JP4887801B2 - 紙幣入出金機 - Google Patents
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Description
図16は従来の紙幣入出金機における紙幣投入または受取り時の紙幣投入部の左側断面の説明図である。
図16において、161は紙幣プール壁であり、紙幣入出金部に紙幣165を蓄積する空間を形成し、側断面が略L字形の部材である。
163は紙幣入出金口シャッタであり、紙幣プール部162の上部に配置され、前後にスライドするように構成されているものである。
図17は従来の紙幣入出金機における入金紙幣分離時の紙幣投入部の左側断面の説明図である。
167は紙幣プール支点であり、紙幣プール部162を紙幣入出金機の奥部方向に略90度回転させることができる支点である。紙幣プール部162を略90度回転させ紙幣165を繰出しローラ166に当接させ、その繰出しローラ166を回転させ紙幣165を1枚ずつ分離して紙幣を搬送する紙幣搬送路へ繰出し、入金動作を行う。
図18において、168は紙幣集積ローラである。この紙幣集積ローラを回転させ搬送路169から搬送された出金紙幣165を紙幣プール部162へ集積するために搬送する。この出金紙幣165を紙幣プール部162へ集積するときビルプレス164は紙幣165が衝突しないように紙幣入出金部の上部に退避させておく。紙幣165の集積が完了すると紙幣プール部162を紙幣入出金機の前方に略90度回転させ、さらに紙幣入出金口シャッタ163を開放して顧客が紙幣165を受取ることができるようにする。
しかし、紙幣プール部162に投入された紙幣165が複数枚であると1枚ずつ分離して繰出すことができず複数枚の紙幣が紙幣搬送路の入口に噛み込み、紙幣を紙幣搬送路へ繰出すことができない現象が発生することもある。また、紙幣プール部162に投入された紙幣165に折れた紙幣や破れた紙幣、不揃いに束ねられた紙幣等の異常な紙幣が混入していた場合、そのような紙幣は紙幣搬送路で走行異常を発生させることになり、正常に紙幣を搬送させることができなかった。
また、異常を検知した紙幣を除去する除去ローラを設けたものもある(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
図2は第1の実施例を示す紙幣入出金機の外観斜視図である。
図2において、1は紙幣入出金機であり、その前面に顧客操作表示盤2、紙幣入出金口3、カード挿入排出口4および明細票排出口5を備えている。この紙幣入出金口3には図示しない紙幣入出金口シャッタが備えられており、その紙幣入出金口シャッタで仕切られた紙幣入出金機1の内部に後述する紙幣投入部が備えられている。
図1は第1の実施例における紙幣投入部の左側断面の説明図である。図1(a)は紙幣投入部に紙幣を投入する場合の説明図、図1(b)は紙幣投入部に投入された紙幣を繰出して入金する場合の説明図である。なお、図1の図中右側が紙幣入出金機1の前面側(以下、単に「前面側」という。)であり、図中左側が紙幣入出金機1の後面側(以下、単に「後面側」という。)である。
また、紙幣プール部22は投入される紙幣の長手方向が水平方向に、短手方向が鉛直方向になるように形成される。
さらに、紙幣プール部22の下方に異物回収箱が設けられ、紙幣プール部22に投入された紙幣24に混入された異物等を紙幣プール壁21の底部から落下させ、それを貯留する。
上述した紙幣プール壁21およびビルプレス25により紙幣プール部22の底部および側面を形成し、また、図中上部が開口した紙幣プール部22を形成する。
紙幣を紙幣プール部22へ投入する場合、および紙幣プール部22の紙幣を受け取る場合、紙幣プール部22の開口部が紙幣入出金口3と対向する位置(この位置を「紙幣投入受取り位置」という。)に回動させ、紙幣プール部22へ投入された紙幣を繰出して入金する場合、および出金する紙幣を紙幣プール部22に集積する場合、紙幣プール部22の開口部が図中反時計回りに略90度回転した位置(この位置を「入金紙幣分離位置」または「出金紙幣集積位置」という。)に回動させる。
28はフィードローラであり、繰出しローラ27により繰出される紙幣24の繰出し方向近傍に配置され図示しない駆動手段により回転可能なものである。
