JP4888964B2 - 拡張型アンカーの埋設固定方法 - Google Patents

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本発明は、軽量気泡コンクリートパネルに埋設固定されたアンカーを介して仕上げ材を構築し複合パネルにする際に、アンカーを軽量気泡コンクリートパネルに埋設固定する方法に関するものである。さらに詳しくは、軽量気泡コンクリートパネルに埋設固定された拡張型アンカーの引き抜き強度が優れた埋設固定方法に関するものである。
軽量気泡コンクリートパネル(以下、ALCパネルと呼ぶ)は、コンクリートに比べて多孔質であるため、軽量性および断熱性が優れており、これらの特性を活かして建築材料、例えば建物の内外壁などの用途に広く使用されている。
そして、ALCパネルは、上記の利点を有する反面、多孔質であることに起因して強度が低く防水性にも劣るという欠点を有していることから、通常は汚れ防止も兼ねて、その表面に塗装仕上げ、プラスチック板仕上げ、タイル板仕上げ、石板仕上げ、鋼板仕上げなどによる仕上げ材が施された複合パネルとして実用に供されている。
しかしながら、数ある仕上げ材の中でも、塗装仕上げや接着剤利用による軽量のプラスチック板仕上げなどでは、ALCパネル自体が有する表面引張強度でも十分な取付強度が得られるが、タイル仕上げ、石板仕上げ、鋼板仕上げなどの比較的重い仕上げ材の場合には、ALCパネルと仕上げ材との取付強度を高め、仕上げ材の脱落を防止するために、ALCパネルへのアンカー部材を介して両者を取付固定する技術が採用されている。
この種のアンカー部材としては、大別して接着剤アンカーと金属系アンカーとが知られているが、接着剤アンカーを単独使用した場合には、ALCパネルの強度よりも接着剤の強度が強いことから、ALCパネル表面の薄層破壊を生じるという問題があるため、近年では金属系アンカーや、この金属系アンカーと接着剤アンカーとの併用が専ら実用されている。
金属系アンカーとしては、例えば金属棒の両端をL字型に折り曲げた固定部となし、この固定部を仕上げ材層に食い込ませると共に、棒の本体部をALCパネルに埋設した補強鉄筋と結合する方式(例えば、特許文献1参照)が知られている。この場合には補強鉄筋の位置の特定や係止および埋め戻しなどに手間がかかり、コスト高になるという問題があった。
また、底部に拡張部と頭部に拡張部を拡張するボルト部とを有する金属製の拡張型アンカーを使用し、ALCパネルの表面に穿設した下孔にこの拡張型アンカーの底部側を挿入して、アンカーのボルト部を螺進させて拡張部を拡張させることにより、このアンカーをALCパネルに固定すると共に、このアンカーを介してALCパネルと仕上げ材とを取付固定する工法が知られている。この拡張型アンカーとエポキシ樹脂などの接着剤とを併用する工法(例えば、特許文献2参照)は、ALCパネル内部への当該樹脂の浸透性が低いため、ALCパネル自体の強度の向上が望めないばかりか、アンカー1本当たりの引抜き強度もそれほど望めない。その結果、多数のアンカーが必要となり、価格が高くなるばかりか、施工性も悪くなるという問題があった。
一方、長年外壁として使用しているALCパネルは、前記ALCパネルの表面が太陽光や風雨に長期間曝されることにより劣化し、ALCパネル表面より雨水や炭酸ガスが徐々に侵入して、炭酸化による中性化の進行に起因するクラックが発生する。このため、長年使用した後の劣化ALCパネルは、製造直後のALCパネルと比較して表面強度の低下が著しい。このような劣化したALCパネルのリフォームに上記拡張型アンカーなどを用いて仕上げ材を固定し複合パネルを構築する場合には、例えエポキシ樹脂などの接着剤をアンカー埋設箇所に併用したとしても、樹脂がALCパネルの内部まで十分に浸透しないばかりか、接着剤強度がALCパネルの引張り強度より大きすぎることから、劣化したALCパネルをより破壊することになり、優れたアンカー引抜き強度を保持することができなくなる。その結果、仕上げ材を確実に取付固定することが難しいという問題があった。
特開2001−121527号公報 特開2000− 34893号公報
