JP4887794B2 - 携帯電子機器 - Google Patents
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Description
図1はその携帯電話機の正面図および側面図である。この例は、主筐体1と副筐体5とからなるいわゆるクラムシェル型の筐体を備えたものであり、主筐体1の内部には基板3を備えていて、主筐体1の裏面側に着脱自在の電池パック4を取り付けている。この電池パック4にはアンテナコイル2を配置している。
ところが、特許文献1に示されている構成では、基板の下側にアンテナコイルを実装した場合、図2(A)に示すようにその基板(プリント配線基板)や金属筐体によって磁束が遮られるため、アンテナコイル内を通過する磁束が少なくなる。そのため、RFIDの通信距離を必要距離だけ確保するためには、アンテナコイルの開口面積(上記渦巻き状パターンの開口面積)を広くとる必要があった。したがって実装面積が大きくなり、機器本体の設計の自由度が低くなるという問題があった。
互いに対向する第1・第2の主面およびその第1・第2の主面を連結する側面を有する板状の筐体を備え、磁性体部材と該磁性体部材に巻回したコイル部材とからなるアンテナコイルを前記筐体内に設け、前記第1・第2の主面に対して交差する方向に磁束が通る向きで且つ前記側面に沿って前記アンテナコイルを配置した構成とする。
筐体の互いに対向する第1・第2の主面に対して交差する方向に磁束が通る向きで且つその第1・第2の主面を連結する側面に沿ってアンテナコイルを配置したことによりRFIDのリーダ・ライタ等の外部機器との間で通信を行う際、筐体の側面を通る磁束が前記アンテナコイルと鎖交するので、筐体内に設けられている基板や電池パック等の磁気遮蔽物の影響を殆ど受けることがない。そのため、外部機器との通信距離を長く確保できる。また、単体の筐体を用いる場合に、アンテナコイルは筐体の第1・第2主面のうちいずれか一方に配置した場合のような表裏の区別がないので、外部機器に対して携帯電子機器の表裏のいずれの面をかざしても通信が可能となる。
第1の実施形態に係る携帯電子機器について図3・図4を基に説明する。
図3はこの第1の実施形態に係る携帯電子機器の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は左側面図である。この携帯電話機の筐体は主筐体11と副筐体15とからなるいわゆるクラムシェル型の筐体であり、主筐体11の内部に基板(プリント配線基板)13と電池パック14を備えるとともに、アンテナコイル12を設けている。このアンテナコイル12は、第1主面S1・第2主面S2に対して垂直な側面S3に沿って、且つ第1主面S1・第2主面S2に対して垂直方向に磁束が通る向きにアンテナコイル12を配置している。
このように、筐体の互いに対向する第1・第2の主面に対してほぼ垂直方向に磁束が通る向きで且つその第1・第2の主面に対してほぼ垂直な側面に沿ってアンテナコイル12を配置したことにより、RFIDのリーダ・ライタのアンテナからの磁束がアンテナコイル12の磁性体コアを通過し、コイルのループに鎖交するので、筐体内に設けられている基板や電池パック等の磁気遮蔽物の影響を殆ど受けることがない。そのため、リーダ・ライタとの通信距離を長く確保できる。
次に、第2の実施形態に係る携帯電話機の構成について図5を基に説明する。
図5(A)は第2の実施形態に係る携帯電話機の正面図である。第1の実施形態と異なるのは、2つのアンテナコイル12A,12Bを主筐体11の互いに対向する側面S3,S4に沿って対をなすように配置している。且つ2つのアンテナコイル12A,12Bを図中1点鎖線で示す対称軸に対して線対称位置に配置している。
2つのアンテナコイル12A,12Bは、筐体の互いに対向する第1・第2の主面に対してほぼ垂直方向に磁束が通る向きで且つその第1・第2の主面に対してほぼ垂直な側面に沿って配置しているので、RFIDのリーダ・ライタのアンテナからの磁束がアンテナコイル12A,12Bの磁性体コアを通過し、コイルのループに鎖交するので、筐体内に設けられている基板や電池パック等の磁気遮蔽物の影響を殆ど受けることがない。
〔図5(B)に示したアンテナコイル〕
T=0.5mm
W=20mm
H=6mm
〔従来構造のアンテナコイル〕
底面=45mm×70mm
高さ(厚み)=3mm
〈アンテナコイルの実装面積〉
〔図5に示したアンテナコイル〕
20mm×0.5mm×2個=20mm2
〔従来構造のアンテナコイル〕
45mm×70mm=3150mm2
〈通信可能最大距離〉
〔図5に示したアンテナコイルを用いたコイルアンテナ〕
124mm
〔従来構造のアンテナコイルを用いたコイルアンテナ〕
115mm
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態に係る携帯電話機の構成について図6を基に説明する。