29はゲートローラであり、フィードローラ28の周面と接触させて配置され、紙幣取込みゲートを形成するものである。フィードローラ28を図中反時計回りに回転させ、繰出しローラ27により分離され繰出された紙幣24をフィードローラ28とゲートローラ29で形成された紙幣取り込みゲートから入金紙幣搬送路30へ搬送する。
34は搬送ローラであり、紙幣取り込みゲートの近傍である入金紙幣搬送路30に周面と接触させて配置され、図示しない駆動手段により回転可能なものである。この搬送ローラ34により紙幣取り込みゲートから搬送された紙幣24は挟持されて搬送される。
35は残留検知センサであり、フィードローラ28とゲートローラ29で形成された紙幣取り込みゲートと紙幣プール部22の間に残留した紙幣24の有無を検知するものである。
上述した残留検知センサ35および搬送異常検知センサ36は、例えば、発光部と受光部を有する光学式のセンサ等で構成されたものであるが、それに限られるものでない。
上述した紙幣プール壁21、紙幣プール部22、ビルプレス25、繰出しローラ27、フィードローラ28、ゲートローラ29、フロアガイド部32および可動板37等で紙幣投入部を構成する。
図3において、41は繰出しローラ孔であり、紙幣プール壁21に設けられた貫通孔である。紙幣プール部22を入金紙幣分離位置にしたとき、この繰出しローラ孔41から繰出しローラ27を突出させて投入された紙幣24に繰出しローラ27を当接させ、紙幣24の分離繰出し動作を可能にするためのものである。
図4において、可動板37の一部、例えば、両端部、が紙幣プール壁21に設けられた図示しないガイド孔を貫通して突出している。その突出部と図示しない駆動手段を備えた昇降機構52に設けられたアーム51が係合し、図中底面を形成する紙幣プール壁21と略平行を保持しつつ、可動板37は図示しないガイド部材に沿って昇降可能に構成されている。
なお、以下に説明する動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
まず、紙幣プール部22に投入された紙幣24を分離して繰出したとき、その紙幣24の搬送異常を検知した場合に行う紙幣24の戻し動作を説明する。
図5(a)に示すようにフィードローラ28を図中反時計回りに回転させ、繰出しローラ27により分離され繰出された紙幣24を紙幣取り込みゲートから入金紙幣搬送路30へ搬送する。入金紙幣搬送路30へ搬送されるとき搬送異常検知センサ36によりその紙幣24の搬送に異常が発生しているか否かが検知される。
紙幣24の搬送が停止されると残留検知センサ35により紙幣24が残留していないことが確認され、図5(b)に示すようにビルプレス25および可動板37をそれぞれ図示しない駆動手段により図中上昇させ、可動板37と紙幣プール壁21の間に空間、すなわち、隙間を形成させる。
ここで、図6(a)に示すように搬送の異常が検知された紙幣24を可動板37と紙幣プール壁21の間に形成された隙間に戻す動作を行うとき、残留検知センサ35により紙幣24が残留していることを検知した場合、可動板37を上昇させると図6(b)に示すように紙幣24を変形させてしまい、また、紙幣24を正しく可動板37と紙幣プール壁21の間に形成された隙間に戻すことができないため可動板37は上昇させないようにする。
このようにして、搬送の異常が検知された紙幣24が戻されると上昇させたビルプレス25および可動板37はそれぞれ図示しない駆動手段により図中下降させて紙幣24を繰出しローラ27に当接させる。
次に、戻した紙幣を顧客に返却する動作を説明する。
図7は第1の実施例における戻した紙幣の返却動作の説明図、図8は第1の実施例における可動板の斜視図である。
ビルプレス25および可動板37を下降させると図7(b)に示すように紙幣プール部22を紙幣投入受取り位置に回動させる。
このとき、図8に示すように可動板37はコの字形状になっているため、可動板37の奥側にある戻された紙幣24をつかみ易くなり、顧客は容易に紙幣24を受取ることができる。
図9および図11は第1の実施例における突起部の斜視図、図10第1の実施例における突起部の上面図である。
図9において、48は突起部であり、可動板37と紙幣プール壁21が接近したとき、可動板37のコの字形状を形成するように設けられた欠けた部位に突出するように紙幣プール壁21に形成されたものである。なお、本実施例では、突起部48は左右2箇所に設けられたものとするが2箇所に限られることなく、1箇所であっても3箇所以上であってもよい。