本発明は、上述した先行技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、拡張型アンカーの引抜き強度が高く、特に劣化したALCパネルへのリフォームに好適な前記拡張型アンカーの埋設固定方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、軽量気泡コンクリートパネルに埋設されたアンカーを介して仕上げ材を構築し複合パネルにする際に、底部に拡張部と頭部に前記拡張部を拡張するための雄ネジ部または雌ネジ部とを有する拡張型アンカーを前記軽量気泡コンクリートパネルに埋設固定する方法であって、前記軽量気泡コンクリートパネルの表面に穿設した下孔に弱アルカリ性樹脂エマルジョンを加圧注入する工程と、前記弱アルカリ性樹脂エマルジョンが硬化する前に前記下孔に前記拡張型アンカーを底部側から挿入する工程と、前記拡張型アンカーの雄ネジ部または雌ネジ部に雌ネジまたは雄ネジを螺進させて拡張部を拡張させることによりこの拡張型アンカーを前記下孔内に固定する工程とからなることを特徴とする拡張型アンカーの埋設固定方法が提供される。
なお、本発明の拡張型アンカーの埋設固定方法においては、
前記弱アルカリ性樹脂エマルジョンを形成する樹脂が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびスチレン・アクリル樹脂から選ばれた少なくとも一種であること、
前記弱アルカリ性樹脂エマルジョンを形成する樹脂の造膜温度(MFT)が−5〜20℃で、且つ粒子径が1μm以下であること、
前記弱アルカリ性樹脂エマルジョン中の樹脂有効成分の含有量が3〜50重量%の範囲にあること、および
前記弱アルカリ性樹脂エマルジョンの粘度が2×10-2Pa・s以下であることが、いずれも好ましい条件として挙げられる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、拡張型アンカーの引抜き強度が高くなり、その結果ALCパネルと仕上げ材との取付強度が優れた複合パネルを得ることができる。また、該アンカーの引抜き強度を高めることができるため、従来より該アンカーの取付本数を減らすことが可能となり、その手間や工数が減り経済的である。特に劣化したALCパネルのリフォームにとって好適である。
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
図1は本発明で使用する拡張型アンカーの一例を示す説明図、図2(A)〜(C)は本発明の拡張型アンカーの埋設固定方法におけるALCパネル下孔への拡張型アンカーの固定方法の一例を工程を追って示す説明図、図3は本発明の方法によって埋設固定した拡張型アンカーを介して構築した複合パネルの一例を示す説明図である。
本発明は、従来から知られているALCパネルに拡張型アンカーを埋設固定する方法を改善し、ALCパネルへの拡張型アンカーの引抜き強度が従来よりも高く、その結果ALCパネルと仕上げ材との取付強度がさらに優れた複合パネルを構築できるようにするものである。
本発明で使用するALCパネルとは、ケイ酸質原料と石灰質原料とを主原料として、これに金属アルミニウムなどの発泡剤を添加し、さらにこれに水を加えてスラリーとなし、型枠に充填して発泡成形した後、オートクレーブ養生することにより得られたものであり、製造したばかりのパネル製品であっても、また経年使用により劣化したパネルであっても適用することができる。
また、本発明で使用する仕上げ材としては、従来からALCパネル用の仕上げ材として用いられているプラスチック板、タイル板、石板、鋼板などを何ら制限するものではなく、勿論これらの仕上げ材には所望とする様々な意匠が施されていても良い。
図1に示すように、拡張型アンカー10は、底部に拡張部11と、頭部に拡張部11を拡張するためのボルト部12とを有するものであり、この拡張型アンカー10をALCパネルに穿設した下孔に挿入した段階で、ボルト部12にナット13を螺進させて拡張部11を拡張すると、底部が拡張型アンカー10の直径より3mm〜5mm程度開いて下孔を形成しているパネル内面に食い込み(図2(C)参照)、拡張型アンカー10が下孔内に確実に固定される構造になっている。拡張型アンカー10の直径はドリル径で約5〜20mm、全長が40〜90mm程度のものが好ましく、頭部から底部へかけては、下孔への挿入を容易にするために、図示したようなテーパー状となっていることが望ましい。このような構造の拡張型アンカー10としては、例えばサンコーテクノ社から市販されているAX-875(雄ねじタイプ)を購入して使用することができる。
ここでまず、本発明の拡張型アンカーの埋設固定方法を、図2および図3にしたがって説明する。
