JP4889881B2 - ヘアーピース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帽子に着脱するヘアーピースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば癌患者のように、一時的に髪の毛が抜けた状態となった人は、頭部全体を覆うかつらやかつら付き帽子を外出時に必要とすることが多い。
【0003】
かつら付き帽子には、帽子に直接髪の毛を植毛したものや、布地に髪の毛を植毛したヘアーピースを帽子に取り付けたものがある。どちらのかつら付き帽子も、帽子で頭部を覆う分だけ、頭部全体を覆うかつらよりも髪の毛を植毛する量が減る。このため、かつら付き帽子は頭部全体を覆うかつらよりも通常安価である。従って、特に一時的にしか利用しない人にとっては、頭部全体を覆うかつらよりもかつら付き帽子の方が購入しやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かつら付き帽子は、他の種類の帽子を着衣することが困難であるという問題を有する。帽子に直接髪の毛を植毛するかつら付き帽子の場合、かつら付き帽子を利用しようとする人が複数種類の帽子を着衣したいと望むときには、複数のかつら付き帽子を用意する必要が生じる。複数のかつら付き帽子を購入すると、結局費用が高くなってしまう。
【0005】
ヘアーピースを取り付けたかつら付き帽子の場合、ヘアーピースだけを取り外して他の種類の帽子に取り付けることも不可能ではない。しかしながら、帽子の種類が異なると、帽子を頭部に着衣する角度も変わるため、特定の種類の帽子に取り付けられていたヘアーピースを他の種類の帽子に取り付けると、不自然さが生じてしまう。
【0006】
本発明は、上述のような従来の事情に鑑みて提案されたものであって、簡単な構成で異なるタイプの帽子に共通に適用できるヘアーピースを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために以下の手段を採用している。
【0008】
すなわち、ヘアーピースの布に、異なる種類の帽子を着衣した角度に対応した幅だけ髪の毛を植毛する。そして、ヘアーピースに、上記帽子を挟持して上記布を上記帽子に着脱自在に装着する着脱冶具を備える。上記着脱冶具は、例えば上記布の髪の毛が植毛された面に取り付ける。さらに、上記着脱冶具の上記布への取り付け面は、頭部表面の形状に対応した曲面とするのがよい。
【0009】
又、上記着脱治具は、上記帽子のスベリ、上記帽子の裏生地のいずれかを挟持する構成である。又、上記着脱冶具は、左右の長手部材と上下の長手部材を1体に成型したT字部材を備え、上下の長手部材の上端部には、挟み用金具を取り付けるための取り付け穴があり、上記挟み用金具は、所定の弾性を有した材料であり、矩形の短辺の一方が開口した形状を有し、当該挟み用金具の開口端は、上記取り付け穴に嵌め込まれ、上下の長手部材には、頭部の幅が上記挟み用金具の短辺よりも広い挟み用突出部が配置されており、上記挟み用金具を上下の長手部材側に回動させたとき、上記挟み用金具の長辺は、上記挟み用突出部の頭部に接触し、上記帽子を上記挟み用金具と上記挟み用突出部とで狭持して上記布を上記帽子に装着する構成である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
ヘアーピースを装着する帽子には、野球帽やニット帽などの様々な種類がある。帽子の種類が異なれば、帽子を頭部に着衣する角度も変わる。例えば野球帽は、図2(a)に示すように、略水平の線a−a’に沿って着衣される。この場合、後頭部のほとんどは帽子から露出する。一方、ニット帽は、図2(b)に示すように、後頭部から前頭部に向かう斜めの線b−b’に沿って着衣される。この場合、後頭部のほとんどは帽子に覆われる。つまり、帽子の種類が異なれば、ヘアーピースで頭部を覆う最低限の面積も変化する。
【0012】