以上説明したように、第1の実施例では、異常が検知された紙幣を紙幣プール部へ戻すとき、可動板により紙幣プール部に投入された紙幣を押し上げて紙幣プール部に空間を確保することが可能になり、その紙幣プール部に投入された紙幣に衝突させることなく異常が検知された紙幣を紙幣プール部へ戻すことができるという効果が得られる。
さらに、紙幣プール部へ戻された紙幣は、再度、分離して繰出すことができるため紙幣入出金機の休止を減少させることができるとともに動作時間を短縮することができるという効果が得られる。
さらに、可動板に設けた突起部により返却された紙幣と紙幣プール壁の間に隙間が形成され、紙幣が紙幣プール壁に張り付くことを防止し、また、可動板の後面側に存在する紙幣をつかみ易くすることができるという効果が得られる。
図12は第2の実施例における紙幣投入部の左側断面の説明図である。
なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12において、45はフィードローラであり、繰出しローラ27により繰出される紙幣24の繰出し方向近傍に配置され、図示しない回転角を制御することができるパルモータ等の駆動手段により正逆双方向に回転可能なものである。
47はクラッチであり、フィードローラ45の回転駆動を搬送ローラ46に伝達または遮断する駆動連結機構である。このクラッチ47によりフィードローラ45の回転駆動が搬送ローラ46に伝達されると搬送ローラ46はフィードローラ45の回転方向と同一の方向に同期をとって回転するように構成され、一方、フィードローラ45の回転駆動が遮断されると搬送ローラ46は回転を停止するように構成されている。
上述した構成の作用について説明する。
なお、以下に説明する動作は、図示しないメモリや磁気ディスク等の記憶手段に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない中央処理装置等の制御手段により制御される。
まず、繰出しローラ27により分離され繰出され、紙幣取り込みゲートから入金紙幣搬送路30へ搬送される複数の紙幣24が異常な接近をしている搬送異常を搬送異常検知センサ36検知した後の動作について説明する。
クラッチ47によりフィードローラ45の回転駆動を搬送ローラ46に伝達させてフィードローラ45および搬送ローラ46を図13(a)における反時計方向に回転させ、繰出しローラ27により分離され繰出された紙幣24を紙幣取り込みゲートから入金紙幣搬送路30へ1枚ずつ搬送する動作において、図13(a)に示すように搬送異常検知センサ36により複数の紙幣24が異常な接近をしている搬送異常が検知されて繰出しローラ27、フィードローラ45および搬送ローラ46が停止され、紙幣24の搬送が停止されたものとする。このとき、紙幣24はフィードローラ45および搬送ローラ46上にそれぞれ1枚ずつ残留しているものとする。
ビルプレス25および可動板37を上昇させるとクラッチ47によりフィードローラ45の回転駆動を搬送ローラ46に伝達させないように遮断された後、繰出しローラ27およびフィードローラ45が図中時計方向に回転され、フィードローラ45上の紙幣24は可動板37と紙幣プール壁21の間に形成された隙間に戻される。
次に、繰出しローラ27により分離され繰出され、紙幣取り込みゲートから入金紙幣搬送路30へ搬送される複数の紙幣24が重なり合った搬送異常を搬送異常検知センサ36検知した後の動作について説明する。
クラッチ47によりフィードローラ45の回転駆動を搬送ローラ46に伝達させるようにしてフィードローラ45および搬送ローラ46を図14(b)における反時計方向に所定の回転角を回転させ、停止させる。これにより、紙幣24は既定の距離を移動し、その紙幣24の先端部は搬送ローラ46に到達する。なお、この回転角は紙幣24が停止した位置から搬送ローラ46へ到達するように予め決められた既定のものである(動作1)。
上記動作1および動作2を繰り返して行うことにより搬送異常が検知された複数の紙幣24を1枚ずつ分離して搬送することができる。