本発明を実施するに際しては、図2(A)に示したように、ALCパネル20の適宜個所に、ALCパネル20の外表面の塗膜層80側より電動ドリルなどを使用して下孔21を穿設する。この下孔21の直径は拡張型アンカーの最大直径とほぼ同じかあるいはそれよりもやや大きい程度、長さは拡張型アンカー10の全長よりもやや大きく設定することが望ましい。そして、下孔21に弱アルカリ性樹脂エマルジョン30を注入器40などを用いて加圧注入する。このときに、0.1〜0.4N/mm2程度の圧力で加圧注入すると、ALCパネル内部に2mm以上含浸させることができ望ましい。
次に、図2(B)に示したように、加圧注入した弱アルカリ性樹脂エマルジョン30が硬化する前に、下孔21に対し拡張型アンカー10を底部側から挿入する。
次いで、図2(C)に示したように、拡張型アンカー10のボルト部12にナット13を螺進させて拡張部11を拡張させることにより、この拡張型アンカー10を下孔21内に固定する。このときには、拡張型アンカー10の頭部に位置するボルト部12が、下孔21の外部に露出している状態となるように、拡張型アンカー10の挿入位置が設定される。そして、この状態で4〜14日間程度放置することにより、弱アルカリ性樹脂エマルジョン30が硬化し、拡張型アンカー10の拡張した拡張部11が下孔21の内壁からALCパネル内部に食い込む作用と併せて、拡張型アンカー10のALCパネル20に対する強固な取付固定が完成する。
その後、前記拡張型アンカー10に仕上げ材60を取付ける場合には、図3に示したように、拡張型アンカー10のボルト部12に、仕上げ材60を取り付けるための治具50、ここではL型プレート51を固定し、このL型プレート51と、仕上げ材60をネジ(ビス)14を介して取り付けたL型プレート52とをボルト53で結合する。このことにより、空隙70を介してALCパネル20と仕上げ材60とが強固に取付固定された複合パネルが構築されるのである。なお、上記のように空隙70を形成することなく、ALCパネル20と仕上げ材60とを直接拡張型アンカー10を介して取付固定することも勿論可能である。
上記本発明の拡張型アンカーの埋設固定方法で使用する弱アルカリ性樹脂エマルジョン30を形成する樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびスチレン・アクリル樹脂から選ばれた少なくとも一種が挙げられ、これらの樹脂は複合体または共重合体として使用することも可能である。また、弱アルカリ性樹脂エマルジョンのHは7〜10の範囲にあることが好ましく、Hが7未満ではALCパネルそのものを脆弱化させるばかりか、ALCパネル内部に存在する補強鉄筋の腐食が助長される傾向となり、またHが10を越えるとアルカリ性が強すぎて、作業環境の悪化および安全衛生上の問題が招かれることになる。
また、弱アルカリ性樹脂エマルジョンを形成する樹脂の造膜温度(MFT)が−5〜20℃で、且つ粒子径が1μm以下であり、この弱アルカリ性樹脂エマルジョン中の樹脂有効成分の含有量が3〜50重量%の範囲にあることが望ましい。MFTが−5℃未満では形成される樹脂被膜の硬度が低くなるためALCパネルの補強効果が薄れ、逆に20℃を越えると造膜時間が長くなり過ぎる傾向が招かれ、作業効率が低下する。そして、樹脂の粒子径が1μmを越えると、ALCパネル内部への浸透性が低下し、弱アルカリ性樹脂エマルジョンを加圧注入してもALCパネルの内部へ十分に浸透することが期待できない傾向となる。さらに、弱アルカリ性樹脂エマルジョン中の樹脂有効成分の含有量が3重量%未満ではALCパネルの補強効果が低くなり、逆に50重量%を越えると、エマルジョンの粘度が高くなり過ぎてALCパネルへの浸透性が低下し、十分なアンカー引き抜き強度が確保できない傾向となる。
また、弱アルカリ性樹脂エマルジョンの粘度は2×10-2Pa・s以下であることが望ましく、2×10-2Pa・sを越えるとALCパネルへの浸透性が低下し、アンカー引抜き強度が低くなる傾向を生じる。