そこで、この例の場合、髪の毛を植毛する幅を、図1(a)に示す略水平線a−a’と斜め線b−b’に囲まれる領域に対応した幅だけ少なくとも確保する。図1(b)に示すように、髪の毛20は、布などの下地2に植毛される。
【0013】
図1(b)に示すヘアーピース1は、後頭部用のヘアーピースである。このヘアーピース1は、髪の毛20が植毛された下地2の他に、着脱冶具3を備える。ここでは、3つの着脱冶具3a、3b、3cが、下地2の髪の毛20が植毛された部分より上側に取り付けられている。着脱冶具3の下地2への取り付けは、着脱冶具3を下地2に逢着或いは接着すればよい。
【0014】
着脱冶具3は、例えば図3、図4に示すように左右の長手部材11と上下の長手部材12を1体に成型したT字部材10を備える。上下の長手部材12の上端部には、挟み用金具5を取り付けるための取り付け穴9がある。
【0015】
挟み用金具5は、矩形の短辺の一方(以下、基端部5a)が開口した形状を有する。挟み用金具5の開口端は、取り付け穴9に嵌め込まれる。これによって、挟み用金具5は、上下の長手部材12に基端部5aを軸として回動自在に取り付けられる。
【0016】
また、上下の長手部材12には、頭部6aの幅が挟み用金具5の短辺よりも広い挟み用突出部6が配置されている。挟み用金具5を上下の長手部材12側に回動させたとき、挟み用金具5の長辺は、挟み用突出部6の頭部6aに接触する。
【0017】
挟み用金具5に所定の弾性を有した材料を利用した場合、人の指などによって挟み用金具5を挟み用突出部6側に押し込むと、挟み用金具5は弾性変形する。挟み用金具5は、弾性変形によって挟み用突出部6の分だけ広がった後、元の形状に戻る。このとき、挟み用金具5は、図4に示すように、頭部6aによって係止される。
【0018】
頭部6aの形状が例えば楕円形の板状体であれば、挟み用金具5を頭部6a側に簡単に押し込むことができる。なお、挟み用金具5や挟み用突出部5の形状や大きさは上述の例に限られるものではない。
【0019】
また、左右の長手部材11の両端部、及び上下の長手部材12の下端部には、着脱冶具3を下地2に取り付けるための取り付け穴7が設けられている。これらの取り付け穴7は、着脱冶具3を下地2に逢着する場合などに利用する。
【0020】
着脱冶具3を下地2に取り付ける面は、挟み用金具5があるのとは逆側の面である。着脱冶具3の下地2への取り付け面8は、人の頭部表面(ここでは、後頭部の表面)の形状に対応した曲面に成型する。
【0021】
このような着脱冶具3を用いて下地2は、帽子に装着される。以下では、上記ヘアーピース1を野球帽に装着する例を説明する。
【0022】
帽子の内側には、帽子の形状を決めたり、人の頭部からの汗を止めを行うなどのために帯状のスベリが内側に折り込まれている。スベリは、通常帽子の開口部内周に逢着されている。ヘアーピース1を帽子に装着しようとする場合、まず図5に示すように、帽子21の後頭部のスベリ22を外側にめくる。これに対し、ヘアーピース1の着脱冶具3a、3b、3cは、挟み用金具5を挟み用突出部6から離れる方向に回動させた状態にしておく。そして、頭部6aがスベリ22に当たるように帽子21に対してヘアーピース1の位置を合わせる。
【0023】
次に、各着脱冶具3a、3b、3cの挟み用金具5を回動させてスベリ22を挟み用金具5と挟み用突出部6とで挟む。この状態で、挟み用金具5を挟み用突出部6に押し込む。これによって、挟み用金具5と挟み用突出部6とでスベリ22が挟まれた状態のまま挟み用金具5の位置が固定され、ヘアーピース1がスベリ22に取り付けられる。
【0024】
その後、図6に示すように、ヘアーピース1が取り付けられたスベリ22をもとに戻せば、ヘアーピース1は、帽子21に装着されたことになる。
【0025】
このようにヘアーピース1を帽子21に装着したとき、各着脱冶具3a、3b、3cや植毛された髪の毛20は、スベリ22と下地2との間に挟まれた状態となる。つまり、各着脱冶具3a、3b、3cや植毛された髪の毛20は、人の頭部に直接接触しない。各着脱冶具3a、3b、3cの取り付け面8の形状が人の頭部表面の形状に対応した曲面となっていることもあり、人がヘアーピース1を装着した帽子21を頭部に着衣しても、各着脱冶具3a、3b、3cによる異物感が抑えられるし、また外見上の違和感も少ない。しかも、ヘアーピース1はスベリ22と人の頭部との間に挟まれるから、摩擦によってヘアーピース1が外れにくくなる。