図15において、61および62は紙幣24の間隔である。また、65、67および69は上記一連の動作の時間を示し、66および68は上記一連の動作を行う時間間隔を示すものである。紙幣間隔61は上記一連の動作の時間間隔を短くしたときのもの(時間間隔66)であり、紙幣間隔62は上記一連の動作の時間間隔を長くしたときのもの(時間間隔68)である。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、異常検知センサにより搬送異常が検知された場合、紙幣プール部に戻す紙幣を減少させることができ、紙幣の分離および繰出し動作の時間を短縮することができるという効果が得られる。
また、複数の紙幣が重なり合った搬送異常が検知された場合、紙幣の間隔を制御しながら、その紙幣を1枚ずつ分離して搬送することができるという効果が得られる。
2 顧客操作表示盤
3 紙幣入出金口
4 カード挿入排出口
5 明細票排出口
7 筐体
21 紙幣プール壁
22 紙幣プール部
24 紙幣
25 ビルプレス
27 繰出しローラ
28、45 フィードローラ
29 ゲートローラ
30 入金紙幣搬送路
32 フロアガイド部
34、46 搬送ローラ
35 残留検知センサ
36 搬送異常検知センサ
37 可動板
41 繰出しローラ孔
47 クラッチ
48 突起部
51 アーム
52 昇降機構
Claims (7)
- 紙幣入出金口から投入された紙幣を蓄積する紙幣プール部と、該紙幣プール部に投入された紙幣を支持するフロアガイド部と、該フロアガイド部に設けられ、該紙幣に当接する繰出しローラと、該繰出しローラを回転させ1枚ずつ分離して繰出した紙幣を搬送する紙幣搬送路と、搬送された紙幣の異常を検知する異常検知手段とを備えた紙幣入出金機において、
紙幣プール部の繰出しローラ側の側面と対向配置され、該側面と平行した状態を保持しながら前記紙幣プール部内を移動可能な可動板と、
該可動板を移動させる駆動手段とを設け、
前記異常検知手段で紙幣の異常を検知したとき、前記駆動手段で前記可動板を移動させ、前記紙幣プール部に投入された紙幣と前記フロアガイド部との間に異常が検知された該紙幣を戻す空間を形成するようにしたことを特徴とする紙幣入出金機。 - 請求項1の紙幣入出金機において、
前記可動板を移動させて形成した空間に、前記紙幣搬送路上の紙幣を戻し、その紙幣を再度、分離して繰出すようにしたことを特徴とする紙幣入出金機。 - 請求項1または請求項2の紙幣入出金機において、
前記可動板に、紙幣を取り出すための切り欠きを設けたことを特徴とする紙幣入出金機。 - 請求項3の紙幣入出金機において、
前記紙幣プール部の側面に、前記可動板の切り欠いた部位に突出する突起部を設け、
前記可動板を移動させて形成した空間に戻された紙幣が前記紙幣プール部から離れる方向に湾曲するようにしたことを特徴とする紙幣入出金機。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項の紙幣入出金機において、
前記繰出しローラで分離され繰出された紙幣を紙幣搬送路へ送り出すフィードローラの回転駆動を紙幣搬送路上の前記異常検知手段の下流に配置された搬送ローラへ伝達、または、その伝達を遮断する駆動連結機構を設け、
前記異常検知手段で紙幣の異常を検知したとき、前記駆動連結機構により前記搬送ローラへの回転駆動の伝達を遮断し、前記フィードローラを回転させて該フィードローラ上の紙幣を、前記可動板を移動させて形成した空間に戻すようにしたことを特徴とする紙幣入出金機。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項の紙幣入出金機において、
前記繰出しローラで分離され繰出された紙幣を紙幣搬送路へ送り出すフィードローラの回転駆動を紙幣搬送路上の前記異常検知手段の下流に配置された搬送ローラへ伝達、または、その伝達を遮断する駆動連結機構を設け、
前記異常検知手段で紙幣の異常を検知したとき、前記駆動連結機構により前記フィードローラの回転駆動を伝達して搬送ローラを回転させ、該紙幣を前記搬送ローラまで搬送させた後、前記搬送ローラへの回転駆動を遮断して該搬送ローラを独立させて回転させ、該搬送ローラで該紙幣を搬送するようにしたことを特徴とする紙幣入出金機。 - 請求項6の紙幣入出金機において、
前記搬送ローラの回転および停止を繰り返す時間間隔を変化させて搬送される紙幣の間隔を変化させるようにしたことを特徴とする紙幣入出金機。
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