加工用電極線。
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