また、弱アルカリ性樹脂エマルジョンを加圧注入する手段としては、注入用ガンなどにより手動で行っても良いが、シリンダに加圧ゴムをセットすることにより、シリンダ内に入れた弱アルカリ性樹脂エマルジョンを、0.1〜0.4N/mm2程度の圧力で、30分〜6時間の時間をかけて加圧注入する自動式加圧注入方式をとることが望ましい。このことで下孔表面よりALCパネル内部へ2mm〜7mm程度樹脂エマルジョンが浸透することになる。この場合の圧力が0.1N/mm2未満では十分な浸透性が得られず、0.4N/mm2を越えるとALCパネルの破壊が招かれることがある。なお、ALCパネルを屋根・床・天井などのような水平方向に使用している場合の前記下孔へ弱アルカリ性樹脂エマルジョンを注入する場合には、弱アルカリ性樹脂エマルジョンが下孔からこぼれることを防止するために、高粘度側の弱アルカリ性樹脂エマルジョンを使用し、0.2〜0.4N/mm2のやや高圧側の圧力で加圧注入することにより、ALCパネル内部への弱アルカリ性樹脂エマルジョンの浸透性を高めることが可能となる。また、弱アルカリ性樹脂エマルジョンの注入時間が30分未満ではALCパネル内部まで十分に浸透させるには不満足となりやすく、6時間以上かけてもそれ以上の浸透がそれほど期待できない。
そして、弱アルカリ性樹脂エマルジョンを加圧注入した後は、樹脂の硬化が始まる前の下孔が濡れている間のできるだけ早い時間に、拡張型アンカーを下孔に挿入することが肝要である。拡張型アンカーの引き抜き強度を高めるために、拡張型アンカーとほぼ同じ径となるように穿設した下孔が弱アルカリ性樹脂エマルジョンで濡れていると、少ない抵抗で拡張型アンカーを下孔へと挿入する作業が容易となるからである。さらに、含水率が高いALCパネルは強度が若干低くなる傾向にあることから、拡張型アンカー底部の拡張部も拡がり易くなり、拡がった部分のALCパネル内部はより破壊されることになるが、まだ未硬化の弱アルカリ性樹脂エマルジョンが硬化した後には強度が復元・強化され、その結果下孔の内壁周辺も強化されるため、アンカー引抜き強度が向上することになる。
このようにして埋設固定された拡張型アンカーは、引抜き強度が高く保持され、その後に構築されるALCパネルへの仕上げ材の取付強度が優れたものとなる。そして、本発明の拡張型アンカーの埋設固定方法は、特に劣化して強度が低下したALCパネルのリフォームにも適用することができ、この場合にも新品パネルを使用するときと同様の優れた効果を取得することができる。
したがって、本発明方法を用いて得られる複合パネルは、その優れた機能を活かして建物の内外壁や天井などの建材用途に有効に利用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳述する。
[実施例1]
外壁として33年間使用したALCパネル(外表面は塗装仕上げ)を用い、該ALCパネル外表面から塗膜を剥離したのち、洗浄乾燥した厚さ×縦×横=100×600×600mmの大きさのものを、拡張型アンカーとして、サンコーテクノ社製金属アンカー「AX-875」(雄ねじタイプ)を、弱アルカリ性樹脂エマルジョンとして、日本エヌエスシー社製、スチレン・アクリル樹脂エマルジョン「GF5」(H:8.5、樹脂有効成分量:8重量%、MFT:0℃、粒子径:0.3μm、粘度:1×10-2Pa・s)を準備した。
まず、ALCパネルの表面に、電動ドリルを使用して拡張型アンカーの直径とほぼ同径(14.5mm)の下孔を深さ70mmまで穿設し、この下孔の内部へ弱アルカリ性樹脂エマルジョンを加圧注入した。
弱アルカリ性樹脂エマルジョンの加圧注入には、コニシ社製ボンドシリンダーを使用し、自動式低圧樹脂注入工法にしたがって、0.3N/mm2の圧力で3時間かけて行った。
弱アルカリ性樹脂エマルジョンを加圧注入した後、直ちに拡張型アンカーを下孔に挿入し、ボルト部にナットを螺着し、螺進(10回転前後)させることにより拡張部を拡張させてから、そのまま14日間放置して弱アルカリ性樹脂エマルジョンを硬化させ、その後の該樹脂の含浸深さおよび該アンカーの引抜き強度により評価を行った。
硬化後の弱アルカリ性樹脂エマルジョンのALCパネルに対する含侵深さを測定した結果最大6mmであった。また、14日後に、建研式引張試験機を使用して拡張型アンカーの最大引抜き強度をそれぞれ5個所測定してその平均値を求めたところ、2067N/mm2と高い値を示した。
[実施例2]
実施例1において、弱アルカリ性樹脂エマルジョンの樹脂有効成分量と粘度を表1に示したように変更した以外は、同様に実施した場合の最大含侵深さおよび拡張型アンカーの引抜き強度を測定した結果、それぞれ5mmおよび2182N/mm2であった。
[実施例3〜5]