図6はそれぞれ構成の異なる4つの携帯電話機の正面図である。各アンテナコイルは主筐体11の第1・第2の主面に対してほぼ垂直方向に磁束が通る向きで且つ主筐体11の側面に沿った位置に配置している。
次に、第4の実施形態に係る携帯電話機について図7を基に説明する。
図7はそれぞれ構成の異なる5つの携帯電話機について示している。これらはいずれも主筐体11と、それに対して開閉自在に連結した副筐体15とからなるいわゆるクラムシェルタイプの筐体を備えたものである。図7中の各図を区別する符号に「A」を付した図は正面図、「B」を付した図は主筐体11から副筐体15を開いた状態での左側面図、「C」を付した図は主筐体11に対して副筐体15を閉じた状態での左側面図である。
次に第5の実施形態に係る携帯電話機について図8を基に説明する。
図8はそれぞれ構成の異なる5つの携帯電話機について示している。これらはいずれも主筐体11と、それに対して直線摺動開閉自在に連結した副筐体15とからなるいわゆる直進スライドタイプの筐体を備えたものである。図8中の各図を区別する符号に「A」を付した図は正面図、「B」を付した図は主筐体11から副筐体15を開いた状態での左側面図である。
次に第6の実施形態に係る携帯電話機について図9を基に説明する。
図9はそれぞれ構成の異なる5つの携帯電話機について示している。これらはいずれも主筐体11と、それに対して回転摺動開閉自在に連結した副筐体15とからなるいわゆる回転スライドタイプの筐体を備えたものである。(A)〜(E)の各図はいずれも正面図である。
図10・図11は、第7の実施形態に係る携帯電話機内部の主要部の構成を示す斜視図であり、特に主筐体内へのアンテナコイルの実装構造について示すものである。
アンテナコイル12は磁性体コア121とコイル122を備えている。磁性体コア121はT字型を成し、磁性体コア121の主要部から突出した部分に端子電極123,124を形成していて、コイル122の両端をその端子電極123,124に接合している。
第7の実施形態ではアンテナコイルの磁性体コアに設けた端子電極を基板上の端子電極に接合するようにしたが、この第8の実施形態では、アンテナコイルに端子板を設けて、それを介して基板に実装する。図12の(A)はアンテナコイル12と、それを実装する基板13の構成を示す斜視図、(B)はアンテナコイル12の実装状態での携帯電話機の断面図である。図12(A)に示すように、アンテナコイル12は、磁性体コア121に対して電極膜を形成し、その電極膜にL字型の端子板125,126を接合し、この端子板125,126または上記電極膜にコイル122の両端を接続している。
12−アンテナコイル
13−基板
14−電池パック
15−副筐体
22−磁性体部材
111,112−アンテナコイル保持部
121−磁性体コア
122−コイル
123,124−端子電極
125,126−端子板
133,134−端子電極
S1−第1主面
S2−第2主面
S3〜S6−側面
SA−側部
C−切り欠き部
Claims (5)
- 互いに対向する第1・第2の主面およびその第1・第2の主面を連結する側面を有する板状の筐体を備え、磁性体部材と該磁性体部材に巻回したコイル部材とからなるアンテナコイルを前記筐体内に設けた携帯電子機器において、
前記アンテナコイルを、前記第1・第2の主面に対して交差する方向に磁束が通る向きで且つ前記筐体の互いに対向する側面に沿って少なくとも一対配置したことを特徴とする携帯電子機器。 - 前記筐体は、互いに対向する平行な2組の側面を有する直方体形状を成し、いずれかの側面に平行な対称軸に対して線対称位置に前記アンテナコイルを配置した請求項1に記載の携帯電子機器。
- 前記筐体は、平面形状が中心点に対して点対称形状を成し、前記中心点に対して点対称位置に前記アンテナコイルを配置した請求項2に記載の携帯電子機器。
- 前記筐体を主筐体とし、互いに対向する第1・第2の主面およびその第1・第2の主面を連結する側面を有する板状の副筐体を前記主筐体に対して直線摺動自在にまたは回転摺動自在に連結し、主筐体に対して副筐体を閉じた状態で前記アンテナコイルの磁束が通る向きで且つ副筐体内の前記側面に沿って磁性体部材を設けた、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の携帯電子機器。
- 前記筐体を主筐体とし、互いに対向する第1・第2の主面およびその第1・第2の主面を連結する側面を有する板状の副筐体を前記主筐体に対して、該主筐体とともにクラムシェル構造を構成するように副筐体を連結し、主筐体に対して副筐体を閉じた状態で前記アンテナコイルの磁束が通る向きで且つ副筐体内の前記側面に沿って磁性体部材を設けた、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の携帯電子機器。
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