【0026】
帽子21に装着したヘアーピース1は、挟み用金具5と挟み用突出部6によるスベリ22の挟み込みを解除すれば、帽子21から取り外すことができる。
【0027】
ヘアーピース1は、もちろんニット帽など他の種類の帽子にも装着することができる。ヘアーピース1を帽子に装着するのは、帽子のスベリでなくともよい。
【0028】
例えばニット帽のスベリにヘアーピース1を装着すると、野球帽のスベリにヘアーピース1を装着したときより、見かけ上髪の毛の長さが長くなる。このような場合に、不自然さが感じられるときには、帽子のより頭頂部側にヘアーピース1を装着することによって、その不自然さを解消することができる。この場合には、スベリではなく、例えば帽子の裏生地を挟み用金具5と挟み用突出部6とで挟んで、ヘアーピース1を帽子に装着すればよい。また、ヘアーピース1を直接帽子に装着するのではなく、帽子に別途縫い付けた布などに装着するようにしてもよい。
【0029】
このように、着脱冶具3を用いれば、様々な帽子の色々な位置にヘアーピース1を装着することができる。また、髪の毛20を植毛する幅は、異なる種類の帽子を着衣した角度に対応して確保されるから、帽子を着衣したときに、髪の毛のない部分が帽子から露出してしまうことも防止することができる。
【0030】
さらに、着脱冶具3を下地2に取り付ける位置を変えることによって、見かけ上髪の毛の長さを調節することもできる。
【0031】
なお、ヘアーピースを帽子の前頭部側に装着するならば、前髪に対応した毛を下地に植毛しておけばよい。
【0032】
さらに、このヘアーピースは、髪の毛を失った人が利用するものに限られない。ファッションのために利用することもでき、髪の毛の色や長さ、スタイルなどはその人の好みに合わせればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘアーピースの斜視図である。
【図2】帽子のタイプを示す説明図である。
【図3】本発明のヘアーピースが備えた着脱冶具の斜視図である。
【図4】本発明のヘアーピースが備えた着脱冶具の外観図である。
【図5】本発明のヘアーピースを帽子のスベリに取り付ける様子を説明するための説明図である。
【図6】本発明のヘアーピースを帽子のスベリに取り付けた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ヘアーピース
2 下地
3a 着脱冶具
3b 着脱冶具
3c 着脱冶具
20 髪の毛
21 帽子
Claims (3)
- 異なる種類の帽子を着衣した角度に対応した幅に髪の毛を植毛した布と、
上記帽子を挟持して上記布を上記帽子に着脱自在に装着する着脱冶具と
を備え、
上記布の髪の毛が植毛された面に上記着脱治具を取り付け、
上記着脱治具の上記布への取り付け面は、頭部表面の形状に対応した曲面である
ヘアーピース。 - 上記着脱治具は、上記帽子のスベリ、上記帽子の裏生地のいずれかを挟持する
請求項1に記載のヘアーピース。 - 上記着脱冶具は、左右の長手部材と上下の長手部材を1体に成型したT字部材を備え、
上下の長手部材の上端部には、挟み用金具を取り付けるための取り付け穴があり、
上記挟み用金具は、所定の弾性を有した材料であり、矩形の短辺の一方が開口した形状を有し、当該挟み用金具の開口端は、上記取り付け穴に嵌め込まれ、
上下の長手部材には、頭部の幅が上記挟み用金具の短辺よりも広い挟み用突出部が配置されており、上記挟み用金具を上下の長手部材側に回動させたとき、上記挟み用金具の長辺は、上記挟み用突出部の頭部に接触し、上記帽子を上記挟み用金具と上記挟み用突出部とで狭持して上記布を上記帽子に装着する
請求項1又は2に記載のヘアーピース。
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