弱アルカリ性樹脂エマルジョンとして、サイデン化学社製、アクリル樹脂エマルジョン「CA−1108」および三井化学ポリウレタン社製、ウレタン樹脂エマルジョン「タケラックW−250」を使用し、そのH、樹脂有効成分量、MFT、粒子径および粘度を表1のように調製した3種類のものを使用した以外は、実施例1と同様に実施した場合の最大含侵深さをおよび拡張型アンカーの引抜き強度測定した結果を、実施例1および2の結果と併せて表1に示した。
これら実施例1〜5について、引き続き治具をALCパネルに取付固定したところ、いずれの場合にもALCパネルに対する引抜き強度が極めて優れていた。
[比較例1〜3]
比較例1は弱アルカリ性樹脂エマルジョンの加圧注入を省略した以外は、実施例1と同様に実施した。また比較例2および3においては弱アルカリ性樹脂エマルジョンとして、それぞれ表1に示したH、樹脂有効成分量、MFT、粒子径および粘度を有するアクリル樹脂エマルジョン(中央理化工業社製、「FK−555」)、酢酸ビニル樹脂エマルジョン(ニチゴー・モビニール社製、「モビニール510」)を使用し、実施例1と同様に実施した場合の最大含侵深さおよび拡張型アンカーの引抜き強度を測定した。その結果を、表1に併せて示した。
Figure 0004888964
表1の結果から明らかなように、本発明の条件を満たす場合には、ALCパネル内に弱アルカリ性樹脂エマルジョンがいづれも2mm以上浸透しており、最大含浸深さも4〜7mmであり、その結果拡張型アンカーの引抜き強度は比較例に比べておおよそ3割程度以上向上することができた。
以上説明したように、本発明によれば、拡張型アンカーの引抜き強度が高く、その結果ALCパネルと仕上げ材との取付強度が優れた複合パネルを得ることができ、本発明の拡張型アンカーの埋設固定方法は、特に劣化して強度が低下したALCパネルのリフォームにも有効に適用することができる。したがって、本発明により得られる複合パネルは、その優れた機能を活かして建物の内外壁や天井などの建材用途に有効に利用することができる。
本発明で使用する拡張型アンカーの一例を示す説明図。 (A)〜(C)は本発明の複合パネルの構築方法における下孔への拡張型アンカーの固定方法の一例を工程を追って示す説明図。 本発明の方法によって構築した複合パネルの一例を示す説明図。
符号の説明
10 拡張型アンカー
11 拡張部
12 ボルト部
13 ナット
14 ネジ(ビス)
20 ALCパネル
21 下孔
30 弱アルカリ性樹脂エマルジョン
40 注入器
50 治具
51 L型プレート
52 L型プレート
60 仕上げ層
70 空隙
80 塗膜

Claims (5)

  1. 軽量気泡コンクリートパネルに埋設されたアンカーを介して仕上げ材を構築し複合パネルにする際に、底部に拡張部と頭部に前記拡張部を拡張するための雄ネジ部または雌ネジ部とを有する拡張型アンカーを前記軽量気泡コンクリートパネルに埋設固定する方法であって、前記軽量気泡コンクリートパネルの表面に穿設した下孔に弱アルカリ性樹脂エマルジョンを加圧注入する工程と、前記弱アルカリ性樹脂エマルジョンが硬化する前に前記下孔に前記拡張型アンカーを底部側から挿入する工程と、前記拡張型アンカーの雄ネジ部または雌ネジ部に雌ネジまたは雄ネジを螺進させて拡張部を拡張させることによりこの拡張型アンカーを前記下孔内に固定する工程とからなることを特徴とする拡張型アンカーの埋設固定方法。
  2. 前記弱アルカリ性樹脂エマルジョンを形成する樹脂が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびスチレン・アクリル樹脂から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の拡張型アンカーの埋設固定方法。
  3. 前記弱アルカリ性樹脂エマルジョンを形成する樹脂の造膜温度(MFT)が−5〜20℃で、且つ粒子径が1μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の拡張型アンカーの埋設固定方法。
  4. 前記弱アルカリ性樹脂エマルジョン中の樹脂有効成分の含有量が3〜50重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の拡張型アンカーの埋設固定方法。
  5. 前記弱アルカリ性樹脂エマルジョンの粘度が2×10-2Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の拡張型アンカーの埋設固定方法。
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